JP7115733B2 - 積分型ジャイロ装置および積分型ジャイロ装置の制御方法 - Google Patents

積分型ジャイロ装置および積分型ジャイロ装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、積分型ジャイロ装置および積分型ジャイロ装置の制御方法に関し、例えば、単一(1個)のモードマッチ(直交する2軸の共振周波数が一致)した2次元振動子を用いた積分型ジャイロ装置および積分型ジャイロ装置の制御方法に関する。
積分型ジャイロ装置(積分型ジャイロスコープ等とも称される)には、Q値のミスマッチにより振動角度が固定されてしまう、角度ロックと呼ばれる現象が生じてしまうという問題がある。係る問題について、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。図1Aに示す矢印は、理想的な振動子、即ち、共振周波数とQ値が全ての方向で同じ振動子の振動方向VDを模式的に示している。図1Aに示すように、振動子に回転が加わらなければ振動方向VDは変化しない。しかしながら、現実の振動子は、Q値が方向依存性を有する。図1Bにおける点線L1は、最もQ値が大きい方向を模式的に示している。図1Bの右側の図に示すように、仮に回転が加わらなくても振動方向VDがQ値の最大方向に向かって回転してしまう。一旦、この向きに落ち着いてしまうと、係る状態から抜け出すためにある程度以上の大きさの回転を加える必要がある。
このような角度ロック現象を回避するための技術が提案されている。例えば、下記非特許文献1に記載の技術は、常に一定の回転を振動子に与える(バーチャル回転)ことにより角度ロックを回避するようにしている。与える回転は一定であるので、計測結果(測定された回転角度)から、バーチャル回転によって生じた角度を差し引くことにより加わった回転角度を求めることができる。また、下記非特許文献2に記載の技術は、振動方向を検出し、これと直交する方向の力(バーチャルなコリオリ力)を与えることでバーチャル回転を起こして角度ロック現象を回避するようにしている。
Prikhodko、 I. P.; Gregory、 J. A.; Bugrov、 D. I. & Judy、 M. W. (2016)、 Overcoming limitations of Rate Integrating Gyroscopes by virtual rotation、 in '2016 IEEE International Symposium on Inertial Sensors and Systems'、 pp. 5-8. Prikhodko、 I. P.; Gregory、 J. A. & Judy、 M. W. (2017)、 Virtually rotated MEMS gyroscope with angle output、 in '2017 IEEE 30th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS)'、 pp. 323-326.
しかしながら、非特許文献1および2に記載の技術では、バーチャル回転を与えるための機構や、バーチャル回転を制御するための構成が必要となり、装置の複雑化や大型化を招来するという問題があった。
本発明の目的の一つは、係る問題を解決するための新規かつ有用な積分型ジャイロ装置および積分型ジャイロ装置の制御方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、例えば、
第1固有振動モードに対応する駆動信号および第2固有振動モードに対応する駆動信号によって駆動される単一の2次元振動子と、
2次元振動子から出力される信号から、第1固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第1検出部と、
2次元振動子から出力される信号から、第2固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第2検出部と、
第1検出部によって検出された位相を第1目標位相に近づけるように制御する第1発振回路と、
第2検出部によって検出された位相を第2目標位相に近づけるように制御する第2発振回路と
を有し、
第1目標位相と第2目標位相とが異なるように設定されている
積分型ジャイロ装置である。
また、本発明は、例えば、
第1検出部が、単一の2次元振動子から出力される信号から、第1固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
第2検出部が、2次元振動子から出力される信号から、第2固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
第1発振回路が、第1検出部によって検出された位相を第1目標位相に近づけるように制御し、
第2発振回路が、第2検出部によって検出された位相を第2目標位相に近づけるように制御し、
第1目標位相と第2目標位相とが異なるように設定されている
積分型ジャイロ装置の制御方法である。
本発明によれば、バーチャル回転用の制御機構等を追加することなく、2次元振動子にバーチャル回転を与えることが可能となる。なお、本明細書により例示された効果により、本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
図1A及び図1Bは、一般的な積分型ジャイロ装置が有する問題点を説明するための図である。 図2は、リング型の共振器における振動の一例を説明するための図である。 図3は、リング型の共振器における振動の一例を説明するための図である。 図4は、円運動モードを説明するための図である。 図5は、一般的な同期検波方式を説明するための図である。 図6は、入力信号からCWモードの成分およびCCWモードの成分を検出する構成、方法を説明するための図である。 図7は、入力信号からCWモードの成分およびCCWモードの成分を検出する構成、方法を詳細に説明するための図である。 図8は、所定の参照信号で検波した場合の出力の一例を説明するための図である。 図9は、所定の参照信号で検波した場合の出力の他の例を説明するための図である。 図10は、所定の参照信号で検波した場合の出力の他の例を説明するための図である。 図11は、所定の参照信号で検波した場合の出力の他の例を説明するための図である。 図12Aおよび図12Bは、ホールアングルモードについて説明するための図である。 図13は、本発明の実施形態に係るジャイロ装置の構成例を示す図である。 図14は、本発明の実施形態に係る第1検出部の構成例を示す図である。 図15は、本発明の実施形態に係る第2検出部の構成例を示す図である。 図16Aおよび図16Bは、本発明の実施形態に係る角度検出部の構成例を示す図である。 図17は、本発明の実施形態に係るジャイロ装置における信号の流れを模式的に示した図である。 図18は、一般的なバネ‐質量系の共振特性を示す図である。 図19Aおよび図19Bは、バーチャル回転を説明するための図である。 図20は、角度ロック現象を説明するための図である。 図21Aおよび図21Bは、2次元振動子がバーチャル回転することにより得られる効果の一例を説明するための図である。 図22Aは、実施形態に係る2次元振動子の温度を変化させるタイミングの例を説明するための図であり、図22Bは、共振周波数が温度依存性を有することを説明するための図である。 図23は、バーチャル回転の回転速度と温度との関係を説明するための図である。 図24は、バーチャル回転の有無によって生じ得る検出角度の誤差を説明するための図である。 図25Aは、バーチャル回転の回転速度を一定と仮定した場合に生じ得る問題点を説明するための図であり、図25Bは、バーチャル回転の回転速度の温度依存性を考慮した処理により得られる効果の一例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。
なお、本出願人は、先に、ジャイロ装置に関する国際特許出願(PCT/JP2017/008788)を提案している。係る国際特許出願で開示された事項は、本件特許出願に適用することができる。
<1.一実施形態>
本発明の一実施形態に係るジャイロ装置について説明する。本発明の一実施形態に係るジャイロ装置は、FM(Frequency Modulation)モードにより駆動されるジャイロ装置の駆動を採用している。FMモードの特徴としては、他の方法(例えば、AM(Amplitude Modulation)モードやフォースリバランスと呼ばれる方法)に比べ、感度(スケールファクタ)が正確で安定する、原理的に温度特性に優れている、ダイナミックレンジに制限がない等の利点を有している点が挙げられる。
また、本実施形態に係るジャイロ装置は、ホールアングルモード(Whole Angle Mode)(積分ジャイロ等とも称される、代表例にはフーコーの振り子がある)のジャイロ装置として構成している。ホールアングルモードのジャイロ装置は、回転した角度そのものを検出することができる。
[本実施形態の前提となる技術について]
本発明の理解を容易とするために、本実施形態の前提となる技術(FMモードおよびホールアングルモード)について説明する。
(FMモードについて)
始めにFMモードの基本的な原理について説明する。なお、FMモードの原理そのものは公知であるのでここでは概略的な説明に留める。FMモードのジャイロは、直交(独立)する2軸方向に振動する振動子(共振子、共振器とも称される)で構成される。FMモードでは、各軸における共振周波数を一致させた振動子(モードマッチ)を用いる。この状態において、振動子に対して回転角速度を与えると、下記の数式1が導出されることが知られている。なお、数式1におけるλは共振周波数、ωは回転を与えていない場合の共振周波数(モードマッチしてあるので、2軸ともに同じ共振周波数)、Ωzは振動子に与えられる回転角速度を表している。
なお、以下で言及する振動は直線方向(例えばX方向、Y方向)に限らず、平面内のモードマッチした直交振動モードであれば、どのような振動でも利用できる。例えば、リング型の共振器の場合は、図2,図3に示すように、直交する2つの振動は必ずしも単純な直線振動にはならないが、それぞれの振動モードにおける変位の状態をモード座標(一般化座標)で表すと、直線振動と全く同じように扱うことができる。以下では、これらのモード座標(一般化座標)も含めて、一つのモードを"X軸(もしくはX方向)"、これと直交するモードを"Y軸(もしくはY方向)"と呼ぶ(なお、図2,3におけるモード1、2は数学的、もしくは振動学的に直交している状態を示している)。
Figure 0007115733000001
数式1から下記の数式2が導出される。
Figure 0007115733000002
すなわち、数式2により示されるように、回転が与えられない時にはX軸、Y軸方向の共振周波数が一致していた、すなわちモードマッチしていたものが、回転を与えることにより共振周波数λがω+kΩzとω-kΩzとに分かれる。このときの固有振動モードは、図4Aに示す時計回転方向(CW)と図4Bに示す半時計回転方向(CCW)の円運動モードである。CWの円運動モードの共振周波数λ1は下記の数式3により、また、CCWの円運動モードの共振周波数λ2は下記の数式4により表される。
Figure 0007115733000003
Figure 0007115733000004
すなわち、モードマッチしている振動子に回転が与えられた場合には、固有振動モードは直線(X方向もしくはY方向単独の振動)ではなく、回転振動(X方向とY方向の振動の位相が±90度(°)ずれている2次元振動)になる。ここで、上述したように、λ1(ω+kΩz)に対応する運動はCWモードに対応しており、λ2(ω-kΩz)に対応する運動はCCWモードに対応している。また、kはスケールファクタであり、加えられた物理回転と振動子に実際に加わる実効的な回転の比に関する定数である。kは定数であり、本発明の本質には影響しないため、式を簡略化するために、以下ではk=1と仮定して話をすすめる。なお、実際の振動子の回転は、これらCWモードおよびCCWモードの重ねあわせとなる。この2つの共振周波数λ1、λ2の差(ずれ)が回転角速度Ωzに比例することから、2つの共振周波数λ1、λ2を検出すれば、下記の数式5により回転角速度Ωzを得ることができる。
Figure 0007115733000005
(各モードの成分の検出方法について)
以上、FMモードについて説明した。本発明の実施形態では、上述したFMモードで2次元にモードマッチした1個の振動子(以下、2次元振動子と適宜、称する)を励振させる。したがって、回転角速度Ωzを得るためには、2次元振動子の回転振動(出力)に含まれるCWモード(第1の固有振動モード)の成分とCCWモード(第2の固有振動モード)の成分を独立して検出する必要がある。そこで、次に、2次元振動子の出力からCWモードの成分とCCWモードの成分を分離して検出する方法について説明する。
図5は、一般的な同期検波方式を説明するための図である。入力信号(Signal)SIにある所定の振幅(Amplitude)および位相(Phase)を有する信号が入力される。入力信号SIが分岐され、乗算器(ミキサ)1、3のそれぞれに入力される。同期検波方式では、位相を90度ずらした2つの信号を参照信号として使用し、この参照信号を別々の乗算器1、3で乗算した後、フィルタ処理を行うことで復調出力を得る。例えば、参照信号としてcos波およびsin波が使用され、入力信号SIにcos波を乗算する処理が乗算器1により行われ、入力信号SIにsin波を乗算する処理が乗算器3により行われる。
乗算器1から出力される信号がLPF(Low Pass Filter)2に入力されフィルタ処理がなされる。LPF2によるフィルタ処理により、LPF2からは、参照信号(本例ではcos波)と同じ周波数であり、且つ、同じ位相を持つ成分のみが出力される。
一方、乗算器3から出力される信号がLPF4に入力され、フィルタ処理がなされる。LPF4によるフィルタ処理により、LPF4からは、乗算器3における参照信号(本例ではsin波)と同じ周波数であり、且つ、同じ位相を持つ成分のみが出力される。
LPF2、4からの出力により入力信号SIが復調され、復調出力に基づいて入力信号SIの振幅rと位相θとが検出される。
本発明の実施形態では、この同期検波方式を発展、応用してCWモードの成分とCCWモードの成分とを検出する処理が行われる。なお、以下の説明では、2次元振動子内に生じているCWモードとCCWモードとが組み合わさった信号から、CWモードの成分のみを検出する例について説明するが、同様の処理によりCCWモードの成分を検出することができる。
図6は、入力信号SIからCWモードの成分を検出する方法を説明するための図である。入力信号SIとして、2次元振動子から出力される信号が入力される。2次元振動子を使用した場合には、図示するように、X、Y方向の成分を含むベクトル的な表記で入力信号SIを示すことができる。
入力信号SIが分岐され、乗算器1、3のそれぞれに入力される。参照信号として信号CW-I(In phase)、CW-Q(Quadrature Phase)が使用され、入力信号SIに信号CW-Iを乗算する処理が乗算器1により行われ、入力信号SIに信号CCW-Iを乗算する処理が乗算器3により行われる。信号CW-I、信号CW-Qは、図6にシンボル的に示されているように、振幅、周波数、回転方向は同じで位相が90度ずれている信号である。
入力信号SIに対して信号CW-Iが乗算器1により乗算され、その出力がLPF2に供給される。入力信号SIに対して信号CW-Qが乗算器3により乗算され、その出力がLPF4に供給される。LPF2、4のそれぞれによるフィルタ処理の結果、入力信号SIが復調され、復調出力に基づいて入力信号SIに含まれるCWモードの成分の振幅rおよび位相θを検出することができる。
図7は、上述した乗算器1、3の詳細な構成例を説明するための図である。乗算器1は、例えば、乗算器1aと、乗算器1bと、加算器1cとを備えている。乗算器3は、例えば、乗算器3aと、乗算器3bと、加算器3cとを備えている。
上述したように、2次元振動子の場合は入力信号SIとしてX軸、Y軸方向の信号(振幅)(以下、信号SIX、SIYと適宜、称する)が乗算器1に入力される。乗算器1aは、信号SIXに対して信号CW-IのX軸方向の成分を乗算し、乗算器1bは、信号SIYに対して信号CW-IのY軸方向の成分を乗算する。加算器1cは、乗算器1a、1bの出力を加算してLPF2に出力する。
乗算器3aは、信号SIXに対して信号CW-QのX軸方向の成分を乗算し、乗算器3bは、信号SIYに対して信号CW-QのY軸方向の成分を乗算する。加算器3cは、乗算器3a、3bの出力を加算してLPF4に出力する。
上述した方法により、2次元振動子の出力に含まれるCWモードの成分を検出できる点について、図8乃至図11を参照して更に詳細に説明する。図8に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例である。なお、本例では、CW-IのX軸方向の信号をsin波とし、Y軸方向の信号をcos波としている。入力信号SIが信号CW-Iの成分のみと仮定した場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1aとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2aとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、波形WA3aとなる。この信号波形をLPF2に通すと、LPF2によるフィルタ処理は平均を得る処理と等価の処理であることから、得られる信号の波形は波形WA3aと同様の波形WA4a(直流成分)となる。すなわち、入力信号SIに信号CW-Iの成分が含まれる場合は、信号CW-Iを使用した検波によりその成分を検出することができる。
図9に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと位相が90度異なる信号CW-Qの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1bとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2bとなる。これらの波形の出力を加算器1cで加算した信号は図示する通り0となり、したがって、LPF2の出力も図示する通り0となる。
図10に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと回転方向が異なる反時計回りの信号CCW-Iの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1cとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2cとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、0を中心として対称となる波形WA3cとなる。この波形WA3aの信号をLPF2に通すとその出力は図示する通り0となる。
図11に示される例は、参照信号として信号CW-Iを使用して検波する例であるが、入力信号SIが信号CW-Iと回転方向が異なる反時計回りの信号であり、信号CCW-Iと位相が90度異なる信号CCW-Qの成分のみと仮定した例である。この場合には、乗算器1aの出力波形は波形WA1dとなり、乗算器1bの出力波形は波形WA2dとなる。各乗算器の出力を加算器1cで加算した信号の波形は、0を中心として対称となる波形WA3dとなる。この波形WA3dの信号をLPF2に通すとその出力は図示の通り0となる。
すなわち、2次元振動子内に生じている任意の2次元振動(CW-I、CW-Q、CCW-I、CCW-Qの線型結合で表される)を、信号CW-Iを参照信号として同期検波すると、2次元振動子の出力信号に含まれる信号CW-Iの成分のみが得られる。このことは参照信号として他の信号を使用した場合の検出される成分についても当てはまる。以上をまとめると下記の表1が得られる。
Figure 0007115733000006
表1に示すように、2次元振動子の出力に信号CW-Qの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CW-Qとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。2次元振動子の出力に信号CCW-Iの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CCW-Iとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。2次元振動子の出力に信号CCW-Qの成分が含まれている場合には、参照信号を信号CCW-Qとして検波できる一方、他の信号の成分については出力が0となる。つまり、例えば2個の検出器を設け、各検出器における参照信号を信号CW-Iおよび信号CW-Qの組合せ、信号CCW-Iおよび信号CCW-Qの組合せにそれぞれ設定すれば、2次元振動子の出力からCWモードの成分およびCCWモードの成分を独立して検出できることになる。
(ホールアングルモードについて)
次にホールアングルモードについて図12を参照して概略的に説明する。振動子にCWモード(共振周波数ω+Ωz)およびCCWモード(共振周波数ω-Ωz)の回転を与えると、両回転の振幅が同じで位相差φがない(φ=0)の場合には、図12Aに示すように直線振動となる。ここで、振動子に回転が加わると位相差φが生じ、この位相差φにより図12Bに示すように振動の方向が回転する。振動の方向の回転角度は、位相差φの1/2となることが知られている。例えば、図12Bは位相差φが60度の例であり、この位相差φの1/2(30度)だけ振動の方向が回転する。すなわち、ホールアングルモードのジャイロ装置ではこの位相差φを検出し、位相差φに1/2を乗算することで回転した角度そのものを検出することができる。
[ジャイロ装置について]
(ジャイロ装置の構成例)
以上の説明を踏まえて、本発明の一実施形態に係るジャイロ装置について説明する。図13は、本発明の一実施形態に係るジャイロ装置(ジャイロ装置10)の構成例を示す図である。ジャイロ装置10は、例えば、単一の2次元振動子15と、駆動信号生成部20と、第1検出部30aと、第1発振回路の一例としての第1PLL(Phase Locked Loop)回路40aと、第1ゲインコントロール部の一例としての第1AGC(Automatic Gain Control)部50aと、第2検出部30bと、第2発振回路の一例としての第2PLL回路40bと、第2ゲインコントロール部の一例としての第2AGC部50bと、2次元振動子15の入力側に設けられた増幅器61a、61bと、2次元振動子15の出力側に設けられた増幅器62a、62bとを備えている。
なお、図示は省略しているが、ジャイロ装置10は、DA(Digital to Analog)変換器およびAD(Analog to Digital)変換器を備え、デジタル信号処理により実現しても良い。この場合、DA変換器は、例えば、増幅器61a、61bの前段に設けられ、駆動信号生成部20から出力されるデジタル形式の駆動信号をアナログ形式に変換するように構成される。また、AD変換器は、例えば、増幅器62a、62bの後段に設けられ、2次元振動子15から出力されるアナログ形式の信号をデジタル形式に変換するように構成される。
2次元振動子15は、例えば、リング形状を成しCWモードおよびCCWモードのそれぞれに対応した駆動信号により励振可能な振動部材である。なお、2次元振動子15の形状はリング形状に限定されるものではなく、正四角板、円柱、正四角柱、4個のマスを使用した4重マス型等、任意の形状とすることが可能である。
駆動信号生成部20は、CWモードに対応する駆動信号およびCCWモードに対応する駆動信号を生成し、これらを多重化した駆動信号を2次元振動子15に供給する。駆動信号生成部20から供給される駆動信号により2次元振動子15が励振させられる。本例では、CWモードに対応するX軸方向の駆動信号としてcos波(以下、coscw信号と表記する)、Y軸方向の駆動信号として-sin波(以下、-sincw信号と表記する)を用いている。なお、駆動信号は、Y方向信号がX方向信号に比べて90度位相が進んでいれば、必ずしもcos波、-sin波である必要はない。また、CCWモードに対応するX軸方向の駆動信号として-cos波(以下、-cosCCW信号と表記する)、Y軸方向の駆動信号として-sin波(以下、-sinCCW信号と表記する)を用いている。なお、駆動信号は、Y方向信号がX方向信号に比べて90度位相が遅れていれば、必ずしも-cos波、-sin波である必要はない。より具体的には、駆動信号生成部20は、例えば、乗算器201と、乗算器202と、乗算器203と、乗算器204と、加算器205と、加算器206とを備えている。
第1検出部30aは、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する。なお、第1検出部30aの詳細については後述する。
第1PLL回路40aは、位相比較器41aと、PID(Proportional Integral Differential)制御部42aと、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やNCO(Numerical Controlled Oscillator)等の発振周波数を変化することができる発振器43aとを備えている。図示が煩雑となることを防止するために詳細な図示を省略しているが、第1PLL回路40aの出力(全ての出力でもよいし一部の出力でもよい)が駆動信号生成部20、第1検出部30aのそれぞれにフィードバックされるように構成されている。位相比較器41aには、第1目標位相である目標位相θcw、setが与えられる。
第1AGC部50aは、振幅比較器51aと、PID制御部52aとを備えている。第1AGC部50aの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされるように構成されている。
第2検出部30bは、2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する。なお、第2検出部30bの詳細については後述する。
第2PLL回路40bは、位相比較器41bと、PID制御部42bと、VCOやNCO等の発振周波数を変化することができる発振器43bとを備えている。図示が煩雑となることを防止するために詳細な図示を省略しているが、第2PLL回路40bの出力(全ての出力でもよいし一部の出力でもよい)が駆動信号生成部20、第2検出部30bのそれぞれにフィードバックされるように構成されている。位相比較器41bには、第2目標位相である目標位相θccw、setが与えられる。
第2AGC部50bは、振幅比較器51bと、PID制御部52bとを備えている。第2AGC部50bの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされるように構成されている。
図14は、第1検出部30aの構成例を説明するための図である。第1検出部30aは、2次元振動子15から出力される信号が分岐されて入力される検出器31a、32aと、検出器31aの出力にフィルタ処理を行うLPF33aと、検出器32aの出力にフィルタ処理を行うLPF34aと、LPF33aおよびLPF34aからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する振幅位相検出部35aとを備えている。
検出器31aは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器310aと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器311aと、乗算器310a、311aのそれぞれの出力を加算する加算器312aとを備えている。検出器32aは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器320aと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器321aと、乗算器320a、321aのそれぞれの出力を加算する加算器322aとを備えている。
なお、本例では、X軸方向のCW-I成分をsin信号とし、Y軸方向のCW-I成分をcos信号とし、X軸方向のCW-Q成分をcos信号とし、Y軸方向のCW-Q成分を-sin信号としている。
図15は、第2検出部30bの構成例を説明するための図である。第2検出部30bは、2次元振動子15からの信号が分岐されて入力される検出器31b、32bと、検出器31bの出力にフィルタ処理を行うLPF33bと、検出器32bの出力にフィルタ処理を行うLPF34bと、LPF33bおよびLPF34bからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する振幅位相検出部35bとを備えている。
検出器31bは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器310bと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器311bと、乗算器310b、311bのそれぞれからの出力を加算する加算器312bとを備えている。検出器32bは、2次元振動子15からの出力のうちX軸方向の成分が入力される乗算器320bと、2次元振動子15からの出力のうちY軸方向の成分が入力される乗算器321bと、乗算器320b、321bのそれぞれの出力を加算する加算器322bとを備えている。
なお、本例では、X軸方向のCCW-I成分を-sin信号とし、Y軸方向のCCW-I成分をcos信号とし、X軸方向のCCW-Q成分を-cos信号とし、Y軸方向のCCW-Q成分を-sin信号としている。
本実施形態に係るジャイロ装置10はホールアングルモードのジャイロ装置であることから、ジャイロ装置10は、回転角度を検出する構成を有している。図16Aは、回転角度を検出する角度検出部(角度検出部80a)の構成例を示す図である。角度検出部80aは、減算器81aと、乗算器82aとを備えている。CW、CCW各モードの位相(θcw、θCCW(これらは、各モードの励振信号に対する実際の振動の位相を表す)とは異なる)をθ'cw、θ'CCWとすると、これらは、例えばNCOの内部変数等を読み取ることで得ることができる。減算器81aには、この位相θ'cwをθ'CCWが入力される。減算器81aが位相θ'cw、位相θ'CCWを減算して位相差φを得、その結果を乗算器82aで定数倍(k=1の理想的なX-Y振動子では1/2倍)することにより回転角度(Angle)を検出することができる。
図16Bは、角度検出部の他の構成例を示す図である。図16Bに示す角度検出部80bは、例えば、復調部81bと、少なくとも位相差を検出する位相差検出部82bと、乗算器83bとを備えている。復調部81bは、第2PLL回路40bから供給されるcosCCW信号をcoscw信号およびsincw信号を使用して復調(同期検波)する。その結果に基づいて位相差検出部82bが位相差φを検出し、乗算器83bが検出された位相差φを定数倍(k=1の理想的なX-Y振動子では1/2倍)することにより回転角度を検出することができる。
なお、角度検出部80a、80bは、ジャイロ装置10とは異なる他の装置に組み込まれていてもよく、当該他の装置によって回転角度を検出する処理が行われてもよい。
(ジャイロ装置の動作例)
次に、ジャイロ装置10の動作例について図13~図17を参照しながら説明する。駆動信号生成部20は、2次元振動子15に対する駆動信号を生成する。coscw信号および-sincw信号のそれぞれに対して、PID制御部52aからフィードバックされた信号が乗算器201、202で乗算された後、乗算器201からの出力信号が加算器205に供給され、乗算器202からの出力信号が加算器206に供給される。-cosCCW信号および-sinCCW信号のそれぞれに対して、PID制御部52bからフィードバックされた信号が乗算器203、204で乗算された後、乗算器203からの出力信号が加算器205に供給され、乗算器204からの出力信号が加算器206に供給される。加算器205は、乗算器201からの出力信号と乗算器203からの出力信号とを加算して出力する。加算器205からの出力信号が増幅器61aにより適宜な増幅率でもって増幅された後、2次元振動子15に入力Xdとして入力される。一方、加算器206は、乗算器202からの出力信号と乗算器204からの出力信号とを加算して出力する。加算器206からの出力信号が増幅器61bにより適宜な増幅率でもって増幅された後、2次元振動子15に入力Ydとして入力される。
入力Xd、Ydによって2次元振動子15が励振され、2次元振動子15からの出力Xs、Ysが得られる。2次元振動子15からの出力Xs、Ysが増幅器62a、62bによって適宜な増幅率でもって増幅された後、出力Xsが分岐されて第1、第2検出部30a、30bのそれぞれに入力され、出力Ysが分岐されて第1、第2検出部30a、30bのそれぞれに入力される。
第1検出部30aは、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分を検出する。具体的には、第1検出部30aにおける検出器31aが信号CW-Iを使用して検波し、その結果にLPF33aによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCW-I成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35aに供給する。また、第1検出部30aにおける検出器32aが信号CW-Qを使用して検波し、その結果にLPF34aによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCW-Q成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35aに供給する。振幅位相検出部35aは、LPF33aおよびLPF34aからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCW成分の振幅rcwおよび位相θcwを検出する。すなわち、既述したように、信号CW-I、信号CW-Qのそれぞれを参照信号として同期検波することで、2次元振動子15の出力に含まれるCW成分のみを検出することができる。
第1検出部30aにより検出された位相θcwが第1PLL回路40aに供給される。第1PLL回路40aにおける位相比較器41aは、位相θcwと目標位相θcw、setとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部42aが位相θcwを目標位相θcw、setに近づけるための制御信号を出力する。このPID制御部42aからの出力で発振器43aの周波数を制御し、これにより発振器43aから信号sincwおよび信号coscwが出力される。これらの信号が入力側にフィードバックされることで、CWモードが励振される。また、信号sincwおよび信号coscwが第1検出部30aにフィードバックされ、これに基づいて参照信号としての信号CW-I、信号CW-Qが生成される。本例では、フィードバックされる信号と参照信号との間に、sin=sincw、cos=coscw、-sin=-1*sincwの関係が成り立っている。
第1検出部30aにより得られた振幅rcwが第1AGC部50aに供給される。第1AGC部50aにおける振幅比較器51aは、振幅rcwと所定の第1設定値Rset、cwとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部52aが、振幅rcwが所定の第1設定値Rset、cwとなる制御を実行する。PID制御部52aからの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされ、CWモードに対応する駆動信号の振幅が第1設定値Rset、cwで維持されるようにゲインをコントロールする制御がなされる。
2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分を検出する系についても同様の処理が実行される。具体的には、第2検出部30bにおける検出器31bが信号CCW-Iを使用して検波し、その結果にLPF33bよるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCCW-I成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35bに供給する。また、第2検出部30bにおける検出器32bが信号CCW-Qを使用して検波し、その結果にLPF34bによるフィルタ処理を行うことで2次元振動子15の出力に含まれるCCW-Q成分を検出し、検出結果を振幅位相検出部35bに供給する。振幅位相検出部35bは、LPF33bおよびLPF34bからの出力に基づいて2次元振動子15の出力信号に含まれるCCW成分の振幅rCCWおよび位相θCCWを検出する。すなわち、上述したように、信号CCW-I、信号CCW-Qのそれぞれを参照信号として同期検波することで、2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分のみを検出することができる。
第2検出部30bにより得られた位相θCCWが第2PLL回路40bに供給される。第2PLL回路40bにおける位相比較器41bは、位相θCCWと目標位相θCCW、setとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部42bが位相θCCWを目標位相θCCW、setに近づけるための制御信号を生成する。このPID制御部42bからの制御信号で発振器43bの周波数を制御し、CCWモードを励振する。これにより発振器43bの周波数はCCWモードの共振周波数となる。また、発振器43bの信号sinCCWおよび信号cosCCWが第2検出部30bにフィードバックされ、これに基づいて参照信号としての信号CCW-I、信号CCW-Qが生成される。本例では、フィードバックされる信号と参照信号との間に、-sin=sinccw、cos=cosccw、-cos=-1*cosccw、の関係が成り立っている。
第2検出部30bにより得られた振幅rCCWが第2AGC部50bに供給される。第2AGC部50bにおける振幅比較器51bは、振幅rCCWと第2設定値Rset、CCWとを比較し、比較結果に基づいてPID制御部52bが、振幅rCCWが第2設定値Rset、CCWとなる制御を実行する。PID制御部52bからの出力が駆動信号生成部20にフィードバックされ、CCWモードに対応する駆動信号の振幅が第2設定値Rset、CCWで維持されるようにゲインをコントロールする制御がなされる。
図17は、ジャイロ装置10における信号の流れを模式的に示した図である。図17における太線が信号の流れを示している。2次元振動子15の出力に含まれるCCW成分は第1検出部30aによりカットされ、CW成分のみが一方の系(図17における上側の系)をループすることになる。2次元振動子15の出力に含まれるCW成分は第2検出部30bによりカットされ、CCW成分のみが他方の系(図17における下側の系)をループすることになる。
[角度ロック現象を回避するための設定]
次に、上述した角度ロック現象を回避するためのジャイロ装置10に対する設定について説明する。本発明では、ジャイロ装置10に対して適切な設定を行うだけで、目的とするバーチャル回転を2次元振動子15に与えることが可能となる。なお、バーチャル回転とは、角度ロック現象を回避するために2次元振動子に与えられる(ほぼ)一定速度の仮想的な回転を意味する。以下、具体的に説明する。
始めに、角度ロック現象を回避するための設定について、基本的な考え方について述べる。図18は、一般的なバネ-質量系の共振特性を示している。図18における横軸は周波数、縦軸は振幅および位相(単位:rad)を示している。なお、図18等では、各軸の値を、所定の基準値を用いて正規化した任意単位(a.u(arbitrary unit))として示す場合がある。図18における実線のラインLN11は振幅の変化を示しており、点線のラインLN12は位相の変化を示している。振幅が最大となる共振周波数では、位相(駆動力と実際の振動の位相差)は-90°となる(ラインLN21により示されている。)。共振周波数から少しはなれた周波数では、位相が-90°から少しずれる(一例がラインLN22およびラインLN23により示されている。)。
上述したように、本実施形態では、PLL回路(具体的には、第1PLL回路40aおよび第2PLL回路40b)を用いて2次元振動子15を駆動している。通常、駆動における目標位相は-90°、つまり、位相θCW及び位相θccwに対応する周波数が、振幅が最大となる共振周波数となるように設定される。
本実施形態では、2次元振動子15から出力されるCW成分の信号に対する目標位相θcw、setおよび2次元振動子15から出力されるCCW成分の信号に対する目標位相θccw、setを-90°から意図的にずらす、すなわち、共振周波数からずらすことによりバーチャル回転を励起する。
例えば、図19Aに示すように、目標位相θcw、setを-π/2より小さくし、目標位相θccw、setを-π/2より大きくする。係る設定により、CW成分の信号の共振周波数はfcw>f0となり、CCW成分の信号の共振周波数はfccw<f0となり共振周波数が異なるものとなる。この周波数の違いにより、図19Bに示すように、時間の経過と共にCW成分の信号(駆動信号)とCCW成分の信号(駆動信号)との位相がずれていき、2次元振動子15に物理的な回転を与えなくても、CW成分の信号とCCW成分の信号とを重ねあわせた振動の振動方向が回転する。つまり、2次元振動子15がバーチャルに回転する。なお、本実施形態に係るジャイロ装置10はホールアングルモードのジャイロ装置であることから、図19Bに示すように、回転方向の角度は、(k=1を仮定すると)位相のずれΔφに対して1/2を乗じた角度で与えられる。なお、目標位相の範囲は、振動子の共振状態が維持できる範囲であればいかなる値でもよい。また、一方の目標位相のみを変化させてもよい。
(効果の一例)
図20及び図21を参照して、本実施形態の効果の一例について説明する。図20は、ジャイロ装置10における目標位相θcw、setおよび目標位相θccw、setを共に-π/2に設定した場合、換言すれば、2次元振動子15に対してバーチャル回転を与えない場合の位相差(CW成分の信号とCCW成分の信号の位相差)の長期応答を示す図である。図20に示すグラフの縦軸は位相差を示し、横軸は時間(s)を示している。図20には、複数のラインLN31~LN36が示されているが、これは様々な初期振動方向を示している。なお、ジャイロ装置10は、物理的な角速度を与えずに、Ω=0の測定装置に固定した。
図20に示すように、測定された位相差は、時間の経過と共に、全ての条件において約90°に移動(収束)した。これは、2次元振動子15のQ値の不均一により、回転角度がある一定値(本例における90°)に向かって回転していること、つまり、角度ロック現象が生じていることを意味する。なお、位相差は、約2°/S(360°/180秒)で変化し、この例におけるジャイロ装置はこの角速度よりも遅い動きをホールアングルモードとしては検出できないことを示唆する。
図21Aおよび図21Bを参照して、2次元振動子15にバーチャル回転を与えた場合により得られる計測結果の一例を示す。なお、2次元振動子15は、外部に設置した空冷ファンにより一定冷却することで温度の均一化を図った。また、一例として、位相比較器41aの目標位相θcw、setを-110°に、位相比較器41bの目標位相θccw、setを-70°にそれぞれ設定した。目標位相に応じたCW成分の信号の周波数とCCW成分の信号の周波数との間の周波数差(Δf=fcw-fccw)として0.163(Hz)が観測された。なお、図21A及び図21Bでは、2次元振動子15が静止した状態から、図21BにおけるタイミングT3で90°回転させ、再び静止させた場合の結果を示している。
図21Aは、CW成分の信号とCCW成分の信号との位相差に応じたジャイロ装置10の出力(2次元振動子15の振動方向)の時間変化をラインLN41により示した図である。図21Aに示すグラフの縦軸(Detected Angle)はジャイロ装置10の出力(振動子の振動方向)を示し、横軸は時間(s)を示している。図21Aに示すように、2次元振動子15に与えられるバーチャル回転により、2次元振動子15の振動方向が直線的(略リニア)に変化している。これは、角度ロック現象が生じていないことを意味する。
バーチャル回転速度を一定と仮定すると、バーチャル回転によって2次元振動子15に誘起されるCWとCCWの位相差(つまりホールアングルモードの角度出力)は時間に対して直線的に変化する。そこで、このバーチャルな回転成分を図21Aの結果から差し引くことで、2次元振動子15に物理的に加わった回転のみを知ることができる。このように、バーチャル回転を差し引いた結果を図21BのラインLN42に示す。図からわかるように、2次元振動子15に物理的に加えた回転角度(本例では90°)が検出できている。また、図20の場合のように、Q値の最大方向にトラップされてしまうことはなく、角度ロックが解消されていることがわかる。
このように、本実施形態に係るジャイロ装置10は、目標位相θcw、setおよび目標位相θccw、setに対して適切な設定を行うだけで2次元振動子15にバーチャル回転を与えることができ、角度ロック現象を回避することが可能となる。
[バーチャル回転の温度依存性を考慮した処理]
上述した説明では、バーチャル回転の回転速度が一定であることを前提にして説明した。しかしながら、バーチャル回転の回転速度は、一定であるとは限らない。本発明者は、バーチャル回転の回転速度に温度依存性(温度による回転速度の変化)が見られることを見いだした。そこで、本実施形態では、更に、バーチャル回転の温度依存性を考慮した処理を行うようにしている
図22Aは、ジャイロ装置10の出力(2次元振動子15の回転方向)からバーチャル回転(ここでは、一定速度と仮定)により生じる回転角度を差し引いた結果の一例をラインLN51により示す図である。本例では、所定の期間、具体的には、図22Aに示すT1~T2の期間、冷却を停止し、2次元振動子15の温度を意図的に変化させた。
図22Bは、共振周波数が2次元振動子15の温度によって変化することを説明するための図である。図22Bでも図22Aに示すT1~T2の期間に対応する期間が示されている。図22Bにおける縦軸は共振周波数(Hz)を示し、横軸は時間(s)を示している。また、図22BにおけるラインLN52は目標位相θcw、setに対応するCW成分の信号の共振周波数fcwを示し、ラインLN53は目標位相θccw、setに対応するCCW成分の信号の共振周波数fccwを示している。目標位相は、例えば、目標位相θcw、setが-110°であり、目標位相θccw、setが-70°である。図22Bに示すように、2次元振動子15の温度を変化させたT1~T2の期間に対応する期間、CW成分の信号の共振周波数およびCCW成分の信号の共振周波数が共に変化している。一般に材料の共振周波数は温度依存性を持つ。例えばこの実験で使用しているシリコンの場合には、温度上昇に伴って、約30ppm/℃の割合で共振周波数が減少する。よって、この結果は、T1~T2の期間に共振器の温度が上昇していたことを意味する。また、T1~T2の期間に角度にドリフトが生じているが、バーチャル回転が一定ではなく、温度によって変化していることを示唆している。
このようなバーチャル回転速度の温度変化を補正するためには、振動子の温度を知る必要がある。2次元振動子15の温度を測るために、ジャイロ装置10に温度センサを設ける構成が考えられる。しかしながら、温度センサを追加する必要があるため、装置の大型化やコストの増加を招来する。また、検出誤差を防止するため、2次元振動子15を収納する内部空間の温度でなく2次元振動子15そのものの温度を測る必要がある。このような観点に鑑みて、本実施形態では、温度センサ等の構成を追加することなく、且つ、2次元振動子15そのものの温度を測ることができるようにした。
以下、処理の具体的内容について説明する。上述のように、2次元振動子15の共振周波数は温度依存性を有することから、共振周波数をモニターすることで、2次元振動子15そのものの温度を知ることができる。共振周波数と温度の関係が既知であれば、温度の値そのものは必要ではないため、ここではバーチャル回転と共振周波数との関係を直接求めている。また、共振周波数については、ある基準温度での共振周波数を基に無次元化(以下、無次元化周波数と適宜称する)したものを用いている。ただし、無次元化しない通常の周波数(単位Hz、 rad/s等)を用いてもまったく同様である。
図23は、バーチャル回転の回転速度と無次元化周波数との関係を計測した結果を示すグラフである。図23のグラフにおける縦軸はバーチャル回転の回転速度を示し、横軸は無次元化周波数(単位:ppm(parts per million))を示している。図23における波形LN61は、バーチャル回転の回転速度を示している。図23に示す計測結果からラインLN62で示される、バーチャル回転の回転速度と温度との関係を規定する関数(フィッティング結果)を得る。係る関数を使用して、例えば、CW成分の信号の共振周波数fcwおよびCCW成分の信号の共振周波数fccwの平均値( (fcw +fccw)/2 = 1/(2π) ((ω+kΩz) + (ω-kΩz))/2 =ω)となり回転角速度に依存せずに共振周波数ωのみを知ることができる) に基づいて、換言すれば、共振周波数に応じた2次元振動子15の温度に基づいて、バーチャル回転の回転速度を正確に推定することが可能となる。なお、CW成分の信号の共振周波数fcwおよびCCW成分の信号の共振周波数fccwの何れか一方からバーチャル回転の回転速度を推定するようにしても良い。また、上述した関数は、例えば、ジャイロ装置10の記憶部(不図示)に記憶されていても良いし、マイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等の外部装置に記憶させても良い。
図24は、バーチャル回転の回転速度の時間応答を示す図である。図24に示すグラフの縦軸はバーチャル回転の回転速度を示し、横軸は時間を示している。波形LN71は、バーチャル回転の回転速度を示している。例えば、タイミングT11の2次元振動子15に温度変化を与える。例えば、2次元振動子15を90°回転させることにより、2次元振動子15に対する冷却風の当たり方を変化させる。これにより、2次元振動子15の温度が変化する。
図24におけるラインLN72で示すように、2次元振動子15の温度変化に応じてバーチャル回転の回転速度が変化している。図24におけるラインLN73は、バーチャル回転の回転速度を一定と仮定した場合の回転速度を示している。タイミングT11以降に生じるバーチャル回転の回転速度の差ΔAが検出角度の誤差を生じさせる。
図25Aは、バーチャル回転の回転速度を一定とした場合の計測結果を示す図である。図25Aにおける縦軸は位相差(θcwccw)を示し、横軸は時間を示している。例えば、静止状態の2次元振動子15をタイミングT21で2次元振動子15を90°回転させ再び静止させた。これにより、2次元振動子15に対する冷却風の流れが変わり、2次元振動子15の温度が変化する。2次元振動子15の温度の変化に応じてバーチャル回転の回転速度が変化する。バーチャル回転の回転速度が一定と仮定するとバーチャル回転の成分を差し引けず誤差が生じてしまう虞もある。例えば、図25Aに示すように、タイミングT21での回転後、2次元振動子15は静止している、すなわち、位相差が一定(例えば0)であるはずなのにドリフトしまっている。
一方で、バーチャル回転の温度(共振周波数)依存性を考慮した処理を行った場合の計測結果の一例を図25Bに示す。図25Bにおける縦軸は位相差(θcwccw)を示し、横軸は時間を示している。計測した共振周波数(温度と関係がある点については上述した通りである)からバーチャル回転速度を推定する。推定したバーチャル回転速度を差し引くことにより、2次元振動子15の温度が変わるような環境でも、精度の高い計測ができている。例えば、図25Bに示すように、回転前、回転後ともに位相差(∝検出角度)が一定となっており、正しくバーチャル回転が除去できる。以上説明した処理は、例えば、ジャイロ装置10が有するCPU等の制御部により実行される。このように、本実施形態では、2次元振動子15の温度により共振周波数が変化した場合でもバーチャル回転の回転速度を適切に推定することができる。そして、適切に推定したバーチャル回転の回転速度を差し引くことにより正確な角度検出を行うことが可能となる。
<2.変形例>
以上、本発明の複数の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく各種の変形が可能である。
本発明は、2次元にモードマッチする振動子であれば、形状、励振方法(静電、電磁、圧電など)等は特定の方法等に限定されることはない。
2次元振動子15の出力を処理する回路は、ASIC(Application Specific integrated Circuit)等の集積回路で構成することも可能である。
本発明の作用効果を奏する範囲で、ジャイロ装置10が他の回路素子等を備える構成でもよい。
本発明のジャイロ装置は、他の装置(例えば、ゲーム機器、撮像装置、スマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の各種の電子機器や、自動車、電車、飛行機、ヘリコプター、小型飛行体、宇宙用機器等の移動体、ロボット等)に組み込まれて使用されてもよい。
上述した実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。また、本発明は、装置、方法、複数の装置からなるシステム(クラウドシステム等)により実現することができ、複数の実施形態および変形例で説明した事項は、技術的な矛盾が生じない限り相互に組み合わせることができる。
10・・・ジャイロ装置
15・・・2次元振動子
20・・・駆動信号生成部
30a・・・第1検出部
30b・・・第2検出部
40a・・・第1PLL回路
40b・・・第2PLL回路
50a・・・第1ゲインコントロール部
50b・・・第2ゲインコントロール部
80a、80b・・・角度検出部
CW・・・第1モード
CCW・・・第2モード

Claims (8)

  1. 第1固有振動モードに対応する駆動信号および第2固有振動モードに対応する駆動信号によって駆動される単一の2次元振動子と、
    前記2次元振動子から出力される信号から、前記第1固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第1検出部と、
    前記2次元振動子から出力される信号から、前記第2固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出する第2検出部と、
    前記第1検出部によって検出された位相を第1目標位相に近づけるように制御する第1発振回路と、
    前記第2検出部によって検出された位相を第2目標位相に近づけるように制御する第2発振回路と
    を有し、
    前記第1目標位相と前記第2目標位相とが異なるように設定されている
    積分型ジャイロ装置。
  2. 前記第1固有振動モードに対応する駆動信号の周波数が前記第1目標位相に対応する第1共振周波数となるようにフィードバックされ、
    前記第2固有振動モードに対応する駆動信号の周波数が前記第2目標位相に対応する第2共振周波数となるようにフィードバックされるように構成された
    請求項1に記載の積分型ジャイロ装置。
  3. 前記第1共振周波数および前記第2共振周波数の少なくとも一方に基づいて、前記2次元振動子のバーチャル回転の回転速度を得るように構成された
    請求項2に記載の積分型ジャイロ装置。
  4. 前記第1固有振動モードに対応した成分と前記第2固有振動モードに対応した成分との位相差に基づいて、回転の角度を検出する角度検出部を備える
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積分型ジャイロ装置。
  5. 第1検出部が、単一の2次元振動子から出力される信号から、第1固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
    第2検出部が、前記2次元振動子から出力される信号から、第2固有振動モードに対応した成分の振幅および位相を検出し、
    第1発振回路が、前記第1検出部によって検出された位相を第1目標位相に近づけるように制御し、
    第2発振回路が、前記第2検出部によって検出された位相を第2目標位相に近づけるように制御し、
    前記第1目標位相と前記第2目標位相とが異なるように設定されている
    積分型ジャイロ装置の制御方法。
  6. 前記第1固有振動モードに対応する駆動信号の周波数が前記第1目標位相に対応する第1共振周波数となるようにフィードバックされ、
    前記第2固有振動モードに対応する駆動信号の周波数が前記第2目標位相に対応する第2共振周波数となるようにフィードバックされる
    請求項5に記載の積分型ジャイロ装置の制御方法。
  7. 前記第1共振周波数および前記第2共振周波数の少なくとも一方に基づいて、前記2次元振動子のバーチャル回転の回転速度を得る
    請求項6に記載の積分型ジャイロ装置の制御方法。
  8. 角度検出部が、前記第1固有振動モードに対応した成分と前記第2固有振動モードに対応した成分との位相差に基づいて、回転の角度を検出する
    請求項5乃至7のいずれか1項に記載の積分型ジャイロ装置の制御方法。
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