JP7110900B2 - 磁性体粒子操作用装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル状媒体層と液体層とが長手方向に交互に重層された管状の容器内の磁性体粒子を移動させる磁性体粒子操作用装置に関するものである。
医学的検査、食品安全衛生上の管理、環境保全のためのモニタリング等では、多種多様な夾雑物を含む試料から、目的物質を抽出して、検出や反応に供することが求められる。例えば、医学的検査では、動植物から分離取得される血液、血清、細胞、尿、糞便等に含まれる、核酸、タンパク質、糖、脂質、細菌、ウィルス、放射性物質等を検出、同定、定量する必要がある。これらの検査に際しては、夾雑物に起因するバックグランド等の悪影響を排除するために、目的物質を分離・精製することが必要となる場合がある。
試料中の目的物質を分離・精製するために、粒径が0.5μm~十数μm程度の磁性体の表面に、目的物質との化学的な親和力や分子認識機能を持たせた磁性体粒子を用いる方法が開発され、実用化されている。この方法では、磁性体粒子の表面に目的物質を固定させた後、磁場操作により磁性体粒子を液相から分離・回収し、必要に応じて、回収された磁性体粒子を洗浄液等の液相に分散させ、液相から磁性体粒子を分離・回収する工程が繰り返し行われる。その後、磁性体粒子が溶出液中に分散されることにより、磁性体粒子に固定されていた目的物質が溶出液中に遊離し、溶出液中の目的物質が回収される。磁性体粒子を用いることにより、磁石による目的物質の回収が可能となるため、化学抽出・精製の自動化に有利な特徴を持つ。
目的物質を選択的に固定可能な磁性体粒子は、分離・精製キットの一部として市販されている。キットは複数の試薬が別々の容器に入れられており、使用時はユーザがピペット等で試薬を分取、分注する。これらのピペット操作や磁場操作を自動化するための装置も市販されている(特許文献1)。一方、ピペット操作に代えて、キャピラリー等の管状の容器内に、溶解/固定液、洗浄液、溶出液等の液体層と、ゲル状媒体層とが交互に重層された管状デバイスを用い、このデバイス内で磁性体粒子を容器の長手方向に沿って移動させることにより、目的物質を分離・精製する方法が提案されている(特許文献2)。
上記のような管状の容器内で磁性体粒子を移動させる構成においては、容器の外側に設けられた磁場印加部としての磁石が、容器の長手方向に沿って移動されることにより、磁場の変化が生じる。この磁場の変化に追従して、磁性体粒子も容器の長手方向に沿って移動し、交互に重層された液体層及びゲル状媒体層を磁性体粒子が順次移動する。
WO97/44671号国際公開パンフレット WO2012/086243号国際公開パンフレット
磁石を容器の長手方向に沿って移動させる際、容器内の磁性体粒子と磁石との距離が離れすぎると、磁性体粒子を容器の長手方向に沿って良好に移動させることができない。容器は細長い形状であり、反りが生じていることが一般的であることから、容器内の磁性体粒子と磁石との距離を一定の短い距離に保つために、現状では容器の反りを矯正するような構成が採用されている。具体的には、容器に対して磁石とは反対側から平坦な当接面が押し当てられることにより、容器が一直線状に延びるように矯正される。
しかしながら、上記のような構成を採用した場合であっても、容器の反りを完全に矯正することは難しく、容器内の磁性体粒子と磁石との距離を正確に保つことは困難であった。そこで、磁石を容器の外周面に接触させた状態で長手方向に移動させることが考えられるが、磁石と容器の外周面との接触面積が大きくなるため、摩擦により磁石及び容器のそれぞれが摩耗してしまうという問題がある。特に、磁石が摩耗すると磁場が変化してしまうため、好ましくない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、磁場印加部を容器の外周面に接触させることなく、容器内の磁性体粒子と磁場印加部との距離を正確に保つことができる磁性体粒子操作用装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る磁性体粒子操作用装置は、容器保持部と、磁場印加部と、ガイドとを備える。前記容器保持部は、内部に液体層が形成されるとともに磁性体粒子が充填された管状の容器を保持する。前記磁場印加部は、前記容器保持部に保持されている容器に外側から近接し、前記容器に対して相対移動することにより磁場を変化させ、前記容器内の磁性体粒子を移動させる。前記ガイドは、前記磁場印加部が前記容器に対して相対移動する際に前記容器と前記磁場印加部との距離を一定に保つ。
このような構成によれば、磁場印加部が容器に対して相対移動する際に、容器と磁場印加部との距離がガイドにより一定に保たれる。これにより、磁場印加部を容器の外周面に接触させることなく、容器内の磁性体粒子と磁場印加部との距離を正確に保つことができる。
前記磁性体粒子操作用装置は、前記磁場印加部及び前記容器を互いに近付ける方向に押圧力を付与する押圧部をさらに備える。この場合、前記ガイドは、前記押圧部による押圧力に抗して、前記容器と前記磁場印加部との距離を一定に保つ。
このような構成によれば、磁場印加部及び容器が押圧部により互いに近付く方向に押圧されるため、その押圧力に抗して、容器と磁場印加部との距離をガイドにより確実に一定に保つことができる。
(2)前記ガイドは、前記容器に接触し、前記磁場印加部が前記容器に対して相対移動する際に、前記容器に対して摺接してもよい。
このような構成によれば、ガイドを容器に摺接させながら、磁場印加部を容器に対して相対移動させることにより、容器と磁場印加部とが接触するのを確実に防止することができる。これにより、磁場印加部が摩耗して磁場が変化するのを防止することができる。
前記ガイドにおける前記容器に対して摺接する部分には、前記容器の形状に対応する凹部が形成されていてもよい。
このような構成によれば、ガイドに形成された凹部を容器に摺接させながら、磁場印加部を容器に対して相対移動させることができる。これにより、凹部内で容器を確実にガイドすることができるため、容器内の磁性体粒子と磁場印加部との距離をより正確に保つことができる。
(3)前記磁場印加部は、磁石と、当該磁石を保持する磁石保持部とを有していてもよい。この場合、前記ガイドは、前記磁石保持部に設けられていてもよい。
このような構成によれば、磁石保持部により保持された磁石が容器に対して相対移動する際に、磁石保持部に設けられたガイドにより容器と磁石との距離が一定に保たれる。したがって、磁石保持部にガイドを設けるだけの簡単な構成で、磁石を容器の外周面に接触させることなく、容器内の磁性体粒子と磁石との距離を正確に保つことができる。
(4)前記押圧部は、前記磁石保持部を前記容器側に向かって押圧するものであってもよい。
前記容器保持部は、前記容器の一部のみを保持するものであってもよい。この場合、前記磁性体粒子操作用装置は、前記容器に対して前記押圧部側とは反対側に設けられ、前記押圧部により押圧される前記容器を押さえる押さえ機構をさらに備えていてもよい。前記押さえ機構は、前記容器を前記押圧部側に向かって押圧してもよい。
あるいは、前記押圧部が、前記容器を前記磁石保持部側に向かって押圧するものであってもよい。この場合、前記ガイドが、前記押圧部により押圧される前記容器を押さえることとなる。
(5)本発明に係る別の磁性体粒子操作用装置は、容器保持部と、磁場印加部と、押圧部とを備える。前記容器保持部は、内部に液体層が形成されるとともに磁性体粒子が充填された管状の容器を保持する。前記磁場印加部は、前記容器保持部に保持されている容器に外側から近接し、前記容器に対して相対移動することにより磁場を変化させ、前記容器内の磁性体粒子を移動させる。前記押圧部は、前記容器を前記磁場印加部側に押圧することにより、前記容器を前記容器保持部に密着させる。前記磁場印加部は、前記容器保持部に対して前記容器側とは反対側から近接した状態で、前記容器に対して相対移動する。前記容器保持部は、前記押圧部による押圧力に抗して、前記容器と前記磁場印加部との距離を一定に保つ。
このような構成によれば、磁場印加部を容器保持部に対して容器側とは反対側から近接させながら、磁場印加部を容器に対して相対移動させることにより、容器と磁場印加部とが接触するのを確実に防止することができる。これにより、磁場印加部が摩耗して磁場が変化するのを防止することができる。また、押圧部の押圧力により容器が容器保持部に密着させられるため、その押圧力に抗して、容器保持部により容器と磁場印加部との距離を一定に保つことができる。これにより、磁場印加部を容器の外周面に接触させることなく、容器内の磁性体粒子と磁場印加部との距離を正確に保つことができる。
(6)前記押圧部は、前記容器における前記磁場印加部側とは反対側の面に当接する当接部と、前記当接部を前記容器側に押圧する付勢部材とを有していてもよい。
(7)前記磁性体粒子操作用装置は、前記容器保持部が設けられた装置本体と、前記装置本体に対してヒンジを介して回動可能に取り付けられた扉とをさらに備えていてもよい。この場合、前記押圧部は、前記扉に設けられていてもよい。
(8)前記装置本体には、前記容器保持部が複数設けられていてもよい。この場合、前記押圧部は、複数の前記容器保持部にそれぞれ保持されている複数の前記容器を独立して押圧することが好ましい。
本発明によれば、磁場印加部が容器に対して相対移動する際に、容器と磁場印加部との距離が一定に保たれるため、磁場印加部を容器の外周面に接触させることなく、容器内の磁性体粒子と磁場印加部との距離を正確に保つことができる。
磁性体粒子操作用デバイスの構成例を示した正面図である。 図1の磁性体粒子操作用デバイスのA-A断面図である。 本発明の一実施形態に係る磁性体粒子操作用装置の構成例を示した正面図である。 図3の磁性体粒子操作用装置のB-B断面図である。 磁性体粒子を操作する際の態様について説明するための模式図である。 磁石の保持構造の一例を示した概略図である。 押さえ機構の構成例を示した断面図である。 押さえ機構の変形例を示した断面図である。 押圧部の変形例を示した断面図である。 本発明の別実施形態に係る磁性体粒子操作用装置の構成例を示した部分断面図である。
1.磁性体粒子操作用デバイス
図1は、磁性体粒子操作用デバイスの構成例を示した正面図である。図2は、図1の磁性体粒子操作用デバイスのA-A断面図である。この磁性体粒子操作用デバイス1(以下、「デバイス1」という。)は、液体試料から目的物質を抽出・精製するためのものであり、一直線上に延びる管状の容器20を備えている。
容器20内には、複数の液体層11と複数のゲル状媒体層12が形成されている。具体的には、容器20の最下部に液体層11が形成され、上方に向かって長手方向にゲル状媒体層12と液体層11とが交互に重層されている。この例では、4つの液体層11と3つのゲル状媒体層12が長手方向に交互に形成された構成となっているが、これに限られるものではなく、液体層11及びゲル状媒体層12の数は任意に設定可能である。
容器20の最上部の液体層11は、目的物質を含む液体試料であり、多数の磁性体粒子13が装填されている。容器20の最下部の液体層11は、液体試料中の目的物質を溶出させるための溶出液である。容器20の中間部の1つ又は複数(この例では2つ)の液体層11は、液体試料に含まれる夾雑物を除去するための洗浄液である。これらの各液体層11は、ゲル状媒体層12によって互いに分離されている。液体試料に含まれる目的物質は、磁性体粒子13に固定された上で、磁場を変化させることによって容器20の最上部から最下部まで移動させる操作(粒子操作)が行われ、その間に洗浄液によって洗浄された上で最下部の抽出液に抽出される。
磁性体粒子13は、その表面又は内部に、核酸や抗原等の目的物質を特異的に固定可能な粒子である。容器20の最上部の液体層11中で磁性体粒子13を分散させることにより、この液体層11中に含まれる目的物質が磁性体粒子13に選択的に固定される。
磁性体粒子13への目的物質の固定方法は特に限定されず、物理吸着、化学吸着等の各種公知の固定化メカニズムが適用可能である。例えば、ファンデルワールス力、水素結合、疎水相互作用、イオン間相互作用、π-πスタッキング等の種々の分子間力により、磁性体粒子13の表面あるいは内部に目的物質が固定される。
磁性体粒子13の粒径は1mm以下が好ましく、0.1μm~500μmがより好ましく、3~5μmがさらに好ましい。磁性体粒子13の形状は、粒径が揃った球形が望ましいが、粒子操作が可能である限りにおいて、不規則な形状で、ある程度の粒径分布を持っていてもよい。磁性体粒子13の構成成分は単一物質でもよく、複数の成分からなるものでもよい。
磁性体粒子13は、磁性体のみからなるものでもよいが、磁性体の表面に目的物質を特異的に固定するためのコーティングが施されたものが好ましく用いられる。磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、ならびにそれらの化合物、酸化物及び合金等が挙げられる。具体的には、マグネタイト(Fe)、ヘマタイト(Fe又はαFe)、マグヘマイト(γFe)、チタノマグネタイト(xFeTiO・(1-x)Fe)、イルメノヘマタイト(xFeTiO・(1-x)Fe)、ピロタイト(Fe1-xS(x=0~0.13)‥Fe(x~0.13))、グレイガイト(Fe)、ゲータイト(αFeOOH)、酸化クロム(CrO)、パーマロイ、アルコニ磁石、ステンレス、サマリウム磁石、ネオジム磁石、バリウム磁石が挙げられる。
磁性体粒子13に選択的に固定される目的物質としては、例えば核酸、タンパク質、糖、脂質、抗体、受容体、抗原、リガンド等の生体由来物質や細胞自身が挙げられる。目的物質が生体由来物質である場合は、分子認識等により、磁性体粒子13の内部あるいは粒子表面に目的物質が固定されてもよい。例えば、目的物質が核酸である場合は、磁性体粒子13として、表面にシリカコーティングが施された磁性体粒子等が好ましく用いられる。目的物質が、抗体(例えば、標識抗体)、受容体、抗原及びリガンド等である場合、磁性体粒子13の表面のアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アピジン、ピオチン、ジゴキシゲニン、プロテインA、プロテインG等により、目的物質を粒子表面に選択的に固定できる。
目的物質が核酸である場合、洗浄液は、核酸が磁性体粒子13の表面に固定された状態を保持したまま、液体試料中に含まれる核酸以外の成分(例えばタンパク質、糖質等)や、核酸抽出等の処理に用いられた試薬等を洗浄液中に遊離させ得るものであればよい。洗浄液としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール水溶液等が挙げられる。
核酸を溶出するための溶出液(核酸溶出液)としては、水又は低濃度の塩を含む緩衝液を用いることができる。具体的には、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、蒸留水等を用いることができ、pH7~9に調整された5~20mMトリス緩衝液を用いることが一般的である。核酸が固定された磁性体粒子13を溶出液中で分散させることにより、核酸溶出液中に核酸を遊離溶出させることができる。回収された核酸は、必要に応じて濃縮や乾固等の操作を行った後、分析や反応等に供することができる。
ゲル状媒体層12は、粒子操作前においてゲル状、若しくはペースト状である。ゲル状媒体層12は、隣接する液体層11に対して不溶性又は難溶性であり、化学的に不活性な物質からなることが好ましい。ここで、液体に不溶性又は難溶性であるとは、25℃における液体に対する溶解度が概ね100ppm以下であることを意味する。化学的に不活性な物質とは、液体層11との接触や磁性体粒子13の操作(すなわち、ゲル状媒体層12中で磁性体粒子13を移動させる操作)において、液体層11、磁性体粒子13や磁性体粒子13に固定された物質に、化学的な影響を及ぼさない物質を指す。
ゲル状媒体層12の材料や組成等は、特に限定されず、物理ゲルであってもよいし、化学ゲルであってもよい。例えば、WO2012/086243号に記載されているように、非水溶性又は難水溶性の液体物質を加熱し、加熱された当該液体物質にゲル化剤を添加し、ゲル化剤を完全に溶解させた後、ゾル・ゲル転移温度以下に冷却することで、物理ゲルが形成される。
容器20内への液体層11及びゲル状媒体層12の装填は、適宜の方法により行い得る。本実施形態のように管状の容器20が用いられる場合、装填に先立って容器20の一端(例えば下端)の開口が封止され、他端(例えば上端)の開口部から液体層11及びゲル状媒体層12が順次装填されることが好ましい。
容器20内に装填される液体層11及びゲル状媒体層12の容量は、操作対象となる磁性体粒子13の量や、操作の種類等に応じて適宜に設定され得る。本実施形態のように容器20内に複数の液体層11及びゲル状媒体層12が設けられる場合、各層の容量は同一でもよいし、異なっていてもよい。各層の厚みも適宜に設定され得る。操作性等を考慮した場合、各層の厚みは、例えば2mm~20mm程度が好ましい。
容器20の最上部は、他の部分よりも内径及び外径が大きい膨出部21となっている。膨出部21の上面は開口部となっており、膨出部21に対して着脱可能なキャップ30により当該開口部を封止することができる。キャップ30を取り外した状態で、膨出部21内に液体試料が注入されることにより、容器20の最上部の液体層11が形成される。
容器20における膨出部21よりも下方の部分は、長手方向に直交する断面形状が図2に示すような一定形状である直線部22となっている。膨出部21及び直線部22は、膨出部21側から直線部22側に向かって先細りするテーパ部23により接続されている。直線部22の下端(容器20の底面)には、開口が形成されており、当該開口がフィルム部材40により封止されている。容器20の最下部の液体層11である溶出液中に抽出された目的物質は、フィルム部材40を貫通させるようにしてピペットを溶出液中に挿入することにより、当該ピペット内に吸い出すことができる。フィルム部材40は、例えばアルミなどにより形成されるが、これに限られるものではない。
容器20の材料は、容器20内で磁性体粒子13を移動可能であり、液体層11及びゲル状媒体層12を保持できるものであれば、特に限定されない。容器20外から磁場を変化させる操作(磁場操作)を行うことにより容器20内の磁性体粒子13を移動させるためには、プラスチック等の透磁性材料が好ましく、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン等の樹脂材料が挙げられる。容器20の材質としては、上述の素材の他、セラミック、ガラス、シリコーン、非磁性金属等も用いられ得る。容器20の内壁面の撥水性を高めるために、フッ素系樹脂やシリコーン等によるコーティングが行われてもよい。ただし、容器20の材質は、目的物質の種類に応じて適宜選択可能である。
容器20の形状としては、図2に示すように、容器20における膨出部21よりも下方の直線部22の断面形状(長手方向に直交する断面形状)が、中心Cに対して非対称な形状となっている。具体的には、直線部22の正面側の外周面が平坦面221となっており、中心Cを挟んで反対側である背面側の外周面が凸湾曲面222となっている。ただし、容器20の形状は、上記のような形状に限られるものではなく、例えば直線部22の断面形状が中心Cに対して対称な形状(例えば円形など)であってもよい。また、容器20における膨出部21よりも下方の部分は、一定の断面形状を有する直線部22ではなく、断面形状が変化する段付き形状であってもよい。この場合、例えば大径部及び小径部が交互に設けられた形状であってもよい。
2.磁性体粒子操作用装置
図3は、本発明の一実施形態に係る磁性体粒子操作用装置の構成例を示した正面図である。図4は、図3の磁性体粒子操作用装置のB-B断面図である。この磁性体粒子操作用装置100(以下、「装置100」という。)は、図1及び図2に示すデバイス1が固定された状態で使用され、デバイス1の容器20内の液体試料に含まれる目的物質に対して粒子操作を行うためのものである。
装置100には、デバイス1を保持する容器保持部110が形成された本体101と、容器保持部110に保持されているデバイス1の容器20を押圧して固定するための容器押圧部102とを備えている。この例では、容器押圧部102が、本体101に対してヒンジ(図示せず)により回動可能に取り付けられた扉により構成されている。ただし、容器押圧部102は、容器保持部110に保持されているデバイス1を固定可能な構成であれば、本体101に対して回動可能な構成に限らず、本体101に対してスライド可能な構成や、本体101に対して着脱可能な構成などであってもよい。
容器保持部110は、本体101の前面120に形成された凹部により構成されている。容器保持部110は、デバイス1の容器20における膨出部21を収容する第1収容部111と、直線部22を収容する第2収容部112とが、上下方向D1に連続して延びるように形成されている。また、容器保持部110は、直線部22が延びる方向(上下方向D1)に対して直交し、本体101の前面120に平行な方向である横方向D2の幅が、デバイス1に対応する幅となっている。
具体的には、第1収容部111の横方向D2の幅W1は、容器20の膨出部21の幅よりも若干大きい。一方、第2収容部112の横方向D2の幅W2は、容器20の直線部22の幅よりも若干大きく、膨出部21の幅よりも小さい。また、第1収容部111及び第2収容部112は、容器20のテーパ部23に対応する角度で傾斜した絞り部113により接続されている。これにより、容器保持部110内に容器20を収容した状態では、容器20のテーパ部23が容器保持部110の絞り部113に引っ掛かり、吊り下げられた状態で保持されるようになっている。
図4に示すように、容器20は、平坦面221が横方向D2に延び、凸湾曲面222が平坦面221よりも背面側に位置するようにして、容器保持部110内に収容される。容器保持部110の第2収容部112の内面には、横方向D2の両側から内側に向かって突出する段差部114が形成されている。この段差部114における第1収容部111の横方向D2の幅W3は、前面120側における幅W2よりも小さく、容器20の直線部22の横方向D2の幅よりも小さい。
したがって、前面120側から容器保持部110内に収容される容器20の直線部22は、その凸湾曲面222側が段差部114に当接した状態となる。このとき、容器20の平坦面221は、容器保持部110から本体101の前面120よりも前方に張り出した状態となる。この状態で、容器押圧部102を構成する扉を閉じることにより、図4に示すように、本体101の前面120に対向する当接面121を容器20の平坦面221に当接させ、背面側に押圧することができる。これにより、当接面121と段差部114との間で容器20の直線部22を挟み込み、直線部22を強固に固定することができる。
容器保持部110の背面側は開口しており、容器保持部110に対向するように磁石130が配置されている。磁石130は、容器保持部110に保持されている容器20に対して、外側(背面側)から近接している。この磁石130は、永久磁石からなり、上下方向D1に沿ってスライド可能に保持されている。
磁石130は、容器20内の磁性体粒子13を磁力で引き付ける。これにより、図4に示すように凸湾曲面222側に磁性体粒子13が集められる。このようにして磁性体粒子13を磁石130側に引き付けた状態で、磁石130を上下方向D1に移動させることにより、容器20内の磁性体粒子13を上下方向D1に移動させることができる。
このように、磁石130は、磁場を変化させることにより容器20内の磁性体粒子13を移動させる磁場印加部を構成している。磁石130は、モータ等の駆動手段によりスライドさせてもよいし、手動でスライドさせてもよい。図4の例では、磁石130における容器20に対向する対向面131が、凹湾曲面により構成されている。対向面131は、容器20の凸湾曲面222に対応する曲率半径を有する凹湾曲面となっている。ただし、対向面131は、凹湾曲面により構成されるものに限らず、例えば平坦面などにより構成されていてもよい。
磁石130は、磁性体粒子13の操作が可能であれば、その形状や大きさ、材質は特に限定されない。磁場印加部が有する磁力源としては、永久磁石を用いる以外に電磁石を用いることも可能である。また、磁場印加部は、複数の磁力源を有してもよい。磁場印加部は、容器20に対して相対移動することにより磁場を変化させるような構成であればよく、本実施形態のように磁場印加部が移動するような構成に限らず、容器20が移動するような構成であってもよい。
3.磁性体粒子の操作
図5は、磁性体粒子13を操作する際の態様について説明するための模式図である。図5では、説明を分かりやすくするために、デバイス1の形状を簡略化して示している。図5Aにおいて、容器20の最上部の液体層11には、多数の磁性体粒子13が含まれている。このように、磁性体粒子13を液体層11中で分散させることにより、液体層11中に含まれる目的物質が磁性体粒子13に選択的に固定される。
その後、図5Bに示すように、容器20の外周面に、磁力源である磁石130を近付けると、目的物質が固定された磁性体粒子13が、磁場の作用により、容器20内の磁石130側(凸湾曲面222側)に集められる。そして、図5Cに示すように、磁石130を容器20の外周面に沿って容器20の長手方向(上下方向)に移動させると、磁場の変化に追随して、磁性体粒子13も容器20の長手方向に沿って移動し、交互に重層された液体層11及びゲル状媒体層12を順次移動する。
磁性体粒子13の周囲に液滴として物理的に付着している液体の大半は、磁性体粒子13がゲル状媒体層12の内部に進入する際に、磁性体粒子13の表面から脱離する。ゲル状媒体層12内への磁性体粒子13の進入及び移動により、ゲル状媒体層12が穿孔されるが、ゲルの復元力による自己修復作用により、ゲル状媒体層12の孔は直ちに塞がれる。そのため、磁性体粒子13による貫通孔を介したゲル状媒体層12への液体の流入は、ほとんど生じない。
液体層11内で磁性体粒子13を分散させ、磁性体粒子13を液体層11内の液体と接触させることにより、磁性体粒子13への目的物質の固定、磁性体粒子13の表面に付着している夾雑物を除去するための洗浄操作、磁性体粒子13に固定されている目的物質の反応、磁性体粒子13に固定されている目的物質の液体中への溶出等の操作が行われる。
4.磁場印加部の具体的構成
図6は、磁石130の保持構造の一例を示した概略図である。磁石130は、磁石保持部140により保持されている。磁石保持部140には、磁石130と容器20との距離を一定に保つためのガイド150が設けられている。ガイド150は、磁石保持部140に対して着脱可能であり、必要に応じて交換できることが好ましい。
ガイド150は、磁石保持部140から容器20側に突出している。ガイド150の先端部は、磁石130の対向面131よりも容器20側に位置している。この例では、1対のガイド150が、磁石130を上下方向D1に挟んだ位置に設けられている。ただし、ガイド150の数、位置、形状などは、本実施形態に限られるものではない。
ガイド150は、例えば細い線状の部材からなり、部分的に屈曲部又は湾曲部を有している。ガイド150の先端部には、容器20に接触する接触部151が形成されている。図4のように容器20が容器保持部110に保持された状態では、ガイド150の接触部151が容器20の外周面(凸湾曲面222)に接触する。接触部151は、接触する容器20の外周面の形状に対応する凹部を構成している。すなわち、接触部151は、容器20の外周面に対応する曲率半径を有する凹湾曲形状に形成されている。
ガイド150の接触部151を容器20の外周面に接触させた状態で、磁石保持部140を上下方向D1に沿って移動させることにより、磁石130の対向面131を容器20に接触させることなく、ガイド150の接触部151を容器20の外周面に摺接させることができる。これにより、磁石130を容器20に対して上下方向D1に移動させる際、磁石130の対向面131と容器20の外周面との距離を一定に保つことができる。容器20における膨出部21よりも下方の部分が、一定の断面形状を有する直線部22ではなく、大径部及び小径部が交互に設けられた形状であっても、磁石130の対向面131と容器20の外周面との距離を常に一定に保つことができる。この場合、大径部に液体層11を配置すれば、液体層11の容積を稼ぐことができる。
上記距離は、容器20の壁面の厚みに応じて適切な値に設定される。容器20の内周面(凸湾曲面222の内面)と磁石130との距離としては、容器20の使用用途に合わせて適宜選択でき、例えば、1~5mmの範囲内の距離に設定可能である。好ましくは1~2mm、より好ましくは1~1.5mmとなるように、ガイド150の接触部151の位置が設定される。容器20の内周面と磁石130との距離を一定に保つことができるが、ここで一定の距離とは、容器20の使用用途によってある程度のゆらぎが許容可能である。
本実施形態のように複数のガイド150が設けられた構成の場合には、各ガイド150の接触部151が上下方向D1に重なる位置にあることが好ましい。これにより、各ガイド150の接触部151を容器20の外周面に対して摺接させる際、各接触部151が上下方向D1に沿って一直線上で移動し、容器20の外周面に対して上下方向D1に真っ直ぐ摺接するため、容器20に対して不要な力が生じにくい。
ガイド150の材料は、特に限定されるものではなく、樹脂又は金属などの各種材料により形成することができる。ただし、少なくとも接触部151は、容器20に対する摩擦が少ない材料又は形状で形成されていることが好ましい。したがって、接触部151と容器20との接触面積は小さいことが好ましく、接触部151には摩擦を少なくするための表面処理が施されていてもよい。また、ガイド150の形状としては、針金状のものに限らず、例えばローラ状などの他の任意の形状を採用することができる。
磁石保持部140は、押圧部160により容器20側に押圧されている。すなわち、押圧部160は、磁石130及び容器20を互いに近付ける方向に押圧力を付与する。押圧部160は、例えばバネ161及び固定部162を備えている。バネ161は、例えば圧縮バネからなり、その一端部が固定部162に固定されるとともに、他端部が磁石保持部140に固定され、圧縮された状態で取り付けられている。
容器20に対して磁石130を上下方向D1に移動させる際には、磁石130、磁石保持部140、ガイド150及び押圧部160が一体的に移動する。このとき、固定部162は、水平方向の位置が一定のまま、上下方向D1にのみ移動する。一方、磁石保持部140は、固定部162に対して水平方向に移動可能に保持されている。
磁石保持部140はバネ161により容器20側に押圧されているため、容器20が反りにより一直線状でない場合には、ガイド150の接触部151が容器20の外周面に常に接触するように磁石保持部140が水平方向に移動する。ガイド150は、バネ161による押圧力に抗して、容器20と磁石130との距離を一定に保つ機能を有している。
5.作用効果
(1)本実施形態では、磁石130が容器20に対して上下方向D1に移動する際に、容器20と磁石130との距離がガイド150により一定に保たれる。これにより、磁石130を容器20の外周面に接触させることなく、容器20内の磁性体粒子13と磁石130との距離を正確に保つことができる。
(2)また、本実施形態では、磁石130及び容器20が押圧部160により互いに近付く方向に押圧されるため、その押圧力に抗して、容器20と磁石130との距離をガイド150により確実に一定に保つことができる。
(3)さらに、本実施形態では、ガイド150を容器20に摺接させながら、磁石130を容器20に対して上下方向D1に移動させることにより、容器20と磁石130とが接触するのを確実に防止することができる。これにより、磁石130が摩耗して磁場が変化するのを防止することができる。
(4)また、本実施形態では、ガイド150に形成された凹部(接触部151)を容器20に摺接させながら、磁石130を容器20に対して上下方向D1に移動させることができる。これにより、接触部151により形成される凹部内で容器20を確実にガイドすることができるため、容器20内の磁性体粒子13と磁石130との距離をより正確に保つことができる。
(5)本実施形態では、磁石保持部140により保持された磁石130が容器20に対して上下方向D1に移動する際に、磁石保持部140に設けられたガイド150により容器20と磁石130との距離が一定に保たれる。したがって、磁石保持部140にガイド150を設けるだけの簡単な構成で、磁石130を容器20の外周面に接触させることなく、容器20内の磁性体粒子13と磁石130との距離を正確に保つことができる。
6.変形例
容器保持部110は、容器20の上部又は下部などの一部のみを保持するような構成であってもよい。このような場合であっても、容器20における保持された部分以外の部分は、ガイド150の接触部151に接触し、容器20と磁石130との距離が一定に保たれる。
容器20の上部又は下部などの一部のみを保持するような構成としては、例えば容器20の上部を引っ掛けて保持するような構成や、容器20の底部を保持台上に載置するような構成などが例示される。このような構成によれば、容器20を引っ掛けたり、保持台上に載置したりするだけで、装置100に対して容器20を容易にセットすることができる。
容器20の上部又は下部などの一部のみを保持する場合、図6における容器20の右側、すなわち容器20に対して押圧部16側とは反対側に、押圧部160により押圧される容器20を押圧部160側に向かって押さえる押さえ機構(第2容器保持部)が設けられていてもよい。
図7Aは、押さえ機構170の構成例を示した断面図である。押さえ機構170は、容器20に対して押圧部160側とは反対側に設けられている。押さえ機構170は、容器20に当接する当接部171と、当接部171が固定された固定部172とを有する。押圧部160により押圧される容器20は、当該容器20が当接する当接部171により、押圧方向(磁石130から離れる方向)に移動しないように押さえられる。押さえ機構170は、磁石130の移動に伴って移動してもよいし、追加の保持部として固定されていてもよい。
図7Bは、押さえ機構170の変形例を示した断面図である。この変形例では、押さえ機構170が、押圧部160側に向かって容器20を押圧するバネなどの押圧部(第2の押圧部)173を有している。押圧部173は、例えば圧縮バネからなり、その一端部が固定部172に固定されるとともに、他端部が当接部171に固定されている。この押圧部173により、磁石130及び容器20を互いに近付ける方向に押圧力が付与される。このような変形例によれば、接触部151と容器20との接触性がさらに高くなる。
図7Cは、押圧部160の変形例を示した断面図である。この変形例では、押圧部160が、磁石保持部140を容器20側に向かって押圧するのではなく、容器20を磁石保持部140側に向かって押圧するような構成となっている。そのため、バネ161は省略され、容器保持部140が固定部162に直接固定されている。
この変形例では、押圧部160が、容器20に対して磁石保持部140側とは反対側に設けられている。押圧部160は、例えば当接部163、バネ164及び固定部165を備えている。当接部163は、容器20に対して磁石保持部140側とは反対側から当接している。バネ164は、例えば圧縮バネからなり、その一端部が固定部165に固定されるとともに、他端部が当接部163に固定され、圧縮された状態で取り付けられている。押圧部160により押圧される容器20は、当該容器20が当接するガイド150により、押圧方向(磁石130に近付く方向)に移動しないように押さえられる。
押圧部160は、バネ161により押圧力を付与するような構成に限らず、ゴムなどの他の弾性体により押圧力を付与するような構成であってもよい。また、弾性体に限らず、空気圧などの他の押圧力付与手段により押圧力を付与するような構成であってもよい。
また、以上の実施形態では、ガイド150が磁石保持部140に設けられた構成について説明したが、ガイド150は磁石保持部140以外の位置に設けられていてもよい。この場合、例えば磁石130とともに移動する他の部材にガイドが設けられていてもよいし、容器20又は容器保持部110などのような磁石130とともに移動しない部材にガイドが設けられていてもよい。
容器20は、内部にゲル状媒体層12と液体層11とが交互に重層された構成に限らず、例えば液体層11のみが形成された構成であってもよい。例えば、液体層11として、細胞溶解液(磁性体粒子13を含む)のみが容器20内に充填されていてもよい。この場合、例えば容器20内に生体試料を投入した後、液体層11としての細胞溶解液中で細胞を溶解し、抽出された核酸を磁性体粒子13の表面に吸着し、最終的に、核酸が吸着した磁性体粒子13を回収する。この場合も、核酸の回収率を上げるためには、容器20内の磁性体粒子13と磁石130との距離を正確に保つことが必要であるため、本発明が有効である。
7.別実施形態
図8は、本発明の別実施形態に係る磁性体粒子操作用装置の構成例を示した部分断面図である。この実施形態では、容器保持部110が2つ設けられており、各容器保持部110に容器20が保持される。各容器保持部110は、上下方向に沿って延びている。したがって、各容器保持部110に保持された容器20は、互いに平行になるように上下方向に延びている。装置100の本体101側には、各容器保持部110に対向するように、それぞれ磁石130が配置されている。各磁石130は、各容器保持部110に対して本体101側(容器20側とは反対側)から近接した状態で上下方向に移動可能である。この実施形態では、各押圧部160が容器20を磁石130側に押圧する。すなわち、容器20が装置100に複数本セットされた場合に、各容器20を独立して押圧するという実施形態を示している。ただし、容器保持部110は、2つに限らず、1つであってもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
容器押圧部102を構成している扉は、ヒンジ122を介して本体101に回動可能に取り付けられている。このような構成の場合には、各容器20に対する容器押圧部102からの押圧力が、ヒンジ122に近い容器20ほど大きくなり、ヒンジ122から遠い方の容器20に押圧力が作用しなくなる可能性がある。
そこで、この実施形態では、容器押圧部102における各容器20に対向する位置に、容器20を磁石130側に押圧する押圧部160が設けられている。この実施形態における各押圧部160は、例えば当接部123及びバネ(付勢部材)124を備えている。各バネ124は、例えば圧縮バネからなり、その一端部が容器押圧部102に固定されるとともに、他端部が各当接部123に固定されている。容器押圧部102を構成している扉を閉じたときには、各当接部123が、容器20における磁石130側とは反対側の面に当接する。これにより、各バネ124が圧縮され、各当接部123から各容器20に押圧力が作用するため、ヒンジ122からの各容器20の距離にかかわらず、各容器20に押圧力を作用させることができる。ただし、当接部123を容器20側に押圧する付勢部材は、バネ124に限らず、ゴムなどの他の弾性体などであってもよい。
本実施形態では、押圧部160による押圧力に抗して、容器保持部110が、容器20と磁石130との距離を一定に保つ。具体的には、容器押圧部102を構成している扉を閉じることで、各バネ124の圧縮により、各当接部123から各容器20へと押圧力が作用し、容器20が容器保持部110に密着する。これにより、容器20の反りが矯正される。容器保持部110には、装置100の本体101側(容器20側とは反対側)から磁石130が近接し、近接した状態のまま磁石130が上下方向に移動する。容器保持部110は所定の厚みを有しているため、容器保持部110を挟んで一方側に容器20が配置され、他方側に磁石130が配置されることにより、磁石130と容器20とが当接せずに、一定の距離を保ちながら移動することが可能となる。
1 磁性体粒子操作用デバイス
11 液体層
12 ゲル状媒体層
13 磁性体粒子
20 容器
100 磁性体粒子操作用装置
101 本体
102 容器押圧部
110 容器保持部
130 磁石
131 対向面
140 磁石保持部
150 ガイド
151 接触部
160 押圧部
161 バネ
162 固定部
163 当接部
164 バネ
165 固定部
170 押さえ機構
171 当接部
172 固定部
173 押圧部

Claims (7)

  1. 内部に液体層が形成されるとともに磁性体粒子が充填された管状の容器を保持する容器保持部と、
    前記容器保持部に保持されている容器に外側から近接し、前記容器の長手方向に対して相対移動することにより磁場を変化させ、前記容器内の磁性体粒子を移動させる磁場印加部と、
    前記磁場印加部が前記容器に対して相対移動する際に前記容器と前記磁場印加部との距離を一定に保つためのガイドと、
    前記磁場印加部及び前記容器を互いに近付ける方向に押圧力を付与する押圧部とを備え、
    前記ガイドは、前記押圧部による押圧力に抗して、前記容器と前記磁場印加部との距離を一定に保つことを特徴とする磁性体粒子操作用装置。
  2. 前記ガイドは、前記容器に接触し、前記磁場印加部が前記容器に対して相対移動する際に、前記容器に対して摺接することを特徴とする請求項1に記載の磁性体粒子操作用装置。
  3. 前記磁場印加部は、磁石と、当該磁石を保持する磁石保持部とを有し、
    前記ガイドは、前記磁石保持部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体粒子操作用装置。
  4. 前記押圧部は、前記磁石保持部を前記容器側に向かって押圧することを特徴とする請求項3に記載の磁性体粒子操作用装置。
  5. 前記容器保持部は、前記容器の一部のみを保持し、
    前記容器に対して前記押圧部側とは反対側に設けられ、前記押圧部により押圧される前記容器を押さえる押さえ機構をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の磁性体粒子操作用装置。
  6. 前記押さえ機構は、前記容器を前記押圧部側に向かって押圧することを特徴とする請求項5に記載の磁性体粒子操作用装置。
  7. 前記容器保持部は、前記容器の一部のみを保持し、
    前記押圧部は、前記容器を前記磁石保持部側に向かって押圧し、
    前記ガイドは、前記押圧部により押圧される前記容器を押さえることを特徴とする請求項3に記載の磁性体粒子操作用装置。
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