JP7097662B2 - 線材巻き取り治具並びにそれを用いた巻線装置及び巻線方法 - Google Patents

線材巻き取り治具並びにそれを用いた巻線装置及び巻線方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱融着性の線材を巻回する線材巻き取り治具並びにそれを用いた巻線装置及び巻線方法に関するものである。
従来、携帯電話機のような小型装置に用いられるスピーカにあっては、長円形又は長方形の形状を成す小型のものが好んで用いられている。このようなコイルの製造方法として、熱活性型の絶縁皮膜を有する熱融着性線材を用い、その線材を絶縁皮膜の溶融温度で加熱しながら巻き取り治具に巻回する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、線材を巻回した後に加熱を停止し、自然空冷により冷却して巻回された線材を互いに融着させることにより、巻回された線材から成るコイルの型崩れを防止し、そのような型崩れを防止した状態で巻き取り治具からそのコイルを取り外すとしている。そして、この線材の加熱は、熱風発生器の熱風吹き出し口からコイルに熱風を吹き付けることが例示されている。
特開2013-55227号公報
しかし、近年において、上述したように、熱融着性線材を巻回してコイルを製造する技術は、小型のコイルのみに限られず、普通サイズのコイル又は比較的大きなコイルの製造においても行われるようになった。
このような普通サイズのコイル又は比較的大きなコイルの製造にあっては、得られたコイルそれ自体の熱容量は増加することになる。また、その線材が巻回される巻き取り治具も比較的大きなものとなり、変形を防止するために巻き取り治具を金属製のものとすると、熱容量が更に増大して、そこに巻回された線材の冷却を自然空冷に委ねると、比較的長い冷却時間が必要とされる不具合が生じる。そして、この冷却時間の延長は、コイルの製造時間を延長させる不具合となる。
また、線材が実際に巻回される芯材が回転体の端面から突出して設けられ、その芯材の突出端を対向回転体の端面に接触させ、その回転体の端面及び対向回転体の端面が線材の巻幅方向を制限するような巻き取り治具において、その芯材に線材を巻回するような場合には、線材がその中心軸方向の両側から金属から成る回転体及び対向回転体により挟まれることに成る。
そして、芯材に線材を渦巻き状に巻回するような、中心軸方向の厚さが小さなコイルを製造しようとする場合には、回転体及び対向回転体が接近することになる。すると、その間に存在することになる芯材に巻き付けられる線材に熱風を吹き付けることが困難となり、線材の加熱が不十分になるおそれがある。
また、仮に、その間の線材に熱風が吹き付けられたとしても、線材が接触する回転体の端面及び対向回転体の端面の温度が線材の絶縁皮膜の溶融温度に達していない場合には、その絶縁被膜が溶融せずに線材を隣接する線材に接着することができない不具合も生じさせる。
本発明の目的は、巻回される熱融着性線材を確実に加熱すると共に、その冷却速度を早め得る線材巻き取り治具並びにそれを用いた巻線装置及び巻線方法を提供することにある。
本発明は、端面から回転軸に沿って芯材が突出して設けられた回転体を備える線材巻き取り治具の改良である。
その特徴ある構成は、回転体の外周に端部が開口するエア流通流路が芯材近傍の回転体に形成されたところにある。
回転体が、芯材が設けられた端面部材と、端面部材が端面に取付けられた回転本体とを備える場合、エア流通流路が、端面部材と回転本体の重合面のいずれか一方又は双方に形成された凹溝から成ることが好ましく、その凹溝が、芯材を包囲する円環状流路と、円環状流路から回転体の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路とを備えることもできる。そして、この凹溝に進入して、凹溝の長手方向に延びる凸条を端面部材に形成することもできる。
この線材巻き取り治具が、回転体の芯材が設けられた端面に端面が対向する対向回転体を更に備える場合、対向回転体の外周に端部が開口するエア流通流路を芯材近傍の対向回転体に形成することが好ましい。
この対向回転体が、芯材が当接する対向端面部材と、対向端面部材が端面に取付けられた対向回転本体とを備える場合、エア流通流路が、対向端面部材と対向回転本体の重合面のいずれか一方又は双方に形成された対向凹溝から成ることが好ましく、その対向凹溝が、対向端面部材に当接する芯材を包囲する円環状流路と、円環状流路から対向回転体の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路とを備えることができる。そして、この対向凹溝に進入して、対向凹溝の長手方向に延びる凸条を対向端面部材に形成することもできる。
また、別の本発明は、上記の線材巻き取り治具を用いた巻線装置であって、回転体とその回転体と同軸に設けられた対向回転体を同期して回転させて回転体と対向回転体の間の芯材に熱融着性線材を巻回させる治具回転手段と、熱風吹き出し口から熱風を吹き出し可能な熱風発生器と、熱風吹き出し口が回転体及び対向回転体のエア流通流路に対向する加熱位置とエア流通流路から離間する待避位置との間で熱風吹き出し口を移動させる熱風吹き出し口移動手段と、冷風吹き出し口から冷風を吹き出し可能な冷風発生器と、冷風吹き出し口が回転体及び対向回転体のエア流通流路に対向する冷却位置とエア流通流路から離間する待避位置との間で冷風吹き出し口を移動させる冷風吹き出し口移動手段とを備える巻線装置である。
更に別の本発明は、上記の線材巻き取り治具を用いた線材の巻線方法であって、回転体と対向回転体の間の芯材に熱融着性線材を、熱融着性線材の表面融着材を溶融させつつ巻回する巻回工程と、回転体のエア流通流路及び対向回転体のエア流通流路のいずれか一方又は双方に冷風を流通させて回転体の芯材が設けられた端面及び芯材が当接する対向回転体の端面のいずれか一方又は双方を冷却して溶融した表面融着材を固化させて巻回された熱融着性線材を互いに接着させる冷却工程と、を有する線材の巻線方法である。
この巻線方法では、巻回工程の前に、回転体のエア流通流路及び対向回転体のエア流通流路のいずれか一方又は双方に熱風を流通させて回転体の芯材が設けられた端面及び芯材が当接する対向回転体の端面のいずれか一方又は双方を加熱する加熱工程を行うこともできる。
本発明では、端面に線材を当接させて線材の巻幅を制限する回転体に、又は、その回転体と共に線材を挟む対向回転体の双方の芯材近傍にエア流路を形成したので、そのエア流路に熱風を流通させれば、線材が巻回される芯材や、その線材の巻幅を制限する回転体や対向回転体の端面の温度を容易に上昇させることができ、逆に、そのエア流路に冷風を流通させれば、線材が巻回される芯材や、その線材の巻幅を制限する回転体や対向回転体の端面の温度を容易に低下させることができる。
このため、芯材に巻回される線材を確実に加熱して、その絶縁被膜を溶融させることが可能となり、巻線後であれば、その冷却を促進して、冷却時間の短縮による製造効率を向上させることが可能となる。
本発明実施形態の線材巻き取り治具を示す斜視図である。 その回転体の分解斜視図である。 その対向回転体の分解斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 その芯材に線材が渦巻き状に巻回されて冷却する状態を示す斜視図である。 その芯材を加熱しつつ線材を渦巻き状に巻回する状態を示す図5に対応する斜視図である。 その芯材に形成された線材用凹溝に線材を挿通させた状態を示す図5に対応する斜視図である。 その回転体及び対向回転体を加熱する状態を示す図5に対応する斜視図である。 その巻取り治具を用いた巻線装置の上面図である。 その巻線装置の正面図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図5に、本発明の線材巻き取り治具20に線材11が巻回されて、その線材11から成るコイル10が得られた状態を示す。このコイル10は、線材11を渦巻き状に巻回したものであって、この実施の形態における線材11は、断面が方形を成し、熱活性型の絶縁被膜、即ち熱により融着する絶縁被膜を有する熱融着性線材(いわゆるセメントワイヤー)が使用される場合を示す。この渦巻き状に巻回された線材11から成るコイル10の巻初めの線材端部11aはコイル10の中央に存在し、巻終わりの線材端部11bが外周の接線方向に延びて引き出されたものを示す。
図1に示すように、このようなコイル10を得る本発明の線材巻き取り治具20は、端面から回転軸Cに沿って線材11を巻取る芯材21が突出して設けられた回転体26と、その回転体26と同軸であって、芯材21に対向する端面が芯材21の突出端に当接する対向回転体36とを備える。そして、この回転体26及び対向回転体36には、それらの外周に端部が開口するエア流通流路29,39がそれぞれ形成される。
回転体26は、芯材21が設けられた端面部材27と、その端面部材27が端面に取付けられた回転本体28と、回転本体28と一体的に他の端面から回転軸Cに沿って突出して設けられた回転部材31と、その回転部材31の突出端に設けられたフランジ部材32とを備える。
芯材21は端面部材27に一体的に形成された突起であって、線材11の厚さA(図5)に略等しい突出量Pを有し、外周形状は得ようとするコイル10の内周形状に等しく形成される。この実施の形態では、円形渦巻き状のコイル10を製造する場合を示し、芯材21の外周形状はその得ようとするコイル10の内周形状である円形を成して形成される。
図2に示す様に、エア流通流路は、その端面部材27により覆われる回転本体28の端面に形成された凹溝29から成る。これにより、回転体26におけるエア流通流路は、芯材21の近傍に形成される。
回転本体28に形成される凹溝29は、芯材21を包囲する円環状流路29aと、その円環状流路29aから回転体26の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路29b,29cとを備える。この実施の形態では、芯材21は円形を成すので、円環状流路29aの内径d1はその芯材21の外径SD(図1)と略等しく、その外径D1は得ようとするコイル10の外径CD(図5)より大きく成るように形成される。
直径方向流路29b,29cは、円環状流路29aの直径方向の両側にそれぞれ形成され、一方の直径方向流路29bから進入したエアは円環状流路29aを180度流通した後に他方の直径方向流路29cから流出するように形成される。
芯材21が設けられた端面部材27は、凹溝29が形成された回転本体28の端面に重合し、その状態で図示しないネジによりネジ止めされて固定される。回転本体28の端面に形成された凹溝29は、これにより端面部材27により覆われてエア流路を形成し、端面部材27の厚さt1を薄くすることにより、この凹溝29から成るエア流通流路は、端面部材27に形成された芯材21の近傍に形成されることになる。
図1に示す様に、芯材21には、コイル10の巻初め線材11が挿通するための線材用溝22が直径方向に延びて形成される。この線材用溝22は、線材11を挿通させるために、その幅Wは線材11の幅B(図5)より僅かに広く形成される。
また、図4に示すように、回転体26には、その線材用溝22に収容された線材11を切断可能なカッタ刃24を収容するカッタ用孔23が回転軸Cに平行に延びて端面部材27及び回転本体28の双方を連通するように形成される。カッタ用孔23は線材用溝22を横断するよう様に形成され、回転本体28には外周からカッタ用孔23に達する横孔28aが形成される。
そのカッタ用孔23には、刃先24aが線材用溝22に突出するようにカッタ刃24が出没可能に収容される。このカッタ刃24の横孔28aに位置する部位にはコイルスプリング19が嵌入され、その横孔28aに位置する基端には操作片18が取付けられる。そして、コイルスプリング19は操作片18を端面部材27から遠ざける方向に付勢して、その操作片18が設けられたカッタ刃24の刃先24aをカッタ用孔23に没入させるように構成される。
そして、フランジ部材32には、このような回転体26を後述する巻線装置50に取付けるための取付孔32aが形成される。
一方、図1に示すように、対向回転体36は、芯材21が対向する対向端面部材37と、その対向端面部材37が端面に取付けられた対向回転本体38と、対向回転本体38と一体的に他の端面から回転軸Cに沿って突出して設けられた対向回転部材41と、その対向回転部材41の突出端に設けられた対向フランジ部材42とを備える。
図3に示すように、エア流通流路は、その対向端面部材37により覆われる対向回転本体38の端面に形成された対向凹溝39から成る。これにより、対向回転体36におけるエア流通流路は、対向端面部材37が対向する芯材21の近傍に形成される。
対向回転本体38に形成される対向凹溝39は、回転体26におけるエア流通流路と同様に、芯材21を包囲する対向円環状流路39aと、その対向円環状流路39aから対向回転体36の直径方向外周に向かって形成された対向直径方向流路39b,39cとを備える。この実施の形態における対向円環状流路39aは、回転体26における円環状流路29aと同様に、その内径d2はその芯材21の外径SD(図1)と略等しく、その外径D2は得ようとするコイル10の外径CD(図5)より大きく成るように形成される。
対向直径方向流路39b,39cは、対向円環状流路39aの両側にそれぞれ形成され、一方の対向直径方向流路39bから進入したエアは対向円環状流路39aを180度流通した後に他方の対向直径方向流路39cから流出するように形成される。
芯材21に対向することになる対向端面部材37は、対向凹溝39が形成された対向回転本体38の端面に重合し、その状態でネジ止めにより固定される。対向回転本体38の端面に形成された対向凹溝39は、これにより対向端面部材37により覆われてエア流路を形成し、対向端面部材37の厚さt2を薄くすることにより、この対向凹溝39から成るエア流通流路は、対向端面部材37が対向することになる芯材21の近傍に形成されることになる。
そして、対向フランジ部材42には、このような対向回転体36を後述する巻線装置50に取付けるための取付孔42aが形成される。
次に、このような巻き取り治具を備えた巻線装置を説明する。
図9及び図10に、この実施の形態における巻線装置50を示す。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平横方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、巻線装置50の構成を説明する。
この巻線装置50は、回転体26が端縁に同軸に取付けられる第一スピンドル52と、対向回転体36が端縁に同軸取付けられる第二スピンドル62とを有する。この実施の形態における第一及び第二スピンドル52,62は、それぞれ断面円形の棒状部材である。
基台51には第一支持壁53が立設され、第一スピンドル23はY軸方向に伸びてこの第一支持壁53に回転可能に設けられる。第一支持壁53には第一スピンドル52を回転させるサーボモータ54が取付けられる。
第一スピンドル52及びサーボモータ54の回転軸54aにはそれぞれプーリ55a,55bが設けられ、それらのプーリ55a,55bにベルト55cが架設される。これによりサーボモータ54は、駆動してその回転軸54aが回転すると、ベルト55cを介してその回転が第一スピンドル52に伝達され、これにより第一スピンドル52を回転させるように構成される。
基台51には、第一支持壁53とY軸方向に所定の間隔を空けて第二及び第三支持壁56,57がその第一支持壁53に平行に立設され、この第二及び第三支持壁56,57に第二スピンドル62が第一スピンドル52と同軸にY軸方向に伸びて長手方向に移動可能に架設される。
第三支持壁57には第二スピンドル62を回転させるサーボモータ58が取付けられる。第二スピンドル62及びサーボモータ58の回転軸58aにはそれぞれプーリ59a,59bが設けられ、それらのプーリ59a,59bにベルト59cが架設される。第二スピンドル62に設けられるプーリ59bはその第二スピンドル62の長手方向に移動可能であって、第三支持壁57に設けられる。これによりサーボモータ58が駆動してその回転軸58aが回転すると、ベルト59cを介してその回転が第二スピンドル62に伝達され、これにより第二スピンドル62を回転可能に構成される。
第一及び第二スピンドル52,62の対向端にはフランジ部52a,62aがそれぞれ形成され、回転体26のフランジ部材32は、その取付孔32aに挿通されたネジ46により第一スピンドル52のフランジ部52aにネジ止めされ、対向回転体36の対向フランジ部材42は、その取付孔42aに挿通されたネジ46により第二スピンドル62のフランジ部62aにネジ止めされる。このようにして、線材巻き取り治具20を構成する回転体26及び対向回転体36は、これらのフランジ部52a,62aに同軸に取り付けられる。
これにより第一スピンドル52を回転させるサーボモータ54は、その第一スピンドル52とともに回転体26を回転させるように構成され、第二スピンドル62を回転させるサーボモータ64は、その第二スピンドル62とともに対向回転体36を回転可能に構成される。そして、回転体26を回転させるサーボモータ54と対向回転体36を回転させるサーボモータ58は、回転体26及び対向回転体36を同期して回転可能な巻線装置50における治具回転手段となり、このサーボモータ54,48を含む治具回転手段は、その回転体26と対向回転体36の間の芯材21に熱融着性線材11を巻回させるものとなる。
また、この巻線装置50には、第一スピンドル52に対して第二スピンドル62を軸方向に移動させて、対向回転体36を回転体26に離接させる間隔可変機構61が備えられる。
この実施の形態における間隔可変機構61は、第二及び第三支持壁56,57に第二スピンドル62に平行になるように架設されたボールネジ63と、そのボールネジ63を回転させるサーボモータ64と、そのボールネジ63に螺合してY軸方向に移動する可動台65とを有する。
そして、第二スピンドル62が、その可動台65に軸方向に移動不能であってかつ回転可能に取付けられる。これにより、サーボモータ64が駆動してボールネジ63が回転し、可動台65がY軸方向に移動すると、その可動台65とともに第二スピンドル62も軸方向となるY軸方向に移動する。
第二スピンドル62がその軸方向であるY軸方向に移動すると、第一スピンドル52は移動しないので、その第一及び第二スピンドル52,62の対向部分に設けられた巻き取り治具である回転体26及び対向回転体36の間隔を変更可能に構成される。
また、この巻線装置50は、熱風吹き出し口71aから熱風を吹き出し可能な熱風発生器71と、その熱風吹き出し口71aが回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39に対向する加熱位置とエア流通流路29,39から離間する待避位置との間で熱風吹き出し口71aを移動させる吹き出し口移動手段72とを備える。
具体的に、回転体26及び対向回転体36の間において、その回転軸に直交する方向における基台51に、ノズル状の熱風吹き出し口71aを有する熱風発生器71が設けられる。この熱風発生器71は、Y軸方向に所定の間隔を開けてX軸方向に延びる2本のレール73,73を介して基台51にX軸方向に移動可能に設けられる。
また、この実施の形態における吹き出し口移動手段は、この基台51に設けられた流体圧シリンダ72である。具体的には、その熱風発生器71を移動させる手段である流体圧シリンダ72が2本のレール73,73に平行にX軸方向に延びて設けられ、流体圧シリンダ72の出没ロッド72aが熱風発生器71に取付けられる。
そして、流体圧シリンダ72の出没ロッド72aを突出させて、熱風発生器71を回転体26及び対向回転体36に近づけるように移動させると、ノズル状の熱風吹き出し口71aの吹き出し端が回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39に対向する加熱位置にその熱風発生器71を位置させるように構成される。
その一方、流体圧シリンダ72がその出没ロッド72aを没入させて熱風発生器71を回転体26及び対向回転体36から引き離すと、ノズル状の熱風吹き出し口71aの吹き出し端が回転体26及び対向回転体36からY軸方向に離間する待避位置に熱風発生器71を位置させるように構成される。
よって、この吹き出し口移動手段である流体圧シリンダ72は、ノズル状の熱風吹き出し口71aを加熱位置と待避位置との間で移動させるように構成されたものであり、加熱により溶融し冷却して固着するような熱融着性の絶縁皮膜を有する線材11を芯材21に巻線する場合、その巻線時に熱風発生器71のノズル状の熱風吹き出し口71aを加熱位置にして熱風を吹き出すことにより、芯材21及びそこの巻回される線材とともに、その芯材21を挟む回転体26及び対向回転体36の端部を加熱するように構成される。
このため、熱風発生器71は、3本のノズル状の熱風吹き出し口71aを備え、図8に示すように、熱風発生器71が加熱位置において、その内の1本の熱風吹き出し口71aは芯材21の外周に対向し、その内の1本の熱風吹き出し口71aはその芯材21を挟む回転体26のエア流通流路29に対向し、その内の1本の熱風吹き出し口71aはその芯材21を回転体26とともに挟む対向回転体36のエア流通流路39に対向するように構成される。
また、図9に示す様に、この巻線装置50は、冷風吹き出し口81aから冷風を吹き出し可能な冷風発生器81と、その冷風吹き出し口81aが回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39に対向する冷却位置とエア流通流路29,39から離間する待避位置との間でその冷風吹き出し口81aを移動させる冷風吹き出し口移動手段82を更に備える。
具体的に、回転体26及び対向回転体36の間において、その回転軸に直交する方向であって、熱風発生器71が設けられた反対側における基台51には、ノズル状の冷風吹き出し口81aを有する冷風発生器81が設けられる。この冷風発生器81は、Y軸方向に所定の間隔を開けてX軸方向に延びる2本のレール83,83を介して基台51にX軸方向に移動可能に設けられる。
また、この実施の形態における冷風吹き出し口移動手段82は、この基台51に設けられた流体圧シリンダ82である。具体的には、その冷風発生器81を移動させるアクチュエータである流体圧シリンダ82がX軸方向に延びて設けられ、流体圧シリンダ82の出没ロッド82aが冷風発生器81に取付けられる。
そして、冷風吹き出し口移動手段82である流体圧シリンダ82の出没ロッド82aを突出させて冷風発生器81を移動させると、ノズル状の冷風吹き出し口81aの吹き出し端が回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39に対向する冷熱位置に冷風発生器81を位置させるように構成される(図5)。
その一方、流体圧シリンダ82がその出没ロッド82aを没入させると、ノズル状の冷風吹き出し口81aの吹き出し端が、回転体26及び対向回転体36からX軸方向に離間する待避位置に冷風発生器81を位置させるように構成される。
よって、この冷風吹き出し口移動手段である流体圧シリンダ82は、冷風吹き出し口81aを冷却位置と待避位置との間で移動させるように構成されたものであり、加熱により溶融し冷却して固着するような絶縁皮膜を有する線材11が芯材21に巻線された後に、冷風発生器81を冷却位置にしてその冷風吹き出し口81aから冷風を吹き出し、芯材21に巻回された線材11とともに、その芯材21を挟む回転体26及び対向回転体36の端部を冷却することにより、芯材21に巻回された線材11の絶縁皮膜を冷却固着させるように構成される。
このため、冷風発生器81は、3本のノズル状の冷風吹き出し口81aを備え、図5に示すように、冷風発生器81が冷却位置において、その内の1本の冷風吹き出し口81aは芯材21の外周に対向し、その内の1本の冷風吹き出し口81aはその芯材21を挟む回転体26のエア流通流路29に対向し、その内の1本の冷風吹き出し口81aはその芯材21を回転体26とともに挟む対向回転体36のエア流通流路39に対向するように構成される。
図10に示すように、この巻線装置50の近傍には、線材11を所定の張力を付与した状態で供給する図示しない線材操出機が設けられ、巻き取り治具20の上方には、その図示しない線材操出機から供給された線材11を巻き取り治具20の芯材21に向かって繰り出すノズル50aが設けられる。そして、この巻線装置50には、そのノズル50aから繰り出された線材11の端部を把持する把持具90と、その把持具90を3軸方向に移動させる把持具移動機構95が設けられる。
把持具90は、鉛直方向に延びる支持板92と、この支持板92の上下に設けられたクランプ装置93,94とを備える。上下に設けられたクランプ装置93,94は同一構造で有り、それらの本体部93a,94aが支持板92に取付けられる。図7に示すように、クランプ装置93,94は、回転体26及び対向回転体36の外径より大きな間隔を開けて支持板92に取付けられ、それらの本体部93a,94aからは一対の挟持片93b,94bがそれぞれ突出して設けられる。
このクランプ装置93,94は、一対の挟持片93b,94bは流体圧により開閉可能に構成される。従って、このクランプ装置93,94における一対の挟持片93b,94bは、接近して間に線材11が存在したならばその線材11を挟持する挟持位置と、離間して線材11の挟持を解消する開放位置のいずれかを取るように構成される。
また、把持具90は、下側のクランプ装置94より下方の支持板92に設けられたカッタ装置91を更に備える。このカッタ装置91は、その本体部91aが支持板92に取付けられ、その本体部91aから一対の切断刃91b,91cが突出して設けられる。そして、このカッタ装置91は、下側のクランプ装置94が把持する鉛直方向に延びる線材11が開放された一対の切断刃91b,91cの間を通過可能に構成され、流体圧によりその一対の切断刃91b,91cを閉じることにより、その間に線材11が存在したならばその線材11を切断するように構成される。
図10に戻って、把持具移動機構95はこの支持板92を基台51に対して3軸方向に移動可能に構成される。この実施の形態における把持具移動機構95は、X軸、Y軸、及びZ軸方向伸縮アクチュエータ96~98の組み合わせにより構成され、各伸縮アクチュエータ96~98は、それらのサーボモータ96a~98aよって回転駆動されるボールネジ96b~98bにより従動子96c~98cをハウジング96d~98dに沿って移動させるように構成される。
具体的に、この把持具移動機構95は、支持板92をZ軸方向に移動可能にZ軸方向伸縮アクチュエータ96の従動子96cに支持具92aを介して取付け、そのZ軸方向伸縮アクチュエータ96とともにその支持板92をX軸方向に移動可能に、Z軸方向伸縮アクチュエータ96のハウジング96dがX軸方向伸縮アクチュエータ97の従動子97cに取付けられる。
また、そのZ軸及びX軸方向伸縮アクチュエータ96,97とともにその支持板92をY軸方向に移動可能に、そのX軸方向伸縮アクチュエータ97のハウジング97dがY軸方向伸縮アクチュエータ98の従動子98cに取付けられる。
そして、Y軸方向伸縮アクチュエータ98のハウジング98dがY軸方向に伸びて基台51に立設された第一支持壁53の上部に固定される。それらの各伸縮アクチュエータ96~98における各サーボモータ96a~98aは、これらを制御する図示しないコントローラの制御出力に接続される。
また、この第一支持壁53には、回転体26の外周から遠心方向に突出する操作片18を操作するアクチュエータ99が設けられる。図におけるアクチュエータ99は、流体圧によりロッド99aを本体部99bから出没させる流体圧シリンダであって、そのロッド99aには、操作片18が係脱する係止部材99cが設けられる。
そして、このアクチュエータ99は、そのロッド99aをY軸方向にし、本体部99bに没入させた状態で回転体26と共に回転する操作片18が係止部材99cに係合可能にその本体部99bが第一支持壁53に取付けられる。そして、このアクチュエータ99は、操作片18が係止部材99cに係合した状態でロッド99aを本体部99bから突出させることにより、図4に示すコイルスプリング19の付勢力に抗してカッタ刃24を軸方向に移動させ、カッタ刃24の刃先24aを線材用溝22に突出させて、その線材用溝22に収容された線材11を切断するように構成される。
次に、上記巻き取り治具を用いた線材の巻線方法について説明する。
この線材の巻線方法は、回転体26と対向回転体36の間の芯材21に熱融着性線材11を、熱融着性線材11の表面融着材を溶融させつつ巻回する巻回工程と、回転体26のエア流通流路29及び対向回転体36のエア流通流路39のいずれか一方又は双方に冷風を流通させて回転体26の芯材21が設けられた端面及び芯材21が当接する対向回転体36の端面のいずれか一方又は双方を冷却して溶融した表面融着材を固化させて巻回された熱融着性線材11を互いに接着させる冷却工程とを有する巻線方法である。
もっとも、芯材21に線材11を渦巻き状に巻回するように、中心軸方向の厚さが小さなコイル10を製造しようとする場合には、巻回工程の前に、回転体26のエア流通流路29及び対向回転体36のエア流通流路39のいずれか一方又は双方に熱風を流通させて回転体26の芯材21が設けられた端面及び芯材21が当接する対向回転体36の端面のいずれか一方又は双方を加熱する加熱工程を行うことが好ましい。
以下に、各工程を詳説する。
なお、巻線を開始する前提として、図示しない線材操出機から供給されてノズル50aから繰り出された線材11の端部は把持具90におけるクランプ装置93,94により把持させておき、熱風発生器71及び冷風発生器81はそれぞれ待機位置に待機させておくものとする。
<加熱工程>
この工程では、回転体26のエア流通流路29及び対向回転体36のエア流通流路39のいずれか一方又は双方に熱風を流通させて回転体26の芯材21が設けられた端面及び芯材21が当接する対向回転体36の端面のいずれか一方又は双方を加熱する。
具体的には、待機位置の熱風発生器71を移動させて、図8に示す様に、ノズル状の熱風吹き出し口71aの吹き出し端を、回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39が存在する加熱位置に位置させる。
また、サーボモータ54,58(図9及び図10)にあっては、回転体26及び対向回転体36のいずれか一方又は双方を回転させて、それらの外周に開口した直径方向流路29b,39bをノズル状の熱風吹き出し口71aに対向させる。
そして、熱風発生器71を駆動させて、熱風吹き出し口71aから熱風を吹き出させ、その熱風を芯材21に直接吹き付けると共に、その熱風を回転体26におけるそれぞれのエア流通流路29又は対向回転体36におけるエア流通流路39のいずれか一方又は双方通過させる。このようにして、芯材21や、エア流通流路を構成する凹溝29及び対向凹溝39を覆う端面部材27及び対向端面部材37をその熱風により加熱させて、その間に設けられた芯材21を加熱すると共に、回転体26の芯材21が設けられた端面及び芯材21が当接する対向回転体36の端面のいずれか一方又は双方を加熱させる。
<巻回工程>
この工程では、回転体26と対向回転体36の間の芯材21に熱融着性線材11を、熱融着性線材11の表面融着材を溶融させつつ巻回する。
この巻線を始めるあたり、図7に示す様に、先ず、線材11の巻初めの線材端部11aを芯材21における線材用溝22に収容させる。
具体的には、図10に示す間隔可変機構61において第二スピンドル62を、対向回転体36とともに、その軸方向であるY軸方向に移動させ、回転体26及び対向回転体36の間隔を拡大させる。
また、回転体26が取付けられた第一スピンドル52を回転させるサーボモータ54にあっては、その回転体26を回転させて、その端面から突出した芯材21の線材用溝22を鉛直方向に向けるとともに、操作片18を操作するアクチュエータ99にあっては、その本体部99bに没入させたロッド99aの係止部材99cに回転体26の外周から遠心方向に突出する操作片18を係合させる。
その後、把持具移動機構95により把持具90を移動させ、把持具90におけるクランプ装置93,94により把持された巻初めの線材端部11aを鉛直にした状態で、その端部11aを移動させ、図7に示すように、クランプ装置93,94の間の巻初めの線材端部11aを芯材21における線材用溝22に収容させる。
その後、図10に示す間隔可変機構61において第二スピンドル62を、対向回転体36とともに、回転体26に向かって移動させ、対向回転体36の端面を芯材21の突出端に接触させて、図7の一点鎖線で示す様に、線材用溝22に収容された線材11を対向回転体36により押さえる。
その状態で、図10に示すように、操作片18が係止部材99cに係合したロッド99aを本体部99bから突出させて、図4に示すコイルスプリング19の付勢力に抗してカッタ刃24を軸方向に移動させ、カッタ刃24の刃先24aを線材用溝22に突出させて、その線材用溝22に収容された線材11を切断する。
その後、図示しない線材操出機から供給されてノズル50aから下方に向かって繰り出される線材11を把持する上側のクランプ装置93による線材11の把持を解消し、切断された箇所より上側の線材11をその線材用溝22に残存させて巻初めの線材端部11aとする。
一方、切断された箇所より下側の線材11は、そこを把持する下側のクランプ装置94とともに把持具移動機構95により移動させ、廃棄させる。その後に、把持具90は待機位置において待機することになる。
その後、図9及び図10に示すサーボモータ54,58を同期して回転駆動し、第一及び第二スピンドル52,62を回転体26及び対向回転体36とともに同方向に同一の速度で回転させ、図示しない線材操出機から供給されて上方のノズル50aから繰り出される線材11を、回転体26と対向回転体36との間に存在する芯材21の周囲に巻取る(図6)。
そして、図6に示すように、この線材11の巻き取りに際して、熱風発生器71は加熱位置にあって、ノズル状の熱風吹き出し口71aの吹き出し端を、回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39が存在する加熱位置に位置させる。そして、熱風発生器71を駆動させて、熱風吹き出し口71aから熱風を吹き出させる。
この実施の形態では、熱風発生器71が3本のノズル状の熱風吹き出し口71aを備えるので、芯材21の外周に対向する熱風吹き出し口71aから吹き出される熱風は、芯材21に巻取られる線材11に直接的に吹き付けられてその線材11を加熱することになる。このため、その線材11は、表面融着材が溶融しつつ芯材21の周囲に渦巻き状に巻回され、巻回後に密着する線材11は互いに融着されることになる。
また、加熱位置にある他の熱風吹き出し口71aは、その芯材21を挟む回転体26及び対向回転体36の端部に対向するので、回転体26及び対向回転体36が回転して、それらに形成されたエア流通流路29,39に他の熱風吹き出し口71aが対向した時に、熱風がそれぞれのエア流通流路29,39に通過し、それらの端面部材27及び対向端面部材37を加熱させる。このため、そこに接触する線材11の表面融着材の溶融は促進され、接触する線材11の表面融着材が溶融せずに、芯材21に巻回される線材11が融着されないような事態を回避することになる。
そして、芯材21の周囲に所定量の線材11が渦巻き状に巻取られた状態で、回転体26及び対向回転体36の回転を停止させて、この巻線を終了させる。なお、この回転体26及び対向回転体36の回転の停止は、次の冷却工程の為に、それらのエア流通流路29,39が、冷却位置の冷風発生器81における冷風吹き出し口81aに、対向することになるような位置で停止させることが好ましい。
<冷却工程>
この工程では、回転体26のエア流通流路29及び対向回転体36のエア流通流路39のいずれか一方又は双方に冷風を流通させて、回転体26の芯材21が設けられた端面及び芯材21が当接する対向回転体36の端面のいずれか一方又は双方を冷却し、その芯材21に巻回されて回転体26及び対向回転体36の端面に接触する線材11の溶融した表面融着材を固化させて、その芯材21に巻回された熱融着性線材11を互いに接着させる。
具体的には、巻回工程時に加熱位置にあった熱風発生器71を待機位置まで移動させ、代わりに、待機位置の冷風発生器81を移動させて、図5に示すように、ノズル状の冷風吹き出し口81aの吹き出し端を、回転体26及び対向回転体36のエア流通流路29,39が存在する冷却位置に位置させる。
また、サーボモータ54,58(図9及び図10)にあっては、回転体26及び対向回転体36のいずれか一方又は双方を回転させて、それらの外周に開口した直径方向流路29b,39bをノズル状の冷風吹き出し口81aに対向させる。なお、巻線終了時に、この位置にある場合には、回転体26及び対向回転体36を回転させずに、その位置を維持させる。
そして、冷風発生器81を駆動させて、冷風吹き出し口81aから冷風を吹き出させる。
この実施の形態では、冷風発生器81が3本のノズル状の冷風吹き出し口81aを備えるので、芯材21の外周に対向する冷風吹き出し口81aから吹き出される冷風は、芯材21に巻取られた線材11に直接的に吹き付けられてその線材11を冷却することになる。このため、その線材11は、表面融着材が確実に固化し、芯材21の周囲に渦巻き状に巻回されて密着する線材11は互いに融着されることになる。
また、芯材21を挟む回転体26及び対向回転体36のそれぞれのエア流通流路29,39に対向する冷却位置にある他の冷風吹き出し口81aは、冷風をそれぞれのエア流通流路29,39に通過させ、それらの端面部材27及び対向端面部材37を冷却する。これにより、そこに接触する線材11の表面融着材の固化は促進される。
このようにして、芯材21に巻回された線材11及び回転体26の端面及び対向回転体36の端面に接触する線材11を速やかに冷却して、巻線時に溶融した絶縁皮膜の固化を促進して芯材21に巻回された線材11を互いに接着し、その巻回された形状を維持させる。
その後、把持具移動機構95(図10)により把持具90を移動させ、図5に示す様に、芯材21から上方に延びる線材11を把持具90におけるクランプ装置93,94により把持する。そして、下側のクランプ装置94より下方の線材を切断して、その切断箇所より下側の線材11を巻終わりの線材端部11bとする。
図示しない線材操出機から供給されてノズル50a(図10)から繰り出される線材11の端部を把持するクランプ装置93,94は、その後に、その線材11の端部と共に待機位置にまで戻り、次の巻回工程まで待機することになる。
その後、図10に示す間隔可変機構61において第二スピンドル62を、対向回転体36とともに、その軸方向であるY軸方向に移動させ、回転体26及び対向回転体36の間隔を再び拡大させる。そして、形状が維持されて型が崩れることが防止されたコイル10を芯材21から取り出して、一連のコイル製造を終了させる。
このように、本発明によれば、端面に線材11を当接させて線材11の巻幅を制限する回転体26に、又は、その回転体26と共に線材11を挟む対向回転体36の双方の芯材21近傍にエア流路29,39を形成したので、そのエア流路29,39に熱風を流通させれば、線材11が巻回される芯材21や、その線材11の巻幅を制限する回転体26や対向回転体36の端面の温度を容易に上昇させることができ、逆に、そのエア流路29,39に冷風を流通させれば、線材11が巻回される芯材21や、その線材11の巻幅を制限する回転体26や対向回転体36の端面の温度を容易に低下させることができる。
すると、芯材21に巻回される線材11を確実に加熱して、その絶縁被膜を溶融させることが可能となり、巻線後であれば、その冷却を促進して、冷却時間の短縮による製造効率を向上させることが可能となる。
そして、エア流通流路が、端面部材27と回転本体28の重合面に形成された凹溝29や、対向端面部材37と対向回転本体38の重合面に形成された凹溝39から成るので、そのエア流通流路29,39の形成が比較的容易となる。
また、エア流通流路を形成する凹溝29,39が、芯材21を包囲する円環状流路29a,39aと、その円環状流路29a,39aから回転体26や対向回転体36の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路29b,29c,39b,39cとを備えるので、そのエア流路29,39に熱風や冷風を流通させることにより、芯材21に巻回された線材11から成るコイル10を中心軸方向から押さえる端面部材27及び対向端面部材37の該当箇所を確実に加熱又は冷却することが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、端面部材27が覆う回転本体28の端面に、エア流通流路を構成する凹溝29が形成された場合を説明したけれども、エアを流通可能である限り、エア流通流路は凹溝29に限らず、孔であっても良い。また、凹溝29から成るエア流通流路であっても、そのエア流通流路を構成する凹溝29は、図示しないが、端面部材27側に形成しても良く、端面部材27と回転本体28の重合面の双方に形成しても良い。
また、上述した実施の形態では、対向端面部材37が覆う対向回転本体38の端面に、エア流通流路を構成する凹溝39が形成された場合を説明したけれども、エアを流通可能である限り、エア流通流路は凹溝39に限らず、孔であっても良い。また、凹溝39から成るエア流通流路であっても、そのエア流通流路を構成する凹溝39は、図示しないが、対向端面部材37側に形成しても良く、対向端面部材37と対向回転本体38の重合面の双方に形成しても良い。
また、上述した実施の形態では、線材11が渦巻き状に巻回されたコイル10が形成される場合を説明したが、熱融着性線材11を用いる限り、得られるコイルは、渦巻き状に巻回されたコイルが中心軸方向に二列形成されたいわゆるアルファ巻きコイルであっても良く、線材11を螺旋状に巻回された巻線がその巻線の径方向に複数層に亘って設けられたコイルであっても良い。
また、上述した実施の形態では、断面が方形を成す線材11を用いて説明したが、熱融着性線材11を用いる限り、線材11はその断面が円形を成すいわゆる丸線であっても良い。
更に、上述した実施の形態では、凹溝29,39から成るエア流通流路を説明したが、仮に、この凹溝29,39から成るエア流路29,39に熱風や冷風を流通させても、端面部材27及び対向端面部材37の加熱速度又は冷却速度が十分で無いような場合には、図示しないが、この凹溝から成るエア流路29,39に進入して、そのエア流路29,39となる凹溝の長手方向に延びる凸条を端面部材27や対向端面部材37に形成しても良い。
このように、凹溝29,39の長手方向に延びる凸条を端面部材27や対向端面部材37に形成すると、エア流通流路を形成する凹溝29,39に流通する熱風や冷風との熱交換を促進させることが可能となり、芯材21に巻回された線材11から成るコイル10を中心軸方向から押さえる端面部材27及び対向端面部材37の該当箇所を速やかに加熱又は冷却することが可能となる。
11 線材
20 線材巻き取り治具
21 芯材
26 回転体
27 端面部材
28 回転本体
29 凹溝(エア流通流路)
29a 円環状流路
29b,29c 直径方向流路
36 対向回転体
37 対向端面部材
38 対向回転本体
39 対向凹溝(エア流通流路)
39a 円環状流路
39b,39c 直径方向流路
50 巻線装置
54 サーボモータ(治具回転手段)
58 サーボモータ(治具回転手段)
71 熱風発生器
71a 熱風吹き出し口
72 熱風吹き出し口移動手段
81 冷風発生器
81a 冷風吹き出し口
82 冷風吹き出し口移動手段

Claims (9)

  1. 端面から回転軸に沿って芯材(21)が突出して設けられた回転体(26)を備える線材巻き取り治具において、
    前記回転体(26)は、前記芯材(21)が設けられた端面部材(27)と、前記端面部材(27)が端面に取付けられた回転本体(28)とを備え、
    前記端面部材(27)と前記回転本体(28)の重合面のいずれか一方又は双方に形成された凹溝(29)から成るエア流通流路(29)が、前記回転体(26)の外周に端部が開口するように前記芯材(21)近傍の前記回転体(26)に形成された
    ことを特徴とする線材巻き取り治具。
  2. 凹溝(29)が、芯材(21)を包囲する円環状流路(29a)と、前記円環状流路(29a)から回転体(26)の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路(29b,29c)とを備えた請求項1記載の線材巻き取り治具。
  3. 回転体(26)の芯材(21)が設けられた端面に端面が対向する対向回転体(36)を更に備え、
    前記対向回転体(36)の外周に端部が開口するエア流通流路(39)が前記芯材(21)近傍の前記対向回転体(36)に形成された
    請求項1又は2記載の線材巻き取り治具。
  4. 対向回転体(36)が、芯材(21)が当接する対向端面部材(37)と、前記対向端面部材(37)が端面に取付けられた対向回転本体(38)とを備え、エア流通流路が、前記対向端面部材(37)と前記対向回転本体(38)の重合面のいずれか一方又は双方に形成された対向凹溝(39)から成る請求項3記載の線材巻き取り治具。
  5. 対向凹溝(39)が、対向端面部材(37)に当接する芯材(21)を包囲する円環状流路(39a)と、前記円環状流路(39a)から対向回転体(36)の直径方向外周に向かって形成された直径方向流路(39b,39c)とを備えた請求項4記載の線材巻き取り治具。
  6. 対向凹溝(39)に進入して、前記対向凹溝(39)の長手方向に延びる凸条が対向端面部材(37)に形成された請求項4又は5記載の線材巻き取り治具。
  7. 請求項3ないし6いずれか1項に記載の線材巻き取り治具(20)と、
    回転体(26)と前記回転体(26)と同軸に設けられた対向回転体(36)を同期して回転させて前記回転体(26)と前記対向回転体(36)の間の芯材(21)に熱融着性線材(11)を巻回させる治具回転手段(54,58)と、
    熱風吹き出し口(71a)から熱風を吹き出し可能な熱風発生器(71)と、
    前記熱風吹き出し口(71a)が前記回転体(26)及び前記対向回転体(36)のエア流通流路(29,39)に対向する加熱位置と前記エア流通流路(29,39)から離間する待避位置との間で前記熱風吹き出し口(71a)を移動させる熱風吹き出し口移動手段(72)と、
    冷風吹き出し口(81a)から冷風を吹き出し可能な冷風発生器(81)と、
    前記冷風吹き出し口(81a)が前記回転体(26)及び前記対向回転体(36)のエア流通流路(29,39)に対向する冷却位置と前記エア流通流路(29,39)から離間する待避位置との間で前記冷風吹き出し口(81a)を移動させる冷風吹き出し口移動手段(82)と
    を備えた巻線装置。
  8. 請求項3ないし6いずれか1項に記載の線材巻き取り治具(20)を用いた線材の巻線方法であって、
    回転体(26)と対向回転体(36)の間の芯材(21)に熱融着性線材(11)を、前記熱融着性線材(11)の表面融着材を溶融させつつ巻回する巻回工程と、
    前記回転体(26)のエア流通流路(29)及び前記対向回転体(36)のエア流通流路(39)のいずれか一方又は双方に冷風を流通させて回転体(26)の芯材(21)が設けられた端面及び前記芯材が当接する前記対向回転体(36)の端面のいずれか一方又は双方を冷却して溶融した表面融着材を固化させて巻回された熱融着性線材を互いに接着させる冷却工程と、
    を有する線材の巻線方法。
  9. 巻回工程の前に、回転体(26)のエア流通流路(29)及び対向回転体(36)のエア流通流路(39)のいずれか一方又は双方に熱風を流通させて前記回転体(26)の芯材(21)が設けられた端面及び前記芯材(21)が当接する前記対向回転体(36)の端面のいずれか一方又は双方を加熱する加熱工程を行う請求項8記載の線材の巻線方法。

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