JP7099049B2 - 超電導コイル体、超電導コイル集合体および超電導機器 - Google Patents

超電導コイル体、超電導コイル集合体および超電導機器 Download PDF

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Description

この発明は、超電導コイル体、超電導コイル集合体および超電導機器に関する。
従来、超電導線材を巻回したコイルを積層して構成された超電導コイル体が知られている(たとえば、特開2015-73069号公報および特開2017-112254号公報参照)。
特開2015-73069号公報では、超電導線材からなる複数のコイルを、円筒状の芯材に通して積層配置した構成が開示されている。また、特開2017-112254号公報では、複数のコイルが冷却板を介して積層された構成が開示されている。特開2017-112254号公報では、冷却板がその内周部に嵌め合い機構を含み、当該嵌め合い機構によって冷却板および複数のコイルの径方向での位置が位置決めされている。
特開2015-73069号公報 特開2017-112254号公報
特開2015-73069号公報に開示された構成では、コイルを円筒状の芯材に通すため、当該コイルの内周側の開口部における径は芯材の外径より大きくなっている。さらに、コイルや芯材などの部品の寸法については、一定の加工誤差が含まれる。また、芯材に複数のコイルを通して積層するときに、各コイルの芯材に対する径方向での位置は組立誤差を含む。したがって、特開2015-73069号公報に開示された超電導コイル体では、各コイルの径方向における配置が上記誤差に起因してばらつき、結果的に均一な磁場を形成することが難しかった。
一方、均一な磁場を得るため、上記のような各コイルの径方向における配置のばらつきを抑制する観点からコイルの開口部の径と芯材の外径との差を小さくすることが考えられる。しかし、この場合超電導コイル体の組み立てが難しく、結果的に超電導コイル体の製造コストが増大するという問題があった。
また、特開2017-112254号公報に開示された構成では、全ての冷却板に嵌め合い機構という複雑かつ高い寸法精度が必要な構造を形成する必要があり、結果的に超電導コイル体の構造が複雑化して超電導コイル体の製造コストが増大するという問題があった。
本発明の一態様の目的は、製造コストの増大を抑制しつつ、高い均一性を有する磁場を形成することが可能な超電導コイル体、当該超電導コイル体を用いた超電導コイル集合体および超電導機器を提供することである。
本発明の一態様に係る超電導コイル体は、超電導コイルと、第1フランジ部材と、第2フランジ部材と、複数の整列部材とを備える。超電導コイルは、超電導線材が巻回された複数のコイル要素が積層されて構成されたものである。第1フランジ部材および第2フランジ部材は、複数のコイル要素の積層方向において、超電導コイルの両端部に位置する。複数の整列部材は、第1フランジ部材と第2フランジ部材とを接続するとともに、超電導コイルを積層方向と交差する方向から押圧する。複数の整列部材は、複数のコイル要素を積層方向において整列させる。
本発明の一態様に係る超電導コイル集合体は、積層配置された複数の超電導コイル体と、複数のコイル体整列部材とを備える。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向において整列させる。上記超電導コイル体は、上述した本発明の一態様に係る超電導コイル体である。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向と交差する方向から押圧する。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向において整列させる。
本発明の一態様に係る超電導機器は、上記超電導コイル体を備える。
上記によれば、製造コストの増大を抑制しつつ、高い均一性を有する磁場を形成することが可能な超電導コイル体、当該超電導コイル体を用いた超電導コイル集合体および超電導機器を提供できる。
実施の形態1に係る超電導コイル体の斜視模式図である。 図1に示した超電導コイル体の部分断面模式図である。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態2に係る超電導コイル集合体の斜視模式図である。 図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するための模式図である。 図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するための模式図である。 図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するための模式図である。 図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態3に係る超電導コイル体の斜視模式図である。 図15に示した超電導コイル体の構成を説明するための模式図である。 実施の形態4に係る超電導コイル体の部分断面模式図である。 実施の形態5に係る超電導機器の模式図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る超電導コイル体は、超電導コイルと、第1フランジ部材と、第2フランジ部材と、複数の整列部材とを備える。超電導コイルは、超電導線材が巻回された複数のコイル要素が積層されて構成されたものである。第1フランジ部材および第2フランジ部材は、複数のコイル要素の積層方向において、超電導コイルの両端部に位置する。複数の整列部材は、第1フランジ部材と第2フランジ部材とを接続するとともに、超電導コイルを積層方向と交差する方向から押圧する。複数の整列部材は、複数のコイル要素を積層方向において整列させる。
このようにすれば、複数の整列部材が複数のコイル要素を積層方向と交差する方向から押圧することで、各コイル要素において複数の整列部材と接触する部分について、積層方向と交差する方向での配置を揃えることができる。この結果、積層方向と交差する方向において複数のコイル要素の位置が揃い、結果的に積層方向から見て複数のコイル要素の位置がそろった状態、つまり積層方向において複数のコイル要素が整列した状態を実現できる。したがって、積層方向において整列した複数のコイル要素により均一性の高い磁場を形成できる。
また、単一の部材を複数のコイル要素に接触させて当該コイル要素を整列させる場合には、当該単一の部材の形状自体によりコイル要素の配置を決定するため、上記単一の部材の形状をコイル要素の形状と整合するように高精度で加工する必要がある。しかし、上記の超電導コイル体では複数の整列部材の形状および配置と、当該整列部材がコイル要素を押圧する押圧力とによりコイル要素の配置を決定しているため、整列部材の形状自体について求められる加工精度は相対的に低く、製造コストの増大を抑制できる。
(2)上記超電導コイル体は、複数の整列部材と第1フランジ部材および第2フランジ部材とを接続する接続部材を備えていてもよい。接続部材は、複数の整列部材を第1フランジ部材または第2フランジ部材に向けて付勢する弾性部材を含んでいてもよい。
この場合、超電導コイル体を運転するために冷却したときに、超電導コイルの熱収縮量と第1および第2フランジ部材の熱収縮量と複数の整列部材の熱収縮量とが異なっていても、上記弾性部材により複数の整列部材を第1および第2フランジ部材に向けて押圧した状態を維持できるので、当該整列部材と第1および第2フランジ部材との接続状態を維持し、結果的に当該整列部材により複数のコイル要素が整列された状態を維持できる。
(3)上記超電導コイル体において、複数の整列部材は、超電導コイルの内周側に配置されていてもよい。この場合、複数のコイル要素の内周側の位置を整列部材により揃えることができる。
(4)上記超電導コイル体において、複数の整列部材は、超電導コイルの外周側に配置されていてもよい。この場合、複数のコイル要素の外周側の位置を整列部材により揃えることができる。
(5)本発明の一態様に係る超電導コイル集合体は、積層配置された複数の超電導コイル体と、複数のコイル体整列部材とを備える。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向において整列させる。上記超電導コイル体は、上述した本発明の一態様に係る超電導コイル体である。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向と交差する方向から押圧する。複数のコイル体整列部材は、複数の超電導コイル体を積層方向において整列させる。
この場合、複数のコイル要素の配置が揃った複数の超電導コイル体を、コイル体整列部材により整列して配置できるので、均一性の高い磁場を形成できる。また、複数の超電導コイル体のうちの一部に不良が発生した場合に、当該不良が発生した超電導コイル体だけを交換する、といった対応が可能になる。
(6)本発明の一態様に係る超電導機器は、上記超電導コイル体を備える。この場合、均一性の高い磁場を利用可能な超電導機器を実現できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
<超電導コイル体の構成>
図1は、実施の形態1に係る超電導コイル体の斜視模式図である。図2は、図1に示した超電導コイル体の部分断面模式図である。図1および図2に示すように、実施の形態1に係る超電導コイル体10は、超電導コイル40と、第1フランジ部材3aと、第2フランジ部材3bと、整列部材1と、軸方向固定部材4とを備える。図1に示す超電導コイル体10では、整列部材1として3つの整列部材1a~1cが配置されている。超電導コイル40は、超電導線材が巻回された複数のコイル要素2が積層されて構成されたものである。複数のコイル要素2の間には冷却板6が配置されている。超電導コイル40は、コイル要素2と冷却板6とが交互に積層された構造を有する。コイル要素2は、超電導コイル40の中心軸20を中心にして超電導線材が巻回されたものである。超電導線材としては任意の超電導材料を含む線材を用いることができるが、好ましくは酸化物超電導材料を含む高温超電導線材である。コイル要素2は、たとえばパンケーキコイルである。より好ましくは、コイル要素2はダブルパンケーキコイルである。
冷却板6は、コイル要素2と積層される積層部分と、当該積層部分に連なり、冷凍機などの外部機器と接続される接続部分とを含む。冷却板6の積層部分の平面形状は、基本的にコイル要素2の平面形状と同様である。
第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bは、複数のコイル要素2の積層方向(すなわち中心軸20に沿った方向)において、超電導コイル40の両端部に位置する。第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bは、超電導コイル40の両端部を覆うとともに、超電導コイル40の外周面より外側に延在する部分および超電導コイル40の内周面より内周側に延在する部分を含む。第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの平面形状は円環状である。第1フランジ部材3aの内周部には、複数の整列部材1a~1cの一方端部を固定するための固定部7aが複数形成されている。第2フランジ部材3bの内周部には、複数の整列部材1a~1cの上端である他方端部を固定するための固定部7bが複数形成されている。
複数の整列部材1a~1cは、第1フランジ部材3aと第2フランジ部材3bとを接続するとともに、超電導コイル40を積層方向と交差する方向から押圧する。具体的には、複数の整列部材1a~1cは、超電導コイル40の内周側に配置されている。複数の整列部材1a~1cは、図2に示すように超電導コイル40を構成する複数のコイル要素2の内周端面2aを押圧する。図1では、整列部材1として3つの整列部材1a~1cが配置されている。複数の整列部材1a~1cは、複数のコイル要素2の開口部における端面である内周端面に、互いに間隔を隔てて接触している。複数の整列部材1a~1cは、複数のコイル要素2の開口部の周方向において等間隔に配置されている。なお、複数の整列部材1a~1cは当該周方向において異なる間隔を隔て配置されてもよい。図1では3つの整列部材1a~1cを備える超電導コイル体10が示されているが、整列部材1a~1cの数は2でもよいが、3以上であることが好ましく、4以上でもよい。
複数の整列部材1a~1cでは、コイル要素2と接触する表面が平面であってもよいが、当該表面が曲面となっていてもよい。当該曲面の中心軸20に沿った方向から見た曲率半径は、コイル要素2の内周端面の曲率半径と同じとしてもよいが、当該内周端面の曲率半径より小さくしてもよい。
複数の整列部材1a~1cの下部である一方端部は、第1フランジ部材3aの複数の固定部7aに接続されている。複数の整列部材1a~1cの上部である他方端部は、第2フランジ部材3bの複数の固定部7bに接続されている。整列部材1a~1cの他方端部と第2フランジ部材3bの固定部7bとの接続部には、接続部材50が配置されている。接続部材50は、具体的にはボルト31と、ナット32と、弾性部材としての皿バネ33とを含む。
たとえば図2に示すように、ボルト31は整列部材1aの内周側から穴34に通され、第2フランジ部材3bの穴38を介して開口部35にまで到達するように配置されている。ナット32は、第2フランジ部材3bの開口部35内部においてボルト31の端部に固定される。また、皿バネ33はボルト31に取付けられるとともに、ナット32と開口部35の内周面(穴34が開口している内周面)との間に配置されている。ナット32は皿バネ33を整列部材1a側の方向に押圧した状態で、ボルト31に固定される。このため、皿バネ33が弾性変形することで、ボルト31および整列部材1aを第2フランジ部材3b側に引き寄せる力が発生している。また、図2に示すように、第2フランジ部材3bと整列部材1aとの接続部において、整列部材1aと第2フランジ部材3bの固定部7bとの間には隙間が形成されている。このようにすれば、整列部材1aは皿バネ33により第2フランジ部材3b側に向かうように付勢されているため、結果的に整列部材1aがコイル要素2の内周端面2aを押圧する。
また、整列部材1a~1cと第1フランジ部材3aまたは第2フランジ部材3bとの接続部の構造は、図2に示した整列部材1aと第2フランジ部材3bとの接続部の構造と同様である。この結果、複数の整列部材1a~1cが、複数のコイル要素2の内周端面2aの複数個所を押圧することで、結果的に整列部材1a~1cのコイル要素2との接触面に沿って複数のコイル要素が整列する。すなわち、複数の整列部材1a~1cは、複数のコイル要素2を積層方向において整列させている。なお、第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの内周部には、実施の形態2において説明するコイル体整列部材101a~101c(図9参照)を接続するための固定部5が形成されている。固定部5の構造は基本的には固定部7a、7bと同様である。
ここで、コイル要素2と積層されている冷却板6は、その積層部分において、コイル要素2の開口部に対応する開口部が形成されている。図2に示すように、冷却板6の開口部の内周端面は、整列部材1a~1cと接触している。この場合、複数の冷却板6も複数のコイル要素2と同様に、整列部材1a~1cにより積層方向において整列される。ただし、冷却板6の開口部の内周端面が整列部材1a~1cと接触しない構成としてもよい。
図1に示すように、第1フランジ部材3aの外周部と第2フランジ部材3bの外周部とは、複数の軸方向固定部材4により接続されている。複数の軸方向固定部材4は、たとえばボルトおよびナットである。複数の軸方向固定部材4は、第1および第2フランジ部材3a、3bの外周部において、周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。複数の軸方向固定部材4は、上記周方向に等間隔に配置されていてもよい。複数の軸方向固定部材4は、第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bが超電導コイル40を中心軸20に沿った方向から押圧するように、第1および第2フランジ部材3a、3bに取付けられている。
<超電導コイル体の製造方法>
図3は、図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4~図8は、図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明するための模式図である。図3~図8を参照しながら、図1に示した超電導コイル体の製造方法を説明する。
超電導コイル体の製造方法では、図3に示すように、まず準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、第1および第2フランジ部材3a、3bや複数の整列部材1a~1cなど、図1に示す超電導コイル体10の構成部材を準備する。そして、図4に示すように、第1フランジ部材3aの3つの固定部7aに、整列部材1a~1cの一方端部を固定する。このとき、整列部材1a~1cは、第1フランジ部材3aの3つの固定部7aにそれぞれ図2に示す接続部材50により固定される。また、2つの整列部材1b、1cにおける接続部材50でのボルトの締め代より、整列部材1aにおける接続部材50でのボルト31の締め代を多く残しておく。なお、2つの整列部材1b、1cは接続部材50としてボルト31とナット32のみを用いて、第1フランジ部材3aに固定してもよい。
なお、整列部材1a~1cは、固定部7aと接触する表面の形状を正確に加工しておくことが好ましい。また、第1フランジ部材3aは表面(中心軸20に沿った方向から見た表面)の形状を正確に加工しておくことが好ましい。このようにして、整列部材1a~1cの延在方向が第1フランジ部材3aの上記表面に対して90°の角度となるようにすることが好ましい。
次に、図3の超電導コイル要素を積層する工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、図5に示すように第1フランジ部材3a上に複数のコイル要素2および冷却板6を交互に積層する。このとき、コイル要素2の内周端面および冷却板6の開口部の内周端面に整列部材1a~1cが面するように、各コイル要素2および冷却板6を積層する。ここで、上記工程(S10)では整列部材1aについて接続部材50でのボルト31の締め代を相対的に多く残しているため、整列部材1aは他の整列部材1b、1cよりも内周側に位置している。そのため、コイル要素2および冷却板6を積層する作業においてコイル要素2および冷却板6と整列部材1aとの干渉が起きず、当該作業を容易に実施できる。
次に、整列部材を締め付ける工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、超電導コイル40(図1参照)となるべき複数のコイル要素2および冷却板6上に、第2フランジ部材3bを配置する。そして、図8に示すように、複数の整列部材1a~1cを第2フランジ部材3bの固定部7bに接続部材50を用いて固定する。具体的には、整列部材1aは接続部材50としてのボルト31a、ナット32aおよび皿バネ33により第2フランジ部材3bに接続される。整列部材1bは接続部材50としてのボルト31b、ナット32bおよび皿バネ33により第2フランジ部材3bに接続される。整列部材1cは接続部材50としてのボルト31c、ナット32cおよび皿バネ33により第2フランジ部材3bに接続される。
このとき、整列部材1aと第1フランジ部材3aとを接続する接続部材50についても、ボルト31を増し締めする。この結果、図7の矢印36に示すように、整列部材1aがコイル要素2の内周端面側に移動する。このようにして、全ての整列部材1a~1cと第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bが固定される。また、全ての整列部材1a~1cの表面が図2に示すようにコイル要素2の内周端面2aを押圧する。この結果、積層されたコイル要素2が積層方向において整列部材1a~1cの表面に沿って整列する。その後、第1フランジ部材3aと第2フランジ部材3bとを接続するように複数の軸方向固定部材4を設置することにより、超電導コイル要素を積層方向において締め付ける工程(S40)を実施する。このようにして図1に示す超電導コイル体10を得ることができる。
<作用効果>
上述した超電導コイル体10では、複数の整列部材1a~1cが複数のコイル要素2を積層方向と交差する方向である径方向から押圧することで、各コイル要素2において複数の整列部材1a~1cと接触する部分について、径方向での配置を揃えることができる。この結果、径方向において複数のコイル要素2の位置が揃い、結果的に中心軸20に沿った方向から見て複数のコイル要素2の位置がそろった状態、つまり中心軸20に沿った方向において複数のコイル要素2が整列した状態を実現できる。したがって、中心軸20に沿った方向において整列した複数のコイル要素2により均一性の高い磁場を形成できる。
また、図1に示した超電導コイル体10では、図6~図8に示したように、複数の整列部材1a~1cの形状および配置と、当該複数の整列部材1a~1cがコイル要素2を押圧する押圧力とによりコイル要素2の配置を決定している。そのため、たとえばコイル要素2の開口部に挿通される円筒状の整列部材を用いる場合より、整列部材1a~1cの形状について求められる加工精度は相対的に低い。したがって、超電導コイル体10の製造コストの増大を抑制できる。
また、上記超電導コイル体10は、複数の整列部材1a~1cと第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bとを接続し、弾性部材としての皿バネ33を含む接続部材50を備えている。皿バネ33は、複数の整列部材1a~1cを第1フランジ部材3aまたは第2フランジ部材3bに向けて付勢している。このため、超電導コイル体10を運転するために冷却したときに、超電導コイルの熱収縮量と第1および第2フランジ部材3a、3bの熱収縮量と複数の整列部材1a~1cの熱収縮量とが異なっていても、上記皿バネ33により複数の整列部材1a~1cを第1および第2フランジ部材3a、3bに向けて押圧した状態を維持できる。したがって、整列部材1a~1cと第1および第2フランジ部材3a、3bとの接続状態を維持し、結果的に整列部材1a~1cにより複数のコイル要素2が整列された状態を維持できる。なお、上記皿バネ33を含む接続部材50を、たとえば整列部材1aと第1および第2フランジ部材3a、3bとの接続部のみに配置し、他の接続部材50については皿バネ33を含まない構成としてもよい。この場合、コイル要素2を整列する作業をより容易に行うことができる。
また、上記超電導コイル体10では、複数の整列部材1a~1cが超電導コイル40の内周側に配置されているので、複数のコイル要素2の内周端面2aの位置を整列部材1a~1cにより揃えることができる。
(実施の形態2)
<超電導コイル集合体の構成>
図9は、実施の形態2に係る超電導コイル集合体の斜視模式図である。図9に示す超電導コイル集合体100は、複数の超電導コイル体10a~10cを積層して構成されている。具体的には、超電導コイル集合体100は、積層配置された3つの超電導コイル体10a~10cと、コイル体整列部材101とを備える。図9では、3つのコイル体整列部材101a~101cが配置されている。なお、コイル体整列部材101a~101cの数は、2でもよいが、3以上であることが好ましく、たとえば4でも5でもよい。
上記超電導コイル体10a~10cは、上述した実施の形態1に係る超電導コイル体である。超電導コイル体10a上に超電導コイル体10bが積層されている。超電導コイル体10b上に超電導コイル体10cが積層されている。複数の超電導コイル体10a~10cは、中心軸20(図1参照)が互いに重なるように積層されている。
複数の超電導コイル体10a~10cのそれぞれにおける第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3b(図1参照)の内周側には、コイル体整列部材101a~101cを接続するための固定部5が形成されている。コイル体整列部材101a~101cは、一番下の超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aから、一番上の超電導コイル体10cの第2フランジ部材3bまで到達するように、超電導コイル体10a~10cの積層方向に沿って延在している。超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aおよび超電導コイル体10cの第2フランジ部材3bは、それぞれコイル体整列部材101a~101cと接続されている。
なお、各超電導コイル体10a~10cにおける第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bが、それぞれコイル体整列部材101a~101cと接続されてもよい。つまり、コイル体整列部材101a~101cは、各超電導コイル体10a~10cの第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの固定部5に接続されていてもよい。固定部5における第1フランジ部材3aまたは第2フランジ部材3bとコイル体整列部材101a~101cとの接続部の構成は、基本的に図2に示した第2フランジ部材3bと整列部材1aとの接続部の構成と同様である。このため、複数のコイル体整列部材101a~101cは、複数の超電導コイル体10a~10cを積層方向と交差する方向から外側に向けて押圧する。この結果、複数のコイル体整列部材101a~101cは、複数の超電導コイル体10a~10cを積層方向において整列させる。
<超電導コイル集合体の製造方法>
図10は、図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するためのフローチャートである。図11~図14は、図9に示した超電導コイル集合体の製造方法を説明するための模式図である。図10~図14を参照しながら、図9に示した超電導コイル集合体100の製造方法を説明する。
まず、図10に示すように積層準備工程(S110)を実施する。この工程(S110)では、実施の形態1において説明した超電導コイル体の製造方法により、超電導コイル体10a、10cと、図12に示す超電導コイル体10bとを準備する。また、コイル体整列部材101a~101cも準備する。図1および図12から分かるように、超電導コイル体10bの中心軸方向における長さは超電導コイル体10a、10cの当該方向における長さより長くなっている。各超電導コイル体10a~10cの第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの内周側には、図12に示すようにコイル体整列部材101a~101c(図9参照)を固定するための固定部5が形成されている。第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの内周側面において、固定部5と固定部7a、7bとは周方向において等間隔に配置されている。第1フランジ部材3aの内周側面では、固定部5と固定部7aとが周方向において交互に配置されている。同様に、第2フランジ部材3bの内周側面では、固定部5と固定部7bとが周方向において交互に配置されている。
そして、図11に示すように、超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aの固定部5に、複数のコイル体整列部材101a~101cの下端部を接続する。なお、このとき超電導コイル体10aの第2フランジ部材3bの固定部5にも、複数のコイル体整列部材101a~101cを接続してもよい。
このとき、コイル体整列部材101a~101cは、超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aの3つの固定部5にそれぞれ図2に示す接続部材50により固定される。また、2つのコイル体整列部材101b、101cにおける接続部材50でのボルト31(図2参照)の締め代より、コイル体整列部材101aにおける接続部材50でのボルト31の締め代を多く残しておく。コイル体整列部材101a~101cは、固定部5と接触する表面の形状を正確に加工しておくことが好ましい。また、第1フランジ部材3aは表面(超電導コイル体10a~10cの積層方向から見た表面)の形状を正確に加工しておくことが好ましい。このようにして、コイル体整列部材101a~101cの延在方向が超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aの上記表面に対して90°の角度となるようにすることが好ましい。
次に、図10の超電導コイル体を積層する工程(S120)を実施する。この工程(S120)では、図13および図14に示すように、超電導コイル体10a上に複数の超電導コイル体10b、10cを積層する。このとき、超電導コイル体10b、10cの内周側面にコイル体整列部材101a~101cが面するように、各超電導コイル体10b、10cの開口部にコイル体整列部材101a~101cが挿入された状態とする。また、各超電導コイル体10b、10cの第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bの固定部5が、コイル体整列部材101a~101cに面するように、超電導コイル体10b、10cは配置される。
ここで、上記工程(S110)では、コイル体整列部材101aについて超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aに対する接続部材50でのボルト31の締め代を相対的に多く残している。そのため、コイル体整列部材101aは他のコイル体整列部材101b、101cよりも内周側に位置している。そのため、超電導コイル体10b、10cを積層する作業においてこれらの超電導コイル体10b、10cとコイル体整列部材101aとの干渉が起きず、当該作業を容易に実施できる。
次に、コイル体整列部材を締め付ける工程(S130)を実施する。この工程(S130)では、複数のコイル体整列部材101a~101cを超電導コイル体10cにおける第2フランジ部材3bの固定部5に接続部材50(図2参照)を用いて固定する。この時の固定方法は、基本的に図3の工程(S30)における整列部材1a~1cを第2フランジ部材3bに固定する方法と同様である。
このとき、コイル体整列部材101aと超電導コイル体10aにおける第1フランジ部材3aとを接続する接続部材50についても、ボルトを増し締めする。この結果、コイル体整列部材101aが各超電導コイル体10a~10cにおけるコイル要素2(図1参照)の内周端面側に移動する。このようにして、全てのコイル体整列部材101a~101cと、超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aおよび超電導コイル体10cの第2フランジ部材3bとが固定される。また、全てのコイル体整列部材101a~101cの表面が各超電導コイル体10a~10cにおけるコイル要素2(図2参照)の内周端面2a(図2参照)を押圧する。この結果、積層された超電導コイル体10a~10cが積層方向においてコイル体整列部材101a~101cの表面に沿って整列する。その後、各超電導コイル体10a~10c間において隣接する第1フランジ部材3aと第2フランジ部材3bとをボルトなどの固定部材により固定する。さらに、コイル体整列部材101a~101cの少なくともいずれかを、超電導コイル体10a~10bの第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bのすべてとボルトとナットなどの固定部材により固定してもよい。このようにして図9に示す超電導コイル集合体100を得ることができる。
なお、上述したコイル体整列部材101a~101cは、個々の超電導コイル体10a~10cにおける整列部材1a~1cより長尺であるため、その剛性を高めるために材質や形状を整列部材1a~1cと異なるようにしてもよい。たとえば、コイル体整列部材101a~101cの厚みまたは幅を整列部材1a~1cより大きくしてもよい。あるいは、コイル体整列部材101a~101cを構成する材料として、整列部材1a~1cを構成する材料よりヤング率の高い材料を用いてもよい。
<作用効果>
図9に示すような構成の超電導コイル集合体100では、複数のコイル要素2の配置が揃った複数の超電導コイル体10a~10cを、コイル体整列部材101a~101cにより径方向の外側に向けて押圧することで、中心軸方向に整列して配置できる。そのため、均一性の高い磁場を形成できる。また、複数の超電導コイル体10a~10cのうちの一部に不良が発生した場合に、当該不良が発生した超電導コイル体だけを交換する、といった対応が可能になる。
また、コイル体整列部材101a~101cを、複数の超電導コイル体10a~10cの積層方向における最端部の部材、すなわち超電導コイル体10aの第1フランジ部材3aおよび超電導コイル体10cの第2フランジ部材3bだけではなく、上記積層方向における中間部分において第1フランジ部材3aまたは第2フランジ部材3bに固定してもよい。具体的には、コイル体整列部材101a~103cを、超電導コイル体10aの第2フランジ部材3b、超電導コイル体10bの第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3b、および超電導コイル体10cの第1フランジ部材3aの少なくともいずれか1つと固定してもよい。この場合、超電導コイル集合体100の剛性をより高めることができる。また、このように積層方向の中間部分においてコイル体整列部材101a~101cを固定する場合、積層方向における最端部のみでコイル体整列部材101a~101cを固定する場合より、コイル体整列部材101a~101cの厚みや幅を相対的に小さくできる。
(実施の形態3)
<超電導コイル体の構成>
図15は、実施の形態3に係る超電導コイル体の斜視模式図である。図16は、図15に示した超電導コイル体の構成を説明するための模式図である。図15および図16に示した超電導コイル体10は、基本的には図1に示した超電導コイル体10と同様の構成を備えるが、中心軸20の延在方向が重力方向ではなく、当該重力方向と交差する方向、具体的には水平方向、になっている点が図1に示した超電導コイル体10と異なっている。また、図16に示すように、超電導コイル体10において複数の整列部材1a~10cのうちの1つの整列部材1aが、矢印37で示される重力方向の最下部に配置されている。整列部材1aは第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bと、図2に示した接続部材50により接続されている。接続部材50は、図16に示すようにボルト31aと、ナット32aと、複数の皿バネ33とを含む。整列部材1aを第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bに接続する接続部材50のボルト31aは、図16の矢印37に示す重力方向に沿った方向に延びるよう配置されている。
<作用効果>
図15および図16に示す超電導コイル体10では、基本的に図1に示した超電導コイル体10と同様の効果を得ることができる。また、図15および図16に示した超電導コイル体10では、中心軸20が矢印37で示す重力方向と交差する方向である水平方向に延びており、さらに弾性部材である皿バネ33を含む接続部材50が当該重力方向の最下部に配置されている。そのため、整列部材1b、1cに超電導コイル体10の自重が作用している。つまり、当該接続部材50には上述した超電導コイル体10の自重がベース荷重として作用していない。そのため、超電導コイル体10に対して外部から衝撃が加えられた場合に、当該外部からの衝撃により接続部材50(より具体的には皿バネ33)が変形し、超電導コイル体10の複数のコイル要素2の相対的な位置がずれるといった問題の発生を抑制できる。
(実施の形態4)
<超電導コイル体の構成>
図17は、実施の形態4に係る超電導コイル体の斜視模式図である。図17に示す超電導コイル体10は、基本的には図1に示した超電導コイル体10と同様の構成を備えるが、整列部材1aの配置が図1に示した超電導コイル体10と異なっている。図17に示した超電導コイル体10において、図17に示す整列部材1aを含む複数の整列部材は、超電導コイル40の外周側に配置されている。図17に示した超電導コイル体10では、超電導コイル40の外周を囲むように複数の整列部材が配置される。整列部材の数は2以上の任意の数とすることができるが、好ましくは3である。たとえば、複数の整列部材は、超電導コイル40の外周に沿って、同じ間隔を隔てて配置されていてもよい。複数の整列部材は、図1に示した超電導コイル体10と同様に第1フランジ部材3aおよび第2フランジ部材3bと接続されている。また、複数の整列部材は、図17に示す整列部材1aと同様に、コイル要素2の外周端面2bを押圧している。複数の整列部材と第1および第2フランジ部材3a、3bとの接続部の構成は、基本的に図1に示した超電導コイル体10における当該接続部の構成と同様である。具体的に、図17を参照しながら整列部材1aと第2フランジ部材3bとの接続部の構成を説明する。
図17に示すように、整列部材1aは超電導コイル40の外周に配置されている。接続部材50のボルト31は整列部材1aの外周側から穴34に通され、第2フランジ部材3bの穴38を介して第2フランジ部材3bの外周側から開口部35にまで到達するように配置されている。第2フランジ部材3bでは内周側に開口部35が形成されている。ナット32は、第2フランジ部材3bの開口部35内部においてボルト31の端部に固定される。
皿バネ33はボルト31に取付けられるとともに、ナット32と開口部35の内周面(穴34が開口している内周面)との間に配置されている。ナット32は皿バネ33を整列部材1a側の方向(径方向での外側方向)に押圧した状態で、ボルト31に固定される。このため、皿バネ33が弾性変形することで、ボルト31および整列部材1aを第2フランジ部材3b側に引き寄せる力が発生している。
また、図17に示すように、第2フランジ部材3bと整列部材1aとの接続部において、整列部材1aと第2フランジ部材3bの固定部7bとの間には隙間が形成されている。このようにすれば、整列部材1aは皿バネ33により中心軸20側(第2フランジ部材3b側)に向かうように付勢されているため、結果的に整列部材1aがコイル要素2の外周端面2bを押圧する。
<作用効果>
図17に示した超電導コイル体10では、超電導コイル40のコイル要素2を外周側から複数の整列部材により押圧することで、図1に示した超電導コイル体10と同様の効果を得ることができる。つまり、コイル要素2の外周端面2bの位置を外周側から整列部材1aを含む複数の整列部材により揃えることができる。
また、図17に示した超電導コイル体10では、コイル要素2の外周側に複数の整列部材1aを配置するので、コイル要素2の内径を小さくするような設計が可能である。このため、コイル要素2の外径を相対的に小さくでき、コイル要素2に用いる超電導線材の使用量を削減できる。また、この場合複数のコイル要素2において内径が異なるような構成としてもよい。
(実施の形態5)
<超電導機器の構成および作用効果>
図18は、実施の形態5に係る超電導機器の模式図である。図18に示した超電導機器200は、図1に示した超電導コイル体10を冷凍機で冷却する冷凍機冷却型の超電導機器である。なお、上記超電導機器200では、超電導コイル体10に代えて図9に示したような超電導コイル集合体100を用いてもよい。
図18に示した超電導機器200は、超電導コイル体10と、断熱容器211と、冷凍機221と、ホース222と、コンプレッサ223と、ケーブル231と、電源232とを主に備える。断熱容器211は超電導コイル体10を収容する。本実施の形態においては、磁場が印加される被検体(図示せず)を収容するための磁場印加領域SCが断熱容器211内に設けられている。超電導コイル体10において図1に示すようにコイル要素2と積層された複数の冷却板6は、冷凍機221の冷却ヘッド221aと接続される。冷凍機221はコンプレッサ223とホース222により接続される。冷凍機221とコンプレッサ223との間にはホース222を介して冷媒が循環し、冷凍サイクル回路を構成する。電源232は超電導コイル体10に電流を供給する。
この様な超電導機器200によれば、図1などに示した超電導コイル体10を用いているため、均一性の高い磁場を発生させて当該磁場を利用することができる。
(本実施の形態に係る超電導コイル体の効果に関する検討)
<比較例に係る超電導コイル体におけるコイル要素の位置ずれの検討>
比較例としての超電導コイル体の構成として、超電導線材を巻回した内径φ750mmのダブルパンケーキコイルを、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の円筒状の芯部材に通して積層する構成を考える。この場合、作業性を考慮すると、ダブルパンケーキコイルの内径と芯部材の外径との間のクリアランスは1mm以上であることが望ましい。また、機械加工における普通公差(中級、400mmを超え1000mm以下)は±0.8mmである。これらの前提に基づき、ダブルパンケーキコイルの内径φを751.6mmと仮定する。また、芯部材の外径を747.4mmと仮定する。この場合、組立時には、複数のダブルパンケーキコイル間の径方向での位置ずれとして、最大で4.2mmの位置ずれが発生する可能性がある。
また、ダブルパンケーキコイルを室温から20Kに冷却した場合の熱収縮率は-0.46%であり、GFRPの積層方向における熱収縮率は-0.71%である。このため、上述した冷却条件では、ダブルパンケーキコイルについて約3.5mm、GFRP製の芯部材において約5.3mmの熱収縮が発生する。熱収縮は固定されている部分に向かって起こり、ダブルパンケーキコイルや芯部材の固定方法によっては、上述した冷却時、ダブルパンケーキコイルについて径方向におけるずれが最大約1.8mmとなる可能性がある。
<本実施の形態に係る超電導コイル体におけるコイル要素の位置ずれの検討> たとえば、図1および図2に示した超電導コイル体10では、複数に分割された芯部材としての整列部材1a~1cに、ダブルパンケーキコイルである複数のコイル要素2を通す。その後、接続部材50のボルト31(図2参照)により整列部材1a~1cを径方向に締め付ける。このようにすれば、上述した比較例における超電導コイル体において必要であった、コイル要素2の内径と整列部材1a~1cとの間のクリアランスを無くすことができる。さらに、接続部材50は皿バネ33を含むため、コイル要素2と第1および第2フランジ部材3a、3bと整列部材1a~1cとの間の熱収縮率の差に起因する熱収縮量の差を当該皿バネ33が弾性変形することで吸収できる。したがって、本実施の形態に係る超電導コイル体10では比較例の超電導コイル体より複数のコイル要素2の間の径方向の位置ずれを抑制できる。
<比較例に係る超電導コイル体に関する磁場均一性の評価>
内径φ750mm、外径φ846mmの比較例に係る超電導コイル体について、直径φ20mm、中心軸方向の長さ(高さ)20mmとした空間における磁場均一度を考える。なお、磁場均一度とは、((軸方向最大磁場強度)-(軸方向最小磁場強度))/(軸方向中心磁場強度)と言う式により定義される。上述した超電導コイル体における磁場均一度の設計値はたとえば1401ppmである。なお、上記比較例に係る超電導コイル体におけるダブルパンケーキコイルの内径と芯部材の外径との間のクリアランスを1mm、公差を±0.8mmとした。当該超電導コイル体は、6個のダブルパンケーキコイルを積層した構成とした。また、上述した磁場均一性の評価は、空間内の磁場を径方向および軸方向に1mm以下毎に計算することにより実施した。
上記の前提に基づき、ダブルパンケーキコイルの内径φを750mm、芯部材の外径を745.8mmと仮定した。このとき、組立時には、6個のダブルパンケーキコイル中1個が径方向に4.2mmずれた状態を考える。この場合、磁場均一性は1473ppmとなり、69ppmポイント悪化する。そして、ダブルパンケーキコイルを室温から20Kまで冷却することにより、ダブルパンケーキコイルの1つがさらに径方向において1.8mmずれた場合を考える。この場合、磁場均一性は1504ppmとなり、さらに31ppmポイント悪化する。このような磁場均一性の悪化は、磁場均一性に関する要求が厳しいMRI、NMR、加速器などの用途においては許容されない。
<本実施の形態に係る超電導コイル体における磁場均一性の評価>
本実施の形態に係る超電導コイル体の構成として、上述した比較例に係る超電導コイル体と同様に6個のダブルパンケーキコイルを積層した構成を考える。上述のように、本実施の形態に係る超電導コイル体では、コイル要素としてのダブルパンケーキコイルと整列部材との間のクリアランスを無くし、上述した熱収縮率の差に基づくダブルパンケーキコイル間の位置ずれ量を低減できる。そこで、たとえば本実施の形態に係る超電導コイル体において、6個のダブルパンケーキコイルのうち1つの内径が他のダブルパンケーキコイルより1.6mm大きい場合を考える。この状態での比較例に係る超電導コイル体と同様に磁場均一性を評価すると、当該磁場均一性は1417ppmとなった。この場合、磁場均一性に関する設計値からの悪化の程度は13ppmポイントと充分に小さい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1a,1b,1c 整列部材
2 コイル要素
2a 内周端面
2b 外周端面
3a 第1フランジ部材
3b 第2フランジ部材
4 軸方向固定部材
5,7a,7b 固定部
6 冷却板
10,10a,10b,10c 超電導コイル体
20 中心軸
31,31a,31b,31c ボルト
32,32a,32b,32c ナット
33 皿バネ
34,38 穴
35 開口部
36,37 矢印
40 超電導コイル
50 接続部材
100 超電導コイル集合体
101,101a,101b,101c コイル体整列部材
200 超電導機器
211 断熱容器
221 冷凍機
221a 冷却ヘッド
222 ホース
223 コンプレッサ
231 ケーブル
232 電源

Claims (4)

  1. 超電導線材が巻回された複数のコイル要素が積層された超電導コイルと、
    前記複数のコイル要素の積層方向において、前記超電導コイルの両端部に位置する第1フランジ部材および第2フランジ部材と、
    前記第1フランジ部材と前記第2フランジ部材とを接続するとともに、前記超電導コイルを前記積層方向と交差する方向から押圧し、前記複数のコイル要素を前記積層方向において整列させる、複数の整列部材とを備え、
    前記複数の整列部材は、前記超電導コイルの内周側に配置されるとともに、前記超電導コイルの周方向において互いに間隔を隔てて配置されている、超電導コイル体。
  2. 前記複数の整列部材と前記第1フランジ部材および前記第2フランジ部材とを接続する接続部材を備え、
    前記接続部材は、前記複数の整列部材を前記第1フランジ部材または前記第2フランジ部材に向けて付勢する弾性部材を含む、請求項1に記載の超電導コイル体。
  3. 積層配置された複数の超電導コイル体と、
    前記複数の超電導コイル体を、前記複数の超電導コイル体の積層方向において整列させる、複数のコイル体整列部材とを備え、
    前記超電導コイル体は、請求項1または請求項2に記載の超電導コイル体であり、
    前記複数のコイル体整列部材は、前記複数の超電導コイル体を前記積層方向と交差する方向から押圧し、前記複数の超電導コイル体を前記積層方向において整列させる、超電導コイル集合体。
  4. 請求項1または請求項2に記載の超電導コイル体を備える、超電導機器。
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