JP7115781B1 - 切断製品の製造方法及びウォータージェット加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
1.ウォータージェット加工を用いて被切断物に互いに交差する切断面を形成することで前記被切断物から一部の塊を切断除去して切断製品を得る切断製品の製造方法であって、
前記被切断物の互いに交差する切断予定面の交差部に沿って切断用孔を形成する切断用孔形成工程と、
前記切断用孔内に前記被切断物よりも硬い材質からなる受け材が挿入された状態で、前記被切断物に対して、前記切断予定面の一辺から該一辺と反対の辺側の前記受け材に向かう方向を切断深さ方向として前記切断予定面の一辺に沿うように高圧水を噴射することで、前記切断予定面を切断して前記切断面とする切断面形成工程と、を備えることを要旨とする。
2.前記切断面形成工程では、前記切断用孔に前記受け材が挿入された状態で、前記切断用孔内に軸方向に沿う高圧水排出路が形成される上記1.に記載の切断製品の製造方法。
3.前記受け材は、その長尺方向に直交する断面が半円形状に形成されている上記2.に記載の切断製品の製造方法。
4.前記切断用孔形成工程では、軸端部が互いに交差する2以上の前記切断用孔が形成されるとともに、2以上の前記切断用孔の交差部は、ボールエンドミル又は先端R状ドリルにより曲面状に形成され、
前記受け材の先端部は、2以上の前記切断用孔の交差部に嵌合する形状に形成されている上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の切断製品の製造方法。
5.前記切断面に沿って切削加工を施す仕上加工工程を更に備える上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の切断製品の製造方法。
6.被切断物に互いに交差する切断面を形成するためのウォータージェット加工装置であって、
前記被切断物が位置決めセットされるテーブルと、
高圧水を噴射する噴射ノズルと、を備え、
前記被切断物には、互いに交差する切断予定面の交差部に沿って切断用孔が形成されており、
前記切断用孔には、前記被切断物よりも硬い材質からなる受け材が挿入可能であり、
前記テーブル上には、前記切断用孔に前記受け材が挿入されるように、前記被切断物及び前記受け材を支持する支持台が位置決めセットされ、その状態で、前記噴射ノズルは、前記被切断物に対して、前記切断予定面の一辺から該一辺と反対の辺側の前記受け材に向かう方向を切断深さ方向として前記切断予定面の一辺に沿うように高圧水を噴射することを要旨とする。
7.前記テーブルは、水平軸回りに回転可能な軸部と、前記軸部に対して一体的に設けられる第1テーブルと、テーブル面が前記第1テーブルのテーブル面と交差するように前記軸部に対して一体的に設けられる第2テーブルと、を備える上記6.記載のウォータージェット加工装置。
また、前記切断面形成工程では、前記切断用孔に前記受け材が挿入された状態で、前記切断用孔内に軸方向に沿う高圧水排出路が形成される場合は、高圧水排出路により高圧水が円滑に排出される。
また、前記受け材が、その長尺方向に直交する断面が半円形状に形成されている場合は、受け材により高圧水が更に効果的に受け止められるとともに、高圧水排出路により高圧水が更に円滑に排出される。
さらに、前記切断用孔形成工程では、軸端部が互いに交差する2以上の前記切断用孔が形成されるとともに、2以上の前記切断用孔の交差部は、ボールエンドミル又は先端R状ドリルにより曲面状に形成され、前記受け材の先端部が、2以上の前記切断用孔の交差部に嵌合する形状に形成されている場合は、受け材の先端部が交差部に隙間なく収まるため、受け材が切断用孔から押し出されるように高圧水の圧力がかかり難くなる。
さらに、前記切断面に沿って切削加工を施す仕上加工工程を更に備える場合は、優れた表面性状を持つ切断製品を得ることができる。
さらに、前記テーブルが、水平軸回りに回転可能な軸部と、前記軸部に対して一体的に設けられる第1テーブルと、テーブル面が前記第1テーブルのテーブル面と交差するように前記軸部に対して一体的に設けられる第2テーブルと、を備える場合は、第1及び第2テーブルに対して被切断物及び受け材を支持する支持台を位置決めセットした状態で、第1テーブルのテーブル面上に載置される被切断物の上方より噴射ノズルで高圧水を噴射して切断面を形成してから、軸部を回転させて第2テーブルのテーブル面上に載置される被切断物の上方より噴射ノズルで高圧水を噴射して切断面を形成する。このように可動式テーブルを用いることで、固定式テーブルを用いて人手により被切断物及び支持台をセットし直す形態に比べて、被切断物から一部の塊を簡易且つ迅速に切断除できる。
本実施形態に係る切断製品の製造方法は、例えば、図1及び図5~図8に示すように、ウォータージェット加工を用いて被切断物(1)に互いに交差する切断面(5、6、7)を形成することで被切断物(1)から一部の塊(2)を切断除去して切断製品(3)を得る切断製品の製造方法であって、被切断物(1)の互いに交差する切断予定面(5’、6’、7’)の交差部に沿って切断用孔(11、12、13)を形成する切断用孔形成工程と、切断用孔(11、12、13)内に被切断物(1)よりも硬い材質からなる受け材(15)が挿入された状態で、被切断物(1)に対して、切断予定面(5’、6’、7’)の一辺から該一辺と反対の辺側の受け材(15)に向かう方向を切断深さ方向(D)として切断予定面(5’、6’、7’)の一辺に沿うように高圧水を噴射することで、切断予定面(5’、6’、7’)を切断して切断面(5、6、7)とする切断面形成工程と、を備える。
そして、研磨材を用いるアブレシブジェット加工は、硬質材からなる被切断物(1)の切断に適している。一方、研磨材を用いないウォータージェット加工は、軟質材からなる被切断物(1)の切断に適している。ただし、ウレタンゴムからなる被切断物(1)であって、切断深さが比較的深いものは、アブレシブジェット加工で切断される。
本実施形態に係るウォータージェット加工装置は、例えば、図5~図8に示すように、被切断物(1)に互いに交差する切断面(5、6、7)を形成するためのウォータージェット加工装置(41)であって、被切断物(1)が位置決めセットされるテーブル(42、49)と、高圧水を噴射する噴射ノズル(43)と、を備え、被切断物(1)には、互いに交差する切断予定面(5’、6’、7’)の交差部に沿って切断用孔(11、12、13)が形成されており、切断用孔(11、12、13)には、被切断物(1)よりも硬い材質からなる受け材(15)が挿入可能である。そして、テーブル(42、49)上には、切断用孔(11、12、13)に受け材(15)が挿入されるように、被切断物(1)及び受け材(15)を支持する支持台(16)が位置決めセットされ、その状態で、噴射ノズル(43)は、被切断物(1)に対して、切断予定面(5’、6’、7’)の一辺から該一辺と反対の辺側の受け材(15)に向かう方向を切断深さ方向(D)として切断予定面(5’、6’、7’)の一辺に沿うように高圧水を噴射する。
(1)切断製品の製造方法
本実施例に係る切断製品の製造方法は、図1に示すように、ウォータージェット加工を用いて被切断物1(具体的に、アルミニウム製のワーク)に互いに交差する切断面5、6、7を形成することで、被切断物1から一部の塊2を切断除去して切断製品3(具体的に、アングルプレート)を得るものである。この切断製品の製造方法は、以下に述べる切断用孔形成工程、切断面形成工程及び仕上加工工程を備えている。
さらに、例えば、先端R状ドリル23により切断用孔11、12、13を形成するとともに切断用孔11、12、13の交差部14を曲面状(球状)に形成するようにしてもよい。
上記切断面形成工程では、被切断物1の切断用孔11、12、13を横切る断面において、受け材15の中心C(すなわち、切断用孔11、12、13の中心C)に向かって高圧水が噴射される(図7参照)。
次に、上記切断製品の製造方法で用いられるウォータージェット加工装置41について説明する。このウォータージェット装置41は、図5~図8に示すように、被切断物1に互いに交差する切断面5、6、7を形成するためのものであり、以下に述べるテーブル42及び噴射ノズル43を備えている。
本実施例の切断製品の製造方法によると、被切断物1の互いに交差する切断予定面5’、6’、7’の交差部に沿って切断用孔11、12、13を形成する切断用孔形成工程と、切断用孔11、12、13内に被切断物1よりも硬い材質からなる受け材15が挿入された状態で、被切断物1に対して、切断予定面5’、6’、7’の一辺から該一辺と反対の辺側の受け材15に向かう方向を切断深さ方向Dとして切断予定面5’、6’、7’の一辺に沿うように高圧水を噴射することで、切断予定面5’、6’、7’を切断して切断面5、6、7とする切断面形成工程と、を備える。これにより、被切断物1の切断予定面5’、6’、7’を切断した高圧水が受け材15で受け止められることで、被切断物1の切断予定面5’、6’、7’の奥側に不要なキズのない非切断部を残して切断面5、6、7が形成される。よって、ウォータージェット加工を利用して被切断物1から一部の塊2を切断除去して複雑な形状の切断製品3を得ることができる。さらに、ウォータージェット加工を利用しているため、マシニングセンター等による切削加工のように切粉が大量に発生せず、材料のリサイクル性が高い。
特に、本実施例では、受け材15は、その長尺方向に直交する断面が半円形状に形成されている。これにより、受け材15により高圧水が更に効果的に受け止められるとともに、高圧水排出路17により高圧水が更に円滑に排出される。
これに対して、図10に示すように、受け材15の先端部が蒲鉾状に形成されている場合では、受け材15の先端部が交差部14に隙間を介して収まるため、受け材15が切断用孔11、12、13から押し出されるように高圧水の圧力がかかり易くなる。
特に、本実施例では、切断用孔11、12、13が切断製品3の壁面24のコーナー部のR面25を構成するように切削加工が施される。これにより、切断用孔11、12、13を利用して強度アップのためのR面25を容易に確保できる。
次に、実施例2に係る切断製品の製造方法について説明する。なお、本実施例2の切断製品の製造方法において、上記実施例1の切断製品の製造方法と略同じ構成部位には同じ符号を付けて詳説を省略し、両者の相違点について詳説する。
次に、実施例2の変形例に係る切断製品の製造方法について説明する。この実施例2の変形例では、図13(a)に示すように、切断用孔形成工程において、切断用孔12は、同じ方向からドリル21で連続して形成される。これにより、切断用孔形成工程を更に効率化できる。
なお、本実施例2の変形例では、複数の切断領域Sを繋ぐ横穴28(切断用孔12の一部)を有する切断製品3が得られる(図13(c)参照)。
次に、実施例3に係る切断製品の製造方法について説明する。なお、本実施例3の切断製品の製造方法において、上記実施例1の切断製品の製造方法と略同じ構成部位には同じ符号を付けて詳説を省略し、両者の相違点について詳説する。
次に、実施例4に係る切断製品の製造方法について説明する。なお、本実施例4の切断製品の製造方法において、上記実施例1の切断製品の製造方法と略同じ構成部位には同じ符号を付けて詳説を省略し、両者の相違点について詳説する。
なお、本実施例では、図15(a)に示すように、幅Aが長く、その幅方向を切断深さ方向としてウォータージェット加工できない被切断物1を採用するものとする。
次に、上記ウォータージェット加工装置41を構成する他の形態のテーブル49(可動式テーブル49)について説明する。このテーブル49は、図22及び図23に示すように、水平軸回りに回転可能な軸部50と、軸部50に対して一体的に設けられる第1テーブル51と、テーブル面が第1テーブル51のテーブル面と直交するように軸部50に対して一体的に設けられる第2テーブル52と、を備えている。これら第1及び第2テーブル51、52は、その各一辺が軸部50の軸方向に沿うように軸部50に対して一体的に設けられている。
なお、上記短アームを噴射ノズル43に干渉しない長さに設定することで、テーブル51、52上に載置される被切断物1を切断する際に、噴射ノズル43は、被切断物1の外面寄りの部位で高圧水を噴射できる(図26(b)参照)。
Claims (7)
- ウォータージェット加工を用いて被切断物に互いに交差する切断面を形成することで前記被切断物から一部の塊を切断除去して切断製品を得る切断製品の製造方法であって、
前記被切断物の互いに交差する切断予定面の交差部に沿って切断用孔を形成する切断用孔形成工程と、
前記切断用孔内に前記被切断物よりも硬い材質からなる受け材が挿入された状態で、前記被切断物に対して、前記切断予定面の一辺から該一辺と反対の辺側の前記受け材に向かう方向を切断深さ方向として前記切断予定面の一辺に沿うように高圧水を噴射することで、前記切断予定面を切断して前記切断面とする切断面形成工程と、を備えることを特徴とする切断製品の製造方法。 - 前記切断面形成工程では、前記切断用孔に前記受け材が挿入された状態で、前記切断用孔内に軸方向に沿う高圧水排出路が形成される請求項1に記載の切断製品の製造方法。
- 前記受け材は、その長尺方向に直交する断面が半円形状に形成されている請求項2に記載の切断製品の製造方法。
- 前記切断用孔形成工程では、軸端部が互いに交差する2以上の前記切断用孔が形成されるとともに、2以上の前記切断用孔の交差部は、ボールエンドミル又は先端R状ドリルにより曲面状に形成され、
前記受け材の先端部は、2以上の前記切断用孔の交差部に嵌合する形状に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の切断製品の製造方法。 - 前記切断面に沿って切削加工を施す仕上加工工程を更に備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切断製品の製造方法。
- 被切断物に互いに交差する切断面を形成するためのウォータージェット加工装置であって、
前記被切断物が位置決めセットされるテーブルと、
高圧水を噴射する噴射ノズルと、を備え、
前記被切断物には、互いに交差する切断予定面の交差部に沿って切断用孔が形成されており、
前記切断用孔には、前記被切断物よりも硬い材質からなる受け材が挿入可能であり、
前記テーブル上には、前記切断用孔に前記受け材が挿入されるように、前記被切断物及び前記受け材を支持する支持台が位置決めセットされ、その状態で、前記噴射ノズルは、前記被切断物に対して、前記切断予定面の一辺から該一辺と反対の辺側の前記受け材に向かう方向を切断深さ方向として前記切断予定面の一辺に沿うように高圧水を噴射することを特徴とするウォータージェット加工装置。 - 前記テーブルは、水平軸回りに回転可能な軸部と、前記軸部に対して一体的に設けられる第1テーブルと、テーブル面が前記第1テーブルのテーブル面と交差するように前記軸部に対して一体的に設けられる第2テーブルと、を備える請求項6記載のウォータージェット加工装置。
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