JP7104420B2 - 組立て式搬送箱、組立てフレーム及び組立て式搬送箱の組立て方法 - Google Patents
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Description
このような搬送箱は、一般に合成樹脂製の大型の箱で、中に仕切りを設けて複数の仕掛かり品を収容して搬送できるように構成されている。
このような組立て式搬送箱としては、例えば下記の特許文献1に示すようにブランク取りされ、折り曲げて組み立てる箱板材と、組み立てた箱の4枚の側板の上縁コーナー部を連結して保持する4つのコーナー連結部材と、上記4つのコーナー部を除く側板上縁の残りの部分を保持する4本のフレーム部材と、を備えるものがある。
また、下記の特許文献2には、箱板材側でなくフレーム部材側に作業者が手で持って組立て箱を移動する場合に手掛かりとなる斜め下方に庇状に張り出す把手を組立て箱上縁の全周に亘って設けた補助フレームが開示されている。
しかし、当該自動化された製造・搬送ラインに対応した専用の搬送箱とした場合には、種々の形状や大きさの仕掛かり品に対応できなくなるし、当該搬送箱を規格の違う別の製造・搬送ラインに移動して使用したくても、搬送箱の形状や大きさが移動先の製造・搬送ラインに合わない場合が生じてくる。
本発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、種々の形状、大きさの仕掛かり品の搬送に対応でき、組み立てが容易で、自動化された製造・搬送ラインでも使用でき、必要な機械的強度を兼ね備え、構造が簡単で安価な組立て式搬送箱、組立てフレーム及び組立て式搬送箱の組立て方法を提供することにある。
組立て式搬送箱の箱本体の上縁部に対して、上方から挿入して挟持状態で保持する門形の保持部と、
上記保持部の下方位置から箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部と、が備えられており、
上記保持部の内壁面には、箱本体の上縁部の内外面に直接当接して保持する保持作用凸部が設けられており、
上記保持部の外壁面には、熱溶着ないしリベット止めする際の高さ方向の位置の目印となる長手方向に沿って延びる案内溝が形成されていることを特徴とするものである。
所定の大きさと形状の箱本体となるように底板と4枚の側板を含む各箱要素がシート状にブランク取りされたブランクシートと、
第1折曲げ線によって上記底板と接続される4枚の側板を、底板上に立ち上げたときの対向する二組の上縁部に嵌めて該上縁部を保持する第1組立てフレーム対及び第2組立てフレーム対と、
箱本体のコーナー部に位置する第1組立てフレームと第2組立てフレームとを連結し、搬送箱の段積みを可能にするコーナージョイントと、を備え、
上記第1組立てフレーム対と第2組立てフレーム対の一方または双方は請求項1~3のいずれかの組立てフレームによって構成されていて、上記第1組立てフレーム対と第2組立てフレーム対のいずれか一方または双方に箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部が設けられていることを特徴とするものである。
また、対向する位置にある第1組立てフレーム対と第2組立てフレーム対のいずれか一方または双方には、箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部が設けられているから、この係止用平板部にロボットアームや自動機の係止爪を係止させることにより、組立て式搬送箱を目的の位置に自由に移動させることができる。そして、これにより自動化された製造・搬送ライン等においての組立て式搬送箱の使用が可能になる。
更に、このコーナージョイントは、複数の搬送箱を段積みできる構造を有しているから、段積みされた複数の搬送箱をロボットアームや自動機の係止爪を利用して同時に移動することが可能になる。
また、保持部の下方位置から箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部の存在により、この係止用平板部を利用したロボットアームや自動機による自由な組立て式搬送箱の移動が可能になって自動化された製造・搬送ライン等に対する組立て式搬送箱の導入が可能になる。
具体的には、保持作用凸部が設けられていない保持部の残りの部分について肉厚が薄くなる分、バネ性が期待できるから、予め挟持する箱本体の上縁部の箱要素の厚みより小さめに保持部の保持空間の幅を形成しておくことで寸法精度を必要以上に高めなくても必要な保持力が確保できるようになる。
また、係止用平板部の張出し長さを10~20mm、係止用平板部の厚さを2~4mmとした場合には、ロボットアームや自動機の係止爪による確実な係止用平板部の係止が可能になり、比較的重量の重い仕掛かり品を収容した組立て式搬送箱の移動も可能になる。
また、上記説明の後、図15及び図16に示す第4の実施の形態を例にとって、本発明の組立て式搬送箱の搬送、移動形態について説明する。次に、図17に示す第5の実施の形態を例にとって、本発明の組立て式搬送箱の組立て方法の内容について説明する。
最後に、図18と図19に示す二つの実施の形態を例にとって、上記第1~第3の各実施の形態とは部分的構成を異にする本発明の他の実施の形態について言及する。
(1)組立て式搬送箱の全体構成(図1~図6参照)
本発明の組立て式搬送箱1は、例えば機械部品や電子部品を組み立てている機械装置や電子機器等を製造している製造ラインや、これらの中間組立て品や最終組立て品を搬送している搬送ライン101等において使用される。
具体的には、上記搬送ライン101において、仕掛かり品Wの工程間の移動や搬送方向ないし搬送形態の切り換え等の際に当該仕掛かり品Wを一時的に収容して搬送する場合等に使用される。
そして、本実施の形態では上記第1組立てフレーム対15に対して箱本体3の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部25を備える後述する本発明の組立てフレーム19が適用されている。
<ブランクシート>
本実施の形態による組立て式搬送箱1Aのブランクシート11Aは、一例として厚さ3mmのポリプロピレン製の板材またはプラスチック段ボールによって形成され、図5に示すように一例として矩形状の底板5と、該底板5の上下左右の4辺に形成される4本の第1折曲げ線L1によって接続される左右2枚の側板7A、7B及び上下(組み立てた状態では前後)2枚の側板7C、7Dと、該側板7C、7Dの左右の側辺に形成される計4本の第2折曲げ線L2によって接続される左右2枚、上下2組計4枚の合わせ代27A、27B、27C、27Dを備えることによって一例として構成されている。
また、本実施の形態では、左右の側板7A、7Bの上縁部13の奥行き方向Yの中央部に矩形状の切欠き29が形成されており、上下の側板7C、7Dの幅方向Xの中心の上下2か所にスリット31が形成されている。因みに、これらのスリット31には後述する第1仕切り部材33に形成されている係合突起34が挿入されて係合されるようになっている。
本実施の形態による組立て式搬送箱1Aの第1組立てフレーム対15は、上述した左右の側板7A、7Bと、箱状に組み立てたときこれら2枚の側板7A、7Bと重ね合わされた状態になる4枚の合わせ代27A、27B、27C、27Dと、を挟持状態で保持する2本の第1組立てフレーム19A、19Bを備えることによって構成されている。
そして、本実施の形態では、これら2本の第1組立てフレーム19A、19Bとして、係止用平板部25が箱本体3の外方に向けて水平に張り出している後述する本発明の組立てフレーム19が採用されている。
尚、この係止用平板部25は、本実施の形態では箱本体3の上縁部13A、13Bを直接保持する第1組立てフレーム19A、19Bにおける門形をした保持部35の下方位置に設けられており、第1組立てフレーム19A、19Bの材料としては、一例として熱溶着が可能なポリプロピレンが適用可能である。
本実施の形態による組立て式搬送箱1Aの第2組立てフレーム対17は、上述した上下の側板7C、7Dをそれぞれ挟持状態で保持する2本の第2組立てフレーム21C、21Dを備えることによって構成されている。
これら2本の第2組立てフレーム21C、21Dは、箱本体3の上縁部13C、13Dを直接保持する門形をした保持部35のみを備えた構造の組立てフレームになっている。
また、第2組立てフレーム21C、21Dの材料としては、上記第1組立てフレーム19A、19Bと同様、一例として熱溶着が可能なポリプロピレンが適用可能である。
本実施の形態による組立て式搬送箱1Aのコーナージョイント23は、上記箱本体3の上縁部13A、13B、13C、13Dに取り付けた第1組立てフレーム19A、19Bと第2組立てフレーム21C、21Dとを、各コーナー部において連結する4つのコーナージョイント23A、23B、23C、23Dを備えることによって構成されている。
これらのコーナージョイント23A、23B、23C、23Dは、上記第1組立てフレーム19A、19B及び第2組立てフレーム21C、21Dに対して上方から挿入して挟持状態で保持できるよう、これらの組立てフレーム19、21よりも幅広の一回り大きな門形をした保持部37を有している。
また、コーナージョイント23の上面外周寄りには、平面視L字形をした所定高さの段積み係止リブ39が上方に向けて垂直に立ち上げられている。そして、この段積み係止リブ39により、段積みされた上方の組立て式搬送箱1Aにおける箱本体3の下端部の外周面が保持されるため、段積みされた上方の組立て式搬送箱1Aの水平方向の位置ずれが防止される。
更に、本実施の形態による組立て式搬送箱1Aでは、組み立てた箱本体3の内部空間Sを複数の収容空間S1~S4に区画する仕切り部材33、41が設けられている。
尚、上記第3折曲げ線L3上には、折曲げ片47A、47Bを折り曲げることによって係合突起34が現れる一例として台形状をしたスリット49が形成されている。
仕切り部材33、41の材料としては、緩衝性に優れる発泡スチロール、ポリエチレンまたはウレタンスポンジ等が適用可能である。
補強材43の材料としては、箱本体3と同じ、一例として厚さ3mmのポリプロピレン製の板材やプラスチック段ボールが適用可能である。
本発明の組立てフレーム19は、上記組立て式搬送箱1Aを組み立てる場合に使用される組立てフレームであって、上述した第1組立てフレーム19A、19Bに適用した係止用平板部25を備えた組立てフレームである。
尚、図示は省略するが上述したコーナージョイント23の保持部37の外壁面に対して熱溶着ないしリベット止めする際の案内となる下穴を設けておくことも可能である。そして、その場合の下穴の位置は上記組立てフレーム19に形成した案内溝61上となる。
また、本実施の形態では係止用平板部25の張出し方向Gを、組み立てた箱本体3の側板7A、7Bに対する角度θが90°±5°の範囲になるように設定しており、この点でもロボットアームや自動機の係止爪Fによる確実かつ円滑な係止と係止の解除とに貢献している。
(1)組立て式搬送箱の全体構成(図9~図11参照)
第2の実施の形態による組立て式搬送箱1Bは、ブランクシート11Bの各箱要素9の形状と大きさが上記第1の実施の形態による組立て式搬送箱1Aと相違しているが、各箱要素9の基本的構成は上記第1の実施の形態と同様である。
これに伴い、本実施の形態でも上記第1の実施の形態で付した底板5、側板7A、7B、7C、7D、合わせ代27A、27B、27C、27D、第1折曲げ線L1、第2折曲げ線L2、スリット31の名称及び符号をそのまま使用する。
また、本実施の形態でも上記第1の実施の形態と同様、2種類の仕切り部材63、71が設けられている。これらの仕切り部材63、71は、その幅方向Xないし奥行き方向Yの長さが幾分相違するものの、その構成は基本的に同じである。
そして、本実施形態では、これら2種類の仕切り部材63、71を1枚ずつ使用し、第1仕切り部材63の仕切り板65の図11中の中央下辺から仕切り板65の高さ寸法の半分程度の位置まで切り込まれた切込みスリット70と、第2仕切り部材71の仕切り板73の図11中の中央上辺から仕切り板73の高さ寸法の半分程度の位置まで切り込まれた切込みスリット78と、を利用して両者を上下に重ね合わせることによって図9及び図10に示すような格子状の仕切り部材63、71に仕切られた4つの収容空間S1~S4が形成されるようになっている。
また、本実施の形態では図11に示す4種類の補強材79A、79B、79C、79D
が二組使用され、上記第1の実施の形態と同様、上記2種類の仕切り部材63、71の折曲げ片67、75の側方スペースと、左右の合わせ代27Aと27C及び27Bと27Dのそれぞれの突き合わせ部を補強する目的で使用されている。
また、コーナージョイント23については、上記第1の実施の形態で使用したコーナージョイント23がそのまま使用可能である。この他、箱本体3、第1組立てフレーム19、第2組立てフレーム21、コーナージョイント23、第1仕切り部材63、第2仕切り部材71及び補強材79の材料も上記第1の実施の形態で述べた材料がそのまま適用可能である。
(1)組立て式搬送箱の全体構成(図12~図14参照)
第3の実施の形態による組立て式搬送箱1Cは、ブランクシート11Cの各箱要素9の形状と大きさが上記第1の実施の形態による組立て式搬送箱1Aと多少相違しているだけで、各箱要素9の基本的構成は、上記第1の実施の形態と同様である。
これに伴い、本実施の形態でも上記第1の実施の形態で付した底板5、側板7A、7B、7C、7D、合わせ代27A、27B、27C、27D、第1折曲げ線L1、第2折曲げ線L2、スリット31の名称及び符号をそのまま使用する。
また、本実施の形態では1種類の仕切り部材81が3枚設けられており、これら3枚の仕切り部材81により図12及び図13に示すように箱本体3の内部空間Sを幅方向Xに等間隔に仕切って4つの収容空間S1~S4が形成されるように構成されている。
また、第3折曲げ線L3上には上下に2個ずつ間隔を空けて一例として台形状をしたスリット87が形成されており、図14中、左右の折曲げ片85A、85Bを所定の方向に90°折り曲げることによってそれぞれの係合突起82が立ち上って箱本体3の上下の側板7C、7Dに形成されている上記12個のスリット31に係合して取り付けられるように構成されている。
第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17については、ブランクシート11Cの形状と大きさに合わせて長さが多少違うだけで、その構成は上記第1の実施の形態と同様である。
(1)組立て式搬送箱の搬送、移動形態(図15及び図16参照)
次に、上述した本発明の組立て式搬送箱1を使用して仕掛かり品Wを収容して搬送している搬送ライン101での組立て式搬送箱1の搬送、移動形態の一例について説明する。
図示の搬送ライン101は、往路方向Aに移動する一例としてローラーコンベヤによって構成される第1搬送ライン103と、復路方向Bに移動する一例としてローラーコンベヤによって構成される第2搬送ライン105が並設された搬送ラインを示している。
具体的には、第1搬送ライン103の終端に仕掛かり品Wが収容された組立て式搬送箱1が達すると、自動機107の係止爪Fが突出して当該組立て式搬送箱1の係止用平板部25を下方から支承する。この状態で組立て式搬送箱1の高さよりも幾分高くなる位置まで当該組立て式搬送箱1を上方に移動させると、後続の組立て式搬送箱1が第1搬送ライン103の終端に達して、上方に移動させた先の組立て式搬送箱1の直下の位置で停止する。
上記段積み状態の完了後、自動機107の係止爪Fを外方に退避させ、この状態で下方の組立て式搬送箱1の係止用平板部25の支承位置まで係止爪Fを下げた後、再び係止爪Fを突出させて今度は下方の組立て式搬送箱1の係止用平板25を下方から支承する。
上記2段の組立て式搬送箱1、1の第2搬送ライン105上への移動の完了後、自動機107の係止爪Fを外方に退避させ、再び上昇、水平移動を実行させて第1搬送ライン103の終端の原点位置まで移動させて係止爪Fの移動を停止する。一方、第2搬送ライン105上に移載された2段の組立て搬送箱1、1は、そのままの段積み状態を維持して第2搬送ライン105の始端から終端に向けて復路上を移動して次工程へと運ばれる。
また、係止爪Fの出没機構は、前後にスライドさせる機構の他、水平方向または上下方向に回動させる機構でもよく、係止爪Fの構造も単に係止用平板部25を下方から支承するだけの構造に限らず、係止用平板部25を上下から挟持する構造とすることも可能である。
(1)組立て式搬送箱の組立て方法の内容(図17参照)
本発明の組立て式搬送箱の組立て方法は、仕掛かり品Wの工程間の移動等の際に一時的に仕掛かり品Wを収容して搬送する場合に使用される組立て式搬送箱1の組立て方法である。
具体的には、上述した第4の実施の形態で述べた自動機107を備えた搬送ライン101での使用に対応することができる、上述した第1~第3の実施の形態で述べたような構成の組立て式搬送箱1を組み立てる方法である。
また、本実施の形態による組立て式搬送箱の組立て方法は、上記6つの工程P1~P6に仕切り部材・補強材取付け工程P7を加えた7つの工程を備えることによって構成されている。
以下、これらの工程の内容を具体的に説明して行く。
ブランクシート作成工程P1は、収容する仕掛かり品Wの大きさと形状、個数に対応してブランクシート11を作成する工程である。
即ち、本発明の組立て式搬送箱の組立て方法では、予め規格の搬送箱を用意しておくのではなく、製造、搬送する仕掛かり品Wの種類に対応して最適な大きさと形状の組立て式搬送箱1をその都度作成して使用する。そして、本発明ではシート状の材料を箱状に折り曲げて箱本体3を作成するため、当該箱本体3を展開した展開図を最初に作成して、当該展開図に基づいてシート状の原材を裁断してブランクシート11を作成する。
組立てフレーム切断工程P2は、作成したブランクシート11の対向する二組の側板7Aと7B及び7Cと7Dの長さに対応して第1組立てフレーム19と第2組立てフレーム21の長さを決めて切断する工程である。
即ち、本実施の形態では、第1組立てフレーム対15として箱本体3の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部25を備えた本発明の組立てフレーム19が使用されているから、左右の側板7A、7Bの奥行き方向Yの長さに対応して図8(a)に示す本発明の組立てフレーム19の長さを決めて切断し、2本の第1組立てフレーム19A、19Bを作成する。
箱本体形成工程P3は、ブランクシート11の各箱要素9をそれぞれの折曲げ線L1、L2で折り曲げて箱本体3を形成する工程である。
即ち、底板5を下にして、その左右の側板7A、7Bと上下の側板7C、7Dとを第1折曲げ線L1で上下に90°折り曲げて起立姿勢にする。次に、4枚の合わせ代27A、27B、27C、27Dを第2折曲げ線L2で側方に90°折り曲げて上記左右の側板7A、7Bの内方に重ね合わせて、合わせ代27Aと27C及び27Bと27Dの端辺をそれぞれ突き合わせた状態とする。
組立てフレーム取付け工程P4は、形成した箱本体3の対向する上縁部13A、13Bと13C、13Dに第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17を上方から挿入して取り付ける工程である。
即ち、係止用平板部25の付いた本発明の組立てフレーム19Aを、側板7Aと合わせ代27A、27Cとが重ね合されている箱本体3の左方の上縁部13Aに嵌めて挟持させ、係止用平板部25の付いたもう1本の本発明の組立てフレーム19Bを、側板7Bと合わせ代27B、27Dとが重ね合されている箱本体3の右方の上縁部13Bに嵌めて挟持させる。
コーナージョイント取付け工程P5は、第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17を取り付けた箱本体3の上縁部13A、13B、13C、13Dの4つのコーナー部に上方から挿入してコーナージョイント23を取り付ける工程である。
即ち、箱本体3の左奥部のコーナー部に上方からコーナージョイント23Aを挿入して側板7Aと合わせ代27Aを挟持している本発明の組立てフレーム19Aと側板7Cに取り付けられている既存の組立てフレーム21Cと、を接続する。同様に箱本体3の右奥部のコーナー部にはコーナージョイント23B、箱本体3の左手前のコーナー部にはコーナージョイント23C、箱本体3の右手前のコーナー部にはコーナージョイント23Dをそれぞれ挿入して、それぞれの位置の本発明の組立てフレーム19と既存の組立てフレーム21とを接続する。
組立て連結工程P6は、組み立てた箱本体3と第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17とコーナージョイント23とを熱溶着またはリベット止めして連結し、一体化する工程である。
即ち、本発明の組立てフレーム19に形成されている案内溝61やコーナージョイント23に形成されている図示しない下穴等を目印にして連結点Oを決めて熱溶着またはリベット止めし、箱本体3の箱要素9である4枚の側板7A、7B、7C、7Dと、4枚の合わせ代27A、27B、27C、27Dと、2本ずつ設けられる本発明の組立てフレーム19A、19B及び既存の組立てフレーム21C、21Dと、4つのコーナージョイント23A、23B、23C、23Dと、を連結し、一体化させて組立て式搬送箱1に組み立てる。
仕切り部材・補強材取付け工程P7は、組み立てた箱要素3の内部空間Sに仕切り部材33、41を取り付けて複数の収容空間S1~S4を形成し、箱要素3の内周壁面に補強材43を取り付けて箱要素3を補強する工程である。
本工程は、上述した箱本体形成工程P3の実施後に実施してもよいし、上述した組立て連結工程P6の実施後に実施してもよい。
次に、第4折曲げ線L4により第2仕切り部材41両端の折曲げ片53A、53Bを適宜の角度折り曲げる。折り曲げた折り曲げ片53A、53Bを、奥部と手前の側板7C、7Dの内壁面に密着させた重ね合わせた状態にして上記左右に2分された空間にそれぞれ配置して平面視直角三角形状の計4つの収容空間S1~S4を形成する。
尚、上記2種類3枚の仕切り部材33、41、41と、上記3種類二組の補強材
43A、43B、43Cの箱本体3に対する取り付けは、単に箱本体3内に配置するだけでもよいし、接着剤等を使用して貼設する構成であってもよい。
本発明の組立て式搬送箱1、組立てフレーム19及び組立て式搬送箱の組立て方法は、上述した実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、箱本体3の材料としては、ポリプロピレン(PP)やプラスチック段ボールの他、搬送ライン101用の搬送箱として使用可能な種々の材料、例えばPボード(ポリプロピレンの板状発泡体)、紙製段ボール、エフセル(無架橋低発泡ポリプロピレンシート)、ポリエチレン(PE)等も使用することが可能である。また、箱本体3と第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17とコーナージョイント23との連結手段も熱溶着またはリベット止めに限らず、ネジ止め、接着等、他の連結手段を採用することが可能である。
従って、図18(a)に示す組立て式搬送箱1Dでは、第1組立てフレーム対15が係止用平板部25を有しない2本の既存の組立てフレーム21A、21Bによって構成され、第2組立てフレーム対17が係止用平板部25を備えた2本の本発明の組立てフレーム19C、19Dによって構成されている。
一方、図18(b)に示す組立て式搬送箱1Eでは、第1組立てフレーム対15と第2組立てフレーム対17の双方が係止用平板25を備えた4本の本発明の組立てフレーム19A、19B、19C、19Dによって構成されている。
また、図19に示すような補強リブ91を係止用平板部25の基端部の下方に設けて係止用平板部25を補強する構造を採用することも可能である。
3 箱本体
5 底板
7 側板
9 箱要素
11 ブランクシート
13 上縁部
15 第1組立てフレーム対
17 第2組立てフレーム対
19 (本発明の)組立てフレーム
21 (既存の)組立てフレーム
23 コーナージョイント
25 係止用平板部
27 合わせ代
29 切欠き
31 スリット
33 第1仕切り部材
34 係合突起
35 保持部
37 保持部
39 段積み係止リブ
41 第2仕切り部材
43 補強材
45 仕切り板
47 折曲げ片
49 スリット
51 仕切り板
53 折曲げ片
59 保持作用凸部
61 案内溝
63 第1仕切り部材
64 係合突起
65 仕切り板
67 折曲げ片
69 スリット
70 切込みスリット
71 第2仕切り部材
72 係合突起
73 仕切り板
75 折曲げ片
77 スリット
78 切込みスリット
79 補強材
81 仕切り部材
82 係合突起
83 仕切り板
85 折曲げ片
87 スリット
89 補強材
91 補強リブ
101 搬送ライン(製造・搬送ライン)
103 第1搬送ライン
105 第2搬送ライン
107 自動機
P1 ブランクシート作成工程
P2 組立てフレーム切断工程
P3 箱本体形成工程
P4 組立てフレーム取付け工程
P5 コーナージョイント取付け工程
P6 組立て連結工程
P7 仕切り部材・補強材取付け工程
A 往路方向
B 復路方向
W 仕掛かり品
L1 第1折曲げ線
L2 第2折曲げ線
L3 第3折曲げ線
L4 第4折曲げ線
S 内部空間
S1~S4 収容空間
X 幅方向
Y 奥行き方向
Z 高さ方向
E 張出し長さ
T 厚さ
F 係止爪
G 張出し方向
θ 角度
O 連結点
Claims (4)
- 仕掛かり品の工程間の移動等の際に一時的に仕掛かり品を収容して搬送する場合に使用される組立て式搬送箱用の組立てフレームであって、
組立て式搬送箱の箱本体の上縁部に対して、上方から挿入して挟持状態で保持する門形の保持部と、
上記保持部の下方位置から箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部と、が備えられており、
上記保持部の内壁面には、箱本体の上縁部の内外面に直接当接して保持する保持作用凸部が設けられており、
上記保持部の外壁面には、熱溶着ないしリベット止めする際の高さ方向の位置の目印となる長手方向に沿って延びる案内溝が形成されていることを特徴とする組立てフレーム。 - 上記係止用平板部の張出し長さは10~20mm、上記係止用平板部の厚さは2~4mmであることを特徴とする請求項1記載の組立てフレーム。
- 上記係止用平板部の張出し方向は、組み立てた箱本体の側板に対する角度が90°±5°の範囲になるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の組立てフレーム。
- 仕掛かり品の工程間の移動等の際に一時的に仕掛かり品を収容して搬送する場合に使用される組立て式の搬送箱であって、
所定の大きさと形状の箱本体となるように底板と4枚の側板を含む各箱要素がシート状にブランク取りされたブランクシートと、
第1折曲げ線によって上記底板と接続される4枚の側板を、底板上に立ち上げたときの対向する二組の上縁部に嵌めて該上縁部を保持する第1組立てフレーム対及び第2組立てフレーム対と、
箱本体のコーナー部に位置する第1組立てフレームと第2組立てフレームとを連結し、搬送箱の段積みを可能にするコーナージョイントと、を備え、
上記第1組立てフレーム対と第2組立てフレーム対の一方または双方は請求項1~3のいずれかの組立てフレームによって構成されていて、上記第1組立てフレーム対と第2組立てフレーム対のいずれか一方または双方に箱本体の外方に向けて水平に張り出す係止用平板部が設けられていることを特徴とする組立て式搬送箱。
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