本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技機3が複数設置された遊技場において、遊技機3を管理するための遊技場用システム1に関する例である。以下、図1~図10を参照して遊技場用システム1の内容を説明する。
遊技場では、図1のごとく、パチンコ遊技機3(以下、単に遊技機3という。)に対して、遊技装置2や表示装置51等が個別に設置されている。玉やポイント等の遊技価値の付与機能や計数機能を備える遊技装置2は、対応する遊技機3と隣り合う他の遊技機3との間の隙間のスペースに設置されている。遊技装置2は、対応する遊技機3の左側に配置され、呼出ランプ511を備える表示装置51は遊技機3の上方に設置される。なお、遊技場には、パチンコ遊技機3以外にスロットマシンなども設置されている。スロットマシンの場合は、対応する遊技機の右側に遊技装置2が設置される。
遊技場内の通路に面して遊技機3が配列された遊技島では、2台の遊技機3毎に1台ずつ中継装置54が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置10が設置されている。遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値を景品に交換するための景品カウンタには、景品交換のためのPOS端末55が設置されている。また、遊技機3が配列された遊技島の島端等には、遊技カード53(図2)に対応付けられた残高(プリペイド残高)の精算を受け付ける残高精算機(図示略)が設置されている。
遊技場では、管理装置10が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機3に対応して個別に設置された表示装置51及び遊技装置2は、中継装置54を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用する遊技場用システム1では、遊技装置2などの遊技機3の周辺装置と管理装置10との間の各種の通信が中継装置54を介して実現されている。
管理装置10は、遊技場に設置された各種機器の動作状態を管理するほか、遊技装置2を介して各遊技機3の遊技情報を収集し、遊技機単位の遊技データを管理している。さらに、管理装置10は、遊技者が所持する遊技カード53(図2参照。)に対応付けられる残高や持玉などの価値を記憶し、遊技カード53の識別情報であるカードIDを対応付けて管理している。
以下、本例の遊技場用システム1を構成する遊技機3、遊技装置2、管理装置10の構成及び動作を詳しく説明し、続いて遊技場用システム1の動作内容について説明する。
(遊技機)
遊技機3は、(パチンコ)玉を遊技媒体として遊技が行われる種別の遊技機である。遊技機3は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶するいわゆる封入式の遊技機である。
遊技機3では遊技媒体である玉が封入されており、遊技者側に玉が払い出されることがない。玉は、遊技領域である盤面330(図2)への発射→盤面330からの排出を繰り返し、遊技機3の内部で循環する。この遊技機3は、遊技価値をなすポイントを遊技玉として記憶する機能を備えている。遊技機3では、この遊技玉を1P(ポイント)ずつ消費して玉を発射できる。そして、いずれかの入賞口に玉が入賞すればポイントを獲得でき、遊技機3が記憶する遊技玉が加算更新される。
封入式の遊技機3の構成を概説する。図2のごとく、遊技機3は、第1始動口31及び第2始動口32への入賞に応じて大当り抽選を実行する、いわゆるセブン機である。この遊技機3は、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口360が開放されるラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。
遊技機3の前面には、遊技椅子に着席した遊技者に対面するように盤面330が設けられている。この盤面330の下方には、遊技者に付与された遊技価値を上皿に払出す所謂払出式の遊技機における上皿に代えて、棚状に遊技者側に張り出すカウンター部35が設けられている。さらにカウンター部35の下方、遊技者側から向かって右側には、盤面330に打ち込む玉の発射強度を調節するために遊技者が操作する操作ハンドル335が立設されている。
カウンター部35では、玉を貯留するための窪みが設けられた払出式の遊技機の上皿とは異なり、上面が略面一に形成されている。カウンター部35の上面の中央付近には、6個の7セグメント表示器が横一列に配置された遊技玉P表示部355が埋め込まれている。遊技玉P表示部355の左側には、計数ボタン357が配置され、同右側には、残高表示部351、貸玉ボタン352、返却ボタン353等が配置されている。
遊技玉P表示部355は、遊技者が遊技により獲得し遊技機3が記憶している遊技価値である遊技玉の数量の表示部である。遊技玉の1ポイントは、玉1個分に対応している。遊技玉P表示部355に表示される遊技玉の数量は、払出式の遊技機における遊技者の手元にある計数前の玉の数量に相当している。
計数ボタン357は、遊技機3が記憶する遊技玉を計数して持玉(獲得価値)に移行する計数処理を実行させる計数操作の操作ボタンである。この計数ボタン357は、遊技機3により記憶される遊技玉の全部または一部を、遊技装置2、或いは遊技カード53に対応付けて記憶される持玉に移行するために遊技者が行う所定の計数操作を受け付ける計数操作受付手段としての機能を有している。
残高表示部351は、遊技装置2が受け付けた貨幣(貨幣価値)のうちの残りの金額である残高(プリペイド残高)を表示する表示部である。
貸玉ボタン352は、残高を対価として遊技玉の付与を受けるための操作ボタンである。
返却ボタン353は、遊技装置2に残高や持玉が残存する状態で遊技を終了等するときに遊技カード53を返却あるいは発行等させるための所定の発行操作のための操作ボタンである。遊技装置2に持玉や残高がある状態で遊技を終了する場合、この返却ボタン353の押下げ操作により、持玉や残高が対応付けられた遊技カード53の返却あるいは発行を受けることができる。なお、遊技機3が記憶する遊技玉の計数処理、遊技玉の付与処理、遊技カード53の返却処理(発行処理)等については、遊技装置2の動作と密接に関わっている。そこで、これらの処理の内容については、遊技装置2の構成と併せて後述する。
盤面330は、玉が流下する領域である。盤面330には、液晶表示部390を含む表示ユニット39を中心として、第1及び第2始動口31、32、通過ゲート34、開閉式の大入賞装置36等が配置されている。盤面330の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔338が開口している。
遊技者側から向かって表示ユニット39の右側には、通過ゲート34、一般入賞口343が配置され、表示ユニット39の右下に第2始動口32が配置されている。表示ユニット39の真下には、第1始動口31が配置され、第1始動口31と第2始動口32との間のスペースの下方に大入賞装置36が配置されている。さらに表示ユニット39の左下には、もう一つの一般入賞口345が配置されている。一般入賞口343、345への玉の入賞に応じて遊技者が獲得できるポイントは12Pである。
通過ゲート34は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート34には、ポイントの付与が設定されていない。通過ゲート34が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
第1始動口31は、第1の特別図柄の当否判定(以下、第1特図判定という。)の契機となる始動口である。第2始動口32は、第2の特別図柄の当否判定(以下、第2特図判定という。)の契機となる始動口である。表示ユニット39の直下に配置される第1始動口31は、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口である。第2始動口32は、電チュータイプの始動口である。第2始動口32の開口部320には、一対の可動羽根が回動して第2始動口32への入賞確率を高める電動チューリップ321が取り付けられている。この電動チューリップ321は、上記の普図判定の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口32を開放する。第1始動口31及び第2始動口32に玉が入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは3Pとなっている。
大入賞装置36は、大入賞口360を開口させる、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。アタッカー36は、横長矩形状の大入賞口360と、下開きで回動してこの大入賞口360を開閉する蓋部材361と、を有している。アタッカー36では、通常、蓋部材361が盤面330と略面一をなしており、大入賞口360が閉鎖されている。蓋部材361が手前に回動したときに大入賞口360が開放状態となる。なお、大入賞口360に入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは15Pとなっている。
アタッカー36は、第1特図判定または第2特図判定により大当り(特図当選)が発生すると開放状態になる。大当りを契機とする大当り状態では、30秒(上限開放時間)経過あるいは玉が10個(上限入賞数)入賞するまでアタッカー36が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される。なお、大当り状態としては、ラウンド処理の回数が2回の2R大当り状態と、同8回の8R大当り状態と、同15回の15R大当り状態と、がある。
表示ユニット39は、図2のごとく、外枠の内側に液晶表示部(演出表示部)390が配置された役物である。外枠の上部右側には、普図判定の当否を報知する普図表示部381、普図保留表示部382が配置されている。また、外枠の下部の左右には、第1特図保留表示部395Aと第2特図保留表示部395Bとが配設されている。
普図表示部381は、内部にLEDが仕込まれた〇と×の表示部により形成されている。普図表示部381は、〇と×のいずれかの点灯表示により普図判定の当否を報知する。普図保留表示部382は、LEDが4個並べて配置された表示部である。普図保留表示部382は、抽出された普図判定の抽選用乱数のうち、当否が未報知の保留乱数(普図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、普図保留表示部382と同様、LEDが4個並べて配置された表示部である。第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、抽出された第1(第2)特図判定の抽選用乱数のうち、当否を未報知の保留乱数(第1(第2)特図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
特図表示部としての液晶表示部390は、3桁の数字図柄を表示画面391に変動表示し、停止した3桁の数字図柄の組み合わせにより特図判定の当否を報知する。3桁のゾロ目が大当り(特図当選)を報知する大当り図柄となっている。後述する通り、この大当り図柄を構成する数字によって、大当りの種類、及び確変大当りであるか通常大当りであるかが異なってくる。
特図判定の当否を報知する際、3桁の数字図柄が左→右→中の順番で停止する。この報知演出においては、左と右で同じ数字図柄が停止し、中の数字図柄が変動表示中というリーチ演出が発生する場合がある。このリーチ演出には、シーンの切替が発生してキャラクタなどが登場するスーパーリーチ演出等が含まれている。
次に、遊技機3の電気的な構成について、図3を用いて説明する。遊技機3は、主回路40を中心として構成されている。主回路40に対しては、上記の構成のほか、遊技者が獲得した遊技価値である遊技玉を記憶する記憶部43、玉の打込を制御する発射制御回路44、設定値(後述)を設定するための確率設定部47、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ411~415、第2始動口32を開放する電チューソレノイド422、アタッカー36を開放させる大入賞口ソレノイド424、遊技演出を制御する演出制御回路45、I/F部48等が電気的に接続されている。さらに、主回路40には、電力を供給するための電源回路部428が接続されている。
記憶部43は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技価値の一例である遊技玉(遊技価値、ポイント)を記憶する遊技価値記憶手段を構成している。遊技機3では、遊技価値である遊技玉を1P(ポイント)消費して、遊技媒体である玉を発射できる。
発射制御回路44は、操作ハンドル335の操作量に応じて発射装置441を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
確率設定部47は、大当りの当選確率等の設定値を複数段階で設定するための設定手段である。この確率設定部47は、遊技機3の前面をなす開閉扉を開けたときにアクセス可能な遊技機3の盤面330の裏側に設けられている。さらに確率設定部47には、操作のための専用の設定キー470が用意されている。設定値の変更作業等は、設定キー470を所持する一部の従業員が、閉店後などの営業時間外に実施する運用が一般的となっている。
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、図3のごとく、第1始動口31(図2)への入賞玉を検出する第1特図入賞センサ411、第2始動口32への入賞玉を検出する第2特図入賞センサ412、通過ゲート34の通過玉を検出する普図始動センサ413、大入賞口360への入賞玉を検出する大入賞センサ414、及び一般入賞口343、345への入賞玉を検出する一般入賞センサ415等がある。
演出制御回路45は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、CPU(Central Processing Unit)451、ROM(Read Only Memory)452、RAM(Random Access Memory)453等を含んで構成されている。ROM452は、CPU451に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図判定の当否を報知するための報知演出の種類を決定するための演出抽選テーブルを記憶している。演出制御回路45には、アンプ/スピーカ331や装飾ランプ部336や液晶表示部390等が電気的に接続されている。
演出抽選テーブルは、上記のスーパーリーチ演出を含む各種の演出の当選乱数が規定された抽選テーブルである。演出抽選テーブルは、設定値1~6の6段階の設定値毎に用意されている。例えば設定値5や6などの高設定ほど、スーパーリーチ演出の当選乱数の規定数を多くすることも良い。この場合には、スーパーリーチ演出の出現頻度に応じて設定値を推定する楽しみを遊技者側に提供できる。
I/F部48は、遊技装置2などの外部機器とのインターフェースである。
主回路40は、図3に示すごとく、CPU401、記憶素子であるROM402・RAM403、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部407、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部406等を備えている。
ROM402は、CPU401に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、第1特図判定及び第2特図判定に共用される抽選テーブル(以下、特図判定用の抽選テーブルという。)と、普図判定用の抽選テーブルと、を記憶している。
普図判定用の抽選テーブルは、普図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図判定用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図判定に適用する抽選テーブルと、時短状態(確変状態を含む)下の普図判定に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。普図判定用の抽選テーブルは、6段階の設定値について1種類の抽選テーブルが共用される。そのため、普図当選の確率については、設定値による違いが生じない。
特図判定用の抽選テーブルは、特図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。特図判定用の抽選テーブルとしては、設定値1~6の6段階の設定値毎に、通常状態(時短状態を含む)下の特図判定用の抽選テーブルと、確変状態下の特図判定用の抽選テーブルと、が用意されている。つまり、特図判定用の抽選テーブルとしては、6段階の設定値、及び確変状態であるか通常状態であるか、の組合せによる12種類が用意されている。第1特図判定あるいは第2特図判定時には、この12種類の抽選テーブルのうちのいずれかが、設定値及び遊技状態の種類に応じて択一的に選択される。
特図判定の当選乱数の個数は設定値に応じて相違しており、設定値5や6などの高設定ほど大当りの当選乱数が多く設定されている。これにより、本例の遊技機3では、設定値(モード)毎、遊技状態毎の大当り確率が表1のように、高設定ほど高い確率になっている。
遊技機3の設定値(モード)は6段階で設けられている。遊技機3では、このモードにより、通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として、表1の通り大当り抽選の当選確率(大当り確率)を調整可能である。また、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)の割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められている。大当り確率を各モードで共通にする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードによって異なり、設定値に応じて遊技者側の有利度合いが異なっていれば良い。
なお、大当りに当選した場合の15R大当り、8R大当り、2R大当りの振分率は、第1始動口31への入賞を契機とした第1特図判定か、第2始動口32への入賞を契機とした第2特図判定か、に応じて異なっている。第1特図判定の場合の15R大当り、8R大当り、2R大当りの振分率は、40%、50%、10%となっている。第2特図判定の場合の15R大当り、8R大当り、2R大当りの振分率は、90%、10%、0%となっている。
RAM403は、図3のごとく、CPU401のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM403の記憶領域には、第1始動口31への入賞に対応する第1特図保留や、第2始動口32への入賞に対応する第2特図保留や、普図判定用の普図保留等の一時的な記憶エリアが設けられている。
主回路40は、ROM402から読み出したプログラムをCPU401に実行させることにより、以下の(1)~(6)の各手段としての機能を実現する。また、演出制御回路45は、同様に、以下の(7)の手段としての機能を実現する。
(1)抽選手段:大当り抽選である特図判定を実行する手段。
(2)保留手段:特図判定用及び普図判定用の抽選用乱数を、特図保留あるいは普図保留として記憶し保留する手段。
(3)読出手段:特図判定用の抽選用乱数である特図保留を読み出す手段。読出手段は、第1特図保留よりも第2特図保留を優先して実行する。
(4)大当り状態発生手段:特図判定の当否に応じて、遊技者側に有利な遊技状態である特別遊技状態の一例である大当り状態を発生させる手段。
(5)動作切替手段:モード(設定値)に対応する遊技動作への切替を実行する手段。動作切替手段は、特図判定用の抽選テーブルの切替等により、遊技機3による遊技動作をモードに応じて切り替える。
(6)通信手段:遊技装置2との間でデータ通信を実行する手段。なお、データ通信により遊技装置2との間でやり取りされるデータや信号等については、遊技装置2の構成を説明した後で説明する。
(7)演出抽選手段:特図判定結果の報知演出の種類を決定するための演出抽選を実行する手段。
次に、以上のように構成された本例の遊技機3の基本動作について概説する。主回路40は、操作ハンドル335に対する操作を検出すると、記憶部43が記憶する遊技玉の残存数量(ポイント)を参照する。遊技玉の残存数量があれば、1P(ポイント)分の減算を引き換えに玉を1個発射するよう、発射制御回路44を介して発射装置441を制御する。このように発射された玉は、通過ゲート34などが配置された盤面330を流下する。入賞しなかった玉は、盤面330の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
主回路40は、通過ゲート34を通過する玉を検出したとき、乱数発生部407が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主回路40は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。このとき、主回路40は遊技状態を参照し、普図表示部381を変動表示させる時間である普図の変動時間を併せて決定する。普図の変動時間としては、遊技状態が通常状態であれば30秒に決定され、時短状態であれば3秒に決定される。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部381の○×が交互に点灯する変動表示の後、○が点灯状態となる。ハズレのときには、変動表示の後、×が点灯状態となる。主回路40は、普図判定に当選したとき、第2始動口32の電動チューリップ321を開放させることで、第2始動口32の入賞率を高く設定する。なお、電動チューリップ321の開放時間は、通常状態において0.3秒×1回、時短状態(確変状態を含む)において5秒×1回となっている。
主回路40は、第1(第2)始動口31(32)への入賞玉を検出すると第1(第2)特図判定の抽選用乱数の抽出を実行し、第1(第2)特図保留として記憶する。ただし、第1(第2)特図保留の数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は第1(第2)特図保留として記憶されることなくそのまま消去される。
大当り状態が発生中ではないとき、主回路40は、図柄変動の停止中に第1特図保留あるいは第2特図保留を記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を特図判定用の抽選テーブルと照合して特図判定の当否(大当りかハズレか)、及び特図の変動時間を決定する。なお、特図保留の読出の際の保留優先順位は、第1特図保留よりも第2特図保留の方が高く設定されている。したがって、第1特図保留は、第2特図保留が無い場合に読み出される。
主回路40は、特図判定の抽選結果(大当り抽選の当否、及び特図の変動時間)を演出制御回路45に入力する。特図判定の抽選結果を入力された演出制御回路45は、上記の演出抽選テーブルによる演出抽選を実行する。この演出抽選では、スーパーリーチ演出などの特別演出を含め、特図判定の抽選結果を報知するための演出の方法や内容が決定される。
演出制御回路45は、演出抽選の抽選結果に応じて液晶表示部390(表示ユニット39)による報知演出を開始させる。演出制御回路45は、特図当選である大当りの場合、中央の図柄を残して両側に同じ数字の図柄を停止表示するリーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組合せである大当り図柄を液晶表示部390の表示画面391に停止表示させる。
15R大当りか8R大当りか2R大当りかの大当りの種類、及び確変大当りか通常大当りかは、停止表示された数字図柄の組合せに応じて異なる。例えば、7の数字図柄による大当り図柄は、確変15R大当りであり、3の数字図柄による大当り図柄は、確変8R大当りである。一方、5の数字図柄による大当り図柄は、通常15R大当りである。このように大当り図柄を構成する数字の種類に応じて大当りの種類や、確変大当りか通常大当りかが報知される。なお、大当り状態の種類、すなわち大当りが発生したときの振分は、大当り抽選と同時に決定される。その振分率は、第1始動口31への入賞(始動入賞)に応じた大当り抽選か、第2始動口32への始動入賞に応じた大当り抽選か、に応じて異なっている。第1始動入賞口31への始動入賞を契機とした大当り時の振分率は、2R大当りが10%、8R大当りが50%、15R大当りが40%となっている。第2始動入賞口32への始動入賞を契機とした大当り時の振分率は、8R大当りが10%、15R大当りが90%となっている。
主回路40は、液晶表示部390による大当り図柄の停止表示による大当り(特図当選)の報知の後、大当り状態を発生させる。大当り状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞装置36を開放するラウンド処理が繰返し実行される。なお、1回のラウンド処理で遊技者が獲得できる平均的なポイントは150Pとなっている。これは、払出式の遊技機の出玉150玉に相当している。
主回路40は、通常大当り状態の終了後には、第2始動口32の入賞確率が高くなる電動サポート有りの時短状態(時短、単独時短)を、例えば図柄変動100回転に亘って発生させる。この時短状態では、通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、普図当選に応じた第2始動口32の開放時間が長くなることで第2始動口32の入賞率が高くなる。また、確変大当り状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当り状態の発生に応じて終了する。したがって、確変大当りが発生すれば、大当り状態が連続的に発生する連荘が確定する。
なお、この遊技機3では、大入賞口360や第2始動口32が盤面330の右側領域に存在することから時短中や大当り中には盤面330の右側領域を狙って玉を打出す、いわゆる右打ちが行われる。以上は、特定の機種を例にした説明である。当然ながら、例示した値は、機種に応じて異なってくる。他の機種であれば、例えば、ラウンドの振分が異なる等、遊技性も異なっている。
(遊技装置)
遊技装置2は、遊技機単位で対応して設けられている。遊技装置2は、遊技に必要な玉やポイントを付与する付与処理や、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である遊技玉(ポイント)を計数する計数処理等を実行する装置である。遊技場では、遊技装置2を利用して遊技に必要な遊技玉(遊技価値、ポイント)の付与を受けると、対応する遊技機3での遊技が可能となる。この遊技装置2は、遊技場の従業員が携帯するリモコン295によるリモート操作が可能である。
図2のごとく、遊技装置2の前面パネル25には、状態表示部21、貨幣投入口22、カメラ230、リモコン受光部290、タッチパネル23、遊技ボタン24、カード挿入口26等が設けられている。
状態表示部21は、装置エラーや一般カード532(図4)のストック切れ等の作動状態を表示するほか、対応する遊技機3が空台であるか否かを報知するための表示を実行する状態報知手段としての機能を備えている。状態表示部21は、予め定められた複数種類の点滅パターンにより例えばストック切れなどのトラブルの作動状態を表示する。また例えば、空台の報知の際は、いずれの遊技者も遊技を開始可能な空台である旨を青色の点灯により報知し、そうではないときは赤色の点灯によりその旨を報知する。なお、空台の報知は、表示装置51を利用して実施しても良い。
貨幣投入口22は、ポイントの対価となる貨幣を投入する挿入口である。
カメラ230は、遊技機3の前に着席した遊技者を撮像するためのカメラである。カメラ230は、遊技機3を遊技する遊技者の有無を検知するための遊技者検知手段としての機能を備えている。
タッチパネル23は、遊技者が指先等で表示画面に触れて操作するタッチ操作が可能な表示パネルである。タッチパネル23は、持玉や残高(プリペイド残高)等を表示するほか、遊技者の設定操作を受け付ける各種の画面を表示する。
遊技ボタン24は、遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を元にして、遊技に必要なポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
カード挿入口26は、所有価値である持玉や残高等が対応付けられた遊技カード53の挿入あるいは発行のための挿入口である。
カード挿入口26には、会員カード531や一般カード532等の遊技カード53(図4参照。)を挿入可能である。会員カード531は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードである。一般カード532は、遊技終了時に残高あるいは持玉が残っている場合に発行される遊技カードである。
遊技カード53は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を対応付け可能な記録媒体である。会員カード531であるか一般カード532であるかによらず、遊技カード53には、識別情報であるカードIDのほか、当日の遊技により獲得された遊技価値である持玉や、当日入金した貨幣価値のうちの残高等のデータが対応付けられる。
なお、会員カード531は、前日以前の遊技により獲得した所有価値(持玉等)を貯玉等として遊技場側に預け入れて、後日の引出しを可能にする会員向けの貯玉サービスに対応している。この貯玉等については、改ざん等の不正を未然に回避するため、カードIDを対応付けて専ら管理装置10で記憶、管理され、遊技カード53には記録されないで対応付けられる。
遊技カード53に対応付けられた持玉、残高などの記録情報については、遊技カード53の不正利用の防止等を目的として管理装置10側でも管理されている。遊技装置2やPOS端末55や残高精算機など遊技カード53を取り扱う場内装置は、遊技カード53を受け付けるとカードIDを読み出して管理装置10に照会を要求し、記録情報の正否を確認する。また、これらの場内装置は、遊技カード53の記録情報を書き換えて更新する際、新たな記録情報を管理装置10に送信する。後で説明する管理装置10は、遊技カード53の識別情報であるカードID単位で、遊技カード53に対応付けられた持玉や残高等を記憶し管理している。
遊技装置2は、図4のごとく、CPU201、ROM202、RAM203等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、貨幣の受付処理を実行する貨幣処理部221、記録媒体である遊技カード53に対応付けられた記録情報を読み書きするカードリーダライタ(カードRW)280、一般カード532をストックするカードストック部283、対応する遊技機3及び中継装置54との間の通信ポートをなすI/F部29、リモコン受光部290などが電気的に接続されている。
カードRW280は、遊技カード53を発行する媒体発行手段、及び遊技カード53を受け付ける媒体受付手段としての機能を備えている。媒体発行手段は、有価価値の一例である持玉あるいは残高が対応付けられた遊技カード(記録媒体)53を発行する手段である。この媒体発行手段は、後述する取込処理を実施した後の持玉(獲得価値)を対応付けた遊技カード(記録媒体)53を発行する精算処理を実行可能である。媒体受付手段は、有価価値の一例である持玉あるいは残高が対応付けられた遊技カード(記録媒体)53を受け付ける手段である。
貨幣処理部221は、遊技を行うために必要な遊技価値の対価となる貨幣を受け付ける貨幣受付手段である。貨幣処理部221は、受け付けた貨幣の種類を検出し、その貨幣価値を特定する。
遊技装置2の制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)遊技情報取得手段:遊技機3から出力される遊技情報を取得する手段。
(2)遊技情報送信手段:前記遊技情報取得手段が取得した遊技情報を管理装置10に向けて送信する手段。
(3)有価価値記憶手段:遊技により遊技者が獲得した遊技玉(遊技価値、ポイント)、及び遊技者により投入された貨幣(貨幣価値)のうちの少なくともいずれかである有価価値を、持玉あるいは残高(入金残高)として記憶する手段。なお、有価価値記憶手段は、遊技により遊技者が獲得した遊技玉(遊技価値)である持玉(獲得価値)を記憶する獲得価値記憶手段としての機能を有している。
(4)価値取込手段:放置台として特定された遊技機3に対応する遊技価値記憶手段により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)に計数処理を施して計数玉(計数価値)を生成し、前記獲得価値記憶手段により記憶される持玉(獲得価値)に計数玉(計数価値)を移行して内部データとして取込む取込処理を実行する手段。この価値取込手段は、遊技場の従業員の操作(例えばリモコン295によるリモート操作。)に応じて取込処理を実行する。
ここで、遊技機3及び遊技装置2の基本動作を説明しておく。遊技場では、遊技装置2に貨幣を投入等することで、対応する遊技機3での遊技を開始できる。遊技装置2が貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機3と遊技装置2との双方において、入金額が残高に加算されて表示される。残高がある状態で遊技機3の貸玉ボタン352が押下(貸出操作、付与操作)されると貸出1単位(例えば125P)分が貸出玉(売上玉)としてポイント(対価付与価値)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分が残高から引落とされる。なお、遊技装置2は、複数回の対価付与処理の対応分の貨幣を受付可能である(例えば1万円まで)。
遊技機3は、上記の通り、いわゆる封入式の遊技機であり、盤面330に打ち出された玉が循環し、入賞した場合であっても遊技機3の外に玉が払出されない。この遊技機3では、遊技玉が管理され、盤面330への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉(ポイント)が減算され、入賞に応じて付与された遊技玉(ポイント)が加算される(入賞付与処理)。
一方、遊技装置2は持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン24の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉に変換される変換処理(対価付与処理)が行われる。この場合、変換率を別途設けても良いが、本例では1:1の等価変換としている。なお、この等価変換については、下記の計数処理についても同様である。
遊技に応じて遊技機3の遊技玉(ポイント)が増加した場合、遊技機3の計数ボタン357の押下に応じて遊技玉を計数玉とし、持玉に変換できる(計数処理)。この場合、1回押下(計数ボタン357)に応じて1玉(1P)が変換対象となるが、計数ボタン357の押下状態を継続させると連続的、且つ加速的に複数玉を計数玉に変換できる。このようにして遊技玉と持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機3の返却ボタン353を押下する等の発行操作が行われると、遊技装置2にストックされていた持玉券としての一般カード532に残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。なお、遊技装置2は、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行にも対応している。
発行処理については、遊技機3における遊技玉(ポイント)に応じた発行条件が設けられ、本例では遊技玉が所定数(ゼロ)以下となることで発行条件が成立し遊技カード53の発行処理が可能となる。よって、上記した遊技機3との通信により、遊技への使用や計数処理等により遊技玉がゼロになるとその旨が遊技装置2において特定され、発行条件が成立すると発行処理が許可される。上記した通り遊技機3から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉の数量を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉がゼロになった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
発行された一般カード(持玉券)532により特定可能な持玉は、POS端末55にて景品との交換が許容され、残高は残高精算機にて貨幣に精算可能である。なお、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金が例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。また、持玉や残高を一般カード532に対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カード531や遊技者の携帯電話等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論よい。
遊技装置2は、中継装置54とのシリアル通信により、管理装置10にて貨幣受付処理や対価付与処理、遊技玉(ポイント)、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数、貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これに代えて、これら各種情報をパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。なお、遊技機3との通信は中継装置54を介さず、遊技機3と遊技装置2とで直接通信しても良いし、中継装置54を介して通信しても良い。
遊技機3⇔遊技装置2でやり取りされる信号あるいは情報としては以下のものがある。(1)状態確認要求信号:状態確認応答(台データ)の要求信号。遊技装置2が200m秒毎に遊技機3に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機3が遊技装置2に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード53を受け付けた旨の遊技装置2による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機3の応答。
(5)返却要求信号:遊技カード53の返却を求めて遊技機3が送信する信号。返却ボタン353の操作に応じて遊技機3が送信する。
(6)計数要求信号:遊技機3が備える計数ボタン357が操作されたときに遊技機3が送信する信号。計数要求信号は、遊技機3が記憶する遊技玉のうちの1P分の計数を要求する信号である。
台データには、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機3が遊技装置2に送信する台データを遊技情報という。
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉(1P)単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉(1P)単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。
(4)スタート(回数):前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(液晶表示部390)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
(5)作動中(状態):データ送信時に図柄変動中等の役物が作動中であればON、非作動中ならOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を役物作動中として特定する。つまり、遊技機3は、この遊技機3が備える役物の一例である表示ユニット39が作動(図柄変動)しているか否かを特定可能な遊技情報を出力可能である。
(6)大当り(回数):前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(7)大当り(状態):データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を大当り中として特定できる。つまり、遊技機3は、特別遊技状態の一例である大当りが発生しているか否かを特定可能な遊技情報を出力可能である。
(8)甘中(状態):データ送信時に、特別状態中(甘中)あるいは大当り状態の発生中であればON、それ以外であればOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を甘中あるいは大当り状態の発生中として特定する。例えば甘中(状態)がONの場合、大当り(状態)がONであれば大当り状態の発生中、OFFなら甘中と特定する。また、甘中は、時短状態や確変状態といった特別状態が対応する。なお、大当り状態の発生中では、甘中(状態)が必ずしもONにならなくとも良い。なお、大当り(状態)と甘中(状態)のいずれもOFFであれば通常状態と特定できる。大当り(状態)あるいは甘中(状態)である状態を特賞中とする。
(9)遊技玉数:遊技機3にて記憶している遊技玉(ポイント)数を1玉(1P)単位で示す。
遊技機3は、例えば200m秒などの所定期間単位で遊技装置2に対して前回送信時からの累計データを送信し、遊技装置2は遊技機3から遊技情報を受信するとその遊技情報をデータ化して中継装置54へ送信する。
本例の構成では、上記のデータ項目を特定可能な電文のようなデータ信号が遊技機3→遊技装置2にて所定期間(例えば200m秒)単位で送信される。なお、上記では、本例に関係する情報のみを例示しているが、他に不正情報等も出力対象となる。
(管理装置)
管理装置10は、図5のごとく、液晶ディスプレイ及び図示しないプリンタ等の出力部11と、各種の演算処理を実行する装置本体100と、キーボードやマウス等を含む入力部12と、遊技装置2などの外部機器との通信を実現する通信I/F部13と、を備えている。装置本体100は、演算処理を実行するCPU101のほか、ROM102・RAM103などの記憶素子や、I/Oを構成する通信制御素子等が実装された電子基板のほか、ハードディスクドライブ等の記憶装置15を備えている。
管理装置10は、記憶装置15から読み出した実行プログラムをCPU101に実行等させることで、遊技機単位で遊技データを記憶し、管理する機能を実現する。管理装置10は、場内ネットワーク500経由で遊技装置2が200m秒毎に送信してくるデータ通知を受信する。管理装置10は、遊技機単位の遊技情報(台データ)を含むデータ通知に基づいて遊技情報を集計等することで遊技機単位の遊技データを集計等する。管理装置10では、貨幣受付処理や対価付与処理、遊技玉(ポイント)、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数、貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を、遊技機単位で特定可能である。
管理装置10は、ROM102から読み出したプログラムをCPU101に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)受信手段:データ通信用の回線である場内ネットワーク500を介して遊技情報送信手段としての遊技装置2と接続され、場内ネットワーク500を経由して遊技装置2から遊技情報(台データ)を受信する手段。
(2)遊技データ生成手段:受信手段によって受信された遊技情報に演算処理を施して遊技機3の遊技に関する遊技データを生成する手段。
(3)価値判定手段:遊技機3側から出力され、前記遊技価値記憶手段としての遊技機3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化の有無あるいは遊技玉の有無を特定可能な遊技情報に基づいて、遊技玉の変化の有無あるいは遊技玉の有無を判定する手段。さらに価値判定手段は、前記有価価値記憶手段としての遊技装置2により記憶される持玉あるいは残高(有価価値)の有無を判定可能である。
(4)価値特定手段:遊技機3側から出力される遊技情報により特定可能であり、前記遊技価値記憶手段としての遊技機3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)を少なくとも含み、遊技に使用可能な使用可能価値の量を特定する手段。価値特定手段は、前記遊技価値記憶手段としての遊技機3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の残存状況を特定可能な遊技情報に基づいて、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の残存状況を特定する一方、遊技装置2側で記憶される有価価値の一例である持玉、残高の残存状況を特定する。
(5)判定処理手段:前記価値特定手段が特定した使用可能価値が予め定められた所定量よりも少量であるか否かを判定する判定処理を行う手段。
(6)状態判定手段:遊技機3の状態を判定する手段。状態判定手段が判定する遊技機3の状態としては、稼動状態であるか非稼動状態であるか、遊技が継続している状態である遊技継続か否かなどがある。
(7)期間管理手段:前記状態判定手段により判定された状態単位で遊技機3の状態期間を管理する手段。この期間管理手段は、状態単位の状態期間について、予め設定される特定の期間に対するいずれか一の状態期間の比率を管理可能である。
(8)交替検出手段:前記状態判定手段により遊技継続ではないと判定された後、同一の遊技者によらない遊技開始と判定された場合に遊技者交替を検出する手段。
(9)放置台特定手段:前記使用可能価値が残存する状態で放置された遊技機3である放置台を特定する手段。この報知台特定手段は、前記使用可能価値が所定量(例えば100P)よりも少量であると前記判定処理手段により判定され、かつ、前記状態判定手段により非稼動状態と判定された遊技機3を、放置台として特定する。
(10)放置台報知手段:前記放置台特定手段により特定された放置台を報知する手段。この報知台報知手段は、遊技場が当日の営業を開始する際の開店処理、及び遊技場が当日の営業を終了する際の閉店処理の少なくともいずれか一方が実施される場合に、前記判定処理手段によって使用可能価値が所定量よりも少量と判定された遊技機3を放置台として報知する特別報知を実行可能である。
(11)非稼動区分手段:前記状態判定手段により非稼動状態にあると判定された遊技機3について、非稼動状態を区分する手段。この非稼動区分手段は、前記価値特定手段によって特定された遊技機3側の遊技玉(遊技価値、ポイント)の残存状況、及び遊技装置2側の有価価値(持玉、残高)の残存状況の少なくともいずれかに応じて非稼動状態の種別を区分する。なお、非稼動状態の種別には、第1非稼動状態である〈非稼動A〉、第2非稼動状態である〈非稼動B〉、第3非稼動状態である〈バリュー忘れ〉、第4非稼動状態である〈着座非稼動〉、等がある。
(12)状態報知手段:前記非稼動区分手段による遊技機3の非稼動状態の区分を報知する手段。状態報知手段には、第1非稼動状態~第4非稼動状態に区分された遊技機3について、第1非稼動状態~第4非稼動状態である旨を報知する第1~第4の状態報知手段がある。
(13)表示手段:前記特別報知の対象となる放置台を一覧表示する手段。
(14)非稼動タイマ(計時手段):遊技機3が稼動していない状態である非稼動状態が継続した期間の時間長である非稼動継続時間を計時する手段。この非稼動タイマ(計時手段)は、遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化がなく、かつ、図柄変動が実行されていない場合(役物が作動していない場合)に、非稼動継続時間を計時する。
(15)遊技データ管理手段:遊技データを管理する手段。遊技データ管理手段は、第1状態の一例である「遊技中」と、「遊技中」以外の状態と、に区分して遊技データを管理可能である。さらに遊技データ管理手段は、遊技情報に基づく遊技の履歴を表す遊技データを遊技者単位で管理可能である。
(16)利用抑制手段:遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉及び残高を使用する処理を抑制する手段。
(遊技場用システムの動作内容)
遊技場用システム1では、遊技機3における遊技状況を示す遊技情報(台データ)が遊技機3から出力された後、遊技機3→遊技装置2→中継装置54→管理装置10の経路にて伝達される。そして、管理装置10では、遊技機単位の遊技データが管理されている。
管理装置10は、図6に示すように遊技機3の稼動状態を特定して管理している。稼動状態を表す状態区分には、遊技機3が遊技者に占有されているかを示す『状態1区分』、遊技機3が稼動状態にあるかを示す『状態2区分』、遊技者が遊技中かを示す『状態3区分』の3つの区分が設けられている。同図中の「占有中」は『状態1区分』に対応し、「稼動中」は『状態2区分』に対応し、「遊技中」「待機中」は『状態3区分』に対応している。
管理装置10による遊技機3の稼動状態の特定方法について、図6のタイムチャートを参照して説明する。このタイムチャートは、いずれかの遊技機3の遊技の状況を示す時間的なチャート図であり、複数のフラグの経時変化を並列して示している。
図6中のフラグのうち、「占有中」、「稼動中」、「遊技中」、「待機中」の各フラグは、管理装置10が特定して管理する遊技機3の稼動状態を表す状態区分に対応している。「残高&持玉」、「遊技玉」、「遊技玉変化」、「図柄変動」、「特賞状態」の各フラグは、遊技機3の稼動状況を示している。「非稼動タイマ」のフラグは、上記の計時手段である非稼動タイマが作動中であるか否かを示している。なお「待機中」には、後述する通り、玉を発射せずに図柄変動を見守る「待機中1」と、次の遊技に備えるための「待機中2」と、がある。
図6中で丸囲み数字で示す時点の状況は、次の通りである。
丸囲み数字1:遊技開始にて入金→占有開始。
丸囲み数字2:入金した残高で遊技玉の貸出処理(遊技玉の増加が貸出玉に対応)。なお、丸囲み数字2には、通常文字のほか、白抜き文字のものがある。区別のため、一方を白抜き文字で示している。
丸囲み数字3:遊技玉を消費して稼動開始(アウト発生)。
丸囲み数字4:始動入賞し、図柄変動開始。
丸囲み数字5:遊技玉がゼロとなり、アウト停止。
丸囲み数字6:アウト停止後、図柄変動停止→それまでを「待機中1」とし、非稼動タイマ開始。
丸囲み数字7:残高不足の為、入金。
丸囲み数字8:非稼動タイマ作動中にアウト発生したのでそれまでを「待機中2」とする。
丸囲み数字9:保留が増えたので止打(アウト停止)→「待機中1」に移行。
丸囲み数字10:保留が減ったので打込再開(アウト発生)→「遊技中」に移行。
丸囲み数字11:大当り発生。
丸囲み数字12:大当り終了後、暫く止打(アウト停止)→大当り中のため「待機中1」とする。
丸囲み数字13:確変状態となり図柄変動及び打込開始。
丸囲み数字14:大当りが連荘し、図柄変動停止。
丸囲み数字15:時短状態となり図柄変動及び打込開始。
丸囲み数字16:時短終了。
丸囲み数字17:一旦休憩すべく打込終了。
丸囲み数字18:遊技玉が減少したが計数処理のため遊技フラグ(「遊技中」に対応する制御フラグ)に影響なし。
丸囲み数字19:一旦休憩すべく全発行処理(持玉及び残高を全て遊技カード53に対応付ける発行処理)されたので遊技終了判定し、非稼動タイマを停止し、非稼動タイマの計時期間であるタイマ作動期間を「待機中2」とする。
丸囲み数字20:休憩から戻り、遊技カード53受付→同一の遊技カード53なので遊技再開と判定。
丸囲み数字21:持玉全てを遊技玉に変換。
丸囲み数字22:始動入賞せず保留がなくなり図柄変動停止。
丸囲み数字23:遊技終了のため打込終了。
丸囲み数字24:そのまま非稼動タイマがタイムアップしたので、タイムアップまでのタイマ作動期間を後述の「非待機」とし、図柄変動停止までを「占有中」、「稼動中」とする。
管理装置10による稼動状態の特定について、以下、補足して説明する。管理装置10は、残高・持玉及び遊技玉のうちのいずれかが有の場合、あるいは「稼動中」の場合、あるいは「待機中2」(第3状態)の場合、は「占有中」と特定し、いずれでもない場合は「非占有」と特定する。つまり、遊技装置(有価価値記憶手段)2により記憶される有価価値である持玉・残高、及び遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)のうちの少なくともいずれかが存在している期間、状態判定手段としての管理装置10により稼動期間(遊技機3が「稼動中」である状態期間)と判定された期間、及び同管理装置10により「待機中2」と区分された期間、を遊技機3が占有されている「占有中」の状態期間である占有期間と判定する。
上記の通り管理装置10は、「占有中」か「非占有」かの『状態1区分』の状態区分、「稼動中」か「非稼動」かの『状態2区分』の状態区分、及び「遊技中」か「待機中1または2」か「非待機」かの『状態3区分』の状態区分、を利用して遊技機3の稼動状態を特定する。
管理装置10は、遊技機3から送られる遊技情報に含まれる遊技玉を前後の遊技情報で比較することで遊技玉変化の有無を判定する。そして、遊技玉変化有(以下、玉変化有という)であれば、「遊技中」(第1状態)と特定する(第1の特定方法という。)。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化が有ったと前記価値判定手段としての管理装置10により判定された場合に、遊技機3の状態を「遊技中」(第1状態)と判定する。なお、後述する第4の特定方法も含み例外が有る点に留意が必要である。基本的には玉を発射すれば遊技玉減少となり玉変化有となるが、セーフ発生でも玉変化有となる。
管理装置10は、図柄変動中(役物の作動中)か否かを遊技機3から送られる遊技情報により特定する。そして、玉変化有あるいは図柄変動中は、非稼動タイマを作動させず、いずれも無となった場合に非稼動タイマを所定期間(例えば1分)作動させる。そして、この所定期間が経過してタイムアップとなるか、あるいは玉変化有又は図柄変動中となったか、あるいは対応する遊技装置2で全発行処理が行われたか、いずれかの場合に管理装置10は非稼動タイマの作動を停止させる。
管理装置10は、玉変化の無い図柄変動中は「待機中1」(第2状態)と特定する。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、「遊技中」(第1状態)以外の遊技機3の状態のうち、図柄変動中(役物である表示ユニット39の作動中)の状態を「待機中1」(第2状態)と判定する。また、「遊技中」(第1状態)又は「待機中1」(第2状態)を「稼動中」とし、「待機中2」(第3状態)や「非待機」(第4状態)等のそれ以外は「非稼動」(非稼動状態)と特定する(第2の特定方法という。)。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、「遊技中」以外の遊技機3の状態のうち、図柄変動中(役物の作動中)の状態を「待機中1」と判定すると共に、遊技機3の状態を「遊技中」又は「待機中1」と判定した「稼動中」の状態期間を、遊技機3の稼動期間と判定する。
また、非稼動タイマの計時期間であるタイマ作動期間の状態は、非稼動タイマの作動停止の条件により以下のように状態を振り分ける。即ち、所定期間経過(タイムアップ)→「非待機」(第4状態)と特定し、それ以外→「待機中2」と特定する(第3の特定方法という。)。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、非稼動タイマ(計時手段)により非稼動継続時間の計時が行われた計時期間であるタイマ作動期間のうち、遊技機3の遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化が発生することを少なくとも含む第1条件が成立したタイマ作動期間における遊技機3の状態を「待機中2」(第3状態)と区分する一方、前記第1条件が成立しないまま所定期間経過(非稼動継続時間が予め定められた上限期間に到達)という第2条件が成立したタイマ作動期間における遊技機3の状態を「非待機」(第4状態)と区分する。
管理装置10は、貸出処理や計数処理等の移行処理が行われた場合に遊技玉が変化しても例外的に「遊技中」とせず「非待機」を維持する(第4の特定方法という。)。つまり、管理装置(状態判定手段)10において、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化が有ったと管理装置(価値判定手段)10により判定された場合であっても、遊技機3が記憶する遊技玉に関する移行処理によるものであった場合には、「遊技中」(第1状態)である旨の判定が抑制される。この場合、遊技玉変化分と貸出玉変化分等とを比較し、その比較結果が対応するか(例えば、その差が±10P以内)により貸出処理等による変化かを判定する。なお、遊技玉変化と貸出玉変化等とのタイムラグを考慮することも良い。
上記の第4の特定方法は、状態変化(状態移行)を行わない例外を示す条件である。第4の特定方法の場合でも、タイマ作動中(非稼動タイマの作動中)なら作動継続、直前の状態が図柄変動中なら上記の第2の特定方法の「待機中1」を継続、玉の発射中に貸出処理が行われる等、直前の状態が「遊技中」なら上記の第1の特定方法の「遊技中」を継続し、いずれでもない場合に第4の特定方法の「非待機」とする。
「待機中」は非稼動タイマの作動有無により、図柄変動を見守る玉変化のない図柄変動中の「待機中1」と、次の遊技に備えるための上記の第3の特定方法の「待機中2」とに区分される。
図6では示していないが、管理装置10は、大当りか否かを監視し、大当り中に玉変化有でない場合は「待機中1」と特定する。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、大当り中(特別遊技状態の発生中)では、遊技機3の遊技玉(遊技価値)に変化がなく、かつ、表示ユニット39の図柄変動が停止している場合(役物が作動していない場合)であっても、遊技機3の状態を「待機中1」(第2状態)と判定する。このような判定は図6における丸囲み数字12の場合のような大当りのエンディングを遊技者が見守っている状態を想定している。その他、特賞中は玉変化有が継続し、別途条件を設けなくとも上記の第1の特定方法により「遊技中」となるが、仮に遊技者が全発行処理を行って休憩した場合は「待機中2」とする。この場合、持玉等がゼロとなっても図柄変動中と同様に例外として「待機中2」とすれば良い。また、特賞中は上記の第1の特定方法の判定に関わりなく「遊技中」と区分しても良いが、例えば確変中に離席等、遊技を中断しても「遊技中」となるおそれがあるので他と同じ判定とし、別途、第4の状態区分である『状態4区分』として「特賞中」か否かを設けて区分することも良い。
管理装置10は、遊技情報により特定可能な遊技玉と図柄変動と状態とを、遊技情報を受信することで監視し、遊技玉に変化があった場合は『状態3区分』を「遊技中」と特定する一方、変化がない場合、図柄変動中であれば「待機中1」と特定する。また、遊技玉の変化がなく図柄変動中でもない場合は非稼動タイマを作動させる。
非稼動タイマは、タイムアップあるいはそれ以外の遊技玉変化や図柄変動開始等により停止する。管理装置10は、非稼動タイマの計時期間であるタイマ作動期間を、タイムアップによる停止の場合であれば「非待機」とし、タイムアップ以外の遊技玉変化や図柄変動開始等による停止の場合であれば「待機中2」とすることで『状態3区分』の状態を特定する。
管理装置10は、『状態2区分』については、「遊技中」又は「待機中1」を「稼動中」と特定する一方、それ以外の「待機中2」や「非待機」を「非稼動」に区分する。『状態1区分』については、残高、持玉及び遊技玉のうちのいずれかが有るか、あるいは「稼動中」か、あるいは「待機中2」であれば「占有中」と特定し、それ以外は「非占有」と特定する。
管理装置10は、遊技玉の変化があっても、その変化が貸出処理や計数処理に対応する場合は例外的に状態変化(状態移行)を特定しない。管理装置10は、貸出処理等に対応するかどうか、遊技玉の変化分と貸出玉等との比較により特定する。ただし、大当り中は例外として遊技玉の変化がなく図柄変動が行われていなくとも「待機中1」と特定する。
管理装置10は、上記のように状態を特定して状態単位の期間を、図7のように例えばアウト等の周知の遊技情報と比較可能に表示あるいは印字出力する。この場合、「稼動中」である期間を「稼動期間」、「占有中」である期間を「占有期間」、「遊技中」である期間を「遊技期間」といったように状態単位で区分して期間を集計すると共に、アウトにより期間換算した期間との比率や稼動期間に対する比率を算出する。
なお、遊技データ管理手段としての管理装置10は、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)と遊技装置(有価価値記憶手段)2により記憶される有価価値(持玉、残高)との合計価値に関する実測値と理論値との誤差データ、を遊技者単位で管理可能としても良い。
図7中の項目は、以下の通りである。
(1)アウト、セーフ、出率:アウトは、遊技機3が出力する遊技情報中のアウトに基づく遊技機3にて使用されたポイント(使用価値)。セーフは、同遊技情報中のセーフに基づく遊技機3での遊技に応じて付与されたポイント(払出価値)。出率は、アウトに対するセーフの割合。
(2)期間:タイムチャート(図6)にて示したように特定した対象となる期間。
(3)アウト率:アウトから換算した期間に対する対象期間の割合。図7ではアウト6000が1:00の期間に対応するものとして換算している。遊技期間のアウト率を参照することで、換算するアウト(絶対アウト、図7であれば6000)が適正か(100%に近づく程適正)を特定可能である。また、稼動期間のアウト率が100%に近づくように絶対アウトを調整すれば、稼動期間を直接特定しない遊技機3であっても適切な絶対アウトを得られるようになる。
(4)稼動割合:稼動期間に対する対象期間の割合。
(5)平均、合計:平均は機種単位の1台当りの平均値。合計は機種合計。
ここで、図7中の「待機中2」について補足して説明する。非稼動タイマの作動中は「非稼動」となるが、図7や後で参照する図10のフローチャートでは、一旦、「占有中」のままとして、非稼動タイマがタイムアップした場合に残高等がなければタイマ作動期間を「非占有」に変更する構成を例示している。この場合、非稼動タイマの作動停止時に「非占有」に変更することなく、本例で「非占有」としたタイマ作動期間を別途管理し、図7の集計時に占有期間から「非占有」としたタイマ作動期間を除外することで占有期間を特定しても良い。
また、本例では「待機中2」を稼動期間に含めなかったが、稼動期間に含めて管理しても良い。この場合、上記同様に非稼動タイマの作動停止時に稼動状態の振分を行っても良いが、一旦、タイマ作動期間を稼動期間として特定し、その後、「非待機」の期間を稼動期間から除外して稼動期間を特定しても良い。
なお、管理装置10は、遊技者交替を以下のように判定する。即ち、残高、持玉が残存する場合だけでなく、そのいずれもなくとも遊技玉が残存すれば同一遊技者による遊技継続と判定する。また、管理装置10は、「待機中1」、「待機中2」も遊技継続と判定する。即ち、「占有中」の場合は遊技継続と判定する。ここで、図柄変動中は「待機中1」と特定されるため、遊技装置(有価価値記憶手段)2により記憶される有価価値である持玉・残高、及び遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の両方が無い、と管理装置(価値判定手段)10が判定した場合であっても、図柄変動中(役物である表示ユニット39の作動中)では管理装置(状態判定手段)10により遊技継続と判定されることになる。
遊技者の交替について、管理装置10は、「占有中」が終了し、その後、その遊技終了した遊技者と同一でない遊技者が遊技を開始した場合に交替と判定する。この場合、同一でないと判定するのは全発行処理を行った遊技カード53(記録媒体)を受付けることなく次の遊技開始を判定したことを条件とする。
前出の図6を例にして遊技者交替について説明する。同図では例えば丸囲み数字2~7の期間や、丸囲み数字2(白抜き文字)~18の期間のように同一の遊技者の遊技中に残高や持玉がなくなる期間が存在する。この場合、従来であれば例えばアウトの発生毎に非稼動タイマのようなタイマを再作動させ、タイマ作動中の期間については同一の遊技者による遊技と判定していた。これに対して本例の構成では、管理装置10側で遊技玉が存在する期間や図柄変動を含めた「稼動中」の期間を特定可能であることから、その期間については非稼動タイマの作動に関わりなく同一の遊技者として取扱うことで、非稼動タイマによる不確かな特定方法をより確実な特定方法に近づけることが可能である。
本例の管理装置10は、図6では、丸囲み数字2~7のうち同2~5の期間では、遊技玉が残存するので遊技継続と判定する。一方で、管理装置10は、丸囲み数字5~7の期間では、遊技玉が残存しないものの「待機中1」、あるいはタイマ作動期間である状態で再度丸囲み数字7にて残高等が特定された「待機中2」となることから、その残高等がなくなる丸囲み数字2~2(白抜き文字)までの期間は同一遊技者の遊技継続と判定する。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)及び遊技装置(有価価値記憶手段)2により記憶される有価価値である持玉・残高の両方が、管理装置(価値判定手段)10により無いと判定された状態で表示ユニット39による図柄変動が停止された後、予め定められた所定期間が経過するよりも前に持玉・残高(有価価値)及び遊技玉の少なくともいずれかが有ると管理装置(価値判定手段)10により判定される状態に切り替わった場合、表示ユニット39による図柄変動が停止された後の期間について遊技継続と判定する。
同様に管理装置10は、丸囲み数字2(白抜き文字)からの期間では、残高等が残存しないが、遊技玉が残存することから遊技継続と判定し、遊技玉がなくなる丸囲み数字18まで遊技継続と判定する。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、遊技装置(有価価値記憶手段)2により記憶される有価価値である持玉及び残高が無いと管理装置(価値判定手段)10により判定された場合であっても、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が有ると管理装置(価値判定手段)10により判定された場合には、遊技継続と判定する。
丸囲み数字18~19の期間については、残高等が残存するためこの期間も遊技継続と判定し、その結果、1回目の丸囲み数字2~19の期間は同一の遊技者と判定する。この場合、例えば丸囲み数字8~11の期間で、遊技者が休憩の為、発行処理を行わずに退席し、非稼動タイマのタイムアップを迎えても遊技玉が残存することから遊技継続と判定することが可能となる等、従来の構成では不可能であった特定(判定)を実現でき、より確実な特定方法に近づけることが可能となる。
丸囲み数字20にて遊技カード53を受付けた場合は、従来と同様に受付けた遊技カード53のカードIDと前回発行処理を行ったカードIDとを比較することで同一遊技者が遊技を継続したか否かを判定可能となる。なお、遊技カード53の存在を忘れて追加入金する等、全発行処理を行った遊技者が遊技カード53を受付けることなく遊技を再開する場合も想定されるので、「占有中」が継続する状態で遊技カード53を受付けた場合には遊技開始時と同様の判定を行い、同一との判定となれば遊技継続との判定を行えば良い。つまり、遊技装置(媒体受付手段)2により、対応する遊技機3が共通する遊技装置(媒体発行手段)2により発行された遊技カード(記録媒体)53が受け付けられた場合に、管理装置(状態判定手段)10は遊技継続中であるかに関わらず、同一の遊技者による遊技と判定可能である。
このような遊技継続か否かの継続判定を行うことで、例えば図8に示す遊技履歴において遊技者単位の遊技履歴を管理可能になる。他にもアウト、セーフ、売上玉、計数玉により特定可能な計数誤差を遊技者単位で管理する場合には、遊技者交替により計数誤差をリセットするが、そのリセットタイミングをより適正なタイミングにすることが可能となる。
また、図6にて示した通り、本例の構成では、遊技機単位で稼動状態を特定している。稼動状態が「非稼動」となった場合(非稼動タイマ作動中は作動停止後)に、使用可能価値の一例である遊技玉と基準値とを比較し、遊技玉は基準値A(第1基準値、例えばゼロP)には達している(例えばゼロPを上回るか、あるいは残存する)が基準値B(第2基準値、所定量、例えば100P)には達していない場合(所定量よりも少量である場合)に放置台として従業員へ報知する。
報知を実行する方法としては、遊技装置2や表示装置51や管理装置10における表示や音声以外にも店内放送、インカムへの通知、いわゆる代表ランプのような島端報知機での報知等が例示できる。
従業員が確認し、空台と判定した場合に残存する遊技玉を取込む以下に例示する取込処理を行っても良い。
・従業員が空台と判断し、遊技装置2に対する空台操作を実行(例えばリモコン295の操作に応じて空台信号送信) →
・遊技装置2にて計数処理を行って残存する遊技玉を計数処理 →
・遊技玉から変換した残存する遊技装置2の持玉を遊技場にて取込
この取込処理は、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)に計数処理を施して計数玉(計数価値)を生成し、この計数玉を遊技装置2側で記憶される持玉(有価価値)に移行して内部データとして取込む処理である。
なお、取込んだ持玉等を履歴管理し、後々遊技者から返還を求められた場合に、例えばPOS端末55にて履歴を選択して、その持玉等を対応付けた一般カード532を発行したり、受付けた会員カード531に対応付けたりする精算処理を行っても良い。この精算処理は、取込処理による持玉(有価価値)を対応付けた遊技カード(記録媒体)53を発行する処理である。この場合、上記した放置台の報知対象となることを条件として取込処理や精算処理を行っても良い。つまり、取込処理及び精算処理のいずれか一方の処理を、管理装置(非稼動区分手段)10によって非稼動状態が後述するいずれかの種別に区分されたことを前提として許容することも良い。
「非稼動」であるか否かに関わらず、管理装置10にて閉店あるいは開店を示す通知を行った場合には、上記同様の比較を行い、遊技玉は残存するが基準値に達していない場合(所定量よりも少量である場合)には放置台として報知する(特別報知)。つまり、営業中の報知で空台整理(取込処理等)が漏れていても閉店時に再度空台整理すること、あるいは閉店時に試打ち等により残存することとなった遊技玉を整理対象にすることが可能となる。放置台の報知を管理装置10で表示する場合、放置台を一覧表示し、その内から遊技機3を個別あるいは一括にて選択して取込処理や精算処理を行っても良く、このような報知は「非稼動」となった場合には行わず、閉店あるいは開店を示す通知を行った場合に行っても良い。
また、開店と閉店の一方だけを対象として報知等の上記した処理を行っても良い。更に放置台の特定は例えば食事休憩のような特定の登録を行った遊技機3は対象外としても良い。
さらに、遊技機3からは操作ハンドル335を操作しているか否かを示すアウトなどの遊技情報を送信されるので、「非稼動」との判定の代わりに操作ハンドル335が非操作となった場合に検知を行っても良い。
このように管理装置10は、遊技玉に対して基準値A(例えばゼロP)、基準値B(例えば所定量100P)を設定し、基準値Aには達しているが、基準値Bには達していない状態(所定量よりも少量となった状態)で、「非稼動」となった遊技機3を放置台として判定し報知する。この報知は主に従業員向けに行われ、その報知により遊技者がいないことを従業員が確認した場合にリモコン操作にて遊技装置2に遊技玉の計数処理を行わせた上で、その持玉の取込処理を行う。
取込処理は管理装置10にて管理されており、例えばPOS端末55にて履歴参照操作を行うことで確認可能である。例えば、管理装置10は、参照された履歴のうち、対応する履歴を選択することで取込んだ持玉等が対応付けられた一般カード532を発行可能である。
また、管理装置10は、「非稼動」となった場合以外に、閉店処理や開店処理が行われた場合にも上記の放置台の判定を実施すると共に放置台を一覧表示すると良い。この放置台の一覧表示では、取込処理等を行う遊技機3を選択可能である。管理装置10は、選択された遊技機3について取込処理等を実施可能である。すなわち、表示手段としての管理装置10が一覧表示する放置台のうちの選択された1台または複数台の放置台について、前記価値取込手段としての遊技装置2による取込処理を実行することが可能である。
放置台の報知として、以下の通り、非稼動状態を細分化して報知しても良い(図9)。同図の非稼動状態の区分には、遊技装置2に設けられたカメラ230が利用される。このカメラ230を利用すれば、遊技機3前方の椅子に遊技者が着座しているかを検知可能となる。遊技者が着座している旨が検知された場合には、図9中の「人体検知」の項目が「検知」となり、検知していない場合には同項目が「非検知」となる。なお、「非稼動」の判定については、非稼動タイマを利用する判定、及びカメラ230による人体検知を利用する判定のいずれを採用しても良く、両者の組合せであっても良い。
管理装置10では、非稼動状態の区分として4つの区分が設けられている(図9)。区分としては、〈非稼動A〉、〈非稼動B〉、〈バリュー忘れ〉、〈着座非稼動〉がある。
〈非稼動A〉は、「人体検知」が「非検知」で遊技玉(使用可能価値)が基準値Aに達していない(例えば遊技玉がゼロP、あるいは残高が残存しない)場合に特定される。空台濃厚である〈非稼動A〉の遊技機3については、従業員に対する特別な報知は行わないが「空台」である旨が報知される。
図9中の〈非稼動B〉は、「人体検知」が「非検知」で遊技玉(使用可能価値)が基準値Aに達しているが基準値Bには達していない場合に特定される。従業員による確認が必要な〈非稼動B〉の遊技機3については、空台として整理しても良いかが従業員に対して報知され、従業員の確認により空台として整理される場合がある。上述した放置台の報知と同様の条件となる。
同図中の〈バリュー忘れ〉は、「人体検知」が「非検知」で遊技玉(使用可能価値)が基準値Bに達している場合に特定される。遊技玉が基準値Bに達しているかあるいは残高等が残存する〈バリュー忘れ〉の遊技機3については、遊技者が精算し忘れて退座しているかを確認する旨を従業員に報知すると共に、発行処理は禁止するものの持玉や遊技玉の使用までは禁止せず、遊技を検出した場合には遊技者が休憩する等して退座したとして解除する構成が例示できるセーフモードに移行する。セーフモードとして遊技玉の使用を禁止しないことを例示したが、遊技玉を利用する処理を抑制すれば遊技玉や持玉の使用を禁止するなど例示した以外の抑制処理を行っても良い。
同図中の〈着座非稼動〉は、「人体検知」が「検知」で遊技玉(使用可能価値)が基準値Aに達していない場合に特定される。遊技者が遊技することなく無用に遊技機3を占拠している〈着座非稼動〉の遊技機3については、従業員に対して遊技者が遊技しないにも関わらず遊技機3を占拠していないかを確認する旨を報知する。
なお、「空台」である旨の報知のような遊技者への報知としては、遊技装置2や表示装置51での出力(例えば表示や音声出力など)以外に、島端や休憩所等に設けられる総合情報表示装置での出力も例示できる。
また、遊技玉を基準値と比較する場合、持玉を合計した玉数を比較対象としても良い。つまり、使用可能価値は、遊技機(遊技価値記憶手段)3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)と、遊技装置(獲得価値記憶手段)2により記憶される持玉(獲得価値)と、を少なくとも含んだ価値であっても良い。さらに使用可能価値は、遊技玉と持玉と残高とを含んだ価値であっても良い。
さらに、残高が残存する場合には遊技玉に関わらず〈バリュー忘れ〉として処理しても良い。
第1非稼動状態の一例である〈非稼動A〉は、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)、及び遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉及び残高がいずれも予め定められた基準値A(第1基準値)に達していない非稼動状態の区分であっても良い。第2非稼動状態の一例である〈非稼動B〉は、遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉及び残高が予め定められた基準値A(第1基準値)に達していない一方、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が予め定められた基準値A(第1基準値)に達しているものの予め定められた基準値B(第2基準値)には達していない非稼動状態の区分であっても良い。第3非稼動状態の一例である〈バリュー忘れ〉は、遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉及び残高が予め定められた基準値A(第1基準値)に達している、あるいは遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が予め定められた基準値B(第2基準値)に達している非稼動状態の区分であっても良い。第4非稼動状態の一例である〈着座非稼動〉は、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)及び遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉及び残高の両方が予め定められた基準値A(第1基準値)に達していないが、遊技機3を遊技する遊技者が検知されている非稼動状態の区分であっても良い。
なお、報知の例示として区分に応じた文字情報による報知を例示したが、区分に対応付けて例えば表示装置51の呼出ランプや遊技機3の装飾ランプ部を対応する表示態様にすることで報知しても良い。また、前述した取込処理を行う場合、図9の状態特定を条件としても良く、更に精算処理を〈バリュー忘れ〉であれば可能とする一方、〈非稼動A〉や〈非稼動B〉であれば不可能とすることも例示できる。
さらに、上記のように非稼動状態を区分すると共に、図7のような遊技情報と比較可能に表示することや、いわゆる島レイアウト上に遊技機単位で異なる識別表示することで出力することを例示できる。
また、図9中の〈バリュー忘れ〉の場合、発行処理を制限するようなセーフモードに切り替わる構成を例示している。更に上記の取込処理等を例えば〈非稼動B〉と判定されることを条件とする等、判定結果に応じて許容する構成としても良い。
次に、管理装置10が実行する状態判定処理の流れについて、図10のフロー図を参照して説明する。
入金や遊技カード53のカード受付がなく(S101:NO)、遊技情報の受信がなく(S103:NO)、全発行処理の実行がなく(S136:NO)、非稼動タイマがタイムアップではない(S161:NO)ことを判定することを説明の都合上、初期待機フローとする。
初期待機フローにて、入金や遊技カード53のカード受付があると(S101:YES)、占有フラグが1となる(S102)。そして、上記の遊技情報を受信すると(S103:YES)、遊技玉の変化の有無が判定される(S104)。遊技玉に変化があれば(S104:YES)、その変化が貸出玉や計数玉に対応するものであるか否かが判断される(S121)。
遊技玉の変化が貸出玉や計数玉に対応していれば(S121:YES)、全発行処理が実行されたか否かの判断に移行する(S136)。一方、遊技玉の変化が貸出玉や計数玉に対応していなければ(S121:NO)、セーフモードを解除し(S122)、遊技フラグを1とし(S123)、待機フラグが1か否かが判断される(S124)。例えば遊技開始時や遊技中のように待機フラグがゼロで(S124:NO)、非稼動タイマが非作動中であれば(S108:NO)、全発行処理が実行されたか否かの判断に移行する(S136)。
遊技玉に変化があれば上記のフローとなるが、遊技玉に変化がない場合(S104:NO)、図柄変動中など役物作動中であれば(S105:YES)、遊技フラグにゼロがセットされると共に(S106)、待機フラグに1がセットされ(S107)、非稼動タイマが作動中であるか否かが判断される(S108)。例えば遊技開始時や遊技中の場合、非稼動タイマは非作動なので(S108:NO)、全発行処理が実行されたか否かの判断に移行する。なお、図6のタイムチャートで示す「占有中」が占有フラグ=1、「遊技中」が遊技フラグ=1、「待機中1」が待機フラグ=1に対応する。
遊技玉に変化がなく(S104:NO)、役物作動中でもない場合(S105:NO)、遊技フラグが1(S131:YES)、即ち遊技玉の変化が終了した直後であれば、遊技フラグをゼロとし(S151)、非稼動タイマの作動を開始する(S152)。一方、遊技フラグがゼロで(S131:NO)、待機フラグが1(S132:YES)の場合、即ち、遊技玉変化がないまま役物作動中だったが、その作動が終了した場合は、待機フラグをゼロとし(S133)、残高あるいは持玉あるいは遊技玉が無いかどうか判断される(S134)。
例えば遊技中のように残高や遊技玉等が残存していれば(S134:NO)、非稼動タイマの作動を開始する(S135)。なお、非稼動タイマ作動中の待機フローは、役物作動中ではなく(S105:NO)、遊技フラグがゼロで(S131:NO)、待機フラグがゼロのとき(S132:NO)、の処理フローとなる。
待機フラグが1の状態で遊技玉に変化があったとき(S104:YES)、その変化が貸出玉や計数玉に対応していないものと判断されれば(S121:NO)、セーフモードが解除される(S122)と共に、遊技フラグに1がセットされる(S123)。そして、待機フラグが1であるため(S124:YES)、待機フラグがゼロにリセットされる(S125)。
一方、非稼動タイマの作動中に貸出玉等に対応しない遊技玉変化があると(S104:YES→S121:NO→S124:NO→S108:YES)、非稼動タイマを停止し(S109)、非稼動タイマによる計時期間であるタイマ作動期間における遊技機3の状態を「待機中2」とする(S110)。なお、「待機中2」は、遊技のための準備期間を示すフラグである。また、非稼動タイマの作動中に遊技玉変化がないまま役物作動が開始した場合も(S105:YES→S108:YES)、同様の処理となる。この場合、いずれもタイマ作動期間の状態を「待機中2」とする(S110)。
以上のようにして遊技が行われ、遊技終了した場合、全発行処理が行われず(S136:NO)、そのまま非稼動タイマがタイムアップすれば(S161:YES)、タイマ作動期間の状態を「非待機」(S162)、つまり、非稼動タイマ作動中は遊技だけでなく、その準備もされていないとして、残高等がなければ(S163:YES)、占有フラグをゼロとし(S171)、タイマ作動期間の状態を「非占有」に変更する(S172)。一方、遊技玉が多数残存する場合や残高がある場合は(S163:NO→S164:YES)、セーフモードを開始し(S165)、占有状態を維持する。また、遊技玉が少数しかないような場合(S164:NO)、セーフモードとせずに、従業員への報知だけを行い、この場合も占有状態を維持する。
一方で、全発行処理を行うと(S136:YES)、役物作動中であればそのままリターンする一方(S137:YES)、役物作動中でなければ(S137:NO)、非稼動タイマが作動していれば作動を停止し(S138)、そのタイマ作動期間の状態を「待機中2」として遊技フラグや占有フラグをゼロとする(S139、S140)。役物作動中の場合(S137:YES)、リターン後は、遊技情報を受信しても(S103:YES)、作動継続中は、S105:YESからS108:NOに至るフローとなる。役物作動が終了すると(S105:NO)、S131:NO→S132:YESにて待機フラグをゼロとし(S133)、全発行処理にて残高等が無の状態なので(S134:YES)、占有フラグ等をゼロとする(S140)。
なお、フローには示さなかったが、遊技玉の発射を継続していても遊技情報の出力タイミングで遊技玉に変化がない場合も想定できる。これは、規則上60秒100玉の発射が上限なので1玉600m秒間隔が上限となり、例示した200m秒間隔の遊技情報では遊技玉が変化しないおそれがあるためである。そこで、遊技フラグが1と判断された後(S131:YES)に作動するタイマ作動期間が所定期間(例えば基準期間となる1秒)に達していない状態で、遊技玉の変化が有ると判定された場合(S104:YES)、そのタイマ作動期間の状態を「遊技中」としても良い。つまり、管理装置(状態判定手段)10は、タイマ作動期間(非稼動継続時間の計時期間)において予め定められた基準期間に到達する前に上記の第1条件が成立した場合に、このタイマ作動期間の開始前の遊技機3の状態がタイマ作動期間においても継続していると判定する。この場合、所定期間経過後に遊技フラグをゼロとする等、どのような方法を採用してもよい。また、図柄変動が開始される場合も想定されるが、この場合も同様に所定期間内に遊技玉が変化すれば「遊技中」のままとしても良い。
以上のように構成された遊技場用システム1は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技玉(遊技価値、ポイント)を記憶する遊技機3に対応して設けられるシステムである。この遊技場用システム1では、遊技機3側で記憶される遊技玉の変化が有ったと判定された場合に、遊技機3の状態が「遊技中」(第1状態)と判定される。そして、この遊技場用システム1では、「遊技中」と、「遊技中」以外の状態と、に区分して遊技データが管理される。
遊技場用システム1によれば、遊技機3側で記憶される遊技玉の変化により遊技機3の状態を判定することで、遊技機3の稼動状況を表す遊技データを管理する場合の正確性を向上できる。
遊技機3から出力される遊技情報には、遊技機3が備える役物の一例である表示ユニット39が作動して図柄変動を実行しているか否かを特定可能な情報が含まれている。遊技場用システム1では、「遊技中」(第1状態)以外の状態のうち、表示ユニット39による図柄変動中の状態を「待機中1」(第2状態)と判定する。このような判定によれば、遊技機3が記憶する遊技玉(遊技価値、ポイント)に変化がなくとも表示ユニット39などの役物が作動している場合に遊技者が遊技している状態として管理できるようになるので、稼動状況をより正確に管理できるようになる。
また遊技場用システム1は、遊技機3の状態を「遊技中」(第1状態)又は「待機中1」(第2状態)と判定した期間である状態期間を、遊技機3の稼動期間と判定する。「遊技中」(第1状態)あるいは「待機中1」(第2状態)である期間を稼動中と判定することで、従来と比較してタイムラグを抑えた稼動状態の特定が可能となる。
遊技場用システム1は、特別遊技状態の一例である大当り中では、遊技機3が記憶する遊技玉(遊技価値、ポイント)に変化がなく、かつ、表示ユニット39による図柄変動が停止している場合であっても、遊技機3の状態を「待機中1」(第2状態)と判定する。大当り中に例えば大入賞口360の開放が終了し、大当りのエンディング等が行われる場合、多くの遊技者は玉を発射することなく見守ることが想定されるが、この場合、図柄変動などの役物作動を見守るのと同様に処理する必要がある。大当り中は遊技玉に変化がなく役物作動していなくとも「待機中1」(第2状態)と特定することで、上記のような想定を前提とした稼動状況の管理が可能となる。
本例の遊技場用システム1では、遊技機3が記憶する遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化がなく、かつ、図柄変動が実行されていない場合に、非稼動タイマが非稼動継続時間を計時する。従来はアウトの発生毎にいわゆる非稼動タイマをリスタートさせていたが、本例の遊技場用システム1によれば、遊技玉の変化や役物作動がない場合に非稼動タイマを作動させることで、稼動状況をより正確に管理できるようになる。
この遊技場用システム1では、非稼動タイマによる計時期間であるタイマ作動期間のうち、遊技機3が記憶する遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化が発生することを少なくとも含む第1条件が成立したタイマ作動期間における遊技機3の状態が「待機中2」(第3状態)と区分される。一方、第1条件が成立しないまま非稼動継続時間が予め定められた上限期間に到達するという第2条件が成立したタイマ作動期間における遊技機3の状態が「非待機」(第4状態)と区分される。この場合には、タイマ作動期間における稼動状態をいずれの条件が成立したかにより区分することで、稼動状況をより正確に管理できるようになる。
遊技場用システム1は、「遊技中」(第1状態)以外の遊技機3の状態のうち、図柄変動中(役物の作動中)の状態を「待機中1」(第2状態)と判定すると共に、遊技機3の状態を「遊技中」または「待機中1」と判定した期間である状態期間を、遊技機3の稼動期間と判定する。さらに、遊技装置2が記憶する持玉・残高(有価価値)及び遊技機3が記憶する遊技玉(遊技価値、ポイント)のうちの少なくともいずれかが存在している期間、稼動期間と判定された期間、及び「待機中2」(第3状態)と区分された期間、を遊技機3が占有されている占有期間と判定する。
遊技者が遊技機3を占有している期間、即ち、他の遊技者による遊技開始を排除している期間には、遊技装置2に持玉・残高等の有価価値が有る期間だけでなく、図柄変動中(役物作動中)や「待機中2」(第3状態)のような準備中の期間が含まれることが想定される。本例の構成の場合には、図柄変動中(役物作動中)や「待機中2」(第3状態)のような準備中の期間を「占有中」と判定することで、稼動状況をより正確に管理できるようになる。
本例の遊技場用システム1では、タイマ作動期間において予め定められた例えば1秒などの基準期間に到達する前に第1条件が成立した場合、タイマ作動期間の開始前の遊技機3の状態がこのタイマ作動期間においても継続していると判定される。例えば規則等により遊技玉の使用頻度が制限される場合、遊技機3から送信される遊技情報の送信間隔が短いことで、遊技しているにも関わらず遊技玉が変化してしないとされる遊技情報が送信されるケースも想定されるが、非稼動タイマを作動させた場合に第2条件に対応する期間よりも短い期間にて第1条件が成立した場合は、非稼動タイマの作動前の状態が継続していたと判定することで、そのような想定を考慮した稼動状況の管理が可能となる。
この遊技場用システム1では、状態単位で遊技機3の状態期間が管理されている。状態単位で状態期間を管理すれば、状態期間を精度高く管理可能となる。
また、この遊技場用システム1では、状態単位の状態期間について、予め設定される特定の期間に対するいずれか一の状態期間の比率が管理される。この場合には、特定の状態に対する比率により、例えば稼動期間に対する遊技期間の比率により、どの程度遊技者が玉を発射することなく役物作動を見守っているのかといった遊技傾向が把握可能となる。
遊技場用システム1では、遊技機3で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の変化が有ったと判定された場合であっても、その変化が遊技玉の移行処理によるものであった場合には、「遊技中」(第1状態)である旨の判定が抑制される。遊技機3が記憶する遊技玉は、遊技に使用する場合だけでなく、貸出処理や計数処理等の移行処理によっても変化する。移行処理による遊技玉の変化が生じた場合に「遊技中」の判定を抑制すれば、より正確な遊技状態を管理可能となる。
本例の遊技場用システム1は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉、及び遊技者により投入された貨幣価値である残高のうちの少なくともいずれかである有価価値を記憶する遊技装置2を含んで構成されている。この遊技場用システム1は、遊技装置2で記憶される持玉・残高が無いと判定された場合であっても、遊技機3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が有ると判定された場合には、遊技継続と判定する。
この場合には、払出式の遊技機であれば上皿等に残される玉に相当する遊技玉が残存している場合にも遊技継続と判定することで、遊技装置2の管理対象となる持玉・残高が残存しなくなった場合に、遊技者が遊技を終了したと誤判定するおそれを低減可能となる。
また遊技場用システム1では、遊技装置2側で記憶される有価価値である持玉・残高、及び遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の両方が無いと判定された場合であっても、表示ユニット39による図柄変動中であれば遊技継続と判定される。遊技者が遊技する場合、例えば図6中の丸囲み数字5~6の期間のように持玉や残高だけでなく遊技玉がなくなった場合であっても遊技者が役物作動を見守っている状態が想定できる。この場合は遊技者が遊技を継続していると判定することが望ましく、遊技玉等が残存していなくとも稼動中(遊技中あるいは役物作動中)であれば遊技継続と判定することで、上記のような想定を考慮した遊技継続判定が可能となる。
遊技場用システム1では、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)及び遊技装置2側で記憶される持玉・残高(有価価値)の両方が無いと判定された状態で図柄変動が停止した後、予め定められた所定期間が経過するよりも前に持玉・残高及び遊技玉の少なくともいずれかが有ると判定される状態に切り替わった場合、図柄変動が停止した後の期間について遊技継続と判定される。例えば図6中の丸囲み数字6~7の期間のように持玉や残高や遊技玉がなく、更に図柄変動が停止している場合であっても、遊技者が次の遊技のために貨幣を準備するといった遊技の準備をしている状態が想定できる。この場合は遊技者が遊技を継続していると判定することが望ましく、遊技玉等が残存せず稼動中でなくなってから所定期間内に「稼動中」となった場合は遊技継続と判定することで、上記のような想定を考慮した遊技継続判定が可能となる。
遊技場用システム1では、持玉・残高(有価価値)が対応付けられた遊技カード53を発行する媒体発行手段(遊技装置)と、持玉・残高が対応付けられた遊技カード53を受け付ける媒体受付手段(遊技装置)とが、遊技機単位で対応して設けられている。管理装置10は、媒体受付手段により、対応する遊技機3が共通する媒体発行手段により発行された遊技カード(記録媒体)53が受け付けられた場合に、遊技継続中であるかに関わらず、同一の遊技者による遊技と判定可能である。
この場合には、発行処理を行った遊技カード53を受け付けた場合は同一の遊技者による遊技が再開されたと判定するが、遊技再開時ではなく、継続する遊技中に遊技カード53を受け付けた場合であっても対応する遊技カード53であれば遊技再開と判定できる。そのため、例えば全発行処理を行い遊技を中断した遊技者が、発行された遊技カード53を受け付けることなく遊技を再開し、その後、遊技カード53を受け付けた場合であっても、遊技者が遊技再開したと判定できるので、上記の想定を考慮した遊技再開の判定が可能となる。
遊技場用システム1は、状態判定手段としての管理装置10により遊技継続ではないと判定された後、同一の遊技者によらない遊技開始と判定された場合に遊技者交替を検出する交替検出手段を備えている。この遊技場用システム1では、遊技の履歴を表す遊技データ、及び遊技機3で記憶される遊技玉と遊技装置2で記憶される持玉・残高(有価価値)との合計価値に関する実測値と理論値との誤差データ、のうちの少なくともいずれか一方のデータを、遊技者単位で管理可能である。このように本例の遊技場用システム1では、遊技者交替に基づき遊技者単位の遊技履歴及び計数誤差の少なくとも一方を管理対象とするため、遊技継続の正確性を向上した遊技者単位の遊技履歴あるいは計数誤差を管理可能となっている。
また、遊技場用システム1は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技玉(遊技価値、ポイント)を記憶する遊技価値記憶手段を有する遊技機3に対応して設けられる遊技場用システムである。この遊技場用システム1は、価値特定手段としての管理装置10が特定した遊技玉(使用可能価値)が予め定められた所定量よりも少量であるか否かを判定する判定処理を行う判定処理手段と、遊技機3が稼動状態であるか非稼動状態であるかを判定する状態判定手段と、を備えている。この遊技場用システム1では、使用可能価値が所定量よりも少量であると判定され、かつ、非稼動状態と判定された遊技機3を、放置台として特定して報知可能である。
この場合には、遊技機3における遊技玉が少量残存した状態で非稼動となった放置台を報知するため、遊技機3から送信される遊技玉を特定可能な情報により遊技玉を特定すれば、入替頻度の高い遊技機3にセンサを設ける必要なく放置台を報知可能となる。このように本例の遊技場用システム1は、遊技者が遊技を終了しているにもかかわらず持玉(獲得価値)が残存することで、次の遊技者が遊技を敬遠する様な状態が判定できなくなるおそれを低減できる優れた特性の遊技場用システムである。
放置台報知手段としての管理装置10は、遊技場が当日の営業を開始する際の開店処理、及び遊技場が当日の営業を終了する際の閉店処理の少なくともいずれか一方が実施される場合に、前記使用可能価値が所定量よりも少量と判定された遊技機3を放置台として報知する特別報知を実行する。
このように遊技場用システム1では、開店処理及び閉店処理の少なくとも一方に応じて放置台の報知が実行され、この場合、非稼動であるか否かに関わらず放置台を報知する特別報知が実行される。閉店処理の場合、営業中の報知により対応漏れのあった遊技機3について特別報知を行うと共に、開店処理の場合には、閉店処理時に上記のような処理を行わなかった場合や、閉店中の試打により遊技玉等が発生した遊技機3について特別報知を行うため、このような遊技機3に対して適切に処理することが可能となる。
遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(獲得価値)を記憶する獲得価値記憶手段としての遊技装置2が、遊技機単位で対応して設けられている。管理装置10による判定処理の対象となる前記使用可能価値は、遊技機3で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)と、遊技装置2で記憶される持玉(獲得価値)と、を少なくとも含んだ価値であっても良い。この場合には、遊技玉だけでなく持玉も判定対象に含めることで、より検出精度を高めることが可能となる。
遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(獲得価値)を記憶する遊技装置2は、放置台として特定された遊技機3により記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)について計数処理を施して計数玉(計数価値)を生成し、持玉に移行することにより内部データとして取込む取込処理を実行可能である。この遊技装置2は、リモコン操作等の遊技場の従業員の操作に応じてこの取込処理を実行する。従来では、放置台の報知を受けた従業員が遊技機3を確認し、遊技終了と判断した場合には次の遊技者による遊技が行えるように遊技玉等を処理する必要がある。しかし、遊技機3に対して遊技玉をリセットするような処理を行うことや、仮に遊技機3にてリセットできたとしても、その遊技玉を管理することは難しい。これに対して、本例の遊技場用システム1では、計数処理して持玉として取込み可能であるため、上記のような処理を容易化できる。
さらに、遊技装置2は、上記の取込処理を実施した後の持玉(獲得価値)を対応付けた遊技カード53を発行する精算処理を実行可能である。従業員が遊技終了と判断した場合であっても、その後に取込んだ遊技玉や持玉の返却を遊技者が求めることも想定され得るが、取込処理した有価価値である計数玉を対応付けた遊技カード53を発行する精算処理を行うことで、その場合であっても適切に対応可能となる。
また遊技場用システム1における管理装置10は、前記特別報知の対象となる放置台を一覧表示する表示手段を備え、表示手段が一覧表示する放置台のうちの選択された1台または複数台の放置台について、価値取込手段としての遊技装置2が取込処理を実行可能である。例えば閉店処理時や開店処理時に対応した特別報知を行う場合、少なくとも遊技者がいないため、遊技機3まで出向いて確認する必要性が低くなるが、この場合、一覧に基づく放置台の選択により取込処理を行うため、放置台の処理を容易化できる。
本発明の遊技場用システム1は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技玉(遊技価値、ポイント)を記憶する遊技価値記憶手段を有する遊技機3に対応して設けられる遊技場用システムである。この遊技場用システム1は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉、及び遊技者により投入された貨幣価値である残高のうちの少なくともいずれかである有価価値を記憶する有価価値記憶手段を有する遊技装置2を含めて構成されている。
本例の遊技場用システム1は、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)の残存状況を特定する一方、遊技装置2側で記憶される持玉・残高(有価価値)の残存状況を特定する。そして、遊技情報に基づいて稼動状態にあると判定された遊技機3について、本例の遊技場用システム1は、遊技機3側の遊技玉(遊技価値、ポイント)の残存状況、及び遊技装置2側の持玉・残高(有価価値)の残存状況の少なくともいずれかに応じて、非稼動状態の種別を区分可能である。
本例の遊技場用システム1は、非稼動状態の種別を区分することにより、遊技機3の稼動状況を管理する場合の正確性を向上できる優れた特性の遊技場用システムである。この遊技場用システム1であれば、非稼動状態の区分により、遊技者が持玉・残高(有価価値)を残して離席した場合の遊技場側の対応を適切にサポートできる。
非稼動状態の種別として、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)、及び遊技装置2側で記憶される残高(有価価値)がいずれも予め定められた基準値A(第1基準値)に達していない第1非稼動状態である〈非稼動A〉が含まれる。遊技場用システム1では、〈非稼動A〉に区分された遊技機3について、〈非稼動A〉である旨を報知する第1の状態報知手段が、遊技機単位で対応して設けられている。遊技場の従業員が確認せずとも空台として開放することが可能な第1非稼動状態である〈非稼動A〉を判定するため、従業員による確認作業に係る労力を低減した上で、適切に空台を遊技者に報知可能となる。
なお本例では基準値Aと比較する有価価値として、残高を例示したが、持玉であっても良く、持玉と残高との合計価値であっても良い。
非稼動状態の種別として、遊技装置2側で記憶される残高(有価価値)が予め定められた基準値A(第1基準値)に達していない一方、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が予め定められた基準値Aに達しているものの予め定められた基準値B(第2基準値)には達していない第2非稼動状態である〈非稼動B〉が含まれる。遊技場用システム1では、〈非稼動B〉に区分された遊技機3について、〈非稼動B〉である旨を報知する第2の状態報知手段が、遊技機単位で対応して設けられている。遊技装置2に残高(有価価値)が残存しているため従業員による確認が必要な〈非稼動B〉を判定するため、従業員による確認作業を適切にサポート可能となる。
非稼動状態の種別として、遊技装置2側で記憶される残高(有価価値)が予め定められた基準値A(第1基準値)に達している、あるいは遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)が予め定められた基準値B(第2基準値)に達している第3非稼動状態である〈バリュー忘れ〉が含まれる。〈バリュー忘れ〉に区分された遊技機3について、〈バリュー忘れ〉である旨を報知する第3の状態報知手段と、遊技装置2側で記憶される残高(有価価値)を使用する処理を抑制する利用抑制手段と、が遊技機単位で対応して設けられている。いわゆるバリュー忘れに対応した第3非稼動状態を判定し、その場合には利用抑制手段によりセーフモードに移行させるため、従業員による確認作業を適切にサポートできるだけでなく、残された残高(有価価値)が不正に搾取されるおそれを低減できる。
非稼動状態の種別として、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)及び遊技装置2側で記憶される残高(有価価値)の両方が予め定められた基準値A(第1基準値)に達していないが、遊技機3を遊技する遊技者が検知されている第4非稼動状態である〈着座非稼動〉が含まれる。〈着座非稼動〉に区分された遊技機3について、〈着座非稼動〉である旨を報知する第4の状態報知手段が、遊技機単位で対応して設けられている。いわゆる着座非稼動に対応した第4非稼動状態を判定するため、遊技を行っていない遊技者が無用に遊技機3を占拠しているおそれのある遊技機3を従業員により確認させることが可能となる。
本例の遊技場用システム1は、遊技機3側で記憶される遊技玉(遊技価値、ポイント)に計数処理を施して計数玉(計数価値)を生成し、遊技装置2側で記憶される持玉(有価価値)に移行して内部データとして取込む取込処理、及びこの取込処理による持玉を対応付けた遊技カード53を発行する精算処理のうちの少なくともいずれか一方の処理を、非稼動状態がいずれかの種別に区分されたことを前提として許容できる。非稼動状態の区分に対応して取込処理や精算処理を許容するため、例えば取込処理を状態区分することなく行うことで後々の確認が難しくなるおそれや、精算する必要のない程度の持玉の取込処理について無用に精算処理対象に加えることでシステム上の処理負担が高まるおそれ等を軽減出来る。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、遊技玉の変化により状態特定等を行ったが、従来と同様にアウトやスタートを検出することにより状態特定しても良い。この場合、非稼動タイマも従来と同様にアウト検出毎に再作動させるように、遊技中に作動させても良い。このようなことを考慮し、本発明を適宜従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象としても良い。また、各台計数機能だけでなく、いわゆる島端に設けられる島端計数機を採用したシステムにて本案を採用しても良い。
本例では、遊技装置2から中継装置54を経由して管理装置10にデータ送信することを例示したが、遊技装置2から直接管理装置10にデータ送信する構成に本例を採用しても良い。
記録媒体としてはカードが想定できるが、コインや携帯メモリー、或いは紙等、どのような記録媒体を採用しても良い。また、遊技価値の対応付けとしては記録媒体に直接記録しても良いし、管理装置10にて記録媒体のIDと対応する遊技価値とを対応付ける等しても良く、記録媒体は対応する遊技価値を特定可能な情報が記録されていれば、どのような構成を採用しても良い。
遊技機3の設定値は、管理者が任意に操作入力により設定しても良く、予め管理装置10の製造メーカにて設定しても良く、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。なお、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定情報がダウンロードされ、遊技機3の設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてデータ信号を例示したがパルス信号等による信号入力としても良い。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成しても良い。
第1基準値や第2基準値の具体的な数値については適宜変更可能である。非稼動タイマがタイムアップとなる所定期間(例えば1分)や、遊技玉の変化を判定する所定期間(例えば1秒)などの期間についても適宜変更可能である。
説明中の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
放置台の報知について本例では管理装置10による一覧表示や、遊技装置2による点灯表示等を例示したが、音や音声や看板の提示など他の方法によって放置台を報知しても良い。
範囲としては最小値と最大値との双方を設定しても良いし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定しても良い。また、以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は、以上となった、或いは超過した、のいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機3としては例示したパチンコ遊技機3以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。尚、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
本例では、遊技状態の判定処理を管理装置10が行うことを例示したが、遊技装置2や中継装置54等が行っても良く、例示した処理は遊技装置2、中継装置54、表示装置51、或いは管理装置10等どの装置で行っても良く、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。