JP7108930B2 - アンテナ装置、及び車載ライト装置 - Google Patents

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Description

本開示は、アンテナ装置、及び車載ライト装置に関する。
ミリ波やマイクロ波の周波数帯域の電磁波を用いて、非接触で物体(以下、「ターゲット」とも称する)の位置を検知するレーダ用のアンテナ装置が知られている。
尚、この種のアンテナ装置は、例えば、車両や船舶等に搭載される。例えば、特許文献1には、当該アンテナ装置を、車両内において、車外を照射する灯具と一体的に配設することが記載されている。
特開2008-186741号公報 特開昭62-090121号公報
ところで、この種のアンテナ装置においては、一般に、飛来物からの防護等の観点から、カバー部材(例えば、車両のバンパ部材)内にアンテナ部が配設され、アンテナ部は、当該カバー部材を介して電磁波を送受信する構成となっている。
しかしながら、かかるカバー部材は、前面が外部に露出するように配設されるため、雨天時に車両を走行させるような場合には、当該カバー部材の前面に水滴、雪、雨滴、泥、又は汚れ等(以下、「水滴等」と称する)が付着することがある。そして、かかる水滴等が、アンテナ装置の出力利得及び受信利得を大きく低減させる要因となっている。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、当該カバー部材の前面に付着する水滴等に起因した出力利得の低下及び受信利得の低下を抑制し得るアンテナ装置、及び車載ライト装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
筐体と、
前記筐体内に収容され、当該筐体の前面に形成された窓部を介して、前方に電磁波を送信すると共にその反射波を受信するアンテナ部と、
前記筐体の前記窓部に配設された、前面に凹凸構造を有するカバー部材と、
を備えるアンテナ装置である。
又、他の局面では、
上記のアンテナ装置を備える車載ライト装置である。
本開示に係るアンテナ装置によれば、カバー部材の前面に付着する水滴等に起因した出力利得の低下及び受信利得の低下を抑制することができる。
第1の実施形態に係るアンテナ装置の車両における配設状態を示す斜視図 第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成の一例を示す側面断面図 第1の実施形態に係るアンテナ装置を上方から見た平面図 第1の実施形態に係る誘電体レンズの前面の状態を示す拡大図 第1の実施形態に係る誘電体レンズの前面の状態を示す拡大図 突起部のサイズと反射率(S11)の関係を示す図 突起部のサイズとアンテナ部のアンテナ利得の関係を示す図 第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成の一例を示す側面断面図 第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成の一例を示す側面断面図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、図1乃至図7を参照して、第1の実施形態に係るアンテナ装置10の構成の一例について、説明する。
各図には、各構成の位置関係を明確にするため、アンテナ装置10が装置外部に電磁波を送信する前方向(即ち、物体検知の対象となる方向)を基準として、共通の直交座標系(X、Y、Z)を示している。以下では、X軸のプラス方向はアンテナ装置10が装置外部に電磁波を送信する前方向(以下、「前方向」と略称する)を表し、Y軸のプラス方向はアンテナ装置10の左側方向(以下、「左方向」と略称する)を表し、Z軸のプラス方向はアンテナ装置10の上方向(以下、「上方向」と略称する)を表すものとして説明する。
尚、以下では、プラスZ方向が車両の上方向に相当し、プラスX方向から30度程度プラスY方向側に向けた方向が車両の進行方向に相当する。
図1は、本実施形態に係るアンテナ装置10の車両における配設状態を示す斜視図である。
本実施形態に係るアンテナ装置10は、車両に搭載され、車両前方を照射する灯具20a、20b、20cと一体的に配設されている。より詳細には、本実施形態に係るアンテナ装置10は、左右方向に沿って隣接して配設された3個の灯具20a、20b、20cの下方側に隣接して配設され、当該灯具20a、20b、20cと共に車載ライト装置U(ここでは、車両のヘッドライト)を構成する。
図2は、本実施形態に係るアンテナ装置10の側面断面図である。図3は、本実施形態に係るアンテナ装置10を上方から見た図である。
本実施形態に係るアンテナ装置10は、灯具20a、20b、20cを収納する灯具筐体30の下方側に、固定部材(例えば、螺子部材)によって取り付けられている。
尚、灯具20aは、光源21a(例えば、LEDランプ又は白熱灯ランプ等)、及び、光源21aの周囲を囲繞するように配設され、光源21aが発する光が前方に向かうように集光するリフレクタ22aによって構成されている。又、灯具20b、20cは、灯具20aと同様の構成を有し、それぞれ、光源、及び当該光源の周囲を囲繞するリフレクタによって構成されている。
灯具筐体30は、車両の前端領域内に収納空間を形成し、灯具20a、20b、20cを当該収納空間内に収納する。又、灯具筐体30は、収納空間の前面を覆う前面カバー30aを有している。尚、灯具筐体30は、例えば、樹脂製の素材(例えば、ポリカーボネート等)により形成されている。又、前面カバー30aは、例えば、光に対する透過性を有する樹脂製の素材(例えば、ポリカーボネート等)によって形成されている。
アンテナ装置10は、回路基板11、アンテナ部12、信号処理IC13、レーダ筐体14、及び、誘電体レンズ15を備えている。
回路基板11は、アンテナ部12及び信号処理IC13が実装される基板である。回路基板11としては、例えば、PCB(Printed Circuit Board)基板又は信号処理IC13を内蔵した半導体基板等が用いられる。
回路基板11は、基板面が前後方向に沿って延在し、典型的には、基板面が水平方向に沿って延在するように配設されている。尚、回路基板11は、ライト装置Uの小型化の観点から、灯具20a、20b、20cの上方側又は下方側に配設される(ここでは、下方側)。
換言すると、レーダユニット10は、回路基板11が水平に配設された横置き型のミリ波レーダを構成している。これによって、±Z方向において、レーダユニット10は、灯具ユニット20よりも薄い構成となる。
アンテナ部12は、回路基板11の基板面内の前部領域に配設され、前方(プラスX方向)に向かって電磁波Ftを送信すると共に、当該電磁波がターゲットにて反射して戻ってくる反射波Frを受信する。
アンテナ部12は、例えば、回路基板11の前端側の方向に指向特性を有するエンドファイアアレー(End-fire Array)アンテナである。尚、エンドファイアアレーアンテナは、長手方向が平行になるように配列された複数のストリップ導体を含んで構成され、当該複数のストリップ導体が配列される方向に沿って電磁波を送受信する。アンテナ部12は、例えば、±Y方向に沿って隣接して配設された6個のエンドファイアアレーアンテナ(以下、「アンテナ素子」とも称する)によって構成されている。そして、アンテナ部12は、当該6個のアンテナ素子によって、フェーズドアレーアンテナとして構成されている。
信号処理IC13は、例えば、アンテナ部12に高周波の駆動信号を送出して、アンテナ部12から電磁波(例えば、ミリ波帯域の電磁波)を送信させたり、アンテナ部12が受信した反射波に係る受信信号の受信処理を行う。そして、信号処理IC13による受信処理(例えば、検波処理や周波数解析処理)によって、ターゲット(例えば、車両や人)までの距離、及びターゲットが存在する方位、その他にターゲットの反射強度や速度等の検出が行われる。尚、ここでは、当該信号処理IC13による受信処理は、公知の構成と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
レーダ筐体14(本発明の「筐体」に相当)は、回路基板11を収容すると共に、回路基板11の前方において誘電体レンズ15を支持する。レーダ筐体14は、典型的には略密閉状態にて、回路基板11を収容する。
レーダ筐体14の前面には、アンテナ部11が車外の前方領域との間で電磁波の送受信を行う窓部14aが形成されており、当該窓部14aに誘電体レンズ15が装着されている。
レーダ筐体14の素材としては、例えば、金属材料や樹脂材料を用いられる。尚、レーダ筐体14として樹脂材料を用いる場合には、レーダ筐体14と誘電体レンズ15とは、同一の樹脂材料で一体的に形成されたものが用いられてもよい。
誘電体レンズ15(本発明の「カバー部材」に相当する)は、例えば、アンテナ部12の配設位置が焦点となるように配設され、アンテナ部12が送信した電磁波のビームを絞って前方に送出すると共に、電磁波がターゲットで反射して戻ってきた反射波をアンテナ部12に集光する。尚、誘電体レンズ15は、前面が車外に露出するように配設され、アンテナ部12のカバー部材としても機能している。
誘電体レンズ15としては、例えば、プラスX方向が凸で、±Y方向に沿って延在する半円筒形状又は放物筒形状のレンズが用いられる。かかる半円筒形状又は放物筒形状の誘電体レンズ15は、側面の断面形状が、±Y方向のいずれの位置でも、略同一の形状を呈している(蒲鉾形状とも称される)ため、±Y方向の異なる位置に到来した反射波の屈折角を同一とすることができる点で好適である。これによって、装置外部から到来する反射波が、種々の方向(例えば、アンテナ部12に対してプラスY方向側とマイナスY方向側)からアンテナ部12に入射する事態を抑制する。つまり、これによって、物体検知の精度悪化(例えば、相互干渉による精度悪化又は位相差の変化によるに精度悪化)を引き起こすことを防止している。
図4、図5は、誘電体レンズ15の前面の状態を示す拡大図である。
誘電体レンズ15は、前面(即ち、外部に露出される側の面)に、複数の突起部15aによって形成された凹凸構造を有している。物体の表面に形成された凹凸構造は、表面自由エネルギーを変化させ、当該物体の表面に撥水性を保有させることが知られており(ロータス効果とも称される)、本実施形態に係る誘電体レンズ15は、かかる現象を利用する。つまり、本実施形態に係る誘電体レンズ15は、前面に凹凸構造が設けられることによって、前面に撥水機能を保有するように構成されている。これにより、誘電体レンズ15の前面に水が付着した際には、当該水は水滴となり、泥やその他の異物を絡め取りながら転がり落ちることとなる。つまり、当該凹凸構造は、誘電体レンズ15前面への水滴等の付着を抑制するように作用する。
尚、ロータス効果を応用した事例として、特許文献2のように、表面に凹凸構造を設けることで撥水性を高めた杓文字が広く知られている。しかしながら、通常、ミリ波レーダの外部に配置する樹脂の表面に凹凸構造を設けると、ミリ波レーダのビーム方向が変化したり、反射特性が劣化する等の悪影響が生じてしまう。
この点、本発明に係る誘電体レンズ15においては、後述するように、ミリ波レーダの性能劣化を生じさせることなく、表面に雪や水滴が付着することを抑制できる凹凸構造を採用している点に、特徴を有する。
誘電体レンズ15の前面に形成する凹凸構造は、例えば、誘電体レンズ15に対するエンボス加工によって形成されている。尚、凹凸構造の形成方法も、任意であって、例えば、誘電体レンズ15に対して突起部15aを接着させる手法が用いられてもよい。
凹凸構造を構成する突起部15aは、例えば、ドーム形状(即ち、半球形状)を呈している。突起部15aのサイズD1(ここでは、突起15aの平面視における直径を表す。以下同じ)は、誘電体レンズ15の前面における撥水性を効果的に確保する観点、及びアンテナ部12の出力利得及び受信利得の低下を抑制する観点から、極力小さい方が望ましく、典型的には平面視で1000μm以下、より好適には平面視で100μm以下に設定される。
尚、突起部15aのサイズD1は、アンテナ部12の出力利得及び受信利得への影響を考慮する際には、アンテナ部12が送受信する電磁波の波長を基準に設定されるのが望ましい。特に、突起部15aのサイズD1を、平面視で、λ/40(但し、λはアンテナ部12が送受信する電磁波の自由空間波長)以下とすれば、突起部15aに起因した出力利得の低下及び受信利得の低下を、ほぼ無視することができる。尚、λ/40のサイズは、アンテナ部12が送受信する電磁波の周波数が80GHzの場合には略100μmに相当し、アンテナ部12が送受信する電磁波の周波数を24GHzの場合には略300μmに相当する。
図6は、突起部15aのサイズD1と反射率(S11)の関係を示す図である。図6において、横軸はアンテナ部12から送信する電磁波の周波数[Hz]を表し、縦軸は反射率(S11)[dB]を表す。
尚、図6中の各グラフは、アンテナ部12から送信する電磁波の周波数を変化させて、突起部15aのサイズD1と反射率(S11)の変化をシミュレーションにより算出したものである。
図6中の各グラフは、以下を表す。
実線グラフ:突起部15aなしの態様における反射率
点線グラフ:突起部15aのサイズD1が100μmの態様における反射率
一点鎖線グラフ:突起部15aのサイズD1が300μmの態様における反射率
二点鎖線グラフ:突起部15aのサイズD1が1000μmの態様における反射率
図6から分かるように、突起部15aのサイズD1が100μm以下の場合には、突起部15aを設けた態様と突起部15aを設けない態様とで、突起部15aにおける反射特性自体には、大差がない。従って、突起部15aのサイズD1が100μm以下であれば、突起部15aを通過することに起因した出力利得及び受信利得の低下は、抑制することができると言える。
図7は、突起部15aのサイズD1とアンテナ部12のアンテナ利得の関係を示す図である。図7において、横軸はアンテナ部12から送信する電磁波の角度(90度の位置がプラスX方向に相当する)を表し、縦軸はアンテナ部12におけるアンテナ利得を表す。
尚、図7中の各グラフは、アンテナ部12から送信する電磁波(ここでは、80GHzの電磁波)の方向を変化させて、当該方向毎に、アンテナ部12で受信される所定ターゲットからの反射波の電波強度(即ち、アンテナ利得)をシミュレーションにより算出したものである。
図7中の各グラフは、以下を表す。
実線グラフ:突起部15aなしの態様におけるアンテナ利得
点線グラフ:突起部15aのサイズD1が100μmの態様におけるアンテナ利得
一点鎖線グラフ:突起部15aのサイズD1が300μmの態様におけるアンテナ利得
二点鎖線グラフ:突起部15aのサイズD1が1000μmの態様におけるアンテナ利得
図7から分かるように、突起部15aのサイズD1が大きくなるにつれて、ビーム半値幅(HPBW:half-power beamwidth)(ここでは、3dBビーム半値幅)が狭くなっている。各態様におけるビーム半値幅は、以下の通りとなっている。
突起部15aなしの態様におけるビーム半値幅:103度
突起部15aのサイズD1が100μmの態様におけるビーム半値幅:103度
突起部15aのサイズD1が300μmの態様におけるビーム半値幅:102度
突起部15aのサイズD1が1000μmの態様におけるビーム半値幅:102度
この結果から、突起部15aのサイズD1を100μm以下とした場合には、突起部15aを設けない場合と同等のレーダ性能を確保できることが分かる。尚、突起部15aのサイズD1を300μm~1000μmとした場合には、突起部15aのサイズを100μm以下とした場合ほど良好なレーダ性能を得られないものの、物体検知の機能を実現するために必要な反射特性としては十分である。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置10は、レーダ筐体14と、レーダ筐体14内に収容され、当該レーダ筐体14の前面に形成された窓部を介して、前方に電磁波を送信すると共にその反射波を受信するアンテナ部12と、レーダ筐体14の窓部に配設された、前面に凹凸構造を有するカバー部材(本実施形態では、誘電体レンズ)15と、を備える。
従って、本実施形態に係るアンテナ装置10によれば、複数の突起部15aによるロータス効果によって、カバー部材(本実施形態では、誘電体レンズ)15の前面への水滴等(例えば、雪、雨滴、泥、又は汚れ等)の付着を抑制することができる。換言すると、これによって、レーダ開口面付近への水滴等の付着を抑制することができる。これにより、水滴等に起因した出力利得の低下又は受信利得の低下を抑制することができる。
又、特に、本実施形態に係るアンテナ装置10においては、誘電体レンズ15の前面が外部に露出するように車両に搭載され、誘電体レンズ15がアンテナ部12を防護するカバー部材としても機能する。これによって、アンテナ部12は、誘電体レンズ15以外の部材を介在することなく、外部と電磁波を送受信することが可能となり、アンテナ装置10において電磁波を送受信する際に、水滴等に起因した出力利得の低下又は受信利得の低下を抑制することができる。
又、特に、本実施形態に係るアンテナ装置10は、灯具20a、20b、20cと一体的に車載ライト装置Uとして構成されている。従って、車両に搭載する際の配置スペースを省スペース化し、車体のデザイン性の向上にも資する。
(第2の実施形態)
次に、図8を参照して、第2の実施形態に係るアンテナ装置10について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置10は、誘電体レンズ15の前面に、サイズの異なる複数の突起部15aが形成されている点で、第1の実施形態と相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する(以下、他の実施形態についても同様)。
図8は、本実施形態に係るアンテナ装置10の構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係る誘電体レンズ15の前面には、第1突起部15aa(図8中のサイズD1の突起部15a)と、第1突起部15aaよりもサイズが小さい第2突起部15ab(図8中のサイズD2の突起部15a)とが、形成されている。
これによって、突起部15aに起因して出力利得が低下する方位又は周波数を、特定方位及び特定周波数から分散させることができる。従って、物体検知が不可能な死角領域の発生を抑制でき、より好適なレーダ性能を実現することができる。
尚、ここでは、突起部15aのサイズとしては、2種類のみを示したが、3種類以上の異なるサイズの突起部15aが設けられてもよい。又、これらの突起部15aのサイズも、任意である。
(第3の実施形態)
次に、図9を参照して、第3の実施形態に係るアンテナ装置10について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置10は、アンテナ部12の前方に、誘電体レンズ15に代えて平面状のカバー部材17が配設されて構成されている点で、第1の実施形態と相違する。
図9は、本実施形態に係るアンテナ装置10の構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係るカバー部材17は、平面状に形成されており、誘電体レンズとしての機能を有していない。但し、本実施形態に係るカバー部材17も、第1の実施形態にて説明した誘電体レンズ15と同様に、前面に、凹凸構造を有している。カバー部材17の凹凸構造は、例えば、第1の実施形態にて説明した誘電体レンズ15の凹凸構造と同様に複数の突起部17aによって形成されている。そして、カバー部材17は、当該凹凸構造によって、前面に撥水機能を有している。
又、本実施形態に係るカバー部材17は、前面が、上方領域の方が下方領域よりも前方に向かって突出する形状を呈している。これによって、より効果的に、カバー部材17の前面に付着した水滴等を、カバー部材17の下方側に落とすことができる。
尚、本実施形態では平面形状の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、少なくとも上方領域の方が下方領域よりも前方に向かって突出する形状であれば、同様の効果が期待できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、ライト装置Uの構成の一例を種々に示した。但し、各実施形態で示した態様を種々に組み合わせたものを用いてもよいのは勿論である。
又、上記実施形態では、誘電体レンズ15の形状の一例として、半円筒形状のレンズを示した。しかしながら、誘電体レンズ15の形状としては、ドーム型レンズ、両面凸レンズ、ボールレンズ、フレネルレンズ、若しくはこれらの組み合わせ、又は、凹レンズとこれらの組み合わせ等が適用されてもよい。又、誘電体レンズ15としては、その他、アンテナ部12から送信される電磁波を拡散する凹レンズが適用されてもよい。
又、上記実施形態では、誘電体レンズ15の前面に形成する凹凸構造の一例として、ドーム形状の突起部15aにて形成される凹凸構造を示した。しかしながら、凹凸構造を構成する突起部15aの形状は、任意であって、ドーム形状の突起部15aに代えて、縞状の突起部15aにより形成されてもよい。その際、突起部15aのサイズは、平面視で、突起部15aのうち最長となる両端の距離を基準として、1000μm以下に設定されればよい。尚、特に100μm以下に設定されればアンテナ部12の構成もしくは構造が変化した場合であっても、凹凸構造によるアンテナ性能への影響を無視することができることはもちろんのことである。但し、上記実施形態では、凹凸構造は半球形状である場合を一例に説明したが、これに限定されることはなく、例えば楕円形や矩形状、三角形状など、ミリ波レーダの性能劣化を生じさせることのないサイズで撥水効果が期待できる形状であればよい。
又、上記実施形態では、アンテナ部12を構成するアンテナ素子の一例として、エンドファイアアレーアンテナを示した。しかしながら、アンテナ部12は、回路基板11に形成された導体パターンによって構成されるものであればよく、エンドファイアアレーアンテナの他に、八木アレーアンテナ、フェルミアンテナ、ポスト壁導波路アンテナ、又は、ポスト壁ホーンアンテナ等によって構成されてもよい。
又、上記実施形態では、アンテナ装置10の一例として、車載ライト装置Uに適用する態様を示した。しかしながら、本発明に係るアンテナ装置10は、車載ライト装置U以外にも適用することが可能であり、例えば、車両のバンパ材の位置に単独で配設されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係るアンテナ装置によれば、カバー部材の前面に付着する水滴等に起因した出力利得の低下及び受信利得の低下を抑制することができる。
U 車載ライト装置
10 アンテナ装置
11 回路基板
12 アンテナ部
13 信号処理IC
14 レーダ筐体
15 誘電体レンズ
15a 突起部
17 カバー部材
20a、20b、20c 灯具
21a 光源
22a リフレクタ
30 灯具筐体
30a 前面カバー

Claims (11)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に収容され、当該筐体の前面に形成された窓部を介して、前方に電磁波を送信し、その反射波を受信するアンテナ部と、
    前記筐体の前記窓部に配設された、前面に凹凸構造を有するカバー部材と、
    を備え
    前記凹凸構造は、前記カバー部材の前面に設けられ、ドーム形状を有する複数の突起部によって形成されている、
    アンテナ装置。
  2. 前記複数の突起部それぞれの直径は、平面視で、1000μm以下である、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  3. 前記複数の突起部それぞれの直径は、平面視で、略λ/40(但し、λは前記電磁波の自由空間波長)以下である、
    請求項又はに記載のアンテナ装置。
  4. 前記複数の突起部は、互いにサイズの異なる第1突起と第2突起とを含む、
    請求項乃至のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記カバー部材は、前記アンテナ部から送信される前記電磁波を集光又は拡散する誘電体レンズである、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記誘電体レンズの前部は、前記前方側に凸となった半円筒形状又は放物筒形状である、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記カバー部材の前記前面は、上方領域の方が下方領域よりも前記前方に向かって突出する形状である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記アンテナ部は、回路基板上に配設されたエンドファイアアレーアンテナによって構成されている、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記アンテナ部は、前記前方に対して直交する方向に沿ってアレー状に配設された複数の前記エンドファイアアレーアンテナによって構成されている、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  10. 前記カバー部材の前面が外部に露出するように車両に搭載される、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアンテナ装置を備える車載ライト装置。
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