JP7142811B1 - 位置出し部材並びに超電導マグネット及び超電導マグネットの製造方法 - Google Patents

位置出し部材並びに超電導マグネット及び超電導マグネットの製造方法 Download PDF

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Abstract

ステージ(9)上に載置され、超電導マグネット(1)を構成する超電導線が巻回されたパンケーキコイル(2)の位置を調整するためにパンケーキコイル(2)の内側に設けられた位置出し部材(3)は、パンケーキコイル(2)の内周面側に面接触されるとともに、パンケーキコイル(2)の径方向に押圧する押圧機構(31)を備え、押圧機構(31)によりパンケーキコイル(2)の中心軸(5)をステージ(9)の予め決められた位置(4)に合わせるようにパンケーキコイル(2)の位置を調整する。これにより、個々のパンケーキコイル(2)の内径が異なっている場合においても、励磁中のパンケーキコイル(2)の変位を抑えることができ、超電導線材の超電導特性の劣化を抑制することが可能となる。

Description

本願は、超電導マグネット装置の超電導線材で巻回されたパンケーキコイルの位置出しに用いられる位置出し部材、並びにこの位置出し部材を用いた超電導マグネット及び超電導マグネットの製造方法に関するものである。
近年、金属シース中に超電導体が埋め込まれたもの、あるいは基板上に超電導薄膜を形成した超電導線材の開発が進められている。中でも、転移温度が、液体窒素温度以上の高温超電導体である酸化物超電導体からなる超電導層が設けられた酸化物系超電導線材が注目されている。トカマク型核融合炉用中心ソレノイドコイルを始めとする、高強度を有する磁場が必要とされる超電導マグネットにおいても、酸化物系超電導線材を巻回して形成された超電導コイルを用いて磁場を生成する技術が提案されている。
上記の超電導マグネットにおいては、酸化物系超電導線材の構造的な特徴から、剥離応力に弱く、超電導特性が劣化して、所望の磁場を生成できないといった課題がある(例えば、非特許文献1参照)。そこで、この問題点を解決すべく、超電導マグネットを形成する複数のパンケーキコイルをコイル内周面側から固定する超電導機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
柳澤吉紀、前田秀明、"REBCOコイルの機械的な要因による超伝導特性の劣化"、TEION KOGAKU (J. Cryo. Super. Soc. Jpn.) Vol.48 No.4, 2013
特開2019―207917号公報
しかしながら、上記特許文献1の超電導コイル体では、製造誤差他により各パンケーキコイルのコイル内径の寸法が異なっている場合には、位置出し部材がコイル内周面側に接触せず、励磁中にコイルが変位する可能性がある。この変位により、パンケーキコイル間の接続部に機械応力が働き、結果として接続部付近の超電導線材の超電導特性を劣化させる可能性があるという課題があった。
本願は、上記の課題を解決するためになされたものであり、超電導マグネットを構成する各々のパンケーキコイルの内径寸法が異なっていても、励磁中におけるコイルの変位を抑え、超電導線材の特性の劣化を防ぐことを可能とするパンケーキコイル位置出し部材を得ることを目的としている。
本願に開示される第一の位置出し部材は、ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されたパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、前記パンケーキコイルの内周面側に面接触する接触部材と、前記接触部材に取り付けられるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧部材と、前記押圧部材を支える前記ステージ上に配置された保持部材と、により構成されている押圧機構を備え、前記押圧機構により前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整することを特徴とするものである。
また、本願に開示される第二の位置出し部材は、ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されるとともにパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、前記パンケーキコイルの内周面側に面接触されるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧機構を備え、前記パンケーキコイルは、第1のパンケーキコイルと第2のパンケーキコイルとのユニットにより構成されるとともに、前記押圧機構により前記第1のパンケーキコイル及び前記第2のパンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるようにそれぞれ独立して調整されることを特徴とするものである。
また、本願に開示される第三の位置出し部材は、ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されたパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、前記パンケーキコイルの内周面側に面接触されるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧機構を備え、前記位置出し部材の熱収縮率が、前記パンケーキコイルの熱収縮率よりも小さく、かつ前記押圧機構により前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整することを特徴とするものである。
また、本願に開示される超電導マグネットは、前記位置出し部材を用いて複数の前記パンケーキコイルが積層されて製造されたことを特徴とするものである。
さらに、本願に開示される超電導マグネットの製造方法は、超電導マグネットを構成する超電導線を巻回したパンケーキコイルをステージ上に載置する工程と、前記ステージに備えられた距離計により前記ステージの予め決められた位置と前記パンケーキコイルの中心軸との距離を計測する工程と、前記ステージに備えられた押圧機構を有する複数の位置出し部材を前記パンケーキコイルの内周面側に面接触させる工程と、前記押圧機構により前記パンケーキコイルの前記内周面側から径方向に押圧して、前記距離に基づいて前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本願の位置出し部材によれば、超電導マグネットの製造時に、超電導マグネットを構成する各パンケーキコイルのそれぞれの内周面側に加える押圧を独立して調整することにより、個々のパンケーキコイルの内径寸法が異なっている場合においても、励磁中のパンケーキコイルの変位を抑えることができ、超電導マグネット装置の超電導線材の超電導特性の劣化を防ぐことが可能となるという効果がある。
実施の形態1に係る位置出し部材を使用した超電導マグネット装置の全体を示す概略断面図である。 図1の超電導マグネット部分を示す概略斜視図である。 図1のA-A’線に沿ったパンケーキコイル及び位置出し部材を示す概略平面図である。 図3のB-B’線に沿った超電導マグネット及び位置出し部材を示す断面図である。 実施の形態2に係るパンケーキコイルと距離計の位置との関係を示す概略平面図である。 実施の形態3における超電導マグネットの製造方法のフローチャートを示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る位置出し部材を使用した超電導マグネット装置の全体を示す概略断面図であり、図2は、図1に示した超電導マグネット部分を示す概略斜視図であり、図3は、図1のA-A’線に沿ったパンケーキコイル及び位置出し部材を示す概略平面図であり、また、図4は、図3のB-B’線に沿った超電導マグネット及び位置出し部材を示す断面図である。
まず、図1を用いて、実施の形態1に係る超電導マグネット装置10の全体構成について、説明する。超電導マグネット装置10は、パンケーキコイル2と、積層された複数のパンケーキコイル2からなる超電導マグネット1と、超電導マグネット1が載置されるステージ9と、ステージ9に配置されパンケーキコイル2の位置出しを行う位置出し部材3と、超電導マグネット1を冷却する冷凍機6と、超電導マグネット1の熱輻射を遮蔽する輻射シールド槽7と、超電導マグネット1を収納するとともに低温を保持するクライオスタット8と、を備えている。
クライオスタット8の下部には、冷凍機6が取り付けられており、この冷凍機6は、第1の冷却部61と第2の冷却部62とを備え、一般的に、第1の冷却部61は、数十K、第2の冷却部62は数Kの温度に冷却される。第1の冷却部61は、輻射シールド槽7と熱的に接続されている。また、第2の冷却部62は、ステージ9とは熱的に接続され、それを介して、超電導マグネット1を冷却する。超電導マグネット1を載置するステージ9の材料としては、無酸素銅、あるいは高純度アルミニウムを始めとする良熱伝導体が好ましい。なお、図1には、記載されていないが、実際には、これらの他に電流を通電するためのリード線、電圧及び温度を計測するセンサのための計測線が設置される。なお、クライオスタット8の内部は、外気からの熱の侵入を少なくするため、真空状態に保持されている。
図2は、超電導マグネット1及び位置出し部材3を示す概略斜視図であり、図3は、図1のA-A’線に沿ったパンケーキコイル2及び位置出し部材3を示す概略平面図である。図2及び図3に示すように、位置出し部材3が、超電導線材が巻回されたパンケーキコイル2の内周面に沿って、複数配置されている。パンケーキコイル2は、その中心軸5が、ステージ9の予め決められた位置4に来るように調整され、固定される。
図3は、パンケーキコイル2の中心軸5の位置がステージ9の予め決められた位置4に調整される前の状態を表している。図2及び図3では、位置出し部材3の個数が、3個である場合について示されており、各々の位置出し部材3により、パンケーキコイル2に加えられる押圧を調整することで、パンケーキコイル2の位置が一義的に決められ、固定される。なお、上図においては、位置出し部材3の個数が、3個である場合について示されているが、それ以外の個数の場合であっても構わない。また、この実施の形態の図2及び図3では、ステージ9の形状が円盤状である場合を例に示しているが他の形状であっても構わない。
図4は、図3のB-B’線に沿った断面図である。第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22とでコイルユニットが構成され、コイルユニットが複数段積層されて超電導マグネット1が構成されている。コイルユニット間には、電気的絶縁のために絶縁紙23が挿入されている。第1のパンケーキコイル21は、第1の押圧部材31及び保持部材33により内周面側から径方向に向かって押圧され、第1のパンケーキコイル21の中心軸51がステージ9の予め決められた位置4に来るように調整されて、ステージ9に固定される。また、第2のパンケーキコイル22も同様に、第2の押圧部材32及び保持部材33により内周面側から径方向に向かって押圧され、第2のパンケーキコイル22の中心軸52がステージ9の予め決められた位置4に来るように調整されて、ステージ9に固定される。
なお、図4では、第1の押圧部材31は、第1の接触部材311と第1の押圧部材312とにより構成され、第2の押圧部材32は、第2の接触部材321と第2の押圧部材322とにより構成されている。図3に示すように、第1の接触部材311が、第1のパンケーキコイル21の内周面側と良好な接触状態を保つよう、また、同様に、第2の接触部材321が、第2のパンケーキコイル22の内周面側と良好な接触状態を保つよう、それぞれ位置出し部材3のパンケーキコイル2と接触する面の断面が半円柱型であることが好ましい。ただし、第1のパンケーキコイル21、第2のパンケーキコイル22の内周面側から径方向に押圧できる機構であれば、その構造は問わない。
また、第1の押圧部材312と保持部材33との接続部においては、例えば、図4に示すように、第1の押圧部材312は棒状の形状を有し、側面に螺旋溝(雄ネジ)が形成されており、また、保持部材33には螺旋溝が形成された孔(雌ネジ)を有し、第1の押圧部材312の螺旋溝と保持部材33の螺旋溝とは互いに螺嵌関係を有する構造を持っている。第1のパンケーキコイル21の位置決めは、第1の押圧部材312を回転させることにより第1の接触部材311を介して第1のパンケーキコイル21を押圧し、第1のパンケーキコイル21の中心軸51がステージ9の予め決められた位置4に来るように調整することにより行う。3つの位置出し部材3において、上記操作をそれぞれ実施することにより、最終的に第1のパンケーキコイル21の位置決めを行って固定する。第2の押圧部材322と保持部材33との接続部の関係においても同様である。
なお、第1の押圧部材312及び第2の押圧部材322には、第1の接触部材311及び第1の接触部材321との反対側の尾部には、ドライバの先端形状に合わせて回転させるためのマイナス溝、プラス溝あるいは六角レンチのための六角穴が必要に応じて設けられている。また、位置出し部材3では、位置決め調整のみを行って、固定は他の部材で行うことであってもよい。
位置出し部材3の熱収縮率は、第1のパンケーキコイル21、及び第2のパンケーキコイル22の冷却時における熱収縮率よりも小さいことが好ましい。また、第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22とは、超電導線材、あるいは銅線により電気的に接続されている。位置出し部材3を構成する材料としては、非磁性体であればよく、上記条件を満たせば、その材質は問わない。
上記構造によれば、超電導マグネットの製造時に各パンケーキコイルの内径寸法に誤差がある場合においても、各パンケーキコイルの内面側部分と位置出し部材の接触部材とが密着することで、例えば、励磁中の電磁力、あるいは冷却時の熱応力が加わる環境においても、第1のパンケーキコイルおよび第2のパンケーキコイルの各々の変位を抑制することができる。それにより、第1のパンケーキコイルと第2のパンケーキコイルとが電気的に繋がれている接続部に機械的応力が加わることを抑制することができる。これにより、接続部及び接続部付近の第1のパンケーキコイル、あるいは第2のパンケーキコイルを構成する超電導線材に加わる機械的応力を抑制することができ、結果として、超電導特性の劣化の低減を実現することができる。
また、超電導マグネットにおいて、設計した磁場との誤差を少なくするためには、ステージの所定の位置と各々のパンケーキコイルの中心軸とを揃える必要がある。位置出し部材は、パンケーキコイルをコイル内周面側から径方向に押圧する機構を備えており、図2の紙面水平方向の位置を調節することが可能である。この機構により、ステージの予め決められた位置と各々のパンケーキコイルの中心軸とを一致させることができる。
したがって、本構造によれば超電導特性の劣化がなく、かつ、設計磁場と実際に形成される磁場との差異が小さい超電導マグネットを提供することができる。
このように、本実施の形態1に係る位置出し部材を使用して製造された超電導マグネットによれば、パンケーキコイルの位置出し部材により、超電導マグネットを構成する各々のパンケーキコイルのそれぞれの内周面側に加える押圧力を独立して調整することにより、個々のパンケーキコイルの内径寸法が異なっている場合においても、励磁中のパンケーキコイルの変位を抑えることができ、超電導線材の超電導特性の劣化を抑制することが可能となるという顕著な効果がある。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る超電導マグネットを構成するパンケーキコイルと距離計との関係を示す概略平面図である。距離計11以外については、実施の形態1の図3と同様であるので説明を省略する。なお、図5では、位置出し部材3は省略されている。
実施の形態1で述べたように、超電導マグネット1において、設計した磁場との誤差を少くするためには、ステージ9の予め決められた位置4と、パンケーキコイル2の中心軸5とを一致させて、パンケーキコイル2を正確な位置に固定する必要がある。
超電導マグネット1が載置されるステージ9の予め決められた位置4に対するパンケーキコイル2の中心軸5の位置を計測するために、実施の形態2では、ステージ9の予め決められた位置4上に設置された距離計11を用いて計測する。距離計11により、ステージ9の予め決められた位置4とパンケーキコイル2の内周面までの距離が計測され、パンケーキコイル2の中心軸5の位置を特定する。ここで、パンケーキコイル2の中心軸5の位置を一義的に正確に特定するためには、計測点を3点以上とすることが望ましい。
次に、ステージ9の予め決められた位置4と計測されたパンケーキコイル2の内径までの距離に基づいて、パンケーキコイル2の中心軸5をステージ9の予め決められた位置と一致させるよう、ステージ9に設けられた位置出し部材3にて、パンケーキコイル2の位置を調整、固定する。
距離計11によるステージ9の予め決められた位置4を基準とするパンケーキコイル2の中心軸5の位置を正確に特定するためには、例えば、レーザ変位計による非接触の計測が望ましい。あるいはステージ9の予め決められた位置4を基準として、そこからパンケーキコイル2の内周面までの距離を定規で直接計測する方法を採用しても構わない。また、上記説明では、距離計11をステージ9の予め決められた位置4上に設置する場合について説明したが、ステージ9の予め決められた位置4上以外の場所に設置した場合においても、予め設置された距離計11の位置とステージ9の予め決められた位置4との関係が分かれば、補正することにより距離を計測することが可能である。
このように、本実施の形態2に係る位置出し部材を使用して製造された超電導マグネットによれば、距離計によりパンケーキコイルの中心軸線の位置を正確に算出し、位置出し部材により、ステージの予め決められた位置に合わせてパンケーキコイルを正確な位置に固定することにより、設計した磁場との誤差を少くすることができ、超電導線材の超電導特性の劣化を抑制することが可能となるという顕著な効果がある。
実施の形態3.
図6は、実施の形態3に係る超電導マグネットの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。超電導マグネット装置10及びその構成については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図1から図5を参照しながら、超電導マグネット1の製造方法についてフローチャートを用いて説明する。ここでは、パンケーキコイル2が第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22のユニットで構成されている場合について説明する。
まず、ステップS01の工程では、第1のパンケーキコイル21をステージ9に載置する。
次に、ステップS02の工程では、第1のパンケーキコイル21の内周面から求めたパンケーキコイル21の中心軸5とステージ9の予め決められた位置4との距離をステージ9の予め決められた位置に配置されたレーザ変位計により計測する。
続いて、ステップS03の工程では、第1のパンケーキコイル21の中心軸5をステージ9の予め決められた位置4に合わせる。
さらに、ステップS04の工程では、位置決め部材3を使用して、予め決められたステージの位置4に第1のパンケーキコイル21の中心軸を合わせた状態で、第1のパンケーキコイル21を内周面側から径方向に押圧し、第1のパンケーキコイル21の位置を調整し、固定する。
ステップS04の工程では、第1のパンケーキコイル21のステップS01の工程と同様に、第2のパンケーキコイル22をステージ9に載置する。ここで、第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22とを電気的に絶縁するため、絶縁紙23を第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22の間に挿入してもよい。また、第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22との間の伝熱を良好にするため、第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22との間に、無酸素銅、高純度アルミニウムといった良熱伝導体、グリス、あるいは樹脂他を挿入することが望ましい。
続いて、ステップS05の工程では、第2のパンケーキコイル22を第1のパンケーキコイル21の上に積層して載置する。
次に、ステップS06の工程では、第1のパンケーキコイル21の内周面から求めたパンケーキコイル21の中心軸5とステージ9の予め決められた位置4との距離をステージ9の予め決められた位置に配置されたレーザ変位計により計測する。
続いて、ステップS07の工程では、第1のパンケーキコイル21の中心軸5をステージ9の予め決められた位置4に合わせる。
さらに、ステップS08の工程では、位置決め部材3を使用して、予め決められたステージの位置4に第2のパンケーキコイル22の中心軸52を合わせた状態で、第2のパンケーキコイル22を内周面側から径方向に押圧し、第2のパンケーキコイル22の位置を調整し、固定する。
また、上記、第1のパンケーキコイル及び第2のパンケーキコイルの位置がそれぞれ独立して順次調整された後に、図4の第1のパンケーキコイル21と第2のパンケーキコイル22を電気的に接続するための、接続部を設けることが望ましい。
ここでは、ステージ9上にパンケーキコイル21を設置することを想定しているが、必ずしもステージ9の有無には拘らない。また、実施の形態2で説明したように、距離計測にレーザ変位計を用いる場合について説明したが他の方法であってもよい。また、位置決め部材3により第1のパンケーキコイル21の位置の調整に併せて、固定も行う場合について説明したが、実施の形態2で説明したように、第1のパンケーキコイル21の最終的な固定を別の部材、手段により行ってもよい。第2のパンケーキコイル22についても同様である。
このように、本実施の形態3に係る超電導マグネットの製造方法によれば、各々のパンケーキコイルが位置出し部材に接触し、固定されているため、励磁時及び冷却時におけるパンケーキコイルの変位を抑制することができるため、超電導線材の超電導特性の劣化を抑制することができるとともに、各々のパンケーキコイルの中心軸線を一致させることができるため、設計磁場に対する実際の磁場の差異が小さい超電導マグネットを提供できるという顕著な効果がある。
なお、上記実施の形態に係る位置出し部材を用いて製造した超電導マグネット装置においては、複数の実施の形態を例に挙げて説明した。また、上記実施の形態では、超電導マグネットを構成する超電導線材として高アスペクト比を有する主に酸化物系超電導線材を用いる場合を例に挙げて説明したが、酸化物系超電導線材に限られるものではない。
また、本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 超電導マグネット、2 パンケーキコイル、21 第1のパンケーキコイル、22 第2のパンケーキコイル、3 位置出し部材、31 第1の押圧部材、32 第2の押圧部材、33 保持部材、311 第1の接触部材、312 第1の押圧部材、321 第2の接触部材、322 第2の押圧部材、4 予め決められたステージの位置、5 パンケーキコイルの中心軸,51 第1のパンケーキコイルの中心軸,52 第2のパンケーキコイルの中心軸、6 冷凍機、7 輻射シールド槽、8 クライオスタット、9 ステージ、10 超電導マグネット装置、11 距離計、23 絶縁紙、61 第1の冷却部、62 第2の冷却部。

Claims (11)

  1. ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されたパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、
    前記パンケーキコイルの内周面側に面接触する接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧部材と、
    前記押圧部材を支える前記ステージ上に配置された保持部材と、により構成されている押圧機構を備え、
    前記押圧機構により前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整することを特徴とする位置出し部材。
  2. 前記押圧部材は棒状の形状を有すると共に側面には螺旋溝が形成され、また前記保持部材には螺旋溝を有する孔が形成されており、前記押圧部材の螺旋溝と前記保持部材の螺旋溝とは互いに螺嵌関係にあり、
    前記押圧部材を回転させることで、前記接触部材を介して前記パンケーキコイルを押圧することを特徴とする請求項に記載の位置出し部材。
  3. ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されるとともにパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、
    前記パンケーキコイルの内周面側に面接触されるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧機構を備え、
    前記パンケーキコイルは、第1のパンケーキコイルと第2のパンケーキコイルとのユニットにより構成されるとともに、前記押圧機構により前記第1のパンケーキコイル及び前記第2のパンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるようにそれぞれ独立して調整されることを特徴とする位置出し部材。
  4. ステージ上に載置された超電導マグネットを構成する超電導線が巻回されたパンケーキコイルの位置を調整するために、前記パンケーキコイルの内側に設けられるとともに前記ステージ上に配置された位置出し部材であって、
    前記パンケーキコイルの内周面側に面接触されるとともに、前記パンケーキコイルの径方向に押圧する押圧機構を備え、
    前記位置出し部材の熱収縮率が、前記パンケーキコイルの熱収縮率よりも小さく、かつ前記押圧機構により前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整することを特徴とする位置出し部材。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の前記位置出し部材を用いて複数の前記パンケーキコイルが積層されて製造されたことを特徴とする超電導マグネット。
  6. 前記ステージ上に前記パンケーキコイルの内側に距離計が配置されるとともに、前記距離計を用いて前記ステージの予め決められた位置と前記パンケーキコイルの中心軸との距離を計測することにより製造されたことを特徴とする請求項に記載の超電導マグネット。
  7. 超電導マグネットを構成する超電導線を巻回したパンケーキコイルをステージ上に載置する工程と、
    前記ステージに備えられた距離計により前記ステージの予め決められた位置と前記パンケーキコイルの中心軸との距離を計測する工程と、
    前記ステージに備えられた押圧機構を有する複数の位置出し部材を前記パンケーキコイルの内周面側に面接触させる工程と、
    前記押圧機構により前記パンケーキコイルの前記内周面側から径方向に押圧して、前記距離に基づいて前記パンケーキコイルの中心軸を前記ステージの予め決められた位置に合わせるように前記パンケーキコイルの位置を調整する工程と、
    を備えたことを特徴とする超電導マグネットの製造方法。
  8. 前記押圧機構は、
    前記パンケーキコイルの前記内周面側に面接触する接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられるとともに、前記パンケーキコイルを押圧する押圧部材と、
    前記押圧部材を支える前記ステージ上に配置された保持部材と、により構成されていることを特徴とする請求項に記載の超電導マグネットの製造方法。
  9. 前記押圧部材は棒状の形状を有すると共に側面には螺旋溝が形成され、また前記保持部材には螺旋溝を有する孔が形成されており、前記押圧部材の螺旋溝と前記保持部材の螺旋溝とは互いに螺嵌関係にあり、
    前記押圧部材を回転させることで、前記接触部材を介して前記パンケーキコイルを押圧することを特徴とする請求項に記載の超電導マグネットの製造方法。
  10. 前記パンケーキコイルが、第1のパンケーキコイルと第2のパンケーキコイルとのユニットにより構成され、前記第1のパンケーキコイル及び前記第2のパンケーキコイルの位置がそれぞれ独立して順次調整されることを特徴とする請求項に記載の超電導マグネットの製造方法。
  11. 前記位置出し部材の熱収縮率が、前記パンケーキコイルの熱収縮率よりも小さいことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の超電導マグネットの製造方法。
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