JP7096987B1 - 凍結飲料用組成物 - Google Patents
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ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及び糖アルコールから選ばれる1種以上の糖類と、ペクチン、及び大豆多糖類の両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、糖類の配合量A(重量%)、ペクチンの配合量B(重量%)、大豆多糖類の配合量C(重量%)が所定の関係式で示される条件を満足し、0~30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物に関する技術が開示されている(特許文献1)。
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)次の成分(a)~(c);
(a)グリシン
(b)グリセリン
(c)糖類(グリセリンを除く) 5.0w/w%以上
を含有することを特徴とする、凍結飲料用組成物、
(2)成分(a)グリシンの配合量が0.1~25.0w/w%である、(1)に記載の凍結飲料用組成物、
(3)成分(b)グリセリンの配合量が0.5~30.0w/w%である、(1)または(2)に記載の凍結飲料用組成物、
(4)(c)糖類(グリセリンを除く)が、(c1)砂糖、ブドウ糖、トレハロース、イソマルツロース及び、デキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、(1)~(3)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(5)アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、(1)~(4)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(6)(c)糖類(グリセリンを除く)が(c2)増粘多糖類を含有する、(1)~(5)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(7)常温でのpHが2.0~7.0である、(1)~(6)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(8)凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである(1)~(7)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(9)熱中症対策用である、(1)~(8)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(10)運動時に摂取される、(1)~(9)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(11)(1)~(10)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料、
(12)5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする飲用時の冷却効果向上方法。
(13)5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする凝固点降下緩和方法。
本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類又はその塩類、植物抽出物、乳酸菌等の成分を適宜に含有させることができる。さらに、本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗酸化剤、着色料、香料、矯味剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、保存料、甘味料、酸味料等の添加剤を適宜配合することもできる。
下記表1~5に記載の処方(実施例1~16及び比較例1~28)を次の方法に従い、凍結飲料用組成物を調製した。
全量の40%程度の精製水に、グァーガムと糖類(砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、デキストリン)を必要に応じてあらかじめ混合したものを、撹拌しながら添加し、さらにクエン酸を添加し、水浴を用いて90℃まで加熱したのち、40℃程度まで放冷した。その後、下記の表1~5に示したそれぞれの処方となるように、必要に応じて、グリシン、グリセリンを添加し、精製水にて重量合わせを行い、調合液を得た。これらの調合液を、透明スタンドパウチ(ヤマトマテリアル(株)、品名:Ibis 100-SP)に100gずつ充填し、キャップを閉めた後に恒温槽を用いて、80℃で25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
凝固点の測定はそれぞれの評価項目ごとに、以下に記載する方法にて、実施した。なお、温度は、-50~200℃の範囲で小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にて、小数点以下第1位まで読み取った。また、室温による影響を限りなく少なくするため、評価の実施する場所の温度は空調などで一定となるように制御しておいた。
5℃に設定した冷蔵庫で冷却した凍結飲料用組成物(実施例1~16及び比較例1~28)を、100mlビーカーに30g量りとり、同ビーカー内にスターラーバーを入れた。凍結飲料用組成物の入ったビーカーを、スターラー上に設置したアイスバスに入れ、あらかじめ-40~-20℃に冷却しておいた不凍液(商品名:ナイブライン(登録商標)Z1、メーカー:MORESCO)をビーカー内の液面以上となるようにアイスバス内に流し入れたのち、速やかに、常に60~80rpmとなるようにビーカー内の凍結飲料用組成物を撹拌した。このとき、小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にてビーカー内の凍結飲料用組成物の温度を確認できるようにしておいた。徐々にビーカー内の凍結飲料用組成物の温度が低下していき、凍結飲料用組成物中に結晶が析出したタイミングで撹拌を停止した。撹拌を停止した際に、特に温度上昇がない場合には、静止した温度を読み取り、その温度を凍結飲料用組成物の凝固点とした。一方で、撹拌を停止した際に温度上昇がある場合には、温度上昇後の最高温度を読み取り、その温度を凍結飲料用組成物の凝固点とした。実施例1、2,4~10、比較例1~3、5~15、28に関してはこの測定を3回繰り返し、凝固点の平均値を表中に記載し、それら以外の実施例および比較例に関してはこの測定を1回実施し、凝固点を表中に記載した。なお、平均値は小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位までとした。
同様にして、実施例11~14に関して、凝固点(測定値)と算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高い温度となった(実施例11と比較例16~18、実施例12と比較例19~21、実施例13と比較例22~24、実施例14と比較例25~27)。
したがって、糖類の種類によらず、糖類とともにグリシンとグリセリンを配合することで凝固点降下が緩和されることが確認された。
同様にして、実施例16に関して、凝固点(測定値)と実施例14と比較例1、28から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高くなった。
したがって、糖類の種類および組み合わせの有無によらず、グリシンとグリセリンを配合することで、凝固点降下が緩和されることが確認された。
温度低下及び冷却効果の算出は、以下の方法に従い、実施した。なお、温度は、-50~200℃の範囲で小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にて、小数点以下第1位まで読み取った。また、室温による影響を限りなく少なくするため、評価の実施する場所の温度は空調などで一定となるように制御しておいた。
あらかじめ30~40℃に設定した精製水を100mlビーカーに60g量り取り、同ビーカー内にスターラーバーを入れ、スターラー上に設置した。このとき、小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にてビーカー内の温度を確認できるようにしておいた。
凍結した凍結飲料用組成物が徐々に解凍され、揉めるタイミングになった状態で、凍結飲料用組成物が均一になるように揉みほぐし、容器から押し出したシャーベット状の凍結飲料用組成物をバランスディッシュに速やかに30g秤量した。秤量したシャーベット状の凍結飲料用組成物は、速やかに、あらかじめ精製水を入れておいた100mlビーカーにすべて流し入れ、150rpmとなるようにビーカー内の溶液(精製水+シャーベット状の凍結飲料用組成物)を撹拌した。その際、シャーベット状の凍結飲料用組成物を流し入れる直前のビーカー内の精製水の温度を測定し、シャーベット状の凍結飲料用組成物投入前の精製水温度Aとした。徐々に凍結飲料用組成物が融解し、ビーカー内の溶液(精製水+シャーベット状の凍結飲料用組成物)の温度が低下していき、シャーベット状の凍結飲料用組成物が完全に融解したタイミングで撹拌を停止し、液面から1cmほど、ビーカーの端から1cmほどのところの温度を測定し、その温度をシャーベット状の凍結飲料用組成物の完全融解後の溶液温度Bとした。シャーベット状の凍結飲料用組成物投入前の精製水温度Aとシャーベット状の凍結飲料用組成物完全融解後の溶液温度Bの差を算出し、低下した温度を温度低下(A-B)とした。
そして、冷却効果は(A-B)/(C-D)×100として算出した。なお、算出値が高いほど、冷却効果が高いことを意味する。
したがって、砂糖とともにグリセリンとグリシンを配合することで、冷却効果が向上し、機能として優れた凍結飲料用組成物の提供が可能となることが確認された。
<製剤例>
以下表7に、本発明の凍結飲料用組成物の製剤例を挙げる。
(被試験サンプルの調製)
次の方法に従い、下記表8に記載の処方で、凍結飲料用組成物(実施例17及び比較例29)を調製した。
被試験サンプルは、各組成物を専用の装置 (株式会社エフ・エム・アイ;Big Biz1) に投入し、撹拌および冷却することでシャーベット状になるよう作製した。
7週齢のWistarラット(日本チャールス・リバー株式会社)を実施例17投与群、比較例29投与群の2群に分け、それぞれ6匹ずつ使用した。各群のラットは入荷後、標準飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)および殺菌水を自由に摂取させ、馴化させた後に使用した。評価項目は、暑熱負荷(38℃、 RH 50±20%、 60分間)前後の深部体温(直腸温度)の変化とした。直腸温度は暑熱負荷の前後にそれぞれ測定した。実施例17投与群には、暑熱負荷の直前に実施例17を30 mL/kgの用量で経口投与した。比較例29投与群には、暑熱負荷の直前に比較例29を30 mL/kgの用量で経口投与した。暑熱負荷は人工気象器(NK式人工気象器BIOTRON LPH300(株式会社日本医化器械製作所))を用いて行った。直腸温度は体腔挿入型温度プローブを直腸内に挿入し、データロガー(高精度8CHデータロガー(日機装サーモ株式会社))を用いて測定した。暑熱負荷前の直腸温度を基準値とし、暑熱負荷終了後における直腸温度上昇量を求め、各群の平均値及び標準誤差を算出した。結果を図1に示す。
Claims (12)
- 次の成分(a)~(c);
(a)グリシン
(b)グリセリン
(c)糖類(グリセリンを除く) 5.0w/w%以上
を含有することを特徴とする、凍結飲料用組成物。 - 成分(a)グリシンの配合量が0.1~25.0w/w%である、請求項1に記載の凍結飲料用組成物。
- 成分(b)グリセリンの配合量が0.5~30.0w/w%である、請求項1または2に記載の凍結飲料用組成物。
- 成分(c)糖類(グリセリンを除く)が、(c1)砂糖、ブドウ糖、トレハロース、イソマルツロース及び、デキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 成分(c)糖類(グリセリンを除く)が(c2)増粘多糖類を含有する、請求項1~5のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 常温でのpHが2.0~7.0である、請求項1~6のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである請求項1~7のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 熱中症対策用である、請求項1~8のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 運動時に摂取される、請求項1~9のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
- 請求項1~10のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料。
- 5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする飲用時の冷却効果向上方法。
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