JP7105943B2 - シールアセンブリおよびシールアセンブリの使用 - Google Patents

Description

本発明は、シールアセンブリおよびシールアセンブリの使用に関し、シールアセンブリは、それぞれ導電性の材料から成っている第１の機械エレメントおよび第２の機械エレメントと、シールとを備えており、両機械エレメントが、シールにより互いに密閉されている。

このようなシールアセンブリは、一般的に知られている。たとえば、両機械エレメントは、電子構成部材を取り囲む多部分から成るケーシングの２つのケーシング部分によって形成されていてよい。

独国特許出願公開第１０２０１００１８２７０号明細書からは、導電性のシールアセンブリが知られている。このシールアセンブリは、ハイブリッド自動車および電気自動車において使用される。導電性のシールアセンブリは、分配されたＲＦエネルギが望ましくない故障、たとえば、車両電子機器における故障、および／またはラジオ受信器の妨害をもたらすことを阻止することが望ましい。この望ましくない故障は、シールアセンブリ内で使用されるシールが導電性の材料から成っていて、密閉すべきシャフトとケーシングとの間に導電的に配置されていることにより阻止されることが望ましい

本発明の根底を成す課題は、冒頭で挙げた形式のシールアセンブリを改良して、シールアセンブリがそのシール機能に対して付加的に別の機能を有し、これにより特に有利に「e-mobility（エレクトロモビリティ）」の分野で使用することができるようにすることである。特に、機械エレメントのうちの少なくとも一方がプラスチックから成っている場合にも、シールアセンブリにより電磁妨害波を効果的に遮蔽できることが望ましい。さらに、このようなシールアセンブリの使用にも言及される。

この課題は、本発明によれば、請求項１に記載のシールアセンブリおよび請求項６に記載の使用によって解決される。シールアセンブリの有利な構成に関しては、請求項１を直接的または間接的に引用する請求項が参照される。

この課題を解決するために、複数の機械エレメントのうちの少なくとも一方の機械エレメントが導電性のプラスチックから成っており、導電性のプラスチックが、製造に基づいて電気絶縁性のスキン層（Spritzhaut）により少なくとも部分的に覆われており、シールが導電性の支持体を有しており、支持体が、導電性の材料から成る実質的にとげ状の少なくとも１つの突起を有しており、この突起が、支持体の、スキン層に面した側に配置されていて、スキン層を完全に貫通することが規定されている。

通常、導電性の両機械エレメントは、それぞれ金属製の材料から成っている。金属製の材料から成る機械エレメントは、プラスチックから成る対応する機械エレメントに比べて、しばしば著しく高い重量を有している。特に、たとえば自動車におけるような可動の用途にとって、原料およびエネルギの消費を減少させることによる環状保護の点で、軽量化構造はますます重要となっている。

シールアセンブリが「e-mobility」に関連して使用され、両機械エレメントが、電子構成部材が配置されているケーシングの部分である場合、ケーシングの内室から周囲への、かつ周囲からケーシングの内室への妨害性の相互の影響を可能な限り排除するために、ケーシングの内室と周囲とは、互いに対して電磁的に遮蔽されていなければならない。しかし、電磁的な遮蔽のためには従来、専ら金属製の材料から成る機械エレメントが使用されてきた。なぜならば、金属製の材料から成る機械エレメントは確実に導電性であるからである。

プラスチック部材は、従来、電磁妨害波を遮蔽するためには使用されていない。これはおそらく、プラスチック部材が製造に基づいて、電気絶縁性であるスキン層を有していることに基づく。スキン層は、たとえば導電性の粒子がプラスチック内に配置されていることによって、機械エレメントを形成するプラスチックが導電性である場合でさえも、電気絶縁性である。

しかし、導電性のプラスチックを機械エレメントのうちの少なくとも一方の機械エレメントのために使用することができるように、電気絶縁性のスキン層を電気的な接触のために完全に貫通することが必要である。

このために、本発明によれば、シールが導電性の支持体を有しており、支持体が実質的にとげ状の導電性の材料から成る突起を有しており、突起が、支持体の、スキン層に面した側に配置されていて、スキン層を完全に貫通することが規定されている。良好な電磁的な遮蔽のためには、使用される両機械エレメントがシールにより確実に互いに導電的に接続されていることが必要である。導電性の接続は、導電性の支持体の導電性の突起により行われる。

実質的にとげ状の突起とは、本発明の枠内では、広義で電気絶縁性のスキン層を貫通する幾何学形状であると理解される。つまり、たとえば支持体上に配置されている切断エッジのような鋭い形状エレメントであるとも理解される。好適には、切断エッジは周縁側で環状に延びて支持体上に配置されている。これにより、機械エレメント間で特に確実な導電性の接続が達成される。機械エレメントがシールにより互いに導電性に接続されていることにより、電磁妨害波がケーシングから周囲に到達して、周囲に配置されている電子構成部材における機能を妨害することが阻止され、かつ／または、周囲からの妨害波が、周囲からケーシング内に到達して、ケーシングの内部に配置されている電子構成部材における機能を妨害することが阻止される。

有利な構成によれば、支持体と突起とが、互いに一体的に移行していて、材料統一的に形成されていることが規定されていてよい。このような構成により、シールは簡単かつ廉価に製造可能である。さらに、シールアセンブリが全体的に部品の少ない構造を有しており、これによりシールアセンブリの組付け時のエラーの恐れが最小限に減少しているので有利である。

支持体と突起とは、金属製の材料から成っていてよい。金属製の材料から成る支持体は、大きな個数でも簡単かつ廉価に製造可能である。

シールは、フラットシールとして形成されていてよい。このようなフラットシールは、通常、多部分から成るケーシングのケーシング部分のフランジを互いに密閉するために使用される。

既に述べたように、少なくとも１つの機械エレメントは、ケーシングのケーシング部分により形成されていてよい。両機械エレメントが、ケーシングを形成するそれぞれ導電性のプラスチックから成るケーシング部分として形成されていてもよい。このような場合、支持体は、互いに反対に向いた両側で、実質的にとげ状のそれぞれ少なくとも１つの突起を有しており、突起は、各機械エレメントの各スキン層を完全に貫通し、これにより、機械エレメントを互いに導電的に接続することができる。

両機械エレメントが、ケーシングのケーシング部分を形成し、電磁妨害波を放射する電子構成部材を電磁的に遮蔽するように取り囲む場合、シールアセンブリの使用は特に有利である。電子構成部材は、たとえば自動車の電動モータにより形成されていてよい。シールアセンブリにより、電磁妨害波がケーシングの内部から周囲へと到達し、周囲において別の電子構成部材、たとえば自動車の制御ユニットまたはラジオを妨害することが阻止される。

本発明に係るシールアセンブリの実施例を、以下で図１および図２に基づきより詳細に説明する。

シールアセンブリの一部を、より良好に理解するために分解図で示す概略図である。 図１に示した部分Ｘを拡大して示す概略図である。

図１には、本発明に係るシールアセンブリの一部が概略図で示されている。領域Ｘは、分解図の形で示されていて、これによりシールアセンブリの個別部分およびその詳細をより良好に確認することができる。

図１には、シールアセンブリが示されている。このシールアセンブリは、電磁妨害波を放射する電子構成部材１１、本実施例では電動モータのためのケーシング１０を備えている。両機械エレメント１，２は、ケーシング１０の両ケーシング部分８，９を形成している。

第１の機械エレメント１および第２の機械エレメント２は、それぞれ導電性の材料から成っている。両機械エレメント１，２が導電性のプラスチックから成っているか、または両機械エレメント１，２のうちの一方の機械エレメントのみが導電性のプラスチックから成っている。

両機械エレメント１，２は、シール３により互いに密閉されていて、互いに導電的に接続されている。電子構成部材１１は、両機械エレメント１，２およびシール３によって周囲１２に対して電磁的に遮蔽されている。

図示された実施例では、第１の機械エレメント１が導電性のプラスチックから成っているのに対して、第２の機械エレメント２が、金属製の材料から成っている。第１の機械エレメント１は、製造に基づいて電気絶縁性のスキン層４により覆われている。この電気絶縁性のスキン層４は、両機械エレメント１，２をシール３により導電性に接続するために貫通されていなければならない。これにより、電子構成部材１１によりその規定通りの使用中に引き起こされる電磁妨害波は周囲１２に対して電磁的に遮蔽される。

このために、シール３が特別に形成されている。シール３は、金属製の材料から成る導電性の支持体５を備えている。支持体５は、図示された本実施例では、切断エッジの形態の実質的にとげ状の突起６を有している。切断エッジは、周縁側で支持体５に沿って環状に延びている。支持体５およびとげ状の突起６は、図示された実施例では導電性の金属薄板から成っている。とげ状の突起６は、シールアセンブリの規定通りの使用中にスキン層４を完全に貫通する。突起６がスキン層４を完全に貫通することにより、支持体５および突起６は、導電性のプラスチックから成る第１の機械エレメント１を金属製の材料から成る第２の機械エレメント２に導電的に接続する。

支持体５および突起６は、互いに一体的に移行していて材料統一的に形成されている。

シール３は、図示された実施例では、フラットシール７として形成されている。両機械エレメント１，２の互いに対向しているフランジは、フラットシール７により互いに密閉されている。

図２には、図１の部分Ｘが拡大図で示されている。シール３は、既に説明したように、導電性の支持体５と、第１の機械エレメント１の方向に突出する突起６とを有している。突起６は、本実施例では環状に延びる切断エッジ１３として形成されている。切断エッジ１３により、製造に基づいてプラスチック部材において必ず発生する電気絶縁性のスキン層４は完全に貫通される。

Claims (6)

1. シールアセンブリであって、それぞれ導電性の材料から成る第１の機械エレメント（１）および第２の機械エレメント（２）と、シール（３）とを備え、前記両機械エレメント（１，２）が、前記シール（３）により互いに密閉されている、シールアセンブリにおいて、
   前記機械エレメント（１，２）のうちの少なくとも一方の機械エレメントが、導電性のプラスチックから成っており、該プラスチックが、製造に基づいて電気絶縁性のスキン層（４）により少なくとも部分的に覆われており、前記シール（３）が、導電性の支持体（５）を有しており、前記支持体（５）が、導電性の材料から成る実質的にとげ状の少なくとも１つの突起（６）を有しており、該突起（６）が、前記支持体（５）の、前記スキン層（４）に面した側に配置されていて、前記スキン層（４）を完全に貫通することを特徴とする、シールアセンブリ。
2. 前記支持体（５）と前記突起（６）とが、互いに一体的に形成され、かつ材料統一的に形成されている、請求項１記載のシールアセンブリ。
3. 前記支持体（５）と前記突起（６）とが、金属製の材料から成っている、請求項１または２記載のシールアセンブリ。
4. 前記シール（３）が、フラットシール（７）として形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載のシールアセンブリ。
5. 前記少なくとも１つの機械エレメント（１，２）が、ケーシング（１０）のケーシング部分（８，９）により形成されている、請求項１記載のシールアセンブリ。
6. 請求項１から５までのいずれか１項記載のシールアセンブリの使用であって、両機械エレメント（１，２）が、ケーシング（１０）のケーシング部分（８，９）を形成し、電磁妨害波を放射する電子構成部材（１１）を電磁的に遮蔽するように取り囲むことを特徴とする、シールアセンブリの使用。

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