JP7116479B2 - 触媒及び炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Description
CH4+1/2O2→1/2C2H4+H2O ・・・(1)
CH4+1/4O2→1/2C2H6+1/2H2O ・・・(2)
CH4+2O2→CO2+2H2O ・・・(3)
本実施形態に係る触媒は、一般式Li2ABO4(Aは、Ca、Sr、Ba及びMgからなる群から選択される1種以上であり、Bは、Si及び/又はGeである。)で表されるLi含有複合金属酸化物を含むものである。
上述したLi含有複合金属酸化物には、Ce含有酸化物及び/又はW含有酸化物を担持することが好ましい。
上述した一般式Li2ABO4(Aは、Ca、Sr、Ba及びMgからなる群から選択される1種以上であり、Bは、Si及び/又はGeである。)で表されるLi含有複合金属酸化物の製造方法としては、特に限定されず、例えば固相法、ゾル-ゲル法、水熱合成法、共沈法等、クエン酸ゲル化法等により合成することができるが、その中でも、固相法又はクエン酸ゲル化法により合成することが好ましい。
Ce含有酸化物、W含有酸化物は、湿式含浸法により合成することが好ましい。
本実施形態に係る炭化水素の製造方法は、上述した触媒を用いて、メタンから炭素数2以上の炭化水素を合成するものである。
(実施例1)Li2SrGeO4
原料としてLiNO3、Sr(NO3)2、GeO2を用い、これらの原料をLi:Sr:Ge=2.3: 1:1(Li:15mol%過剰)となるように全金属モル数4倍量のクエン酸を溶かした純水に加え、加熱撹拌を行った。ゲル形成後、得られたゲルを大気中450℃、1時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中850℃で、12時間本焼成してLi2SrGeO4を合成した。
原料としてのLiNO3、Sr(NO3)2、GeO2に加えて、Ce及びWを、目的とするLi2SrGeO4100質量%に対し、それぞれ2質量%、5質量%となるように、添加して調製した以外は実施例1と同様の操作を行い、Ce-W/Li2SrGeO4を合成した。
Sr(NO3)2の代わりにCa(NO3)2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、Li2CaGeO4を合成した。
原料としてのLiNO3、Ca(NO3)2、GeO2に加えて、Ce及びWを、目的とするLi2CaGeO4100質量%に対し、それぞれ2質量%、5質量%となるように、添加して調製した以外は実施例3と同様の操作を行い、Ce-W/Li2CaGeO4を合成した。
Sr(NO3)2の代わりにCa(NO3)2を用い、且つGeO2の代わりに、Si(OC2H5)4にC3H8O2及び少量のHClを加え、混合した溶液(以下、「Si源溶液」という。)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、Li2CaSiO4を合成した。
原料としてのLiNO3、Ca(NO3)2、Si源溶液に加えて、Ce及びWを、目的とするLi2CaSiO4100質量%に対し、それぞれ2質量%、5質量%となるように、添加して調製した以外は実施例5と同様の操作を行い、Ce-W/Li2CaSiO4を合成した。
GeO2の代わりにSi源溶液用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、Li2SrSiO4を合成した。
原料としてのLiNO3、Sr(NO3)2、Si源溶液に加えて、Ce及びWを、目的とするLi2SrSiO4100質量%に対し、それぞれ2質量%、5質量%となるように、添加して調製した以外は実施例7と同様の操作を行い、Ce-W/Li2SrSiO4を合成した。
Sr(NO3)2の代わりにBa(NO3)2を用い、且つGeO2の代わりにSi源溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、Li2BaSiO4を合成した。
原料としてのLiNO3、Ba(NO3)2、Si源溶液に加えて、Ce及びWを、目的とするLi2BaSiO4100質量%に対し、それぞれ2質量%、5質量%となるように、添加して調製した以外は実施例9と同様の操作を行い、Ce-W/Li2BaSiO4を合成した。
Mn-Na2WO4/SiO2について湿式含浸法を用いて合成を行った。原料としてMn(NO3)2・6H2O、Na2WO4・2H2O、SiO2を用いた。これらを、目的物であるMn及びNa2WO4がそれぞれ2重量%及び5重量%となるように純水に溶かし、担体であるSiO2に浸し、100℃で加熱し、乾燥した。このようにして得られた乾燥物を大気中850℃で、5時間焼成することでMn-Na2WO4/SiO2を得た。
原料としてLi2CO3、SiO2を用い、これらの原料をLi:Si=2:1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中700℃、1時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中850℃で、12時間本焼成してLi2SiO3を合成した。
原料としてCaCO3、SiO2を用い、これらの原料をCa:Si=1:1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中700℃、1時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中850℃で、12時間本焼成してCaSiO3を合成した。
比較例2で合成したLi2SiO3及び比較例3で合成したCaSiO3を質量比1:1で混合して、Li2SiO3及びCaSiO3の混合物を得た。
原料としてSrCO3、Fe2O3、Nb2O5を用い、これらの原料をSr:Fe:Nb=2:1:1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中1000℃、12時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中1200℃で、12時間本焼成してSr2FeNbO6を合成した。
原料としてSrCO3、Fe2O3、Sb2O3を用い、これらの原料をSr:Fe:Nb=2:1:1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中1000℃、12時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中1200℃で、12時間本焼成してSr2FeSbO6を合成した。
原料としてCaCO3、ZnO、SiO2を用い、これらの原料をCa:Zn:Si=2:1:1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中1000℃、12時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中1200℃で、12時間本焼成してCa2ZnSi2O7を合成した。
原料としてBaCO3、TiO2、SiO2を用い、これらの原料をCa:Si=2:1: 1となるように秤量し、エタノールを加え粉砕混合した。混合後、試料を大気中1000℃、12時間で仮焼し、前駆体を得た。その前駆体を大気中1200℃で、12時間本焼成してBa2TiSi2O8を合成した。
(実施例1及び実施例2)
実施例1及び実施例2の試料について、X線回折(XRD)測定を行った。図1は、実施例1及び実施例2の試料のXRDパターンである。実施例1の試料においては、Li2SrGeO4のピークのみが確認された。一方で、実施例2の試料においては、Li2SrGeO4のピークの他に、副相としてSrLi0.4W0.6O3、Li6WO6及びCeO2のピークが確認された。このことから、実施例2の試料においては、Ce含有酸化物とW含有酸化物が含まれることが分かった。
実施例3及び実施例4の試料について、XRD測定を行った。実施例3の試料においては、Li2CaGeO4のピークのみが確認された。一方で、実施例4の試料においては、Li2CaGeO4のピークの他に、副相としてLi4WO5、CeO2及びCaOのピークが確認された。このことから、実施例4の試料においては、Ce含有酸化物とW含有酸化物が含まれることが分かった。
実施例5及び実施例6の試料について、XRD測定を行った。実施例5の試料においては、Li2CaSiO4のピークの他に、副相としてLi4SiO4及びCaOのピークが確認された。一方で、実施例6の試料においては、Li2CaSiO4のピークの他に、副相としてLi4WO5、CeO2及びLi2Oのピークが確認された。このことから、実施例6の試料においては、Ce含有酸化物とW含有酸化物が含まれることが分かった。
実施例7及び実施例8の試料について、XRD測定を行った。実施例7の試料においては、Li2SrSiO4のピークのみが確認された。一方で、実施例8の試料においては、Li2SrSiO4のピークの他に、副相としてSrLi0.4W0.6O3、CeO2及びLi4SiO4のピークが確認された。また、同定できないピークも確認された。このことから、実施例8の試料においては、Ce含有酸化物とW含有酸化物が含まれることが分かった。
実施例9及び実施例10の試料について、XRD測定を行った。実施例9の試料においては、Li2BaSiO4のピークの他に、SiO2のピークが確認された。一方で、実施例10の試料においては、Li2BaSiO4のピークの他に、BaLiWO5.5及びCeO2のピークが確認された。このことから、実施例10の試料においては、Ce含有酸化物とW含有酸化物が含まれることが分かった。
比較例1~8の資料について、XRD測定を行った。比較例1の試料においては、Na2WO4、結晶質のSiO2のピークの他に、Na2WO4、Na4WO5、Na2W2O7、Mn2O3及びMnWO4のピークが確認された。比較例2及び比較例5~8の試料においては、それぞれ目的とする化合物のピークのみが確認された。比較例3の試料においては、CaSiO3のピークの他に、副相としてCa2SiO4及びSiO2のピークが確認された。
実施例1~10及び比較例1~7の試料それぞれ0.3gを、内径4mmの石英反応管に充填して、メタン1.0mL/分、酸素0.25mL/分、窒素8.75mL/分の混合ガスを流し反応させ、600℃~800℃において、OCM反応の触媒活性評価を行った。分析は、ガスクロマトグラフ(GC-8A、GC-TCD、SHIMADZU製)により行った。なお、以下の方法では、メタンの酸化カップリング反応により得られた炭化水素は主としてC2であったため、C2のみを分析した。
メタン転化率(%)
=[1-(未反応のメタンの量/原料メタンの量)]×100 ・・・(4)
C2収率(%)
=(2×生成したエチレン及びエタンの量/原料メタンの量)×100 ・・・(5)
C2選択率(%)=C2収率/メタン転化率 ・・・(6)
実施例1、実施例2及び比較例1の試料について、上記触媒活性評価と同様の装置及びガス雰囲気中、800℃で2時間保持し、そのCH4転化率、C2選択率及びC2収率を測定した。なお、実施例2については750℃でも測定した。
実施例5の試料について、温度を800℃、メタン及び酸素の総流量を1.25mL/分に固定して、酸素/メタン比(モル比)を変化させ、上記触媒活性評価と同様の条件にてメタン/酸素比の影響を検討した。
Claims (11)
- 一般式Li2ABO4(Aは、Ca、Sr、Ba及びMgからなる群から選択される1種以上であり、Bは、Si及び/又はGeである。ただし、AがCaであって、かつBがSiである場合を除く。)で表されるLi含有複合金属酸化物を含む、
メタンから炭素数2以上の炭化水素を合成するための、触媒。 - 一般式Li 2 ABO 4 (Aは、Caであり、Bは、Siである。)で表されるLi含有複合金属酸化物を含む、
前記Li含有複合金属酸化物の表面に、Ce含有酸化物及び/又はW含有酸化物が担持された、
メタンから炭素数2以上の炭化水素を合成するための、触媒。 - 前記Li含有複合金属酸化物の表面に、Ce含有酸化物及び/又はW含有酸化物が担持された、請求項1に記載の触媒。
- 前記Li含有複合金属酸化物の表面に、少なくともCe含有酸化物を含み、
前記Ce含有酸化物は、CeO2である、請求項2又は3に記載の触媒。 - 前記Li含有複合金属酸化物の表面に、少なくともW含有酸化物を含み、
前記W含有酸化物は、W及び前記Li含有複合金属酸化物を構成する金属元素との複合金属酸化物である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の触媒。 - Ceの含有量は、前記Li含有複合金属酸化物100質量%に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下である、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の触媒。
- Wの含有量は、前記Li含有複合金属酸化物100質量%に対し、0.5質量%以上10質量%以下である請求項2乃至6のいずれか1項に記載の触媒。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の触媒を用いて、メタンから炭素数2以上の炭化水素を合成する、炭化水素の製造方法。
- メタンと酸素とを接触させて反応させることにより、メタンから炭素数2以上の炭化水素を合成する、請求項8に記載の炭化水素の製造方法。
- 600℃以上800℃以下の温度範囲の反応系内で、メタンと酸素とを接触させる、請求項9に記載の炭化水素の製造方法。
- 反応系内における酸素とメタンのモル比(酸素/メタン)が0.12以上0.6以下である、請求項10に記載の炭化水素の製造方法。
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