JP2019213222A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】カバー部材を介して電磁波を送受信する用により好適なアンテナ装置を有する車両を提供すること。【解決手段】装置外部の前方領域を覆うように配されたカバー部材Bを介して電磁波の送受信を行うアンテナ装置Uを有する車両Cであって、アンテナ装置Uは、電磁波の送受信方向となる前方向を基準として、基板面が前後方向に延在するように配設された回路基板1と、回路基板1のうち前方向側の領域である前部領域に配設され、回路基板1の前端側に向けて電磁波を送信する送信アンテナ2と、回路基板1の前部領域に配設され、回路基板1の前端側からの電磁波を受信する受信アンテナ3と、回路基板1の前方に支持された誘電体レンズ7と、回路基板1を収容すると共に、前面側に誘電体レンズ7を支持する筐体6と、を備えている。【選択図】図4
Description
本開示は、アンテナ装置を有する車両に関する。
ミリ波やマイクロ波の周波数帯域の電磁波を用いて、非接触で物体(以下、「ターゲット」とも称する)の位置を検知するレーダ用のアンテナ装置が知られている。
アンテナ装置は、例えば、車載され、前方監視、前側方監視、又は、後側方監視等の多方向の監視用途として用いられている。この種のアンテナ装置は、車両装置外部の飛来物からの防護の観点や車体の美観維持の観点から、車両のバンパ等のカバー部材内に搭載され、当該カバー部材を介して電磁波を送受信する構成となっている。
ミリ波のような高周波の電磁波は、一般に、絶縁体(例えば、バンパを構成する樹脂材)を透過する性質を有するが、当該電磁波の透過率は、絶縁体の誘電率、絶縁体の厚み、及び絶縁体への入射角等によって変化する。そのため、アンテナ装置が送信する電磁波のうちの一部は、カバー部材の内壁で反射して、当該アンテナ装置が物体検知を行う際のノイズ要因となる。特に、かかるカバー部材からの反射波は、アンテナ装置のアンテナが配設された基板との間で多重反射を引き起こすことがある(図3を参照して後述)。
特許文献1には、カバー部材と対向するアンテナ面の角度を傾斜させることによって、カバー部材からの反射波の伝搬方向をアンテナ面から反らし、カバー部材とアンテナ面との間における多重反射を抑制すること等が記載されている。
しかしながら、特許文献1等に係る従来技術は、基板上のアンテナ面をカバー部材と対向するように配設することを前提とするため、カバー部材の形状によっては、当該カバー部材からの反射波がアンテナ面に到来することを回避することができず、物体検知の精度が不十分となる場合がある。又、特許文献1等に係る従来技術では、カバー部材の形状によって電磁波を送信する方向が制約されるため、所望の方向へ効率よく電磁波を送信することができない。
他方、一般的なアンテナ装置では、カバー(バンパ)部材との多重反射によって位相が打ち消しあって出力利得が低下するおそれがある。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、カバー部材を介して電磁波を送受信する用により好適なアンテナ装置を有する車両を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
装置外部の前方領域を覆うように配されたカバー部材を介して電磁波の送受信を行うアンテナ装置を有する車両であって、
前記アンテナ装置は、
前記電磁波の送受信方向となる前方向を基準として、基板面が前後方向に延在するように配設された回路基板と、
前記回路基板のうち前記前方向側の領域である前部領域に配設され、前記回路基板の前端側に向けて前記電磁波を送信する送信アンテナと、
前記回路基板の前記前部領域に配設され、前記回路基板の前端側からの前記電磁波を受信する受信アンテナと、
前記回路基板の前方に支持され、前記送信アンテナが送信した前記電磁波のビームを絞って装置外部に送出すると共に、装置外部からの前記電磁波を集光して前記受信アンテナに送出する誘電体レンズと、
前記回路基板を収容すると共に、前面側に前記誘電体レンズを支持する筐体と、
を備える、車両である。
装置外部の前方領域を覆うように配されたカバー部材を介して電磁波の送受信を行うアンテナ装置を有する車両であって、
前記アンテナ装置は、
前記電磁波の送受信方向となる前方向を基準として、基板面が前後方向に延在するように配設された回路基板と、
前記回路基板のうち前記前方向側の領域である前部領域に配設され、前記回路基板の前端側に向けて前記電磁波を送信する送信アンテナと、
前記回路基板の前記前部領域に配設され、前記回路基板の前端側からの前記電磁波を受信する受信アンテナと、
前記回路基板の前方に支持され、前記送信アンテナが送信した前記電磁波のビームを絞って装置外部に送出すると共に、装置外部からの前記電磁波を集光して前記受信アンテナに送出する誘電体レンズと、
前記回路基板を収容すると共に、前面側に前記誘電体レンズを支持する筐体と、
を備える、車両である。
本開示に係るアンテナ装置によれば、カバー部材を介して電磁波を送受信する用により好適である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
各図には、各構成の位置関係を明確にするため、アンテナ装置が装置外部に電磁波を送信する前方向(即ち、物体検知の対象となる方向)を基準として、共通の直交座標系(X、Y、Z)を示している。以下では、X軸のプラス方向はアンテナ装置が装置外部に電磁波を送信する前方向(以下、「前方向」と略称する)を表し、Y軸のプラス方向はアンテナ装置の側面右側方向を表し、Z軸のプラス方向はアンテナ装置の上方向(以下、「上方向」と略称する)を表すものとして説明する。
(本開示に至る経緯)
まず、図1乃至図3を参照して、カバー部材で反射する電磁波が、アンテナ装置の検知性能に及ぼす影響について、説明する。尚、以下では、本発明のアンテナ装置のより好適な適用対象として、車両に搭載されるレーダ装置を一例として説明する。
まず、図1乃至図3を参照して、カバー部材で反射する電磁波が、アンテナ装置の検知性能に及ぼす影響について、説明する。尚、以下では、本発明のアンテナ装置のより好適な適用対象として、車両に搭載されるレーダ装置を一例として説明する。
図1は、従来技術に係るアンテナ装置100が車両Cのカバー部材B(ここでは、車両Cのバンパ部材)内に搭載された状態の一例を示す図である。尚、ここでは、プラスZ方向が車両Cの上方向(地面に垂直な方向)、プラスX方向が車両Cの進行方向(地面に水平な方向)に相当する。
図2は、従来技術に係るアンテナ装置100の構成の一例を示す側面断面図である。
従来技術に係るアンテナ装置100は、例えば、回路基板101、送信アンテナ102、受信アンテナ103、信号処理IC104、コネクタ105、筐体106、及び、レドーム107を備えている。
回路基板101の基板面には、送信アンテナ102、受信アンテナ103、信号処理IC104、及び、コネクタ105が実装されている。
送信アンテナ102及び受信アンテナ103としては、通常、回路基板101の基板面の法線方向において電磁波を送受信するパッチアンテナ等が用いられている。
回路基板101は、送信アンテナ102及び受信アンテナ103が配設された基板面を車両Cの前方側に向けるように、当該基板面がカバー部材Bと正対して配設されている。これにより、送信アンテナ102及び受信アンテナ103の指向方向が、アンテナ装置100の前方側に向く。尚、図2の実線矢印Fは、送信アンテナ102が送信する電磁波を表す。
尚、回路基板101は、筐体106に収納されており、送信アンテナ102及び受信アンテナ103は、当該筐体106の前面に支持されたレドーム107を介して、装置外部との間で電磁波の送受信を行う。
従来技術に係るアンテナ装置100は、かかる構成において、カバー部材B(例えば、バンパ部材)を介して電磁波の送受信を行い、装置外部に存在するターゲットの位置を特定する。尚、車両Cのバンパ部材は、図2に示すように、通常、地面に対して鉛直な方向に延在する形状を呈している。
図3は、従来技術に係るアンテナ装置100における電磁波の挙動を示す図である。図3では、アンテナ装置100が、カバー部材Bを透過させるように、地面に対して水平な方向において電磁波の送受信を行う態様を示している。
図3において、実線矢印Fは送信アンテナ102が送信した電磁波を表す。又、一点鎖線矢印Faは、送信アンテナ102が送信した電磁波のうち、カバー部材Bで反射した反射波を表す。又、点線矢印Fbは、送信アンテナ102が送信した電磁波のうち、カバー部材Bを透過した電磁波を表す。尚、ここでは、説明の便宜として、レドーム107での反射は無視するものとする。
まず、送信アンテナ102から電磁波が送信されると、当該電磁波は、レドーム107を通過し、カバー部材Bに到来する。カバー部材Bに到来した電磁波の大部分は、カバー部材Bを透過し、車両外部のターゲットに向けて送信されるが、一部は、カバー部材Bの表面で反射し、再度レドーム107を通過し、回路基板101に戻ってくる。
回路基板101に戻ってきた電磁波は、回路基板101において再度反射し、レドーム107を通過した後、カバー部材B側へ向かう。そして、当該電磁波は、カバー部材Bと回路基板101の基板面との間で反射を繰り返し、その一部が受信アンテナ103に到来することになる(「多重反射」とも称される)。
このように、多重反射する電磁波は、ターゲットからの反射波と位相が異なるため、受信アンテナ103に到来する反射波の角度に応じて、ターゲットからの反射波との間で互いに強め合ったり弱め合ったりする。その結果、当該多重反射する電磁波は、受信アンテナ103がターゲットからの反射波を検出できない(又は検出感度を低下させる)角度をスポット的に引き起こすことになる。又、当該多重反射する電磁波は、受信アンテナ103に到来する際に、ターゲットからの反射波と位相が異なるため、当該ターゲットの方位推定を行う際にも誤差を生じさせる。
又、カバー部材Bの表面で反射する電磁波の他の一部は、カバー部材Bと車体の他の部位との間で反射を繰り返し、複雑な伝搬経路を経て、受信アンテナ103に戻ってくる(図示せず。「回り込み波」とも称される)。かかる回り込み波は、ある程度の遅延をもって受信アンテナ103に入射するが、信号処理においては、当該回り込み波とターゲットからの反射波とを区別することが困難である。そのため、かかる回り込み波は、実際には存在しない物体を検知させるおそれがある。
(第1の実施形態)
[アンテナ装置の構成]
本発明の発明者等は、上記したような多重反射及び回り込み波による影響を低減するべく鋭意検討し、後述する本発明の構成に想到するに至った。以下、本発明の一実施形態について、説明する。
[アンテナ装置の構成]
本発明の発明者等は、上記したような多重反射及び回り込み波による影響を低減するべく鋭意検討し、後述する本発明の構成に想到するに至った。以下、本発明の一実施形態について、説明する。
図4は、本実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。図5は、本実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す平面図である。
図4及び図5の実線矢印Fは、送信アンテナが送信した電磁波を表している。又、点線矢印Frは、ターゲットからの反射波を表している。尚、図4及び図5では、車両C内におけるアンテナ装置Uを支持する構造の図示は省略している。又、図5では、筐体6の図示は省略している。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、例えば、従来技術に係るアンテナ装置100と同様に、レーダ装置に適用されるものであり、車両Cのカバー部材B(ここでは、バンパ部材B)内に配設され、当該カバー部材Bを介して電磁波の送受信を行う(図1を参照)。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、回路基板1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、信号処理IC4、コネクタ5、筐体6、及び、誘電体レンズ7を備えている。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、回路基板1の前部領域に配設した送信アンテナ2及び受信アンテナ3を用いて、当該回路基板1の基板面と略平行な前方側を指向方向として、誘電体レンズ7を介して装置外部との電磁波の送受信を行う。つまり、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、基板面の延在方向がカバー部材Bの延在方向に対して交差(例えば、直交)するように回路基板1を配設する構成となる。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、かかる構成によって、カバー部材Bで反射した反射波が、回路基板1等との間で多重反射し、ターゲットからの反射波との干渉を引き起こすこと、及び、当該反射波が、回り込み波となって受信アンテナ3に入射することを抑制する。
回路基板1は、送信アンテナ2、受信アンテナ3、信号処理IC4、及びコネクタ5等が実装される基板である。回路基板1の表面側又は裏面側の基板面内には、送信アンテナ2、受信アンテナ3、信号処理IC4、及びコネクタ5等が実装されると共に、当該各実装部品(送信アンテナ2、受信アンテナ3、信号処理IC4、及びコネクタ5等)を互いに電気的に接続する配線(図示せず)がパターン形成されている。
回路基板1は、基板面の延在方向が前後方向と平行になるように、配設されている。換言すると、回路基板1は、基板面の延在方向が、カバー部材Bの延在方向(ここでは、略Z軸の方向)に対して交差するように配設されている。
回路基板1の材料は、本発明では特に限定されないが、例えば、PCB(Printed Circuit Board)基板を用いることができる。回路基板1としては、多層基板や、信号処理IC4を内蔵した半導体基板が用いられてもよい。尚、回路基板1は、典型的には、平板形状を呈している。
送信アンテナ2は、回路基板1の前部領域に配設され、回路基板1の前端側の方向に向けて、回路基板1の基板面と平行に電磁波を送信する。又、受信アンテナ3は、回路基板1の前部領域に配設され、回路基板1の前端側の方向から、回路基板1の基板面と平行に反射波を受信する。換言すると、送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、回路基板1の前端側に送受信の指向特性を有している。
送信アンテナ2及び受信アンテナ3としては、典型的には、回路基板1の前端側の方向に指向特性を有するエンドファイアアレイ(End-fire Array)アンテナが適用される。尚、エンドファイアアレイアンテナは、長手方向が平行になるように配列された複数のストリップ導体を含んで構成され、当該複数のストリップ導体が配列される方向に沿って電磁波を送受信する。
送信アンテナ2及び受信アンテナ3としては、回路基板1に形成された導体パターンによって構成されるものであればよく、エンドファイアアレイアンテナの他に、八木アレーアンテナ、フェルミアンテナ、ポスト壁導波路アンテナ、又は、ポスト壁ホーンアンテナ等も適用し得る。又、送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、電磁波の送受信において共用される一のアンテナによって構成されてもよい。
送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、それぞれ、回路基板1の基板面内の前部領域に、Y方向に沿って複数配設されている(図5中の2a、2b、2c、2dは、それぞれ、送信アンテナ2のアンテナ素子を表し、3a、3b、3c、3dは、それぞれ、受信アンテナ3のアンテナ素子を表す)。図5には、一例として、送信アンテナ2が、回路基板1の基板面内の前部領域のプラスY方向側の領域に配設され、受信アンテナ3が、回路基板1の基板面内の前部領域のマイナスY方向側の領域に配設される態様を示している。
送信アンテナ2が送信した電磁波は、誘電体レンズ7によって平面波に変換されて、アンテナ装置Uの装置外部の前方(ここでは、略水平方向)に向けて送出される。又、送信アンテナ2が送信した電磁波が装置外部のターゲットに反射されて戻ってくる反射波は、誘電体レンズ7に集光されて、受信アンテナ3に送出される。尚、送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、それぞれ、回路基板1上に形成された配線を介して信号処理IC4と接続されている。
信号処理IC4(本発明の信号処理部に相当)は、送信アンテナ2に対して高周波(例えば、ミリ波周波数帯域)の駆動信号を送出し、送信アンテナ2から電磁波(例えば、パルス系列から構成されるパルス圧縮方式の電磁波、又は周波数変調した連続波の電磁波等)を送信させる。
又、信号処理IC4は、受信アンテナ3から反射波信号を受信して、当該反射波信号に対して物体検知処理(例えば、検波処理や周波数解析処理)を施し、ターゲット(例えば、車両や人)までの距離、及びターゲットが存在する方位、その他にターゲットの反射強度や速度等の検出を行う。尚、信号処理IC4は、例えば、送信アンテナ2から送信する電磁波の送信方向を走査したり、又は、受信アンテナ3のアレー状に配した放射素子それぞれが受信する反射波信号の受信位相差を検出したりする手法によって、ターゲットの方位を推定する。
信号処理IC4が行う処理は、公知の構成と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
信号処理IC4は、例えば、CPU、ROM、及びRAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、これに加えて、送信アンテナ2に送出する高周波の駆動信号を生成する駆動回路、及び、受信アンテナ3からの反射波信号の受信処理を行う検波回路等を備えている。但し、信号処理IC4の一部は、CPU等を有しない専用のハードウェア回路のみによっても実現できることは勿論である。
図5では、信号処理IC4の一例として、送信アンテナ2用及び受信アンテナ3用のミリ波帯域に係る信号処理を行う信号処理IC、並びに、ベースバンド帯域に係る信号処理を行う信号処理ICを各別のチップとして示している。但し、信号処理IC4の処理の一部は、車両ECUのような外部機器にて実行されてもよい。
尚、信号処理部4の構成としては、送信アンテナ2又は受信アンテナ3と回路基板1の基板面内に一体的に実装されていてもよい。これによって、送信アンテナ2又は受信アンテナ3と信号処理IC4との間の配線部の距離をより低減することが可能である。
コネクタ5は、信号処理IC4と外部機器(例えば、車両Cに搭載された車両ECU)とを通信可能に接続する。
筐体6は、回路基板1を収容すると共に、回路基板1の前方において誘電体レンズ7を支持する。筐体6は、典型的には略密閉状態にて、回路基板1を収容する。
筐体6の外形は、小型化の観点から、例えば、回路基板1の外形に沿った形状(例えば、内部に略平板状の収納空間を形成する直方体形状)を呈し、筐体6のZ方向の長さは、X方向の長さよりも短くなっている。又、筐体6のZ方向の長さは、例えば、電磁波の送受信の際に所望の利得を得られる開口長と所定のマージン幅との合計の長さとされる。
筐体6の前面には、送信アンテナ2及び受信アンテナ3から電磁波の送受信を行う窓部が形成されており、当該窓部に誘電体レンズ7が装着されている。
尚、筐体6の壁部のうちの電磁波を非透過の壁部領域(即ち、窓部以外の領域)は、より好適には、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の配設位置よりも前方まで延在する構成とする。これにより、カバー部材Bからの反射波が筐体6内に侵入することをより抑制することが可能となる。
筐体6の素材としては、例えば、カバー部材Bからの反射波が筐体6内に侵入することを防止する観点、回路基板1からの放熱特性を向上させる観点、及びEMC性能の観点等から、金属部材(例えば、アルミ材)が用いられる。但し、筐体6の素材としては、コストや軽量化を重視する場合には樹脂を用いられてもよく、又、筐体6と誘電体レンズ7とを同一の樹脂材料で一体的に形成されてもよい。但し、筐体6の素材としては、誘電体レンズ7よりも熱伝導率が高い材料により構成されるのが好適である。
誘電体レンズ7は、回路基板1の前方に支持され、送信アンテナ2が送信した電磁波のビームを絞って、装置外部の前方領域に送出する。そして、誘電体レンズ7は、送信した電磁波がターゲットから戻ってきた反射波を集光して、受信アンテナ3に送出する。換言すると、送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、それぞれ、誘電体レンズ7の焦点となる位置に配設されている。尚、誘電体レンズ7は、より好適には、送信アンテナ2が送信した電磁波を平面波に変換する程度まで、電磁波のビームを絞る構成とする。
誘電体レンズ7は、送信アンテナ2及び受信アンテナ3が電磁波を送受信する際の利得を向上させると共に、カバー部材Bからの反射波が受信アンテナ3に入射することを抑制する(詳細は後述)。又、誘電体レンズ7は、送信アンテナ2及び受信アンテナ3を保護するレドームとしても機能している。
誘電体レンズ7としては、典型的には、前面(プラスX方向)が凸状に形成された片側凸レンズを適用し得る。但し、誘電体レンズ7としては、両面凸レンズ、ボールレンズ、フレネルレンズ、若しくはこれらの組み合わせ、又は、凹レンズとこれらの組み合わせ等が適用されてもよい。又、誘電体レンズ7としては、その他、後面側をマイナスX方向に凸状にしてもよい。
誘電体レンズ7を構成する素材は、任意であってよく、例えば、アクリル樹脂、四フッ化エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、又は、ABS樹脂等が用いられる。
尚、本実施形態に係る誘電体レンズ7の形状は、Y方向については電磁波のビームを絞らないように、プラスX方向にのみ凸状にされている(図5を参照)。換言すると、誘電体レンズ7の側面の断面形状は、Y方向のいずれの位置でも、略同一の形状を呈している。これによって、Y方向に沿って配設した送信アンテナ2の複数のアンテナ素子それぞれから送信する電磁波が、受信アンテナ3に到来する際に互いに異なる指向方向を向いて、物体検知の精度悪化(例えば、相互干渉による精度悪化又は位相差の変化によるに精度悪化)を引き起こすことを防止している。
他方、送信アンテナ2の複数のアンテナ素子それぞれから送信する電磁波を識別可能にするため、送信アンテナ2の複数のアンテナ素子それぞれを時分割で動作させたり、又は、送信アンテナ2の複数のアンテナ素子それぞれから送信する電磁波の偏光方向を異ならせたりしてもよい。
[アンテナ装置が動作する際の電磁波の挙動]
次に、図6、図7を参照して、本実施形態に係るアンテナ装置Uが動作する際の電磁波の挙動について、説明する。
次に、図6、図7を参照して、本実施形態に係るアンテナ装置Uが動作する際の電磁波の挙動について、説明する。
図6は、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおける電磁波の挙動を示す図である。尚、図6Aは、アンテナ装置Uとカバー部材Bの位置関係が図4と同一の場合の電磁波の挙動を示している。又、図6Bは、説明の便宜として、アンテナ装置Uとカバー部材Bの位置関係が図4とは異なる場合の電磁波の挙動を示している。
図6において、実線矢印Fはアンテナ装置Uが送信した電磁波を表す。一点鎖線矢印Faは、送信アンテナ2が送信した電磁波のうち、カバー部材Bで反射した反射波を表す。点線矢印Fbは、送信アンテナ2が送信した電磁波のうち、カバー部材Bを透過する電磁波を表している。
送信アンテナ2から送信された電磁波Fは、図3を参照して説明したように、カバー部材Bにおいて一部が反射され、アンテナ装置U側に戻る反射波Faとなる。
しかしながら、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、従来技術に係るアンテナ装置100とは異なり、回路基板1の前部領域に配設した送信アンテナ2及び受信アンテナ3を用いて、当該回路基板1の基板面と略平行に電磁波の送受信を行う。そのため、回路基板1の基板面の延在方向は、カバー部材Bの延在方向に対して交差するように配設される。即ち、回路基板1の基板面とカバー部材Bとは、正対しない構成となっている。
従って、カバー部材Bからの反射波Faの大部分は、筐体6内には入射せず、筐体6の上下に逸れて散逸する。又、筐体6に当たった反射波Faも、カバー部材B側に再反射することなく、当該筐体6の後方に逸れて散逸する。
加えて、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、回路基板1上の送信アンテナ2及び受信アンテナ3は、誘電体レンズ7を介して電磁波の送受信を行う。
従って、カバー部材Bからの反射波Faのうち誘電体レンズ7に到来したものも、当該誘電体レンズ7の非平面部分に入射して、受信アンテナ3に集光せずに散逸する。つまり、誘電体レンズ7に到来した反射波Faは、誘電体レンズ7を透過した場合にも、所定の角度以外から到来した反射波Faについては、受信アンテナ3の位置において集光しないため、筐体6内にて散逸するか、筐体6外に飛散して散逸することになる。又、誘電体レンズ7で反射する場合には、当該反射波Faは、誘電体レンズ7の表面の角度分だけ反射角が変化するため(例えば、凸形状レンズであった場合、その反射角はアンテナ装置から離れる方向へ変化する)、多重反射を引き起こすことなく散逸する。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、カバー部材Bからの反射波Faは、回路基板1(及び筐体6)との間で多重反射することなく、散逸することになる。又、同様に、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、カバー部材Bからの反射波Faが回り込んで、受信アンテナ3の位置に到来することも抑制されることになる。一方、物体からの反射波は、上記の構成によって阻害されることなく、送信した電磁波と同一の経路を辿って、受信アンテナ3の位置に到来する。
図7は、本実施形態に係るアンテナ装置Uのレーダ性能を検証したシミュレーショングラフである。
本シミュレーションは、アンテナ装置Uにおいて、カバー部材Bと送信アンテナ2(及び受信アンテナ3)との間の距離毎に、受信アンテナ3で受信される所定ターゲットからの反射波の電波強度(即ち、利得)を算出したものである。
図7には、実線グラフで、本実施形態に係るアンテナ装置U(図4を参照)のシミュレーション結果を示し、点線グラフで、従来技術に係るアンテナ装置100(図2を参照)のシミュレーション結果を示している。尚、実線グラフ及び点線グラフは、それぞれ、シミュレーション結果のプロットを線で結んだものである。
図7のグラフの縦軸は、受信アンテナ3で受信される所定ターゲットからの反射波の電波強度(ここでは、カバー部材Bを介在しない場合の電波強度との比較で示している)を示しており、グラフの横軸は、カバー部材Bと送信アンテナ2(及び受信アンテナ3)との間の距離を示している。
図7から分かるように、従来技術に係るアンテナ装置100においては、カバー部材Bと送信アンテナ102との間の距離に応じて、電波強度が弱まる領域(図7では、30.25mmの位置、32.0mmの位置)が複数の位置に表れる。つまり、従来技術に係るアンテナ装置100においては、カバー部材Bと送信アンテナ102との間の僅かな距離の相違(又は角度の相違)によって、カバー部材Bからの反射波Faがターゲットからの反射波と干渉し、スポット的に検出精度を悪化させる領域が存在することを示す。
この点、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、カバー部材Bと送信アンテナ2との間の距離に依拠して電波強度が弱まる領域が存在しない。つまり、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、カバー部材Bからの反射波Faがターゲットからの反射波と干渉する事態を抑制することができるため、カバー部材Bと送信アンテナ2との位置関係によらず、略均一な検出精度となる。かかる結果は、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、特に、ターゲットの存在する位置の方位推定に係るレーダ性能が向上することを示している。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、回路基板1の前部領域に配設した送信アンテナ2及び受信アンテナ3を用いて、当該回路基板1の基板面と略平行に電磁波の送受信を行い、且つ、誘電体レンズ7を介して装置外部と電磁波の送受信を行う。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、回路基板1の前部領域に配設した送信アンテナ2及び受信アンテナ3を用いて、当該回路基板1の基板面と略平行に電磁波の送受信を行い、且つ、誘電体レンズ7を介して装置外部と電磁波の送受信を行う。
これによって、カバー部材Bからの反射波が、カバー部材Bとアンテナ装置U(例えば、回路基板1又は筐体6等)の間で多重反射し、当該反射波の一部が受信アンテナ3に到達する事態を抑制することができる。又、カバー(バンパ)部材との多重反射によって位相が打ち消しあって出力利得が低下する事態を抑制することができる。これによって、例えば、アンテナ装置Uにおける各方位について利得を均一に確保することが可能となり、方位推定の精度を向上させることができる。
尚、本実施形態に係るアンテナ装置Uは、カバー部材Bの形状によらず、上記効果を確保し得る点で、特に有用である。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
図8は、第2の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、カバー部材Bに対して筐体6等を固定するブラケット8を有する点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する(以下、他の実施形態についても同様)。
ブラケット8は、筐体6をカバー部材Bに対して固定し、アンテナ装置Uが電磁波を送受信する方向を規定する。
ブラケット8は、例えば、アンテナ装置Uを収納する収容部8aと、カバー部材Bに固定される固定部8bと、を有している。
収容部8aは、例えば、筐体6を前面(即ち、誘電体レンズ7が装着されている面)から挿入可能とする筒形状を呈し、筐体6の外形に沿った収納空間を形成する。尚、収容部8aは、アンテナ装置Uの前面の誘電体レンズ7を配した領域に、アンテナ装置Uが電磁波を送受信するための窓部を有している。
固定部8bは、両面テープやボルト等によりカバー部材Bに固定される部位である。尚、固定部8bをカバー部材Bに対して固定する手法は、任意であり、その他、超音波溶接等が用いられてもよい。
ブラケット8は、かかる構成において、例えば、アンテナ装置Uの電磁波を送受信する方向が、地面と水平になるように、筐体6をカバー部材Bに固定する。これにより、車両Cの周囲に存在するターゲットの物体検知を行うことが可能となる。
ブラケット8を構成する素材は、より好適には、電磁波吸収材又は電磁波吸収材を含有する材料とする。これにより、回り込み波が、筐体6の窓部に入射することをより抑制することができる。
尚、ブラケット8は、電磁波の送受信方向の角度を可変とする調整機構(例えば、ピンジョイントと固定ピンとを用いる)を有する構成としてもよい。かかる調整機構を用いることで、電磁波の送受信方向の微調整も可能となる。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、機械的安定性を確保しつつ、所望の方向(例えば、地面に対して水平方向)における電磁波の送受信が可能となる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
図9は、第3の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、筐体6が、回路基板1又は当該回路基板1に実装された回路部品と熱結合する接続部6aを有する点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。
図9では、接続部6aは、筐体6の壁部と信号処理IC4とを熱結合した状態を示している。尚、図中の白抜きの矢印Tは、回路基板1からの熱流を表している。
本実施形態においては、筐体6を構成する材料は、例えば、放熱特性の高い金属部材とされている。そして、接続部6aは、筐体6の壁部と回路基板1又は当該回路基板1に実装された回路部品とを熱結合する。
接続部6aの構成は、任意であり、筐体6の壁部と一体的に構成されもよいし、シリコン製のグリース、又はエポキシ樹脂等の接着材等により構成されてもよい。又、接続部6aは、その他、パテ状、ラバー状、ゲル状、若しくは、コンパウンド状の部材であってもよい。
本開示に係るアンテナ装置Uは、筐体6の前面以外の全領域を放熱可能な壁部領域とすることができるため、従来技術に係るアンテナ装置100(図2を参照)に比較して、筐体6の放熱可能な壁部領域を大きくすることができる。従って、接続部6aを用いて筐体6から放熱する構成は、回路基板1からの放熱特性を高める上で、本開示に係るアンテナ装置Uにおいて、特に効果的である。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、回路基板1等の放熱特性を向上させることが可能である。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
図10は、第4の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、回路基板1の表面側の基板面内と裏面側の基板面内の両方に、送信アンテナ2及び/又は受信アンテナ3が配設されている点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。
図10では、送信アンテナ2が回路基板1の表面側に配設され、受信アンテナ3が回路基板1の裏面側に配設された態様を示している。
尚、送信アンテナ2と受信アンテナ3は、それぞれ、回路基板1の表面側と裏面側のいずれか一方の面にまとめて配設される態様に代えて、回路基板1の表面側と裏面側の両側に分散するように配設されてもよいのは、勿論である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、回路基板1の表面側の基板面内と裏面側の基板面内の両方をアンテナ配設領域とすることで、より多数のアンテナ素子を回路基板1の面内に配設することができる。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、利得をより向上させることが可能である。
(第5の実施形態)
図11、図12は、第5の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す図である。図11は、アンテナ装置Uの側面断面図を表し、図12は、アンテナ装置Uの平面図を表している。
図11、図12は、第5の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す図である。図11は、アンテナ装置Uの側面断面図を表し、図12は、アンテナ装置Uの平面図を表している。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、送信アンテナ2及び受信アンテナ3がポスト壁導波管アンテナによって構成されている点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。
ポスト壁導波管アンテナは、回路基板1(ここでは、誘電体基板)の内部に上下に延在する金属ポスト(図12では点線で示す)の配列体によって構成される。ポスト壁導波管アンテナは、それぞれの金属ポストに対して駆動信号が供給されることで、金属ポストの配列方向に対して電磁波を送信する。
本実施形態に係る送信アンテナ2及び受信アンテナ3も、第1の実施形態と同様に、回路基板1の前部領域に配設され、回路基板1の前端側において電磁波の送受信を行う。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいても、カバー部材Bからの反射波Faの影響を低減することが可能である。尚、本実施形態に係るアンテナ装置Uは、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと比較して、カバー部材Bからの反射波Faの侵入を抑制する観点ではより好適である。
(第6の実施形態)
図13は、第6の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
図13は、第6の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す側面断面図である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、回路基板1の基板面と対向する位置に支持され、送信アンテナ2から送信される電磁波のサイドローブを前方に向けて反射する反射部6bを有している点、及び、誘電体レンズ7がボールレンズにより構成されている点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。
反射部6bは、筐体6の収容空間を形成する内側壁面において、回路基板1の前部領域の上方及び下方に形成され、送信アンテナ2が送信する電磁波のサイドローブ(図13では、二点鎖線矢印Ftで示す)を反射して、進行方向を前方側に変換する。
反射部6bは、筐体6の内側壁面において、送信アンテナ2の上方及び下方を覆うように配設され、後方から前方に向かうにつれて反射面が送信アンテナ2から離間するように傾斜状に形成されている。図13では、反射部6bが、例えば、筐体6の他の部位と一体的に、金属材料で構成される態様を示している。
本実施形態に係る誘電体レンズ7は、ボールレンズにより構成されている。ボールレンズは、焦点距離が短いレンズ特性を有する。従って、図13の二点鎖線矢印Ftのように、反射部6bから反射された前方向に対して角度を有する電磁波を、前方に変換することが可能である。尚、電磁波のサイドローブFtが装置外部で反射して戻ってくる際には、再度、誘電体レンズ7及び反射部6bを経由して、受信アンテナ3に入射することになる。
尚、反射部6b及び誘電体レンズ7は、より好適には、サイドローブFtが装置外部に送信される際に、メインローブFと同位相で前方に向かう平面波となるように、設計される。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、送信アンテナ2が送信する電磁波について、サイドローブFtもレーダ信号として利用することが可能となる。これによって、より利得を向上することができる。
(第7の実施形態)
図14は、第7の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す平面図である。
図14は、第7の実施形態に係るアンテナ装置Uの構成の一例を示す平面図である。
本実施形態に係るアンテナ装置Uは、送信アンテナ2と受信アンテナ3が共通のアンテナ(ここでは、4個のアンテナ素子2e、2f、2g、2h)で構成されている点で、第1の実施形態に係るアンテナ装置Uと相違する。
換言すると、本実施形態に係るアンテナ装置Uは、信号処理IC4の制御によって、アンテナ素子2e、2f、2g、2hに対して、電磁波の送信動作と電磁波の受信動作とを時分割で実行させる。尚、アンテナ素子2e、2f、2g、2hと送信回路(送信用の信号処理IC4)の間の電気信号の授受、及び、アンテナ素子2e、2f、2g、2hと受信回路(受信用の信号処理IC4)の間の電気信号の授受は、例えば、スイッチやサーキュレータによって、時分割で切り替えられる。
以上、本実施形態に係るアンテナ装置Uによれば、Y方向に配列させるアンテナ素子数を減少させることができる。これによって、Y方向について、筐体6の窓部のサイズを縮小することができるため、カバー部材Bからの反射波が筐体6内に侵入する事態をより抑制することができる。
(第8の実施形態)
上記各実施形態では、アンテナ装置Uの適用対象としてレーダ装置を挙げて説明したが、本発明に係るアンテナ装置Uは、通信の用途にも適用することができる。
上記各実施形態では、アンテナ装置Uの適用対象としてレーダ装置を挙げて説明したが、本発明に係るアンテナ装置Uは、通信の用途にも適用することができる。
図15は、第8の実施形態に係るアンテナ装置Uの一例を示す図である。
図15は、一の車両Caに搭載されたアンテナ装置Uと他の車両Cbに搭載されたアンテナ装置Uとの間で、電磁波の送受信を行い、通信を実行している状態を示している(いわゆる車車間通信)。尚、本実施形態に係るアンテナ装置Uにおいては、上記した物体検知の信号処理IC4に代えて、通信用の信号処理IC(図示せず)を搭載すればよい。
本発明に係るアンテナ装置Uは、カバー部材Bを介して電磁波を送信する際にも、カバー(バンパ)部材との多重反射によって位相が打ち消しあって出力利得が低下する事態を抑制することができるため、本実施形態のように、他のアンテナ装置と通信を行う態様にも好適に用いることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。例えば、各実施形態で示した態様を種々に組み合わせたものを用いてもよいのは勿論である。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。例えば、各実施形態で示した態様を種々に組み合わせたものを用いてもよいのは勿論である。
上記実施形態では、回路基板1とカバー部材Bの位置関係の一例として、回路基板1の基板面の延在方向とカバー部材Bの延在方向とが略直交する態様を示した。しかしながら、本発明は、回路基板1の基板面の延在方向とカバー部材Bの延在方向とが任意の角度で交差する態様に適用することができる。
又、上記実施形態では、送信アンテナ2が電磁波を送信する角度(及び受信アンテナ3が反射波を受信する角度)の一例として、回路基板1の基板面と平行とする態様を示した。しかしながら、送信アンテナ2が電磁波を送信する角度は、回路基板1の前端側の方向であれば、回路基板1の基板面に対して上方側又は下方側に傾けられてもよい。換言すると、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の電磁波の送受信方向は、回路基板1の基板面と略平行であればよい。
又、上記実施形態では、アンテナ装置Uの一例として、誘電体レンズ7を有する態様を示した。しかしながら、電磁波を送受信する際の利得の観点や、カバー部材Bから受信アンテナ3に到来する反射波遮蔽の観点が問題とならない場合には、誘電体レンズ7を有しない態様としてもよい。
又、上記実施形態では、アンテナ装置Uが好適に適用される態様の一例として、カバー部材Bによって被覆された態様を示した。しかしながら、本発明に係るアンテナ装置Uは、前方領域がカバー部材Bによって被覆されていない態様にも適用し得るのは、勿論である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係るアンテナ装置によれば、カバー部材を介して電磁波の送受信を行う際にも、高精度な物体検知が可能となる。
U アンテナ装置
B カバー部材
C 車両
1 回路基板
2 送信アンテナ
3 受信アンテナ
4 信号処理IC
5 コネクタ
6 筐体
6a 接続部
6b 反射部
7 誘電体レンズ
8 ブラケット
B カバー部材
C 車両
1 回路基板
2 送信アンテナ
3 受信アンテナ
4 信号処理IC
5 コネクタ
6 筐体
6a 接続部
6b 反射部
7 誘電体レンズ
8 ブラケット
Claims (1)
- 装置外部の前方領域を覆うように配されたカバー部材を介して電磁波の送受信を行うアンテナ装置を有する車両であって、
前記アンテナ装置は、
前記電磁波の送受信方向となる前方向を基準として、基板面が前後方向に延在するように配設された回路基板と、
前記回路基板のうち前記前方向側の領域である前部領域に配設され、前記回路基板の前端側に向けて前記電磁波を送信する送信アンテナと、
前記回路基板の前記前部領域に配設され、前記回路基板の前端側からの前記電磁波を受信する受信アンテナと、
前記回路基板の前方に支持され、前記送信アンテナが送信した前記電磁波のビームを絞って装置外部に送出すると共に、装置外部からの前記電磁波を集光して前記受信アンテナに送出する誘電体レンズと、
前記回路基板を収容すると共に、前面側に前記誘電体レンズを支持する筐体と、
を備える、車両。
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- 2019-09-05 JP JP2019162297A patent/JP2019213222A/ja active Pending
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