JP7103748B2 - Pcsk9阻害剤及びコレステロール代謝改善用食品組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、PCSK9阻害剤及びコレステロール代謝改善用食品組成物に関する。
循環器系病疾患の主要因の1つである動脈硬化を防ぐには、過剰な悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を除去することが重要と考えられている。LDLコレステロール量を制御するために、古くはコレステロール生合成の抑制、すなわちコレステロールの流入量を減らすことが行われてきた。
しかし、近年の研究から、コレステロールの流入量を減らすだけでは、循環器疾患リスクを低減するために不十分であることが分かってきた。最近では、コレステロールの逆転送によって、悪玉コレステロールを排出(クリアランス)する試みが注目されている。肝臓で生合成されたコレステロールはLDLコレステロールとなって体の末梢に運ばれる。コレステロールの逆転送とは、末梢に運ばれた後で不要となったコレステロールが、末梢から高密度リポタンパク質(HDL)によって引き抜かれ、肝臓へと戻っていくことをいう。コレステロールの逆転送の最初のステップを担うのがHDLであり、不要なコレステロールを引き抜く力を引き抜き能という。引き抜き能はHDLの質を示す指標の1つである。コレステロールの逆転送経路は、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の質向上によって活性化され得ると考えられている。
一方、コレステロールの逆転送は、LDLコレステロールの取り込み向上によっても活性化され得る。HDLによって末梢から引き抜かれたコレステロールは、HDLコレステロールとして血中を移動し、その後コレステロール転送作用を受けてLDLによって肝臓に運ばれて取り込まれる。肝臓でのLDLコレステロール取り込みを増やすことができれば、コレステロールを体外への排泄へと向かわせることができる。そのため、LDLコレステロールの取り込みを担うLDL受容体の働きが重要である。
近年、LDL受容体の代謝に影響する、プロ蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害することで、LDL受容体を増やし、過剰なLDLコレステロールの取り込みを促進するという試みが注目されている。PCSK9はタンパク質分解酵素であり、肝臓表面に発現するLDL受容体に結合し、これを分解する。PCSK9阻害薬は、PCSK9阻害を介して、LDL受容体の分解を抑え、血中LDLコレステロールの肝細胞内への取り込みを促進する作用を持つ。PCSK9阻害薬は、日本でも医薬品として製造販売が開始されている。
Dong B et al., J. Biol. Chem. 290, 4047-4058 (2015) Tai etal., Mol. Nutr. Food Res. 58, 2133-2145 (2014)
しかしながら、製造販売が開始されているPCSK9阻害薬は抗体医薬品であり、PCSK9阻害作用に関する低分子化合物又は天然物での報告例は、ベルベリン(非特許文献1)、クルクミン(非特許文献2)等、わずかである。食品成分によって、安価にかつ穏やかにPCSK9を阻害することは、消費者にとって大きなメリットである。
本発明は、新たなPCSK9阻害剤を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、PCSK9阻害剤を提供する。
Figure 0007103748000001
式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。R又はR、R又はR、及びR又はRのうちの1つ以上が、該置換基が結合している炭素原子に隣り合う環上の炭素原子と単結合を形成していてもよい。式中の点線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を示す。該二重線が単結合を示す場合は、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は単結合を示し、単結合である場合は、RはR又はRと、RはR又はRと、RはR又はRとそれぞれ結合して環を形成する。該二重線が二重結合を示す場合は、R、R及びRは存在しない。
本発明に係るPCSK9阻害剤は、上記化合物又はその塩を有効成分として含有することにより、高いPCSK9阻害作用を有する。
上記化合物は下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。PCSK9阻害剤が下記構造を有する化合物を有効成分として含有することにより、更に高いPCSK9阻害作用を有する。
Figure 0007103748000002
式(2)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は単結合を示し、単結合である場合は、RはR又はRと、RはR又はRとそれぞれ結合して環を形成する。
上記一般式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10又は15のプレニル基であり、Rが炭素数1~15のアルキルカルボニル基であり、R及びRが水素原子であることがより好ましい。PCSK9阻害剤が上記構造を有する化合物を有効成分として含有することにより、更に高いPCSK9阻害作用を発揮しうる。
上記一般式(2)で表される化合物は、ルプロンA、ルプロンB、ルプロンC、ルプロンD、ルプロンE、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンからなる群から選ばれる少なくとも1種であってよい。PCSK9阻害剤が上記構造を有する化合物を有効成分として含有することにより、更に高いPCSK9阻害作用を発揮しうる。
上記一般式(2)で表される化合物は、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。PCSK9阻害剤が上記構造を有する化合物を有効成分として含有することにより、更に高いPCSK9阻害作用を発揮しうる。
本発明はまた、上記化合物を有効成分として含有する、コレステロール代謝改善用食品組成物を提供する。該食品組成物は上記化合物を有効成分として含有するため、摂取することにより、摂取者のコレステロール代謝を改善することができる。
本発明により、新規なPCSK9阻害剤が提供される。
試験例1での被検物質のPCSK9阻害作用を示すグラフである。 試験例2での被検物質のPCSK9阻害作用を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含む。
Figure 0007103748000003
式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。R、R、R、R、R及びRのうちの2つ以上が炭素数5、10又は15のプレニル基であることが好ましく、2つ又は3つが炭素数5、10又は15のプレニル基であることが好ましい。
式(1)中、R又はR、R又はR、及びR又はRのうちの1つ以上が、該置換基が結合している炭素原子に隣り合う環上の炭素原子と単結合を形成していてもよい。単結合を形成する場合、結果として環上の炭素原子間で二重結合を形成することとなる。すなわち上記一般式(1)で表される化合物は、骨格である環がシクロヘキサンであってもよく、ベンゼン環であってもよく、その他の不飽和環状化合物であってもよい。
式(1)中の点線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を示す。該二重線が単結合を示す場合は、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は単結合を示す。Rが単結合である場合は、RはR又はRと結合して環を形成し、Rが単結合である場合は、RはR又はRと結合して環を形成し、Rが単結合である場合は、RはR又はRと結合して環を形成する。式(1)中の二重線が二重結合を示す場合は、R、R及びRは存在しない。
上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007103748000004
式(2)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は単結合を示す。Rが単結合である場合、RはR又はRと結合して環を形成する。Rが単結合である場合、RはR又はRと結合して環を形成する。R、R、R及びRのうちの2つ以上が炭素数5、10又は15のプレニル基であることが好ましく、2つ又は3つが炭素数5、10又は15のプレニル基であることが好ましい。
上記一般式(2)中、R、R及びRがそれぞれ独立に、炭素数5、10又は15のプレニル基であり、Rが炭素数1~15のアルキルカルボニル基であり、R及びRが水素原子であることがより好ましい。このような化合物としては、例えば、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン、プレルプロン等が挙げられる。ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン、プレルプロンは、いずれも上記一般式(2)において、R、R及びRが炭素数5のプレニル基、すなわちジメチルアリル基であり、Rが水素原子であり、Rがそれぞれ3-メチル-1-オキソブチル基、2-メチル-1-オキソプロピル基、2-メチル-1-オキソブチル基、1-オキソプロピル基、4-メチル-1-オキソペンチル基である。
上記一般式(2)において、R又はRが単結合であり環を形成している化合物としては、例えば、ルプロンA、ルプロンB、ルプロンC、ルプロンD、ルプロンE等が挙げられる。ルプロンA、ルプロンB、ルプロンC、ルプロンD、ルプロンEはそれぞれ下記式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)で表される化合物である。
Figure 0007103748000005
上記一般式(2)で表される化合物は、ルプロンA、ルプロンB、ルプロンC、ルプロンD、ルプロンE、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、天然物に由来するものであっても人為的に合成したものであってもよい。ルプロンA、ルプロンB、ルプロンC、ルプロンD、ルプロンE、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンは、例えば、ホップ抽出物を分画又は精製することによって得ることができる。ホップ抽出物としては、例えば、市販のホップエキスを使用してもよい。
ホップからの抽出を行う場合、抽出に供するホップ組織としては、毬花、茎又は葉が好ましい。ホップは、乾燥、凍結、加工、粉砕、選別等の処理が施されたものであってもよく、例えば、ホップペレットを使用してもよい。
ホップの品種は特に制限されず、例えば、チェコ産ザーツ種、ドイツ産ハラタウ・マグナム種、ドイツ産ハラタウ・トラディション種、ドイツ産ペルレ種等のいずれであってもよい。1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ホップからの抽出は、例えば、ホップを溶媒に浸漬し、これを濾過することによって行うことができる。溶媒としては、例えば、エタノール、メタノールが好適である。溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。浸漬の際には超音波処理を行ってもよい。抽出は、超臨界流体(例えば、二酸化炭素)を用いて行うこともできる。得られた抽出物に対しては、公知の方法(例えば、減圧濃縮、凍結乾燥)により濃縮又は乾燥を行ってもよく、更に粉砕等の処理を行ってもよい。
ホップ抽出物からの分画・精製は、公知の方法(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、HPLC、フィルター濾過、遠心分離)により行うことができる。得られた化合物が所望の化合物かどうかは、公知の方法(例えば、質量分析、元素分析、核磁気共鳴分光法、紫外分光法、赤外分光法)により確認することができる。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、上記一般式(1)で表される化合物の1種を単独で含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、上記有効成分を含有するため、当該PCSK9阻害剤を摂取することにより、PCSK9の発現を抑制することができ、その結果、LDL受容体の分解を抑制し、LDLコレステロールのクリアランスを促し、血中のLDLコレステロールを適切な範囲に調節することができる。したがって、本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、コレステロール代謝改善、コレステロール値調節、LDLコレステロール値低減、高LDLコレステロール症改善等に用いることができる。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、固体(例えば、粉末)、液体(水溶性又は脂溶性の溶液又は懸濁液)、ペースト等のいずれの形状でもよく、また、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、硬膏剤等のいずれの剤形をとってもよい。また、放出制御製剤の形態をとることもできる。本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、上述の有効成分のみからなるものであってもよい。
上記各種製剤は、上述の有効成分と、薬学的に許容される添加剤(賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤等)とを混和することによって調製することができる。
例えば、賦形剤としては、ラクトース、スクロース、デンプン、デキストリン等が挙げられる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。崩壊剤としては、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。基剤としては、セトステアリルアルコール、ラノリン、ポリエチレングリコール、米糠油、魚油(DHA、EPA等)、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、Tween80等が挙げられる。懸濁化剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、医薬品、医薬部外品、食品組成物、食品添加物、飼料、飼料添加物等の製品の成分として使用することができる。食品としては、例えば、パン類、麺類、米類、豆腐、乳製品、醤油、味噌、菓子類、飲料等が挙げられる。飲料としては例えば、水、清涼飲料水、果汁飲料、乳飲料、アルコール飲料、ノンアルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク等が挙げられる。また、健康食品、機能性表示食品、特別用途食品、栄養補助食品、サプリメント又は特定保健用食品等における関与成分として使用することもできる。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤からなる、又はPCSK9阻害剤を含む上記製品は、コレステロール代謝改善用であってよい。コレステロール代謝改善とは、例えば、コレステロール値の調節、LDLコレステロール値の低減、高LDLコレステロール症の改善等を包含する意味である。上記製品には、コレステロールを代謝する力を高める旨、コレステロール値を調節する旨、LDLコレステロール値を低減する旨、高LDLコレステロール症を予防する旨、コレステロールクリアランスを高める旨等の表示が付されていてもよい。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、ヒトに摂取されても、非ヒト哺乳動物に摂取されてもよい。本実施形態に係るPCSK9阻害剤の投与量(摂取量)は、有効成分として、成人1日あたり、体重1kgあたり例えば0.1mg~1gであってよく、1~500mgであってもよい。投与量は、個体の状態、年齢等に応じて適宜決定することができる。
本実施形態に係るPCSK9阻害剤は、経口投与(摂取)されてもよく、非経口投与されてもよいが、経口投与されることが好ましい。PCSK9阻害剤は、1日あたりの有効成分量が上記範囲内にあれば、1日1回投与されてもよく、1日複数回に分けて投与されてもよい。
本発明はまた、上記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する、コレステロール代謝改善用食品組成物を提供する。コレステロール代謝改善用食品組成物は、上記有効成分の1種を単独で含んでもよく、2種以上を含んでもよい。コレステロール代謝改善用食品組成物は、上記有効成分のPCSK9阻害作用に基づいてコレステロール代謝を改善するものであってよい。
コレステロール代謝改善用食品組成物は、飲料又は食品であってよい。飲料としては、例えば、清涼飲料水、果汁飲料、乳飲料、アルコール飲料、ノンアルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク等が挙げられる。食品としては、例えば、パン類、麺類、米類、豆腐、乳製品、醤油、味噌、菓子類等が挙げられる。食品組成物は、健康食品、機能性表示食品、特別用途食品、栄養補助食品、サプリメント又は特定保健用食品であってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
[試験例1]
被検物質として、ルプロン類混合物、ベルガモチン(ChromaDex社)及び7-メトキシ-5-ゲラニルオキシクマリンを用いた。また、非特許文献1を参考にして、ポジティブコントロールとして塩化ベルベリン水和物(TCI社)を用いた。ルプロン類混合物は、ルプロン、コルプロン及びアドルプロンの混合物である。ルプロン類混合物としては、ホップのヘキサン抽出物を分画して得たものを用いた。7-メトキシ-5-ゲラニルオキシクマリンとしては、レモンのフラベド部のヘキサン抽出物を分画して精製したものを用いた。
HepG2細胞をDMEM+10%FBS培地中で、37℃、5%COインキュベーター内で培養した。培養したHepG2細胞に、各サンプルを図1に示す数段階の濃度で添加し、COインキュベーター内で24時間培養した。培養後、培地を回収して遠心分離し、清澄液を発現解析に供した。培養後の細胞は、0.2mL RIPAバッファーで回収し、氷中で5分間超音波処理した後に遠心分離した。清澄液を回収し、BSAを標準物質としたLowry法にてタンパク質濃度を測定し、統一化した後に発現解析に供した。
ベルベリン、ルプロン類混合物、ベルガモチン及び7-メトキシ-5-ゲラニルオキシクマリンについて、細胞外に分泌されたPCSK9タンパク質量をウエスタンブロッティング法によって評価した。結果を図1に示す。縦軸は対照区を1.0とした相対値を示す。いずれの被検物質においても細胞外に分泌されたPCSK9タンパク質量は対照区より減少しており、用量依存的なPCSK9発現抑制作用が確認された。また、細胞内のPCSK9タンパク質量についてもウエスタンブロッティング法によって評価したところ、細胞外の場合と同様に、いずれの被検物質においてもPCSK9発現抑制作用が用量依存的に確認された(図示せず)。
[試験例2]
プレニル基を有する化合物のPCSK9阻害試験を行った。被検物質として、試験例1で用いたルプロン類混合物、ベルガモチンに加え、2-メチル-2-ペンテン(TCI社)、ファルネソール(異性体混合物、TCI社)、スクワレン(TCI社)、α-トコトリエノール(Cayman Chemical Co. )、α-マンゴスチン(和光純薬工業社)、リコペン(LKT Laboratories Inc. )、4-メチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)テトラヒドロピラン(シストランス混合物、TCI社)、及び2-メチル-1-フェニルプロペン(TCI社)を用いた。対照としてDMSOを用いた。
上記各種被検物質をそれぞれ5μMの定濃度で用い、試験例1と同様に、細胞外に分泌されたPCSK9タンパク質量を測定した。結果を図2に示す。横軸は対照区を1.0とした相対値を示す。2-メチル-2-ペンテン、スクワレン、α-マンゴスチン、ルプロン類混合物、ベルガモチン添加区においてPCSK9分泌抑制作用が確認された。特にルプロン類混合物において、高いPCSK9分泌抑制作用が確認された。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、PCSK9発現抑制剤。
    Figure 0007103748000006

    [式(1)中、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。また、式(1)中、又はR、R又はR、及びR又はRのうちの1つ以上が、該置換基が結合している炭素原子に隣り合う環上炭素原子と単結合を形成していてもよく、単結合を形成する場合、結果として環上の炭素原子間で二重結合を形成することとなる。式中の点線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を示す。該二重線が単結合を示す場合は、R、R及びR は、水素原子を示す。該二重線が二重結合を示す場合は、R、R及びRは存在しない。]
  2. 前記化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のPCSK9発現抑制剤。
    Figure 0007103748000007

    [式(2)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数5、10若しくは15のプレニル基、炭素数1~15のアルキルカルボニル基、炭素数2~15のアルケニルカルボニル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数1~15のアルキル基、水酸基で置換されていてもよい炭素数2~15のアルケニル基、又は水素原子を示し、R、R、R及びRのうちの1つ以上は炭素数5、10又は15のプレニル基を示す。R及びR は、水素原子を。]
  3. 前記一般式(2)中、R、R及びRがそれぞれ独立に、炭素数5、10又は15のプレニル基であり、Rが炭素数1~15のアルキルカルボニル基であり、R及びRが水素原子である、請求項2に記載のPCSK9発現抑制剤。
  4. 前記一般式(2)で表される化合物が、ルプロン、コルプロン、アドルプロン、ポストルプロン及びプレルプロンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2又は3に記載のPCSK9発現抑制剤。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、肝臓へのLDLコレステロール取り込み促進用食品組成物。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載のPCSK9阻害剤を含む、PCSK9発現抑制用食品組成物。
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