JP7111011B2 - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両の制御装置に関する。
特許文献1には、左右の駆動輪をそれぞれ独立のモータで駆動する電動車両の制御装置において、左右のモータのどちらか一方のモータを駆動するインバータに短絡故障が発生した際に、故障側の駆動輪に発生する制動力に対応して、左右反対側の駆動輪(正常側の駆動輪)にも制動力を付与することが開示されている。
特開2016-083949号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、片方の駆動輪でインバータに故障が発生した際、故障側の駆動輪と正常側の駆動輪とでそれぞれモータから出力されるトルクの位相差が考慮されていないため、車両の安定性において改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、走行中に左右の駆動輪のどちらか一方の駆動輪に対応するインバータで故障が発生した際に、車両の安定性を向上させることができる電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対のモータと、前記一対のモータをそれぞれ独立に駆動する一対のインバータと、前記インバータのスイッチング素子が故障したことを検知する素子故障検出手段と、前記モータのロータ角度を検出するロータ角度検出手段と、前記モータから出力されるトルクを制御するトルク制御手段と、を備える電動車両の制御装置であって、前記素子故障検出手段により前記一対のインバータのうち一方のインバータでスイッチング素子の故障が発生したことを示す片輪故障を検知した場合に、故障したスイッチング素子の相を特定する故障相特定手段と、前記故障相特定手段により特定された故障相と、前記ロータ角度検出手段により検出されたロータ角度とに基づいて、故障側のインバータとは反対側の正常側のインバータについてオン状態にするスイッチング素子の相を選択する素子相選択手段と、を備え、前記トルク制御手段は、前記素子故障検出手段により前記片輪故障を検出した場合、前記正常側のインバータについて前記素子相選択手段で選択された相のスイッチング素子がオンされた状態で、前記故障側のインバータにより駆動する前記モータから出力されるトルクと同じトルクを、前記正常側のインバータにより駆動する前記モータから出力させることを特徴とする。
本発明では、片輪故障が発生した際、故障したスイッチング素子の相を特定し、故障相とモータのロータ角度とに応じて正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相を選択して、正常側のインバータにより正常側のモータを駆動する。これにより、故障側で発生した負トルクに合わせて正常側の駆動輪に同じ負トルクを出力させた時のトルクの位相ずれを低減でき、車両挙動が安定するため、電動車両の走行安定性が向上する。
図1は、実施形態の電動車両を模式的に示す図である。 図2は、電動車両で片輪故障が発生した場合を説明するための図である。 図3は、電動車両に搭載される駆動システムを示す図である。 図4は、制御フローの一例を示すフローチャートである。 図5は、制御フローの別の例を示すフローチャートである。 図6は、スイッチング素子のオン故障時のモータトルクを示す図である。 図7は、正常側のオン素子の相を選択する方法を示す図である。 図8は、正常側のオン素子のアームを選択する方法を示す図である。 図9は、制御フローのさらに別の例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における電動車両の制御装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態の電動車両を模式的に示す図である。図2は、電動車両で片輪故障が発生した場合を説明するための図である。図3は、電動車両に搭載される駆動システムを示す図である。
図1に示すように、車両1は、左右の駆動輪を独立のモータ2で駆動可能な電動車両であり、前方の左輪WLと前方の右輪WRとをそれぞれ独立に駆動する一対のモータ2A,2Bを備えた前輪駆動車である。左輪WLには、左輪WL用のインホイールモータにより構成された第1モータ2Aが連結されている。右輪WRには、右輪WR用のインホイールモータにより構成された第2モータ2Bが連結されている。第1モータ2Aから出力されたトルクによって左輪WLが駆動する。第2モータ2Bから出力されたトルクによって右輪WRが駆動する。各モータ2A,2Bは無負荷回転で電圧が出力されるモータ(例えばPMモータ)により構成されている。また、車両1には、左右のモータ2A,2Bをそれぞれ独立に駆動する一対のインバータ3A,3Bが設けられている(いずれも図3に示す)。
図2に示すように、片輪故障として、右輪WRに連結された第2モータ2Bで故障が発生した場合(時刻t1以降)、実施形態の制御装置は、正常に動作する左輪WL側の第1モータ2Aを制御して第1モータ2Aから負トルクを出力させる。図2に示す走行状態では、時刻t1前、左輪WLと右輪WRには同じ駆動力が発生している。そして、時刻t1において、右輪WRの第2モータ2Bを駆動する第2インバータ3Bでスイッチング素子の故障が発生する(故障発生)。第2インバータ3Bのスイッチング素子が導通故障した場合、第2インバータ3Bを停止させても第2モータ2Bの逆起電圧によって第2インバータ3Bに電流が流れるため、第2モータ2Bから負トルクが発生する。そこで、実施形態の制御装置では、片輪のモータ故障(片輪故障)を検知すると(時刻t2)、反対側の正常なインバータを制御して正常側のモータから負トルクを出力させる。この場合、故障側のモータである第2モータ2Bで発生する負トルクと同じ大きさの負トルクを、正常側のモータである第1モータ2Aから出力させる。時刻t3以降は、左右のモータ2A,2Bから同じ大きさの負トルクが出力されるため、左輪WLと右輪WRとに出力される平均トルクが一致するので、車両1の挙動が安定する。なお、この説明では、左輪WLと右輪WRとをまとめて「左右の駆動輪」と記載する場合がある。また、この説明で記載する「反対側」とは、異常側に対する正常側の意味合いと、左右の駆動輪の観点から左右反対側の意味合いとを含むものである。
図3に示すように、駆動システム10は、第1モータ2Aと、第1モータ2Aを駆動する第1インバータ3Aと、第2モータ2Bと、第2モータ2Bを駆動する第2インバータ3Bと、各モータ2A,2Bを制御する制御部4と、を備える。なお、この説明では、第1モータ2Aと第2モータ2Bとを特に区別しない場合は単にモータ2と記載する場合がある。同様に、第1インバータ3Aと第2インバータ3Bとを特に区別しない場合は単にインバータ3と記載する場合がある。また、インバータ3をPCU(Power Control Unit)と記載して説明する場合がある。この場合、PCUはインバータ3と同義である。さらに、インバータ3のスイッチング素子をPCU素子と記載する場合もある。
駆動システム10では、バッテリ(図示せず)から出力される直流電力を第1インバータ3Aで交流電力に変換し、この交流電力を第1インバータ3Aから第1モータ2Aに供給することによって第1モータ2Aが駆動する。同様に、バッテリ(図示せず)から出力される直流電力を第2インバータ3Bで交流電力に変換し、この交流電力を第2インバータ3Bから第2モータ2Bに供給することによって第2モータ2Bが駆動する。制御部4は、左輪WL側の第1モータ2Aおよび第1インバータ3Aを制御するとともに、右輪WR側の第2モータ2Bおよび第2インバータ3Bを制御する。制御部4から第1インバータ3Aに出力される指令信号によって第1モータ2Aの駆動が制御され、かつ制御部4から第2インバータ3Bに出力される指令信号によって第2モータ2Bの駆動が制御される。実施形態の制御装置は、少なくとも制御部4を含んで構成されている。
第1モータ2Aは、第1インバータ3Aを介してバッテリと電気的に接続されている。第1モータ2Aと第1インバータ3Aとは三相の巻線(U相、V相、W相)を介して電気的に接続されている。各相の巻線に電流が流れることによって第1モータ2Aが駆動して、第1モータ2Aからトルクが出力される。同様に、第2モータ2Bは、第2インバータ3Bを介してバッテリと電気的に接続されている。第2モータ2Bと第2インバータ3Bとは三相の巻線(U相、V相、W相)を介して電気的に接続されている。各相の巻線に電流が流れることによって第2モータ2Bが駆動して、第2モータ2Bからトルクが出力される。なお、左右のモータ2A,2Bは電動機としてだけではなく発電機としても機能する。
第1インバータ3Aは、三相の電流を第1モータ2Aの巻線に通電できるように、六つのスイッチング素子T11~T16を備えたインバータ回路により構成されている。各スイッチング素子T11~T16は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)により構成される。第1インバータ3Aは、各相(U相、V相、W相)の上下アーム31,32,33を有し、各上下アーム31,32,33はそれぞれに二つのスイッチング素子と二つのダイオードとを備える。
U相の上下アーム31は、スイッチング素子T11とダイオードD11とが並列に接続された上アーム31aと、スイッチング素子T12とダイオードD12とが並列に接続された下アーム31bとを有し、上アーム31aと下アーム31bとが直列接続されている。V相の上下アーム32は、スイッチング素子T13とダイオードD13とが並列に接続された上アーム32aと、スイッチング素子T14とダイオードD14とが並列に接続された下アーム32bとを有し、上アーム32aと下アーム32bとが直列接続されている。W相の上下アーム33は、スイッチング素子T15とダイオードD15とが並列に接続された上アーム33aと、スイッチング素子T16とダイオードD16とが並列に接続された下アーム33bとを有し、上アーム33aと下アーム33bとが直列接続されている。
第2インバータ3Bは、三相の電流を第2モータ2Bの巻線に通電できるように、六つのスイッチング素子T21~T26を備えたインバータ回路により構成されている。各スイッチング素子T21~T26は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)により構成される。第2インバータ3Bは、各相(U相、V相、W相)の上下アーム34,35,36を有し、各上下アーム34,35,36はそれぞれに二つのスイッチング素子と二つのダイオードとを備える。
U相の上下アーム34は、スイッチング素子T21とダイオードD21とが並列に接続された上アーム34aと、スイッチング素子T22とダイオードD22とが並列に接続された下アーム34bとを有し、上アーム34aと下アーム34bとが直列接続されている。V相の上下アーム35は、スイッチング素子T23とダイオードD23とが並列に接続された上アーム35aと、スイッチング素子T24とダイオードD24とが並列に接続された下アーム35bとを有し、上アーム35aと下アーム35bとが直列接続されている。W相の上下アーム36は、スイッチング素子T25とダイオードD25とが並列に接続された上アーム36aと、スイッチング素子T26とダイオードD26とが並列に接続された下アーム36bとを有し、上アーム36aと下アーム36bとが直列接続されている。
制御部4は、左右のモータ2A,2Bを駆動制御する電子制御装置(ECU)によって構成される。この制御部4は、CPUと、各種プログラム等のデータが格納された記憶部と、モータ2を駆動制御するための各種の演算を行う演算処理部とを備える。
また、制御部4には各種のセンサ(図示せず)からの信号が入力される。例えば、車両1には、第1モータ2Aのロータ角度を検出する第1のロータ角度センサや、第2モータ2Bのロータ角度を検出する第2のロータ角度センサが搭載されている。このロータ角度センサから制御部4に信号が入力される。制御部4の演算処理部は、その入力された信号に基づいて各モータの電気角や回転数(以下、モータ回転数という)を演算するなど、モータ制御のための演算処理を行う。
そして、制御部4の演算処理部における演算の結果、第1インバータ3Aを制御するための指令信号が制御部4から第1インバータ3Aに出力されるとともに、第2インバータ3Bを制御するための指令信号が制御部4から第2インバータ3Bに出力される。第1インバータ3Aへの指令信号には、第1インバータ3Aを構成する複数のスイッチング素子T11~T16のうち、スイッチング動作の制御対象となるスイッチング素子を切り替えるための切替指令が含まれる。第2インバータ3Bへの指令信号には、第2インバータ3Bを構成する複数のスイッチング素子T21~T26のうち、スイッチング動作の制御対象となるスイッチング素子を切り替えるための切替指令が含まれる。このように、制御部4は、第1インバータ3Aを制御することによって第1モータ2Aに印加する電圧および電流を制御するとともに、第2インバータ3Bを制御することによって第2モータ2Bに印加する電圧および電流を制御する。
さらに、制御部4は、上述した図2に示すように、左右の駆動輪について片輪の駆動装置に故障が発生したことを検出した場合には、車両1の走行安定性を確保するためのトルク制御を実行する。そのために車両1には、インバータ3のスイッチング素子がオン故障したことを検知する素子故障検出器(ON故障検出器)が搭載されている。例えば、第1インバータ3Aのスイッチング素子T11~T16がオン故障したことを検知する第1の素子故障検出器と、第2インバータ3Bのスイッチング素子T21~T26がオン故障したことを検知する第2の素子故障検出器と、が車両1に設けられている。第1の素子故障検出器からの検知信号、および第2の素子故障検出器からの検知信号が制御部4に入力される。制御部4は、この素子故障検出器からの検知信号に基づいて、片輪故障が発生したか否かを検知することが可能に構成されている。制御部4が実行する制御の一例を図4に示す。
図4は、制御フローの一例を示すフローチャートである。図4に示すように、制御部4は、インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した否かを判定する(ステップS1)。ステップS1では、第1インバータ3Aでスイッチング素子のオン故障が発生したか否かが判定されるとともに、第2インバータ3Bでスイッチング素子のオン故障が発生したか否かが判定される。つまり、ステップS1では片輪故障が発生したか否かが判定される。
例えば、第1の素子故障検出器のみから素子故障を検知したことを示す検知信号が制御部4に入力された場合には、左輪WL側の駆動装置を構成する第1インバータ3Aのスイッチング素子に導通故障(短絡故障)が発生したことによる片輪故障の発生と判定される。一方、第2の素子故障検出器のみから素子故障を検知したことを示す検知信号が制御部4に入力された場合には、右輪WR側の駆動装置を構成する第2インバータ3Bのスイッチング素子に導通故障(短絡故障)が発生したことによる片輪故障の発生と判定される。
インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した場合(ステップS1:Yes)、制御部4は、故障側のインバータとは反対側の正常側のインバータのスイッチング素子をオンにする(ステップS2)。ステップS2では、正常側のインバータについてオン状態にするスイッチング素子は特に限定されない。つまり、ステップS2の処理により正常側でオンするスイッチング素子はどれでもよい。
インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生していない場合(ステップS1:No)、この制御ルーチンは終了する。
このように、図1に示すステップS2の処理が実行される場合には、制御部4は、正常側のインバータでいずれかのスイッチング素子をオンにした状態で、正常側のインバータにより駆動するモータ(故障側とは反対側のモータ)から負トルクを出力させるトルク制御を実行する。これにより、例えば右輪WR側でモータ故障(片輪故障)が発生した場合には、上述した図2に示す時刻t2以降の制御状態となる。
以上説明した通り、実施形態によれば、片輪故障が発生した際に、正常側のインバータのスイッチング素子をオンすることにより、左右の駆動輪に出力される平均トルクが一致するため、車両挙動が安定する。
上述した平均トルクについて、左輪WL側の第1モータ2Aが出力する平均トルクは、U相の巻線に流れる電流により生じるトルクと、V相の巻線に流れる電流により生じるトルクと、W相の巻線に流れる電流により生じるトルクとの平均値である。同様に、左輪WL側の第2モータ2Bが出力する平均トルクは、U相の巻線に流れる電流により生じるトルクと、V相の巻線に流れる電流により生じるトルクと、W相の巻線に流れる電流により生じるトルクとの平均値である。
なお、上述した実施形態では、片輪故障の一例として、右輪WR側が故障した場合について説明したが、当然に左輪WL側が故障した場合についても適用可能である。
また、上述した実施形態の変形例を構成することが可能である。この変形例として、片輪故障が発生した際、制御部4は、故障したスイッチング素子の相を特定して、故障相とロータ角度とに基づいて、正常側のインバータを制御する。この変形例について、図5~図8を参照して詳細に説明する。図5には、この変形例で制御部4により実行される制御フローの一例が示されている。
図5に示すように、制御部4は、インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した否かを判定する(ステップS11)。ステップS11は、上述した図4のステップS1と同様の処理である。インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生していない場合(ステップS11:No)、この制御ルーチンは終了する。
インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した場合(ステップS11:Yes)、制御部4は、故障したスイッチング素子を特定する(ステップS12)。ステップS12では、故障したインバータについて、故障したスイッチング素子が上アームを構成する素子であるのか、下アームを構成する素子であるのかを判別するとともに、U相、V相、W相のうちどの相の素子であるのかを判別して、故障したスイッチング素子を特定する。つまり、ステップS12では、故障したスイッチング素子の相(以下、故障相という場合がある)を特定する。ステップS12を実行する処理手段が故障相特定手段を構成する。
このステップS12の処理に関して、図6に示すように、インバータ3のスイッチング素子のオン故障時のモータトルク変化が考慮されている。図6に示すように、故障したスイッチング素子の相(故障相)と、故障したスイッチング素子のアーム(故障アーム)と、モータの電気角(ロータ位置)とによってモータトルクが変わる。そのため、故障相と、故障アームと、モータの電気角とを考慮して、モータトルクの位相ずれを低減できるように、正常側のモータから出力される負トルクを制御する。また、制御部4は、ロータ位置を示すロータ角度(機械角)に基づいて、モータの電気角を演算することが可能である。つまり、制御部4は、第1のロータ角度センサから入力された第1モータ2Aのロータ角度に基づいて第1モータ2Aの電気角を算出し、第2のロータ角度センサから入力された第2モータ2Bのロータ角度に基づいて第2モータ2Bの電気角を算出する。
図5に戻る。ステップS12の処理が実行された後、制御部4は、正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相を判断する(ステップS13)。ステップS13では、上述したステップS12で特定された故障相と、モータの電気角とを用いて、正常側のインバータでオン状態にするスイッチング素子の相(オン素子相)を選択する。ステップS12により実行される選択方法の一例を図7に示す。
図7に示すように、ステップS13のオン素子相判断処理では、まず、故障相がU相、V相、W相のどれであるかに応じて、故障側のモータにおける位相差Xを算出する。故障相がU相の場合、故障側の位相差Xは、故障側のモータ電気角θから0を減算した値(X=θ-0)となる。故障相がV相の場合、故障側の位相差Xは、故障側のモータ電気角θから120を減算した値(X=θ-120)となる。故障相がW相の場合、故障側の位相差Xは、故障側のモータ電気角θから240を減算した値(X=θ-240)である。なお、仮に算出された位相差X(算出値)がゼロよりも小さい場合には、算出値に360を加算した値を故障側の位相差Xとする。同様に、仮に算出された位相差Xが360以上である場合には、算出値から360を減算した値を故障側の位相差Xとする。
さらに、故障側の位相差Xに基づいて、正常側のモータにおける位相差Yを演算する。正常側の位相差Yは、正常側のモータ電気角θ´に故障側の位相差Xを加算すること(Y=θ´+X)により求まる。なお、仮に算出された位相差Y(算出値)がゼロよりも小さい場合には、算出値に360を加算した値を正常側の位相差Yとする。同様に、仮に算出された位相差Yが360以上である場合には、算出値から360を減算した値を正常側の位相差Yとする。
そして、図7に示す相判断条件のように、正常側の位相差Yに基づいて、正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相(オン素子相)を選択する。例えば、判断条件として、「0≦Y<60」または「300≦Y<360」が成立する場合には、正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相は、U相が選択される。また、判断条件として、「60≦Y<180」が成立する場合には、正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相は、V相が選択される。また、判断条件として、「180≦Y<300」が成立する場合には、正常側のインバータでオンするスイッチング素子の相は、W相が選択される。
図5に戻る。ステップS13の処理が実行された後、制御部4は、正常側のインバータでオンするスイッチング素子のアームを判断する(ステップS14)。ステップS14では、故障側のインバータについて、故障したスイッチング素子が上アームであるか下アームであるかに応じて、正常側のインバータについて、オンするスイッチング素子のアームを選択する。ステップS14により実行される選択方法の一例を図8に示す。図8に示すように、故障アームが上アームの場合、正常側でオンするスイッチング素子は上アームが選択される。一方、故障アームが下アームの場合、正常側でオンするスイッチング素子は下アームが選択される。
ステップS14の処理が実行された後、制御部4は、故障側のインバータとは反対側の正常側のインバータについて、選択されたスイッチング素子をオンにする(ステップS15)。ステップS15では、上述したステップS13およびS14で選択されたスイッチング素子をオンする。
このように、変形例では、図5に示すステップS12~S15の処理が実行される場合には、制御部4は、正常側のインバータについて選択されたスイッチング素子をオンにした状態で、正常側のインバータにより駆動するモータ(故障側とは反対側のモータ)から負トルクを出力させるトルク制御を実行する。これにより、例えば右輪WR側でモータ故障(片輪故障)が発生した場合には、上述した図2に示す時刻t2以降の制御状態となる。
以上説明した通り、変形例によれば、左右の駆動輪に出力されるトルクの位相ずれを低減することにより、電気角1周期分の左右の駆動輪のトルク差を、上述した実施形態と比べて低減できるため、車両1の安定性を向上できる。また、故障相と故障アームとモータの電気角(ロータ位置)とによってモータトルクが変わるものの、上述した制御を実行することによって、モータトルクの変化の位相ずれを低減することができる。
なお、図7に示すオン素子相判断について、故障側の位相差Xの演算時の「0」や「120」や「240」の数字は、U相の巻線位置を電気角0°とした場合である。つまり、電気角0°をどの巻線位置とするかによって、その数字は変化する。例えば、U相の巻線位置よりも30°進んだ位置を、電気角0°とする場合、これらの数字は30°マイナス側にオフセットした数字となる。
また、上述した実施形態のさらに別の変形例を構成することも可能である。この別の変形例では、片輪故障発生時に、モータの電流を用いて、正常側のインバータを制御するように構成されている。別の変形例の制御部4によって実行される制御フローの一例を図9に示す。
図9に示すように、制御部4は、インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した否かを判定する(ステップS21)。ステップS21は、上述した図4のステップS1と同様の処理である。インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生していない場合(ステップS21:No)、この制御ルーチンは終了する。
インバータ3のスイッチング素子でオン故障が発生した場合(ステップS21:Yes)、制御部4は、故障側のモータについて、モータに流れる電流(モータ電流)と、モータのロータ角度(モータの角度)とを検出する(ステップS22)。ステップS22では、モータ2の各相の巻線を流れる電流を測定する電流センサにより検出した電流値が、制御部4に入力される。さらに、ステップS22では、ロータ角度センサからの信号が制御部4に入力される。
そして、制御部4は、故障側のインバータとは反対側の正常側のインバータについてスイッチング素子を制御して、正常側のモータと同じ電流値の電流を故障側のモータにも流す(ステップS23)。
以上説明した通り、別の変形例によれば、故障側のモータに通電される電流の大きさと同じ電流を正常側のモータにも流して、左右の駆動輪に出力されるモータトルクの大きさを同じにすることによって、左右の駆動輪で生じるトルク差を、上述した実施形態および変形例に比べて、低減することができる。
1 車両
2 モータ
2A 第1モータ
2B 第2モータ
3 インバータ
3A 第1インバータ
3B 第2インバータ
4 制御部
31,34 U相の上下アーム
32,35 V相の上下アーム
33,36 W相の上下アーム
31a,32a,33a,34a,35a,36a 上アーム
31b,32b,33b,34b,35b,36b 下アーム
T11~T16,T21~T26 スイッチング素子
WL 左輪(駆動輪)
WR 右輪(駆動輪)

Claims (1)

  1. 左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動可能な一対のモータと、
    前記一対のモータをそれぞれ独立に駆動する一対のインバータと、
    前記インバータのスイッチング素子が故障したことを検知する素子故障検出手段と、
    前記モータのロータ角度を検出するロータ角度検出手段と、
    前記モータから出力されるトルクを制御するトルク制御手段と、
    を備える電動車両の制御装置であって、
    前記素子故障検出手段により前記一対のインバータのうち一方のインバータでスイッチング素子の故障が発生したことを示す片輪故障を検知した場合に、故障したスイッチング素子の相を特定する故障相特定手段と、
    前記故障相特定手段により特定された故障相と、前記ロータ角度検出手段により検出されたロータ角度とに基づいて、故障側のインバータとは反対側の正常側のインバータについてオン状態にするスイッチング素子の相を選択する素子相選択手段と、
    を備え、
    前記トルク制御手段は、前記素子故障検出手段により前記片輪故障を検出した場合、前記正常側のインバータについて前記素子相選択手段で選択された相のスイッチング素子がオンされた状態で、前記故障側のインバータにより駆動する前記モータから出力されるトルクと同じトルクを、前記正常側のインバータにより駆動する前記モータから出力させる
    ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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