JP2017189685A - 画像処理装置、x線撮影システム及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、x線撮影システム及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より診断又は検査しやすい微分位相画像、小角散乱画像を提供できるようにするとともに、これらの画像に施す後処理での処理の安定性の向上及び処理の高速化を図る。【解決手段】コントローラー5の制御部51は、X線撮影装置1から受信した被写体無しのモアレ縞画像及び被写体有りのモアレ縞画像の少なくとも1つの特性値に基づいて、微分位相画像又は小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、検出されたごま塩状ノイズ領域を識別したマスク画像を生成する。そして、生成されたマスク画像を用いて、再構成画像及びモアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対してマスク処理又は画像の切り出し処理を施すことによりごま塩状ノイズ領域を除外し、ごま塩状ノイズ領域を除外した画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う。【選択図】図15

Description

本発明は、画像処理装置、X線撮影システム及び画像処理方法に関する。
従来、放射線源と放射線検出器との間に格子を配置してX線位相イメージングを行う放射線撮影システムが知られている。また、この放射線撮影システムにおいて、格子歪み等に起因した欠陥画素を検出する技術が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5378335号公報
ところで、従来の吸収画像においては、照射野外領域等の放射線検出器に十分なX線が到達しなかった領域(X線強度不足領域)は、被写体信号が得られないため画像化に適さない(図21(c)参照)。そのため、吸収画像に照射野認識処理などを用いてX線強度不足領域を検出し、さらにその領域に対してマスク処理を施すことが一般的に行われている。
一方、格子を用いた位相コントラスト法で得られる微分位相画像と小角散乱画像においては、X線強度不足領域だけでなく、X線が全ての格子の格子構造部を透過していない格子外領域についてもモアレ縞が形成されないため被写体信号が得られず、画像化に適さない。これらの領域では、演算上、光量子誤差や検出器の誤差などが増幅されて信号値が大きくばらつき、ごま塩状ノイズ(salt and pepper noise)が発生する(図21(a)、
(b)参照)。このごま塩状ノイズ領域は、格子外領域を含むため、従来の照射野認識処理のようにX線強度だけを用いる方法では正しく認識することができない。ごま塩状ノイズ領域があると、画像の品質を大きく低下させるだけでなく、ごま塩状ノイズ領域と被写体領域を医師が目視で識別する必要があるために診断や検査に要する時間が長くなり、操作者への負担を増大させる。さらに再構成画像(微分位相画像、小角散乱画像、吸収画像)に対して、補正処理や合成処理等の種々の画像処理(後処理)を行う際に、ごま塩状ノイズ領域が含まれると、処理の安定性が大きく低下し、また不要領域の演算によって処理時間が増大する課題があった。
特許文献1に記載の放射線撮影システムでは、格子内領域における画素単位の格子の製造欠陥や、検出器の欠陥を検出し周辺画素を用いて補正するのみであって、X線照射野外や格子外領域についてはそのままである。
本発明の課題は、より診断又は検査しやすい微分位相画像、小角散乱画像を提供できるようにするとともに、これらの画像に施す後処理での処理の安定性の向上及び処理の高速化を図ることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像処理装置は、
X線源からのX線が第1の格子と第2の格子を透過したのち画像信号として読み取られて生成された被写体無しのモアレ縞画像及び被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像から生成された再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成手段と、
前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記生成されたマスク画像を用いて、前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対してマスク処理又は画像の切り出し処理を施すことで、前記ごま塩状ノイズ領域を除外する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記再構成画像は、微分位相画像及び小角散乱画像のうちの少なくとも1つである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記マスク画像生成手段は、前記特性値として、前記被写体有りのモアレ縞画像及び前記被写体無しのモアレ縞画像に基づいて微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標を算出し、この微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する。
請求項11に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
前記X線の照射経路上に設けられ、周期パターンを形成する第1格子と、
前記第1格子の周期パターンをモアレ縞に変換する第2格子と、
前記X線源により照射されて前記第1格子及び前記第2格子を透過したX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像と前記被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像とに基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
を備えるX線撮影システムであって、
前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成手段と、
前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理手段と、
を備える。
請求項12に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
前記X線の照射経路上に設けられ、周期パターンを形成する第1格子と、
前記第1格子の周期パターンをモアレ縞に変換する第2格子と、
前記X線源により照射されて前記第1格子及び前記第2格子を透過したX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像と前記被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像とに基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
を備えるX線撮影システムにおける画像処理方法であって、
前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成工程と、
前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理工程と、
を含む。
本発明によれば、より診断又は検査しやすい微分位相画像、小角散乱画像を提供することが可能となる。また、これらの画像に施す後処理での処理の安定性の向上及び処理の高速化を図ることが可能となる。
本実施形態に係るX線撮影システムの全体構成を示す図である。 マルチスリットの平面図である。 図1の本体部の機能的構成を示すブロック図である。 図1のコントローラーの機能的構成を示すブロック図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 図3の制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 5ステップの撮影により得られるモアレ縞画像を示す図である。 格子内領域と格子外領域を説明するための図である。 第1の実施形態において図4の制御部により実行される画像生成表示処理Aを示すフローチャートである。 モアレ縞画像の平均強度、振幅、位相を説明するための図である。 BGモアレ縞画像の位相のノイズ指標を用いてマスク画像を生成する処理を説明するための図である。 本実施形態において検出されたノイズ領域と微分位相画像におけるごま塩状ノイズ領域との関係を示す図である。 BGモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度のノイズ指標を用いてマスク画像を生成する処理を説明するための図である。 (a)は、位相誤差によるノイズ検出に基づいて生成されたマスク画像、(b)は、鮮明度誤差によるノイズ検出に基づいて生成されたマスク画像、(c)は、振幅によるノイズ検出に基づいて生成されたマスク画像を示す図である。 微分位相画像にマスク処理を行った処理結果の一例を示す図である。 小角散乱画像にマスク処理を行った処理結果の一例を示す図である。 微分位相画像に切り出し処理を行った処理結果の一例を示す図である。 第2の実施形態において図4の制御部により実行される画像生成表示処理Bを示すフローチャートである。 第3の実施形態において図4の制御部により実行される画像生成表示処理Cを示すフローチャートである。 撮影用部品の一例を示す図である。 手指を配置した撮影用部品の一例を示す図である。 (a)は微分位相画像、(b)は小角散乱画像、(c)は吸収画像の一例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に、第1の実施形態に係るX線撮影システムを示す。X線撮影システムは、X線撮影装置1とコントローラー5を備える。X線撮影装置1はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行い、コントローラー5は当該X線撮影により得られた複数のモアレ縞画像を用いて被写体の再構成画像を生成する。
X線撮影装置1は、図1に示すように、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16、保持部17、本体部18等を備える。
X線撮影装置1は縦型であり、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、この順序に重力方向であるz方向に配置される。X線源11の焦点とマルチスリット12間の距離をd1(mm)、X線源11の焦点とX線検出器16間の距離をd2(mm)、マルチスリット12と第1格子14間の距離をd3(mm)、第1格子14と第2格子15間の距離をd4(mm)で表す。なお、被写体台13の位置は、第1格子14と第2格子15との間に設けられていてもよい。
距離d1は好ましくは5〜500(mm)であり、さらに好ましくは5〜300(mm)である。
距離d2は、一般的に撮影室の高さは3(m)程度又はそれ以下であることから、少なくとも3000(mm)以下であることが好ましい。なかでも、距離d2は400〜3000(mm)が好ましく、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
X線源11の焦点と第1格子14間の距離(d1+d3)は、好ましくは300〜3000(mm)であり、さらに好ましくは400〜1800(mm)である。
X線源11の焦点と第2格子15間の距離(d1+d3+d4)は、好ましくは400〜3000(mm)であり、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
それぞれの距離は、X線源11から照射されるX線の波長から、第2格子15上に第1格子14による格子像(自己像)が重なる最適な距離を算出し、設定すればよい。
X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、同一の保持部17に一体的に保持され、z方向における位置関係が固定されている。保持部17はアーム状に形成され、本体部18に設けられた駆動部18aによりz方向に移動可能に本体部18に取り付けられている。
X線源11は、緩衝部材17aを介して保持されている。緩衝部材17aは、衝撃や振動を吸収できる材料であれば何れの材料を用いてもよいが、例えばエラストマー等が挙げられる。X線源11はX線の照射によって発熱するため、X線源11側の緩衝部材17aは加えて断熱素材であることが好ましい。
X線源11はX線管を備え、当該X線管によりX線を発生させて重力方向(z方向)にX線を照射する。X線管としては、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線管や回転陽極X線管を用いることができる。陽極としては、タングステンやモリブデンを用いることができる。
X線の焦点径は、0.03〜3(mm)が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1(mm)である。
X線源11のX線照射方向には、X線の照射範囲を狭めるための図示しない照射野絞りが設けられている。
マルチスリット12(第3格子)は回折格子であり、図2に示すようにx方向に複数のスリットが所定間隔で設けられている。マルチスリット12はシリコンやガラスといったX線の吸収率が低い材質の基板上に、タングステン、鉛、金といったX線の遮蔽力が大きい、つまりX線の吸収率が高い材質により形成される。例えば、フォトリソグラフィーによりレジスト層がスリット状にマスクされ、UVが照射されてスリットのパターンがレジスト層に転写される。露光によって当該パターンと同じ形状のスリット構造が得られ、電鋳法によりスリット構造間に金属が埋め込まれて、マルチスリット12が形成される。
マルチスリット12のスリット周期は1〜60(μm)である。スリット周期は、図2に示すように隣接するスリット間の距離を1周期とする。スリットの幅(x方向の長さ)はスリット周期の1〜60(%)の長さであり、さらに好ましくは10〜40(%)である。スリットの高さ(z方向の長さ)は1〜500(μm)であり、好ましくは1〜150(μm)である。
マルチスリット12のスリット周期をw(μm)、第1格子14のスリット周期をw(μm)とすると、スリット周期wは下記式により求めることができる。
=w・(d3+d4)/d4
当該式を満たすように周期wを決定することにより、マルチスリット12及び第1格子14の各スリットを通過したX線により形成される自己像が、それぞれ第2格子15上で重なり合い、いわばピントが合った状態とすることができる。
図1に示すように、マルチスリット12に隣接して、マルチスリット12をz方向と直交するx方向に移動させる駆動部12aが設けられる。駆動部12aとしては、例えばウォーム減速機等の比較的大きな減速比系の駆動機構を単体で又は組合せて用いることができる。
被写体台13は、X線源11からのX線照射経路上の被写体配置位置に設けられた、被写体を載置するための台である。
第1格子14は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第1格子14は、マルチスリット12と同様にUVを用いたフォトリソグラフィーによって形成することもできるし、いわゆるICP法によりシリコン基板に微細細線で深掘加工を行い、シリコンのみで格子構造を形成することとしてもよい。第1格子14のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の20〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
第1格子14として位相型を用いる場合、スリットの高さはスリット周期を形成する2種の素材、つまりX線透過部とX線遮蔽部の素材による位相差がπ/8〜15×π/8となる高さとする。好ましくは、π/2又はπとなる高さである。第1格子14として吸収型を用いる場合、スリットの高さはX線遮蔽部によりX線が十分吸収される高さとする。
第1格子14が位相型である場合、第1格子14と第2格子15間の距離d4は、次の条件をほぼ満たすことが必要である。
d4=(m+1/2)・w /λ
なお、mは整数であり、λはX線の波長である。
第2格子15は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第2格子15もフォトリソグラフィーにより形成することができる。第2格子15のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の30〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
本実施形態では第1格子14及び第2格子15は、それぞれの格子面がz方向に対し垂直(x−y平面内で平行)であり、第1格子14のスリットの方向と第2格子15のスリットの方向とは、x−y平面内で所定角度だけ(わずかに)傾けて配置されているが、両者を平行な配置としても良い。
上記マルチスリット12、第1格子14、第2格子15は、例えば下記のように構成することができる。
X線源11の焦点径;300(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルター:アルミ1.6(mm)
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 : 240(mm)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1110(mm)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1370(mm)
マルチスリット12のサイズ:10(mm四方)、スリット周期:22.8(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.3(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
マルチスリット12、第1格子14、第2格子15において、スリットが形成された領域(例えば、図2の点線に囲まれた領域)を格子構造部と呼ぶ。
X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取る。
X線検出器16の画素サイズは10〜300(μm)であり、さらに好ましくは50〜200(μm)である。
X線検出器16は第2格子15に当接するように保持部17に位置を固定することが好ましい。第2格子15とX線検出器16間の距離が大きくなるほど、X線検出器16により得られるモアレ縞画像がボケるからである。
X線検出器16としては、FPD(Flat Panel Detector)を用いることができる。FPDには、検出されたX線を光電変換素子を介して電気信号に変換する間接変換型、検出されたX線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
間接変換型は、CsIやGdS等のシンチレータプレートの下に、光電変換素子がTFT(薄膜トランジスタ)とともに2次元状に配置されて各画素を構成する。X線検出器16に入射したX線がシンチレータプレートに吸収されると、シンチレータプレートが発光する。この発光した光により、各光電変換素子に電荷が蓄積され、蓄積された電荷は画像信号として読み出される。
直接変換型は、アモルファスセレンの熱蒸着により、100〜1000(μm)の膜圧のアモルファスセレン膜がガラス上に形成され、2次元状に配置されたTFTのアレイ上にアモルファスセレン膜と電極が蒸着される。アモルファスセレン膜がX線を吸収するとき、電子正孔対の形で物質内に電圧が遊離され、電極間の電圧信号がTFTにより読み取られる。
なお、CCD(Charge Coupled Device)、X線カメラ等の撮影手段をX線検出器16として用いてもよい。
本体部18は、図3に示すように、制御部181、操作部182、表示部183、通信部184、記憶部185等を備えて構成されている。
制御部181は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部185に記憶されているプログラムとの協働により、各種処
理を実行する。制御部181は、X線源11、駆動部12a、駆動部18a、X線検出器16等の各部に接続されており、例えば、コントローラー5から入力される撮影条件の設定情報に従って、X線源11からのX線照射のタイミングやX線照射条件、X線検出器16による画像信号の読取タイミング、マルチスリット12の移動等を制御する。
操作部182は、曝射スイッチ等を備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部181に出力する。
表示部183は制御部181の表示制御に従って、ディスプレイに操作画面やX線撮影装置1の動作状況等を表示する。
通信部184は通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のコントローラー5と通信する。例えば、通信部184はX線検出器16によって読み取られ、記憶部185に記憶されたモアレ縞画像をコントローラー5に送信する。
記憶部185は、制御部181により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。また、記憶部185はX線検出器16によって得られたモアレ縞画像を記憶する。
コントローラー5は、オペレーターによる操作に従ってX線撮影装置1の撮影動作を制御する。また、コントローラー5は、X線撮影装置1により得られた一連のモアレ縞画像を用いて被写体の再構成画像を生成し、生成した再構成画像に各種後処理を施して表示する。
コントローラー5は、図4に示すように、制御部51、操作部52、表示部53、通信部54、記憶部55を備えて構成されている。
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により、後述する画像生成表示処理をはじめとする各種処理を実行する。制御部51は、再構成画像生成手段、検出手段、マスク画像生成手段、画像処理手段として機能する。
操作部52は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部51に出力する。表示部53のディスプレイと一体に構成されたタッチパネルを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部51に出力する構成としてもよい。
表示部53は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部51の表示制御に従って、操作画面、生成された再構成画像等を表示する。
通信部54は、通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のX線撮影装置1やX線検出器16と有線又は無線により通信する。例えば、通信部54は、X線撮影装置1に撮影条件や制御信号を送信したり、X線撮影装置1又はX線検出器16からモアレ縞画像を受信したりする。
記憶部55は、制御部51により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。例えば、記憶部55は、図示しないRIS(Radiology Information System)やHIS(Hospital Information System)等により予約された撮影の情報で
ある撮影オーダー情報を記憶している。撮影オーダー情報は、患者ID及び患者名等の患者情報、撮影部位(被写体部位)情報等を含む。
また、記憶部55は、被写体部位と、その被写体部位の撮影に適した撮影条件とを対応付けた撮影条件テーブルを記憶している。
また、記憶部55は、撮影オーダー情報に基づいてX線撮影装置1で取得されたモアレ縞画像、モアレ縞画像に基づき生成された再構成画像等を当該撮影オーダー情報に対応付けて記憶する。
また、記憶部55は、X線検出器16に対応するゲイン補正データ、欠陥画素マップ等を予め記憶する。欠陥画素マップは、X線検出器16の欠陥画素(画素がないものも含む)の位置情報(座標)である。
<X線撮影システムの動作>
ここで、上記X線撮影装置1のタルボ・ロー干渉計によるX線撮影方法を説明する。
図5に示すように、X線源11から照射されたX線が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像といい、自己像が形成される現象をタルボ効果という。自己像を結ぶ位置に第2格子15が自己像と概ね平行に配置され、第2格子15を透過したX線によりモアレ縞画像(図5においてMで示す)が得られる。即ち、第1格子14は、周期パターンを形成し、第2格子15は周期パターンをモアレ縞に変換する。X線源11と第1格子14間に被写体(図5においてHで示す)が存在すると、被写体によってX線の位相がずれるため、図5に示すようにモアレ縞画像上のモアレ縞は被写体の辺縁を境界に乱れる。このモアレ縞の乱れを、モアレ縞画像を処理することによって検出し、被写体像を画像化することができる。これがタルボ干渉計の原理である。
X線撮影装置1では、X線源11と第1格子14との間のX線源11に近い位置に、マルチスリット12が配置され、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影が行われる。タルボ干渉計はX線源11が理想的な点線源であることを前提としているが、実際の撮影にはある程度焦点径が大きい焦点が用いられるため、マルチスリット12によってあたかも点線源が複数連なってX線が照射されているかのように多光源化する。これがタルボ・ロー干渉計によるX線撮影法であり、焦点径がある程度大きい場合にも、タルボ干渉計と同様のタルボ効果を得ることができる。
本実施形態におけるX線撮影システムでは、コントローラー5において操作部52の操作により撮影オーダー情報が選択されると、選択された撮影オーダー情報の被写体部位に対応する撮影条件が読み出されてX線撮影装置1に設定され、撮影制御処理が実行されてX線撮影が行われる。X線撮影により得られたモアレ縞画像は、コントローラー5に送信され、モアレ縞画像に基づいて再構成画像が生成される。
図6は、X線撮影装置1の制御部181により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。図6を参照して撮影制御処理の流れについて説明する。
まず、オペレーターにより操作部182の曝射スイッチが操作されると(ステップS1;YES)、制御部181は、X線源11、X線検出器16、駆動部12aを制御して複数ステップの一連の撮影を実行し、モアレ縞の位相が異なる一連のモアレ縞画像を取得する(ステップS2)。
一連の撮影では、まず、マルチスリット12が停止した状態でX線源11によるX線の照射が開始される。X線検出器16では前回の撮影により残存する不要な電荷を取り除くリセット後、X線照射のタイミングに合わせて電荷が蓄積され、X線の照射停止のタイミングに合わせて蓄積された電荷が画像信号として読み取られる。これが1ステップ分の撮影である。1ステップ分の撮影が終了するタイミングでマルチスリット12の移動が開始され、所定量移動すると停止され、次のステップの撮影が行われる。このようにして、マルチスリット12の移動と停止が所定のステップ数分だけ繰り返され、マルチスリット12が停止したときにX線の照射と画像信号の読み取りが行われる。マルチスリット12がスリット周期1周期分移動した撮影が終了したときに、1枚の再構成画像を生成するのに必要な、モアレ縞の位相が異なる複数のモアレ縞画像を取得するための一連の撮影が終了する。
一連の撮影におけるステップ数は2〜20、さらに好ましくは3〜10である。視認性の高い再構成画像を短時間で得るという観点からすれば、5ステップが好ましい(参照文献1:K.Hibino, B.F.Oreb and D.I.Farrant, Phase shifting for nonsinusoidal wave forms with phase-shift errors, J.Opt.Soc.Am.A, Vol.12, 761-768(1995)、参照文献2:A.Momose, W.Yashiro, Y. Takeda, Y.Suzuki and T.Hattori, Phase Tomography by X-ray Talbot Interferometetry for biological imaging, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.45,5254-5262(2006))。ここでは、5ステップの撮影を行うこととして説明する。
例えば、マルチスリット12のスリット周期を22.8(μm)とし、5ステップの撮影を10秒で行うとする。マルチスリット12がそのスリット周期の1/5に該当する4.56(μm)移動し停止する毎に撮影が行われる。撮影時間でいえば曝射スイッチON後、2、4、6、8、10秒後にそれぞれ撮影が行われる。理想的な送り精度によりマルチスリット12を一定の送り量で移動できた場合、図7に示すように、5ステップの撮影で、マルチスリット12のスリット周期1周期分のモアレ縞画像5枚が得られる。
一連の各ステップの撮影が終了すると、制御部181は、通信部184によりコントローラー5に、各ステップのモアレ縞画像を送信させる(ステップS3)。通信部184からコントローラー5に対しては各ステップの撮影が終了する毎に1枚ずつ送信することとしてもよいし、各ステップの撮影が終了し、全てのモアレ縞画像が得られた後、まとめて送信することとしてもよい。
なお、本実施形態においては、被写体台13に被写体を載置したX線撮影(被写体有りでのX線撮影)と被写体台13に被写体を載置しないX線撮影(被写体無しでのX線撮影)が行われ、被写体有りの一連のモアレ縞画像及び被写体無しの一連のモアレ縞画像が生成される。モアレ縞画像のうち、被写体有りのモアレ縞画像を被写体モアレ縞画像と呼び、被写体無しのモアレ縞画像をBGモアレ縞画像と呼ぶ。
また、被写体モアレ縞画像、BGモアレ縞画像、これらのモアレ縞画像に基づいて生成される画像(再構成画像、位相画像、合成画像等)の領域のうち、照射野外領域等の、被写体信号を画像化するのに十分なX線が到達していない領域をX線強度不足領域と呼ぶ。また、図8に示すように、上述の画像の領域のうち、X線がマルチスリット12、第1格子14、第2格子15の全ての格子の格子構造部を透過した領域を格子内領域と呼び(図8のR1)、上述の画像の領域のうち、格子内領域以外の領域(X線が全ての格子の格子構造部を透過していない領域)を格子外領域と呼ぶ(図8のR2)。図8に示す各格子においてドット模様で示す領域が格子構造部である。
なお、X線強度不足領域において十分なX線がX線検出器16に到達しない理由としては、X線の照射範囲がX線検出器16の検出範囲よりも狭いことや、不要なX線を抑制するため照射野絞りを使用していること、また装置の一部が照射野内に映り込みX線を遮蔽していることなどが挙げられる。
コントローラー5においては、通信部54により本体部18からの一連の被写体モアレ縞画像及びBGモアレ縞画像が受信されると、制御部51は、画像生成表示処理(画像生成表示処理A)を実行し、受信した一連の被写体モアレ縞画像及びBGモアレ縞画像に基づいて微分位相画像、小角散乱画像等の再構成画像を生成し、表示する。
図9に、コントローラー5の制御部51により実行される画像生成表示処理Aのフローチャートを示す。画像生成表示処理Aは、操作部52の操作に応じて制御部51と記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部51は、通信部54により受信したBGモアレ縞画像の特性値に基づいて、ノイズ領域を検出し、検出されたノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成する(ステップS11)。
格子を用いた位相コントラスト法では、上述のX線強度不足領域及び格子外領域にはモアレ縞が形成されず、微分位相画像と小角散乱画像において、演算上、光量子誤差やX線検出器16の誤差などが増幅されて画素信号値が大きくばらつき、ごま塩状ノイズが発生する(図21(a)、(b)参照)。そこで、このようなごま塩状ノイズ領域が画像中のどこにあるかを識別するためのマスク画像を生成するため、まず、ステップS11においては、BGモアレ縞画像の特性値を用いて、微分位相画像及び小角散乱画像においてごま塩状ノイズ領域となる、X線強度不足領域及び格子外領域のノイズ領域を検出する処理を行う。
なお、X線強度不足領域及び格子外領域のノイズは、被写体に関係なくX線撮影システムに起因して発生するノイズであり、システム起因のノイズと呼ぶ。
ここで、モアレ縞画像の特性値について説明する。モアレ縞画像の特性値には、モアレ縞画像の特徴を表す平均強度(X線の平均強度)a0、振幅a1、位相Φ、鮮明度vis、及びこれらの特性値から算出されるノイズ指標(詳細後述)が含まれる。
図10に、上述の撮影制御処理で取得されたモアレ縞画像の任意の1画素の画素信号値(X線強度信号値)をプロットしたグラフの一例を示す。図10は、5ステップでスリット1周期分のモアレ縞画像を取得した場合のグラフである。図10に示すように、モアレ縞画像の任意の1画素に注目すると、X線強度を表す画素信号値はほぼsin関数的に変化する。このsin関数は、平均強度(X線の平均強度)a0、振幅a1、位相Φのパラメーターにより特徴づけられる。なお、例えば数式や図において被写体モアレ縞画像とBGモアレ縞画像の双方のパラメーターが使用される場合等、両者を区別して示す必要がある場合は、被写体モアレ縞画像に係るパラメーターについては添え字sを、BGモアレ縞画像
に係るパラメーターについては添え字rを付す。その画像自体のパラメーターを表す場合には、特に添え字は付さない。
モアレ縞画像の各画素の平均強度a0(x,y)、振幅a1(x,y)、位相Φ(x,y)は、それぞれ(式1)〜(式3)により与えられる。ここで、IはX線強度信号値、x,yはモアレ縞画像の2次元座標を表す。Mは縞走査回数である。
また、モアレ縞画像の各画素の鮮明度vis(x,y)は、(式4)により定義される。
微分位相画像は、被写体の屈折率差を画像化したものであり、微分位相画像の各画素の信号値DPh(x,y)は、被写体モアレ縞画像における各画素のX線強度信号値Is(x,y)とBGモアレ縞画像における各画素のX線強度信号値Ir(x,y)を用いて以下の(式5)で定義する。Φs(x,y)は被写体モアレ縞画像の各画素における位相、Φr(x,y)はBGモアレ縞画像の各画素における位相である。(式5)は、被写体の屈折率差や被写体によるX線波面の傾き角を表すものではなく、それらに比例したモアレ縞の位相変化量である。モアレ縞の位相変化量とすることで、信号範囲は−0.5〜0.5で固定され、データとして扱いやすいメリットがある。被写体の物理量に応じた値、例えばX線波面の傾き角が必要な場合は(式5)に1/(2πζ)をかけたものを用いても良い。ここでζはX線エネルギーや格子周期、被写体位置などによって決まる係数である。
小角散乱画像の各画素の信号値V(x,y)は、被写体モアレ縞画像の各画素のX線強度信号値Is(x,y)とBGモアレ縞画像の各画素のX線強度信号値Ir(x,y)を用いて以下の(式6)で定義する。viss(x,y)は被写体モアレ縞画像の各画素の鮮明度、visr(x,y)はBGモアレ縞画像の各画素の鮮明度である。(式6)は被写体の線散乱係数をX線の照射方向に積分した値に比例するものではなく、鮮明度の比率(Visibilityコントラスト)で代用したものである。鮮明度の比率とすることで、信号範囲は0〜1で固定できるため、データとして扱いやすいメリットがある。被写体の線散乱係数の積分に比例した値が必要な場合は、-ln(V(x,y))を用いても良い。
同一のモアレ縞画像から従来のX線吸収画像に相当する吸収コントラスト画像(以下、吸収画像と呼ぶ)も計算可能である。吸収コントラスト画像の各画素の信号値T(x,y)は、被写体モアレ縞画像の各画素のX線強度信号値Is(x,y)とBGモアレ縞画像の各画素のX
線強度信号値Ir(x,y)を用いて以下の(式7)で定義する。a0s(x,y)は被写体モアレ縞画像の各画素の平均強度、a0r(x,y)はBGモアレ縞画像の各画素の平均強度である。(式7)は被写体の線吸収係数をX線の照射方向に積分した値に比例するものではなく、透過率で代用したものである。透過率とすることで信号範囲は0〜1で固定されるため、データとして扱いやすいメリットがある。被写体の線吸収数の積分に比例した値が必要であれば、-ln(T(x,y)) を用いても良い。
ここで、微分位相画像と小角散乱画像のノイズについて解説する。
X線の光量子ノイズによるモアレ縞画像の各画素のX線強度信号値の誤差σI(x,y)を以下の(式8)で定義する。以降、本明細書においてσは標準偏差を意味し、上線(オーバーライン)は平均を意味する。Iはモアレ縞画像のX線強度信号値、αはX線検出器16の感度に関わる係数(以降、感度係数と呼ぶ)であり、X線フォトンを検出器信号に変換する係数である。感度係数はX線エネルギーに依存する。
誤差の伝搬則から、X線の光量子ノイズによるモアレ縞画像の各画素の位相誤差σΦ(x,y)は、以下の(式9)により定義できる。
同様に誤差の伝搬則から、X線の光量子ノイズによるモアレ縞画像の各画素の鮮明度の相対誤差は、以下の(式10)により定義できる。ここで、σvis(x,y)は、鮮明度の絶対誤差であり、鮮明度の相対誤差は、鮮明度の絶対誤差を鮮明度の値(平均)で割ったものである。
(式9)、(式10)より、位相誤差σΦ(x,y)および鮮明度の相対誤差は、平均強度a0(x,y)が小さくなるにつれて、また、鮮明度vis(x,y)が小さくなるにつれて誤差が大きくなることがわかる。そのため、鮮明度vis(x,y)と平均強度a0(x,y)のどちらかが小さけれ
ば、ノイズが強いことが言える。また、鮮明度vis(x,y)は振幅a1(x,y)と平均強度a0(x,y)の比であるため、振幅a1(x,y)と平均強度a0(x,y)を用いてノイズを計算することも可能である。
また、モアレ縞画像の各画素の平均強度の相対誤差は、以下の(式11)により定義できる。ここで、σa0(x,y)は、平均強度の絶対誤差であり、平均強度の相対誤差は平均強度の絶対誤差を平均強度の値(平均)で割ったものである。
以上の関係式から、鮮明度の相対誤差は、以下の(式12)のように位相誤差σΦ(x,y)と平均強度の相対誤差の二乗平均平方根の形で表すことができ、位相誤差σΦ(x,y)と平均強度の相対誤差の特性を併せ持つことがわかる。また、位相Φ(x,y)で強いノイズが発
生している画素は、鮮明度vis(x,y)でも強いノイズが発生することが言える。
また、位相誤差σΦ(x,y)と平均強度の相対誤差は以下の(式13)関係を持つ。
理論上、鮮明度の最大値は1であるが、実際は理想的な格子を製作することが困難であり、X線の可干渉性を高くすることにも限界がある。そのため放射光施設などを用いる特殊な装置(システム)を除き、鮮明度vis(x,y)は1よりも小さく、経験上0.1〜0.7程度が実際に運用できる範囲と推定される。鮮明度vis(x,y)を0.1〜0.7と仮定すると、鮮明度の相対誤差に与える位相誤差σΦ(x,y)の影響の強さは、平均強度の相対誤差
の4〜200倍となる。つまり、鮮明度の相対誤差は位相誤差σΦ(x,y)の影響を強く受けるため、簡易的に位相のノイズ領域と鮮明度のノイズ領域を同じものとして扱うことも可能である。
微分位相画像および小角散乱画像におけるシステム起因のノイズ領域は、これまで説明してきた各種の誤差をはじめとするノイズ指標を用いて検出することが可能である。ノイズ指標とは、上述のモアレ縞画像の誤差計算式、及び後述する再構成画像の誤差計算式等を用いて求めたノイズ量を評価するための指標である。具体的には、上述の位相誤差、鮮明度の相対誤差または絶対誤差、平均強度の相対誤差や絶対誤差、および後述する、微分位相の誤差、小角散乱の相対誤差や絶対誤差、吸収の相対誤差や絶対誤差に関する計算式、およびそれら計算式において感度係数αを用いない(αに1を代入)簡略化した計算式、およびそれら計算式と比例関係をもつ計算式を用いて求めたノイズ量が含まれる。
[BGモアレ縞画像の位相ノイズ指標を用いたノイズ領域検出]
図9のステップS11の具体例として、図11を参照して、BGモアレ縞画像の各画素の位相のノイズ指標を使用してノイズ領域を検出し、マスク画像を生成する例について説明する。図11に示す画像は、実際のBGモアレ縞画像に対して実際に処理を施すことにより得られた画像である。
まず、(式9)により、BGモアレ縞画像の画素毎に位相誤差σΦ(x,y)を算出する。その際、a0(x,y)およびvis(x,y)の平均値を求める必要があるため、周辺画素を使用して平均値を求めれば良い。周辺画素との平均によってノイズの検出領域がぼやけるような効果が与えられるが、本処理の目的は画素単位の欠陥を検出するものでは無く、ある大きさを持つ領域を検出することであるため問題とはならない。逆に平均化しても本来検出されるべきノイズ画素を正常の画素として誤判定したり、画像の有効領域の内側に画素単位の細かい欠陥を検出することがある。そのためマスク画像を生成した後、膨張収縮処理などを用いて、孤立点の除去や穴埋め処理を施すことが好ましい。X線検出器16の感度係数αは、装置固有のパラメーターとして撮影条件毎に実験的に求めることが可能であるが、αを使用しない簡略化したノイズ指標(α=1)を使用しても良い。ただし簡略化したノイズ指標ではノイズの絶対値を求めることができないため、ノイズに比例した相対的な指標として扱う必要がある。
BGモアレ縞画像の画素毎に位相誤差σΦ(x,y)を求めた後、予め定められた閾値よりも位相誤差σΦ(x,y)の値が大きい画素(ノイズ画素)を検出し、ノイズ画素を識別するためのマスク画像を生成する。マスク画像とは、ノイズ画素に0、ノイズ画素以外(正常画素)に1のように異なる値を設定し、ノイズ画素と正常画素を識別可能にした画像である。図11に示すマスク画像においては、黒で示した領域がノイズ領域である。検出の判定基準である閾値は、固定閾値を用いて良いし、ヒストグラムのクラス間分散などを利用した可変閾値を用いても良い。固定閾値の場合は、装置出荷時やメンテナンス時に、曝射条件毎(管電圧、管電流、mAs値、付加フィルターなど)に設定する。
ここでは位相のノイズ指標を使用した例に示したが、前述したとおり、位相のノイズと鮮明度のノイズは相関があり、どちらを使用してもほぼ同じようにノイズ領域を検出可能である。そのため位相のノイズ指標の代わりに鮮明度の相対ノイズ指標を用いても良い。また鮮明度の相対ノイズ指標の代わりに絶対誤差のノイズ指標(σvis)を用いても良い
図12(a)、(b)は、BGモアレ縞画像(図12(a)参照)において検出されたノイズ領域とこのBGモアレ縞画像及び被写体モアレ縞画像に基づいて再構成された微分位相画像(図12(b)参照)のごま塩状ノイズ領域との関係を示す図である。図12(a)、(b)における点線は、上述のステップS11の処理において検出されたノイズ領域とそれ以外の非ノイズ領域の境界の位置を表している。図12(a)、(b)に示すように、ステップS11で検出されたノイズ領域は、BGモアレ縞画像におけるX線強度不足領域及び/又は格子外領域と略一致していることがわかる。また、このノイズ領域は、微分位相画像におけるごま塩状ノイズ領域に略一致していることがわかる。図示していないが、小角散乱画像においても同様である。BGモアレ縞画像の代わりに被写体モアレ縞画像を用いた場合も同様である。即ち、上記ステップS11等の本明細書で説明しているノイズ検出により、微分位相画像、小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を精度よく検出し、その領域をマスクするためのマスク画像を生成することができる。
なお、図12(a)に示すBGモアレ縞画像において、非ノイズ領域(点線で囲まれた領域)の左上に、X線強度が十分な格子外領域と同じように視認される領域があるが、この部分は格子内領域である。この領域は、格子の出来が中央部より悪く、鮮明度が低くなっているが、ステップS11においては画像化可能な領域と判断された領域である。
図9に示すフローチャートにおいては、撮影毎にノイズ領域の検出及びマスク画像の生成を行う場合を示しているが、システム起因のノイズ領域が変化しない装置の場合、装置出荷時や装置メンテナンス時にノイズ領域を検出してマスク画像を生成し、記憶部55に記憶しておくことが好ましい。予めマスク画像を生成しておけば、ステップS11の処理を省略することができるため、処理時間を短縮できるからである。システム起因のノイズ領域が変化する場合は、センサーなどでノイズ領域に係る構成(例えば、照射野絞りの位置や、格子とX線またはX線検出器16の相対的な位置関係等)の変化を検出し、その都度ノイズ領域を再検出しても良いし、図9に示すように単純に被写体撮影毎(再構成画像を計算する毎)にノイズ領域を検出しても良い。
例えば、可動式の照射野絞りを使用している場合、撮影毎にX線強度不足領域が変わる可能性があるため、その都度ノイズ領域を検出する必要がある。格子外領域は、装置毎にほぼ固定できるものであるが、部品交換や部品の劣化など、格子とX線またはX線検出器16の相対的な位置関係が変わった場合にノイズ領域を再検出する必要がある。
[BGモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を用いたノイズ領域検出]
システム起因のノイズが発生する原因は、上述のように、検出器にX線が十分に到達していないか、X線が全ての格子の格子構造部を透過しないことである。つまり、BGモアレ縞画像の鮮明度visと平均強度a0から、簡易的にシステム起因のノイズ領域を検出する
ことが可能である。より正確にノイズ領域を求めるには上述の位相のノイズ指標または鮮明度のノイズ指標を用いることが好ましいが、簡易的な本手法を用いても十分な検出効果が期待できる。
図13を参照して、BGモアレ縞画像の各画素の鮮明度vis(x,y)と平均強度a0(x,y)を使用してノイズ領域を検出し、マスク画像を生成する処理について説明する。図13に示す各処理工程の画像は、BGモアレ縞画像に対して実際に処理を施すことにより得られた画像である。
まず、(式4)により、BGモアレ縞画像の画素毎に鮮明度vis(x,y)を算出する。次いで、求めた鮮明度vis(x,y)を予め定められた閾値を用いて二値化して低鮮明度の領域を検出する。図13に示す二値化画像おいては、黒で示す領域が予め定められた閾値よりも鮮明度が低い低鮮明度領域である。
また、(式1)により、BGモアレ縞画像の画素毎に平均強度a0(x,y)を算出する。次いで、求めた平均強度a0(x,y)を予め定められた閾値を用いて二値化して低強度の領域を検出する。図13に示す二値化画像においては、黒で示す領域が予め定められた閾値よりも平均強度が低い低強度領域である。
そして、低鮮明度の領域と低強度領域の論理和をとることにより低鮮明度の領域及び/又は低強度領域に該当する領域をノイズ領域として検出し、検出されたノイズ領域を識別するマスク画像を生成する。図13のマスク画像において、黒で示す領域がノイズ領域である。
なお、閾値の設定やマスク画像の生成方法は、位相のノイズ指標を用いた手法で説明したものと同様である。
図11に示すマスク画像と図13に示すマスク画像からわかるように、実際の処理結果では画素単位の違いは有るものの、平均強度a0及び鮮明度visを用いた簡易的な手法であ
っても略正しくノイズ領域を検出可能である。平均強度a0および鮮明度visは、微分位相
画像や小角散乱画像を計算する過程で計算されるものであり、新たに計算する必要がないため、ノイズ指標を計算するよりも処理を軽くすることができる。鮮明度visおよび平均強度a0は光量子ノイズ等により値がばらつくため、マスク画像に対して、膨張収縮処理などを用いて孤立点の除去や穴埋め処理を施すことが好ましい。
[BGモアレ縞画像の振幅を用いたノイズ領域検出]
システム起因のノイズ領域は、BGモアレ縞画像の振幅a1のみを用いても検出可能である。厳密に言えば、微分位相のノイズと小角散乱のノイズ(後述する(式14)、(式15)参照)は、振幅a1と平均強度a0に関連するが、平均強度a0よりも振幅a1に強い影響を受けるため、振幅a1のみで簡易的にノイズ領域を検出することが可能であると推測される。そこで、BGモアレ縞画像の振幅a1のみを用いてもシステム起因のノイズ領域を十分検出可能であることを実験的に確認した。
図14(a)に、BGモアレ縞の位相誤差σΦを用いて生成したマスク画像、図14(b)に、鮮明度の相対誤差を用いて生成したマスク画像、図14(c)に、振幅a1のみを用いて生成したマスク画像を示す。図14(a)〜(c)に示すマスク画像は、固定閾値を用いて二値化した後、膨張収縮処理などを用いて、孤立点の除去や穴埋め処理を施したものである。黒領域がノイズ領域である。[表1]に、図14(a)〜(c)で用いた二値化の条件およびノイズ領域として検出された画素数を示す。図14(a)〜(c)に示したマスク画像を見ると3種類の検出方法全てで同じようにシステム起因のノイズ領域が検出されていることがわかる。また、[表1]に記載されているノイズ画素数を見ても、検出方法違いによる差異は多くて数百画素である。これは、ノイズ領域の境界が数十画素に一度、外に1画素膨らんだり、内側に1画素入り込んだりする程度の影響であり、大まかにノイズ領域を検出する目的であれば、振幅a1のみでも十分実用可能であると言える。
振幅a1は、微分位相画像や小角散乱画像を計算する過程で計算されるものであり、新たに計算する必要がなく、さらに平均強度a0と鮮明度visを用いるよりも判断基準を2つか
ら1つに減らすことができるため、上述の3つの手法の中で最も処理が速い。振幅a1を用いたノイズ検出方法はそれほど精度が必要でなく、頻繁に行われるような処理に適していると言える。
振幅a1を用いたノイズ検出の具体的な処理としては、BGモアレ縞画像の各画素の振幅a1(x,y)を算出し、求めた振幅a1(x,y)を予め定められた閾値を用いて二値化して、閾値より振幅a1(x,y)が小さい領域をノイズ領域として検出する。そして、検出されたノイズ領
域を識別するマスク画像を生成する。
なお、閾値の設定やマスク画像の生成方法は、位相のノイズ指標を用いた手法で説明したものと同様である。
図9に戻り、マスク画像の生成が終了すると、制御部51は、被写体モアレ縞画像及びBGモアレ縞画像に基づいて、微分位相画像、小角散乱画像、吸収画像の3種類の再構成画像を生成する(ステップS12)。
微分位相画像は、各画素に上述の(式5)による計算を行うことにより生成することができる。小角散乱画像は、各画素に上述の(式6)による計算を行うことにより生成することができる。吸収画像は、各画素に上述の(式7)による計算を行うことにより生成することができる。なお、ここでは3種類の再構成画像を生成することとして説明するが、例えば、ユーザーにより選択された種類の再構成画像等、必要な再構成画像のみを生成することとしてもよい。
次いで、制御部51は、生成された再構成画像にマスク画像を用いてマスク処理又はノイズ領域の切り出し処理を施す(ステップS13)。
マスク処理は、ノイズ領域が見えないようにするために、ノイズ領域の画素の信号値を同じ値に置き換える処理である。例えば、微分位相画像、又は小角散乱画像の各画素の信号値に対して、マスク画像の対応する画素の値を掛け合わせてマスク処理を施す。または、微分位相画像、小角散乱画像のノイズ画素に判定された画素に、画像毎に設定された所定の値を埋め込んでマスク処理しても良い。画像毎の所定値は被写体信号の値と区別がつきやすいものが好ましい。例えば、微分位相画像の場合、信号値の最大値、最小値である±0.5や、中心値である0などに設定する。小角散乱画像の場合、信号値の最大値である1や、最小値である0、中心値である0.5などに設定する。またデータの有効範囲外である値、例えば−1や2などを埋め込むことで、被写体信号と明確に識別できるようにしても良い。
図15、図16に、微分位相画像と小角散乱画像に対して同じマスク画像を用いてマスク処理を施した例を示す。図15は微分位相画像にマスク処理を施したもの、図16は小角散乱画像にマスク処理を施したものである。図15、図16では、ノイズ領域を黒で塗りつぶすマスク処理を施しているが、白や灰色などの他の濃度にしても良いし、異なる色を設定しても良い。
また、モアレ縞画像に対しても同様の手法によりマスク処理を施すこととしても良い。再構成画像を計算する前のモアレ縞画像に対してマスク処理を施すことで、再構成画像計算時に、不要な画素の計算を減らすことができる。またモアレ縞画像を記憶部55に保存する必要がある場合、後述する切り出し処理を施したモアレ縞を保存すれば、データ量を少なくすることができる。
また同一のモアレ縞画像から計算された吸収画像に対して、同じマスク画像を用いてマスク処理を施しても良い。
マスク処理を施す代わりに、ノイズ領域が少なくなるように画像を切り出しても良い。図17に、微分位相画像に対して切り出し処理を施した例を示す。切り出し領域の設定は、全てのノイズ画素を含まないように切り出しても良いし、図17に示すように、画像サイズとそれに含まれるノイズ画素の関係から最適な画像サイズを決定しても良い。例えば、画像サイズとノイズ画素数を用いた評価関数を用いて画像サイズを計算する方法がある。
評価関数を用いて最適な画像サイズを決定する方法としては、例えば、画像の切り出し形状を矩形として、評価関数f=(xe-xs)(ye-ys)−w*npmが最大となるようにxe,xs,ye,ysを設定すれば良い。ここで、xsは画像横方向の切り出し開始位置、xeは画像横方向の切り出し終了位置、ysは画像縦方向の切り出し開始位置、yeは画像横方向の切り出し終了位置である。またxe-xsは画像横方向の切り出し画素数、ye-ysは画像縦方向の切り出し画素数、(xe-xs)*(ye-ys)は切り出し画像の画素数に相当する。npはノイズ領域の画素数、wはノイズ画素数の重み係数、mノイズ画素数の指数である。ただしxs<xe、ys<ye、m>1、w>0とす
る。重み係数wと指数mを変えることで、画像サイズの大きさとノイズ画素数のどちらを重視するか調整可能である。上記例で示した評価関数fは、ノイズ領域の画素数npを用いて
いるが、ノイズ指標を用いて切り出し画像内のノイズ量の総和または二乗平均平方根を用いても良い。
図9に戻り、マスク処理又は切り出し処理が終了すると、制御部51は、マスク処理又は切り出し処理済みの再構成画像に各種後処理を施す(ステップS14)。
マスク処理または切り出し処理を施した処理済み画像を用いて、補正処理や画像処理、合成処理などの後処理を行うと、不要なノイズ領域を処理対象から外すことができるため、マスク処理していない画像に対して後処理する場合に比べて処理の安定性が向上し、処理速度も向上する。後処理としては様々な処理が考えられるが、例えば、微分位相画像の補正処理としては、特開2012−170618号公報に記載のように、被写体モアレ縞画像とBGモアレ縞画像の撮影間で格子の相対位置関係が変化したことに起因する信号ムラを補正する処理がある。また、WO2012/029048号に記載のように、微分位相画像を積分した位相画像を生成する処理や、WO2013/187150号に記載のように、微分位相画像と吸収画像を微分した微分吸収画像に重みをかけて差分する、または微分位相画像を積分した位相画像と吸収画像に重みをかけて差分することで、骨や金属などを除去した画像を生成する処理、特許第5059107号公報に記載のように、3種類の再構成画像(微分位相画像、小角散乱画像、吸収画像)のうち2種類以上の画像を合成する処理等がある。他にも格子や被写体によるビームハードニングの補正や、一般的な画像処理である粒状抑制処理、鮮鋭化処理、周波数処理、画像の階調変換処理などが挙げられる。
後処理が終了すると、制御部51は、後処理済み画像を表示部53に表示し(ステップS15)、画像生成表示処理Aを終了する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、BGモアレ縞画像の特性値に基づいてシステム起因のノイズ領域を検出する場合を例にとり説明したが、第2の実施形態においては、被写体モアレ縞画像の特性値に基づいてシステム起因及び被写体起因のノイズ領域を検出する例について説明する。
なお、第2の実施形態におけるX線撮影システムの構成及び撮影制御処理については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
実際の撮影では、被写体撮影時に、被写体の被曝線量を低減するため、被写体にX線の防護掛布を掛けたり照射野絞り等で照射野をBGモアレ縞画像撮影時よりも狭めたりすることがある。このような場合、微分位相画像や小角散乱画像では、防護掛布や照射野絞り等でX線の強度が不十分となった領域にごま塩状ノイズが発生するが、BGモアレ縞画像からではその領域を推定することは不可能である。また、BGモアレ縞画像からでは被写体自身の吸収や散乱によるノイズを検出することも不可能である。このように、被写体自身の吸収や散乱によるノイズに加えて、被写体撮影時にBGモアレ縞画像の撮影時よりもX線照射範囲が狭められたことによるノイズ、X線の防護掛布等の被曝低減用の部品を使用したことによるノイズは、被写体の撮影によって生じるノイズであり、被写体起因のノイズとして定義する。
そこで、第2の実施形態においては、ノイズ領域の検出に、被写体モアレ縞画像の特性値を用いる。被写体モアレ縞画像は、格子(マルチスリット12、第1格子14及び第2格子15)と被写体を透過したX線をX線検出器16で読み取ったものであり、格子外領域とX線強度不足領域によるシステム起因のノイズと被写体起因のノイズの影響を受けるため、被写体モアレ縞の特性値を用いれば、システム起因と被写体起因の両方によるノイズ領域を一度に検出することが可能である。
図18に、第2の実施形態においてコントローラー5において実行される画像生成表示処理(画像生成表示処理B)のフローチャートを示す。画像生成表示処理Bは、操作部52の操作に応じて制御部51と記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
画像生成表示処理Bにおいて、制御部51は、まず、通信部54により受信した被写体モアレ縞画像の特性値に基づいてノイズ領域を検出し、検出されたノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成する(ステップS21)。
ステップS21における処理は、図9のステップS11で説明した、BGモアレ縞画像からノイズ領域を検出し、マスク画像を生成する方法とほぼ同じである。即ち、BGモアレ縞画像の代わりに被写体モアレ縞画像を用いるところが異なるだけである。被写体モアレ縞画像の特性値としては、位相のノイズ指標または鮮明度のノイズ指標を用いても良いし、精度よりも計算速度を優先する場合は、平均強度と鮮明度、または振幅を用いても良い。
被写体起因のノイズ領域は撮影毎に変化するため、ノイズ領域を検出するタイミングについては、図18に示すフローチャートのように、被写体撮影毎(再構成画像の計算毎)に行うことが好ましい。
ステップS21においてマスク画像生成後、制御部51は、ステップS22〜S25の処理を実行する。ステップS22〜S25の処理は、第1の実施形態で説明した図9のステップS12〜ステップS15と同様であるので説明を省略する。
ここで、システム起因のノイズ領域と被写体起因のノイズ領域を切り分ける方法を説明する。被写体モアレ縞画像だけでは、システム起因と被写体起因のノイズを切り分けることは困難であるが、BGモアレ縞画像によるノイズ検出を併用すれば可能である。例えば、マスク画像の全画素を0で初期化したのち、BGモアレ縞画像からシステム起因のノイズ領域Aを検出し、領域Aに対応するマスク画像の画素に1を設定する。その後、マスク画像で1に設定されていない画素に対して、被写体モアレ縞画像からノイズ領域B検出し、領域Bに対応するマスク画像の画素に2を設定する。領域Bは領域Aを含まないため、システム起因のノイズ領域が除かれたものであり、被写体起因のノイズ領域のみが残る。これによりシステム起因によるノイズ領域と被写体起因のノイズ領域の識別が可能となる。またマスク画像に設定する値は1や2で有る必要はなく、異なる値を用いても良い。
なお、第1の実施形態で説明したBGモアレ縞画像の特性値を用いて生成されたマスク画像(マスク画像1とする)と、第2の実施形態で説明した被写体モアレ縞画像の特性値を用いて生成されたマスク画像(マスク画像2とする)の双方を用いて再構成画像にマスク処理や切り出し処理を施すこととしてもよい。
上述のように、被写体モアレ縞画像の特性値を用いてノイズ検出を行えば、システム起因のノイズと被写体起因のノイズの双方を検出することができる。しかし、システム起因のノイズと被写体起因のノイズを同じレベルの閾値を用いて検出する場合、被写体信号を誤ってノイズと検出しないようにするために、ノイズであるか否かを判定するための閾値の値が緩く設定されてしまい、システム起因のノイズが精度よく検出できない可能性がある。そこで、例えば、マスク画像1の生成時に用いる閾値とマスク画像2の生成時に用いる閾値を異なるレベルに設定し、生成されたマスク画像1とマスク画像2でノイズと識別されている領域の論理和をとってマスク画像1及び/又はマスク画像2の領域からなるマスク画像3を生成し、マスク画像3を用いて再構成画像にマスク処理又は切り出し処理を施すこととしてもよい。このようにすれば、システム起因のノイズと被写体起因のノイズの双方を精度良く検出することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態においては、BGモアレ縞画像の特性値及び被写体モアレ縞画像の特性値に基づいて再構成画像のノイズ指標を算出し、再構成画像のノイズ指標に基づいてシステム起因及び被写体起因のノイズ領域を検出する例について説明する。
なお、第3の実施形態におけるX線撮影システムの構成及び撮影制御処理については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を省略し、第3の実施形態における画像生成表示処理(画像生成表示処理C)について説明する。
図19に、第3の実施形態においてコントローラー5において実行される画像生成表示処理Cのフローチャートを示す。画像生成表示処理Cは、操作部52の操作に応じて制御部51と記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ここで、微分位相画像、小角散乱画像のノイズ解析については、参照文献3で報告されている(参照文献3:Vincent Revol, Rev. Sci. instrum. 81 093709 (2010))。
X線の光量子ノイズによる、微分位相誤差σDPh(x,y)を、誤差の伝搬則を用いて求めると、以下の(式14)で定義でき、BGモアレ縞画像と被写体モアレ縞画像との鮮明度visr(x,y)、viss(x,y)と平均強度a0r(x,y)、a0s(x,y)を用いて表すことができる。ここで、visr(x,y)はBGモアレ縞画像の鮮明度、viss(x,y)は被写体モアレ縞の鮮明度、a0r(x,y)はBGモアレ縞画像の平均強度、a0s(x,y)は被写体モアレ縞の平均強度である。αrはB
Gモアレ縞撮影時の検出器の感度係数であり、αsは被写体モアレ縞撮影時の検出器の感度係数である。
同様に誤差の伝搬則から、小角散乱の相対誤差は以下の(式15)で定義できる。σV(x,y)は小角散乱の絶対誤差である。
微分位相誤差σDPh、小角散乱の相対誤差及び絶対誤差及びこれらの簡易式や比例式を再構成画像のノイズ指標という。
画像生成表示処理Cにおいて、制御部51は、まず、通信部54により受信したBGモアレ縞画像及び被写体モアレ縞画像に基づいて微分位相のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいてノイズ領域を検出し、検出されたノイズ領域を識別するためのマスク画像M1を生成する(ステップS31)。
具体的には、まず、上記(式14)により、画素毎に微分位相誤差σDPh(x,y)を算出する。その際、a0r(x,y) ,a0s(x,y)およびvisr(x,y),viss(x,y)の平均値を求める必要があるため、周辺画素を使用して平均値を求めれば良い。周辺画素との平均によってノイズの認識領域がぼやけるような効果が与えられるが、本処理の目的は画素単位の欠陥を検出するものでは無く、ある大きさを持つ領域を検出することであるため問題とはならない。逆に平均化しても本来検出されるべきノイズ画素を正常の画素として誤判定したり、画像の有効領域の内側に画素単位の細かい欠陥を検出することがある。そのためマスク画像を生成した後、膨張収縮処理などを用いて、孤立点の除去や穴埋め処理を施すことが好ましい。BGモアレ縞画像撮影時のX線検出器16の感度係数αrは、装置固有のパラメーターとして撮影条件毎に実験的に求めることが可能である。被写体モアレ縞画像撮影時の感度係数αsは、被写体によるX線硬化の影響によって値が変わるため、医療用途のように撮影対象が限定される場合は、被写体と撮影条件毎に求めることが可能であるが、撮影対象を限定できない場合は感度係数を求めることは困難である。そのような場合、感度係数を用いない簡略化したノイズ指標(αr=αs=1)を用いても良い。参照文献3にも記載されているように、感度係数αは被写体によって変化するが、一般的な被写体ではそれほど大きな変化とはならず、αを用いない簡略化したノイズ指標でも、大まかにノイズ領域を検出することは可能である。ただし簡略化したノイズ指標ではノイズの絶対量を求めることができないため、ノイズに比例した相対指標として扱う必要がある。
次いで、各画素の微分位相誤差σDPh(x,y)を予め定められた閾値を用いて二値化してノイズが強い画素(予め定められた閾値よりも微分位相誤差σDPh(x,y)の値が大きい画素:ノイズ画素)を検出し、ノイズ画素を識別するマスク画像M1を生成する。なお、閾値の設定やマスク画像の生成方法は、位相のノイズ指標を用いたノイズ検出で説明したものと同様である。
次いで、制御部51は、BGモアレ縞画像及び被写体モアレ縞画像に基づいて小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)を算出し、算出した小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)に基づいてノイズ領域を検出し、マスク画像M2を生成する(ステップS32)。
具体的には、まず、(式15)を使用して、画素毎に小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)を算出する。a0r(x,y) ,a0s(x,y)およびvisr(x,y),viss(x,y)の平均値を求める方法、および感度係数αr、αsの取り扱いについては、微分位相誤差σDPh(x,y)を使用したノイズ検出で説明したものと同じである。小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)の算出後、各画素の小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)のノイズ指標を予め定められた閾値を用いて二値化してノイズが強い画素(予め定められた閾値よりも小角散乱の相対誤差(又は絶対誤差)が大きい画素:ノイズ画素)を検出し、ノイズ画素を識別するマスク画像M2を生成する。
次いで、制御部51は、被写体モアレ縞画像とBGモアレ縞画像に基づいて再構成画像を生成し(ステップS33)、マスク画像M1、マスク画像M2を用いて各再構成画像にマスク処理又は切り出し処理を施す(ステップS34)。
ステップS33の処理は、図9のステップS12で説明したものと同様である。ステップS34においては、マスク画像M1を用いて微分位相画像にマスク処理又は切り出し処理を施し、マスク画像M2を用いて小角散乱画像にマスク処理又は切り出し処理を施す。吸収画像については、ごま塩状ノイズが発生し難いため、マスク処理または切り出し処理を施さなくてもよいし、上述の何れのマスク画像を用いてもよい。また後述する(式17)を使用して、予め定められた閾値よりも吸収の相対誤差の値が大きい画素を検出した別のマスク画像を用いてもよい。また、第1の実施形態で説明したように、マスク画像M1又はマスク画像M2を用いてモアレ縞画像にマスク処理や切り出し処理を行うこととしてもよい。
ステップS35以降の処理については、図9のステップS14以降の処理と同様であるので説明を省略する。
上記の画像生成表示処理Cで説明したように、微分位相のノイズ指標および小角散乱のノイズ指標を計算し、二つのマスク画像を生成しても良いが、簡易的にどちらか一方のノイズ指標からマスク画像を生成して二つの画像に適用しても良い。小角散乱の相対誤差は、以下の(式16)に示すように、微分位相誤差σDPh(x,y)と吸収の相対誤差の二乗平均平方根で与えられる。ここで、(式17)は、吸収の相対誤差である。
(式16)に示す関係は、(式12)に示したモアレ縞画像の鮮明度誤差と、位相の誤差と平均強度の誤差の関係と同じである。つまり、小角散乱の相対誤差は微分位相誤差の影響を強く受けるため、簡易的に小角散乱のノイズ領域と微分位相のノイズ領域を同じものとして扱うことも可能である。即ち、簡易的にどちらか一方のノイズ指標からマスク画像を生成しても二つの画像に適用しても良く、この場合は、どちらか一方のノイズ指標を計算する必要がなく、処理時間を短縮することが可能である。いずれのノイズ指標を用いたとしても、計算誤差の影響でマスク画像に孤立点や、穴などが存在する可能性が有り、膨張/収縮処理を用いて孤立点の除去や穴埋めを行うことが好ましい。
ノイズ領域を検出するタイミングについては、被写体起因のノイズ領域は撮影毎に変化するため、被写体撮影毎(再構成画像の計算毎)に行うことが好ましい。
システム起因のノイズ領域と被写体起因のノイズ領域を切り分けるには、第2の実施形態で説明したように、マスク画像を初期化し、BGモアレ縞画像から検出したシステム起因のノイズ領域に1を設定した後、システム起因のノイズ領域と設定されていない画素に対して、再構成画像のノイズ指標を用いて検出した被写体起因のノイズ領域に2を設定するか、二つのマスク画像を用いれば、システム起因によるノイズ領域と被写体起因のノイズ領域の識別が可能となる。
なお、被写体モアレ縞画像の特性値に基づいて生成したマスク画像とBGモアレ縞画像の特性値に基づいて生成したマスク画像を併用した場合と同様に、システム起因のノイズの検出精度を上げるため、第1の実施形態で説明したBGモアレ縞画像の特性値に基づいてマスク画像M0をマスク画像M1とは異なるレベルの閾値を用いて生成し、マスク画像M0とマスク画像M1の論理和をとったマスク画像をマスク処理や切り出し処理に用いることとしてもよい。同様に、BGモアレ縞画像の特性値に基づいてマスク画像M0を生成し、マスク画像M0とマスク画像M2の論理和をとったマスク画像をマスク処理や切り出し処理に用いることとしてもよい。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態のX線撮影システムにおいては、被写体台13上に、被写体撮影時に被写体が動かないように固定するための撮影用部品131が着脱可能に備えられている。図20aに、撮影用部品131の一例を示す。図20bに、図20aに示す撮影用部品131に被写体である手指を配置したイメージを示す。なお、撮影用部品131としては、図20a、図20bに示したような被写体を固定するもの(固定ユニット)に限定されず、例えば、被写体を回転させる回転テーブルや被写体の状態を可変させる(例えば、圧縮、引張、加温等させる)装置等としてもよい。
被写体を載置したX線照射時に用いられる撮影用部品131が画像に写り込んでしまうと、診断に不要な情報を含んだ画像となり好ましくない。また、後処理時に撮影用部品131に含まれるX線の吸収体や散乱体の影響で処理の安定性が低下し、かつ不要な領域の処理により無駄な処理時間が発生してしまう。そこで、第2の実施形態〜第3の実施形態で説明したノイズ検出の手法によって撮影用部品131の領域をノイズ領域として検出し(即ち、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域として検出し)、マスク処理又は切り出し処理することが好ましいが、撮影用部品131は、一部は金属などで構成され、一部は樹脂などで構成されることが多く、X線吸収が強い部分と弱い部分、小角散乱が強い部分と弱い部分が混在することが多い。ここで小角散乱とは、X線を被写体に照射して散乱するX線のうち、モアレ縞画像の鮮明度を低下させる散乱角が小さいものを言う。そのため第2の実施形態〜第3の実施形態で説明した手法では、金属などの強吸収部、または小角散乱体のみがノイズ領域として検出されてしまい、依然として診断に不要な領域が残った画像となる。ノイズ領域を検出するための閾値をノイズが小さい方向に変更すれば、より広く撮影用部品131の領域を検出することができるが、被写体の信号領域までマスクされてしまう問題が発生する。撮影用部品131と被写体の信号が同様のノイズ量を持つ場合、閾値のみでは切り分けは困難である。また撮影用部品131が既知の場合、その形状や、X線の吸収、散乱の程度等から認識処理することで、撮影用部品131の領域をノイズ領域として設定することも考えられるが、複数の撮影用部品131に対して撮影条件や配置が変わっても安定して動作させることは困難であるか、複雑な認識処理が必要となる。
そこで、第2の実施形態〜第3の実施形態の手法を用いて、撮影用部品131の領域をノイズ領域として正確に検出するためには、撮影用部品131全体で一様に吸収が強いか、または小角散乱が強ければ良い。例えば、撮影用部品131のX線の入射面またはその反対面、またはその両方に、X線を十分吸収する吸収体を付加する、またはX線を十分に小角散乱させる小角散乱体を付加する等により、撮影用部品131の領域と被写体モアレ縞画像上で重なる位置に吸収体又は小角散乱体を設けることで、撮影用部品131の領域を精度良く安定してノイズ領域として検出することが可能となる。被写体と撮影用部品131の信号のノイズ量が同程度であると被写体までノイズ領域として検出されてしまう可能性があるため、撮影用部品131に付加する吸収体または小角散乱体は、被写体よりも吸収または小角散乱が強いことが好ましい。また、これにより被写体と吸収体または小角散乱体でノイズ量に有意差が与えられるため、ヒストグラムのクラス間分散などを用いてノイズ検出に用いる可変閾値を安定して求めることも可能となる。吸収体を使用する場合、被写体よりもX線源11側に配置した方が、被写体の余計な被曝を低減することができるため、好ましい。小角散乱体の場合は被写体前後で効果の違いは無いため、撮影用部品131や装置の制約などを考慮して選択すれば良い。吸収体と小角散乱体は、撮影用部品131に直接取り付けても良いが、撮影用部品131の投影と重なれば良いため、撮影用部品131から離して配置しても良い。
尚、吸収体や小角散乱体を撮影用部品131の一部と被写体モアレ縞画像上で重なるように配置し、撮影用部品131の領域を検出しても良い。例えば撮影用部品131の周辺を取り囲むように吸収体や小角散乱体を配置し、吸収体や小角散乱体で囲まれている領域内部を撮影用部品131の領域として検出しても良いし、撮影用部品131の投影形状の特徴点に吸収体や小角散乱体を配置し、特徴点を結ぶことにより形成される領域内部を撮影用部品131の領域として検出しても良い。
吸収体には金、鉛、タングステン、鉄、アルミ、銅、白金、イリジウムなどが適しているが、X線を十分吸収できるものであれば良い。小角散乱体として、微小な粉末や、気泡が多数含まれた液体や樹脂、また紙や木などが適している。気泡の代わりに金属や樹脂などの球体を使用しても良い。また粉末や気泡、球体の大きさは第一格子の格子周期の半分程度が好ましい。また吸収体と小角散乱体を組み合わせた物でも良い。
以上説明したように、X線撮影システムにおいて、コントローラー5の制御部51は、X線撮影装置1から受信した被写体無しのモアレ縞画像及び被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成する。そして、生成されたマスク画像を用いて、再構成画像又はモアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対してマスク処理または画像の切り出し処理を施す。
従って、被写体領域と識別しづらいごま塩状ノイズ領域が除去された、より診断又は検査しやすい微分位相画像、小角散乱画像を提供することが可能となる。また、被写体信号ではない不要なごま塩状ノイズ領域が除去されるので、後処理での処理の安定性の向上及び処理の高速化を図ることが可能となる。
例えば、制御部51は、被写体無しのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体無しのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体無しのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体有りのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体有りのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体有りのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、微分位相画像及び小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる。
また、制御部51は、被写体有りのモアレ縞画像及び被写体無しのモアレ縞画像に基づいて微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標を算出し、この微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標に基づいて、微分位相画像及び前記小角散乱画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出することができる 。
また、撮影用部品131と被写体モアレ縞画像上で重なる位置にX線吸収体又はX線小角散乱体を配置して撮影を行うことで、画像化したくない撮影用部品131の領域をごま塩状ノイズ領域として検出することが可能となる。
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、撮影時にマルチスリット12を第1格子14及び第2格子15に対して移動させる方式のタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置を例にとり説明したが、本発明は、マルチスリット12又は第1格子14又は第2格子15の何れか又はそのうちの二つの格子を移動させる方式のタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置に適用してもよい。また、本発明は、第1格子14又は第2格子15の何れかを他の格子に対して移動させる方式のタルボ干渉計を用いたX線撮影装置に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した縞走査法以外にも位相コントラスト画像を計算する方法が複数ある。例えば、一枚の被写体モアレ縞画像とBGモアレ縞画像から位相コントラスト画像を取得する方法として、参照文献4に記載のフーリエ変換法(参照文献4:M.Takeda, H.Ina, and S.Kobayashi,「Fourier-Transform Methode of Fringe-Pattern Analysis for Computer-Based Topography and Interferometry」J.Opt.Soc.Am.72,156(1982)参照)や特開2012−143491に記載の方法等がある。また格子を用いないDEI(Diffraction Enhanced Imaging)法などがあるが、いずれにしても、位相コントラスト画像を得る計算の過程で振幅や位相、平均強度を計算することができるため、本願に記載した方法を用いて、ノイズ領域を検出することが可能である。即ち、本願は縞走査法に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、マルチスリット12、第1格子14及び第2格子15を一次元格子としたX線撮影システムを例にとり説明したが、本発明は、二次元格子を用いて二次元状に縞走査を行うX線撮影システムに適用することも可能である。
また、上記実施形態においては、3種の再構成画像を生成する場合について説明したが、微分位相画像又は小角散乱画像の少なくとも一つ生成するX線撮影システムであれば本発明を適用することが可能ある。
その他、X線撮影システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 X線撮影装置
11 X線源
12 マルチスリット
12a 駆動部
13 被写体台
14 第1格子
15 第2格子
16 X線検出器
17 保持部
17a 緩衝部材
18 本体部
181 制御部
182 操作部
183 表示部
184 通信部
185 記憶部
18a 駆動部
5 コントローラー
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 通信部
55 記憶部

Claims (12)

  1. X線源からのX線が第1の格子と第2の格子を透過したのち画像信号として読み取られて生成された被写体無しのモアレ縞画像及び被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像から生成された再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成手段と、
    前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理手段と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記マスク画像生成手段は、前記生成されたマスク画像を用いて、前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対してマスク処理又は画像の切り出し処理を施すことで、前記ごま塩状ノイズ領域を除外する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記再構成画像は、微分位相画像及び小角散乱画像のうちの少なくとも1つである請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体無しのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の位相のノイズ指標又は鮮明度のノイズ指標を算出し、算出したノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の鮮明度及び平均強度を算出し、算出した鮮明度及び平均強度に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として前記被写体有りのモアレ縞画像の振幅を算出し、算出した振幅に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記マスク画像生成手段は、前記特性値として、前記被写体有りのモアレ縞画像及び前記被写体無しのモアレ縞画像に基づいて微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標を算出し、この微分位相のノイズ指標又は小角散乱のノイズ指標に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出する請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. X線を照射するX線源と、
    前記X線の照射経路上に設けられ、周期パターンを形成する第1格子と、
    前記第1格子の周期パターンをモアレ縞に変換する第2格子と、
    前記X線源により照射されて前記第1格子及び前記第2格子を透過したX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
    前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像と前記被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像とに基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
    を備えるX線撮影システムであって、
    前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成手段と、
    前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理手段と、
    を備えるX線撮影システム。
  12. X線を照射するX線源と、
    前記X線の照射経路上に設けられ、周期パターンを形成する第1格子と、
    前記第1格子の周期パターンをモアレ縞に変換する第2格子と、
    前記X線源により照射されて前記第1格子及び前記第2格子を透過したX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
    前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像と前記被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像とに基づいて再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
    を備えるX線撮影システムにおける画像処理方法であって、
    前記被写体無しのモアレ縞画像及び前記被写体有りのモアレ縞画像のうち少なくとも1つの特性値に基づいて、前記再構成画像におけるごま塩状ノイズ領域を検出し、前記検出されたごま塩状ノイズ領域を識別するためのマスク画像を生成するマスク画像生成工程と、
    前記生成されたマスク画像を用いて前記ごま塩状ノイズ領域を除外した前記再構成画像及び前記モアレ縞画像のうちの少なくとも1つの画像に対して、補正処理、画像処理、合成処理などの後処理を行う後処理工程と、
    を含む画像処理方法。
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