JP7116414B2 - 発電設備 - Google Patents

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Description

一方面に高浸透圧のドロー溶液が供給されるとともに、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給される浸透膜を有し、浸透膜のフィード溶液側からドロー溶液側に浸透水を取り出す正浸透膜ユニットと、浸透水で希釈されたドロー溶液を作動溶液として発電機を駆動させる発電装置とを設けてある発電設備(浸透圧発電)に関するものである。
浸透圧が低い溶液と浸透圧が高い溶液とを浸透膜で隔離すると、浸透圧が低い溶液の溶媒は、浸透膜を透過して浸透圧が高い溶液側に移動する。この溶媒が移動し、増加した溶媒の体積によってタービンを回して発電する浸透圧発電装置が知られている(たとえば特許文献1、非特許文献1)。
上述の浸透圧発電装置は、例えば、閉じた系において重炭酸アンモニウム水溶液を作動媒体として循環させて発電する。この装置では、互いに濃度の異なる2種類の重炭酸アンモニウム水溶液の間の浸透圧差により生じる水流がタービンを回す。タービンを回した後の重炭酸アンモニウム水溶液は、再利用のために加熱され、炭酸ガスおよびアンモニアガスと、非常に濃度の低い重炭酸アンモニウム水溶液として分離再生される。分離させた炭酸ガスおよびアンモニアガスは、冷却された濃度の低い重炭酸アンモニウム水溶液の一部に導入され、濃度の高い重炭酸アンモニウム水溶液が再生される。こうして得られた濃度の異なる2種類の重炭酸アンモニウム水は、再循環されて発電のために使用される。
しかし以上に述べた従来の浸透圧発電装置では、濃度の異なる2種類の重炭酸アンモニウム水を再生するには、大きなエネルギーを要する。つまり、発電効率(=(得られる発電量)/(重炭酸アンモニウムを炭酸ガスとアンモニアガスに分離させるための加熱量))が小さい。
そのため、本発明者らは特許文献2に示す発電設備を提案している。特許文献2においては、ドロー溶液として25~90℃に下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を用いる。この構成によると、浸透膜のフィード溶液側からドロー溶液側に取り出された浸透水で希釈されたドロー溶液の流れは、浸透膜での浸透圧差により浸透水を受け入れることにより流量を増し、発電装置に設けられた発電機を駆動させる作動溶液として機能させられる。
特表2010-509540号公報 特開2017-160906号公報
Jeffrey R.McCutcheona et al.,"A novel ammonia-carbon dioxide forward (direct) osmosis desalination process",Desalination,174,2005,p1-11
しかし、上記特許文献2の構成によると、ドロー溶液にグリコールエーテルをはじめとする有機溶媒を用いることから、長期耐久性を考えるうえで、浸透膜を構成する材料についても、耐薬品性の高いものを用いる必要がある。また、耐薬品性が高くかつ浸透水の分離透過性の高い材料は、あまり知られておらず、浸透膜の寿命が短く、高価な浸透膜を用いることになり、安価かつ高性能な(出力を高められる)正浸透膜ユニットを構成するうえで大きな制約になっている。
そこで、本発明の目的は、正浸透膜ユニットを構成するに、汎用的(安価)な浸透膜を用いたとしても、長寿命に用いられる発電設備を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の発電設備の特徴構成は、
一方面に高浸透圧のドロー溶液が供給されるとともに、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給される浸透膜を有し、前記浸透膜の他方面側から一方面側に浸透水を取り出す正浸透膜ユニットと、
浸透水で希釈されたドロー溶液(希ドロー溶液)を作動溶液として駆動する発電機と、
前記発電機を駆動させた作動溶液を再生して、ドロー溶液とフィード溶液とを回収する再生装置と、
を設けてある発電設備であって、
前記再生装置は、
前記発電機を駆動させた作動溶液に、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を主成分とする相分離液を混合し、作動溶液に含まれる浸透水を相分離液中に回収して、浸透水で希釈された相分離液(希相分離液)とドロー溶液とに分離するとともに、得られたドロー溶液を前記浸透膜の一方面側に供給する第一分離装置と、
前記第一分離装置で得られた希相分離液と、前記浸透膜の他方面側を経由した後のフィード溶液(濃フィード溶液)とを混合して混合液とした後、希相分離液から濃フィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離させ、分離させた相分離液を、前記発電機を駆動した後の作動溶液に混合供給するとともに、浸透水の合流したフィード溶液を前記浸透膜の他方面側に供給する第二分離装置と、
を備える。
すなわち、一方面に高浸透圧のドロー溶液が供給されるとともに、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給される浸透膜を有し、浸透膜の他方面側から一方面側に浸透水を取り出す正浸透膜ユニットと、希ドロー溶液を作動溶液として駆動する発電機と、発電機を駆動させた作動溶液を再生して、ドロー溶液とフィード溶液とを回収する再生装置と、を備えるから、正浸透膜ユニットで取り出された浸透水により流量の増加した作動溶液を用いて発電機を駆動させることができる。発電機を駆動させた作動溶液、即ち希ドロー溶液はドロー溶液よりも浸透水の分希釈された状態であるが、この希ドロー溶液からドロー溶液を再生して、浸透膜の一方面側に送り、浸透水を再度フィード溶液として、浸透膜の他方面側に送ることで、持続的に発電機を駆動させることができる。
ここで、ドロー溶液は、前記ドロー溶液に含まれる溶質の前記相分離液に含まれる有機化合物に対する溶解度が0.5mg/g以下であることを満たす水溶液を用いることで、ドロー溶液の溶質は、第一分離装置にて相分離液にほとんど溶解しないから、相分離液が不純物を含むことにより浸透圧を経時的に変化させ、その結果として発電性能の低下を引き起こす現象を最小限に抑えることができる。
発電機を駆動させた作動溶液に、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を主成分とする相分離液を混合することによって、相分離液と発電機を駆動させた作動溶液の混合液を生成する。この混合液は、ドロー溶液の主成分が無機塩水溶液であれば、塩析効果により二相分離し、混合前の浸透圧差に応じて水が相分離液側に移動する。したがって、再生されたドロー溶液と、作動溶液に含まれる浸透水で希釈された相分離液とが得られる。得られたドロー溶液を第一分離装置により、浸透膜の一方面側に供給するので、ドロー溶液は、浸透膜を通過した浸透水を相分離液に受け渡す役割を果たしながら、所定の濃度で正浸透膜ユニットに循環供給される。
第一分離装置で得られた浸透水で希釈された相分離液と、浸透膜の他方面側を経由した後の濃フィード溶液とを混合して混合液とすると、相分離液は下限臨界溶液温度を有する有機溶媒を主成分とするものであるから、下限臨界溶液温度未満において均一な溶液となる。これを、例えば、下限臨界溶液温度以上に加熱して二相分離したり、さらに沸点の差を利用したり(蒸発法)、蒸気圧の差を利用したり(膜蒸留)して、浸透水で希釈された相分離液からフィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離することができる。
分離させた相分離液は、含まれていた浸透水をフィード溶液に受け渡し、再生された高濃度のものとなり、第二分離装置により、発電機を駆動させた後の作動溶液に混合供給される。一方、浸透水の合流したフィード溶液は、浸透膜の他方面側に供給される。したがって、正浸透膜ユニットの浸透膜では、浸透圧差により他方面側から一方面側に浸透水を取り出すことができ、閉サイクルとしてフィード溶液、ドロー溶液とともに浸透水を循環移動させることができるので、浸透水の流通する浸透圧によって発電サイクルを維持できることになる。
したがって、正浸透膜ユニットの浸透膜は、相分離液としてグリコールエーテル溶液のような有機物質を用いた場合でも影響を受けにくい回路を備えた発電設備となっており、有機物質による変質を受けにくいため、高い耐薬品性は要求されず汎用的(安価)な浸透膜を用いたとしても、長寿命の発電設備を構成できるようになった。また、汎用性の高い浸透膜を使用できるため、比較的安価に発電ユニットを構成することができる。
また、前記第一分離装置から前記第二分離装置に供給される前記混合液を加熱して二相分離させる加熱装置を備えてもよい。
先述のように、例えば、下限臨界溶液温度以上に加熱して二相分離したり、さらに沸点の差や蒸気圧の差を利用したりして、希相分離液からフィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離することができる。
また、前記第一分離装置から前記第二分離装置に供給される前記混合液を加熱するとともに、第二分離装置から前記発電機を駆動した後の作動溶液に混合供給される相分離液を冷却させる熱交換器を備えてもよい。
第二分離装置から発電機を駆動した後の作動溶液に混合供給される相分離液は、第一分離装置から第二分離装置に供給される混合液よりも温度が高いため、これらを熱交換することにより、相分離液の保有熱を混合液に熱交換して与えることにより、第二分離装置にて二相分離に要する熱量を節約することができ、より効率の高い発電設備とできる。
また、前記浸透膜の一方面側に前記第一分離装置で得られたドロー溶液を圧送する昇圧ポンプを備えるとともに、前記浸透膜の一方面側から前記発電機に供給される作動溶液を、前記発電機をバイパスして前記発電機の下流側に流通させるバイパス路を備え、
前記バイパス路に流通する作動溶液のエネルギーを回収して、前記昇圧ポンプに供給されるドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機を備えてもよい。
この場合、発電機の発電に必要な量を上回る作動溶液を、バイパス路を介して常時発電機の下流側に流すことができる。これにより、浸透水の量を一定に維持して運転しながらも、発電量に追従する運転ができる。この際、バイパス路を経由する作動溶液は高圧であるのに対して、発電機を経由した作動溶液は低圧であるから、バイパス路を経由する作動溶液の圧力を、昇圧ポンプに供給されるドロー溶液にエネルギー回収することにより、昇圧ポンプに供給されるドロー溶液の圧力を予備的に上昇させることができ、昇圧ポンプの負荷を軽減するのに有効利用できるようになる。したがって、より発電効率の高い運転が可能になると考えられる。
尚、昇圧ポンプは、バイパス路に備えることもでき、前記バイパス路に流通する昇圧ポンプで昇圧された作動溶液のエネルギーを回収して、ドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機を備える形態とすることで、バイパス路を経由する作動溶液の圧力を、浸透膜の一方面側に供給されるドロー溶液にエネルギー回収することにより、浸透膜の一方面側に供給されるドロー溶液の圧力を上昇させることができる。昇圧ポンプによる動力もドロー溶液の昇圧に有効利用できるようになる。
また、浸透膜が、ポリアミド、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、セルロース系、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素ポリマー系から選択されるポリマー又は前記ポリマーの誘導体からなる有機膜、前記ポリマー及び前記ポリマーの誘導体から選択される2種以上を組み合わせた複合膜、シリカ膜、ゼオライト膜、セラミック膜、チタニア膜から選択される無機膜、或いは前記有機膜及び前記無機膜を構成する材料を2種以上複合化させることによって得られる膜であってもよい。

これらの浸透膜は、汎用的な浸透膜のなかでは、耐薬品性に優れており、ドロー溶液中に不可避的に混入する相分離液等によっても変質の起きにくい正浸透膜ユニットを構成し、長寿命の発電設備を構成するのに役立つ。
また、前記ドロー溶液と前記相分離液の組合せが、前記第一分離装置で分離された直後のドロー溶液中の前記相分離液に含まれる有機化合物の濃度が3質量%以下であることを満たすものが好ましく、この条件であれば、浸透膜に接触する相分離液分をほぼ無視できるため、膜の変質を抑制できる。さらに、第一分離装置31上流の希ドロー溶液浸透圧を低く抑えることができるため、第一分離装置での浸透水移動を効率よく行える。なお前記ドロー溶液の浸透圧は、第二分離装置で分離された浸透水の合流したフィード溶液の浸透圧よりも高く、第二分離装置で分離された相分離液の浸透圧よりも低くなる必要がある。
上記ドロー溶液の主成分が無機塩水溶液であれば、第一分離装置において、発電機を駆動させた作動溶液に、下限臨界溶液温度を有するグリコールエーテル溶液を主成分とする相分離液を混合した場合でも、作動溶液に含まれる浸透水を相分離液中に回収して、浸透水で希釈された相分離液とドロー溶液とに分離する工程が効率よく行える。
また、相分離液が、25~90℃に下限臨界溶液温度を有するものであってもよい。
相分離液としてこのような下限臨界溶液温度を有するグリコールエーテルを選ぶと、第二分離装置における、浸透水で希釈された相分離液と、浸透膜の他方面側を経由した後の濃フィード溶液とを混合して混合液とした後、浸透水で希釈された相分離液からフィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離する工程が比較的低温で行える。そのため、40℃~90℃程度の比較的低温の排熱を有効に利用して第二分離装置における浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離が効率的に行えるので好ましい。
また、相分離液に含まれる有機化合物が、
エチレングリコールモノブチルエーテル、(別名「2-ブトキシエタノール」)
エチレングリコールモノイソブチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、
トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル
から選ばれる少なくとも一種のグリコールエーテル溶液や
ポリN-アルキルアクリルアミド、
ポリN-ビニルアルキルアミド、
ポリビニルアルキルエーテル、
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体、
メチルセルロース、
グリセロールエトキシレート、
グリセロールエトキシレート(ブトキシル化プロポキシレート)、
グリセロールエトキシレート(ブチル化)、
グリセロールエトキシレート(ブチル化プロポキシレート)、
グリセロールエトキシレート(プロポキシル化ブトキシレート)、
グリセロールエトキシブトキシレート、
グリセロールエトキシレート(プロポキシル化)、
グリセロールエトキシレート(ブトキシル化)、
トリメチロールプロパンエトキシレート
トリメチロールプロパンエトキシブトキシレート
トリブロモエタノール
から選ばれる少なくとも一種を主成分として含有するものであってもよい。
これらの有機化合物を成分とする相分離液は、25~90℃に下限臨界溶液温度を有するとともに、粘度が低く取扱い容易で、発電設備を構成する管路における流動抵抗が低いために、発電設備の発電効率を高めるのに好適である。
したがって、汎用的な浸透膜を利用しながらも、高い発電効率を発揮できる発電設備を提供することができた。
発電設備のフロー図 無機塩水溶液と相分離液の相分離性を示すグラフ 別実施形態における発電設備のフロー図
以下に、本発明の実施形態にかかる発電設備を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔発電設備〕
本発明の実施形態にかかる発電設備は、図1に示すように、一方面に無機塩水溶液が高浸透圧のドロー溶液として供給されるとともに、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給される浸透膜10を有し、浸透膜10のフィード溶液側からドロー溶液側に浸透水を取り出す正浸透膜ユニット1と、浸透水で希釈された希ドロー溶液を作動溶液として駆動する発電機2と、発電機2を駆動させた作動溶液を再生して、ドロー溶液とフィード溶液とを回収する再生装置3と、を設けてある。
再生装置3は、
発電機2を駆動させた作動溶液に、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を主成分とする相分離液を混合し、作動溶液に含まれる浸透水を相分離液中に回収して、浸透水で希釈された希相分離液とドロー溶液とに分離するとともに、得られたドロー溶液を正浸透膜ユニット1における浸透膜10の一方面側に供給する第一分離装置31と、
第一分離装置31で得られた浸透水で希釈された希相分離液を、浸透膜10の他方面側を経由した後の濃フィード溶液に混合した後、希相分離液からフィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離させ、分離させた相分離液を、発電機2を駆動した後の作動溶液に混合供給するとともに、浸透水の合流したフィード溶液を浸透膜10の他方面側に供給する第二分離装置32と、
を備える。
ここで、ドロー溶液に含まれる溶質の前記相分離液に含まれる有機化合物に対する溶解度が0.5mg/g以下であることが望ましく、さらに、前記ドロー溶液と前記相分離液の組合せが、前記第一分離装置で分離された直後のドロー溶液中の前記相分離液に含まれる有機化合物の濃度が3質量%以下であることが望ましい。
以下、各構成につき詳述する。
〔正浸透膜ユニット〕
正浸透膜ユニット1は、一方面に高浸透圧のドロー溶液が供給されるドロー溶液供給部10aと、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給されるフィード溶液供給部10bとを備え、ドロー溶液供給部10aとフィード溶液供給部10bとを隔てる隔壁に浸透膜10を有する。このような構成により、たとえば、浸透圧が高い無機塩水溶液をドロー溶液流路L1よりドロー溶液供給部10aに供給し、後述の浸透水で希釈された相分離液(希相分離液)と浸透膜10を介して浸透水が抜けたフィード溶液(濃フィード溶液)との混合液から相分離液を分離した後の、浸透水の合流したフィード溶液をフィード溶液流路L2よりフィード溶液供給部10bに供給することで、浸透膜10のフィード溶液側からドロー溶液側に浸透水を移動させてドロー溶液中に取り出す。浸透水を含み流量の増したドロー溶液(希ドロー溶液)は、作動溶液流路L3に排出され、発電機2としてのタービンを回転させる作動溶液として利用される。
浸透膜10の一方面側に第一分離装置で得られたドロー溶液を圧送する昇圧ポンプ41を備えるとともに、浸透膜10の一方面側から発電機2に供給される作動溶液を、発電機2をバイパスして発電機2の下流側に流通させるバイパス路L4を備え、バイパス路L4に流通する作動溶液のエネルギーを回収して、昇圧ポンプ41に供給されるドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機4を備える。これにより、正浸透膜ユニット1を安定運転させることができる。
ここで、エネルギー回収機4とは、回転圧力伝達装置のように、一方の流路に流通する低圧の流体の圧力を他方の流路に流通する高圧の流体の圧力により高めるとともに、他方の流路に流通する流体の圧力を低下させる構成を有する装置の総称である。
〔浸透膜〕
正浸透膜ユニット1に用いられうる浸透膜10は例えば、ポリアミド系のほか、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、セルロース系、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素ポリマー系、及び、上記ポリマーの誘導体等の有機膜や上記を組み合わせた複合膜、シリカ膜、ゼオライト膜、セラミック膜、チタニア膜等の無機膜、または有機/無機ハイブリット膜など複数の材料を組み合わせた膜などが挙げられる。また、正浸透膜ユニット1には、例えば、管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを使用することができる。中でも、ポリアミド系のものが好適に用いられ、特に、水の透過係数が1×10-12m/s/Pa以上のものが好適に用いられる。
〔第一分離装置〕
第一分離装置31は、正浸透膜ユニット1のドロー溶液供給部10aから排出され発電機2の作動溶液として利用された希ドロー溶液に、希ドロー溶液流路L5にて相分離液を加え、再びドロー溶液と、浸透水を含む希相分離液とに分離するための第一相分離容器31aを備えて構成してある。分離された希相分離液は、希相分離液流路L6より第二分離装置32に供給される。また、分離されたドロー溶液は、ドロー溶液流路L1より正浸透膜ユニット1のドロー溶液供給部10aに供給される。
たとえば、相分離液として、下限臨界溶液温度を有するグリコールエーテル溶液としてトリエチレングリコールブチルメチルエーテルを主成分とするものが用い、ドロー溶液として硫酸ナトリウムの10質量%水溶液を用いる場合、浸透水を含んで水量の増した希ドロー溶液と相分離液との混合液は、第一相分離容器31a内に供給されて、室温(25℃)にて塩析効果により二相分離する。すなわち、この混合液は、希ドロー溶液中の水分が相分離液側に移動することにより、塩析効果により二相に分離する。そして、その二相が重力分離によりドロー溶液と浸透水を含有する相分離液とに分離される。
〔第二分離装置〕
第二分離装置32は、希相分離液流路L6にて希相分離液に、正浸透膜ユニット1のフィード溶液供給部10bから排出された濃フィード溶液を加えたのち、加熱装置5により加熱して二相分離させた状態で受け入れる第二相分離容器32aを備え、浸透水を合流させたフィード溶液と相分離液とを二相分離可能に構成してある。濃フィード溶液は、希相分離液流路L6に設けられる第二分離装置32の下流側で熱交換器6の上流側のポイントにて合流する。第二分離装置32にて二相に分離されたフィード溶液はフィード溶液流路L2から正浸透膜ユニット1のフィード溶液供給部10bに供給される。一方、二相に分離された相分離液は、相分離液流路L7を流通し、希相分離液流路L6と熱交換器6にて熱交換した後、冷却器7にて冷却され、第一分離装置31の上流側の発電機2の下流側にて希ドロー溶液流路L5に返送合流させられる。
ここで、熱交換器6としては、たとえば二重管式熱交換器等、一方の流路に流通する低温の流体を他方の流路に流通する高温の流体の熱により昇温させるとともに、他方の流路に流通する流体の温度を低下させる構成を有する装置の総称である。
また、加熱装置5としては、たとえば熱発生プラントから生じる排熱を熱源として流路に流通する流体に熱を供給して昇温可能な構成のものが用いられる。
また、冷却器7としては、たとえばフィンチューブに流通する液体の保有熱を外部より液体の気化熱等として奪い冷却する構造のものが用いられる。
たとえば、相分離液として、下限臨界溶液温度を有するグリコールエーテル溶液としてトリエチレングリコールブチルメチルエーテルを主成分とするものが用いられ、フィード溶液として水が用いられている場合、浸透水を含む相分離液は、約40℃にて、二相に分離し、浸透水の合流したフィード溶液と浸透水を含まない相分離液とに分離される。
このような構成によると、ドロー溶液は、正浸透膜ユニット1のドロー溶液供給部10aで浸透水により希釈され希ドロー溶液となり作動溶液流路L3を通って発電機2の作動溶液として用いられる。その後、希ドロー溶液流路L5を通って第一分離装置31に達し、相分離液に浸透水を受け渡してドロー溶液へと再生される。ドロー溶液は、ドロー溶液流路L1によりエネルギー回収機4を経由して正浸透膜ユニット1のドロー溶液供給部10aに返送供給される。この際、エネルギー回収機4では、正浸透膜ユニット1のドロー溶液供給部10aに供給されるドロー溶液と、作動溶液流路L3における発電機3の上流側からエネルギー回収機4の上流側に返送される希ドロー溶液との間でエネルギー回収が行われる。
また、相分離液は、第一分離装置31で浸透水により希釈されて希相分離液となって希相分離液流路L6より、熱交換器6,加熱装置5を経て第二分離装置32に供給される。その後第二分離装置32で濃フィード溶液に浸透水を受け渡して相分離液となり熱交換器6,冷却器7を経由して発電機2と第一分離装置31との間の希ドロー溶液流路L5に返送され、希ドロー溶液と混合された状態で再び第一分離装置31に流入される。
さらに、濃フィード溶液は、第二分離装置32で浸透水を受け取り、フィード溶液へと再生されたのち、フィード溶液流路L2を介して正浸透膜ユニット1のフィード溶液供給部10bに供給され、正浸透膜ユニット1のフィード溶液供給部10bにて浸透水をドロー溶液に受け渡して濃フィード溶液となって、第一分離装置31と熱交換器6との間の希相分離液流路L6に返送され、希相分離液と混合された後、加熱装置5を経て第二分離装置32に供給される構成となる。
〔ドロー溶液〕
ドロー溶液としては、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸セシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩水溶液が用いられ、高浸透圧の得られるものであれば、いずれのものであっても利用することができるが、下記の実験例より図2を参照すると、ドロー溶液と相分離液との分離性および浸透水の受け渡しの観点から、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)が特に好ましいことが分かった。尚、ドロー溶液と前記相分離液の組合せが、第一分離装置で分離された直後のドロー溶液中の前記相分離液に含まれる有機化合物の濃度が3質量%以下であることを満たすものが好ましく、この条件であれば、浸透膜に接触する相分離液分をほぼ無視できるため、膜の変質を抑制できる。さらに、第一分離装置31上流の希ドロー溶液浸透圧を低く抑えることができるため、第一分離装置での浸透水移動を効率よく行える。なお前記ドロー溶液の浸透圧は、第二分離装置で分離された浸透水の合流したフィード溶液の浸透圧よりも高く、第二分離装置で分離された相分離液の浸透圧よりも低くなる必要がある。
<実験例>
浸透圧を6000kPa、または3000kPaにそろえた無機塩水溶液(希ドロー溶液に相当)と、90質量%トリエチレングリコールブチルメチルエーテル水溶液(相分離液に相当)をよく混合し、室温(25℃)にて一晩静置後二相分離した上相(希相分離液に相当)と下相(ドロー溶液に相当)との成分を比較したところ表1、2および図2のようになった。
Figure 0007116414000001
Figure 0007116414000002
図中左列が混合時の組成を表し、右列が混合二相分離後の組成を示す。希ドロー溶液から相分離液への水移動量は、希ドロー溶液が浸透圧30×10kPaの条件下でドロー溶液の質量に対して塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、硫酸リチウムで0.07g-移動水/g-ドロー溶液質量、0.05g-移動水/g-ドロー溶液質量、0.05g-移動水/g-ドロー溶液質量、0.11g-移動水/g-ドロー溶液質量であるのに対して、硫酸ナトリウムでは0.21g-移動水/g-ドロー溶液質量、硫酸マグネシウム(MgSO)では0.17g-移動水/g-ドロー溶液質量と他(0.05~0.07)に比べて高い水移動量が観測された。さらに、ドロー溶液の溶質に硫酸ナトリウム(NaSO)および硫酸マグネシウム(MgSO)を用いた場合は、2相分離時にドロー溶液への分離液の混入が少なく、相分離液へのドロー溶液の混入も少ないことが分かった。すなわち、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)では、ドロー溶液と相分離液との分離性が高く、好ましいことが分かった。また、ドロー溶液は、前記ドロー溶液に含まれる溶質の前記相分離液に含まれる有機化合物に対する溶解度が0.5mg/g以下であることを満たす場合、および、前記ドロー溶液と前記相分離液の組合せが、前記第一分離装置で分離された直後のドロー溶液中の前記相分離液に含まれる有機化合物の濃度が3質量%以下であることを満たす場合、相分離液がドロー溶液から浸透水を受け取り、フィード溶液に浸透水を受け渡す役割を好適に果たすことが分かった。さらに、塩析効果は硫酸塩、炭酸塩、水酸化物で特に大きいことが知られている(ホフマイスターシリーズ)ことから、硫酸塩と同等の塩析効果を示すことで知られる水酸化物や炭酸塩を用いた場合にも、同様に好ましいと考えられる(Alan M. Hyde et at., Org. Process Res. Dev., 21 (2017) 1355-1370. 参照)。
〔相分離液〕
相分離液としては、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を主成分とするものが好適に用いられ、有機化合物と水との混合溶液は、25~90℃、さらに好ましくは40~90℃に下限臨界溶液温度を有するものが用いられる。中でも、
-(OCHCH)n-OR
(RおよびRは、Hまたは、C1~C8のアルキル基。nは2~5)
で示されるもの(分子量450以下程度)が好適に用いられる。特に、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルは、下限臨界溶液温度が40℃であり、また、分子量が十分小さく水との親和性が高いために、粘度が低く流動性が高く扱いやすい。
また、上記グリコールエーテル溶液として、ほかに、
エチレングリコールモノブチルエーテル、(別名「2-ブトキシエタノール」)
エチレングリコールモノイソブチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル
から選ばれる少なくとも一種のものが用いられ、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液としては、ほかにも、
ポリN-アルキルアクリルアミド、
ポリN-ビニルアルキルアミド、
ポリビニルアルキルエーテル、
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体、
メチルセルロース、
グリセロールエトキシレート、
グリセロールエトキシレート(ブトキシル化プロポキシレート)、
グリセロールエトキシレート(ブチル化)、
グリセロールエトキシレート(ブチル化プロポキシレート)、
グリセロールエトキシレート(プロポキシル化ブトキシレート)、
グリセロールエトキシブトキシレート、
グリセロールエトキシレート(プロポキシル化)、
グリセロールエトキシレート(ブトキシル化)、
トリメチロールプロパンエトキシレート
トリメチロールプロパンエトキシブトキシレート
トリブロモエタノール
から選ばれる少なくとも一種を主成分として含有するものが用いられる。
尚、上述のグリコールエーテル溶液のせん断粘度は、それぞれ、
エチレングリコールモノブチルエーテル、 3.08×10-3Pa・s
エチレングリコールモノイソブチルエーテル、 2.18×10-3Pa・s
ジエチレングリコールジエチルエーテル、 1.33×10-3Pa・s
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、 1.25×10-3Pa・s
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、 2.53×10-3Pa・s
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、 7.09×10-3Pa・s
トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、 2.67×10-3Pa・s
プロピレングリコールモノプロピルエーテル 2.59×10-3Pa・s
となっており、粘度が低く、送液にかかる動力負荷が少ないので好ましい。
〔フィード溶液〕
フィード溶液としては、水が好適に用いられる。ただし、各流路を流通するフィード溶液は、いずれも不可避的にドロー溶液や相分離液を含むものであるが、本質的に水とみなせるために、単に水と称するものとする。
〔実施例〕
フィード溶液として水、ドロー溶液として硫酸ナトリウム10質量%水溶液(浸透圧4130kPa)、相分離液としてトリエチレングリコールブチルメチルエーテル90質量%水溶液、を用い、Aquaporin社製ポリアミド製(2.4×10-12m/s/Pa、溶質逆透過流束2.5g/mh)の浸透膜10を用いて図1の発電設備を模した実験装置で発電を行ったところ、図1中のa~g各ポイントに流通する液の組成と、流量にて安定運転が可能であることが分かった。結果を表3に示す。また、発電機2、正浸透膜ユニット1の動作状態を表4に示す。
Figure 0007116414000003
Figure 0007116414000004
尚、BPは昇圧ポンプである。
各表より、次式に基づいて発電効率を求めた。まずドロー溶液の溶質に硫酸ナトリウムを使用した場合を計算した。
ここで、ドロー溶液の流量は、100kg/s、フィード溶液の流量は142.8kg/s、膜透過流束は、40.8kg/s、加熱温度(第2分離装置31に導入される前の混合液の温度)は、70℃、膜透過後の希ドロー溶液の浸透圧値を基に、当該浸透圧値の1/2倍を昇圧ポンプ41による加圧値とした。上記仮定により試算したところ加熱装置5における加熱量は5043kWであった。
その結果、
発電効率=実発電量(発電出力-BP消費電力)/加熱装置の熱入力
=45.2/5043≒0.9%
であることを計算から求めた。
続いて、ドロー溶液の溶質に硫酸マグネシウムを使用した場合を計算した。膜透過流束および加熱温度は上記と同じ条件で計算した。ここで、ドロー溶液の流量は、275.8kg/s、フィード溶液の流量は142.8kg/s、膜透過後の希ドロー溶液の浸透圧値を基に、当該浸透圧値の1/2倍を昇圧ポンプ41による加圧値とした。上記仮定により試算したところ加熱装置5における加熱量は4795kWであった。
その結果、
発電効率=実発電量(発電出力-BP消費電力)/加熱装置の熱入力
=20.2/4795≒0.4%
であることを計算から求めた。
その結果、上記実施形態にかかる発電設備は、安定的な発電が可能であることが分かった。また、硫酸ナトリウム水溶液にトリエチレングリコールブチルメチルエーテルにがほとんど含まれず、浸透膜10に対してトリエチレングリコールブチルメチルエーテルが悪影響を及ぼし浸透膜10の劣化が早く、寿命が短くなるというおそれも少ないことが実証できた。
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、第二分離装置32に相分離装置を用いたが、フィード溶液と相分離液とを加熱のみで二相分離困難な場合、第二分離装置32において蒸発や膜蒸留等の手段にてフィード溶液と相分離液とに分離することもできる。
(2) 上記実施形態では、浸透膜10の一方面側に前記第一分離装置31で得られたドロー溶液を圧送する昇圧ポンプ41を備えるとともに、浸透膜10の一方面側から発電機2に供給される作動溶液を、発電機2をバイパスして発電機2の下流側に流通させるバイパス路L4を備え、バイパス路L4に流通する作動溶液のエネルギーを回収して、昇圧ポンプ41に供給されるドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機4を備えたが、
これに替え、図3に示すように、バイパス路L4に流通する作動溶液を、エネルギー回収機4に昇圧供給する昇圧ポンプ42を設けた構成とし、発電機2に供給される作動溶液を、発電機2をバイパスして発電機2の下流側に流通させるバイパス路L4を備え、ドロー溶液と、バイパス路L4に流通する作動溶液を昇圧する昇圧ポンプ42を備え、その作動溶液のエネルギーをエネルギー回収するエネルギー回収機4を備えた構成とすることもできる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明の発電設備は、汎用的な浸透膜を利用しながらも、高い発電効率を発揮できる発電設備として利用することができる。
1 :正浸透膜ユニット
2 :発電機
3 :再生装置
4 :エネルギー回収機
5 :加熱装置
6 :熱交換器
10 :浸透膜
31 :第一分離装置
32 :第二分離装置
41 :昇圧ポンプ
L1 :ドロー溶液流路
L4 :ドロー溶液返送路
L8 :バイパス路

Claims (10)

  1. 一方面に高浸透圧のドロー溶液が供給されるとともに、他方面に低浸透圧のフィード溶液が供給される浸透膜を有し、前記浸透膜の他方面側から一方面側に浸透水を取り出す正浸透膜ユニットと、
    浸透水で希釈されたドロー溶液を作動溶液として駆動する発電機と、
    前記発電機を駆動させた作動溶液を再生して、ドロー溶液とフィード溶液とを回収する再生装置と、を設けてある発電設備であって、
    前記再生装置は、
    前記発電機を駆動させた作動溶液に、下限臨界溶液温度を有する有機化合物と水との混合溶液を主成分とする相分離液を混合し、作動溶液に含まれる浸透水を相分離液中に回収して、浸透水で希釈された相分離液とドロー溶液とに分離するとともに、得られたドロー溶液を前記浸透膜の一方面側に供給する第一分離装置と、
    前記第一分離装置で得られた浸透水で希釈された相分離液と、前記浸透膜の他方面側を経由した後のフィード溶液とを混合して混合液とした後、浸透水で希釈された相分離液からフィード溶液中に浸透水を回収し、浸透水の合流したフィード溶液と相分離液とに分離させ、分離させた相分離液を、前記発電機を駆動した後の作動溶液に混合供給するとともに、浸透水の合流したフィード溶液を前記浸透膜の他方面側に供給する第二分離装置と、を備える発電設備。
  2. 前記第一分離装置から前記第二分離装置に供給される前記混合液を加熱して二相分離させる加熱装置を備えた請求項1に記載の発電設備。
  3. 前記第一分離装置から前記第二分離装置に供給される前記混合液を加熱するとともに、前記第二分離装置から前記発電機を駆動した後の作動溶液に混合供給される相分離液を冷却させる熱交換器を備えた請求項1または2に記載の発電設備。
  4. 前記浸透膜の一方面側に前記第一分離装置で得られたドロー溶液を圧送する昇圧ポンプを備えるとともに、
    前記浸透膜の一方面側から前記発電機に供給される作動溶液を、前記発電機をバイパスして前記発電機の下流側に流通させるバイパス路を備え、
    前記バイパス路に流通する作動溶液のエネルギーを回収して、前記昇圧ポンプに供給されるドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機を備えた請求項1~3のいずれか一項に記載の発電設備。
  5. 前記浸透膜の一方面側から前記発電機に供給される作動溶液を、前記発電機をバイパスして前記発電機の下流側に流通させるバイパス路を備え、
    前記バイパス路に作動溶液を昇圧させる昇圧ポンプを備え、
    前記バイパス路に流通する昇圧ポンプで昇圧された作動溶液のエネルギーを回収して、ドロー溶液を昇圧するエネルギー回収機を備えた請求項1~3のいずれか一項に記載の発電設備。
  6. 前記浸透膜が、ポリアミド、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、セルロース系、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素ポリマー系から選択されるポリマー又は前記ポリマーの誘導体からなる有機膜、前記ポリマー及び前記ポリマーの誘導体から選択される2種以上を組み合わせた複合膜、シリカ膜、ゼオライト膜、セラミック膜、チタニア膜から選択される無機膜、或いは前記有機膜及び前記無機膜を構成する材料を2種以上複合化させることによって得られる膜である請求項1~5のいずれか一項に記載の発電設備。
  7. 前記ドロー溶液が、当該ドロー溶液に含まれる溶質の、前記相分離液に含まれる有機化合物に対する溶解度が0.5mg/g以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の発電設備。
  8. 前記相分離液が、25~90℃に下限臨界溶液温度を有するものである請求項1~7のいずれか一項に記載の発電設備。
  9. 前記ドロー溶液と前記相分離液の組合せが、前記第一分離装置で分離された直後のドロー溶液中の前記相分離液に含まれる有機化合物の濃度が3質量%以下である請求項1~8のいずれか一項に記載の発電設備。
  10. 前記相分離液に含まれる有機化合物が、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルから選ばれる少なくとも一種のグリコールエーテル溶液を含有するものである請求項1~9のいずれか一項に記載の発電設備。
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