JP7107519B2 - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents

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Description

本明細書の開示は、顕微鏡対物レンズに関する。
近年、撮像素子の高画素化が著しく、顕微鏡分野において広視野と高分解能とを両立した観察及び画像取得が可能な顕微鏡装置への期待が高まっている。そして、そのような顕微鏡装置には、高い開口数(以降、NAと記す)を有し、かつ広視野に渡って高い収差性能を実現した対物レンズが求められる。また、生物顕微鏡で使用される場合であれば、対物レンズは400nm程度の短波長から近赤外波長までの広帯域での励起による蛍光観察にも対応していることが望ましい。さらに、観察時における作業性を考慮すると、対物レンズは乾燥系対物レンズであることが望ましい。
広い視野を確保可能な低倍の対物レンズであって、且つ、比較的広い波長帯域に対応した対物レンズは、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。
特許第4633405号公報 特開2010-224477号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2に記載された対物レンズは、軸上色収差の補正と、像面湾曲やコマ収差などの軸外収差の補正が十分ではない。このため、広い視野に対して、広い波長域で高い性能を発揮することは困難である。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、色収差を良好に補正し且つ高い軸外性能を有する低倍の顕微鏡対物レンズを提供することである。
本発明の一態様に係る顕微鏡対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有し、第1接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群と凹面を向かい合わせて配置された、第2レンズ群からなる。 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の境界は、互いに向かい合った凹面の組みのうち、軸上マージナル光線高さが最も低くなる凹面の組みである。前記第2レンズ群は、前記物体側から順に、少なくとも1つのレンズ成分と、第2接合レンズと、正の屈折力を有する、単レンズからなる。前記少なくとも1つのレンズ成分は、前記少なくとも1つのレンズ成分全体として負の屈折力を有する。前記第1接合レンズと前記第2接合レンズの各々は、正レンズと負レンズからなる。前記顕微鏡対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である。前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たす。
-0.38 ≦ F/FC2≦ 0.38 (1)
また、前記第1接合レンズと前記第2接合レンズは、それぞれ、以下の条件式を満たす。
-0.016 ≦ (θCt-θCt)/(νdL-νdL) < 0 (2)
ただし、FC2は前記第2接合レンズのe線に対する焦点距離、Fは前記単レンズの前記e線に対する焦点距離である。θCtは前記正レンズのC線とt線の間の部分分散比、θCtは前記負レンズの前記C線と前記t線の間の部分分散比、νdLは前記正レンズのアッベ数、νdLは前記負レンズのアッベ数である。
本発明の別の態様に係る顕微鏡対物レンズは、顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、正の屈折力を有し、第1接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群と凹面を向かい合わせて配置された、第2レンズ群からなる。 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の境界は、互いに向かい合った凹面の組みのうち、軸上マージナル光線高さが最も低くなる凹面の組みである。前記第1レンズ群は、2枚以上のレンズを含む。前記第2レンズ群は、前記物体側から順に、少なくとも1つのレンズ成分と、第2接合レンズと、正の屈折力を有する、単レンズからなる。前記少なくとも1つのレンズ成分は、前記少なくとも1つのレンズ成分全体として負の屈折力を有する。前記顕微鏡対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である。前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たす。
-0.38 ≦ F /F C2 ≦ 0.38 (1)
0 < (L gauss ×TL)/(L max ) ≦ 2.4 (5)
但し、F C2 は前記第2接合レンズのe線に対する焦点距離、F は前記単レンズの前記e線に対する焦点距離である。L gauss は前記第1レンズ群の最も前記像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も前記物体側のレンズ面との間の光軸上の距離、TLは物体面と前記顕微鏡対物レンズの最も前記像側の前記レンズ面との間の光軸上の距離、L max は前記第1レンズ群での最大面間隔である。
上記の態様によれば、色収差を良好に補正し且つ高い軸外性能を有する低倍の顕微鏡対物レンズを提供することができる。
最大物体高Yresoを説明するための図である。 本発明の実施例1に係る対物レンズ1の断面図である。 図2に示す対物レンズ1の収差図である。 本発明の実施例2に係る対物レンズ2の断面図である。 図4に示す対物レンズ2の収差図である。 本発明の実施例3に係る対物レンズ3の断面図である。 図6に示す対物レンズ3の収差図である。 本発明の実施例4に係る対物レンズ4の断面図である。 図8に示す対物レンズ4の収差図である。
以下、本願の一実施形態に係る対物レンズについて詳細に説明する。この対物レンズは、結像レンズと組み合わせて使用される無限遠補正型の顕微鏡対物レンズである。この対物レンズは、標本Sと対物レンズ11の間に空気を介在させた状態で標本Sを観察するときに用いられる、いわゆる乾燥系対物レンズである。対物レンズは、色収差を良好に補正し且つ高い軸外性能を有する低倍の顕微鏡対物レンズである。
この対物レンズは、物体側から順に、物点からの発散光線束が入射する正の屈折力を有する第1レンズ群と、第1レンズ群と凹面を向かい合わせて配置された第2レンズ群と、からなる。
第1レンズ群と第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。第1レンズ群と第2のレンズ群の境界は、この特徴によって特定することができる。なお、互いに向かい合った凹面の組みが複数存在する場合には、第1レンズ群と第2のレンズ群の境界は、それら複数の凹面の組みのうち、軸上マージナル光線高さが最も低くなる凹面の組みが、第1レンズ群と第2レンズ群の境界と定義される。
なお、本明細書において、光線束(pencil of light)とは、物体の一点(物点)から出射した光線の束のことである。また、レンズ成分とは、単レンズ、接合レンズを問わず、物点からの光線が通るレンズ面のうち物体側の面と像側の面の2つの面のみが空気(又は浸液)と接する一塊のレンズブロックのことである。
第1レンズ群は、第1接合レンズを含んでいることが望ましい。即ち、第1レンズ群は、2枚以上のレンズを含んでいることが望ましい。第1接合レンズは、例えば、正レンズと負レンズからなる2枚接合レンズである。
第1レンズ群は、物体面から発生した高いテレセントリック性を有する発散光を、軸外の主光線の角度を変えながら、一旦平行光に変換する。その後、第1レンズ群は、第1接合レンズによって軸上色収差を補正しながらその平行光を発散光に変換し、第2レンズ群に入射させる。
なお、対物レンズの最も物体側のレンズ成分、即ち、第1レンズ群の最も物体側のレンズ成分は、接合レンズであってもよい。第1レンズ群の最も物体側のレンズ成分が接合レンズであれば、倍率色収差と軸上色収差を抑制することができるからである。
第2レンズ群は、物体側から順に、全体として負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ成分と、第2接合レンズと、正の屈折力を有する単レンズからなることが望ましい。第2接合レンズは、例えば、正レンズと負レンズからなる2枚接合レンズである。
第2レンズ群は、第1レンズ群から入射した発散光を、軸上色収差、軸外のコマ収差及び非点収差を補正しながら、平行光に変換して出射する。なお、全体として負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ成分は、光線高を上げて開口数を拡大する役割を、第2接合レンズは、軸上色収差を補正する役割を、単レンズは、発散光を平行光に変換する役割を、主に担っている。
以上のように、対物レンズは、各々が正レンズと負レンズからなる、少なくとも2つの接合レンズを含むことによって、1つの接合レンズでは補正し切れない大きな軸上色収差も補正可能な構成となっている。また、対物レンズでは、対物レンズの最も像側のレンズ面、即ち、単レンズの像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さが最大である。これにより、対物レンズ内における光線の屈折角を抑制することができるため、軸上色収差を抑えること、且つ、軸外性能が軸上性能と比べて著しく劣化すること、を防止することが可能な構成となっている。
対物レンズは、条件式(1)を満たすことが望ましい。
-0.38 ≦ F/FC2≦ 0.38 (1)
但し、FC2は、第2接合レンズのe線に対する焦点距離である。Fは、第2レンズ群に含まれている単レンズのe線に対する焦点距離である。この単レンズは、第2接合レンズの像側に配置された単レンズである。
/FC2が下限値を下回らないことにより、軸上色収差を良好に補正し、かつ軸外のコマ収差及び非点収差を良好に補正することができる。より詳細には、第2接合レンズが低い負の屈折力を持つことにより、他のレンズにおいて発生する軸上色収差を補正することが可能となる。また、単レンズが高い屈折力を持つことにより、対物レンズ内部において、軸外の光線の角度を、緩やかに変化させて、軸外のコマ収差及び非点収差を良好に補正することが可能となる。また、F/FC2が上限値を上回らないことにより、他のレンズにおいて過剰に補正した軸上色収差を、第2接合レンズが持つ低い正の屈折力によって逆方向に補正することができる。従って、条件式(1)を満たすことにより軸上色収差と軸外収差を良好に補正することができる。
なお、対物レンズは、条件式(1)の代わりに条件式(1-1)を満たしてもよい。条件式(1-1)を満たすことにより軸上色収差と軸外収差を更に良好に補正することができる。
-0.32 ≦ F/FC2 ≦ 0.32 (1-1)
また、対物レンズは、第1の接合レンズと第2の接合レンズの各々が条件式(2)を満たすように構成されることが望ましい。
-0.016 ≦ (θCt-θct)/(νdL-νdL < 0 (2)
但し、θCtは、接合レンズに含まれる正レンズのC線とt線の間の部分分散比である。θCtは、接合レンズに含まれる負レンズのC線とt線の間の部分分散比である。νdLは、接合レンズに含まれる正レンズのアッベ数である。νdLは、接合レンズに含まれる負レンズのアッベ数である。なお、部分分散比θCt及び部分分散比θCtは、nをC線に対する屈折率とし、nをt線に対する屈折率とし、nをF線に対する屈折率とすると、(n-n)/(n-n)で算出される。
可視域のみの色収差を補正する目的で接合レンズを用いる場合、通常、(θCt-θct)/(νdL-νdL)は正の値になる。(θCt-θct)/(νdL-νdL)を敢えて負の値にすることにより、他のレンズにおいて発生する近赤外域の軸上色収差を補正することができる。さらに、(θCt-θct)/(νdL-νdL)が下限値を下回らないことにより、近赤外域の色収差を過剰に補正しないことができる。これにより、400nm程度の短波長から可視域までの色収差が抑制されるため、結果として、400nm程度の短波長から近赤外波長までの軸上色収差を補正することができる。従って、条件式(2)を満たすことにより軸上色収差を良好に補正することができる。
なお、対物レンズは、条件式(2)の代わりに条件式(2-1)を満たすことが更に望ましい。
-0.007 ≦ (θCt-θct)/(νdL-νdL < 0 (2-1)
また、対物レンズは、第1の接合レンズと第2の接合レンズの少なくとも一方が条件式(3)を満たすように構成されることが望ましい。
-0.001 ≦ (θhg-θhg)/(νdL-νdL < 0 (3)
但し、θhgは、接合レンズに含まれる正レンズのh線とg線の間の部分分散比である。θhgは、接合レンズに含まれる負レンズのh線とg線の間の部分分散比である。なお、部分分散比θhg及び部分分散比θhgは、nをh線に対する屈折率とし、nをg線に対する屈折率とし、nをF線に対する屈折率とし、nをC線に対する屈折率とすると、(n-n)/(n-n)で算出される。
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)を負の値にすることにより、他のレンズにおいて発生する400 nm程度の短波長の軸上色収差を補正することができる。さらに、(θCt-θct)/(νdL-νdL)が下限値を下回らないことにより、400nm程度の短波長の色収差を過剰に補正することを防ぐことができる。これにより、可視域から近赤外域までの色収差が抑制されるため、結果として、400nm程度の短波長から近赤外波長までの軸上色収差をより良好に補正することができる。従って、条件式(3)を満たすことにより軸上色収差をさらに良好に補正することができる。
なお、対物レンズは、条件式(3)の代わりに条件式(3-1)を満たすことが更に望ましい。
-0.0004 ≦ (θhg-θhg)/(νdL-νdL < 0 (3-1)
また、対物レンズは、条件式(4)を満たすことが望ましい。即ち、対物レンズは、条件式(4-1)及び条件式(4-2)を満たすことが望ましい。
-1.25 ≦ TL/F ≦ 1.25 (4)
-1.25 ≦ TL/FC1 ≦ 1.25 (4-1)
-1.25 ≦ TL/FC2 ≦ 1.25 (4-2)
但し、TLは、物体面と対物レンズの最も像側のレンズ面との間の光軸上の距離である。Fは、2つ以上の接合レンズのe線に対する焦点距離である。FC1は、第1接合レンズのe線に対する焦点距離である。
条件式(4)において、TL/Fが下限値を下回らないことにより、軸上色収差を良好に補正することができる。これは、接合レンズが低い負の屈折力を持つことにより、他のレンズで発生する軸上色収差を補正することができるからである。また、TL/Fが上限値を上回らないことで、他のレンズで過剰に補正した軸上色収差を低い正の屈折力を持つ接合レンズにより逆方向に補正することができる。これらの点は、条件式(4-1)及び条件式(4-2)についても同様である。従って、条件式(4)、条件式(4-1)、及び条件式(4-2)を満たすことで、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、対物レンズは、条件式(5)を満たすことが望ましい。
0 < (Lgauss×TL)/(Lmax ) ≦ 2.4 (5)
但し、Lgaussは、第1レンズ群の最も像側のレンズ面と第2レンズ群の最も物体側のレンズ面との間の光軸上の距離である。Lmaxは、第1レンズ群での最大面間隔である。
(Lgauss×TL)/(Lmax )が上限値を上回らないことにより、発散光が通過する領域における面間隔が長くなり、軸外の光線の角度が緩やかに変化することになる。また、レンズ厚と空気間隔は必ず正の値を持つため、面間隔も正の値であり、(Lgauss×TL)/(Lmax )の下限値は0よりも大きくなる。条件式(5)を満たすことにより、軸外のコマ収差及び非点収差を良好に抑えることができる。
なお、対物レンズは、条件式(5)の代わりに条件式(5-1)を満たすことが望ましい。特に、(Lgauss×TL)/(Lmax )を条件式(5-1)の下限値以上とすることにより、軸外の収差だけでなく、色収差も併せて抑制することが可能となる。また、(Lgauss×TL)/(Lmax )を上限値以下とすることにより、軸外のコマ収差及び非点収差を更に良好に抑えることができる。
0.8 ≦ (Lgauss×TL)/(Lmax ) ≦ 2.1 (5-1)
さらに、対物レンズは、条件式(6)を満たしても良い。
0 ≦ |Δz| /DOF≦ 2 (6)
但し、Δzは、h線に対するRMS波面収差が最小となる軸上位置(h線最小位置と記す。)とe線(546.07nm)に対するRMS波面収差が最小となる軸上位置(e線最小位置と記す。)の差である。DOFは、e線に対する焦点深度である。
ここで、軸上位置とは、対物レンズの物体側の領域における軸上位置のことである。また、焦点深度DOFの算出式は、e線の波長をλとし、対物レンズの開口数をNAobとすると、DOFe=λ/(2×NAob )である。
条件式(6)は、主に、軸上色収差を良好に補正するための条件式である。生物系の顕微鏡光学系ではh線付近の短波長の励起光を用いた蛍光観察が頻繁に行われる。このため、h線とe線の軸上色収差特性は重要である。|Δz|/DOFが上限値を上回ると、対物レンズで生じる軸上色収差が大きくなりすぎる。従って、結像レンズで軸上色収差を大幅に補償しなければ、像面で大きな軸上色収差が生じてしまう。しかしながら、結像レンズで大きな軸上色収差の補償を行うことは実際には困難である。また、結像レンズで収差を補償するということは、結像レンズ自体に収差を持たせることを意味する。そのため、結像レンズと組み合わせる対物レンズがそれぞれ異なる収差特性を有する複数の対物レンズの間で切り替えて使用されることを考慮すると、軸上色収差を結像レンズに補償させることは好ましくない。条件式(6)を満たすことで、対物レンズ単体で軸上色収差を良好に補正することができる可能であり、特に、励起光としてh線のような短波長の光が用いられた場合であっても軸上色収差を良好に補正することができる。
なお、対物レンズは、条件式(6)の代わりに条件式(6-1)を満たしてもよい。
0 ≦ |Δz| /DOF≦ 1 (6-1)
条件式(6-1)をに示すように、上述した位置の差が焦点深度の1倍以内であれば、対物レンズは、光軸方向に高い分解能を有する顕微鏡装置での使用に特に有効である。例えば、共焦点顕微鏡装置を用いて複数の励起波長を使って画像を取得し、それらの画像を重ね合わせる、マルチカラーイメージングにおいて、色収差による標本の位置ズレを抑制することができる。
また、対物レンズは、条件式(7)を満たしても良い。
10mm ≦ Yreso ×|β|≦ FN mm (7)
但し、Yresoは、e線に対するRMS波面収差が最小となる軸上位置(e線最小位置)と交わる光軸と直交する平面上の領域であってe線に対するRMS波面収差をe線の波長で割った値が0.2以下となる領域の最大物体高である。βは、対物レンズの倍率である。FNは、対物レンズの最大像高であり、視野数の1/2である。
対物レンズの倍率βは、対物レンズを対物レンズ毎に予め決められた焦点距離を有する結像レンズと組み合わせたときの倍率であり、結像レンズの焦点距離/対物レンズの焦点距離で算出される。結像レンズの予め決められた焦点距離は、例えば、180mmである。対物レンズの最大像高は、(物体高)×(倍率)で計算される。
最大物体高Yresoは、図1に示すように、所定の条件を満たす領域100の最大物体高のことである。なお、図1には、e線最小位置と交わる対物レンズの光軸と直交した断面(以降、e線最小断面と記す。) が示されている。最大物体高Yresoは次のようにして求められる。まず、e線最小断面の各点において、(e線に対するRMS波面収差)/λを算出する。次に、e線最小断面のうちの、(e線に対するRMS波面収差)/λ≦0.2を満たす領域100を特定する。さらに、領域100のうち光軸AXから最も離れた点P1を特定する。最後に、その点P1と光軸AXの間の距離を最大物体高Yresoとして算出する。
対物レンズが回転対称である場合、領域100も回転対称(つまり、円形)となる。このため、領域100の物体高は方位によらず一定であり、最大物体高Yresoはその一定の物体高である。一方、対物レンズに製造誤差が生じた場合には、領域100は回転非対称となる。その結果、例えば図1に示すように、領域100の物体高は方位に依存することになる。この場合、最大物体高Yresoは、光軸から領域100の境界までの距離が最も長くなる方位における物体高である。
条件式(7)は、対物レンズを用いた観察で良好な周辺分解能を得るための条件式である。なお、周辺分解能とは、視野の周辺部分における分解能のことをいい、軸外収差が大きく生じると劣化する傾向がある。Yreso ×|β|が下限値を下回ると、対物レンズの軸外収差が過度に大きくなるため、結像レンズでの大幅な収差の補償が求められる。しかしながら、結像レンズで大きな軸外収差の補償を行うことは実際には困難である。また、結像レンズで収差を補償するということは、結像レンズ自体に収差を持たせることを意味するため、条件式(6)において上述した理由から好ましくない。一方、Yreso ×|β|が上限値を上回ると、一次結像位置において軸外収差が良好な範囲が広くなるが、そこまでの範囲の画像を取得しようとすると、撮像素子やそれを保持するユニットが大型になるため好ましくない。条件式(7)を満たすことで、良好な周辺分解能を達成することができる。
以下、上述した対物レンズの具体例について説明する。
[実施例1]
図2は、本実施例に係る対物レンズ1の断面図である。対物レンズ1は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1よりも像側に配置された、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる、乾燥系の顕微鏡用対物レンズである。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向けて配置されている。対物レンズ1では、対物レンズ1の最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に配置された、両凸レンズL1と、接合レンズCL1と、を含んでいる。接合レンズCL1は、対物レンズ1の第1の接合レンズであり、両凸レンズL2と両凹レンズL3とからなる2枚接合レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に配置された、接合レンズCL2と、接合レンズCL3と、両凸レンズL8を含んでいる。接合レンズCL2は、両凹レンズL4と両凸レンズL5からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL3は、対物レンズ1の第2の接合レンズであり、両凹レンズL6と両凸レンズL7からなる2枚接合レンズである。
対物レンズ1の各種データは、以下のとおりである。なお、Fは対物レンズ1のe線に対する焦点距離、FG1、FG2は、それぞれ第1レンズ群G1のe線に対する焦点距離、第2レンズ群G2のe線に対する焦点距離である。また、|β|は対物レンズ1を180mmの焦点距離を有する結像レンズと組み合わせたときの倍率である。同様に、FNは180mmの焦点距離を有する結像レンズと組み合わせたときの最大像高である。また、WDは、対物レンズ1の作動距離である。
F=45mm、FG1=21.64mm、FG2=56.53mm、NAob=0.16、|β|=4、FN=13.25、WD=13.2458mm、FC1=-43.11mm、FC2=-4506.28mm、F=26.35mm、TL=47.5785mm、Lgauss=2.7456mm、Lmax=8.0214mm、|Δz|=3.22μm、DOF=10.66μm、Yreso=3.3125mm
第1の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.84233、θCt=0.86725、θhg=0.43844、θhg=0.44169、νdL=94.66、νdL=64.14
第2の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.84233、θCt=0.89065、θhg=0.43844、θhg=0.43453、νdL=94.66、νdL=70.23
対物レンズ1のレンズデータは、以下のとおりである。なお、レンズデータ中のINFは無限大(∞)を示している。
対物レンズ1
s r d ne nh νd
1 INF 0.17 1.52626 1.54042 54.41
2 INF 13.2458
3 20.4097 3.2684 1.51825 1.52977 64.14
4 -22.1977 8.0214
5 9.8755 3.0895 1.43986 1.44647 94.66
6 -10.1728 1.7328 1.51825 1.52977 64.14
7 7.3477 2.7456
8 -5.7177 2.5231 1.75844 1.77954 52.32
9 36.266 2.9771 1.43986 1.44647 94.66
10 -8.5226 0.4709
11 -20.1257 1.5608 1.48915 1.49898 70.23
12 20.4365 3.8973 1.43986 1.44647 94.66
13 -18.1858 0.3014
14 185.9612 3.5703 1.49846 1.5072 81.54
15 -14.0427
ここで、sは面番号を、rは曲率半径(mm)を、dは面間隔(mm)を、neはe線に対する屈折率を、nhはh線に対する屈折率を、νdはアッベ数を示す。これらの記号は、以降の実施例でも同様である。なお、面番号s1,s2が示す面は、それぞれ、物体面(カバーガラスCGの物体側の面)、カバーガラスCGの像側の面である。面番号s3,s15が示す面は、それぞれ対物レンズ1の最も物体側のレンズ面、最も像側のレンズ面である。また、例えば、面間隔d1は、面番号s1が示す面から面番号s2が示す面までの光軸上の距離を示している。
対物レンズ1は、以下で示されるように、条件式(1)から(7)を満たしている。なお、条件式(3)については、第1接合レンズが満たしている。
(1) F/FC2=-0.0058
(2)第1の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00082
第2の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00198
(3)第1の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=-0.00011
第2の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=0.00016
(4-1)TL/FC1 =-1.103
(4-2)TL/FC2 =-0.011
(5) (Lgauss×TL)/(Lmax )=2.030
(6) |Δz| /DOF=0.302
(7) Yreso ×|β|=13.25 mm
図3は、図2に示す対物レンズ1の収差図であり、像側から無限遠光束が入射したときの物体面における収差を示している。図3(a)は球面収差図であり、図3(b)は正弦条件違反量を示す図であり、図3(c)は非点収差図であり、図3(d)は物体高比0.6(物体高1.99mm)の位置におけるコマ収差図である。なお、図中の“M”はメリディオナル成分、“S”はサジタル成分を示している。図3に示されるように、本実施例では、広い視野に渡って収差が良好に補正されている。
[実施例2]
図4は、本実施例に係る対物レンズ2の断面図である。対物レンズ2は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1よりも像側に配置された、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる、乾燥系の顕微鏡用対物レンズである。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向けて配置されている。対物レンズ2では、対物レンズ2の最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さが最大である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に配置された、物体側に平面を向けた平凸レンズL1と、接合レンズCL1と、を含んでいる。接合レンズCL1は、対物レンズ2の第1の接合レンズであり、両凸レンズL2と両凹レンズL3とからなる2枚接合レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に配置された、接合レンズCL2と、接合レンズCL3と、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズL8を含んでいる。接合レンズCL2は、両凹レンズL4と両凸レンズL5からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL3は、対物レンズ2の第2の接合レンズであり、両凹レンズL6と両凸レンズL7からなる2枚接合レンズである。
対物レンズ2の各種データは、以下のとおりである。
F=45mm、FG1=32.67mm、FG2=46.24mm、NAob=0.16、|β|=4、FN=13.25、WD=13.8354mm、FC1=-40.59mm、FC2=138.31mm、F=29.29mm、TL=47.5753mm、Lgauss=1.8251mm、Lmax=9.5453mm、|Δz|=16.69μm、DOF=10.66μm、Yreso=3.3125mm
第1の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.82759、θCt=0.83267、θhg=0.44171、θhg=0.45179、νdL=81.54、νdL=55.53
第2の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.81944、θCt=0.89065、θhg=0.44583、θhg=0.43453、νdL=74.7、νdL=70.23
対物レンズ2のレンズデータは、以下のとおりである。
対物レンズ2
s r d ne nh νd
1 INF 0.17 1.52626 1.54042 54.41
2 INF 13.8354
3 INF 3.6835 1.50738 1.51966 59.67
4 -13.5456 9.5453
5 10.4868 3.2518 1.49846 1.5072 81.54
6 -23.1155 1.3352 1.69979 1.71801 55.53
7 9.4125 1.8251
8 -5.7921 2.5618 1.65141 1.66954 53.02
9 20.7121 2.643 1.43985 1.44645 94.93
10 -8.8717 0.8301
11 -23.0739 1.2008 1.48915 1.49898 70.23
12 23.1614 3.5088 1.53947 1.54984 74.7
13 -21.792 0.2014
14 -200.8748 2.9823 1.49846 1.5072 81.54
15 -13.6097
対物レンズ2は、以下で示されるように、条件式(1)から(7)を満たしている。なお、条件式(3)については、第1接合レンズが満たしている。
(1) F/FC2=0.212
(2)第1の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00020,
第2の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.01593
(3)第1の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=-0.00039
第2の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=0.00253
(4-1)TL/FC1 =-1.17
(4-2)TL/FC2 =0.34
(5) (Lgauss×TL)/(Lmax )=0.95
(6) |Δz| /DOF=1.566
(7) Yreso ×|β|=13.25 mm
図5は、図4に示す対物レンズ2の収差図であり、像側から無限遠光束が入射したときの物体面における収差を示している。図5(a)は球面収差図であり、図5(b)は正弦条件違反量を示す図であり、図5(c)は非点収差図であり、図5(d)は物体高比0.6(物体高1.99mm)の位置におけるコマ収差図である。図5に示されるように、本実施例では、広い視野に渡って収差が良好に補正されている。
[実施例3]
図6は、本実施例に係る対物レンズ3の断面図である。対物レンズ3は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1よりも像側に配置された、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる、乾燥系の顕微鏡用対物レンズである。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向けて配置されている。対物レンズ3では、対物レンズ3の最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に配置された、両凸レンズL1と、接合レンズCL1と、を含んでいる。接合レンズCL1は、対物レンズ3の第1の接合レンズであり、両凸レンズL2と両凹レンズL3とからなる2枚接合レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に配置された、接合レンズCL2と、接合レンズCL3と、両凸レンズL8を含んでいる。接合レンズCL2は、両凹レンズL4と両凸レンズL5からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL3は、対物レンズ3の第2の接合レンズであり、両凹レンズL6と両凸レンズL7からなる2枚接合レンズである。
対物レンズ3の各種データは、以下のとおりである。
F=45mm、FG1=22.06mm、FG2=37.92mm、NAob=0.16、|β|=4、FN=13.25、WD=13.3561mm、FC1=-26.87mm、FC2=89.69mm、F=27.96mm、TL=49.2256mm、Lgauss=3.2849 mm、Lmax=13.47mm、|Δz|=20.03μm、DOF=10.66μm、Yreso=3.3125mm
第1の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.82759、θCt=0.83267、θhg=0.44171、θhg=0.45179、νdL=81.54、νdL=55.53
第2の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.84233、θCt=0.86854、θhg=0.43844、θhg=0.42541、νdL=94.66、νdL=71.8
対物レンズ3のレンズデータは、以下のとおりである。
s r d ne nh νd
1 INF 0.17 1.52626 1.54042 54.41
2 INF 13.3561
3 49.7449 2.4515 1.51825 1.52977 64.14
4 -14.9766 1
5 19.2275 13.47 1.49846 1.5072 81.54
6 -7.9967 1.261 1.69979 1.71801 55.53
7 12.166 3.2849
8 -5.9627 2.4838 1.77621 1.79917 49.6
9 525.6645 2.5754 1.43986 1.44647 94.66
10 -8.7004 0.2
11 -26.1604 1 1.48769 1.49719 71.8
12 18.625 2.7047 1.43986 1.44647 94.66
13 -14.2892 2.7071
14 298.0967 2.561 1.49846 1.5072 81.54
15 -14.5782
対物レンズ3は、以下で示されるように、条件式(1)から(4-1)、(5)から(7)を満たしている。ただし、条件式(4-2)を満たさない。なお、条件式(3)については、第1接合レンズが満たしている。
(1) F/FC2=0.312
(2)第1の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00020
第2の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00115
(3)第1の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=-0.00039
第2の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=0.00057
(4-1)TL/FC1 =-1.83
(4-2)TL/FC2 =0.55
(5) (Lgauss×TL)/(Lmax )=0.89
(6) |Δz| /DOF=1.879
(7) Yreso ×|β|=13.25mm
図7は、図6に示す対物レンズ3の収差図であり、像側から無限遠光束が入射したときの物体面における収差を示している。図7(a)は球面収差図であり、図7(b)は正弦条件違反量を示す図であり、図7(c)は非点収差図であり、図7(d)は物体高比0.6(物体高1.99mm)の位置におけるコマ収差図である。図7に示されるように、本実施例では、広い視野に渡って収差が良好に補正されている。
[実施例4]
図8は、本実施例に係る対物レンズ4の断面図である。対物レンズ4は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1よりも像側に配置された、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる、乾燥系の顕微鏡用対物レンズである。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向けて配置されている。対物レンズ4では、対物レンズ4の最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に配置された、接合レンズCL1と、接合レンズCL2と、を含んでいる。接合レンズCL1は、像側に凹面を向けたメニスカスレンズL1と両凸レンズL2からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL2は、対物レンズ4の第1の接合レンズであり、両凸レンズL3と両凹レンズL4とからなる2枚接合レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に配置された、接合レンズCL3と、接合レンズCL4と、接合レンズCL5と、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズL11を含んでいる。接合レンズCL3は、両凹レンズL5と両凸レンズL6からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL4は、両凹レンズL7と両凸レンズL8からなる2枚接合レンズである。接合レンズCL5は、対物レンズ4の第2の接合レンズであり、両凹レンズL9と両凸レンズL10からなる2枚接合レンズである。
対物レンズ4の各種データは、以下のとおりである。
F=45mm、FG1=20.30mm、FG2=50.40mm、NAob=0.24、|β|=4、FN=13.25、WD=10.9640mm、FC1=-33.29mm、FC2=-2356.62mm、F=49.19mm、TL=49.1886mm、Lgauss=4.075mm、Lmax=5.4593mm、|Δz|=3.58μm、DOF=4.74μm、Yreso=3.0475mm
第1の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.84233、θCt=0.86725、θhg=0.43844、θhg=0.44169、νdL=94.66、νdL=64.14
第2の接合レンズの各種データは以下のとおりです。
θCt=0.84233、θCt=0.86725、θhg=0.43844、θhg=0.44169、νdL=94.66、νdL=64.14
対物レンズ4のレンズデータは、以下のとおりである。
対物レンズ4
s r d ne nh νd
1 INF 0.17 1.52626 1.54042 54.41
2 INF 10.964
3 21.7946 1 1.88815 1.92092 40.76
4 24.9359 2.6598 1.51825 1.52977 64.14
5 -17.9676 4.1897
6 11.5699 5.4593 1.43986 1.44647 94.66
7 -7.6703 0.5 1.51825 1.52977 64.14
8 7.3946 4.0752
9 -6.2208 2.8398 1.75844 1.77954 52.32
10 133.0254 3.4328 1.43986 1.44647 94.66
11 -9.8529 0.5
12 -114.7877 1.0902 1.48915 1.49898 70.23
13 48.9812 3.4385 1.43986 1.44647 94.66
14 -19.3353 0.4
15 -28.6539 0.7 1.51825 1.52977 64.14
16 85.3746 3.4662 1.43986 1.44647 94.66
17 -24.9437 0.3
18 -76.6386 4.0031 1.49846 1.5072 81.54
19 -17.2175
対物レンズ4は、以下で示されるように、条件式(1)から(3)、(4-2)、(6)及び(7)を満たしている。ただし、条件式(4-1)、及び(5)を満たさない。なお、条件式(3)については、第1接合レンズが満たしている。
(1) F/FC2=-0.020
(2)第1の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00082
第2の接合レンズ
(θCt-θct)/(νdL-νdL)=-0.00082
(3)第1の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=-0.00011
第2の接合レンズ
(θhg-θhg)/(νdL-νdL)=-0.00011
(4-1)TL/FC1 =-1.48
(4-2)TL/FC2 =-0.02
(5) (Lgauss×TL)/(Lmax )=6.73
(6) |Δz| /DOF=0.755
(7) Yreso ×|β|=12.19 mm
図9は、図8に示す対物レンズ4の収差図であり、像側から無限遠光束が入射したときの物体面における収差を示している。図9(a)は球面収差図であり、図9(b)は正弦条件違反量を示す図であり、図9(c)は非点収差図であり、図9(d)は物体高比0.6(物体高1.99mm)の位置におけるコマ収差図である。図9に示されるように、本実施例では、広い視野に渡って収差が良好に補正されている。
1、2、3、4・・・対物レンズ、100・・・領域、AX・・・光軸、CL1、CL2、CL3、CL4、CL5・・・接合レンズ、G1・・・第1レンズ群、G2・・・第2レンズ群、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、L11・・・レンズ、P1・・・点

Claims (6)

  1. 顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、
    正の屈折力を有し、第1接合レンズを含む第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群と凹面を向かい合わせて配置された、第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の境界は、互いに向かい合った凹面の組みのうち、軸上マージナル光線高さが最も低くなる凹面の組みであり、
    前記第2レンズ群は、前記物体側から順に、
    少なくとも1つのレンズ成分と、
    第2接合レンズと、
    正の屈折力を有する、単レンズからなり、
    前記少なくとも1つのレンズ成分は、前記少なくとも1つのレンズ成分全体として負の屈折力を有し、
    前記第1接合レンズと前記第2接合レンズの各々は、正レンズと負レンズからなり、
    前記顕微鏡対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大であり、
    前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たし、
    -0.38 ≦ F /F C2 ≦ 0.38 (1)
    前記第1接合レンズと前記第2接合レンズは、それぞれ、以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -0.016 ≦ (θCt-θCt)/(νdL-νdL) < 0 (2)
    ただし、 C2 は前記第2接合レンズのe線に対する焦点距離、F は前記単レンズの前記e線に対する焦点距離である。θCtは前記正レンズのC線とt線の間の部分分散比、θCtは前記負レンズの前記C線と前記t線の間の部分分散比、νdLは前記正レンズのアッベ数、νdLは前記負レンズのアッベ数である。
  2. 請求項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記第1接合レンズと前記第2接合レンズの少なくとも一方は、以下の条件式を満たす
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -0.001 ≦ (θhg-θhg)/(νdL-νdL) < 0 (3)
    ただし、θhgは前記正レンズのh線とg線の間の部分分散比、θhgは前記負レンズの前記h線と前記g線の間の部分分散比である。
  3. 請求項1又は請求項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -1.25 ≦ TL/FC1 ≦ 1.25 (4-1)
    -1.25 ≦ TL/FC2 ≦ 1.25 (4-2)
    ただし、FC1は前記第1接合レンズの前記e線に対する焦点距離、TLは物体面と前記顕微鏡対物レンズの最も前記像側の前記レンズ面との間の光軸上の距離である。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれ1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記第1レンズ群は、2枚以上のレンズを含み、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0 < (Lgauss×TL)/(Lmax ) ≦ 2.4 (5)
    但し、Lgaussは前記第1レンズ群の最も前記像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も前記物体側のレンズ面との間の光軸上の距離、TLは物体面と前記顕微鏡対物レンズの最も前記像側の前記レンズ面との間の光軸上の距離、Lmaxは前記第1レンズ群での最大面間隔である。
  5. 顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、
    正の屈折力を有し、第1接合レンズを含む第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群と凹面を向かい合わせて配置された、第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の境界は、互いに向かい合った凹面の組みのうち、軸上マージナル光線高さが最も低くなる凹面の組みであり、
    前記第1レンズ群は、2枚以上のレンズを含み、
    前記第2レンズ群は、前記物体側から順に、
    少なくとも1つのレンズ成分と、
    第2接合レンズと、
    正の屈折力を有する、単レンズからなり、
    前記少なくとも1つのレンズ成分は、前記少なくとも1つのレンズ成分全体として負の屈折力を有し、
    前記顕微鏡対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大であり、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -0.38 ≦ F /F C2 ≦ 0.38 (1)
    0 < (Lgauss×TL)/(Lmax ) ≦ 2.4 (5)
    但し、 C2 は前記第2接合レンズのe線に対する焦点距離、F は前記単レンズの前記e線に対する焦点距離である。gaussは前記第1レンズ群の最も前記像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も前記物体側のレンズ面との間の光軸上の距離、TLは物体面と前記顕微鏡対物レンズの最も前記像側の前記レンズ面との間の光軸上の距離、Lmaxは前記第1レンズ群での最大面間隔である。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれ1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記顕微鏡対物レンズの最も前記物体側のレンズ成分は、接合レンズである
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
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