以下、本発明に係る圧入方法や圧入装置及び圧入治具の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態では、ガソリン仕様の直列4気筒の内燃機関の機械圧縮比を可変にする可変圧縮比機構(VCR)のアクチュエータに適用したものである。
図1は本発明が適用される可変圧縮比機構を模式的に記載した概略図、図2は実施形態の可変圧縮比機構のアクチュエータを示す平面図、図3は本実施形態に供されるアクチュエータを分解して示す斜視図、図4は図2のA-A線断面図である。
図1に示す可変圧縮比機構は、前記従来技術として掲げた特許第6232501号公報に記載されているものと基本的に同じであるから簡単に説明する。
内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復運動するピストン1のピストンピン2に上端が回転自在の連結されたアッパリンク3と、クランクシャフト4のクランクピン4aに回転自在に連結されたロアリンク5と、を備えている。ロアリンク5は、アッパリンク3の下端が連結ピン6を介して回転自在に連結されていると共に、第1制御リンク7の上端部が連結ピン8を介して回転自在に連結されている。
第1制御リンク7は、下端部が複数のリンク部材によって構成された連結機構9に連結されている。この連結機構9は、第1制御軸10と第1部材である第2制御軸11及びこの両者10,11を連結する第2制御リンク12(第1部材の一部)と、を備えている。
第1制御軸10は、クランクシャフト4と平行に機関内部を気筒列方向に延びており、機関本体に回転自在に支持される第1ジャーナル部10aと、各気筒の第1制御リンク7の下端部が回転自在に取り付けられる複数の制御偏心軸部10bと、第2制御リンク12の一端部12aが回転自在に取り付けられた偏心軸部10cと、を備えている。
制御偏心軸部10bは、第1アーム部10dを介して第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置に設けられている。同じく偏心軸部10cは、第2アーム部10eを介して第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置に設けられている。
第2制御軸11は、後述するハウジング20内に複数のジャーナル部を介して回転自在に支持されている。また、第2制御軸11は、第2制御リンク12の他端部12bに回転自在に取り付けられたアームリンク13(第1部材の他の一部)が連結固定されている。
第2制御リンク12は、図2及び図3に示すように、一端部12a側が他端部12b側よりも肉厚が薄いレバー状に形成されている。第2制御リンク12は、偏心軸部10cに連結された一端部12aがほぼ直線状に形成されている一方、他端部12bは、ほぼ湾曲状に折曲形成されている。一端部12aの先端部には、偏心軸部10cが回動可能に挿通される挿通孔12cが貫通形成されている。他端部12bは、先端部12dがアームリンク13の後述する二股部13b、13bの間の隙間に挟持状態に保持されている。また。他端部12bは、先端部12dに有するピン孔12eに挿入された連結ピン14を介してアームリンク13に回転可能に連結されている。
図5は本実施形態に供されるアームリンクを示し、Aは側面図、Bは正面図である。
アームリンク13は、図3及び図5A,Bに示すように、第2制御軸11とは分離して形成され、例えば鉄系金属材などによって側面からみて大小径の達磨形状に形成されている。また、アームリンク13は、大径側の中実部13a(図5Bの網掛け部)と、大径側と小径側に連続して形成された一対の二股部13b、13bと、を有している。
中実部13aは、二股部13b、13bに比べて剛性が高くなっている。そして、この中実部13aのほぼ中央には、第2制御軸11の前後の各ジャーナル部の間に形成された圧入軸部が圧入される圧入固定部である圧入用孔13cが貫通形成されている。
二股部13b、13bは、両者間の空間部の幅が第2制御リンク12の他端部12bが挿入可能な大きさに設定されている。また、二股部13b、13bは、連結ピン14が圧入固定される2つの連結用孔13d、13dがそれぞれ同軸状に貫通成されている。この連結用孔13d、13dは、軸心(連結ピン14)が圧入用孔13cを介して第2制御軸11の軸心から径方向へ所定量偏心している。
第2制御軸11は、アクチュエータの一部である減速機21を介して駆動モータ22から伝達された回転力によって回転位置が変更されるようになっている。これによって、第2制御リンク12を介して第1制御軸10が回転して第1制御リンク7の下端部の位置が移動する。これにより、ロアリンク5の姿勢が変化することによってピストン1のストローク特性の変化に伴って機関圧縮比が変化するようになっている。
アクチュエータは、図2~図4に示すように、第2制御軸11と、第2制御軸11を内部に回転自在に支持するハウジング20と、ハウジング20の後端側内部に設けられた減速機21と、減速機21の後端側に取り付けられた駆動モータ22と、から主として構成されている。これらの構造は、前述した従来の技術と同じであるから簡単に説明する。
第2制御軸11は、軸部本体23と、軸部本体23の後端部に一体に設けられた固定用フランジ24と、を有している。軸部本体23は、軸方向に段差径状に形成され、先端部側の小径な第1ジャーナル部23aと、アームリンク13の圧入用孔13cに第1ジャーナル部23a側から圧入される中央部側の中径な圧入軸部23bと、固定用フランジ24側の大径な第2ジャーナル部23cと、を有している。圧入軸部23bと第2ジャーナル部23cの間には、第1段差縁23dが形成されていると共に、第1ジャーナル部23aと圧入軸部23bとの間には、第2段差縁23eが形成されている。
第1段差縁23dは、圧入軸部23bをアームリンク13の圧入用孔13cに第1ジャーナル部23a側から圧入した際に、圧入用孔13cの一方側孔縁に軸方向から当接する。一方、第2段差縁23eは、軸部本体23を支持孔30内に挿通した際に、該支持孔30の後述する段差孔縁30cに当接する。これによって、軸部本体23は、軸方向のそれ以上の移動が規制されるようになっている。
固定用フランジ24は、外周部の円周方向の等間隔位置に形成された複数(本実施形態では6つ)のボルト挿通孔24aを有しており、この各ボルト挿通孔24aを挿通した6本のボルト25によってスラストプレート26を介して減速機21の第1サーキュラスプライン27に結合されている。
また、固定用フランジ24は、内周部に円環状の第1軸受支持部24bが突設されている。この第1軸受支持部24bは、内周側に第1支持溝24cが形成されている。
ハウジング20は、アルミニウム合金材によって全体がほぼ立方体状に形成されたハウジング本体28と、ハウジング本体28の後端側の内部に有する第2開口部である第1収容室28aの一端開口を閉塞するカバー29と、によって構成されている。
第1収容室28aは、ハウジング本体28の減速機21側の第2面である後端面28eのほぼ中央に大径円環溝状に形成されている。
ハウジング本体28は、第1収容室28a(第2開口部の一部)よりも内部前方位置に、横方向に沿って形成された第2収容室28b(第1開口部)が設けられている。第1収容室28aの底面から内部軸方向には、第2制御軸11の軸部本体23を挿通配置させる第2開口部の他の一部を構成する支持孔30が形成されている。この支持孔30は、第1収容室28aの底面から第2収容室28bに対して直交する方向へ延びてハウジング本体28内を貫通している。
ハウジング本体28の平坦な前端面28cのほぼ中央位置には、支持孔30の軸心と同心状の円環状の溝部28dが形成されている。
また、支持孔30の先端から軸方向に延長された保持孔31内には、第2制御軸11の回転角度位置を検出する角度センサ32が収容配置されている。
カバー29は、ハウジング本体28と同じくアルミニウム合金材によって形成され、中央にモータ軸挿通孔29aが貫通形成されている。
カバー29の外周面には、径方向へ突設した4つのボス部29bに挿通した4本のボルト43によってハウジング本体28に固定されている。
また、このカバー29は、第1収容室28a側の内端面の内周部に円環状の第2軸受支持部29cが突設されている。また、内端面の外周部には、後述する第2サーキュラスプライン38を結合するボルト41が螺着される6つの雌ねじ孔を有している。また、カバー29の後端には、複数のボルト49によってモータケーシング45が結合されている。
第2収容室28bは、連結ピン14による第2制御リンク12の他端部12bとアームリンク13との連結部位を収容配置するものである。したがって、第2収容室28bは、第2制御リンク12やアームリンク13の自由な揺動を確保するスペースになっている。また、幅長さは、第2制御リンク12の他端部12bの幅よりも僅かに大きく形成されて作動時のガタを抑制している。
支持孔30は、内周面の外径が第2制御軸11の軸部本体23の外径に合わせて段差径状に形成されており、第1ジャーナル部23aが軸受けされる小径な第1軸受孔30aと、第2収容室28bに開口した部位と、第2ジャーナル部23cが軸受けされる大径な第2軸受孔30bと、から構成されている。
第1軸受孔30aの第2収容室28bに臨む段差孔縁30cは、軸部本体23を支持孔30に挿入した際に、第2段差縁23eが軸方向から当接してそれ以上の挿入を規制するようになっている。
角度センサ32は、図2及び図3に示すように、保持孔31の内周面に圧入固定されたキャップ状のセンサーカバー32aと、該センサーカバー32aの内周側に配置された角度検出用のロータ32bと、センサーカバー32aの中央に設けられて、ロータ32bの回転位置を検出するセンサ部32cと、から主として構成されている。センサ部32cは、検出された信号を、機関運転状態を検出する図外のコントロールユニットに出力するようになっている。ロータ32bは、先端突起部32dが軸部本体23の先端側の固定用孔に圧入固定されている。
センサーカバー32aは、2本のボルト34によってセンサ部32cと一緒にハウジング本体28の前端面28cに取り付けられている。
また、ハウジング本体28の内部には、図4及び後述する圧入工程を示す図9に示すように、支持孔30の開口方向に沿って、つまり、前端面28cから支持孔30の軸方向に沿って直線状の複数(本実施形態では4つ)の治具挿入孔66a,66b,66c、66dが貫通形成されている。各治具挿入孔66a~66dは、それぞれが同一かつ均一径に設定され、横断面形状が円形状に形成されている。4本の治具挿入孔のうち3つの治具挿入孔66a~66cは、支持孔30の軸心を中心とした軸対称位置に設けられている。つまり、各治具挿入孔66a~66cは、円形状の溝部28dの外周縁に径方向から跨った位置でかつ円周方向等間隔位置に形成されている。また、他の一つの治具挿入孔66dは、1つの治具挿入孔66cから径方向外側の位置に形成されている。
それぞれの先端部は、図4では2つの治具挿入孔66a、66cのみを示しているが、それぞれが第2収容室28bに開口している。
これら4つの治具挿入孔66a~66dは、後述するように、第2制御軸11の圧入軸部23bをアームリンク13の圧入用孔13cに圧入する際に、複数(本実施形態では6本)の支持治具である支持ピンのうち4本が挿入されるものである。
減速機21は、図3及び図4に示すように、波動歯車型であって、各構成部品がカバー29によって閉塞されたハウジング本体28の第1収容室28a内に収容されている。すなわち、固定用フランジ24にボルト固定され、内周に複数の内歯27aが形成された円環状の第1サーキュラスプライン27と、該第1サーキュアスプライン27の内側に配置されて、外周面に各内歯27aに噛合する複数の外歯36aを有する外歯車であるフレックススプライン36と、楕円形状に形成された外周面が前記フレックススプライン36の内周面の一部に沿って摺動する波動発生器であるウエーブジェネレータ37と、第1サーキュアスプライン27の軸方向一側に配置されて、内周面に前記フレックススプライン36の各外歯36aに噛合する内歯38aが形成された第2サーキュラスプライン38と、から主として構成されている。
フレックススプライン36は、金属材によって撓み変形可能な薄肉円筒状に形成されて、各外歯36aの歯数が第1サーキュラスプライン27の各内歯27aの歯数よりも一つだけ少なくなっている。
ウエーブジェネレータ37は、ほぼ円環状に形成されて中央に形成された貫通孔37aの内周面に複数の内歯37bが形成されている。このウエーブジェネレータ37の楕円状の外周面が、フレックススプライン36の平面状の内周面に摺接するようになっている。
ウエーブジェネレータ37は、内周部の内側、つまり貫通孔37aの軸方向の前後孔縁にそれぞれ円筒状の突起部が一体に形成されている。そして、各突起部と固定用フランジ24の第1支持溝及びカバー29の第2支持溝との間にそれぞれ配置された前後2つのボールベアリング39、40によってウエーブジェネレータ37全体が回転自在に支持されている。
第2サーキュラスプライン38は、複数(本実施形態では6本)のボルト41によってカバー29の内端部に第2スラストプレート42を介して固定されている。また、この第2サーキュラスプライン38の各内歯38aは、歯数がフレックススプライン36の外歯36aと同じ数になっている。したがって、第1サーキュラスプライン27の各内歯27aの歯数よりも一つだけ少なく設定されている。このような歯数の差によって減速比が決定されるようになっている。
駆動モータ22は、ブラシレスの電動モータであって、有底円筒状のモータケーシング45の内周面に固定された筒状のコイル46と、該コイル46の内側に回転自在に設けられた磁石ロータ47と、一端部48aが磁石ロータ47の軸中央に固定されたモータ軸48と、から主として構成されている。
モータケーシング45は、前端外周に形成された複数(本実施形態では4つ)のボス部に挿通する4つのボルト49によってカバー29の後端部にOリング50を介して取り付けられている。また、モータケーシング45の外周には、コントロールユニットから制御電流を入力するコネクタ部44が一体に設けられている。
磁石ロータ47は、外周に正極と負極の磁極が周方向へ交互に配置されていると共に、軸中央に前記モータ軸48の一端部48aが圧入固定される固定用孔47aが貫通形成されている。
モータ軸48は、磁石ロータ47の一端面から突出した一端部48aと他端部48bがそれぞれボールベアリング52、53によって軸受けされている。また、他端部48bの先端部外周面には、ウエーブジェネレータ37の内歯37bが噛合する外歯48cが形成されている。
モータ軸48の軸方向ほぼ中央位置には、該モータ軸48の回転角度を検出するレゾルバ55が配置されている。
〔圧入装置及び圧入治具〕
図6は本実施形態に供されるスライダー板と一対の板部材を示す拡大平面図、図7は本実施形態に供される各板部材でアームリンクを位置決め保持した状態を示す拡大平面図、図8は支持機構に2枚の板部材を介してアームリンクが支持された状態で第2制御軸を圧入する状態を示す概略図である。
また、図9~図11は第2制御軸の圧入工程を示す側面図であって、図9はハウジング本体を下降させて各治具挿入孔に各支持ピンを挿入する状態を示す概略図、図10は各治具挿入孔に各支持ピンを挿入した後、ハウジング本体内にガイド機構を介してアームリンクと第2制御リンクを挿入配置すると共に、第2制御軸をアームリンクに圧入しようする状態を示す概略図、図11は第2制御軸をアームリンクの圧入用孔に圧入すると共に、ガイド機構を後退移動させた状態を示す概略図である。
図12~図15は第2制御軸の圧入工程を示す平面図であって、図12は支持機構の各支持ピンにハウジング本体の各治具挿入孔を挿入した状態の概略図、図13はガイド機構によってアームリンクをハウジング本体内に収容した状態を示す概略図、図14はアームリンクに第2制御軸を圧入した後に、ガイド機構を後退移動した状態を示す概略図、図15はガイド機構をさらに後退移動させた状態を示す概略図である。
ハウジング本体28の支持孔30と第2収容室28b内において、第2制御軸11とアームリンク13を組み付けるには、図9~図15に示す圧入装置が用いられる。
圧入装置は、作業基台70上に設けられて、ハウジング本体28を介してアームリンク13などを下方から支持する支持機構71と、第2収容室28bの内部にアームリンク13を挿入案内するガイド機構72と、第2収容室28bの内部に収容されたアームリンク13の圧入用孔13cに第2制御軸11の圧入軸部23bを上方から圧入する押圧機構73と、を備えている。
支持機構71は、作業基台70の上面に固定された支持基板75と、この支持基板75の上面に突設された複数(本実施形態では6本)の支持治具である支持ピン76a~76fと、から構成されている。
支持基板75は、鉄系金属材によって楕円プレート状に形成されている。
6本の支持ピン76a~76fは、例えば鉄系金属材によってそれぞれが丸棒状に形成されて、支持基板75の上面から垂直方向へ立ち上がっていると共に、それぞれの配置が規定されている。つまり、3本の支持ピン76a~76cは、図12に示すように、3つの治具挿入孔66a~66cの形成位置に対応して支持孔30の軸心Pを中心とした軸対称位置(周方向等間隔位置)に設けられている。また、これらから離れた1本の支持ピン76dは、1つの治具挿入孔66dの形成位置に対応した位置に設けられている。
したがって、これら4本の支持ピン76a~76dは、3つの治具挿入孔66a~66cと、1つの治具挿入孔66dに挿入、離脱可能になっている。
また、第2支持治具である他の2つの支持ピン76e、76fは、ハウジング本体28より外側のハウジング本体28外面の近傍に配置されている。
各支持ピン76a~76fは、外径がそれぞれ均一に設定されて、少なくとも各治具挿入孔66a~66dに挿入可能な大きさに設定されている。また、各支持ピン76a~76fは、その軸方向の長さがほぼ同一に設定されている。軸対称位置にある3本の支持ピン76a~76cと他の1本の支持ピン76dは、支持基板75の上面にハウジング本体28の前端面28cが当接した際に、各先端部が各治具挿入孔66a~66dの先端開口から突出して第2収容室28b内に臨むように配置されるようになっている。なお、4本の支持ピン76a~76dの各治具挿入孔66a~66dからの突出量は、約0.5mm程度に設定されている。この突出量は、実施形態によって任意に変更できる。
また、3本の支持ピン76a~76cは、対応する3つの治具挿入孔66a~66cを挿入しつつ後述する2つの板部材78、79を介してアームリンク13の一側面の投影3箇所を支持するようになっている。つまり各支持ピン76a~76cは、アームリンク13一側面の中実部13a付近の圧入用孔13cの孔縁部周囲の投影3箇所を支持するようになっている。
そして、6本の支持ピン76a~76fは、後述するアームリンク13に第2制御軸11を圧入する際に、先端部の平坦な先端面で2枚の板部材78、79の下面所定位置を当接支持するようになっている。
ガイド機構72は、図6、図7及び図9、図12に示すように作業基台70の上方位置で第2収容室28b側へ水平方向からスライド移動可能なガイド板77と、このガイド板77の先端側に設けられて、主としてアームリンク13を支持する一対の第1、第2板部材78,79と、ガイド板77の後端側に設けられて、予めアームリンク13と連結された第2制御リンク12の一端部12aを載置支持する支持部80と、ガイド板77を各支持ピン76a~76f方向へ進退可能に移動させる図外の駆動機構と、を有している。
ガイド板77は、例えば鉄系金属板をほぼL字形状に形成されて、スライド移動方向へ延びた拡幅部77aと、拡幅部77aの後端側に一体に有し、スライド移動方向とほぼ直角方向に延びた狭幅部77bと、を有してしている。拡幅部77aは、先端部の上面に各板部材78,79が配置されている。狭幅部77bは、長手方向のほぼ中央位置の上面に支持部80が例えば、溶接、ボルトあるいはリベットなどによって固定されている。
第1、第2板部材78,79は、図6及び図7に示すように、それぞれが例えば鉄系金属の平板によって互いに鋏み形状に形成されている。
図6の左側の第1板部材78は、上下2枚の板78a、78bを複数のリベット81によって重なり合った状態で結合されている。また、この第1板部材78は、結合された2枚の板78a、78bの基部側が例えば複数(本実施形態では2つ)のボルト82によってガイド板77の上面に固定されている。この固定手段としては、ボルト以外に溶接やリベットなど他の手段でも良い。
上側の板78aはほぼL字形状に形成されて、先端部の内側にほぼL字円弧状の切欠部78cが形成されて先細り状になっている。一方、下側の板78bは、上側の板78aに対して長手方向及び横方向にずれて配置されている。このずれた配置によって、両板78a、78bの間には、アームリンク13の中実部13aの一側部形状に倣った位置決め部である第1段差部83が形成されている。
この第1段差部83は、下側の板78bにアームリンク13の二股部13bの一方の外側面の一部と中実部13aの一側部の下面を載置支持している。また、上側の板78aの切欠部78cの先端部が、中実部13aの一側面に横方向から当接支持している。これによって、アームリンク13の一側部を位置決めしつつ保持するようになっている。また、下側の板78bは、先端部にほぼU字形状の溝部78dが切欠形成されている。この溝部78dは、アームリンク13をハウジング本体28(第2収容室28b)内セットする際に、連結ピン14の外方へ突出した軸方向の一端部を摺動案内するものである。また、U字形の溝部78dの底部側には、第2収容室28b内にセットされた連結ピン14の一端部の一端面を載置支持する一段低い載置部78eが一体に設けられている。連結ピン14の一端部が載置部68eに載置支持されることによってアームリンク13が第1板部材78に位置決めされるようになっている。
図6の右側の第2板部材79は、同じく上下2枚の板79a、79bを重ねて配置され、互いの矩形状の基部が例えば複数(本実施形態では4つ)のリベット81によって重なり合った状態で結合されている。
上側の板79aは、先端部の内側に中実部13aの他側面を支持する円弧部79cが切り欠かれている。下側の板79bは、矩形状の先端部が上側の板79aの先端部よりも長く延びて円弧部79cとの間に位置決め部である第2段差部84が形成されている。この第2段差部84は、露出した下側の板79bの先端部にアームリンク13の中実部13aの他側部下面が載置支持する。上側の板79aの円弧部79cの先端部が、中実部13aの他側面に横方向から当接支持している。これによって、アームリンク13の他側部を位置決めしつつ保持するようになっている。
したがって、アームリンク13は、2枚の板部材78,79に位置決めされつつ載置支持されるようになっている。
また、第2板部材79は、基部側に設けられた揺動支点である支軸85を中心に第1板部材78に対して揺動(開閉)可能になっている。つまり、第2板部材79の先端部が、第1板部材78の先端部に対して鋏のように左右方向へ開閉可能に設けられている。
また、第2板部材79は、図6などに示すように、各基部の後端部内側に設けられた弾性部材である一対のコイルスプリング86a、86bによって先端部が閉方向に付勢されている。各コイルスプリング86a、86bは、各一端部がボックス状のスプリングリテーナ87の内部に弾性支持され、各他端部が第2板部材79の基部の内側部に弾性支持されている。
したがって、第1、第2板部材78,79は、図7に示すように、各段差部83,84に載置されたアームリンク13の中実部13aを各コイルスプリング86a、86bのばね力によって挟み込む。これによって、アームリンク13は、連結ピン14を介して第2制御リンク12の他端部12bと共に位置決めされつつ各段差部83,84上に弾性力を介して保持されるようになっている。なお、この状態では、各板部材78,79の各先端部の一部は、アームリンク13の二股部13b、13bの間の空間部に内に入り込んでいる。
また、第1、第2板部材78,79は、ガイド機構72によってアームリンク13と一緒に第2収容室28b内にセットされた状態では、それぞれの下面の所定位置が第1~第6支持ピン76a~76fの各先端部の平坦な先端面に当接支持されるようになっている。
また、第2板部材79は、基部側に設けられた長孔状の角度調整孔88と、該角度調整孔88を介して第2板部材79の開閉角度位置を規定する調整ボルト89と、によって、その開閉角度が任意に調整可能になっている。
なお、第1、第2板部材78、79は、第1、第2段差部83,84を確保するためにそれぞれ2枚の板を用いているが、それぞれ1枚の板で構成して、各段差部83,84を切削加工などによって成形することも可能である。
支持部80は、両板部材78,79側の端部に第2制御リンク12の一端部12aの先端側の一部を載置保持する円弧状溝80aを有している。
駆動機構は、例えば電動モータや減速機構などによって構成されている。なお、駆動機構を、油圧モータや油圧シリンダによって構成することも可能である。
押圧機構73は、図8及び図10に示すように、軸部本体23を上方からハウジング本体28内のアームリンク13の圧入用孔13c方向(白抜き矢印方向)に向かって押し下げるほぼ円筒状の押圧部90と、該押圧部90を下方へ荷重を加える図外の押圧駆動部と、を有している。
押圧部90は、図中下端側の外周に固定用フランジ24を上方から押圧するフランジ部90aを一体に有している。
押圧駆動部は、例えば油圧シリンダによって構成され、この油圧シリンダが図外の電子コントローラによって所定の圧入荷重を算出して押圧部に伝達するようになっている。
〔アームリンクに対する第2制御軸の圧入方法〕
以下では、ハウジング本体28の第2収容室28b内においてアームリンク13の圧入用孔13cに対して第2制御軸11の圧入軸部23bを圧入する方法について説明する。
まず、図9に示すように、予め作業基台70上の所定位置に、支持機構71を、第1~第6支持ピン76a~76fを上方へ向けた状態で支持基板75を介して載置固定しておく。
また、この時点では、アームリンク13は、図9及び図12に示すように、予め連結ピン14によって第2制御リンク12の他端部12bと連結された状態になっている。また、このアームリンク13と第2制御リンク12の他端部12bは、ガイド機構72の第1、第2板部材78,79上に位置決めされながら載置保持されている。
すなわち、図7にも示すように、アームリンク13と第2制御リンク12の他端部12bを、第2板部材79が各コイルスプリング86a、86bのばね力に抗して僅かに開いた状態で、第1、第2段差部83,84の上面に載置する。そうすると、第2板部材79が、各コイルスプリング86a、86bのばね復帰力で閉方向に戻されて、第1板部材78と協働して中実部13aを挟み込む状態になる。これにより、アームリンク13は、第1、第2板部材78,79の各段差部83,84の上面に位置決めされつつ安定に載置保持される。
また、この時点では、第2制御リンク12の一端部12aが、支持部80の円弧状溝80aに載置支持されている。
その後、図9及び図10、図12に示すように、ハウジング本体28を、前端面28cを下側に向けた状態で下降移動させる。このハウジング本体28が下降移動する際には、4つの支持ピン76a~76dに対して、対応する4つの治具挿入孔66a~66dを位置決めしつつそれぞれの下側開口から各支持ピン76a~76dを挿入する。さらにハウジング本体28を下降させて支持基板75の上面にハウジング本体28の前端面28cが当接するまで各支持ピン76a~76dを挿入する(第1工程)。
そして、この状態では、4本の支持ピン76a~76dの各先端部が、第2収容室28b内に突出した状態になる。また、他の2本の支持ピン76e、76fは、ハウジング本体28の外面よりも外側で立ち上がった状態になっている。
次に、図12に示すように、ガイド板77を、駆動機構によって第2収容室28b(白抜き矢印)方向へ水平にスライド移動させる。これによって、アームリンク13と第2制御リンク12の他端部12bが、第1、第2板部材78,79と一緒に第2収容室28b内に横方向から挿入されて、設定位置でスライド移動を停止させる。
そうすると、第1、第2板部材78,79は、各下面が6本の支持ピン76a~76fの各先端部の先端面に適正な位置で当接して、これら各支持ピン76a~76fに下方から支持された状態になる。
次に、図10、図13に示すように、押圧機構73によって第2制御軸11の軸部本体23を、アームリンク13の圧入用孔13cに先端部(第1ジャーナル部23a)側から挿通する。そして、圧入軸部23bの外周面が、圧入用孔13cに軸方向から圧入されて、第1段差縁23dが一方側孔縁に突き当たるまで押圧する(第2工程)。
このとき、第2制御軸11の圧入荷重F(矢印方向の荷重)は、アームリンク13と第1、第2板部材78,79を介して6本全部の支持ピン76a~76fの各先端面で受けられる。
この圧入荷重は、圧入用孔13cの近傍の3本の支持ピン76a~76cに最も多く掛かるが、他の支持ピン76d~76fによって第1、第2板部材78,79全体で受けることになる。このため、アームリンク13の一側面に対してほぼ均一に作用する。
その後、図11,図14及び図15に示すように、駆動機構によってガイド板77を徐々に白抜き矢印方向へ後退移動させると、第1、第2板部材78,79が、ガイド板77と一緒にアームリンク13と第2制御リンク12から離れて徐々に元の位置に移動する。
このとき、第2板部材79の円弧部79cが、アームリンク13の中実部13aの凸状の他側面に摺動しながら後退する。このため、第2板部材79に開方向の力が加わり、各コイルスプリング86a、86bのばね力に抗して一旦、自動的に開方向へ揺動する。したがって、両板部材78,79は、中実部13aの外周面との摺動抵抗を低減しつつガイド板77の後退移動を可能にする。
続いて、第2板部材79の円弧部79cが中実部13aから離れると、第2板部材79は、各コイルスプリング86a、86bのばね力によって今度は自動的に閉方向へ揺動する。
また、同時に、第2制御リンク12の一端部12aも、支持部80の円弧状溝80aから徐々に離れて行く。
その後、ハウジング本体28を、第2制御軸11とアームリンク13が連結された状態で引き上げて支持機構71から取り外す。つまり、4本の支持ピン76a~76dが、4つの治具挿入孔66a~66dから引き抜かれながらハウジング本体28を支持機構71から取り外す(第3工程)。
これによって、アームリンク13に対する第2制御軸11の一連の圧入作業が完了する。
以上のように、本実施形態にあっては、第2制御軸11とアームリンク13とを分割形成して、軸部本体23に対して第2収容室28b内でアームリンク13を連結するようにした。このため、両者23,13を一体に形成した場合のように、ハウジング本体28のモータ軸挿通孔30の内径を、アームリンク13を挿通させるために大きく形成する必要がなく、また、ハウジング本体28を上下に分割する必要が全くない。
したがって、ハウジング20全体の大型化が抑制されて、該ハウジング20の小型化と軽量化を図ることができる。この結果、可変圧縮比機構の機関への搭載性が向上する。
また、第2制御軸11とアームリンク13とを別体とすることによって、アームリンク13の長さの自由度が向上して、第2収容室28bの大きさに応じて長く設定することができる。このため、第2制御リンク12から第2制御軸11側への逆入力荷重を低減することが可能になる。これによって、減速機21や駆動モータ22の負荷を軽減させることができる。
また、本実施形態では、ハウジング本体28内でのアームリンク13に対する第2制御軸11の圧入を、各支持ピン76a~76fとアームリンク13との間に第1、第2板部材79を介在させて行う。
これによって、前記従来技術のように、押圧機構73による押圧荷重(圧入荷重F)の反力を、各支持ピン76a~76fからアームリンク13が直接受けるのではなく、第1、第2板部材78,79が直接受ける。このため、アームリンク13は、局部的な集中応力の発生が回避できる。
換言すれば、押圧機構73の圧入荷重Fによる各支持ピン76a~76fの反対方向の荷重を、第1、第2板部材79で受けることによって、アームリンク13に対する圧入荷重を分散させることができる。これによって、各支持ピン76a~76fからアームリンク13に対する局部的な集中応力を回避できる。この結果、アームリンク13の塑性変形などの発生を抑制できる。
特に、本実施形態では、6本の支持ピン76a~76fを用いてアームリンク13側のみではなく、このアームリンク13から離れた各板部材78,79の下面を広く支持した。これによって、前述したアームリンク13に対する圧入荷重をさらに効果的に分散することが可能になる。したがって、アームリンク13に対する局部的な集中応力の発生を十分に回避できる。
また、軸対称位置に配置された3本の支持ピン76a~76cは、両板部材78,79を介してアームリンク13の中実部13a付近の一側面を支持するようになっている。このため、3本の支持ピン76a~76cから各板部材78,79を介して受ける圧入荷重Fは、剛性の高い中実部13a付近に作用するので、アームリンク13の塑性変形の発生をさらに効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、アームリンク13などを、移動位置精度の高いガイド機構72を用いて第2収容室28bへ収容するので、第2収容室28b内への位置決め精度が向上する。
また、アームリンク13などが第2収容室28bに収容された状態では、第1、第2板部材78、79の一部がハウジング本体28(第2収容室28b)の外側に位置している。しかし、これら外部に位置する部位には、他の2本の支持ピン76e、76fの先端面が当接支持されている。したがって、6本の支持ピン76a~76f全体の特異な配置構成によって各板部材78、79をバランス良く当接支持できると共に、平面度が出しやすくなる。この結果、前記圧入時の各板部材78,79やアームリンク13の傾きを十分に抑制することが可能になる。
また、アームリンク13は、第1、第2板部材79を介して3本の支持ピン76a~76cで圧入用孔13cを中心とした軸対称位置、つまり、投影3箇所の位置で支持されている。このため、アームリンク13は、前述した圧入荷重Fが作用してもいずれの方向からの傾きを抑制することが可能になる。
第1、第2板部材78,79は、前述のように、アームリンク13への第2制御軸11の圧入作業が完了すると、開閉作動を利用してガイド板77によってアームリンク13から離れる方向へ移動可能になっている。したがって、一部の支持ピン76e、76fを、アームリンク13の投影位置から離れた位置にも設置することができる。
アームリンク13に対する第2制御軸11の圧入時には、アームリンク13を、ガイド機構72を介して水平に移動させるだけで第2収容室28b側へ進出させることができる。このため、圧入作業が容易になり、作業効率の向上とコストの低減化が図れる。
アームリンク13は、第1、第2板部材78,79に対して第1、第2段差部83,84を介して安定かつ確実に位置決めすることができる。これにより、第2制御軸11の圧入作業の精度が高くなる。また、アームリンク13の位置決めを簡単な構造で構成することができる。
また、アームリンク13は、第1、第2板部材78、79で各コイルスプリング86a、86bの弾性力で挟み込まれることにより自動的に位置決めされることから、この位置決め作業が容易になる。
さらに、アームリンク13に対する第2制御軸11の圧入作業は、ハウジング本体28に設けられた4本の治具挿入孔66a~66dに各支持ピン76a~76dを挿入、離脱させることによって行う。このため、これら一連の圧入作業が容易になり、圧入作業能率の向上が図れる。
本発明の圧入方法や圧入装置は、本実施形態の可変圧縮比機構のアクチュエータばかりか、他の機器類にも適用することが可能である。
また、前記実施形態では、各支持ピン76a~76fを6本としているが、これに限定されるものではなく、例えば6本以下あるいは6本以上設けることも可能である。また、各支持ピンの配置も任意に設定できる。
さらに、第1、第2板部材78,79は、第2板部材79が支軸85を支点として開閉可能になっているが、第2板部材79を固定して第1板部材78を開閉可能とすることも可能である。また、両方とも支軸を介して開閉可能とすることもできる。
また、第1、第2板部材、78、79は、それぞれ上下2枚の板によって構成しているが、それぞれ一枚の板部材によって構成することも可能である。
さらに、第2板部材79を閉方向へ付勢する弾性部材としては、コイルスプリング86a、86bの以外のばね部材、例えば、捩りコイルばねなどであってもよい。
以上説明した実施形態に基づく圧入方法、圧入装置及び圧入治具としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、本発明における好ましい態様としては、単体の部材からなり、第1開口部が設けられた第1面と、前記第1面に対して角度が異なり、第2開口部が設けられた第2面と、前記第2開口部の開口方向に対して対向して設けられた複数の治具挿入孔と、を有し、前記第1開口部と前記第2開口部及び前記治具挿入孔が内部で連通するハウジングと、
前記第1開口部内に挿入され、前記ハウジング内に位置する箇所に圧入固定部が設けられた第1部材と、
第2開口部内に挿入され、前記第1部材の圧入固定部に圧入固定される第2部材と、を備え、
前記第1部材の前記圧入固定部に前記第2部材を圧入固定する圧入方法であって、
前記各治具挿入孔に複数の支持治具を挿入すると共に、板部材の一側面に配置された前記第1部材を前記第1開口部内に挿入して、前記板部材の他側面を前記各支持治具の先端に配置する工程と、
前記第2部材を前記第2開口部内に挿入し、前記第1部材の前記圧入固定部に前記第2部材を圧入する工程と、
前記板部材を前記第1開口部から取り出して、前記各治具挿入孔から前記各支持治具を退出させる工程と、を有している。
さらに好ましくは、前記板部材が第1部材とともに前記第1開口部内に挿入された際に、前記板部材の一部が前記ハウジングの外側に位置し、前記板部材の前記ハウジングの外側に位置する前記一部の部位の他側面が、前記各支持治具以外の他の複数の第2支持治具の先端で支持されるようになっている。
さらに好ましくは、前記各支持治具は、前記板部材を挟んだ前記第1部材の投影部3箇所を当接支持している。
さらに好ましくは、前記各第2支持治具は、前記板部材の前記ハウジングの外側に位置する部位の他側面の3箇所を当接支持している。
さらに好ましくは、前記板部材は、複数の部材によって構成され、前記複数の板部材は、前記第1部材の前記圧入固定部に前記第2部材を圧入した後に、互いに開方向へ離間可能になっている。
さらに好ましくは、前記複数の板部材は、弾性部材によって互いに閉方向へ付勢されるように構成され、前記複数の板部材を前記第1開口部から取り出す際に、前記複数の板部材の内端部が前記第2部材と当接することによって前記弾性部材の付勢力に抗して互いに開方向へ移動するようになっている。
さらに好ましくは、前記複数の板部材は、2つの第1板部材と第2板部材によって構成され、前記第2板部材は、揺動支点を中心に前記第1板部材に対して開閉可能になっている。
さらに好ましくは、前記第1部材は、前記圧入固定部とリンクピンを有する第1リンクと、前記第1リンクの前記リンクピンを中心として揺動可能に設けられた第2リンクとから構成され、
前記板部材には、前記リンクピンの側面と当接可能な凹部が設けられ、前記板部材に前記第1部材が配置される際に、前記リンクピンが前記凹部に当接することで第1部材が位置決めされるようになっている。
さらに好ましくは、前記板部材には、前記第1リンクの側面を位置決め可能な位置決め部が設けられている。
さらに好ましくは、前記位置決め部は、前記第1リンクの外周面形状に倣った段差部によって構成されている。
さらに好ましくは、前記板部材は、第1板部材と第2板部材によって構成され、
前記第2板部材は、揺動支点を中心に前記第1板部材に対して開閉方向へ揺動可能になっており、
前記段差部は、前記第1板部材と第2板部材の両方に設けられ、
前記第1リンクは、前記第1リンクの外周面が前記第1板部材に設けられた前記段差部と、前記第2板部材に設けられた前記段差部によって挟み込まれることによって位置決めされるようになっている。
前記第1部材は、前記圧入固定部とリンクピンを有する第1リンクと、前記リンクピンを中心に揺動可能に設けられた第2リンクと、から構成され、
前記第1リンクの前記リンクピンが設けられる位置は、部分的に二股構造になっており、
少なくとも1つの前記支持治具は、前記二股構造の部分を除く部位の投影面に先端の少なくとも一部が位置するようになっている。
別の好ましい態様としては、単体の部材からなり、第1開口部が設けられた第1面と、前記第1面に対して角度が異なり、第2開口部が設けられた第2面と、前記第2開口部の開口方向に対して対向して設けられた複数の治具挿入孔と、を有し、前記第1開口部と前記第2開口部及び前記治具挿入孔が内部で連通するハウジングと、
前記第1開口部内に挿入され、前記ハウジング内に位置する箇所に圧入固定部が設けられた第1部材と、
第2開口部内に挿入され、前記第1部材の圧入固定部に圧入固定される第2部材と、を備え、
前記第1部材の前記圧入固定部に前記第2部材を圧入固定する圧入装置であって、
前記ハウジングの複数の前記治具挿入孔のそれぞれに挿入可能な複数の支持治具と、
前記第1開口部内に挿入され、前記各支持治具と前記第1部材との間に介在可能な板部材と、
前記第2部材を第1部材の圧入固定部に向けて荷重を加える押圧部と、を備えている。
別の好ましい態様としては、単体の部材からなり、第1開口部が設けられた第1面と、前記第1面に対して角度が異なり、第2開口部が設けられた第2面と、前記第2開口部の開口方向に対して対向して設けられた複数の治具挿入孔と、を有し、前記第1開口部と前記第2開口部及び前記治具挿入孔が内部で連通するハウジングと、
前記第1開口部内に挿入され、前記ハウジング内に位置する箇所に圧入固定部が設けられた第1部材と、
第2開口部内に挿入され、前記第1部材の圧入固定部に圧入固定される第2部材と、を備え、
前記第1部材の前記圧入固定部に前記第2部材を圧入固定する際に用いられる圧入治具であって、
前記ハウジングの前記複数の前記治具挿入孔のそれぞれに挿入可能な複数の支持治具と、
前記第1開口部内に挿入され、前記複数の支持治具と前記第1部材との間に介在される板部材と、
を備えている。