JP2016220448A - 電動車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回生電流の遮断機構を追加することなくスイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を抑制できる電動車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】 短絡故障時スイッチング制御部4bは、複数のスイッチング素子の1つに短絡故障が検知された場合、タイヤから路面に伝わるトルクが小さくなるように短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動車両の駆動力制御装置に関する。
電動モータにより駆動輪を独立駆動する電動車両では、インバータを構成する複数のスイッチング素子の1つ以上で短絡故障が発生すると、バッテリからインバータへの電力供給を遮断しても電動モータの誘起電圧によって回生電流が流れ、故障発生側の駆動輪に意図しない制動トルクが付与されるため、ドライバに違和感を与える。
特許文献1には、スイッチング素子の短絡故障を検知すると、電動モータと短絡故障が検知されたスイッチング素子とを含む電流経路の形成を阻止することにより、回生電流を遮断する技術が記載されている。
特開2008-125162号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、回生電流の遮断機構を追加する必要があるため、インバータのサイズアップおよびコストアップを招くという問題があった。
本発明の目的は、回生電流の遮断機構を追加することなくスイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を抑制できる電動車両の駆動力制御装置を提供することにある。
本発明では、各スイッチング素子の1つに短絡故障が検知された場合、タイヤから路面に伝わるトルクが小さくなるように短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる。
よって、回生電流の遮断機構を追加することなくスイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を抑制できる。
実施例1の駆動力制御装置を適用した電動車両のシステム構成図である。 電動モータコントローラ4における電流制御演算処理の流れを示すフローチャートである。 アクセル開度−トルクテーブルである。 スイッチング素子短絡故障時の処理の流れを示すフローチャートである。 各相の電流値の符号の組み合わせに基づく短絡故障部位の判定方法を示す図である。 短絡故障時スイッチング制御部4bの制御ブロック図である。 モータ回転速度−トルク指令値テーブルである。 スイッチング素子の短絡故障時に全スイッチング素子にゲートオフ指令を実施した場合のゲート信号波形および発生トルク波形である。 スイッチング素子の短絡故障時に実施例1の短絡故障時スイッチング制御を実施した場合のゲート信号波形および発生トルク波形である。
〔実施例1〕
図1は、実施例1の駆動力制御装置を適用した電動車両のシステム構成図である。
実施例1の電動車両は、左右後輪1L,1Rを駆動輪とする後輪駆動方式を採用し、左右後輪1L,1Rを独立に駆動する左右電動モータ2L,2Rを有する。実施例1では、左右電動モータ2L,2Rをばね下側(車輪側)に配置した、いわゆるインホイールモータ方式を採用している。
左右電動モータ2L,2Rは、固定子に三相のコイルを有し、三相の交流電力により駆動トルクを発生させる永久磁石式同期モータである。
バッテリ3は、左右電動モータ2L,2Rの駆動電力の放電、回生電力の充電を行う蓄電体である。電動モータコントローラ4は、車速V、アクセル開度θ、左電動モータ2Lの回転子位相(回転子位置)α、左電動モータ2Lの電流(三相交流の場合はiu,iv,iw)等の各種車両変数の信号をデジタル信号として入力し、各種車両変数に応じて左電動モータ2Lを制御するPWM信号を生成し、このPWM信号に応じてドライブ回路を通じて左インバータ5Lのゲート駆動電圧を生成する。
左インバータ5Lは相毎にPN(正負)1対のスイッチング素子(例えばIGBTやMOS-FET等のパワー半導体素子)および各スイッチング素子に逆接続された還流ダイオードを主要な構成とする。左インバータ5Lは、駆動信号に応じてスイッチング素子をON/OFF(開閉制御)することにより、バッテリ3から供給される直流の電流を交流に変換・逆変換し、左電動モータ2Lに所望の電流を流す。U相P側アームのスイッチング素子をUP、U相N側アームのスイッチング素子をUN、V相P側アームのスイッチング素子をVP、V相N側アームのスイッチング素子をVN、W相P側アームのスイッチング素子をWP、W相N側アームのスイッチング素子をWNと称す。また、左インバータ5Lは各相のスイッチング素子それぞれのコレクタ−エミッタ電圧を監視する図示しない回路を有し、少なくとも1つのスイッチング素子のコレクタ−エミッタ電圧が所定の電圧を超えた場合に、電動モータコントローラ4に異常フラグFSRを通知する機能を有する。
左電動モータ2Lは、左インバータ5Lより供給される交流電流により駆動力を発生し、左後輪1Lに駆動力を伝達する。また、車両の走行時に左後輪1Lに連れ回されて回転するときに、回生駆動力を発生させることで車両の運動エネルギーを電気エネルギーとしてバッテリ3に回収する。
その他、左電動モータ2Lの各相電流値iu,iv,iwを検出する左電流センサ6L、左電動モータ2Lの回転子位相αを検出する左回転センサ(レゾルバやエンコーダ)7Lおよびスイッチングサージ等による電圧変動を抑制する平滑コンデンサ8を備える。各相電流値iu,iv,iwおよび回転子位相αは電動モータコントローラ4に入力され、PWM信号の生成に供される。
なお、右電動モータ2R、右インバータ5R、右電流センサ6R、右回転センサ7Rについては上述した左電動モータ2L、左インバータ5L、左電流センサ6L、左回転センサ7Lと同様であるため説明は省略する。
[電流制御演算処理]
図2は、電動モータコントローラ4における電流制御演算処理の流れを示すフローチャートである。以下、左電動モータ2L側について説明するが、右電動モータ2R側についても同様に実施する。
ステップS1では、入力処理を行う。入力処理では、以下で説明する制御演算に必要な信号を、センサ入力または他のコントローラ(例えば、メータやブレーキコントローラ等)から通信により取得する。
左電動モータ2Lに流れる三相電流値iu,iv,iwは、左電流センサ6Lから取得する。なお、三相の電流値の合計は0になることから、例えばiwはセンサ入力せず、iuとivの値から計算でiwを求めても良い。
左電動モータ2Lの回転子位相α[rad]は、左回転センサ7Lから取得する。
回転子角速度ω[rad/s]は、回転子位相αを微分して求める。
モータ回転数Nm[rpm]は、回転子角速度ωを左電動モータ2Lの極対数で割り左電動モータ2Lの機械的な角速度であるモータ回転速度ωm[rad/s]を求めた後、[rad/s]から[rpm]への単位変換係数(60/2π)を掛けることで求める。
車速V[km/h]は、メータやブレーキコントローラ等の他のコントローラより通信にて取得するか、左電動モータ2Lのモータ回転速度の平均値にタイヤ動半径Rを掛け、ファイナルギヤのギヤ比で割ることにより車速V[m/s]を求め、[m/s]から[km/h]への単位変換係数(3600/1000)を施すことで求める。
アクセル開度θ[%]は、アクセル開度センサから取得するか、他のコントローラから通信により取得しても良い。
直流電圧値Vdc[V]は、直流電源ラインに備え付けられた電圧センサまたはバッテリコントローラより送信される電源電圧値から求める。
ステップS2では、割り込み許可を行う。割り込み許可では、スイッチング素子短絡故障時の処理を実行する。処理の詳細については後述する。
ステップS3では、目標トルク算出処理を行う。目標トルク算出処理では、アクセル開度θおよび車速Vに基づき、図3に示すアクセル開度−トルクテーブルを参照して目標トルク指令値Tm *を設定する。図3に示すように、トルクは、アクセル開度θが小さくなるほど小さくなる傾向とする。また、トルクは、回転数の絶対値が大きくなるほど小さくなる傾向とする。
ステップS4では、電流指令値算出処理を行う。電流指令値算出処理では、ステップS3で算出した目標トルク指令値Tm *、モータ回転速度ωmおよび直流電圧値Vdcから、dq軸電流目標値id *,iq *をテーブルより参照して求める。
ステップS5では、電流制御演算処理を行う。電流制御演算処理では、まず、三相電流値iu,iv,iwと左電動モータ2Lの回転子位相αからdq軸電流値id、iqを演算する。
続いて、ステップS4で算出したdq軸電流目標値id *,iq *とdq軸電流id,iqとの偏差からdq軸電圧指令値vd,vqを演算する。なお、この部分には非干渉制御を加えることもある。
次に、dq軸電圧指令値vd,vqと左電動モータ2Lの回転子位相αから三相電圧指令値vu,vv,vwを演算する。この三相電圧指令値vu,vv,vwと直流電圧値VdcからPWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]を演算する。
このようにして求めたPWM信号に応じてドライブ回路でゲート駆動電圧upr,unr,vpr,vnr,wpr,wnrを生成し、スイッチング素子をON/OFFすることにより、左電動モータ2Lをトルク指令値で指示された所望のトルクで駆動することができる。
[スイッチング素子短絡故障時の処理]
図4は、スイッチング素子短絡故障時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、左電動モータ2L側について説明するが、右電動モータ2R側についても同様に実施する。
ステップS201では、左インバータ5Lから通知される異常フラグFSRを受信し、スイッチング素子のコレクタ−エミッタ電圧が所定の閾値を超えているかを判定する。YESの場合はステップS202へ進み、NOの場合は処理を終了して図2のステップS3へ進む。
ステップS202では、スイッチング素子のコレクタ−エミッタ電圧が所定の閾値を超えていると判定されたため、全スイッチング素子へゲートオフ指令を通知する。
ステップS203では、タイマーの継続時間(計測時間)をリセットする。
ステップS204では、左電流センサ6Lで測定した電流値より、三相の電流値iu,iv,iwが全て所定値未満かを判定する。YESの場合はステップS205へ進み、NOの場合はステップS207へ進む。
ステップS205では、各相の電流値が全て所定値未満になっている時間を計測するために、タイマーをカウントアップする。
ステップS206では、タイマーのカウントアップ値から各相の電流値が所定値未満になっている継続時間が所定時間以上であるかを判定する。YESの場合はスイッチング素子の短絡故障が発生していないと判断してリターンへ進み、NOの場合はステップS203に戻る。
ステップS207では、左電流センサ6Lで測定した電流値から、各相の電流値の少なくとも1つが所定値以上かを判定する。YESの場合はステップS208へ進み、NOの場合はステップS203へ戻る。所定値は、スイッチング素子の短絡故障が発生していると判定できるスイッチング素子の定格電流値に比べて大きな電流値とする。
ステップS208では、電動モータコントローラ4の短絡故障検知部(短絡故障検知手段)4aにおいて、各相の電流値の符号から短絡故障部位を判定する。電流値の符号による短絡故障部位の判定方法を図5に示す。なお、電流値の符号は左インバータ5Lから左電動モータ2Lへ向かう方向を正(+)、左電動モータ2Lから左インバータ5Lへ向かう方向を負(-)としている。
ステップS209では、各相の電流値が所定値以上になっている時間を計測するために、タイマーをカウントアップする。
ステップS210では、タイマーのカウントアップ値から各相の電流値が所定値以上になっている継続時間が所定時間以上であるかを判定する。YESの場合はステップS211へ進み、NOの場合はステップS203へ戻る。
ステップS211では、左電動モータ2Lの回転子位相αが所定の範囲内かを判定する。YESの場合はステップS212へ進み、NOの場合はステップS213へ進む。
ステップS212では、電動モータコントローラ4の短絡故障時スイッチング制御部(短絡故障時スイッチング制御手段)4bにおいて、短絡故障していない相のスイッチング素子をスイッチングする短絡故障時スイッチング制御を実行する。制御の詳細については後述する。
ステップS213では、全スイッチング素子へゲートオフ指令を通知する。
ステップS214では、モータ回転速度が所定値以下かを判定する。YESの場合は処理を終了して図2のステップS3へ進み、NOの場合はステップS211へ戻る。所定値は、車両停止と判定できるモータ回転速度、または、スイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクによって車両挙動が不安定となるおそれのない極低車速域のモータ回転速度とする。
[短絡故障時スイッチング制御]
図6は、短絡故障時スイッチング制御部4bの制御ブロック図である。
トルク指令値演算部10は、モータ回転速度からトルク指令値テーブルを参照してトルク指令値を求める。図7にモータ回転速度−トルク指令値テーブルを示す。図7に示すように、短絡故障時に発生するタイヤから路面に伝わる駆動力が小さくなるように、モータ回転速度に応じて発生させる力行トルクの指令値を算出している。
電流指令値演算部11は、トルク指令値から電流指令値テーブルを参照してdq軸電流目標値idref,iqrefを求める。電流指令値テーブルは、ステップS4の電流指令値演算処理で使用しているテーブルを用いても良い。
dq電圧指令演算部12は、dq軸電流目標値からdq軸電圧指令値Vdref,Vqrefを演算する。dq軸電圧指令値Vqref,Vdrefは、下記の式(1),(2)を用いて演算する。
Figure 2016220448
ただし、Ld,Lqはそれぞれd軸,q軸のインダクタンス、Raは電機子巻線抵抗、τは電流目標応答時定数である。
二相三相変換部13は、dq軸電圧指令値Vdref,Vqrefと回転子位相αから三相電圧指令値Vuref,Vvref,Vwrefを演算する。
三相電圧指令演算部14は、三相電圧指令値Vuref,Vvref,Vwref、回転子位相αおよび短絡故障部位情報から最終三相電圧指令値Vuref2,Vvref2,Vwref2を演算する。短絡故障部位情報は、ステップS208の処理で判定した短絡故障部位情報を使用する。下記の式(3)〜(5)は、U相N側のスイッチング素子が短絡故障した場合の三相電圧指令の演算式である。
Figure 2016220448
U相N側のスイッチング素子が短絡故障した場合、回転子位相αが0<α<πの範囲では制動トルクが発生しないため、力行トルクが発生するように最終三相電圧指令値を決定し、回転子位相αがπ≦α≦2πの範囲では制動トルクが発生するため、最終三相電圧指令値を0にする。
Duty演算部15は、三相電圧指令値Vuref2,Vvref2,Vwref2と直流電圧値VdcからPWM信号(on duty)tu2[%]、tv2[%]、tw2[%]を演算する。
このとき、PWM信号の周波数を通常走行時の周波数より低く設定することにより、インバータの発熱を抑制することができる。
[短絡故障時の制動トルク抑制作用]
従来の電動車両では、インバータを構成する複数のスイッチング素子の1つ以上で短絡故障が発生すると、全スイッチング素子にゲートオフ指令を実施し、バッテリからの電力供給を遮断しても電動モータの誘起電圧により短絡部分とダイオードを通って回生電流が流れる。この回生電流により、故障発生側の駆動輪に意図しない制動トルクが付与されるため、ドライバに違和感を与える。また、左右駆動輪を独立に駆動する左右電動モータを備えた電動車両では、左右の制動力に差が生じるため、車両挙動が不安定となるおそれがある。
図8は、スイッチング素子の短絡故障時に全スイッチング素子にゲートオフ指令を実施した場合のゲート信号波形および発生トルク波形である。図8では、U相N側(UN)のスイッチング素子のゲート信号を1、それ以外のスイッチング素子のゲート信号を0とし、U相N側のスイッチング素子の短絡故障を模擬した場合の、右電動モータのゲート信号波形および発生トルク(モータトルク)を示している。図8に示すように、U相N側のスイッチング素子の短絡故障が発生すると、負の平均トルクが発生する。ここで、発生トルクはトルク0を跨いで脈動しているが、発生トルクの脈動周波数はモータから路面に伝わる駆動力までの応答周波数よりも十分に高いため、発生トルクの平均トルクが駆動力として路面に伝わる。このとき、左インバータのスイッチング素子は全てゲートオフしているため、左後輪の駆動力は0である。したがって、右後輪のスイッチング素子が短絡故障すると、上記のように右後輪のみに制動トルクが発生し、車両挙動が不安定になるおそれがある。
この対策として、従来の電動車両では、スイッチング素子の短絡故障を検知すると、故障発生側の電動モータとスイッチング素子を含む電流経路の形成を阻止することにより、回生電流の発生を防止している。ところが、この技術を採用すると、回生電流の遮断機構を追加する必要があるため、インバータのサイズアップおよびコストアップを招いてしまう。
これに対し、実施例1の短絡故障時スイッチング制御では、複数のスイッチング素子の1つに短絡故障が検知された場合、タイヤから路面に伝わるトルクが小さくなるように短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる。図9は、スイッチング素子の短絡故障時に実施例1の短絡故障時スイッチング制御を実施した場合のゲート信号波形および発生トルク波形である。図8の場合と同様に、U相N側のスイッチング素子UNのゲート信号を1としてスイッチング素子UNの短絡故障を模擬している。
図9に示すように、実施例1の短絡故障時スイッチング制御では、スイッチング素子UNの短絡故障が発生すると、回転子位相αが0<α<πの範囲、すなわち、制動トルクが発生しない範囲で、短絡故障が発生していないV相およびW相のスイッチング素子VP,VN,WP,WNをスイッチング制御し、力行トルクを発生させる。これにより、発生トルクの平均トルクは略ゼロとなるため、左右駆動輪の駆動力は略ゼロとなり、車両挙動が不安定になるのを抑制できる。
実施例1の効果を以下に列挙する。
(1) 三相のコイルを有し左右後輪1L,1Rを駆動する左右電動モータ2L,2Rと、三相のスイッチング素子を有しバッテリ3から供給される直流電力を交流電力に変換して左右電動モータ2L,2Rに供給する左右インバータ5L,5Rと、複数のスイッチング素子の短絡故障を検知する短絡故障検知部4aと、スイッチング素子に短絡故障が検知された場合、タイヤから路面に伝わるトルクが小さくなるように短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる短絡故障時スイッチング制御部4bと、を備えた。
よって、回生電流の遮断機構を追加することなくスイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を抑制できる。
(2) 短絡故障時スイッチング制御部4bは、左右電動モータ2L,2Rの回転子位相αが、電動モータ2が制動トルクを発生しない回転子位相の範囲(0<α<π)内にあるとき、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる。
電動モータ2が制動トルクを発生する回転子位相の範囲(π≦α≦2π)では、短絡故障が検知されていないスイッチング素子をスイッチングしても回生電流により発生する制動トルクを抑えることはできないし、かえって制動トルクが大きくなるおそれがある。よって、制動トルクが発生しない電動モータ2の回転子位相の範囲で短絡故障が検知されていないスイッチング素子をスイッチングさせることで、スイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を効果的に抑制できる。
(3) 短絡故障時スイッチング制御部4bは、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせて力行トルクを発生させる。
よって、発生トルクの平均トルクをよりゼロに近付けることができるため、スイッチング素子の短絡故障に伴う制動トルクの発生を効果的に抑制できる。
(4) 短絡故障時スイッチング制御部4bは、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる周波数を通常走行時の周波数よりも低くする。
よって、スイッチングの周波数を通常走行時の周波数より低くすることにより、スイッチング素子の過熱を緩和できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、1つ以上の電動モータの出力トルクにより走行する電気自動車、ハイブリッド車や燃料電池車等の電動車両に適用できる。
1L1R 左右駆動輪
2L,2R 左右電動モータ
3 バッテリ
4 電動モータコントローラ
4a 短絡故障検知部(短絡故障検知手段)
4b 短絡故障時スイッチング制御部(短絡故障時スイッチング制御手段)
5L,5R 左右インバータ
6L,6R 左右電流センサ
7L,7R 左右回転センサ
8 平滑コンデンサ
10 トルク指令値演算部
11 電流指令値演算部
12 dq電圧指令演算部
13 二相三相変換部
14 三相電圧指令演算部
15 Duty演算部

Claims (4)

  1. 複数相のコイルを有し駆動輪を駆動する電動モータと、
    前記複数相のコイルに対応する複数相のスイッチング素子を有し蓄電体から供給される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータに供給するインバータと、
    前記各スイッチング素子の短絡故障を検知する短絡故障検知手段と、
    前記各スイッチング素子の1つに短絡故障が検知された場合、タイヤから路面に伝わるトルクが小さくなるように短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる短絡故障時スイッチング制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動車両の駆動力制御装置において、
    前記短絡故障時スイッチング制御手段は、前記電動モータの回転子位置が、前記電動モータが制動トルクを発生しない回転子位置の範囲内にあるとき、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせることを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両の駆動力制御装置において、
    前記短絡故障時スイッチング制御手段は、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせて力行トルクを発生させることを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電動車両の駆動力制御装置において、
    前記短絡故障時スイッチング制御手段は、短絡故障が検知されていない相のスイッチング素子をスイッチングさせる周波数を通常走行時の周波数よりも低くすること特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
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