JP7104253B1 - キッチンタオル - Google Patents

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【課題】3プライによる吸収性の向上を得ながら、ロール径の増大を抑制し得るキッチンタオルを得ること。【解決手段】ロール形態のキッチンタオルは、三枚のタオルペーパー31A~31Cを重ね合わせた3プライ構造を有し、表裏面に有する凹部34に凸部35を嵌め込んで個々のタオルペーパー31A~31Cを重ね合わせたネステッド構造を備えている。三枚のタオルペーパーのうちの二枚(31A、31B)は、ネステッドエンボス37によって結合され、これらの二枚のタオルペーパー31A、31Bと残りの一枚(31C)とは、凹部34と凸部35との対面部分に塗られた糊38によって結合されている。ネステッドエンボス37によって結合された二枚のタオルペーパー31A、31Bが有する凸部35は、残りの一枚のタオルペーパー31Cが有する凹部34に余裕をもって嵌め込まれており、両者の間には空隙39が設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、キッチンタオルに関する。
キッチンにおいては、食材の水切り、食器からの水分のふき取り、各種器具類やキッチンの掃除、油こしなどの様々な用途でキッチンタオルが活躍している。このような多種多様な用途のいずれにおいても、キッチンタオルには吸水性の高さが求められる。
キッチンタオルの吸水性を高める手段として広く採用されているのは、キッチンタオルの材料であるタオルペーパーの表裏面に設けた凹凸構造、そしてタオルペーパーのプライ構造である。
例えば特許文献1は、「ダブルエンボス加工は、2プライのシートにそれぞれエンボス加工し、各シートのエンボスの凸面同士、または、凸面と凹面を対向させるように2プライに積層したものである」として、シートの凹凸構造及びプライ構造を紹介している(特許文献1の段落[0022]参照)。
キッチンタオルのプライ数に関しては、多ければ多いほど吸水性を高めることができるはずである。その反面、ロールタイプのキッチンタオルでは、プライ数を増やすとロール径が増大し、同じロール径で比較するとカット数の減少を余儀なくされる。そこで例えば特許文献1でも、「なお、本発明のキッチンタオルロールを構成するシートのプライ数は限定されないが、2~3プライが好ましく、2プライがより好ましい」との見解を示す例が多い。
その中でも特許文献2~5には、3プライ構造を有するキッチンタオルが開示されている。これらの四つの文献のすべてにおいて共通しているのは、
(イ)中層及び両外層からなる3プライ構造であること
(ロ)中層は凹凸のない平板形状、両外層にはエンボス加工が施されていること
(ハ)中層を挟み、両外層のエンボス凸部の頂部が対向して配置されていること
(ニ)両外層のエンボス凸部の頂部と中層とが接着剤により接着されていること
という構成である。
特開2019-013336号公報 特開2013-208299号公報 特開2013-209778号公報 特開2016-211136号公報 特開2018-154957号公報
特許文献2~5に記載されたキッチンタオルは、上記(ハ)の構成を採用することで、中層と両外層との間に空隙(空隙13)を予め形成し、この領域での吸水性を期待している。例えば特許文献2、3の段落[0013]には、「……よって、水分、油分等の液体が両外面から吸収されると、中層と外層との間の空隙に液が移行され、その後に中層に吸収保持される」との記載がある(特許文献4、5の段落[0012]も同様)。
したがって中層と両外層との間の空隙は、特許文献2~5に記載されたキッチンタオルにとって不可欠な本質的構成であるといえる。
ところが特許文献2~5に記載された3プライのキッチンタオルは、中層の両側に空隙を設けるように上記(ハ)の構成を採用する結果、ロール形態で製造したとき(特許文献2~5の図1参照)、どうしてもロール径が大きくなってしまうか、ロール径の増大を避けるならばカット数の減少を甘受せざるを得なくなってしまう。特許文献2~5に示されている3プライのキッチンタオルは、特許文献1を引き合いに出して前述した「3プライよりも2プライの方が好ましい」という多勢の見解を覆すには至らない。
本開示の課題は、3プライによる吸収性の向上を得ながら、ロール径の増大を抑制し得るキッチンタオルを得ることである。
キッチンタオルは、表裏面に凹凸を有する三枚のタオルペーパーと、前記表裏面に設けられた凹部に凸部を嵌め込んで前記三枚のタオルペーパーをそれぞれ重ね合わせた状態で結合する結合部と、重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーをロール状に巻いたコアと、を備え、前記タオルペーパー一枚当たりの坪量は、10~19g/m 未満であり、前記三枚のタオルペーパーのうちの二枚は、ネステッドエンボスによって仮結合され、これらの二枚の前記タオルペーパーと残りの一枚の前記タオルペーパーとは、前記凹部と前記凸部との対面部分に設けられた糊によって結合されており、前記ネステッドエンボスによって仮結合された前記二枚のタオルペーパーが有する前記凸部と、前記残りの一枚のタオルペーパーが有する前記凹部との間には、前記二枚のタオルペーパーに対する前記凸部の傾斜角度よりも前記残りの一枚のタオルペーパーに対する前記凹部の傾斜角度の方が緩やかであることによって形成された空隙が設けられている。
ロール径の増大を抑制することができる。
本実施の形態のキッチンタオルを示す斜視図。 エンボス部分を拡大して縦断面で示す模式図。 糊抜け現象を説明するための模式図。 ネステッド構造を有する2プライの比較例(比較例1)で糊抜け現象が発生した状態を縦断面で示す模式図。 ネステッド構造を有する2プライの比較例(比較例1)と本実施の形態との厚みの差を例示する模式図。 ティップ・トゥー・ティップ構造を有する3プライの比較例(比較例2)と本実施の形態との厚みの差を例示する模式図。
キッチンタオルの実施の形態をつぎの項目に沿って説明する。
1.基本構成
2.タオルペーパー
(1)3プライ構造
(2)ネステッドエンボスによる結合
(3)糊による結合
(4)空隙
(5)坪量
(6)クレム吸水度
3.作用効果
(1)吸水量
(2)厚み
(比較例1)
(比較例2)
1.基本構成
本実施の形態のキッチンタオル11は、3プライのロールタイプである。
図1に示すように、キッチンタオル11の主体をなすタオルロール31は、コア51に巻き取られてロール形態をなしている。タオルロール31にはロール長方向に周期的にミシン目32が入れられている。ミシン目32は、一回分のタオルロール31の長さを規定する位置に入れられ、ミシン目32に沿ってタオルロール31を切断することで、一回分の使用に適した大きさのタオルシート31aを得ることができる。
図1に例示するように、タオルロール31の巻長及び巻直径は、例えば、
・巻長 :10~65m
・巻直径:85~150mm
である。タオルロール31の巻長に応じて、タオルシート31aのカット数を、例えば50カット、100カット、150カットなどのように設定することが可能である。巻直径の寸法は、巻長に比例して大きくなる。
コア51は、その強度が低すぎると、タオルロール31を巻きつけたときに潰れやすくなってしまう。その反面必要以上に高い強度をコア51に求めると、材料コストや製造コストの上昇を招いてしまったり、生産性が低下してしまったりするという問題がある。そこでコア51にはほどよい強度が求められる。このようなほどよさは、見かけの坪量として数値化が可能である。一例として、コア51は、
・見かけの坪量:120~550g/m
を有している。
本実施の形態において、コア51の見かけの坪量は、
(コアの質量)÷(コアの外表面積)
で表わされる。キッチンタオル11のロール幅を例えば212mmとすると、上記「コアの質量」及び「コアの外表面積」は、ロール幅212mm当たりに換算したコア51の質量及び外表面積である。一例としてロール幅212mm当たりのコアの質量が8.8g、コアの外径が40mmの場合のコア51の見かけの坪量(W)は、
W=8.8÷{(3.14×40mm/1000)×(212mm/1000)}
=330g/m
になる。
こうして「見かけ」という概念を持ち出した理由は、コア51の厚みが一様ではないからである。通常、コア51は二枚のコア原紙を接着剤等で接着して制作されている。一枚のコア原紙から制作したコアであれば一様な厚みを持つのであろうが、二枚のコア原紙を接着した場合、コア原紙同士が重なり合って厚くなった部分も生ずる。そこで「見かけ」の坪量という概念を導入し、コア51のほどよい強度を数値化した。
2.タオルペーパー
(1)3プライ構造
図2に示すように、タオルロール31は、三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cを重ね合わせた3プライ構造を有している。三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cにはそれぞれエンボス33が成型されており、一面側に凹部34、反対面側に凸部35が設けられている。したがって個々のタオルペーパー31A、31B、31Cは、表裏面に凹凸を有している。
三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cは、凹部34に凸部35を嵌め込んでそれぞれ重ね合わされ、この状態で結合部36に結合されている。タオルペーパー31Aの凸部35がタオルペーパー31Bの凹部34に嵌り込み、タオルペーパー31Bの凸部35がタオルペーパー31Cの凹部34に嵌り込んだいわばネステッド構造である。もっとも結合部36は、タオルペーパー31Aとタオルペーパー31Bとの間と、タオルペーパー31Bとタオルペーパー31Cとの間とを異なる結合手法を用いて結合している。
(2)ネステッドエンボスによる結合
タオルペーパー31Aとタオルペーパー31Bとは、ネステッドエンボス37によって結合されている。ネステッドエンボス37は、例えばタオルペーパー31A及びタオルペーパー31Bという二枚のタオルペーパーを同時にエンボス加工することによって実現される。エンボス加工に際して同時にプレスされることで、二枚のタオルペーパー31A、31Bが結合されるわけである。もっとも互いに離れる方向に力を加えれば、二枚のタオルペーパー31A、31Bの結合は容易に解かれるため、この場合の結合は仮結合であるとも言い得る。
(3)糊による結合
タオルペーパー31Bとタオルペーパー31Cとは、凹部34と凸部35との対面部分に設けられた糊38によって結合されている。一例として、タオルペーパー31Aとタオルペーパー31Bとにはネステッドエンボス加工を、そしてタオルペーパー31Cにはエンボス加工を施した後、のタオルペーパー31Bとタオルペーパー31Cとの間をいずれか一方に塗布した糊38によって結合する。
図3に示すように、製造工程において、糊38はタオルペーパー31Bとタオルペーパー31Cとの間にのみ供給される。このとき本実施の形態では、低粘度の糊38が用いられる。
図4に示すように、比較例1として示す2プライのタオルロールC1の製造に低粘度の糊38を用いると、糊38はタオルペーパー31Bに滲み込み、反対側から滲み出てしまう。いわゆる糊抜け現象である。このため2プライのタオルロールC1には、あまり低粘度の糊38を用いることができない。図3及び図4中、タオルペーパー31Bを糊抜けした糊38を符号38aで示す。
図3に示すように、本実施の形態は、低粘度の糊38を用いた場合に生ずるこのような糊抜け現象を利用し、タオルペーパー31Bとタオルペーパー31Cとの間に供給した低粘度の糊38をタオルペーパー31Aとタオルペーパー31Bとの間に回り込ませ、これらの二枚のタオルペーパー31A及び31Bの間のネステッドエンボス加工による結合力を補強している。
(4)空隙
図2及び図3に示すように、ネステッド加工されたタオルペーパー31A及び31Bに施されたエンボス33よりも、タオルペーパー31Cに施されたエンボス33の方が大きく、なおかつ紙面に対する角度が緩やかにされている。その結果タオルペーパー31Bの凸部35とタオルペーパー31Cの凹部34との間には、空隙39が形成されている。もっとも実施に際しては、ネステッド加工されたタオルペーパー31A及び31Bに施されたエンボス33と、タオルペーパー31Cに施されたエンボス33とに関しては、それらの大きさと紙面に対する角度とのいずれか一方のみが上記条件を満たす構成であってもよい。大きさと紙面に対する角度とのいずれか一方が上記条件を満たせば、タオルペーパー31Bの凸部35とタオルペーパー31Cの凹部34との間に空隙39が形成される。
(5)坪量
三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cは、それぞれ一枚当たりの坪量として、
・坪量:10~19g/m未満
のものが用いられている。三枚とも同じ坪量であっても、それぞれが異なる坪量であっても、あるいは二枚が同じ坪量で残りの一枚がそれらとは異なる坪量であってもよい。
上記した個々のタオルペーパー31A、31B、31Cの坪量は、例えば図4に例示した2プライの比較例1のタオルロールC1に比べると小さく、三枚合わせたときに比較例1の二枚と同程度になるように設定されている。
(6)クレム吸水度
三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cを重ね合わせたタオルロール31のクレム吸水度は、つぎの通りである。
・真水に浸漬させたときのクレム吸水度:110mm以上
・真水に砂糖10%を溶かした溶液に浸漬させたときのクレム吸水度:100mm以上
・真水に食塩10%を溶かした溶液に浸漬させたときのクレム吸水度:100mm以上
・天ぷら油に浸漬させたときのクレム吸水度:40mm以上
3.作用効果
このような構成において、ミシン目32から切断したタオルシート31aは、食材の水切り、食器からの水分のふき取り、各種器具類やキッチンの掃除、油こしなどの様々な用途に用いられ、水や油を吸収したり通過させたりする。
(1)吸水量
タオルシート31aの表面に接した水や油等の液体は、例えばタオルペーパー31Cに吸収され、タオルペーパー31Cの吸水限界を超えると空隙39に入り込み、タオルペーパー31Bに吸収される。タオルペーパー31Bの吸水限界を超えるとタオルペーパー31Aとの間に入り込んで第2の空隙40を生成し(図2参照)、タオルペーパー31Aに吸収される。そしてタオルペーパー31Aの吸水限界を超えた液体は、タオルシート31aから漏れ出していく。
反対にタオルペーパー31Aの側から液体が吸収された場合、タオルペーパー31Aの吸水限界を超えるとタオルペーパー31Bとの間に入り込んで第2の空隙40を生成し、タオルペーパー31Bに吸収される。タオルペーパー31Bの吸水限界を超えると空隙39に入り込み、タオルペーパー31Cに吸収される。そしてタオルペーパー31Cの吸水限界を超えた液体はタオルシート31aから漏れ出していく。
上記吸水のメカニズムにおいて、空隙39に入り込んだ液体は、タオルペーパー31Cの凸部35を変形させ、空隙39の容積を増大させる。第2の空隙40に入り込んだ液体は、タオルペーパー31Aの凸部35を変形させ、第2の空隙40の容積を増大させる。したがってタオルシート31aに吸収された液体は、三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cばかりでなく、タオルペーパー31Bの両面に生成されて拡大する空隙39及び第2の空隙40にも蓄えられる。その結果本実施の形態のキッチンタオル11は、三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cのすべてがネステッド構造で積層されていながら、優れた吸水効果を発揮することができる。
本実施の形態のキッチンタオル11における吸水性能の高さは、後述する実験結果からも、2プライの製品に勝っていることが確認されている。このため本実施の形態のキッチンタオル11によれば、タオルロール31の長尺化によるカット数の増大を期待することが可能である。理由はつぎの通りである。
タオルロール31を長尺化すると、どうしてもロールの巻きが固くなる。その結果エンボス33が潰れやすくなり、その分吸水性が低下してしまう。また製造時に通常よりも強く引っ張りながら巻いていく必要が生ずるため、前述した糊抜け現象が生じやすくなり、その分歩留まりが低下する。このため2プライのキッチンタオル11では、例えば150カット以上を可能にするような長尺化には困難性が伴う。
この点本実施の形態のキッチンタオル11であれば、その吸水性の高さからも、糊抜け現象を積極的に利用するという上記構造上からも、長尺化に伴う不都合が見当たらない。したがってタオルロール31の長尺化が可能であり、カット数を増やして一つのキッチンタオル11からより多くのタオルシート31aをユーザーに提供することができる。
(2)厚み
本実施の形態タオルロール31を比較例と比較する。
(比較例1)
図5に示すように、ネステッド構造を有する図4に示す2プライのタオルロールC1を比較例1として、本実施の形態のタオルロール31との厚みを比較する。図5中、左が本実施の形態のタオルロール31、右が比較例1のタオルロールC1である。
本実施の形態タオルロール31は、厚みTを有している。これに対して比較例1のタオルロールC1の厚みは厚みTC1であり、本実施の形態のタオルロール31の厚みTよりもD1だけ薄い。つまり、
T-TC1=D1
となり、本実施の形態のタオルロール31は、比較例1のタオルロールC1よりも+D1だけ厚みが増す。
もっとも+D1の厚みは、タオルペーパー31A一枚分の紙厚にすぎず、僅かな厚み増が生ずるにすぎない。
(比較例2)
図6に示すように、ティップ・トゥー・ティップ構造を有する3プライのタオルロールC2を比較例2として、本実施の形態のタオルロール31と厚みを比較する。図6中、左が本実施の形態のタオルロール31、右が比較例2のタオルロールC2である。
本実施の形態タオルロール31の厚みは、前述した通り厚みTである。これに対して比較例2のタオルロールC2の厚みは厚みTC2であり、本実施の形態のタオルロール31の厚みTよりもD2だけ厚い。つまり、
T-TC2=-D2
となり、本実施の形態のタオルロール31は、比較例2のタオルロールC2よりも-D2だけ厚みが減少する。
図6を参照すると、-D2は、比較例2のタオルロールC2の一部をなすタオルペーパー31Aに成型されたエンボス33の凸部35の高さ分に等しいことがわかる。
以上の比較結果から、本実施の形態のタオルロール31の厚みは、キッチンタオル11の巻直径という面から見たとき、例えば従来の2プライの製品と比較して、巻直径を大きく増大させないことが明らかである。したがって前述したように巻直径を85~150mmとした場合でも、タオルロール31からタオルシート31aの取得が可能なカット数を2プライの製品と同等程度に確保することが可能である。
本実施の形態のキッチンタオルと比較例1のキッチンタオルとを試作して対比した。
表1にその結果を示す。

Figure 0007104253000002
本実施の形態では、
・ロール幅:212mm
・タオルロールの坪量:43.5g/m
とした。タオルロールは、上記[発明を実施するための形態]で紹介した三枚のタオルペーパー31A、31B、31Cを積層した3プライのタオルロール31(タオルシート31a)に相当する。
比較例1では、
・ロール幅:212mm
・タオルロールの坪量:44.2g/m
とした。タオルロールは、上記[発明を実施するための形態]の図4で紹介した比較例1の2プライのタオルロール31(タオルシート31a)に相当する。
湿潤引張強度は、株式会社島津製作所製の引張試験機AG-IS 500Nを用いて計測した。
クレム吸水度は、試料を150mmの大きさに切り取り、下から15mmの部分を水等に10分間浸漬させ、毛管現象によって試料が吸い上げる吸水高さを測定した。
実験の結果、表1に示すように、本実施の形態のキッチンタオルは、強度(湿潤引張強度)の点で比較例1に勝り、吸水性能(クレム吸水度)に関しては比較例1に大きく水を開けている。これによって上記[発明を実施するための形態]で述べた作用効果が検証された。
11 キッチンタオル
31 タオルロール
31a タオルシート
31A、31B、31C タオルペーパー
32 ミシン目
33 エンボス
34 凹部
35 凸部
36 結合部
37 ネステッドエンボス
38 糊
38a 糊抜けした糊
39 空隙
40 第2の空隙
51 コア
C1 タオルロール(比較例1)
C2 タオルロール(比較例2)

Claims (9)

  1. 表裏面に凹凸を有する三枚のタオルペーパーと、
    前記表裏面に設けられた凹部に凸部を嵌め込んで前記三枚のタオルペーパーをそれぞれ重ね合わせた状態で結合する結合部と、
    重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーをロール状に巻いたコアと、
    を備え
    前記タオルペーパー一枚当たりの坪量は、10~19g/m 未満であり、
    前記三枚のタオルペーパーのうちの二枚は、ネステッドエンボスによって仮結合され、
    これらの二枚の前記タオルペーパーと残りの一枚の前記タオルペーパーとは、前記凹部と前記凸部との対面部分に設けられた糊によって結合されており、
    前記ネステッドエンボスによって仮結合された前記二枚のタオルペーパーが有する前記凸部と、前記残りの一枚のタオルペーパーが有する前記凹部との間には、前記二枚のタオルペーパーに対する前記凸部の傾斜角度よりも前記残りの一枚のタオルペーパーに対する前記凹部の傾斜角度の方が緩やかであることによって形成された空隙が設けられている、
    キッチンタオル。
  2. 前記二枚のタオルペーパーの前記ネステッドエンボスの間には、前記残りのタオルペーパーに対面する中間の前記タオルペーパーから滲み出た前記糊が設けられている、
    請求項に記載のキッチンタオル。
  3. 重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーを真水に浸漬させたときのクレム吸水度は、110mm以上である、
    請求項1又は2に記載のキッチンタオル。
  4. 重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーを真水に砂糖10%を溶かした溶液に浸漬させたときのクレム吸水度は、100mm以上である、
    請求項 1ないしのいずれか一に記載のキッチンタオル。
  5. 重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーを真水に食塩10%を溶かした溶液に浸漬させたときのクレム吸水度は、100mm以上である、
    請求項1ないしのいずれか一に記載のキッチンタオル。
  6. 重ね合わされた前記三枚のタオルペーパーを天ぷら油に浸漬させたときのクレム吸水度は、40mm以上である、
    請求項1ないしのいずれか一に記載のキッチンタオル。
  7. 前記コアに対する前記タオルペーパーの巻長は、10~65mである、
    請求項1ないしのいずれか一に記載のキッチンタオル。
  8. 前記タオルペーパーの巻直径は、85~150mmである、
    請求項に記載のキッチンタオル。
  9. 前記コアの見かけの坪量は、120~550g/mである、
    請求項1ないしのいずれか一に記載のキッチンタオル。
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