JP7113249B2 - 除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法 - Google Patents

除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法に関する。
従来、数値流体力学解析を行うことで、所定位置における散布された薬剤の付着量を算出し、算出した付着量及び菌種に基づいて、所定位置における菌の生存状態を予測することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013-190381号公報
しかしながら、上記従来技術では、菌の生存状態の予測精度が低いという問題がある。
そこで、本発明は、菌の生存状態を精度良く予測することができる除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る除菌性能予測システムは、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積である除菌指標値とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、薬剤が散布される空間内の所定位置における薬剤濃度を算出する濃度推定部と、算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌の種類と、前記空間内の環境を示す環境情報とに基づいて前記対応情報を参照することで、前記所定位置における菌の生存状態を予測する予測部とを備える。
また、本発明の一態様に係る除菌性能予測方法は、薬剤が散布される空間内の所定位置における薬剤濃度を算出するステップと、算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌の種類と、前記空間内の環境を示す環境情報とに基づいて、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積である除菌指標値とを対応付けた対応情報を参照することで、前記所定位置における菌の生存状態を予測する予測ステップとを含む。
また、本発明の一態様は、上記除菌性能予測方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。あるいは、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現することもできる。
本発明によれば、菌の生存状態を精度良く予測することができる。
図1は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの推定対象となる空間と、当該空間に発生した薬剤の状態とを模式的に示す図である。 図3は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの推定対象となる空間内の部材表面に存在する菌と、当該空間に発生した薬剤とを模式的に示す図である。 図4は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムが記憶するCT値データベースの一例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの濃度推定部の機能構成を示すブロック図である。 図6は、所定面に対する物質の吸着放出係数を説明するための断面図である。 図7は、所定面に対する物質の吸着放出係数を決定する際に用いる濃度差比率を説明するための断面図である。 図8は、吸着放出係数の温度依存性を示す図である。 図9は、菌の生存状態の温度依存性を示す図である。 図10は、菌が水滴に覆われている様子を示す模式図である。 図11は、菌の生存状態の湿度依存性を示す図である。 図12は、薬剤及び菌に紫外線が照射されている様子を示す模式図である。 図13は、次亜塩素酸による紫外線の吸収の波長依存性を示す図である。 図14は、DNAによる紫外線の吸収の波長依存性を示す図である。 図15は、たんぱく質による紫外線の吸収の波長依存性を示す図である。 図16は、菌が有機物に覆われている様子を示す模式図である。 図17は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの動作を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムの動作のうち、濃度の推定処理を示すフローチャートである。 図19は、実施の形態1に係る除菌性能予測システムが出力する菌の生存状態を示す三次元分布図である。 図20は、実施の形態2に係る除菌性能予測システムの機能構成を示すブロック図である。 図21は、実施の形態2に係る除菌性能予測システムが記憶するシーンデータベースの一例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[概要]
まず、実施の形態に係る除菌性能予測システムの概要について、図1~図3を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の機能構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の推定対象となる空間10と、空間10に発生した薬剤20の状態とを模式的に示す図である。図3は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の推定対象となる空間10内の部材の表面40に存在する菌30と、空間10に発生した薬剤20とを模式的に示す図である。なお、図3は、図2の一部を拡大した断面図に相当する。
空間10は、除菌性能予測システム100による除菌性能の予測対象となる空間である。空間10は、例えば、壁、窓及びドアなどで囲まれた1つの部屋である。図2に示すように、空間10には、薬剤20の発生源11が設けられている。また、空間10には、椅子12、棚13などの家具が配置されている。なお、発生源11、椅子12及び棚13などの配置及び個数などは一例に過ぎない。
薬剤20は、菌30を除菌する除菌作用を有する物質である。なお、本明細書において除菌とは、菌又は細菌の除去だけでなく、ウイルス除去なども意味する。つまり、菌30には、菌及び細菌だけでなく、ウイルスなども含まれる。菌30は、例えば、黄色ブドウ球菌、緑膿菌又は大腸菌などであるが、これらに限らない。
例えば、薬剤20は、次亜塩素酸(HClO)である。あるいは、薬剤20は、オゾン(O)又はプラズマ処理された水(HO)などでもよい。薬剤20は、例えば、霧状の次亜塩素酸水などの液体であるが、気体又は微粒子状の固体でもよい。
薬剤20は、発生源11から空間10に放出される。発生源11は、薬剤20を生成して放出する生成装置である。例えば、発生源11は、次亜塩素酸水生成装置であり、食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸水を生成する。発生源11は、空間10内に向けて気流を形成する機能を有する。発生源11は、生成した次亜塩素酸水を気化させて、気流とともに次亜塩素酸を薬剤20として放出する。薬剤20は、気流に沿って空間10内に拡散される。
空間10内に拡散された薬剤20は、空間10内に存在する菌30に接触した場合に、菌30を分解するなどして除菌が行われる。空間10内に適切な濃度で薬剤20が拡散されることにより、除菌が効率良く行われる。
なお、空間10内に存在する薬剤20は、薬剤20が有する特性及び空間10内の環境の少なくとも一方に応じて様々な影響を受ける。例えば、図2に示す薬剤20aは、自己分解により消滅する。薬剤20bは、空間10内を浮遊し拡散される。薬剤20cは、空間10の壁に対して吸着される。また、吸着された薬剤20cは、壁から放出される。薬剤20dは、紫外線により分解されて消滅する。
また、空間10内に存在する菌30も同様に、菌30が有する特性及び空間10内の環境の少なくとも一方に応じて様々な影響を受ける。例えば、菌30は、薬剤20cと同様に、紫外線により分解されて消滅することがある。詳細については、後で説明する。
本実施の形態に係る除菌性能予測システム100は、1以上の情報処理装置で実現される。1以上の情報処理装置はそれぞれ、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。
[構成]
以下では、除菌性能予測システム100の詳細な構成について、図2及び図3を適宜参照しながら、図1を用いて説明する。
図1に示すように、除菌性能予測システム100は、取得部110と、制御部120と、記憶部130と、出力部140とを備える。除菌性能予測システム100は、環境情報、薬剤情報及び菌情報を取得し、取得した情報に基づいてシミュレーションを行うことで、空間10内の所定位置における菌30の生存状態を示す予測情報を出力する。なお、所定位置は、予測の対象位置である。
対象位置は、空間10を3次元マトリクス状に分割した複数の部分空間の中から、濃度の推定対象となる位置として選択された1つの部分空間である。対象位置は、例えば三次元座標系で表される。なお、対象位置は、1つの部分空間に限らず、複数の部分空間でもよく、全ての部分空間、すなわち、空間10の全体であってもよい。この場合、除菌性能予測システム100は、空間10内の菌30の生存状態の三次元分布を予測情報として出力してもよい。
部分空間は、濃度推定シミュレーションにおける演算の単位(メッシュ)に相当する。複数の部分空間の大きさは、互いに異なっていてもよい。複数の部分空間は、例えば互いに同じ大きさの立方体状の空間である。部分空間の一辺の長さは、例えば80mmであるが、これに限らない。また、部分空間は、ソリッド(三次元)要素のものであれば、直方体状又は三角錐状などの空間であってもよい。部分空間の大きさは、空間10の大きさに基づいて定められてもよい。
環境情報は、空間10内の環境を示す情報である。具体的には、環境情報は、除菌対象である菌30の状態に影響を与える第1環境情報と、空間10に散布する薬剤20に影響を与える第2環境情報とを含む。第1環境情報は、対象位置における気温、湿度及び紫外線量、並びに、対象位置が空間10内に存在する部材の表面40を含む場合の表面温度のうち、少なくとも1つを示す情報である。第2環境情報は、対象位置における気温、湿度及び紫外線量、並びに、対象位置が空間10内に存在する部材の表面40を含む場合の表面温度及び表面40に付着している有機物量のうち、少なくとも1つを示す情報である。なお、部材は、空間10を形成する壁材、天井材、床材若しくは窓材などの造営材、又は、空間10内に配置された椅子12、棚13若しくは発生源11などの障害物である。第1環境情報及び第2環境情報の各々の詳細については、後で説明する。
薬剤情報は、空間10に発生する薬剤20に関する情報である。具体的には、薬剤情報は、薬剤20の発生量、並びに、薬剤20を移動させる気流の風向及び風速などを示す情報である。薬剤情報には、薬剤20の種類を示す情報が含まれてもよい。
菌情報は、空間10内に存在しうる菌であり、除菌対象の菌30に関する情報である。具体的には、菌情報は、菌、細菌又はウイルスの種類を示す情報である。
取得部110は、環境情報、薬剤情報及び菌情報を取得する。取得部110は、例えば、温湿度センサなどのセンサから出力される出力信号が入力される入力インタフェース、ユーザからの操作を受け付けるユーザインタフェース、及び、発生源11と通信を行う通信インタフェースなどで実現される。ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネル又は物理的な操作ボタンなどである。あるいは、取得部110は、ユーザが操作するスマートフォンなどの端末装置と通信する通信インタフェースで実現されてもよい。
本実施の形態では、取得部110は、温湿度センサ又は温度センサから空間10内の温度を示す温度情報を取得する。温度情報は、具体的には、空間10内の気温、又は、空間10内に位置する部材の表面40の表面温度を示す。取得部110は、温湿度センサ又は湿度センサから空間10内の湿度を示す湿度情報を取得する。取得部110は、紫外線光量計から空間10内の紫外線量を示す紫外線情報を取得する。
なお、温湿度センサ及び紫外線光量計の少なくとも一方は、空間10内に複数設けられていてもよい。取得部110は、複数の温湿度センサ及び紫外線光量計から、空間10を構成する複数の部分空間の各々における温度情報、湿度情報及び紫外線情報を取得してもよい。
取得部110は、端末装置などから、空間10内に位置する部材の材質を示す材質情報を取得する。材質情報は、具体的には、部材の材質を部分空間毎に示す。材質情報は、例えば、空間10が形成された時に予め記憶部130に記憶されていてもよい。
取得部110は、発生源11から、薬剤20の発生量を示す発生量情報を取得する。発生量情報は、例えば、単位時間当たりに発生源11から発生する薬剤20の濃度を、発生量として示す。取得部110は、発生源11が空間10内に供給する気流の風向及び風速を示す気流情報を取得する。気流情報は、発生源11の吹出口を基準位置として、気流の進行方向及び進行速度をそれぞれ、風向及び風速として示す。
取得部110は、端末装置などから、菌情報を取得する。例えば、取得部110は、ユーザが端末装置を操作することで選択された除菌対象となる菌30の種類を示す情報を菌情報として端末装置から取得する。
取得部110は、さらに、ユーザが操作する端末装置などから、空間10の大きさ及び形状、並びに、空間10内に存在する椅子12などの障害物の大きさ、形状及び配置位置を示すジオメトリ情報を取得してもよい。取得部110は、さらに、薬剤20の種類を示す種類情報を取得してもよい。
なお、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100は、環境情報を取得するセンサを備えてもよい。センサは、取得部110の機能のうち環境情報を取得する機能を行う。センサは、例えば、上述した温湿度センサ、温度センサ、湿度センサ、紫外線光量計及び有機物検出センサなどの少なくとも1つである。
制御部120は、除菌性能予測システム100の主な機能を実行する。制御部120は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。本実施の形態では、制御部120は、図1に示すように、濃度推定部121と、予測部122とを備える。
濃度推定部121は、薬剤20が散布される空間10内の所定位置における薬剤濃度を算出する。具体的には、濃度推定部121は、薬剤20の濃度推定のシミュレーションを行うことで、空間10内の対象位置における薬剤20の濃度を示す濃度情報を出力する。本実施の形態では、濃度推定部121は、薬剤20の発生量と、薬剤20を移動させる気流の風向及び風速と、薬剤20の自己分解係数と、薬剤20の拡散係数と、空間10内の所定面に対する薬剤20の吸着放出係数と、空間10内の温度、湿度及び紫外線量の少なくとも1つとを入力データとして取得し、取得した入力データを用いて薬剤濃度を算出する。濃度推定部121の詳細な構成については、後で説明する。
予測部122は、算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌30の種類と、環境情報とに基づいて記憶部130に記憶されたCT値データベース131を参照することで、対象位置における菌30の生存状態を予測する。本実施の形態では、予測部122は、空間10に散布する薬剤20の種類を示す薬剤情報にさらに基づいてCT値データベース131を参照することで、菌30の生存状態を予測する。
菌30の生存状態は、例えば、薬剤20を放出してから所定期間経過後の対象位置における菌30の減少数で表される。菌30の減少数は、桁数によって表される。除菌の桁数が1であること(「1桁除菌」とも言う)は、菌数が1桁減少すること、すなわち、初期状態を1とした場合に除菌後の菌数が0.1になることである。すなわち、1桁除菌は、菌30の90%を除菌すること、すなわち、90%除菌を意味する。同様に、2桁除菌は、99%除菌を意味する。3桁除菌は、99.9%除菌を意味する。
本実施の形態では、予測部122は、以下の式(1)に基づいて菌30の減少数Yを算出する。
Figure 0007113249000001
式(1)において、推定CT値は、濃度推定部121によって推定された薬剤濃度に基づいて算出されるCT値である。推定CT値は、対象位置毎に算出される。推定CT値は、対象位置における薬剤20による除菌性能を表している。
参照CT値は、X桁除菌を行う場合に必要なCT値である。参照CT値は、記憶部130に記憶されたCT値データベース131を参照することで得られる。
環境因数fは、環境情報に基づく補正係数である。具体的には、環境因数fは、気温、湿度及び紫外線量、並びに、部材の表面温度及び有機物量などによって定められる。詳細については、後で説明する。
なお、以下の式(2)に基づいて、予測部122は、菌30の除菌率を算出してもよい。
Figure 0007113249000002
記憶部130は、CT値データベース131を記憶している。記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの不揮発性メモリである。
CT値データベース131は、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度(C)と時間(T)との積である除菌指標値とを対応付けた対応情報の一例である。除菌指標値は、いわゆるCT値である。対応情報では、薬剤20の種類毎に、菌の種類と、除菌指標値とが対応付けられている。
図4は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100が記憶するCT値データベース131を示す図である。図4に示すように、菌30の種類と薬剤20の種類との組み合わせにCT値が対応付けられている。
CT値は、例えば、対応する薬剤20を用いて、対応する菌30を99%除菌するのに必要な薬剤濃度と時間との積である。つまり、CT値は、菌30を2桁除菌するのに必要な薬剤濃度と時間との積である。なお、CT値は、菌30を1桁除菌(すなわち、90%除菌)するのに必要な薬剤濃度と時間との積でもよく、3桁除菌(すなわち、99.9%除菌)するのに必要な薬剤濃度と時間との積でもよい。
CT値データベース131に記憶されたCT値が大きい程、対応する菌30を除菌するためには、濃い濃度の薬剤20が必要で、及び/又は、薬剤20に菌30が晒されている時間が多く必要であることを意味する。CT値は、例えば、基準条件の下で除菌試験を行うことで得られる。基準条件は、例えば、温度が20℃、湿度が50%RH、紫外線量が0mW/cmであるが、これに限らない。
なお、CT値データベース131における情報の対応形式は、図4に示す例に限らない。例えば、CT値データベース131は、薬剤20の種類と菌30の種類との組み合わせに応じて、所定のCT値の除菌処理を行った場合の除菌できる桁数を示してもよい。
例えば、薬剤20がオゾンである場合、黄色ブドウ球菌は、CT値が10の除菌処理を行うことで、1.7桁除菌が可能である。緑膿菌は、CT値が10の除菌処理を行うことで、0.57桁除菌が可能である。大腸菌は、CT値が25の除菌処理を行うことで、1.44桁除菌が可能である。
また、例えば、薬剤20が過酸化水素である場合、黄色ブドウ球菌は、CT値が3350の除菌処理を行うことで2桁除菌が可能である。さらに、薬剤20が過酸化水素である場合、黄色ブドウ球菌は、CT値が258000の除菌処理を行うことで6桁除菌が可能である。
出力部140は、制御部120によって算出された菌の生存状態を示す予測情報を出力する。例えば、出力部140は、ディスプレイであり、濃度の三次元分布を示す画像データを表示する。あるいは、出力部140は、外部の表示装置に接続される出力インタフェースであってもよい。出力部140は、外部の表示装置に画像データを出力してもよい。
[濃度推定部]
続いて、本実施の形態に係る濃度推定部121の詳細な構成について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の濃度推定部121の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、濃度推定部121は、決定部210と、演算部220と、記憶部230とを備える。濃度推定部121は、環境情報及び薬剤情報を取得し、取得した情報に基づいてシミュレーションを行うことで、空間10内の所定位置における薬剤20の濃度を示す濃度情報を出力する。所定位置は、濃度推定の対象位置である。
決定部210は、取得部110によって取得された情報に基づいて、薬剤20の自己分解係数、薬剤20の拡散係数、及び、薬剤20の吸着放出係数を決定する。決定部210は、決定した自己分解係数、拡散係数及び吸着放出係数、並びに、取得部110によって取得された情報を、入力データとして演算部220に出力する。自己分解係数、拡散係数及び吸着放出係数の詳細については、後で説明する。
記憶部230は、図5に示すように、自己分解係数用の第1データベース231と、拡散係数用の第2データベース232と、吸着放出係数用の第3データベース233とを記憶している。記憶部230は、例えば、HDD又は半導体メモリなどの不揮発性メモリである。なお、記憶部230は、図1に示す記憶部130と同じハードウェア資源を用いて実現されてもよい。
演算部220は、空間10内に拡散する薬剤20のシミュレーションを行うことで、空間10内の薬剤20の濃度を算出する。演算部220は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。
具体的には、演算部220は、薬剤20の発生量と、薬剤20を移動させる気流の風向及び風速と、薬剤20の自己分解係数と、薬剤20の拡散係数と、空間10内の所定面に対する薬剤20の吸着放出係数と、空間10内の温度、湿度及び紫外線量の少なくとも1つとを入力データとして取得する。演算部220は、入力データを取得し、取得した入力データを用いて空間10内の薬剤20の濃度を算出する。
演算部220は、例えば、数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)に基づく解析(以下、CFD解析と記載)を行う。CFD解析は、例えば、RANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes equations)、DNS(Direct Numerical Simulation)、LES(Large Eddy Simulation)、又はDES(Detached Eddy Simulation)などのモデルに基づいて行われる。具体的には、演算部220は、薬剤20の種類と、薬剤20の発生量と、気流の風向及び風速と、薬剤20の自己分解係数と、薬剤20の拡散係数と、薬剤20の吸着放出係数と、空間10内の温度、湿度及び紫外線量とを入力データとしてCFD解析を行うことにより、空間10を構成する部分空間毎の薬剤濃度を算出する。具体的には、演算部220は、部分空間毎の薬剤濃度の三次元分布を生成する。より具体的には、演算部220は、空間10内の任意の位置の任意の時間における薬剤20の濃度を算出する。演算部220は、空間10内の薬剤濃度の経時的に変化する三次元分布を生成する。
例えば、薬剤20の発生量が多い程、各部分空間の濃度推定値が大きくなる。薬剤20の発生量が小さい程、各部分空間の濃度推定値が小さくなる。また、気流の風向に基づいて、例えば、発生源11の風下(具体的には発生源11から離れた位置)に位置する部分空間の濃度推定値は、発生源11の風上(具体的には発生源11に近い位置)に位置する部分空間の濃度推定値より小さくなる。また、風速が大きい場合には、発生源11から離れた位置の部分空間の濃度推定値が大きくなる。風速が小さい場合には、発生源11から離れた位置の部分空間の濃度推定値が小さくなる。自己分解係数、拡散係数及び吸着放出係数と濃度推定値との関係は、後で説明する。
演算部220は、算出した薬剤濃度を示す濃度情報を、予測部122に出力する。
[濃度推定シミュレーション]
続いて、上記式(1)における推定CT値を算出するための、薬剤濃度の推定シミュレーションの詳細について説明する。まず、本実施の形態に係る濃度推定部121の演算部220が入力データとして取得する、薬剤20の性質に関する3つのパラメータについて説明する。3つのパラメータは、薬剤20の自己分解係数、拡散係数及び吸着放出係数である。
[自己分解係数]
まず、薬剤20の自己分解係数について説明する。
自己分解係数は、薬剤20が自己分解される度合いを示すパラメータである。具体的には、自己分解係数は、以下の式(3)に示すアレニウスの式で定義される反応係数である。
Figure 0007113249000003
式(3)において、kは、薬剤20の自己分解係数(単位[/s])である。Aは、頻度因子である。Eは、活性化エネルギーである。Rは、気体定数である。Tは、空間10内の絶対温度である。ここで、A及びEは、薬剤20の種類に応じて定まる値である。
式(3)に示すように、自己分解係数kは、空間10内の温度に依存する。具体的には、空間10内の温度が低い程、自己分解係数kが小さくなり、薬剤20の自己分解が進みにくい。空間10内の温度が高い程、自己分解係数kが大きくなり、薬剤20の自己分解が進みやすくなる。
なお、自己分解係数kを算出するための頻度因子A、活性化エネルギーEなどは、以下の手順に沿って予め実測することで得られる。まず、例えば気温20℃、湿度50%に保った容積1mのアクリルボックスを用意し、内部に次亜塩素酸ガスを薬剤20として溜める。アクリルボックス内の次亜塩素酸ガスの濃度を初期状態から経時的に測定する。気温及び湿度の組み合わせを変更し、異なる条件下で同様の測定を行う。
次亜塩素酸の反応速度式[HClO]=[HClO]initial×e-ktから、自己分解係数kを算出する。なお、[HClO]initialは、次亜塩素酸ガスの初期状態の濃度を示している。[HClO]は、初期状態から時間tだけ経過した後の次亜塩素酸ガスの濃度を示している。
互いに異なる2つ以上の温度に対応する自己分解係数kを算出し、算出した自己分解係数kを用いてアレニウスプロットを行う。アレニウスプロットとは、横軸を1/T、縦軸をlnkとした二次元座標系に、算出した値を描画することである。アレニウスプロットの近似式に基づいて、傾き-E/R及び切片lnAが算出される。
本実施の形態では、決定部210は、空間10内の温度に基づいて自己分解係数kを決定する。具体的には、決定部210は、記憶部230に記憶された第1データベース231を参照することで、自己分解係数kを決定する。
第1データベース231は、自己分解係数kと温度との対応関係を示すデータベースである。具体的には、第1データベース231は、温度及び薬剤20の種類の組み合わせ毎に、上記式(3)に基づいて予め算出された自己分解係数kを示している。なお、薬剤20の種類が1つのみである場合には、第1データベース231は、温度毎に予め算出された自己分解係数kを示していてもよい。
なお、記憶部230には、第1データベース231の代わりに、上記式(3)が記憶されていてもよい。決定部210は、取得部110が取得した種類情報及び温度情報に基づいて、式(3)を用いて自己分解係数kを算出してもよい。
本実施の形態では、自己分解係数をシミュレーションの入力データとして用いることで、薬剤20の自己分解による濃度の減少をシミュレーション結果に反映させることができる。具体的には、自己分解係数が大きい程、濃度推定値は、自己分解係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも小さくなる。自己分解係数が小さい程、濃度推定値は、自己分解係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも大きくなる。いずれの場合も、自己分解係数を入力データとして用いることで、実測値に近い濃度を推定することができる。
[拡散係数]
次に、薬剤20の拡散係数について説明する。
拡散係数は、薬剤20が拡散される度合いを示すパラメータである。具体的には、拡散係数は、以下の式(4)に示すアインシュタイン・ストークスの式で定義される。
Figure 0007113249000004
式(4)において、Dは、薬剤20の拡散係数(単位[m/s])である。kは、ボルツマン定数である。Tは、空間10内の絶対温度である。Bは、薬剤20の移動度である。μは、薬剤20の粘性である。aは、薬剤20の分子半径である。ここで、μ及びaは、薬剤20の種類に応じて定まる値である。
式(4)に示すように、拡散係数Dは、空間10内の温度に依存する。具体的には、空間10内の温度が低い程、拡散係数が小さくなり、薬剤20が拡散されにくくなる。空間10内の温度が高い程、拡散係数が大きくなり、薬剤20が拡散されやすくなる。より具体的には、拡散係数Dは、空間10内の絶対温度Tに対して比例関係を有する。
本実施の形態では、決定部210は、空間10内の温度に基づいて拡散係数Dを決定する。具体的には、決定部210は、記憶部230に記憶された第2データベース232を参照することで、拡散係数Dを決定する。
第2データベース232は、拡散係数Dと温度との対応関係を示すデータベースである。具体的には、第2データベース232は、温度及び薬剤20の種類の組み合わせ毎に、上記式(4)に基づいて予め算出された拡散係数Dを示している。なお、薬剤20の種類が1つのみである場合には、第2データベース232は、温度毎に予め算出された拡散係数Dを示していてもよい。
なお、記憶部230には、第2データベース232の代わりに、上記式(4)が記憶されていてもよい。決定部210は、取得部110が取得した種類情報及び温度情報に基づいて、式(4)を用いて拡散係数Dを算出してもよい。
本実施の形態では、拡散係数をシミュレーションの入力データとして用いることで、薬剤20の拡散による濃度の変化をシミュレーション結果に反映させることができる。具体的には、拡散係数が大きい程、薬剤20が広がりやすくなる。このため、例えば、発生源11より離れた位置での薬剤20の濃度推定値は、拡散係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも大きくなる。また、拡散係数が小さい程、薬剤20が広がりにくくなる。このため、例えば、発生源11より離れた位置での薬剤20の濃度推定値は、拡散係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも小さくなる。いずれの場合も、拡散係数を入力データとして用いることで、実測値に近い濃度を推定することができる。
[吸着放出係数]
次に、薬剤20の吸着放出係数について説明する。
図6は、所定の表面40に対する薬剤20の吸着放出係数を説明するための断面図である。所定の表面40は、空間10を形成する壁材などの造営材、又は、空間10内に位置する発生源11などの障害物の壁面である。
図6に示すように、表面40の近傍に位置する薬剤20は、所定時間の経過後に、薬剤20xのように表面40に吸着される場合と、薬剤20yのように吸着されずに表面40の近傍に位置したままの場合とがある。
吸着放出係数は、薬剤20の所定の表面40に対する吸着及び放出の度合いを示すパラメータである。吸着放出係数は、薬剤20が表面40に対して単位時間あたりに近付く距離として定められる。具体的には、吸着放出係数は、以下の式(5)に示す吸着量を表す式に基づいて定義される。
Figure 0007113249000005
式(5)において、hは、薬剤20の吸着放出係数(単位[m/s])である。吸着放出係数が正の値である場合、薬剤20が表面40に吸着することを意味する。吸着放出係数が負の値である場合、薬剤20が表面40から放出されることを意味する。吸着放出係数の絶対値が大きい程、吸着量又は放出量が大きい。吸着放出係数の絶対値が小さい程、吸着量又は放出量が小さい。
Fは、薬剤20の吸着量(単位[m/s])である。ΔCは、薬剤20の濃度差比率である。Aは、図5に示す表面40の面積(単位[m])である。
薬剤20の吸着には、物理的な吸着と化学的な吸着とが含まれる。物理的な吸着は、例えば、表面40に設けられている微小な細孔又は凹凸に薬剤20が捕捉されることである。物理的な吸着は、例えば、以下の式(6)に示すBETの吸着等温式に基づいて定められる。
Figure 0007113249000006
式(6)において、pは、薬剤20の飽和蒸気圧である。pは、薬剤20の蒸気圧である。vは、飽和吸着量である。vは、吸着量である。cは、以下の式(7)で表される。
Figure 0007113249000007
式(7)において、cは、定数である。Rは、気体定数である。Tは、絶対温度である。Eは、表面40に対する薬剤20の吸着熱である。Eは、薬剤20の凝縮熱である。ここで、E及びEは、薬剤20の種類に応じて定まる値である。
また、化学的な吸着は、例えば、表面40に付着した微小な水分などとイオン結合などの化学結合により薬剤20が捕捉されることである。化学的な吸着における吸着量は、表面40の表面温度、又は、表面40の近傍の気温に依存する。
本実施の形態では、吸着放出係数hは、物理的な吸着及び化学的な吸着などの吸着要因を総合してマクロ的な係数として決定される。具体的には、図6に示す面積Aの表面40の端部間の濃度差に基づいて薬剤20の移動距離を換算することで、吸着放出係数hが定められる。具体的には、濃度の実測値に基づいて式(5)を用いて、吸着放出係数hが定められる。
図7は、所定の表面40に対する薬剤20の吸着放出係数hを決定する際に用いる濃度差比率ΔCを説明するための断面図である。図7に示すように、表面40の近傍の空間を第1区域と第2区域とに仮想的に定義する。
第1区域は、表面40に面した区域である。第2区域は、第1区域より表面40から離れた区域であり、第1区域と一面を共有している。第1区域及び第2区域は、例えば、互いに同じ大きさの直方体状の空間である。第1区域の幅wは、吸着放出係数h×解析時間より小さく、例えば、1mm以下である。
このとき、濃度差比率ΔCは、以下の式(8)で表される。
Figure 0007113249000008
式(8)において、C1t及びC2tはそれぞれ、時刻tにおける第1区域及び第2区域の各々の薬剤20の濃度である。式(5)及び(8)より、第2区域の濃度C2tが大きい程、表面40への吸着量が多いことが分かる。
図8は、吸着放出係数hの温度依存性を示す図である。図8において、横軸は温度であり、縦軸は吸着放出係数hである。図8に示すように、温度が高くなる程、吸着放出係数hが小さくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりにくい。温度が低くなる程、吸着放出係数hが大きくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりやすい。吸着放出係数と温度とは、略線形の関係を有する。
本実施の形態では、決定部210は、表面40の材質、形状、温度及び湿度の少なくとも1つに基づいて吸着放出係数hを決定する。具体的には、決定部210は、記憶部230に記憶された第3データベース233を参照することで、吸着放出係数hを決定する。
第3データベース233は、吸着放出係数hと温度との対応関係を示すデータベースである。具体的には、第3データベース233は、表面40の材質、形状、温度及び湿度、並びに、薬剤20の種類の組み合わせ毎に、図8などに示す関係に基づいて予め定められた吸着放出係数hを示している。なお、薬剤20の種類が1つのみである場合には、第3データベース233は、表面40の材質、形状、温度及び湿度の組み合わせ毎に予め決定された吸着放出係数hを示していてもよい。
なお、メモリ資源を節約するため、第3データベース233には、全通りの組み合わせに対応する吸着放出係数hを示すのではなく、一部の組み合わせに対応する吸着放出係数hを示していてもよい。
例えば、第3データベース233には、温度が20℃、湿度が50%RHである場合に、材質A、材質B及び材質Cの各々の吸着放出係数は、0.0006m/s、0.0011m/s及び0.02m/sであることが示されていてもよい。決定部210は、表面40の形状、温度及び湿度については、各々と吸着放出係数との対応関係を表す関数に基づいて、第3データベース233から読み出した値を補正することで、入力データに応じた吸着放出係数を算出してもよい。あるいは、決定部210は、第3データベース233に格納された値を利用した補間処理によって、入力データに応じた吸着放出係数を算出してもよい。
例えば、吸着放出係数と温度とは、図8で示すように略線形の関係を有する。具体的には、温度が高くなる程、吸着放出係数hが小さくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりにくい。温度が低くなる程、吸着放出係数hが大きくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりやすい。
また、湿度が高くなる程、表面40の表面水分量が増加し、薬剤20が捕捉されやすくなるため、マクロ的に吸着放出係数hが大きくなる。つまり、湿度が高くなる程、薬剤20の表面40への吸着が起こりやすい、又は、放出が起こりにくい。湿度が低くなる程、表面40の表面水分量が減少し、薬剤20が捕捉されにくくなるため、マクロ的に吸着放出係数hが小さくなる。つまり、湿度が低くなる程、薬剤20の表面40への吸着が起こりにくい、又は、放出が起きやすくなる。
また、表面40の表面が荒れた形状である程、具体的には、表面40の表面粗さが大きい程、吸着放出係数hが大きくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりやすい。表面40の表面粗さが小さい程、吸着放出係数hが小さくなり、薬剤20の表面40への吸着が起こりにくい。
本実施の形態では、吸着放出係数をシミュレーションの入力データとして用いることで、薬剤20の表面40への吸着による濃度の減少をシミュレーション結果に反映させることができる。具体的には、吸着放出係数が大きい程、濃度推定値は、吸着放出係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも小さくなる。吸着放出係数が小さい程、濃度推定値は、吸着放出係数を入力データとして用いない場合の濃度推定値よりも大きくなる。いずれの場合も、吸着放出係数を入力データとして用いることで、実測値に近い濃度を推定することができる。
[環境が薬剤及び菌に与える影響]
続いて、環境が薬剤20及び菌30に与える影響について説明する。本実施の形態では、薬剤20及び菌30に影響を与える環境として、気温、湿度及び紫外線量、並びに、表面温度及び有機物量などがある。
[温度及び表面温度]
まず、温度及び表面温度が薬剤20及び菌30に与える影響について、図9を用いて説明する。
図9は、菌30の生存状態の温度依存性を示す図である。図9において、横軸は温度である。温度は、菌30が触れている空気の温度、及び、菌30が接触している部材の表面40の表面温度である。また、図9において、縦軸は菌30の生存しやすさ、すなわち、菌30の死ににくさを示している。縦軸の数値が大きい程、菌30は生存しやすい。
図9に示すように、温度が低い程、菌30は生存しやすく、温度が高い程、菌30は生存しにくい。言い換えると、温度が低い程、菌30は除菌されにくく、温度が高い程、菌30は除菌されやすい。これは、温度が高い程、薬剤20及び菌30の双方に熱エネルギーが与えられ、薬剤20と菌30との反応性が上昇し、除菌性能が高まるためと考えられる。
以上のことから、上記式(1)における環境因数fは、温度が高い程、小さな値に設定され、温度が低い程、大きな値に設定される。これにより、式(1)を用いて算出された菌30の減少数Yは、温度の影響を考慮した値になる。したがって、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態の予測精度を高めることができる。
[湿度]
次に、湿度が薬剤20及び菌30に与える影響について、図10を用いて説明する。
図10は、菌30が水滴50に覆われている様子を示す模式図である。空間10の湿度が高い場合、表面水分量が大きくなる。このため、図10に示すように、表面40には水滴50が付着し、菌30が水滴50に覆われやすくなる。
湿度が菌30に与える影響として、菌30は、水滴50によって膨潤するという影響がある。このとき、菌30の細胞膜の浸透性が上昇し、浸透圧による薬剤20が透過しやすくなる。このため、薬剤20と菌30との反応性が高くなり、除菌性能が高まると考えられる。
また、湿度が薬剤20に与える影響として、菌30を覆う水滴50によって薬剤20が捕捉されやすくなるという影響がある。水滴50に捕捉される薬剤20の量が多くなり、菌30の近傍の薬剤濃度が高くなる。したがって、薬剤20と菌30との接触時間が長くなり、除菌性能が高まると考えられる。
図11は、菌30の生存状態の湿度依存性を示す図である。図11において、横軸は湿度である。縦軸は菌30の生存しやすさ、すなわち、菌30の死ににくさを示している。縦軸の数値が大きい程、菌30は生存しやすい。
図11に示すように、湿度が低い程、菌30は生存しやすく、湿度が高い程、菌30は生存しにくい。言い換えると、湿度が低い程、菌30は除菌されにくく、湿度が高い程、菌30は除菌されやすい。
以上のことから、上記式(1)における環境因数fは、湿度が高い程、小さな値に設定され、湿度が低い程、大きな値に設定される。これにより、式(1)を用いて算出された菌30の減少数Yは、湿度の影響を考慮した値になる。したがって、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態の予測精度を高めることができる。
[紫外線量]
次に、紫外線量が薬剤20及び菌30に与える影響について、図12を用いて説明する。
まず、紫外線60が薬剤20に与える影響として、紫外線60は、薬剤20によって吸収され、薬剤20を分解するという影響がある。図12は、薬剤20及び菌30に紫外線60が照射されている様子を示す模式図である。図12では、紫外線60が照射された薬剤20が分解されて消滅している様子を示している。
図13は、次亜塩素酸による紫外線の吸収の波長依存性を示す図である。図13において、横軸は紫外線60の波長であり、縦軸は次亜塩素酸による紫外線の吸光度である。
図13に示すように、次亜塩素酸は、約290nmの波長に吸収ピークを有する。次亜塩素酸は、紫外線が照射された場合に、紫外線を吸収し、分解される。なお、図13では、次亜塩素酸の濃度毎の吸光度のグラフを示しているが、いずれの濃度においても次亜塩素酸が紫外光を吸収する傾向が見られる。
紫外線量が多い程、薬剤20は分解されやすく、薬剤濃度が低下する。紫外線量が少ない程、薬剤20は分解されにくく、薬剤濃度が低下しにくい。したがって、式(1)における環境因数fは、薬剤20への影響を考慮に入れた場合、紫外線量が多い程、大きな値に設定され、紫外線量が少ない程、小さな値に設定される。なお、図13に示すように、吸光度に波長依存性があるので、環境因数fは、例えば、紫外線60の波長に応じた値に設定されてもよい。
また、紫外線60が菌30に与える影響として、紫外線60は、菌30を構成するDNA及びたんぱく質によって吸収され、これらを弱体化させるという影響がある。図14及び図15はそれぞれ、DNA及びたんぱく質による紫外線の吸収の波長依存性を示す図である。図14及び図15の各々において、横軸は紫外線及び可視光の波長であり、縦軸はDNA又はたんぱく質による紫外線の吸光度である。
図14に示すように、DNAは、約260nmの波長に吸収ピークを有する。DNAは、紫外線が照射された場合に、紫外線を吸収し、損傷又は弱体化する。図15に示すように、たんぱく質は、約280nmの波長に吸収ピークを有する。たんぱく質は、紫外線が照射された場合に、紫外線を吸収し、損傷又は弱体化する。
紫外線量が多い程、菌30は損傷又は弱体化されやすく、死にやすくなる。紫外線量が少ない程、菌30は損傷又は弱体化されにくく、死ににくい。したがって、式(1)における環境因数fは、菌30への影響を考慮に入れた場合、紫外線量が多い程、小さな値に設定され、紫外線量が少ない程、大きな値に設定される。なお、図14及び図15に示すように、吸光度に波長依存性があるので、環境因数fは、例えば、紫外線60の波長に応じた値に設定されてもよい。
なお、紫外線量と環境因数fとの関係は、薬剤20に与える影響と菌30に与える影響とで異なる。このため、紫外線60が薬剤20及び菌30の各々に与える影響の大小関係に応じて、環境因数fが設定される。例えば、紫外線60による菌30の弱体化よりも薬剤20の分解が激しい場合、結果として菌30の除菌性能が低くなるので、環境因数fを大きな値に設定する。また、紫外線60による薬剤20の分解よりも菌30の弱体化が激しい場合、結果として菌30の除菌性能が高くなるので、環境因数fを小さな値に設定する。以上のように、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態の予測精度を高めることができる。
[有機物量]
続いて、有機物量が薬剤20に与える影響について、図16を用いて説明する。
図16は、菌30が有機物70に覆われている様子を示す模式図である。図16に示すように、菌30が有機物70に覆われている場合、薬剤20は、菌30に到達しにくくなる。具体的には、薬剤20は、有機物70を浸透する際に、有機物70と反応して菌30まで到達する薬剤20の量が少なくなる。したがって、有機物70の量が多い程、薬剤20と菌30との接触が少なくなり、除菌性能が低くなると考えられる。
以上のことから、上記式(1)における環境因数fは、有機物量が多い程、大きな値に設定され、有機物量が少ない程、小さな値に設定される。これにより、式(1)を用いて算出された菌30の減少数Yは、有機物の影響を考慮した値になる。したがって、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態の予測精度を高めることができる。
[動作]
続いて、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の動作について、図17及び図18を用いて説明する。
図17は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の動作を示すフローチャートである。図18は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100の動作のうち、濃度の推定処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、まず、取得部110が環境情報、薬剤情報及び菌情報を取得する(S10)。具体的には、取得部110は、空間10に設けられた温湿度センサ及び紫外線光量計から温度情報、湿度情報及び紫外線情報を、環境情報として取得する。取得部110は、さらに、発生源11から薬剤20の種類情報及び気流情報を、薬剤情報として取得する。取得部110は、さらに、端末装置などから菌30の種類を示す情報を、菌情報として取得する。また、取得部110は、空間10のジオメトリ情報及び材質情報を取得する。
次に、濃度推定部121は、取得部110が取得した情報に基づいてシミュレーションを行うことで、薬剤濃度を算出する(S20)。具体的には、濃度推定部121は、図18に示す濃度推定処理を行う。
図18に示すように、まず、濃度推定部121は、濃度推定シミュレーションの入力データを取得する(S22)。具体的には、決定部210は、環境情報及び薬剤情報などに基づいて、自己分解係数k、拡散係数D及び吸着放出係数hを決定する。
次に、演算部220は、空間10の対象位置における薬剤20の濃度を算出する(S24)。具体的には、演算部220は、取得された温度情報、湿度情報、紫外線情報、ジオメトリ情報及び材質情報、並びに、決定された自己分解係数k、拡散係数D及び吸着放出係数hを入力データとして取得する。演算部220は、取得した入力データに基づいてCFD解析を行うことで、部分空間毎の薬剤濃度を算出する。
図17に戻り、予測部122は、算出された薬剤濃度と、菌30の種類と、環境情報とに基づいてCT値データベース131を参照することで、菌30の生存状態を予測する(S30)。具体的には、予測部122は、上記式(1)に基づいて、菌30の減少数を算出する。あるいは、予測部122は、上記式(2)に基づいて、菌30の除菌率を算出してもよい。
最後に、出力部140は、算出された菌30の減少数又は除菌率を、予測情報として出力する(S40)。出力部140は、例えば、図19に示す除菌率の三次元分布図を表示してもよい。
図19は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100が出力する除菌率の三次元分布図である。図19では、ドットの密度差によって濃度差を表現している。
三次元分布図は、例えば、色又は輝度の濃淡によって除菌率の高低を表す三次元ヒートマップである。なお、出力部140は、任意の平面で切り出した除菌率の二次元分布図を出力してもよい。あるいは、出力部140は、例えば、任意の位置の除菌率の時間変化を示すグラフを表示してもよい。また、出力部140は、除菌率ではなく、菌30の減少数の三次元分布図を表示してもよい。出力部140は、薬剤濃度の三次元分布図を表示してもよい。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る除菌性能予測システム100は、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積である除菌指標値とを対応付けたCT値データベース131を記憶する記憶部130と、制御部120とを備える。制御部120は、薬剤20が散布される空間10内の所定位置における薬剤濃度を算出する濃度推定部121と、算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌30の種類と、空間10内の環境を示す環境情報とに基づいてCT値データベース131を参照することで、所定位置における菌30の生存状態を予測する予測部122とを備える。
これにより、環境情報に基づいて、薬剤20又は菌30に与える環境の影響を考慮して菌30の生存状態を予測することができる。したがって、除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態を精度良く予測することができる。
また、例えば、CT値データベース131では、薬剤の種類毎に、菌の種類と、除菌指標値とが対応付けられている。予測部122は、空間10に散布する薬剤20の種類を示す薬剤情報にさらに基づいてCT値データベース131を参照することで、菌30の生存状態を予測する。
これにより、例えば空間10に散布する薬剤20の種類を変更することができる場合において、変更後の薬剤20の種類に応じて精度良く菌30の生存状態を予測することができる。
また、例えば、環境情報は、除菌対象である菌30の状態に影響を与える第1環境情報と、空間10に散布する薬剤20に影響を与える第2環境情報とを含む。
これにより、環境が薬剤20に与える影響と、環境が菌30に与える影響との両方を考慮に入れて菌30の生存状態を予測することができる。したがって、除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態を更に精度良く予測することができる。
また、例えば、第1環境情報は、所定位置における気温、湿度及び紫外線量、並びに、所定位置が空間10内に存在する部材の表面40を含む場合の表面温度のうち、少なくとも1つを示す情報である。
これにより、菌30に与える影響が大きい気温、湿度、紫外線量及び表面温度の少なくとも1つを考慮に入れて菌30の生存状態を予測することができる。したがって、除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態を更に精度良く予測することができる。
また、例えば、第2環境情報は、所定位置における気温、湿度及び紫外線量、並びに、所定位置が空間10内に存在する部材の表面40を含む場合の表面温度及び表面40に付着している有機物量のうち、少なくとも1つを示す情報である。
これにより、薬剤20に与える影響が大きい気温、湿度、紫外線量、表面温度及び有機物量の少なくとも1つを考慮に入れて菌30の生存状態を予測することができる。したがって、除菌性能予測システム100によれば、菌30の生存状態を更に精度良く予測することができる。
また、例えば、除菌性能予測システム100は、さらに、環境情報を取得するセンサを備えてもよい。
これにより、センサを用いて精度良く環境情報を取得することができる。環境情報の精度及び信頼性が高いので、環境情報に基づく予測結果の精度も高めることができる。
また、例えば、濃度推定部121は、薬剤20の発生量と、薬剤20を移動させる気流の風向及び風速と、薬剤20の自己分解係数と、薬剤20の拡散係数と、空間10内の所定面に対する薬剤20の吸着放出係数と、空間10内の温度、湿度及び紫外線量の少なくとも1つとを入力データとして取得し、取得した入力データを用いて薬剤濃度を算出する。
これにより、空間10に散布される薬剤20の濃度を精度良く推定することができる。本実施の形態に係る濃度推定方法によれば、薬剤20の濃度の実測値を必要とせずに、空間10内に拡散する薬剤20の濃度を精度良く推定することができる。したがって、高精度な薬剤濃度に基づいて、菌30の生存状態を精度良く予測することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る除菌性能予測方法は、薬剤20が散布される空間10内の所定位置における薬剤濃度を算出するステップと、算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌30の種類と、空間10内の環境を示す環境情報とに基づいて、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積である除菌指標値とを対応付けたCT値データベース131を参照することで、所定位置における菌30の生存状態を予測する予測ステップとを含む。
これにより、除菌性能予測システム100と同様に、菌30の生存状態を精度良く予測することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
実施の形態1に係る除菌性能予測システム100では、センサなどから取得した温度情報などを環境情報として取得した。これに対して、本実施の形態に係る除菌性能予測システムでは、薬剤20を散布する空間10の種類を示す空間情報を環境情報として取得する。これにより、本実施の形態に係る除菌性能予測システムは、少ない情報量で処理量を削減することができ、かつ、菌30の生存状態を精度良く予測することができる。
図20は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム300の機能構成を示すブロック図である。図20に示すように、除菌性能予測システム300は、取得部310と、制御部320と、記憶部330と、出力部140とを備える。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
取得部310は、環境情報、薬剤情報及び菌情報を取得する。薬剤情報及び菌情報の取得は、実施の形態1の取得部110と同様である。本実施の形態では、取得部310は、空間情報を環境情報として取得する。空間情報は、環境情報の一例であり、薬剤20を散布する空間10の種類を示す情報である。
取得部310は、例えば、ユーザが操作するスマートフォンなどの端末装置と通信する通信インタフェース、又は、タッチパネル若しくは物理的な操作ボタンなどのユーザインタフェースで実現される。例えば、取得部310は、端末装置などを介してユーザに、空間10の名称などの空間10を特定するための情報を入力させ、入力された情報を空間情報として取得する。あるいは、取得部310は、予め用意された複数のシーンを含む選択画面をディスプレイなどに表示させ、薬剤20を散布する空間として適したシーンをユーザに選択させてもよい。取得部310は、予め用意された複数のシーンから1つのシーンを選択する指示を空間情報として選択してもよい。
制御部320は、実施の形態1に係る制御部120と比較して、予測部122の代わりに予測部322を備える点が相違する。予測部322は、取得部310が環境情報として取得した空間情報に基づいて、記憶部330に記憶されたシーンデータベース331を参照することで、菌30の生存状態を予測する。具体的には、予測部322は、空間情報に基づいてシーンデータベース331を参照することで、実施の形態1で示した式(1)における環境因数fを決定する。予測部322は、決定した環境因数fに基づいて式(1)を用いることにより、菌30の生存状態を予測する。
記憶部330は、さらに、シーンデータベース331を記憶している。記憶部330は、HDD及び半導体メモリなどの不揮発性メモリで実現される。
シーンデータベース331は、空間10の種類毎、すなわち、シーン毎に、予め定められた気温、湿度及び紫外線量、並びに、空間内に存在する部材の表面温度及び当該部材の表面に付着している有機物量の少なくとも1つが対応付けられたシーン情報の一例である。図21は、本実施の形態に係る除菌性能予測システム300が記憶するシーンデータベース331を示す図である。
図21に示すシーンデータベース331では、キッチン、リビングルーム、トイレの3つのシーンが予め用意されている。3つのシーンの各々には、温度、湿度、紫外線量及び有機物量、並びに、重み付け係数が対応付けて記憶されている。重み付け係数は、環境因数fである。
シーンデータベース331に記憶されている重み付け係数は、対応する温度、湿度、紫外線量及び有機物量に基づいて、予め決定された値である。具体的な決定方法は、実施の形態1で説明した環境因数fの決定方法と同じである。
シーンデータベース331に記憶されている温度、湿度、紫外線量及び有機物量はそれぞれ、対応するシーンにおける代表値である。代表値は、例えば、対応するシーンを模した空間で温度、湿度、紫外線量及び有機物量の各々を実測することで得られる。例えば、キッチンに対応する代表値は、複数の種類のキッチンで実測した値を平均した値であってもよい。
シーンデータベース331に記憶される温度、湿度、紫外線量及び有機物量の代表値は、空間10に合わせて更新されてもよい。環境因数fは、代表値が更新された場合に再決定されて更新される。
以上のように、本実施の形態に係る除菌性能予測システム300は、例えば、記憶部330は、さらに、空間10の種類毎に、予め定められた気温、湿度及び紫外線量、並びに、空間10内に存在する部材の表面温度及び部材の表面40に付着している有機物量の少なくとも1つが対応付けられたシーンデータベース331を記憶している。環境情報は、薬剤20を散布する空間10の種類を示す情報である。予測部122は、環境情報に基づいてシーンデータベース331をさらに参照することで、菌30の生存状態を予測する。
これにより、シーン毎に予め環境因数fが決定されているので、例えば、ユーザがシーンを選択するだけで、温度などの実測値を必要とせず、環境因数fが決定される。このため、演算量を低減することができ、かつ、菌30の生存状態を精度良く算出することができる。
(その他)
以上、本発明に係る除菌性能予測システム及び除菌性能予測方法などについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、記憶部130には、菌の種類と薬剤の種類とに対応するCT値を示すCT値データベース131が記憶されている例について示したが、これに限らない。例えば、使用する薬剤20が特定の種類で固定されている場合、記憶部130には、菌の種類とCT値とが対応付けられた対応情報が記憶されていてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、薬剤20及び菌30の両方に影響を与える環境情報を取得したが、薬剤20に影響を与える環境情報のみ、又は、菌30に影響を与える環境情報のみを取得してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、薬剤濃度の推定をCFD解析で行う例について示したが、これに限らない。例えば、薬剤20の発生量に基づいて、空間10内に均等に薬剤が拡散されたと推定してもよい。
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、除菌性能予測システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、除菌性能予測システムは、単一の装置として実現されてもよい。
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10 空間
20、20a、20b、20c、20d、20x、20y 薬剤
30 菌
40 表面
100、300 除菌性能予測システム
120、320 制御部
121 濃度推定部
122、322 予測部
130、330 記憶部
131 CT値データベース(対応情報)
331 シーンデータベース(シーン情報)

Claims (9)

  1. 菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積であるCT値であって、除菌桁数がXであるX桁除菌を行う場合に必要なCT値である参照CT値とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    薬剤が散布される空間内の部分空間における薬剤濃度を算出する濃度推定部と、
    算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌の種類と、前記空間内の環境を示す環境情報とに基づいて前記対応情報を参照することで、前記薬剤を散布してから所定時間経過後の前記部分空間における菌の減少数で表され、桁数で表される生存状態を予測する予測部とを備え、
    前記環境情報は、
    前記除菌対象である菌の状態に影響を与える第1環境情報と、
    前記空間に散布する薬剤に影響を与える第2環境情報とを含み、
    前記第2環境情報は、前記部分空間における気温、湿度及び紫外線量、並びに、前記部分空間が前記空間内に存在する部材の表面を含む場合の表面温度及び当該表面に付着している有機物量のうち、少なくとも1つを示す情報であり、
    前記予測部は、
    前記除菌対象である菌の種類に基づいて前記対応情報を参照することで、前記除菌対象である菌に対応する前記参照CT値を得て
    前記濃度推定部によって算出された薬剤濃度に基づいて前記部分空間における推定CT値を算出し
    前記第1環境情報及び前記第2環境情報に基づいて、前記参照CT値に乗じる環境因数を算出し
    前記参照CT値、前記推定CT値及び前記環境因数を用いて、前記桁数を算出
    除菌性能予測システム。
  2. 前記予測部は、前記桁数を用いて除菌率をさらに算出する、
    請求項1に記載の除菌性能予測システム。
  3. 前記対応情報では、薬剤の種類毎に、菌の種類と、前記参照CT値とが対応付けられており、
    前記予測部は、前記空間に散布する薬剤の種類を示す薬剤情報にさらに基づいて前記対応情報を参照することで、前記菌の生存状態を予測する
    請求項1又は2に記載の除菌性能予測システム。
  4. 前記第1環境情報は、前記部分空間における気温、湿度及び紫外線量、並びに、前記部分空間が前記空間内に存在する部材の表面を含む場合の表面温度のうち、少なくとも1つを示す情報である
    請求項に記載の除菌性能予測システム。
  5. 前記記憶部は、さらに、空間の種類毎に、予め定められた気温、湿度及び紫外線量、並びに、空間内に存在する部材の表面温度及び当該部材の表面に付着している有機物量の少なくとも1つが対応付けられたシーン情報を記憶しており、
    前記環境情報は、前記薬剤を散布する空間の種類を示す情報を含み
    前記予測部は、前記環境情報に基づいて前記シーン情報をさらに参照することで、前記菌の生存状態を予測する
    請求項1~のいずれか1項に記載の除菌性能予測システム。
  6. さらに、前記環境情報を取得するセンサを備える
    請求項1~のいずれか1項に記載の除菌性能予測システム。
  7. 前記濃度推定部は、前記薬剤の発生量と、前記薬剤を移動させる気流の風向及び風速と、前記薬剤の自己分解係数と、前記薬剤の拡散係数と、前記空間内の所定面に対する前記薬剤の吸着放出係数と、前記空間内の温度、湿度及び紫外線量の少なくとも1つとを入力データとして取得し、取得した入力データを用いて前記薬剤濃度を算出する
    請求項1~のいずれか1項に記載の除菌性能予測システム。
  8. 薬剤が散布される空間内の部分空間における薬剤濃度を算出するステップと、
    算出された薬剤濃度と、除菌対象である菌の種類と、前記空間内の環境を示す環境情報とに基づいて、対応情報を参照することで、前記薬剤を散布してから所定時間経過後の前記部分空間における菌の減少数で表され、桁数で表される生存状態を予測する予測ステップとを含み、
    前記対応情報は、菌の種類と、除菌に要する薬剤濃度と時間との積であるCT値であって、除菌桁数がXであるX桁除菌を行う場合に必要なCT値である参照CT値とを対応付けた情報であり、
    前記環境情報は、
    前記除菌対象である菌の状態に影響を与える第1環境情報と、
    前記空間に散布する薬剤に影響を与える第2環境情報とを含み、
    前記第2環境情報は、前記部分空間における気温、湿度及び紫外線量、並びに、前記部分空間が前記空間内に存在する部材の表面を含む場合の表面温度及び当該表面に付着している有機物量のうち、少なくとも1つを示す情報であり、
    前記予測ステップでは、
    前記除菌対象である菌の種類に基づいて前記対応情報を参照することで、前記除菌対象である菌に対応する前記参照CT値を得て
    算出された薬剤濃度に基づいて前記部分空間における推定CT値を算出し
    前記第1環境情報及び前記第2環境情報に基づいて、前記参照CT値に乗じる環境因数を算出し
    前記参照CT値、前記推定CT値及び前記環境因数を用いて、前記桁数を算出
    除菌性能予測方法。
  9. 請求項に記載の除菌性能予測方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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