JP7100072B2 - センサ取付ブラケット - Google Patents

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Description

本発明は、レーダーやライダー等の外界認識センサを車体に取り付けるためのセンサ取付ブラケットに関するものである。
近年、車両の前部や後部にレーダーやライダー等の外界認識センサを取り付け、その外界認識センサを通して外部の情報を取得する車両が増えている。この種の車両では、多くの場合、外界認識センサは車体に対して左右対称に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両において、車体に左右対称に物品を取り付ける場合、同一仕様のブラケットを左右で共用して物品を車体に取り付けることがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2016-121927号公報 特開2014-172433号公報
外界認識センサの取り付けにおいて、同一仕様のセンサ取付ブラケットを車体の左右で共用しようとすると、車体に対する外界認識センサの取付誤差が大きくなる。外界認識センサにおいては、車体に対する高い固定精度が要求される場合があり、その場合には、車体の左用と右用で専用のセンサ取付ブラケットを用いざるを得ない。このため、生産コストの低減の観点からこの点の改善が望まれている。
そこで本発明は、車体の複数の取付個所で共用でき、しかも、車体取付時における取付誤差の発生を抑制することができるセンサ取付ブラケットを提供しようとするものである。
本発明に係るセンサ取付ブラケットは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るセンサ取付ブラケットは、車体の複数の取付個所で共用されるセンサ取付ブラケットであって、ブラケット本体(例えば、実施形態のブラケット本体10a,11a)は、車体に取り付けられる車体取付部(例えば、実施形態の車体取付部20,30)と、外界認識センサ(例えば、実施形態の電磁波レーダー2,ライダー3)が取り付けられるセンサ取付部(例えば、実施形態の固定孔21,固定孔31)と、車体の取付箇所に応じた複数の位置決め孔(例えば、実施形態の位置決め孔22a,22b,22c,22d)と、を備え、前記位置決め部には、前記ブラケット本体の前記車体取付部を車体の取付箇所(例えば、車体側ブラケット5(R),5(L))に溶接するための溶接治具の位置決め突起と、前記外界認識センサの位置決め用の凸部(例えば、実施形態のボス部16)が嵌合可能とされていることを特徴とする。
上記の構成により、ブラケット本体を車体に取り付ける際には、車体の取付箇所に応じた位置決め孔を用いて車体に位置決めすることができる。このため、同じ仕様のセンサ取付ブラケットを車体の複数の取付個所で用いることができ、しかも、車体の取付箇所に応じた専用の位置決め孔を用いて車体に位置決めできることから、車体取付時における取付誤差の発生を抑制することができる。
この場合、ブラケット本体の位置決め孔を車体の取付箇所にセットした溶接治具の位置決め突起に位置決めすることにより、正確に位置決めした状態でブラケット本体を所定の車体の取付箇所に溶接することができる。
センサ取付ブラケットは、前記ブラケット本体の上下を反転して車体の異なる取付箇所で用いられるものであっても良い。
この場合、ブラケット本体の上下を反転して車体の異なる取付箇所で用いることにより、例えば、車体の左右の対称箇所で同じ仕様のセンサ取付ブラケットを容易に共用することができる。
前記外界認識センサは、樹脂製のセンサケース(例えば、実施形態のセンサケース12)に保持された電磁波レーダー(例えば、実施形態の電磁波レーダー2)であり、前記センサケースは、前記位置決め用の凸部と、固定用の挿通孔(例えば、実施形態のボルト挿通孔15)と、を有し、前記ブラケット本体は、前記挿通孔に挿通された締結部材(例えば、実施形態のボルト7)の軸が挿入される前記センサ取付部としての固定孔(例えば、実施形態の固定孔21)を有し、前記締結部材の前記軸と前記挿通孔の間には、前記凸部と前記位置決め孔の間の嵌合隙間よりも大きい隙間が確保されるようにしても良い。
この場合、センサケースを樹脂によって形成するため、各部の造形が容易なうえ、製品コストの低減を図ることができる。また、センサケースの凸部や挿通孔は、射出成形等によって容易に形成することができる。また、本構成では、センサケースに形成した凸部をブラケット本体の位置決め孔に嵌合して、センサ(センサケース)をブラケット本体に位置決めするため、締結部材によってセンサ(センサケース)をブラケット本体に位置決めする場合に比較して、位置決め作業が容易になる。
前記外界認識センサの取付時に前記位置決め用の凸部が嵌合される前記位置決め孔の数は、前記挿通孔の数よりも少なく設定されることが望ましい。
この場合、数の少ないセンサケースの位置決め用の凸部をブラケット本体の位置決め孔に嵌入して、センサケースをブラケット本体に位置決めするため、締結部材の軸をセンサケースの挿通孔とブラケット本体の固定孔に嵌合することによってセンサケースをブラケット本体に位置決めする場合に比較して位置決め作業が容易になる。
前記位置決め孔が、前記外界認識センサの取付時に当該外界認識センサに位置決め状態で係合されるとともに、前記外界認識センサと係合された前記位置決め孔が前記外界認識センサのコネクタ接続部の配置される部位と前記外界センサの上下方向の中心位置を挟んで前記コネクタ接続部の配置される側と上下逆側にオフセットするように、若しくは、前記コネクタ接続部の配置される部位と前記外界センサの左右方向の中心位置を挟んで前記コネクタ接続部の配置される側と左右逆側にオフセットするように設定されるようにしても良い。
この場合、同じ仕様のセンサ取付ブラケットを上下を反転して車体の異なる箇所に用いる際に、いずれの箇所に用いる場合でも、実際に外界認識センサと係合される位置決め孔がコネクタ接続部とオフセットした部位に位置されることになる。このため、コネクタや配線が位置決め部と外界認識センサの係合部と干渉するのを回避することができる。
本発明では、ブラケット本体が車体の取付箇所に応じた複数の位置決め孔を備えているため、同じ仕様のセンサ取付ブラケットを車体の複数の取付個所で共用でき、しかも、車体取付時における取付誤差の発生を抑制することができる。
外界認識センサが取り付けられた車両の正面図。 車体左右の車体側ブラケットにセンサ取付ブラケットを用いて外界認識センサを取り付けた状態を示す正面図。 センサケースに保持された電磁波レーダーを正面側から見た斜視図。 センサケースに保持された電磁波レーダーを裏面側から見た斜視図。 保持プレートに保持されたライダーの斜視図。 保持プレートに保持されたライダーの正面図。 電磁波レーダー用のセンサ取付ブラケットを、左右の各車体側ブラケットに取り付けた状態を示す正面図。 ライダー用のセンサ取付ブラケットを、左右の各車体側ブラケットに取り付けた状態を示す正面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、特別に断らない限り、左右については、車両進行方向についての左右を意味するものとする。
図1は、外界認識センサが取り付けられた車両1の正面図である。
本実施形態の車両1は、車体の前面の左右のコーナー部分の近傍に外界認識センサの一形態である電磁波レーダー2とライダー(LiDAR)3が取り付けられている。ライダー3は、フロントバンパー4の側縁部の前面に形成された開口9内に臨むようにフロントバンパー4の内側に配置されている。電磁波レーダー2は、樹脂製のフロントバンパー4の内部のライダー3よりも上方、かつ、車幅方向外側位置に配置されている。左右の各電磁波レーダー2とライダー3とは、図示しない車体フレームに支持された車体側ブラケット5に取り付けられている。
図2は、センサ取付ブラケット10,11が取り付けられた車体右側の車体側ブラケット5(R)と、センサ取付ブラケット10,11が取り付けられた車体左側の車体側ブラケット5(L)を併せて記載した図である。
車体側ブラケット5(R),5(L)の上方側の車幅方向外側の斜め側部には、電磁波レーダー2を車体側ブラケット5(R),5(L)に取り付けるためのセンサ取付ブラケット10が溶接されている。また、車体側ブラケット5(R),5(L)の下方側の前面には、ライダー3を車体側ブラケット5(R),5(L)に取り付けるためのセンサ取付ブラケット11が溶接されている。車体側ブラケット5(R),5(L)とセンサ取付ブラケット10,11はいずれも所定形状に加工された金属板によって構成されている。
図3は、センサケース12に保持された電磁波レーダー2を正面側から見た斜視図であり、図4は、センサケース12に保持された電磁波レーダー2を裏面側から見た斜視図である。
電磁波レーダー2は、ケース内に高周波回路やアンテナ等を収容して成るレーダー本体部2aと、外部の電力線や信号線が接続されるコネクタ接続部2bと、を備えている。
センサケース12は、樹脂によって一体に形成されている。センサケース12は、正面視が略正方形状に形成され、中央部に、レーダー本体部2aを収容するための略矩形状の凹形状部13が形成されている。凹形状部13の周壁には、レーダー本体部2aを係止するため複数の係止爪14が形成されている。また、センサケース12の凹形状部13の外側の四隅部には、センサケース12をセンサ取付ブラケット10に固定するためのボルト挿通孔15(固定用の挿通孔)が形成されている。
なお、本実施形態では、電磁波レーダー2を保持したセンサケース12は、電磁波レーダー2のコネクタ接続部2bが鉛直下方を指向するように対応するセンサ取付ブラケット10に固定される。また、図3,図4では、ボルト7の軸心のみが示されている。
また、センサケース12の裏面の車幅方向略中央位置には、二つの円柱状のボス部16(位置決め用の凸部)が上下に離間して突設されている。二つのボス部16は、センサケース12の上下方向の中心位置を挟んで上下対称位置に突設されているのではなく、上方側(コネクタ接続部2bの配置される側と逆側)にオフセットした位置に配置されている。
図5は、保持プレート17に保持されたライダー3を斜め後部上方から見た斜視図であり、図6は、保持プレート17に保持されたライダー3の正面図である。
保持プレート17は、金属材料によって形成されている。保持プレート17は、車体取付状態で車両前方側に正対するベース壁17aと、ベース壁17aの左右の側端部から車両前方に向かって延びる延出壁17bと、を有している。ベース壁17aの上辺と下辺には、それぞれ一対の締結フランジ17cが延設されている。各締結フランジ17cには、締結部材であるボルト18の軸が挿入される固定孔40が形成されている。各締結フランジ17cは、ボルト18によって対応するセンサ取付ブラケット11に固定される。
ライダー3は、略直方体状の本体部3aの内部に図示しない発光装置や受光装置が内蔵されている。本体部3aの前面側は、車両前方側に向く外界検知面3bとされている。
ライダー3は、保持プレート17のベース壁17aに回動可能に支持されるとともに、位置調整機構19によって回動軸o1回りに位置調整できるようになっている。
図7は、電磁波レーダー2用のセンサ取付ブラケット10を、左右の各車体側ブラケット5(L),5(R)に取り付けた状態を示す正面図である。
センサ取付ブラケット10のブラケット本体10aは、正面視が横長の略長方形状に形成されている。センサ取付ブラケット10は、左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられる場合と、右側の車体側ブラケット5(R)に取り付けられる場合で、同じ仕様のものが上下を反転して用いられる。
センサ取付ブラケット10が左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられる場合には、ブラケット本体10aの下縁部の一部と右側(車両進行方向に向かって右側)の側縁部の一部が、車体側ブラケット5(L)に溶接される車体取付部20とされる。また、センサ取付ブラケット10が右側の車体側ブラケット5(R)に取り付けられる場合には、ブラケット本体10aの下縁部の一部と左側(車両進行方向に向かって左側)の側縁部の一部が、車体側ブラケット5(R)に溶接される車体取付部20とされる。また、ブラケット本体10aの四隅は、車体取付部20に対して車体側ブラケット5(L),5(R)から離間する方向に隆起している。これらの隆起した各隅部には、板厚方向に貫通する固定孔21が形成されている。固定孔21には、センサケース12のボルト挿通孔15に挿通されたボルト7の軸が挿入される。固定孔21に挿入されたボルト7の軸は、ブラケット本体10aの裏面側において、図示しないナットに螺合される。これにより、センサケース12と、そのセンサケース12に保持された電磁波レーダー2は、対応するセンサ取付ブラケット10に固定される。
本実施形態では、ブラケット本体10aの四隅に形成された固定孔21がセンサ取付ブラケット10におけるセンサ取付部とされている。
また、センサ取付ブラケット10の車幅方向の中央位置には、四つの位置決め孔22a,22b,22c,22dが上下方向に離間して配置されている。以下では、センサ取付ブラケット10が左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられるときに、最上部に位置される位置決め孔を第1位置決め孔22aと呼び、第1位置決め孔22aの直下に位置される位置決め孔を第2位置決め孔22b、第2位置決め孔22bの直下に位置される位置決め孔を第3位置決め孔22c、第3位置決め孔22cの直下に位置される位置決め孔を第4位置決め孔22dと呼ぶことがある。
本実施形態では、第1位置決め孔22aと第4位置決め孔22dは真円形状に形成され、第2位置決め孔22bと第3位置決め孔22cは上下方向に長い長孔形状に形成されるとともに、短径方向の幅が、第1位置決め孔22aと第4位置決め孔22dの内径よりも若干広く形成されている。なお、第2位置決め孔22bと第3位置決め孔22dの短径方向の幅は、真円形状の第1位置決め孔22aと第4位置決め孔22dの内径と同幅であっても良い。
センサ取付ブラケット10が左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられるときには、第1位置決め孔22aと第3位置決め孔22cが、左側の車体側ブラケット5(L)に対して位置決めされる。一方、センサ取付ブラケット10が右側の車体側ブラケット5(R)に取り付けられるときには、第4位置決め孔22dと第2位置決め孔22bが、右側の車体側ブラケット5(R)に位置決めされる。
本実施形態では、第1位置決め孔22aと第3位置決め孔22c、第2位置決め孔22bと第4位置決め孔22dが、それぞれ車体の取付箇所(車体側ブラケット5(L),5(R))に応じた位置決め部を構成している。
実際に、センサ取付ブラケット10を左側の車体側ブラケット5(L)に溶接する場合には、左側の車体側ブラケット5(L)にセットした図示しない溶接治具の二つの位置決め突起を、第1位置決め孔22aと第3位置決め孔22cとに嵌合し、それによってセンサ取付ブラケット10を溶接治具に対して位置決めする。この状態で溶接治具によってセンサ取付ブラケット10を左側の車体側ブラケット5(L)上の溶接位置まで変位させ、センサ取付ブラケット10の車体取付部20を左側の車体側ブラケット5(L)の設定位置に溶接する。
また、センサ取付ブラケット10を右側の車体側ブラケット5(R)に溶接する場合には、右側の車体側ブラケット5(R)にセットした図示しない溶接治具の位置決め突起を、上下反転したセンサ取付ブラケット10の第4位置決め孔22dと第2位置決め孔22bとに嵌合する。こうして、センサ取付ブラケット10を位置決めした溶接治具によってセンサ取付ブラケット10を右側の車体側ブラケット5(R)上の溶接位置まで変位させ、センサ取付ブラケット10の車体取付部20を右側の車体側ブラケット5(R)の設定位置に溶接する。
こうして左右の車体側ブラケット5(L),5(R)に溶接されたセンサ取付ブラケット10に電磁波レーダー2を取り付ける場合には、最初に、電磁波レーダー2を保持したセンサケース12の二つのボス部16を、センサ取付ブラケット10の対応する位置決め孔に嵌合する。具体的には、左側の車体側ブラケット5(L)に対しては、センサケース12の二つのボス部16を第1位置決め孔22aと第3位置決め孔22cに嵌合し、右側の車体側ブラケット5(R)に対しては、センサケース12の二つのボス部16を第4位置決め孔22dと第2位置決め孔22bに嵌合する。
次に、センサケース12の四隅のボルト挿通孔15に挿通されたボルト7の軸を対応するセンサ取付ブラケット10の固定孔21に挿入し、センサ取付ブラケット10の裏面のナットに締め込む。これにより、センサケース12に保持された電磁波レーダー2は、左右の対応するセンサ取付ブラケット10に位置決めされた状態で固定される。
なお、センサケース12の四隅のボルト挿通孔15とそのボルト挿通孔15に挿入されるボルト7の軸の間には、センサケース12のボス部16と位置決め孔22a,22b,22c,22dの間の嵌合隙間よりも大きい隙間が確保されている。
図8は、ライダー3用のセンサ取付ブラケット11を、左右の各車体側ブラケット5(L),5(R)に取り付けた状態を示す正面図である。
センサ取付ブラケット11のブラケット本体11aは、正面視が横長の略長方形状に形成されている。センサ取付ブラケット11は、電磁波レーダー2用のセンサ取付ブラケット10と同様に、左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられる場合と、右側の車体側ブラケット5(R)に取り付けられる場合で、同じ仕様のものが上下を反転して用いられる。
センサ取付ブラケット11は、ブラケット本体11aの車幅方向両側の側縁部が、車体側ブラケット5(L),5(R)に溶接される車体取付部30とされている。また、センサ取付ブラケット11の左右の車体取付部30よりも車幅内側位置には、四つの隆起部29が相互に離間して設けられ、各隆起部29に固定孔31が形成されている。固定孔31には、保持プレート17(締結フランジ17c)の固定孔40に挿通されたボルト18の軸が挿入される。各隆起部29の裏面側には図示しないウェルドナットが設けられている。固定孔31に挿入されたボルト18の軸は、ブラケット本体11aの裏面側において、上記のウェルドナットに螺合される。これにより、保持プレート17と、その保持プレート17に固定されたライダー3は、対応するセンサ取付ブラケット11に固定される。
本実施形態では、ブラケット本体11aの隆起部29に形成された固定孔31とウェルドナットがセンサ取付ブラケット11におけるセンサ取付部とされている。
センサ取付ブラケット11の車幅方向の中央位置には、四つの位置決め孔32a,32b,32c,32dが上下方向に離間して配置されている。以下では、センサ取付ブラケット11が左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられるときに、最上部に位置される位置決め孔を第1位置決め孔32aと呼び、第1位置決め孔32aの直下に位置される位置決め孔を第2位置決め孔32b、第2位置決め孔32bの直下に位置される位置決め孔を第3位置決め孔32c、第3位置決め孔32cの直下に位置される位置決め孔を第4位置決め孔32dと呼ぶことがある。
本実施形態では、第1位置決め孔32aと第4位置決め孔32dの内径は、第2位置決め孔32bと第3位置決め孔32cの内径よりも大きく形成されている。
センサ取付ブラケット11が左側の車体側ブラケット5(L)に取り付けられるときには、第1位置決め孔32aと第3位置決め孔32cが、左側の車体側ブラケット5(L)に対して位置決めされる。一方、センサ取付ブラケット11が右側の車体側ブラケット5(R)に取り付けられるときには、第4位置決め孔32dと第2位置決め孔32bが、右側の車体側ブラケット5(R)に位置決めされる。
本実施形態では、第1位置決め孔32aと第3位置決め孔32c、第4位置決め孔32dと第2位置決め孔32bが、それぞれ車体の取付箇所(車体側ブラケット5(L),5(R))に応じた位置決め部を構成している。
センサ取付ブラケット11を左側の車体側ブラケット5(L)に溶接する場合には、左側の車体側ブラケット5(L)にセットした図示しない溶接治具の位置決め突起を、第1位置決め孔32aと第3位置決め孔32cに嵌合し、センサ取付ブラケット11を溶接治具に対して位置決めする。この状態で溶接治具によってセンサ取付ブラケット11を左側の車体側ブラケット5(L)上の溶接位置まで変位させ、センサ取付ブラケット11の車体取付部30を左側の車体側ブラケット5(L)の設定位置に溶接する。
センサ取付ブラケット11を右側の車体側ブラケット5(R)に溶接する場合には、右側の車体側ブラケット5(R)にセットした図示しない溶接治具の位置決め突起を、上下反転したセンサ取付ブラケット11の第4位置決め孔32dと第2位置決め孔32bとに嵌合する。次に、この状態において、溶接治具によってセンサ取付ブラケット11を右側の車体側ブラケット5(R)上の溶接位置まで変位させ、センサ取付ブラケット11の車体取付部30を右側の車体側ブラケット5(R)の設定位置に溶接する。
こうして左右の車体側ブラケット5(L),5(R)に溶接されたセンサ取付ブラケット11にライダー3を取り付ける場合には、保持プレート17の各締結フランジ17cの固定孔40にボルト18の軸を挿入し、各ボルト18の軸の先端部をセンサ取付ブラケット11の対応する固定孔31に挿入する。ここで、保持プレート17(締結フランジ17c)の一つの固定孔40とボルト18の軸の間の隙間は、他の固定孔40とボルト18の軸の間の隙間に比較して小さく設定されている。保持プレート17は、一つのボルト18の軸が上記隙間の小さい固定孔40に挿入され、さらにセンサ取付ブラケット11の固定孔31を通して当該取付ブラケット11の裏面側のウェルドナットに螺合されることにより、車体側ブラケット5(L),5(R)に対して位置決めされる。この状態において、他のボルト18の軸の先端部をセンサ取付ブラケット11の裏面のウェルドナットに締め込む。これにより、保持プレート17に保持されたライダー3は、左右の対応するセンサ取付ブラケット11に位置決めされた状態で固定される。
なお、保持プレート17(締結フランジ17c)の上記他の固定孔40は、そのうちの一つを長孔とし、残余の二つを上記一つの固定孔40よりも大径の真円形状の孔としても良い。
なお、本実施形態では、センサ取付ブラケット11の裏面側にウェルドナットが設けられている。しかし、センサ取付ブラケット11の裏面側でボルト18の軸に螺合されるナットはウェルドナットに限定されるものではなく、センサ取付ブラケット11の裏面に溶接されないナットであっても良い。
この場合、保持プレート17(締結フランジ17c)の一つの固定孔40とボルト18の軸の間の隙間を小さく設定するのに代えて、車体側ブラケット5(L),5(R)の一つの固定孔31(a)とボルト18の軸の間の隙間を小さく設定するようにしても良い。さらに、この場合、他の一つの固定孔31(b)を長孔とし、残余の二つの固定孔31(c),31(d)を、固定孔31(a)よりも大径の真円形状の孔としても良い。
また、センサ取付ブラケット11の裏面側でボルト18の軸に螺合されるナットをセンサ取付ブラケット11の裏面に溶接されないナットを用いる場合、車体側ブラケット5(L),5(R)の固定孔31(a)~31(d)を上記のように設定するとともに、保持プレート17(締結フランジ17c)の一つの固定孔40とボルト18の軸の間の隙間を小さく設定し、他の一つの固定孔40を長孔とし、残余の二つの固定孔40を、上記一つの固定孔40よりも大径の真円形状の孔としても良い。
以上のように、本実施形態のセンサ取付ブラケット10,11は、ブラケット本体10a,11aを車体側ブラケット5(L),5(R)に取り付ける際には、車体の取付箇所に応じた位置決め部(位置決め孔22a,22cと22d,22b、位置決め孔32a,32cと32d,32b)を用いて車体に位置決めすることができる。このため、同じ仕様のセンサ取付ブラケット10,11を車体の複数の取付個所で用いることができる。また、センサ取付ブラケット10,11は、車体の取付箇所に応じた専用の位置決め部(位置決め孔22a,22cと22d,22b、位置決め孔32a,32cと32d,32b)を用いて車体側ブラケット5(L),5(R)に位置決めできることから、車体取付時における取付誤差の発生を抑制することができる。
また、本実施形態のセンサ取付ブラケット10,11は、ブラケット本体10a,11aの位置決め部(位置決め孔22a,22cと22d,22b、位置決め孔32a,32cと32d,32b)が溶接治具に位置決めされるものであるため、正確に位置決めした状態でブラケット本体10a,11aを車体側ブラケット5(L),5(R)に溶接することができる。
さらに、本実施形態のセンサ取付ブラケット10,11は、ブラケット本体10a,11aの上下を反転して車体の異なる取付箇所で用いられるものであるため、車体の左右対称箇所で同じ仕様のセンサ取付ブラケット10,11を容易に共用することができる。
また、本実施形態のセンサ取付ブラケット10は、樹脂製のセンサケース12を介して、電磁波レーダー2を車体側ブラケット5(L),5(R)に取り付けるものである。この場合、センサケース12を樹脂によって形成するため、各部の造形が容易なうえ、製品コストの低減を図ることができる。また、センサケース12のボス部16やボルト挿通孔15を射出成形等によって容易に形成することができる。
さらに、センサ取付ブラケット10は、センサケース取付用のボルト7の軸が挿入される固定孔21と、位置決め孔22a,22b,22c,22dと、を備え、センサケース12のボス部16が、位置決め孔22a,22cと位置決め孔22d,22bのいずれかに嵌合される構造とされている。このため、ボルトを用いてセンサケース12をブラケット本体10aに位置決めする場合に比較して、位置決め作業が容易になる。
また、本実施形態のセンサ取付ブラケット10の場合、電磁波レーダー2の取付時に、センサケース12のボス部16が実際に嵌合される位置決め孔22a,22cまたは22d,22bの数が、ボルト挿通孔15の数よりも少なく設定されている。このため、数の少ないセンサケース12のボス部16をブラケット本体10aの位置決め孔22a,22cまたは22d,22bに嵌入して、センサケース12をブラケット本体10aに容易に位置決めすることができる。
また、本実施形態のセンサ取付ブラケット10は、電磁波レーダー2の取付時に、位置決め孔22a,22cまたは22d,22bにセンサケース12のボス部16が位置決め状態で嵌合され、センサケース12のボス部16に嵌合された位置決め孔22a,22cまたは22d,22bが、電磁波レーダー2のコネクタ接続部2bの配置される部位と上下方向でオフセットするように設定されている。このため、同じ仕様のセンサ取付ブラケット10を上下を反転して車体の異なる箇所に用いる際に、いずれの箇所に用いる場合でも、実際に電磁波レーダー2のセンサケース12と係合される位置決め孔22a,22cまたは22d,22bがコネクタ接続部2bとオフセットした部位に位置されることになる。このため、コネクタや配線が位置決め孔とセンサケース12の係合部と干渉するのを回避することができる。
さらに、本実施形態のセンサ取付ブラケット11は、金属製の保持プレート17を介してライダー3を車体側ブラケット5(L),5(R)に取り付けるものである。このため、重量の重いライダー3を金属製の保持プレート17を用いてブラケット本体11aに強固に固定することができる。
また、本実施形態のセンサ取付ブラケット11は、ライダー3の保持プレート17の固定孔40とブラケット本体11aの固定孔31を貫通したボルト18の軸がブラケット本体11aの裏面側のウェルドナットに螺合される。センサ取付ブラケット11は、これによりブラケット本体11aに対する保持プレート17(ライダー3)の位置決めと締結固定とを行うことができる。この結果、直接的な位置管理が可能になり、保持プレート17(ライダー3)の固定精度が高まる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、図4に示すように、電磁波レーダー2のセンサケース12の二つのボス部16が上方側にオフセットして配置されている。しかし、電磁波レーダー2のコネクタ接続部2bがレーダー本体部2aの左右いずれかの端部から側方に突設されている場合には、センサケース12の二つのボス部16を、コネクタ接続部2bの配置される部位と逆側となるように左右方向にオフセットさせて配置しても良い。
さらに、上記の実施形態では、センサ取付ブラケットを車体の左右対称位置で共用しているが、車体の左右対称位置でない位置でセンサ取付ブラケットを共用することも可能である。また、センサ取付ブラケットを共用する箇所も三箇所以上であっても良い。
また、上記の実施形態では、センサ取付ブラケット10,11の位置決め孔22a,22b,22c,22d、32a,32b,32c,32dを用いて溶接治具に位置決めし、それによってセンサ取付ブラケット10,11を車体側ブラケット5(L),5(R)に対して間接的に位置決めしている。しかし、車体側ブラケット5(L),5(R)に位置決め孔22a,22b,22c,22d、32a,32b,32c,32dと嵌合可能な位置決め突起を設け、センサ取付ブラケット10,11を車体側ブラケット5(L),5(R)に対して直接位置決めすることも可能である。
さらに、上記の実施形態では、センサ取付ブラケット10(11)を左側の車体側ブラケット5(L)に位置決めするときに、第1位置決め孔22a(32a)と第3位置決め孔22c(32c)を用い、右側の車体側ブラケット5Rに位置決めするときに、第4位置決め孔22d(32d)と第2位置決め孔22b(32b)を用いている。しかし、ブラケット10(11)の取付位置に応じて夫々専用の位置決め孔を用いるのであれば、使用する位置決め孔の組み合わせはこれに限るものではない。例えば、センサ取付ブラケット10(11)を左側の車体側ブラケット5(L)に位置決めするときに、第1位置決め孔22a(32a)と第2位置決め孔22b(32b)を用い、右側の車体側ブラケット5Rに位置決めするときに、第4位置決め孔22d(32d)と第3位置決め孔22c(32c)を用いることも可能である。
2…電磁波レーダー(外界認識センサ)
2b…コネクタ接続部
5(R),5(L)…車体側ブラケット(車体の取付箇所)
7…ボルト(締結部材)
10…センサ取付ブラケット
10a…ブラケット本体
12…センサケース
15…ボルト挿通孔(固定用の挿通孔)
16…ボス部(位置決め用の凸部)
20…車体取付部
21…固定孔(センサ取付部)
22a…第1位置決め孔(位置決め
22b…第2位置決め孔(位置決め
22c…第3位置決め孔(位置決め
22d…第4位置決め孔(位置決め

Claims (5)

  1. 車体の複数の取付個所で共用されるセンサ取付ブラケットであって、
    ブラケット本体は、
    車体に取り付けられる車体取付部と、
    外界認識センサが取り付けられるセンサ取付部と、
    車体の取付箇所に応じた複数の位置決め孔と、を備え、
    前記位置決め孔には、前記ブラケット本体の前記車体取付部を車体の取付箇所に溶接するための溶接治具の位置決め突起と、前記外界認識センサの位置決め用の凸部が嵌合可能とされていることを特徴とするセンサ取付ブラケット。
  2. 前記ブラケット本体の上下を反転して車体の異なる取付箇所で用いられることを特徴とする請求項に記載のセンサ取付ブラケット。
  3. 前記外界認識センサは、樹脂製のセンサケースに保持された電磁波レーダーであり、
    前記センサケースは、前記位置決め用の凸部と、固定用の挿通孔と、を有し、
    前記ブラケット本体は、前記挿通孔に挿通された締結部材の軸が挿入される前記センサ取付部としての固定孔を有し、
    前記締結部材の前記軸と前記挿通孔の間には、前記凸部と前記位置決め孔の間の嵌合隙間よりも大きい隙間が確保されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ取付ブラケット。
  4. 前記外界認識センサの取付時に前記位置決め用の凸部が嵌合される前記位置決め孔の数は、前記挿通孔の数よりも少なく設定されていることを特徴とする請求項に記載のセンサ取付ブラケット。
  5. 前記位置決め孔が、前記外界認識センサの取付時に当該外界認識センサに位置決め状態で係合されるとともに、前記外界認識センサと係合された前記位置決め孔が前記外界認識センサのコネクタ接続部の配置される部位と前記外界センサの上下方向の中心位置を挟んで前記コネクタ接続部の配置される側と上下逆側にオフセットするように、若しくは、前記コネクタ接続部の配置される部位と前記外界センサの左右方向の中心位置を挟んで前記コネクタ接続部の配置される側と左右逆側にオフセットするように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ取付ブラケット。
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