JP7111166B2 - X線位相イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線位相イメージング装置に関し、特に、吸収像、位相微分像および暗視野像のうちの少なくとも1つを含む位相コントラスト画像を生成するX線位相イメージング装置に関する。
従来、吸収像、位相微分像および暗視野像のうちの少なくとも1つを含む位相コントラスト画像を生成するX線位相イメージング装置が知られている。このようなX線位相イメージング装置は、たとえば、国際公開2014/030115号に開示されている。
国際公開2014/030115号には、X線源と、X線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置される複数の格子(ソース格子、位相格子(第1格子)および分析格子(第2格子))と、を備えたX線位相イメージング装置が開示されている。国際公開2014/030115号のX線位相イメージング装置では、ソース格子と、位相格子と、分析格子とが、X線源側からX線検出器側に向かって、この順に並んで配置されている。国際公開2014/030115号のX線位相イメージング装置では、X線源から照射されソース格子を通過したX線が位相格子を通過することにより、位相格子から所定の距離だけ離れた位置に位相格子の自己像が形成される。そして、自己像と分析格子とが干渉することにより生じた干渉縞(モアレ縞)をX線検出器で検出することが可能に構成されている。
国際公開2014/030115号のX線位相イメージング装置では、複数の格子のうちの1つ(ソース格子)を所定の周期で並進移動(縞走査)させることにより変化するモアレ縞の変化をX線検出器で検出して、複数のX線画像を生成するように構成されている。国際公開2014/030115号のX線位相イメージング装置では、X線源とX線検出器との間に被写体を配置しない場合の複数のX線画像(背景取得画像)と、X線源とX線検出器との間に被写体を配置した場合の複数のX線画像(被写体取得画像)とが生成される。そして、生成された複数の背景取得画像および複数の被写体取得画像が解析されて、それぞれ、背景解析画像および被写体解析画像が生成される。そして、生成された背景解析画像と被写体解析画像とに基づいて、吸収像、位相微分像および暗視野像を含む位相コントラスト画像が生成される。なお、吸収像は、被写体によるX線の吸収度合の差に基づいて画像化したX線画像である。位相微分像は、X線の位相のずれに基づいて画像化したX線画像である。暗視野像は、物体の小角散乱に基づくVisibility(鮮明度)の変化によって得られる、Visibility像のことである。
国際公開2014/030115号
ここで、X線源から照射されるX線(光子)量には、量子レベルにおいて統計的なバラつき(変動)があるので、生成されるX線画像には、X線量の統計的なバラつきに起因するノイズ(量子ノイズ)が生じる。そして、量子ノイズが増加するにしたがって、背景取得画像と被写体取得画像とに基づいて生成された位相コントラスト画像は、画質が低下する。なお、撮影時間(X線の検出時間)が長くなるにしたがって、X線量の統計的なバラつきが収束されるので、X線画像に生じる量子ノイズは低減される。すなわち、撮影時間を短くすることと、画質を向上させることとの間には、トレードオフの関係がある。このため、国際公開2014/030115号に記載のような従来のX線位相イメージング装置では、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保するために、量子ノイズが十分に低減されるように、撮影時間(X線の検出時間)を比較的長くする必要があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることが可能なX線位相イメージング装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線位相イメージング装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源から照射されるX線により自己像を形成するための第1格子と、第1格子の自己像と干渉させるための第2格子と、を含む複数の格子と、X線源と検出器との間に被写体を配置しない状態で検出器により検出された背景取得画像と、背景取得画像を解析した背景解析画像と、X線源と検出器との間に被写体を配置した状態で検出器により検出された被写体取得画像と、被写体取得画像を解析した被写体解析画像と、背景解析画像と被写体解析画像とに基づいて、吸収像、位相微分像または暗視野像の少なくともいずれか1つを含む位相コントラスト画像と、を生成する画像処理部と、を備え、画像処理部は、位相コントラスト画像が生成される前に、背景取得画像および背景解析画像のうちの少なくとも一方に検出器で検出されるX線量の統計的変動による量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成され、被写体取得画像を生成するための検出器によるX線の検出時間よりも背景取得画像を生成するための検出時間を短くするように構成されている。また、画像処理部は、背景取得画像を生成するための検出時間を短くするのにしたがって、ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を大きくするように調整するように構成されている。
この発明の第1の局面によるX線位相イメージング装置では、上記のように、画像処理部は、位相コントラスト画像が生成される前に、背景取得画像および背景解析画像のうちの少なくとも一方に量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成されている。これにより、背景取得画像または背景解析画像のいずれかにノイズ低減処理が行なわることにより、量子ノイズが低減された背景解析画像と、被写体解析画像とに基づいて、位相コントラスト画像を生成することができる。その結果、X線撮影の時間が比較的短いことに起因して、生成された背景取得画像に量子ノイズが比較的多く生じた場合でも、量子ノイズの影響が低減された位相コントラスト画像を生成することができる。これにより、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。なお、量子ノイズを低減するノイズ低減処理は、画像を平滑化するフィルタリング処理に相当する。また、この発明の第1の局面によるX線位相イメージング装置では、上記のように、被写体取得画像を生成するための検出器によるX線の検出時間よりも背景取得画像を生成するための検出時間を短くするように構成されている。これにより、背景取得画像を生成するための検出時間が比較的短くなるので、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、確実に撮影時間を短くすることができる。また、検出時間を短くしたことにより増加した量子ノイズを背景取得画像および背景解析画像のいずれか一方から確実に低減することができる。
この発明の第2の局面におけるX線位相イメージング装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、X線源と検出器との間に配置され、X線源から照射されるX線により自己像を形成するための第1格子と、第1格子の自己像と干渉させるための第2格子と、を含む複数の格子と、X線源と検出器との間に被写体を配置しない状態で検出器により検出された背景取得画像と、背景取得画像を解析した背景解析画像と、X線源と検出器との間に被写体を配置した状態で検出器により検出された被写体取得画像と、被写体取得画像を解析した被写体解析画像と、背景解析画像と被写体解析画像とに基づいて、吸収像、位相微分像または暗視野像の少なくともいずれか1つを含む位相コントラスト画像と、を生成する画像処理部と、を備え、画像処理部は、位相コントラスト画像が生成される前に、背景取得画像および背景解析画像のうちの少なくとも一方に検出器で検出されるX線量の統計的変動による量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成され、画像処理部は、被写体取得画像および被写体解析画像のいずれにもノイズ低減処理を行わずに、背景取得画像および背景解析画像のうちの少なくとも一方にノイズ低減処理を行うことにより、位相コントラスト画像を生成するように構成されている。これにより、被写体の空間情報が含まれる被写体取得画像および被写体解析画像に対してノイズ低減処理が行われずに、被写体の空間情報が含まれない背景取得画像および背景解析画像のうちの少なくとも一方にノイズ低減処理が行われるので、被写体の空間情報に対して平滑化による空間分解能の低下等の悪影響を与えることなく、量子ノイズの影響による画質の低下が抑制された位相コントラスト画像を生成することができる。
上記第1および第2の局面によるX線位相イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、ノイズ低減処理を行う前に、背景取得画像または背景解析画像に対して、所定の補正処理を行うように構成されている。ここで、背景取得画像には、画素欠損等の検出器由来の特異点がある場合がある。また、複数の背景取得画像を取得した場合には、背景取得画像を取得する際の格子の位置ずれ等に起因して、背景取得画像間で位相値が不連続となるラッピング領域が生じる場合がある。したがって、上記のように構成すれば、量子ノイズを低減するノイズ低減処理(画像を平滑化するフィルタリング処理)が特異点やラッピング領域に対して行われることにより、特異点やラッピング領域が周囲と平滑化されてしまうことに起因するアーチファクト(虚像)が形成されてしまうのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、所定の補正処理は、ダーク補正、ゲイン補正、欠損補正およびアンラッピング補正のうちの少なくともいずれか1つを含む。このように構成すれば、ダーク補正、ゲイン補正および欠損補正により特異点を容易に補正することができる。また、アンラッピング補正により、ラッピング領域を容易に補正することができる。
上記第1および第2の局面によるX線位相イメージング装置において、好ましくは、ノイズ低減処理は、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタおよびメディアンフィルタのうちの少なくともいずれか1つを含む。このように構成すれば、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタまたはメディアンフィルタ等の画像の平滑化に一般的に使用されるフィルタにより、X線量の統計的なバラつきに起因するノイズである量子ノイズを容易に低減することができる。
上記第1および第2の局面によるX線位相イメージング装置において、好ましくは、複数の格子のいずれか、X線源、被写体および検出器のうちの少なくとも1つを、所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成されており、画像処理部は、縞走査を行うことにより検出器で検出された複数の背景取得画像および複数の被写体取得画像を生成するとともに、複数の背景取得画像および複数の被写体取得画像を解析して、それぞれ、背景解析画像および被写体解析画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、縞走査を行うことにより背景取得画像および被写体取得画像を生成する構成において、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
上記第1および第2の局面によるX線位相イメージング装置において、好ましくは、画像処理部は、X線に基づく1つの背景取得画像および1つの被写体取得画像を生成するとともに、1つの背景取得画像および1つの被写体取得画像を、それぞれ、フーリエ変換処理および逆フーリエ変換処理を行うことにより背景解析画像および被写体解析画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、フーリエ変換処理および逆フーリエ変換処理を行うことにより背景解析画像および被写体解析画像を生成する構成において、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
上記第1および第2の局面によるX線位相イメージング装置において、好ましくは、複数の格子は、X線源と第1格子との間に配置され、X線源から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子をさらに含む。このように構成すれば、第3格子により、X線源の焦点径に依存することなく第1格子の自己像を形成させることができるので、X線源の選択の自由度を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、生成される位相コントラスト画像において所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
本発明の一実施形態(第1変形例、第2変形例、第3変形例)によるX線位相イメージング装置の全体構成を示した図である。 本発明の一実施形態によるX線位相イメージング装置の格子位置調整機構を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるX線位相イメージング装置における位相コントラスト画像の生成を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるX線位相イメージング装置における画像に対するノイズ低減処理を説明するための図である。 本発明の第1変形例によるX線位相イメージング装置における画像に対するノイズ低減処理を説明するための図である。 本発明の第2変形例によるX線位相イメージング装置における画像に対するノイズ低減処理を説明するための図である。 本発明の第3変形例によるX線位相イメージング装置における画像に対するノイズ低減処理を説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるX線位相イメージング装置100の構成について説明する。
図1に示すように、X線位相イメージング装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体Pの内部を画像化する装置である。X線位相イメージング装置100は、X線管11と、検出器12と、第1格子G1と、第2格子G2と、第3格子G3と、を含む複数の格子Gと、制御部13と、格子位置調整機構14と、被写体ステージ15と、フィルタ16と、を備えている。なお、X線管11は、特許請求の範囲の「X線源」の一例である。
X線位相イメージング装置100では、X線管11と、第3格子G3と、第1格子G1と、第2格子G2と、検出器12とが、X線の照射軸方向(光軸方向、Z方向)に、この順に並んで配置されている。すなわち、第1格子G1、第2格子G2および第3格子G3は、X線管11と検出器12との間に配置されている。なお、本明細書では、X線管11から第1格子G1に向かう方向をZ2方向、その逆方向をZ1方向とする。また、複数の格子Gそれぞれの後述する格子Gが延びる方向をX方向とし、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向とする。
X線管11は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させることが可能なX線発生装置である。X線管11は、発生させたX線をZ2方向に照射するように構成されている。
検出器12は、X線管11から照射されたX線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換する。検出器12は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器12は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向に並んで配置されている。検出器12の検出信号(画像信号)は、制御部13が備える画像処理部13a(後述する)に送られる。
第1格子G1は、Y方向に所定の周期(格子ピッチ)d1で配列されるスリットG1aおよびX線位相変化部G1bを有している。各スリットG1aおよびX線位相変化部G1bは、X方向に直線状に延びるように形成されている。第1格子G1は、いわゆる位相格子である。第1格子G1は、X線管11と第2格子G2との間に配置されており、X線管11から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。なお、タルボ効果は、可干渉性を有するX線が、スリットG1aが形成された第1格子G1を通過すると、第1格子G1から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、第1格子G1の像(自己像)が形成されることを意味する。
第2格子G2は、Y方向に所定の周期(格子ピッチ)d2で配列される複数のX線透過部G2aおよびX線吸収部G2bを有している。各X線透過部G2aおよびX線吸収部G2bは、X方向に直線状に延びるように形成されている。第2格子G2は、いわゆる、吸収格子である。第2格子G2は、第1格子G1と検出器12との間に配置されており、第1格子G1により形成された自己像に干渉するように構成されている。第2格子G2は、自己像と第2格子G2とを干渉させるために、第1格子G1からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。すなわち、X線位相イメージング装置100では、自己像と第2格子G2とが干渉することにより生成された干渉縞(モアレ縞)が、X線として検出器12で検出される。
第3格子G3は、所定の周期(ピッチ)d3で配列される複数のスリットG3aおよびX線吸収部G3bを有している。各スリットG3aおよびX線吸収部G3bはそれぞれ、X方向に直線状に延びるように形成されている。第3格子G3は、X線管11と第1格子G1との間に配置されており、X線管11からX線が照射される。第3格子G3は、各スリットG3aを通過したX線を、各スリットG3aの位置に対応する線光源とするように構成されている。すなわち、第3格子G3は、X線管11から照射されたX線の可干渉性を高めるために設けられている。
制御部13は、画像を生成可能な画像処理部13aを備えている。また、制御部13は、格子位置調整機構14および被写体ステージ15の動作を制御するように構成されている。制御部13は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
画像処理部13aは、検出器12から送られた検出信号に基づいて、位相コントラスト画像C(図3参照)等の画像を生成するように構成されている。画像処理部13aは、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。なお、画像処理部13aによる位相コントラスト画像C(図3参照)の生成の詳細は後述する。
図2に示すように、格子位置調整機構14は、第1格子G1を、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz、X方向の軸線周りの回転方向Rx、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ryに移動可能に構成されている。格子位置調整機構14は、X方向直動機構14aと、Z方向直動機構14bと、Y方向直動機構14cと、直動機構接続部14dと、ステージ支持部駆動部14eと、ステージ支持部14fと、ステージ駆動部14gと、ステージ14hと、を含む。
X方向直動機構14a、Z方向直動機構14bおよびY方向直動機構14cは、それぞれ、X方向、Z方向およびY方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構14a、Z方向直動機構14bおよびY方向直動機構14cは、たとえば、ステッピングモータなどを含む。格子位置調整機構14は、X方向直動機構14a、Z方向直動機構14bおよびY方向直動機構14cの動作により、それぞれ、第1格子G1を、X方向、Z方向およびY方向に移動させるように構成されている。
ステージ支持部14fは、第1格子G1を載置(または保持)させるためのステージ14hをZ2方向から支持している。ステージ駆動部14gは、ステージ14hをX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ14hは、底部がステージ支持部14fに向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部14eは、ステージ支持部14fをY方向に往復移動させるように構成されている。また、直動機構接続部14dは、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動可能にX方向直動機構14aに設けられている。また、ステージ支持部14fは底部が直動機構接続部14dに向けて凸曲面状に形成されており、Y方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。なお、格子位置調整機構14は、たとえば、チャック機構やハンド機構等の第1格子G1を保持するための機構を有していてもよい。
図1に示すように、被写体ステージ15は、被写体Pを載置させるための載置面(図示しない)を有する。被写体ステージ15は、制御部13の制御により、被写体Pを載置面に載置させた状態で、X方向およびY方向に移動可能に構成されている。被写体ステージ15は、たとえば、X-Yステージにより構成されている。なお、被写体ステージ15は、たとえば、チャック機構やハンド機構等の被写体Pを保持するための機構を有していてもよい。
フィルタ16は、X線管11から照射されたX線のスペクトルを調整するためのフィルタである。フィルタ16は、X線管11と第3格子G3との間に配置されている。フィルタ16は、たとえば、銀やロジウム等を含む。これにより、位相コントラスト画像Cの生成に寄与しない低エネルギーのX線をフィルタ16により遮蔽することができるので、被写体Pの被曝線量が大きくなるのを抑制することができる。
(位相コントラスト画像の生成)
次に、図1および図3を参照しながら、画像処理部13aによる位相コントラスト画像Cの生成について詳細に説明する。
図1に示すように、位相コントラスト画像C(図3参照)とは、複数の格子Gのいずれか、X線管11、被写体Pおよび検出器12のうちの少なくとも1つを、所定の周期で並進移動(ステップ)させる縞走査を行うことにより、検出器12で検出された画像に基づいて生成される画像である。なお、X線位相イメージング装置100では、位相コントラスト画像C(図3参照)を生成するために、格子位置調整機構14のY方向直動機構14c(図2参照)の動作により、第1格子G1を縞走査させるように構成されている。
詳細には、図3に示すように、画像処理部13aは、縞走査を行うことにより検出器12で検出された、AIR取得画像A10と、SAMPLE取得画像S10と、を生成するように構成されている。AIR取得画像A10は、X線管11と検出器12との間に被写体Pを配置しない状態で検出器12により検出された検出信号を画像化した画像である。SAMPLE取得画像S10は、X線管11と検出器12との間に被写体Pを配置した状態で検出器12により検出された検出信号を画像化した画像である。なお、AIR取得画像A10およびSAMPLE取得画像S10は、それぞれ、特許請求の範囲の「背景取得画像」および「被写体取得画像」の一例である。
また、画像処理部13aは、AIR中間画像A20と、SAMPLE中間画像S20と、を生成するように構成されている。AIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20は、それぞれ、AIR取得画像A10およびSAMPLE取得画像S10を解析した画像である。なお、AIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20は、それぞれ、「背景解析画像」および「被写体解析画像」の一例である。
また、画像処理部13aは、AIR中間画像A20とSAMPLE中間画像S20とに基づいて、最終画像(位相コントラスト画像C)を生成するように構成されている。位相コントラスト画像Cは、吸収像C1と、位相微分像C2と、暗視野像C3と、を含む。吸収像C1は、被写体PによるX線の吸収度合の差に基づいて画像化した画像である。位相微分像C2は、X線の位相のずれに基づいて画像化した画像である。暗視野像C3は、物体の小角散乱に基づくVisibility(鮮明度)の変化によって得られる、Visibility像のことである。また、暗視野像は、小角散乱像とも呼ばれる。
具体的には、図1に示すように、X線管11と検出器12との間に被写体Pを配置しない状態で、格子位置調整機構14により、第1格子G1を格子ピッチの方向(Y方向)に所定の周期で縞走査させながら、複数の位置でX線を検出する。そして、図3に示すように、画像処理部13aは、検出器12で検出される検出信号に基づいて、検出信号の強度の異なる複数のAIR取得画像A10を生成する。また、図1に示すように、X線管11と検出器12との間に被写体Pを配置した状態で、格子位置調整機構14により、第1格子G1を格子ピッチの方向(Y方向)に所定の周期で縞走査させながら、複数の位置でX線を検出する。そして、図3に示すように、画像処理部13aは、検出器12で検出される検出信号に基づいて、検出信号の強度の異なる複数のSAMPLE取得画像S10を生成する。なお、図3では、AIR取得画像A10およびSAMPLE取得画像S10を、それぞれ、4つずつ生成した例を示している。
次に、画像処理部13aは、複数のAIR取得画像A10に対して、各画素毎に、信号強度を正弦関数でフィッテングした信号強度変化曲線(ステップカーブ)を取得する。そして、画像処理部13aは、ステップカーブから取得した3種類のフィッテング係数(平均値、位相および振幅)を、それぞれ、AIR中間画像A21、A22およびA23として生成する。また、画像処理部13aは、複数のSAMPLE取得画像S10に対して、各画素毎に、信号強度を正弦関数でフィッテングした信号強度変化曲線(ステップカーブ)を取得する。そして、画像処理部13aは、ステップカーブから取得した3種類のフィッテング係数(平均値、位相および振幅)を、それぞれ、SAMPLE中間画像S21、S22およびS23として生成する。
次に、画像処理部13aは、各画素毎に、平均値(SAMPLE)/平均値(AIR)を計算することにより、吸収像C1を生成する。また、画像処理部13aは、各画素毎に、位相(SAMPLE)-位相(AIR)を計算することにより、位相微分像C2を生成する。また、各画素毎に、(振幅(SAMPLE)/平均値(SAMPLE))/(振幅(AIR)/平均値(AIR))を計算することにより、暗視野像C3を生成する。なお、平均値(AIR)、位相(AIR)および振幅(AIR)は、それぞれ、AIR中間画像A21、A22およびA23のフィッテング係数である。また、平均値(SAMPLE)、位相(SAMPLE)および振幅(SAMPLE)は、それぞれ、SAMPLE中間画像S21、S22およびS23のフィッテング係数である。
(AIR取得画像に対するノイズ低減処理)
次に、図4を参照しながら、AIR取得画像A10に対するノイズ低減処理について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、画像処理部13aは、位相コントラスト画像Cが生成される前に、AIR取得画像A10に量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成されている。詳細には、画像処理部13aは、SAMPLE取得画像S10およびSAMPLE中間画像S20のいずれにもノイズ低減処理を行わずに、AIR取得画像A10にノイズ低減処理を行うことにより、位相コントラスト画像Cを生成するように構成されている。また、画像処理部13aは、ノイズ低減処理を行う前に、AIR取得画像A10に対して、画像中の特異点や画像間のラッピング領域を補正する所定の補正処理を行うように構成されている。
具体的には、画像処理部13aは、まず、AIR取得画像A10に対して、画像中の特異点や画像間のラッピング領域を補正する所定の補正処理を行う。所定の補正処理が行われたAIR取得画像A10は、画像中の特異点や画像間のラッピング領域が補正されたAIR取得画像A10aとなる。次に、画像処理部13aは、AIR取得画像A10aに対して、量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行う。ノイズ低減処理が行われたAIR取得画像A10aは、量子ノイズが低減されたAIR取得画像A10bとなる。そして、画像処理部13aは、量子ノイズが低減されたAIR取得画像A10bを解析することにより、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A20を生成する。なお、AIR取得画像A10aおよびAIR取得画像A10bは、特許請求の範囲の「背景取得画像」の一例である。
また、画像処理部13aは、SAMPLE取得画像S10に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理を行わずに、SAMPLE取得画像S10を解析することにより、SAMPLE中間画像S20を生成する。そして、画像処理部13aは、SAMPLE中間画像S20に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理を行わずに、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A20と、SAMPLE中間画像S20とに基づいて、画質の低下が抑制された位相コントラスト画像Cを生成する。
なお、本実施形態では、ノイズ低減処理は、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタおよびメディアンフィルタ等のうちの少なくともいずれか1つを含む。すなわち、ノイズ低減処理は、量子ノイズを低減するための画像を平滑化するフィルタリング処理である。
また、本実施形態では、所定の補正処理は、ダーク補正、ゲイン補正、欠損補正およびアンラッピング補正のうちの少なくともいずれか1つを含む。ダーク補正とは、X線を照射しない状態で撮影した画像(ダーク画像)を、X線を照射して撮影した画像から減算する処理である。また、ゲイン補正とは、格子Gを置かずにX線を照射して撮影した画像を、格子Gを置いて撮影した画像から除算する処理である。また、欠損補正とは、検出器12の感度が著しく低下した欠損箇所について、周囲の画素との平均化処理などにより、その部分を補正する処理である。すなわち、ダーク補正、ゲイン補正および欠損補正は、検出器12由来の特異点を補正する処理である。また、アンラッピング補正とは、各画素の画像間における位相値が1周期分ずれることにより不連続となるラッピング領域の位相値を連続的な変化となるように補正する処理である。
また、本実施形態では、X線位相イメージング装置100は、SAMPLE取得画像S10を生成するための検出器12によるX線の検出時間よりもAIR取得画像A10を生成するための検出時間を短くするように構成されている。また、画像処理部13aは、AIR取得画像A10を生成するための検出時間を短くするのにしたがって、ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を大きくするように調整するように構成されている。たとえば、SAMPLE取得画像S10およびAIR取得画像A10を生成するための検出器12によるX線の標準検出時間を、それぞれ、10分とする。そして、AIR取得画像A10を生成するための検出時間を10分から8分にした場合に、AIR取得画像A10に生じる量子ノイズが略10%増加したとする。この場合、増加した10%分のノイズを低減するようにノイズ低減処理の程度(画像の平滑化の程度)を10とする。また、AIR取得画像A10を生成するための検出時間を10分から6分にした場合に、AIR取得画像A10に生じる量子ノイズが略20%増加したとする。この場合、増加した20%分のノイズを低減するようにノイズ低減処理の程度(画像の平滑化の程度)を20とする。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、画像処理部13aを、位相コントラスト画像Cが生成される前に、AIR取得画像A10に量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成する。これにより、AIR取得画像A10にノイズ低減処理が行なわることにより、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A20と、SAMPLE中間画像S20とに基づいて、位相コントラスト画像Cを生成することができる。その結果、X線撮影の時間が比較的短いことに起因して生成されたAIR取得画像A10に量子ノイズが比較的多く生じた場合でも、量子ノイズの影響が低減された位相コントラスト画像Cを生成することができる。これにより、生成される位相コントラスト画像Cにおいて所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部13aを、SAMPLE取得画像S10およびSAMPLE中間画像S20のいずれにもノイズ低減処理を行わずに、AIR取得画像A10にノイズ低減処理を行うことにより、位相コントラスト画像Cを生成するように構成する。これにより、被写体Pの空間情報が含まれるSAMPLE取得画像S10およびSAMPLE中間画像S20に対してノイズ低減処理が行われずに、被写体Pの空間情報が含まれないAIR取得画像A10にノイズ低減処理が行われるので、被写体Pの空間情報に対して空間分解能の低下等の悪影響を与えることなく、量子ノイズの影響による画質の低下が抑制された位相コントラスト画像Cを生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線位相イメージング装置100を、SAMPLE取得画像S10を生成するための検出器12によるX線の検出時間よりもAIR取得画像A10を生成するための検出時間を短くするように構成する。これにより、AIR取得画像A10を生成するための検出時間が比較的短くなるので、生成される位相コントラスト画像Cにおいて所定の水準の画質を確保しながら、確実に撮影時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部13aを、AIR取得画像A10を生成するための検出時間を短くするのにしたがって、ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を大きくするように調整するように構成する。これにより、検出時間を短くしたことにより増加した量子ノイズをAIR取得画像A10から確実に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部13aを、ノイズ低減処理を行う前に、AIR取得画像A10に対して、所定の補正処理を行うように構成する。これにより、量子ノイズを低減するノイズ低減処理(画像を平滑化するフィルタリング処理)が特異点やラッピング領域に対して行われることにより、特異点やラッピング領域が周囲と平滑化されてしまうことに起因するアーチファクト(虚像)が形成されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、所定の補正処理は、ダーク補正、ゲイン補正、欠損補正およびアンラッピング補正のうちの少なくともいずれか1つを含む。これにより、特異点やラッピング領域を容易に補正することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノイズ低減処理は、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタおよびメディアンフィルタのうちの少なくともいずれか1つを含む。これにより、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタまたはメディアンフィルタ等の画像の平滑化に一般的に使用されるフィルタにより、X線量の統計的なバラつきに起因するノイズである量子ノイズを容易に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1格子G1を、所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成する。そして、画像処理部13aを、縞走査を行うことにより検出器12で検出された複数のAIR取得画像A10および複数のSAMPLE取得画像S10を生成するとともに、複数のAIR取得画像A10および複数のSAMPLE取得画像S10を解析して、それぞれ、AIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20を生成するように構成する。これにより、縞走査を行うことによりAIR取得画像A10およびSAMPLE取得画像S10を生成する構成において、生成される位相コントラスト画像Cにおいて所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の格子Gは、X線管11と第1格子G1との間に配置され、X線管11から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子G3を含む。これにより、第3格子G3により、X線管11の焦点径に依存することなく第1格子G1の自己像を形成させることができるので、X線管11の選択の自由度を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、画像処理部13aを、ノイズ低減処理を行う前に、AIR取得画像A10に対して、所定の補正処理を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図5に示す第1変形例のように、画像処理部113a(図1参照)を、ノイズ低減処理を行う前に、AIR取得画像A10に対して、所定の補正処理を行わないように構成してもよい。
図5に示す第1変形例では、画像処理部113aは、AIR取得画像A10に対して、量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行う。ノイズ低減処理が行われたAIR取得画像A10は、量子ノイズが低減されたAIR取得画像A210bとなる。そして、画像処理部113aは、量子ノイズが低減されたAIR取得画像A210bを解析することにより、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A220を生成する。そして、画像処理部113aは、SAMPLE中間画像S20に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理を行わずに、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A220と、SAMPLE中間画像S20とに基づいて、画質の低下が抑制された位相コントラスト画像C200を生成する。なお、AIR取得画像A210bは、特許請求の範囲の「背景取得画像」の一例である。また、AIR中間画像A220は、特許請求の範囲の「背景解析画像」の一例である。
また、上記実施形態では、画像処理部13aを、AIR取得画像A10を生成するための検出時間を短くするのにしたがって、ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を大きくするように調整するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部を、AIR取得画像A10を生成するための検出時間に関係なく、ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を調整するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部13aを、AIR取得画像A10に対して量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図6に示す第2変形例の画像処理部213a(図1参照)および図7に示す第3変形例の画像処理部313a(図1参照)のように、AIR中間画像A320に対して量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成してもよい。また、画像処理部を、AIR取得画像A10およびAIR中間画像A20の両方に対して量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成してもよい。なお、いずれの場合でも、ノイズ低減処理を行う前に、ノイズ低減処理を行う画像に対して、所定の補正処理が行われるのが好ましい。なお、AIR中間画像A320は、特許請求の範囲の「背景解析画像」の一例である。
図6に示す第2変形例では、画像処理部213aは、AIR取得画像A10に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理が行われずに、AIR取得画像A10からAIR中間画像A320が生成される。次に、画像処理部213aは、AIR中間画像A320に対して、画像中の特異点や画像間のラッピング領域を補正する所定の補正処理を行う。所定の補正処理が行われたAIR中間画像A320は、画像中の特異点や画像間のラッピング領域が補正されたAIR中間画像A320aとなる。次に、画像処理部213aは、AIR中間画像A320aに対して、量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行う。ノイズ低減処理が行われたAIR中間画像A320aは、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A320bとなる。そして、画像処理部213aは、SAMPLE中間画像S20に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理を行わずに、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A320bと、SAMPLE中間画像S20とに基づいて、画質の低下が抑制された位相コントラスト画像C300を生成する。なお、AIR中間画像A320aおよびAIR中間画像A320bは、特許請求の範囲の「背景解析画像」の一例である。
また、図7に示す第3変形例では、画像処理部313aは、図6に示す例と同様に、AIR取得画像A10に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理が行われずに、AIR取得画像A10からAIR中間画像A320が生成される。次に、画像処理部313aは、AIR中間画像A320に対して、量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行う。ノイズ低減処理が行われたAIR中間画像A320aは、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A420bとなる。そして、画像処理部313aは、SAMPLE中間画像S20に対して、所定の補正処理およびノイズ低減処理を行わずに、量子ノイズが低減されたAIR中間画像A420bと、SAMPLE中間画像S20とに基づいて、画質の低下が抑制された位相コントラスト画像C400を生成する。なお、AIR中間画像A420bは、特許請求の範囲の「背景解析画像」の一例である。
また、上記実施形態では、第1格子G1を、所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2格子G2、第3格子G3、X線管11、被写体Pまたは検出器12のいずれかを所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成してもよい。また、第1格子G1、第2格子G2、第3格子G3、X線管11、被写体Pおよび検出器12の内の複数を所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部13aを、縞走査を行うことにより検出器12で検出された複数のAIR取得画像A10および複数のSAMPLE取得画像S10を生成するとともに、複数のAIR取得画像A10および複数のSAMPLE取得画像S10を解析して、それぞれ、AIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20を生成するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部を、X線に基づく1つのAIR取得画像A10および1つのSAMPLE取得画像S10を生成するとともに、1つのAIR取得画像A10および1つのSAMPLE取得画像S10を、それぞれ、フーリエ変換処理および逆フーリエ変換処理を行うことによりAIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20を生成するように構成してもよい。この場合、フーリエ変換処理および逆フーリエ変換処理を行うことによりAIR中間画像A20およびSAMPLE中間画像S20を生成する構成において、生成される位相コントラスト画像Cにおいて所定の水準の画質を確保しながら、撮影時間を短くすることができる。
また、上記実施形態では、複数の格子Gは、X線管11と第1格子G1との間に配置され、X線管11から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子G3を含むように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第3格子G3を含まないように構成してもよい。
また、上記実施形態では、タルボ効果による自己像を形成するために、第1格子G1を位相格子とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自己像は縞模様であればよいので、位相格子の代わりに吸収格子を用いてもよい。吸収格子を用いると、距離などの光学条件により単純に縞模様が発生する領域(非干渉計)と、タルボ効果による自己像が生じる領域(干渉計)とが生じる。
11 X線管(X線源)
12 検出器
13a、113a、213a、313a 画像処理部
100 X線位相イメージング装置
A10、A10a、A10b、A210b AIR取得画像(背景取得画像)
A20(A21、A22、A23)、A20a、A20b、A220、A320、A320a、A320b、A420b AIR中間画像(背景解析画像)
C、C200、C300、C400 位相コントラスト画像
C1 吸収像
C2 位相微分像
C3 暗視野像
G 格子
G1 第1格子
G2 第2格子
G3 第3格子
P 被写体
S10 SAMPLE取得画像(被写体取得画像)
S20(S21、S22、S23) SAMPLE中間画像(被写体解析画像)

Claims (8)

  1. X線源と、
    前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
    前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源から照射される前記X線により自己像を形成するための第1格子と、前記第1格子の自己像と干渉させるための第2格子と、を含む複数の格子と、
    前記X線源と前記検出器との間に被写体を配置しない状態で前記検出器により検出された背景取得画像と、前記背景取得画像を解析した背景解析画像と、前記X線源と前記検出器との間に前記被写体を配置した状態で前記検出器により検出された被写体取得画像と、前記被写体取得画像を解析した被写体解析画像と、前記背景解析画像と前記被写体解析画像とに基づいて、吸収像、位相微分像および暗視野像のうちの少なくとも1つを含む位相コントラスト画像と、を生成する画像処理部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、前記位相コントラスト画像が生成される前に、前記背景取得画像および前記背景解析画像のうちの少なくとも一方に前記検出器で検出されるX線量の統計的変動による量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成され、
    前記被写体取得画像を生成するための前記検出器による前記X線の検出時間よりも前記背景取得画像を生成するための前記検出時間を短くするように構成され
    前記画像処理部は、前記背景取得画像を生成するための前記検出時間を短くするのにしたがって、前記ノイズ低減処理のノイズの低減の程度を大きくするように調整するように構成されている、X線位相イメージング装置。
  2. X線源と、
    前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
    前記X線源と前記検出器との間に配置され、前記X線源から照射される前記X線により自己像を形成するための第1格子と、前記第1格子の自己像と干渉させるための第2格子と、を含む複数の格子と、
    前記X線源と前記検出器との間に被写体を配置しない状態で前記検出器により検出された背景取得画像と、前記背景取得画像を解析した背景解析画像と、前記X線源と前記検出器との間に前記被写体を配置した状態で前記検出器により検出された被写体取得画像と、前記被写体取得画像を解析した被写体解析画像と、前記背景解析画像と前記被写体解析画像とに基づいて、吸収像、位相微分像および暗視野像のうちの少なくとも1つを含む位相コントラスト画像と、を生成する画像処理部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、前記位相コントラスト画像が生成される前に、前記背景取得画像および前記背景解析画像のうちの少なくとも一方に前記検出器で検出されるX線量の統計的変動による量子ノイズを低減するノイズ低減処理を行うように構成され、
    前記画像処理部は、前記被写体取得画像および前記被写体解析画像のいずれにも前記ノイズ低減処理を行わずに、前記背景取得画像および前記背景解析画像のうちの少なくとも一方に前記ノイズ低減処理を行うことにより、前記位相コントラスト画像を生成するように構成されている、X線位相イメージング装置。
  3. 前記画像処理部は、前記ノイズ低減処理を行う前に、前記背景取得画像または前記背景解析画像に対して、所定の補正処理を行うように構成されている、請求項1または2に記載のX線位相イメージング装置。
  4. 前記所定の補正処理は、ダーク補正、ゲイン補正、欠損補正およびアンラッピング補正のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項に記載のX線位相イメージング装置。
  5. 前記ノイズ低減処理は、平均化フィルタ、ガウシアンフィルタ、ローパスフィルタおよびメディアンフィルタのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2に記載のX線位相イメージング装置。
  6. 前記複数の格子のいずれか、前記X線源、前記被写体および前記検出器のうちの少なくとも1つを、所定の周期で並進移動させる縞走査を行うように構成されており、
    前記画像処理部は、前記縞走査を行うことにより前記検出器で検出された複数の前記背景取得画像および複数の前記被写体取得画像を生成するとともに、前記複数の背景取得画像および前記複数の被写体取得画像を解析して、それぞれ、前記背景解析画像および前記被写体解析画像を生成するように構成されている、請求項1または2に記載のX線位相イメージング装置。
  7. 前記画像処理部は、前記X線に基づく1つの前記背景取得画像および1つの前記被写体取得画像を生成するとともに、前記1つの背景取得画像および前記1つの被写体取得画像を、それぞれ、フーリエ変換処理および逆フーリエ変換処理を行うことにより前記背景解析画像および前記被写体解析画像を生成するように構成されている、請求項1または2に記載のX線位相イメージング装置。
  8. 前記複数の格子は、前記X線源と前記第1格子との間に配置され、前記X線源から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子をさらに含む、請求項1または2に記載のX線位相イメージング装置。
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