JP7112975B2 - Pcsk9のインヒビターの投与によりアテローム性動脈硬化を阻害する方法 - Google Patents
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Description
本出願は、2013年6月7日に出願された米国仮出願第61/832,459号;2013年6月7日に出願された欧州特許出願第13305762.0号;2013年10月17日に出願された米国仮出願第61/892,215号;2013年10月18日に出願された欧州特許出願第13306436.0号;2014年2月26日に出願された米国仮出願第61/944,855号;および2014年5月23日に出願された米国仮出願第62/002,508号の利益を主張する。上記の出願のそれぞれの内容は、参照によって本明細書にそれらの全体が組み入れられる。
サブチリシン/ケキシンタイプ9(PCSK9)インヒビター(例えば、抗PCSK9抗体または抗原結合タンパク質)を含む医薬組成物を投与することを一般的に含む。他の態様において、本発明は、対象におけるアテローム硬化型プラーク形成の阻害における使用のための、PCSK9インヒビターを含む医薬組成物を提供する。さらに他の態様において、本発明は、対象にPCSK9インヒビターを含む医薬組成物を投与することにより、対象におけるアテローム硬化型プラーク形成を阻害する方法を提供する。
ミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。ある実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、配列番号2、3、4、7、8、および10を有する、重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。一実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、それぞれ、配列番号1および6;または11および15に記載の重鎖および軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗体と同じPCSK9上のエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、それぞれ、配列番号1および6;または11および15に記載の重鎖および軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
本発明の方法は、アテローム性動脈硬化症を有するまたは発症するリスクのある対象を選択すること、およびこれらの対象にPCSK9インヒビターを含む医薬組成物を投与することを含む。
高インスリン血症、腹部肥満、高いリポタンパク質(a)、および脳血管障害または閉塞性末梢血管疾患の個人歴からなる群から選択される少なくとも2つのリスク因子を有する。高トリグリセリド血症対象は、>250mg/dLのトリグリセリド(TG)レベルを有する。したがって、非高脂血症性の対象は、コレステロールおよびトリグリセリドレベルが、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症対象の双方に関して上記のように設定された限度未満であるものと規定される。ある実施形態において、選択される対象は、非高脂血症性でも高脂血症の処置を受けてもいない。
ある態様において、本発明の方法は、対象にPCSK9インヒビターを含む治療的組成物を投与することを含む。
により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現にかかわる組換遺伝子操作技術を用いて、例えば、完全抗体分子から導き得る。そのようなDNAは、公知であり、および/または例えば、商業ソース、DNAライブラリー(例えば、ファージ抗体ライブラリーを含む)から利用可能であり、もしくは合成することができる。DNAは、例えば、1つまたはそれ以上の可変および/または定常ドメインを好適な立体配置に配置するために、またはコドンを導入し、システイン残基を作出し、アミノ酸を修飾し、付加しまたは欠失させる等のために、化学的にまたは分子生物学的技術を用いることによって配列決定され、操作される。
ば、二重特異性)であってよい。抗体の多重特異性抗原結合フラグメントは、典型的には、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含み、ここで各可変ドメインは別々の抗原または同じ抗原の異なるエピトープに特異的に結合する能力がある。本明細書に開示の例示的二重特異性抗体フォーマットを含む、任意の多重特異性抗体フォーマットは、当技術分野で利用可能なルーチン技術を用いて本発明の抗体の抗原結合フラグメントとの関連で使用するのに適合される。
るため望ましい。
およびその抗原結合フラグメントの使用にかかわる方法を含み、ここで1つまたはそれ以上のフレームワークおよび/またはCDR領域内の1つまたはそれ以上のアミノ酸は、抗体が由来する生殖細胞系配列の対応する残基に、または別のヒト生殖細胞系配列の対応する残基に、または対応する生殖細胞系列残基の保存的アミノ酸置換に突然変異される(そのような配列変化は本明細書において総称して「生殖細胞系突然変異」といわれる)。本明細書に開示の重鎖および軽鎖可変領域配列を始めとして、当業者は、1つまたはそれ以上の個々の生殖細胞系突然変異またはその組合せを含む、多数の抗体および抗原結合フラグメントを容易に産生することができる。ある実施形態において、VHおよび/またはVLドメイン内のフレームワークおよび/またはCDR残基の全ては、抗体が由来する元の生殖細胞系配列に見出される残基に復帰突然変異される。他の実施形態において、ある残基だけ、例えば、FR1の最初の8アミノ酸内またはFR4の最後の8アミノ酸内に見出される変異残基だけ、またはCDR1、CDR2またはCDR3内に見出される変異残基だけが元の生殖細胞系配列に復帰突然変異される。他の実施形態において、1つまたはそれ以上のフレームワークおよび/または1つまたは複数のCDR残基は、異なる生殖細胞系配列(すなわち、抗体が元々由来する生殖細胞系配列と異なる生殖細胞系配列)の対応する残基に突然変異される。さらに、本発明の抗体は、フレームワークおよび/またはCDR領域内の2つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異の任意の組合せを含んでもよく、例えば、ここである個々の残基は、特定の生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異され、一方で元の生殖細胞系配列と異なるある他の残基は維持され、または異なる生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異される。一度得られると、1つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異を含有する抗体およびその抗原結合フラグメントは、結合特異性改善、結合親和性増加、アンタゴニストまたはアゴニスト生物学的特性の改善または強化(場合に応じて)、免疫原性低減等のような1つまたはそれ以上の望まれる性質を容易に検査されることができる。この一般的な様式で得られる抗体および抗原結合フラグメントの使用は、本発明内に包含される。
的エピトープは、直鎖状ポリペプチド鎖の異なるセグメントから空間的に並んだアミノ酸によって産生される。直鎖状エピトープは、ポリペプチド鎖中の隣接するアミノ酸残基によって産生されるものである。ある環境において、エピトープは、抗原において糖、ホスホリル基、またはスルホニル基の部分を含み得る。
トランスジェニックマウスにおいてヒト抗体を生成する方法は当技術分野で公知である。いずれかのそのような公知方法は、ヒトPCSK9に特異的に結合するヒト抗体を作るために本発明の関連で使用されることができる。
マウスが、抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を産生するように、内因性マウス定常領域座に作動可能に連結されたヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスの生成が関与する。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAは、単離され、ヒト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に連結される。DNAは、次いで完全ヒト抗体を発現する能力がある細胞において発現される。
29、137、145、153、161、169、177、185、および193または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%配列同一性を有する実質的なその類似配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)内に含有される3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含んでよい。
a.3mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約37%総コレステロールレベルを減少させる;
b.10mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約46%総コレステロールレベルを減少させる;
c.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、未処理対照群に対して約48%総コレステロールレベルを減少させる;
d.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、未処理対照群に対して約58%総コレステロールレベルを減少させる;
e.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約36%総コレステロールレベルを減少させる;
f.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約48%総コレステロールレベルを減少させる;
g.3mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約33%トリグリセリドレベルを減少させる;
h.10mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約36%トリグリセリドレベルを減少させる;
i.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチンでの処置に対して、約40%トリグリセリドレベルを減少させる;
j.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独と組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチンでの処置に対して、約51%トリグリセリドレベルを減少させる;
k.3mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して肝臓LDLR発現を増加させる;
l.10mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約178%肝臓LDLR発現を増加させる;
m.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約71%肝臓LDLR発現を増加させる;
n.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約140%肝臓LDLR発現を増加させる;
o.3mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約70%アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
p.10mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約87%アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
q.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、未処理対照群に対して約88%アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
r.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、未処理対照群に対して約98%アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
s.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約82%相対アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
t.10mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約97%相対アテローム硬化型病変サイズを減少させる;
u.3mg/kgで投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約72%トリグリセリドレベルを減少させる;
v.10mg/kgで投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約79%トリグリセリドレベルを減少させる;
w.3mg/kgで投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約22%総コレステロールレベルを減少させる;
x.10mg/kgで投与する場合に、3.6mg/kg/日アトルバスタチン単独での処置に対して、約34%総コレステロールレベルを減少させる;
y.3mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約236%未病大動脈セグメントのパーセンテージを増加させる;
z.10mg/kgで投与する場合に、未処理対照群に対して約549%未病大動脈セグメントのパーセンテージを増加させる;
aa.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、対照に対して約607%未病大動脈セグメントのパーセンテージを増加させる;および
bb.3mg/kgを3.6mg/kg/日アトルバスタチンと組み合わせて投与する場合に、対照に対して約1118%未病大動脈セグメントのパーセンテージを増加させる。
本発明は、対象にPCSK9インヒビターを投与することを含む方法であって、PCSK9インヒビターが医薬組成物内に含有される方法を含む。本発明の医薬組成物は、好適な担体、賦形剤、および適切な移動、送達、耐容性などをもたらす他の剤で製剤化される。多数の適切な製剤は、全ての薬化学者に公知の処方集に見出されることができる(Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PA)。これらの製剤は、例えば、散剤、ペースト剤、軟膏剤、ジェリー剤、ワックス、オイル、脂質類、ベシクル(LIPOFECTIN(商標)など)を含有する脂質(陽イオン性または陰イオン性)、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト剤、水中油および油中水乳剤、乳剤カルボワックス(種々の分子量のポリエチレングリコール)、半固形ゲル、およびカルボワックスを含有する半固形混合物を含む。Powell et al. 「Compendium of
excipients for parenteral formulations」
PDA (1998) J Pharm Sci Technol 52:238-311も参照されたい。
、範囲をカートリッジに含有される総容積未満の値に制限し得る)。固定性の投薬に適合される送達デバイスは、送達デバイスが作動する場合に、カートリッジの総容積を送達する機構を含んでもよい。そのようなケースでは、カートリッジは、プレフィルドシリンジであってよい。
MIX 75/251mペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、Indianapolis、IN)、NOVOPEN(商標)I、IIおよびIII(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、ならびにOPTICLIK(商標)(sanofi-aventis、Frankfurt、Germany)が含まれるが、限定されない。ほんのわずかの、本発明の医薬組成物の皮下送達に適用を有する使い捨てペン送達デバイスの例には、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi-aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)、およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)自動注射器(Amgen、Thousand Oaks、CA)、PENLET(商標)(Haselmeier、Stuttgart、Germany)、EPIPEN(Dey、L.P.)、ならびにHUMIRA(商標)ペン(Abbott Labs、Abbott Park IL)が含まれるが、限定されない。いくつかの実施形態において、再使用可能ペンまたは自動注射器は、一定用量を送達する。他の実施形態において、再使用可能ペンまたは自動注射器は、可変用量を送達することができる。異なる実施形態において、再使用可能ペンまたは自動注射器は、単回用量または複数回用量を送達することができる。
Sefton、1987、CRC Crit. Ref. Biomed. Eng.
14:201を参照されたい)。別の実施形態において、高分子材料を使用することができる;Medical Applications of Controlled Release、Langer and Wise (eds.)、1974、CRC Pres.、Boca Raton、Floridaを参照されたい。なお別の実施形態において、制御放出システムは、組成物の標的の近傍に入れられることができるため、全身用量のわずかだけを必要とする(例えば、Goodson、1984、in Medical Applications of Controlled Release、supra、vol. 2、pp. 115-138を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer、1990、Science 249:1527-1533による総説において論じられている。
ル)、非イオン界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO-50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50mol)付加物)]等の適切な可溶化剤と組み合わせて使用し得る他の補助剤等がある。油性媒体としては、例えば、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等の可溶化剤と組み合わせて使用し得るゴマ油、ダイズ油等が用いられる。そのように調製される注射は、適切なアンプルに充填される。
本発明の方法および組成物に従って対象に投与されるPCSK9インヒビター(例えば、抗PCSK9抗体)の量は、一般に、治療的有効量である。本明細書に使用される語句「治療的有効量」は、アテローム硬化型病変において検出可能な減少をもたらすPCSK9インヒビターの用量を意味する。例えば、PCSK9インヒビターの「治療的有効量」は、例えば、本明細書の例で示されているように、ヒト患者に投与される場合に、例えば、硬化性病変領域または病変重症度において少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の減少を引き起こすPCSK9インヒビターの量を含む。あるいは、動物モデルを使用して、候補PCSK9インヒビターの特定量が治療的有効量かどうかを確立することができる。
0mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、または約600mgであってよい。
れぞれの三次用量は、他の三次用量と同じ頻度で投与してもよい。例えば、それぞれの三次用量は、直前の用量の1~60日後に患者に投与してもよい。あるいは、二次および/または三次用量が患者に投与される頻度は、処置レジメンの過程にわたって変化することができる。投与の頻度も、診察後に個々の患者の要求に応じて、医師による処置の過程の間に調節し得る。
ある実施形態によると、本発明の方法は、本発明の医薬組成物の投与の時間または直前に、高コレステロール血症および/またはアテローム性動脈硬化症の処置のための治療レジメン中の対象に、抗PCSK9抗体を含む医薬組成物を投与することを含む。例えば、以前に高コレステロール血症および/またはアテローム性動脈硬化症と診断された患者は、抗PCSK9抗体を含む医薬組成物の投与の前および/または同時に別の脂質修飾療法の安定的な治療レジメンを処方され、摂取してきたものであってもよい。他の実施形態において、対象は、脂質修飾療法で以前に処置されていない。
はまた、エゼチミブ+シンバスタチン;スタチンと胆汁樹脂(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム);ナイアシン+スタチン(例えば、ナイアシンとロバスタチン)などの治療剤の固定組合せ;またはオメガ-3-脂肪酸エチルエステル(例えば、オマコル(Omacor))などの他の脂質低下剤との固定組合せを含む。
ヒト抗PCSK9抗体を、米国特許第8,062,640号に記載のように生成した。下記の実施例で使用される例示的なPCSK9インヒビターは、「mAb316P」として指定され、ここで「アリロクマブ」としても知られているヒト抗PCSK9抗体である。mAb316Pは、下記のアミノ酸配列特性を有する:配列番号1を含む重鎖可変領域(HCVR);配列番号6を含む軽鎖可変ドメイン(LCVR);配列番号2を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1);配列番号3を含むHCDR2;配列番号4を含むHCDR3;配列番号7を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1);配列番号8を含むLCDR2;および配列番号10を含むLCDR3。
背景:USガイドラインは患者の心血管(CV)リスクプロファイルに基づくLDL-C目標を支持している、しかしながら、特異的な高CVリスク状態でのLDL-C目標達成の現実社会でのパターンについて知られていることはわずかである。
方法:OptumInsight IMPACTデータベース(大きいUSマルチペイヤークレームデータベース)から、2011年7月~2012年6月の間のLDL-C測定および高いCVリスク状態で患者を識別した。最新のLDL-C測定を指標日と規定し、高CVリスク状態を以下の通りプレ指標期間(pre-index period)の間の階層構造に識別した:最近の急性冠動脈症候群(ACS、6月プレ指標日以内)、冠血管事象(心筋梗塞、不安定狭心症についての入院、冠動脈血管再生)、卒中、および末梢血管疾患(PVD)。
結果:トータルで、110,739患者が、算入判定基準を満たしていた。中央値(IQR)年齢は59(53~65)年であり、53.7%が男性であり、中央値(IQR)のLDL-Cは116(92~143)mg/dLであった。指標日時点で、2.7%が最近ACSを有していたが、42.1%、9.2%、および46.0%は、それぞれ冠血管事象、卒中、およびPVDの証拠を有していた。下記の表(表1)は、異なる高CVリスク状態についての、指標日時点でのLDL-Cレベルによる患者の概要分布を表している。
背景:USガイドラインはLDL-Cを減少させる第一選択療法としてスタチンを支持しているが、スタチンおよび他の脂質低減療法(LLT)でのLDL-C目標達成の現実社会でのパターンについて知られていることはわずかである。
方法:OptumInsight IMPACTデータベース(大きいUSマルチペイヤークレームデータベース)から、2011年7月~2012年6月の間のLDL-C測定および高いCVリスク状態(冠血管事象(心筋梗塞、不安定狭心症についての入院、冠動脈血管再生)、卒中、および末梢血管疾患)で患者を識別した。LLT処方を、最新のLDL-C測定(指標日)の時点で評価し、高作用強度スタチン(アトルバスタチン40/80mg、ロスバスタチン20/40mg、シンバスタチン80mg)、標準作用強度スタチン(他のスタチン)、非スタチンLLT(エゼチミブ、ナイアシン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)、およびLLTなしとして分類した。
結果:トータルで、110,739患者が、算入判定基準を満たしていた。中央値(IQR)年齢は59(53~65)年であり、53.7%が男性であり、中央値(IQR)のLDL-Cは116(92~143)mg/dLであった。指標日時点で、10.8%が高作用強度スタチンであり、26.9%が標準作用強度スタチンであり、5.3%が非スタチンLLTであり、57.0%がLLTなしであった。下記の表(表2)は、異なるLLTタイプについての、指標日時点でのLDL-Cレベルによる患者の概要分布を表している。
背景
この試験のねらいは、APOE*3Leiden.CETPマウスの血漿脂質、アテローム性動脈硬化症発生、ならびに病変組成における、mAb316Pの二剤形、単独およびアトルバスタチンとの組合せの効果を調査することであった。これは、残遺リポタンパク質(remnant lipoproteins)の蓄積および増加した超LDL(VLDL)コレステロールとLDL-C比によって特徴付けられる、ヒトにおける家族性異βリポ蛋白血症(FD)の全ての特性を伴う高脂血症およびアテローム性動脈硬化症についての確立されたモデルである。APOE*3Leidenマウスは、apoB-含有リポタンパク質のクリアランスが非常に迅速である正常な野生型マウスと対照的に、(V)LDLのクリアランスが障害されTGレベルが増加し、それにより、ヒトにおいて認められた緩徐なクリアランスを模倣する。APOE*3Leiden.CETPマウスにおけるリポタンパク質プロファイルは、FD患者のプロファイルが反映されており、スタチン、フィブラート、ナイアシン、およびコレステリルエステル転移タンパク質(CETP)インヒビターを含む、脂質修飾療法への類似した応答を伴っている。このことは、スタチン処置での全てのapoB-含有リポタンパク質サブフラクションにおけるコレステロールの匹敵する減少によって示されている。mAb316Pが単独で、アテローム性動脈硬化症の進行を減少し、アトルバスタチンのアテロプロテクティブ効果に付加することができるとの仮説が立てられた。APOE*3Leiden.CETPマウスにおいてアトルバスタチンによるアテローム性動脈硬化症の阻害は、以前観測されていた。
i)動物
その天然フランキング領域の制御下でヒトCETPを発現する、90匹の雌性APOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウス(9~13週齢)を、使用した。
試験の間、マウスを、12時間の明暗サイクルでの標準条件下に収容し、食物および水を自由に摂取させた。動物実験は、The Netherlands Organization for Applied Researchの施設内の動物管理および利用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認された。
マウスは、15%(w/w)カカオバターおよび0.15%コレステロール(Western-type diet[WTD]; Hope Farms、Woerden、The Netherlands)を含有する、半合成コレステロール豊富化食餌を、3週の導入期間に与えられて、血漿総コレステロール(TC)レベルを~15mmol/Lまで増加させた。体重(BW)および食物摂取を、試験の間に定期的にモニターした。BW、TC、血漿 TG、および齢に基づいてマッチングさせた後、マウス(n=15/群)は、WTD単独を与えられるあるいはmAb316P(3もしくは10mg/kg)単独またはアトルバスタチン(3.6mg/kg/d)との組合せの二剤形での処置を、18週与えられた、またアトルバスタチン単独群を付加した。MAb316Pを毎週皮下注射を介して投与し、アトルバスタチンを食餌に付加した。アトルバスタチンの用量を、約20%~30%のTC減少を試みるために計算した。処置期間の終了時に、全ての動物を、CO2吸入によって屠殺した。肝臓および心臓を単離して、肝臓のLDLRタンパク質レベル、脂質量、アテローム性動脈硬化症発生、およびプラーク組成を評価した。
血漿を、2~4週ごとに、4時間の絶食後に尾静脈出血を介して、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)コーティングカップに採取した血液から単離した。血漿TCおよびTGを、製造業者のプロトコル(カタログ番号1458216およびカタログ番号1488872、それぞれ;Roche/Hitachi)に従って酵素性キットを用いて決定し、平均血漿TCおよびTGレベルを計算した。TCに関するリポタンパク質プロファイルを、処置の4、12、および18週後の高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)によるリポタンパク質分離後に測定した。MAb316Pレベルを、ヒトFc酵素結合免疫吸着検査法によって測定した。
肝臓組織を、溶解緩衝液(50mM Tris-HCL[pH=7.4]、150mM
NaCl、0.25%デオキシコール酸、1% NP-40[Igepal]、1mM
EDTA、プロテアーゼインヒビターカクテル[complete、Roche]、1mM PMSF、1mM Na3VO4)中でホモジナイズし、次に6500rpm、4℃で30分間遠心分離した。細胞ライセート中のタンパク質濃度を、製造業者の指示書に従ってビシンコニン酸タンパク質アッセイ(Thermo Scientific)によって決定した。50μgのタンパク質ライセートを、SDS-PAGEによって分離し、次にポリフッ化ビニリデン膜(Millipore)に転写した。ブロットをR&D Systemsからのヤギ抗マウスLDLR、AbD Serotecからのウサギ抗ヤギ西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)またはSigmaからのマウス抗α-チューブリンおよびCell Signaling Technologiesからのウマ抗マウスHRP(製造業者の指示書に従う)で処理し;ブロットをWest Femto Super Signal ECL(Thermo Scientific)で発色し、Chemi-Doc-itイメージングシステムで処理した。タンパク質バンドの強度を、イメージJソフトウェアを使用して定量化した。
心臓を、単離し、ホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋した。全大動脈起始部領
域のクロスセクション(各々5μm)を、ヘマトキシリン-フロキシン-サフランで染色した。各マウスについて、50μmのインターバルで4つのセクションを、アテローム硬化型病変の定量的および定性的な評価のために使用した。アテローム硬化型病変サイズおよび重症度を決定するため、病変を、American Heart Association分類に従った5つのカテゴリーI)早期の脂肪線条、II)規則的な脂肪線条、III)軽度プラーク、IV)中等度プラーク、およびV)重篤プラークに分類した。クロスセクションあたりの総病変領域および病変の数ならびに未病セグメントパーセンテージを計算した。病変重症度を全ての病変のパーセンテージとして評価するため、タイプI-III病変を軽度な病変として分類し、タイプIV-V病変を重篤な病変として分類した。胸大動脈における総プラーク量を決定するために、灌流-固定された大動脈(大動脈起源から横隔膜)は、血管外の脂肪が洗浄され、長軸方向に開かれ、正面を留められ、脂質についてオイルレッドOで以前にVerschuren et al.(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2005;25:161-167)によって記載されたように染色された。データを、分析した表面について標準化し、染色された領域のパーセンテージとして表した。写真/イメージをOlympus BX51顕微鏡で撮り、病変領域をCell Dイメージングソフトウェア(Olympus Soft Imaging Solutions)を用いて測定した。
肝臓組織サンプルをリン酸緩衝生理食塩水中でホモジナイズし、タンパク質含有量を測定した。脂質を、以前にPost et al.(Hepatology. 1999;30:491-500)によって記載されたように、抽出し、シリカゲルプレート上で高速薄層クロマトグラフィーによって分離し、TINA2.09ソフトウェア(Raytest Isotopen Messgerate Straubenhardt、Germany)で分析した。
処置の8週後、末梢血単核細胞(PBMC)を、新鮮な血液サンプルから単離し、フローサイトメトリー(FACS)分析を用いて、GR-1+(好中球/顆粒球)、GR-1-(リンパ球/単球)、CD3+(T-細胞)、CD19+(B-細胞)およびCD11b+/Ly6ClowおよびCD11b+/Ly6Chi(単球)細胞に選別した。下記のコンジュゲートしたモノクローナル抗体は、Becton Dickinsonからのものを使用した:GR-1 FITC、CD3 PerCpCy5-5、CD19 V450、CD11b APCおよびLy6C PE-Cy7。
群間の差の有意性を、独立サンプルに関するKruskal-Wallis検定、続いて独立サンプルに関するMann-Whitney U-検定を用いて、ノンパラメトリックに計算した。直線回帰を使用して、変量間の相関関係を評価した。アテローム硬化型病変領域は血漿コレステロール曝露に二次的な依存関係を示したので、それを平方根変換を用いて変換した。IBM SPSS Statistics 20 for Windows(登録商標)(SPSS、Chicago、USA)を、統計学的分析のため使用した。全群を対照群およびアトルバスタチン群と比較し、3mg/kg mAb316Pをアトルバスタチンの有り無しのいずれかで10mg/kg mAb316Pと比較した。値を平均±SDとして表した。P-値<0.05は、単一比較に関して統計的に有意と考えられた。Bonferroni法を使用して、多重比較のケースにおける有意水準を決定した。図において、多重比較について補正後の有意な効果は、対照群と比較して***で示され、アトルバスタチン群と比較して†††で示され、3mg/kg mAb316Pと10mg/kg mAb316Pと比較して‡‡‡で示される。
i)MAb316Pおよびアトルバスタチン単独処置ならびにそれらの組合せはAPOE*3Leiden.CETPマウスにおける血漿総コレステロールおよびトリグリセリドを低下させる
循環mAb316Pレベルが、mAb316Pを投与した全群において検出され、18週の試験の間、5~12μg/mL(3mg/kg用量)および12~30μg/mL(10mg/kg用量)の間で変動した。コレステロール含有WTD(対照群)におけるAPOE*3Leiden.CETPマウスは、それぞれ平均血漿TCならびに16.2±1.8mmol/Lおよび2.9±0.6mmol/Lに到達した(図1Aおよび1B)。対照と比較して、mAb316Pは、平均血漿TC(-37%、P<0.001;-46%、P<0.001)およびTG(-33%、P<0.001;-39%、P<0.001)を低下させ、さらにアトルバスタチンとの組合せでTC(-48%、P<0.001;-58%、P<0.001)を低下させた。アトルバスタチンと比較して、両方の組合せ処置は、アトルバスタチン単独よりも大きな程度まで、TC(-36%、P<0.001;-48%、P<0.001)およびTG(-40%、P<0.001;-51%、P<0.001)を低下させた。mAb316P単独(-14%、P<0.01;3mg
mAb316P対10mg mAb316P)およびアトルバスタチンとの組合せ(-19%、P<0.001;3mg mAb316P+アトルバスタチン対10mg mAb316P+アトルバスタチン)後のTCにおける減少は、用量依存的であり、試験の間で持続性であった。mAb316P(図1C)、アトルバスタチン、およびそれらの組合せ(図1D)後のTC減少は、apoB含有リポタンパク質に限られている。BW(ゲイン)および食物摂取において効果がないことが、対照と比較した、任意の処置群において注目された。
肝臓LDLRタンパク質レベルを測定して、mAb316PによるPCSK9阻害が、LDLR分解をレスキューすることにより血漿脂質を低下させるかどうかを検証した(図2A)。肝臓LDLRタンパク質レベルは、mAb316P処置単独(+80%、P<0.01;+133%、P<0.01)およびアトルバスタチンと併せた(+98%、P<0.001;+178%、P<0.05)後に増加した。アトルバスタチン単独と比較して、両方の組合せ処置は、より大きな程度までLDLRタンパク質レベルを増加させた(+71%、P<0.0045;+140%、P<0.01)。LDLRタンパク質レベルと血漿TCとの間の逆相関により、mAb316PによるTCの低下におけるLDLRの関与が確認された(R2=0.50、P<0.001)。
肝臓脂質代謝および糞便への排泄におけるリポタンパク質代謝におけるmAb316P誘導性の変更の帰結を評価するため、便中の肝臓脂質および胆汁酸および中性ステロールの排泄を決定した。MAb316Pは、肝臓重量にもコレステロールおよびTGの肝臓内容量にも影響しなく、一方でアトルバスタチンおよび組合せ処置は、対照群と比較して、肝臓重量(それぞれ、-15%、P=0.067;-17%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後;-20%、P<0.0045)および肝臓コレステリルエステル(それぞれ、-48%、P<0.0045;-41%、P<0.0045および-44%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後)の有意な低下をもたらしたが、肝臓トリグリセリドにおける変化はなかった(表3)。胆汁酸および中性ステロールの糞便アウトプットは処置により変化しなかった(表4)。これらのデータは、血漿コンパートメントからコレステロールがより大規模に流入するにもかかわらず、肝臓のコレステロールホメオスタシスがmAb316Pおよびスタチン処置の間に維持されることを示す。
アトルバスタチンの非存在および存在下で、アテローム性動脈硬化症発生におけるmAb316Pの効果を、処置の18週後に大動脈起始部および大動脈弓において評価した。アテローム硬化型病変の代表的なイメージは、図3に示されるように、mAb316P、アトルバスタチン、およびそれらの組合せが、病変進行を減少させることを示す。アテローム性動脈硬化症発生における減少を確認するため、クロスセクションあたりの病変領域および病変の数(図4Aおよび図4B)を、病変重症度(図4C)と共に評価した。対照群について、総病変領域はクロスセクションあたり278±89×103μm2であり、クロスセクションあたり4.0±0.7病変からなっていた。MAb316Pは、対照と比較して、アテローム硬化型病変サイズを用量依存的に低下させ(-71%、P<0.001;-88%、P<0.001)、アトルバスタチンの効果を用量依存的に増強した(-89%、P<0.001;-98%、P<0.001)。加えて、mAb316P(アトルバスタチン有り無し)は、病変の数も低下させた(それぞれ、-17%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後;-30%、P<0.0045および-41%、P<0.001;-77%、P<0.001)。mAb316P(単独およびアトルバスタチンとの組合せ)で処置したマウスは、対照と比較して、より病変なしのセクションおよびより少数の重篤な(タイプIV-V)病変を有していた。アトルバスタチン単独は、病変サイズを低下させ(-35%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後)、病変または未病セグメントの数に影響のないより小さい程度まで重症度を減少させた。アトルバスタチン単独処置と比較すると、組合せは、病変サイズ(-82%、P<0.001;-97%、P<0.001)および病変の数(-38%、P<0.001;-76%、P<0.001)をさらに低下させ、未病セグメントの量を増加させた。
ルバスタチンと併せた両方の用量(-73%、P<0.0045;-73%、P<0.0045)は、総プラーク領域を減少させた。
血管壁炎症の機能性マーカーとして、活性化した内皮に接着している単球の数(図8A)および大動脈起始部領域におけるT細胞の数(図8B)を、クロスセクションあたり計数し、計算した(図7A)。対照群において、5.7±4.2の接着している単球および16.7±7.7のT細胞が存在した。単独およびアトルバスタチンと併せて投与すると、mAb316Pの高用量(10mg/kg)は、接着している単球(-57%、P<0.01、N.S.多重比較について補正後、および-75%、P<0.001)およびT細胞の存在量(-37%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後、および-62%、P<0.001)を減少させた。mAb316Pが単球接着を減少させる機構を明確に示すため、免疫組織化学による内皮性のICAM-1発現を評価した(図8C)。対照について、39%の内皮がICAM-1について陽性であり、10mg/kg mAb316P単独処置後の19%(P<0.001)およびアトルバスタチンと組み合わせて与えたときの16%(P<0.001)と比較された。したがって、単球接着における減少は、mAb316P処置単独およびアトルバスタチンとの組合せの後の内皮細胞における接着分子発現における減少によって補強された。
白血球数におけるmAb316P単独およびアトルバスタチンとの組合せの効果を、フローサイトメトリーによって評価した。興味深いことに、mAb316P単独およびアト
ルバスタチンと併せたものは、PBMC集団のパーセンテージとして表すと、顆粒球/好中球(-20%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後;-34%、P<0.001)および単球(-28%、P<0.05、N.S.多重比較について補正後;-39%、P<0.001)を減少させた。より具体的には、mAb316P単独およびアトルバスタチンとの組合せは、炎症誘発性Ly6Chi(-8%、P=0.061;-19%、P<0.001)減少させ、抗炎症性Ly6Clow(+12%、P=0.089;+35%、P<0.001)単球を増加させる傾向がある。したがって、血管リクルートにおけるmAb316Pの効果および単球の接着は、循環単球における減少によって増大される。
本試験は、アテローム性動脈硬化症発生におけるmAb316P自体およびアトルバスタチンとの組合せの効果を調査するよう計画された。総合すると、これらのデータは、mAb316Pが、血漿コレステロール、アテローム性動脈硬化症の進行およびプラーク脆弱性を用量依存的に低下させ、APOE*3Leiden.CETPマウスにおけるアトルバスタチンの有益な効果を強化することを実証する。本試験は、PCSK9に対する抗体が、アテローム性動脈硬化症発生を減少させることを示す最初の試験である。
Claims (13)
- アテローム性動脈硬化症を有する対象における、アテローム硬化型病変の数、総領域、または重症度の増加の阻害に使用するための、PCSK9に特異的に結合する抗体または抗原結合タンパク質を含む医薬組成物であって、前記抗体または抗原結合タンパク質は配列番号2、3、4、7、8、および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含み、
前記対象は、高心血管(CV)リスクを有し、そして
前記対象は、スタチンまたは非スタチン脂質低減剤をうける、
前記医薬組成物。 - 対象のアテローム硬化型病変の数の増加の阻害に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
- 対象のアテローム硬化型病変の総領域の増加の阻害に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
- 対象のアテローム硬化型病変の重症度の増加の阻害に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
- 対象におけるアテローム硬化型病変の数、総領域、および重症度の増加の阻害に使用するための、請求項1に記載の医薬組成物。
- 対象は、I型真性糖尿病、II型真性糖尿病、川崎病、慢性炎症性疾患、高血圧症、ヘテロ接合性の家族性高コレステロール血症(heFH)、または家族性高コレステロール血症ではない高コレステロール血症(nonFH)の形態にも罹っている、請求項1~5
のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 対象は炎症マーカーのレベルが上昇している、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 炎症マーカーはC反応性タンパク質または炎症性サイトカインである、請求項7に記載の医薬組成物。
- 抗体または抗原結合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 抗体または抗原結合タンパク質は、対象におけるアテローム硬化型病変の数、総領域、または重症度の増加を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%阻害する、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 非スタチン脂質低減剤はエゼチミブ、フィブラート、ナイアシン、オメガ-3脂肪酸、および胆汁酸レジンからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- スタチンは、セリバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチンおよびプラバスタチンからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 抗体または抗原結合タンパク質は皮下に投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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