JP2022176140A - 凍結飲料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビタミンB1類由来の不快臭が低減された凍結飲料用組成物を提供すること。【解決手段】チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩および0.5~30w/w%のグリセリンを含むことを特徴とする、凍結飲料用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、凍結飲料用組成物に関し、好適な一態様としては、常温流通可能で、冷凍した後半解凍させて、あるいは半冷凍してシャーベット状として飲用可能な凍結飲料用組成物に関する。
近年、常温で流通可能で、シャーベット状又は氷塊状に凍結させた飲料を解凍しながら飲用できる、いわゆる凍結飲料(フローズン飲料やシャーベット飲料、アイススムージー、アイススラリーなどとも言われる)が知られている。市場に流通している製品としては、アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれも存在し、例えば、アルコール濃度5%の「氷結(登録商標)アイススムージー」や清涼飲料水のコカ・コーラ(登録商標)フローズン、ポカリスエットアイススラリーなどが市販されている。これらはいずれも袋状の容器に充填されており、冷凍凍結したものを飲用時に適度に解凍し、また手でもみほぐすなどして柔らかくして容器の口部から吸い出して飲用できるものである。
これらは、飲用することで冷感を得るための手段や、暑熱環境下におけるスポーツ時などにおいて、飲用することで身体内部から冷却し、深部体温を下げて熱中症を予防するための手段等として、近年需要が高くなっている。
グリセリンは糖アルコールの一種で、別名グリセロールとしても知られる物質である。グリセリンは体内で解糖系にて代謝されて、筋肉の収縮や生命活動におけるエネルギーの貯蔵や供給に関わるATP(アデノシン三リン酸)を産生することや、糖新生によりエネルギー源となるグルコースを産生するため、体内で重要な働きを果たす物質である。さらに、グリセリンは、水とともに摂取することにより、水のみを摂取した際と比較して、尿の生成が減少することが知られている(非特許文献1)。また、運動前に摂取することにより、体液貯留量を上昇させ、脱水予防の効果があることが知られている(非特許文献2)。
チアミン若しくはその誘導体又はそれらの塩は、ビタミンB1類とも称される生理活性物質であり、生体内で変換されたチアミン2リン酸が糖代謝に関わるピルビン酸デヒドロゲナーゼの補酵素として働いており、欠乏すると脚気、ウェルニッケ脳症、多発性神経炎、神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎等を発症する。エネルギー産生に関係することから、激しいスポーツ時に摂取することが望ましいとされる。
しかし、チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩は、溶液中において経時的に固有の不快臭(卵が腐敗したような臭い)を発生させるという課題がある。この対策として、多価フェノール化合物及びパイナップルフレーバーを添加する方法(特許文献1)、多価フェノール化合物及び生薬を添加する方法(特許文献2)、多価フェノール化合物及びアルデヒド系化合物を添加する方法(特許文献3)、多価フェノール化合物及び難消化性デキストリンを添加する方法(特許文献4)、多価フェノール化合物及び洋酒系フレーバーを添加する方法(特許文献5)が開示されている。また、カロリーを低減させ、さらには鉄化合物を配合させることにより悪化する液体組成物中のチアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩に由来する不快臭をビタミンB2を配合することにより低減する方法が開示されている(特許文献6)。
今までに凍結飲料に関する技術については、複数の技術が報告されている。
ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及び糖アルコールから選ばれる1種以上の糖類と、ペクチン、及び大豆多糖類の両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、糖類の配合量A(重量%)、ペクチンの配合量B(重量%)、大豆多糖類の配合量C(重量%)が所定の関係式で示される条件を満足し、0~30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物に関する技術(特許文献7)や、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及びオリゴから選ばれる1種以上の澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値A%、飲料の可溶性固形分B%、液温26℃における飲料の粘度CmPa・sが所定の関係式で示される条件を満足し、0~30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物に関する技術(特許文献8)、ショ糖及び/又はトレハロースを含み、pHが2.0~4.0である、シャーベット状飲料用飲料に関する技術が開示されている(特許文献9)。
特許文献7~9に開示された技術は、糖類や多糖類系安定剤などの指定された原料の含有量および、それらを含む組成物の性状について関係式を用いて詳細に規定することや、糖類の配合およびその糖類のDE値、可溶性固形物や粘度といったそれらを含む組成物の物性について関係式を用いて詳細に規定すること、指定された原料を含有し、pHを規定された範囲に規定することにより、凍結飲料の飲用時の風味や食感、シャーベット性状などを良好なものとしているものであり、解凍した際の風味変化に関する技術ではない。
一般的に凍結飲料を解凍してから飲み始めの方が味が濃く、飲み終わりにかけて薄くなることが知られ、その風味差は飲料中の可溶性固形分量が多いほど大きい。そのため、風味差を小さくするには可溶性固形分を少なくすればよいが、飲みごたえの観点から好ましくない。これを解決する技術として、凍結飲料にタマリンドシードガムと高甘味度甘味料を含有させて解凍時の甘味変化を緩和する方法が知られている(特許文献10)が、甘味と色に関する技術であり、ビタミンB1類由来の不快臭(卵が腐敗したような臭い)に関しての知見はない。
International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 2007, 17, 390-408 International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 2020,30, 83-98
特開2004-321178号 特開2004-305089号 特開2004-305088号 特開2004-305087号 特開2000-262259号 特許6672599号 特開2007-330216号公報 特開2008-11835号公報 特開2010-259335号公報 特許6405300号
凍結飲料を半凍結、または半解凍した状態では、凍っていない液体部分と凍結している固体部分が存在し、液体部分では味が濃くなるという課題がある。
一方で運動中や夏の暑い時期の疲労回復にビタミンB1を摂取することが望ましく、凍結飲料による冷却効果との複合的な効果が期待されることから凍結飲料への配合が望まれている。
しかしながら、常温で流通可能な凍結飲料では、ビタミンB1類を配合すると、常温下で流通、保管する際に、経時的に固有の不快臭(卵が腐敗したような臭い)が生じ得る。これを凍結して半解凍あるいは半凍結した際、凍結部分に比べ液体部分の不快臭成分の濃度が高くなり、開封時及び飲用時に不快臭が強く感じられることが課題となる。
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、凍結飲料用組成物に、ビタミンB1類とともにグリセリンを配合すると、常温での流通、保管下でのビタミンB1類に由来する経時的な不快臭の発生を抑制することができ、凍結後、半冷凍、あるいは半解凍した状態で開封時及び飲用時に感じるビタミンB1類由来の固有の不快臭を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩および0.5~20w/w%のグリセリンを含むことを特徴とする、凍結飲料用組成物、
(2)チアミン若しくはその誘導体又はそれらの塩が、チアミン、ジセチアミン、フルスルチアミン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミン、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミン、及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である、(1)に記載の凍結飲料用組成物、
(3)チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩の含有量が0.001~0.1w/w%である(1)または(2)に記載の凍結飲料用組成物、
(4)さらに糖類(グリセリンを除く)を5.0w/w%以上含む、(1)~(3)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(5)糖類(グリセリンを除く)が、砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、デキストリン、及び増粘多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、(4)に記載の凍結飲料用組成物、
(6)アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性飲用組成物である、(1)~(6)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(7)常温でのpHが2.0~5.0である、(1)~(6)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(8)凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである(1)~(7)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(9)熱中症対策用である、(1)~(8)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(10)運動時に摂取される、(1)~(9)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(11)(1)~(10)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料、
(12)チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩を含む凍結飲料用組成物に、0.5~30w/w%のグリセリンを添加することを特徴とするチアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩由来の不快臭の低減方法。
本発明の凍結飲料用組成物は、ビタミンB1類由来の固有の不快臭(卵が腐敗したような臭い)を低減することができ、特に不快臭を強く感じやすい凍結後半解凍した状態または半凍結した状態においてもビタミンB1類由来の不快臭が抑制することができる。
本発明におけるチアミン若しくはその誘導体又はそれらの塩(以下、「ビタミンB1類」と言う)とは、通常可食性のものを指し、具体的にはチアミン及びその塩、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、ジセチアミン、フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミン等のチアミン誘導体及びそれらの塩等が挙げられる。前記それらの塩としては硝酸塩、塩酸塩等が挙げられる。ビタミンB1類のうち、好ましいものとしては、チアミン、ジセチアミン、フルスルチアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミンおよびそれらの塩であり、さらに好ましくは、チアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミンおよびそれらの塩である。ビタミンB1類を0.001w/w%以上配合した場合に、本願課題である不快臭が感じられ配合量が多くなるほど不快臭は強くなる。一方、疲労の回復・予防、体力、身体抵抗力の維持、改善等の効果を期待する観点から配合量は多い方が好ましい。したがって、本発明のビタミンB1類の含有量は、飲用組成物中0.001w/w%以上で実施する意義が大きく、好ましくは、凍結飲料用組成物全体の0.001~0.1w/w%であり、より好ましくは0.001~0.05w/w%である。また、一回あたりの経口摂取量が、通常0.3~50mgであり、好ましくは0.4~20mgである。
本発明におけるグリセリンとは、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるグリセリンで、飲料に用いることができるものであれば、特に限定されない。また、本発明のグリセリンの含有量は、ビタミンB1類由来の不快臭低減効果等の観点から、凍結飲料用組成物中に0.5w/w%~30.0w/w%であることが好ましく、0.5w/w%~20.0w/w%であることがさらに好ましい。
本発明における糖類(グリセリンを除く)とは、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用される糖類(グリセリンを除く)で、飲料に用いることができるものであれば、特に限定されない。例えば、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、ショ糖、ラクトース、トレハロース、マルトース等の二糖類、キシリトール、トレハロース、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴等の糖アルコール、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、タラガム、アルギン酸、寒天、ヒアルロン酸、ペクチン等の増粘多糖類やデキストリン等が挙げられる。これらのうち、(a1)単糖類、二糖類、糖アルコール、及びデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種、(a2)増粘多糖類などが好適である。(a1)として具体的には、砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、エリスリトールよりなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。(a2)として具体的には、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、タラガム、アルギン酸、寒天、ヒアルロン酸及びペクチン等よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また(a1)及び(a2)とを組み合わせて用いることが好ましい。本発明における糖類(グリセリンを除く)の含有量(複数含まれる場合はその合計量)は、風味、食感、シャーベット状としたときの物性等の点から、本発明の凍結飲料用組成物中5.0w/w%以上であり、その上限は30w/w%以下が好ましい。
また本発明の増粘多糖類の含有量は、増粘多糖類以外の糖類と併用する場合、半解凍時の性状や容器からの出しやすさを担保するという観点から凍結飲料用組成物中0.01~5.0w/w%が好ましく、特に0.01~3.0w/w%が好ましい。
本発明の凍結飲料用組成物は、アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれでもよいが、非アルコール性凍結飲料用組成物であることが好ましい。非アルコール性凍結飲料用組成物であれば、大人から子供まで幅広い年代の人々に提供可能である。また、特に、暑熱環境下における身体冷却を目的(例えば、熱中症対策用)として飲用する際には、アルコール摂取に伴う利尿作用に起因する脱水などを引き起こす可能性があるため、アルコール非配合が望ましい。本発明の非アルコール性凍結飲料用組成物の態様では、アルコールが配合されていないか、原料由来の微量のアルコールであれば含んでいてもよい。本発明の非アルコール性凍結飲料用組成物の態様におけるアルコールの含有量は、1.0w/w%未満が好ましく、0.5w/w%未満がより好ましく、0.1w/w%未満が更に好ましく、0w/w%が最も好ましい。
本発明の凍結飲料用組成物は、容器に充填した形態で、常温で流通させることが可能であり、冷凍凍結したものを飲用時に半解凍するか、半冷凍してシャーベット状としても飲用することができる。本発明の凍結飲料用組成物をシャーベット状として飲用する場合、液と固体を均一にすることが好ましい。シャーベット状とは、微細な氷結晶と液体が混ざった状態であり、流動性のある状態となっていることをいう。このようなシャーべット状の凍結飲料用組成物として、例えばフローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーが挙げられる。
本発明の凍結飲料用組成物は、容器の外からもみほぐすなどして飲みやすくすることができるということから、単に冷凍凍結した後半解凍する(冷凍後自然解凍、加熱又は手で揉みほぐすなど)、あるいは半冷凍するだけでシャーベット状になるものが好ましく、容器の外からもみほぐすなどして飲みやすくすることが可能である。本発明の凍結飲料用組成物を充填する容器としては、口部を有する可撓性袋状容器、T-パウチ容器、スティックパウチ、PETボトル等を用いることができる。また、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器が好ましい。
本発明の凍結飲料用組成物のpHは、常温で好ましくは2.0~5.0であり、微生物の繁殖を抑える観点から、さらに好ましくは、pH2.0~4.0である。上記のpHにするためのpH調整剤としては、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるpH調整剤を使用することができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸等の有機酸及びそれらの塩類、リン酸、塩酸等の無機酸およびそれらの塩類、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。風味の観点から、好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、リン酸である。
本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、ビタミン類(ビタミンB1類を除く)、ミネラル類、アミノ酸類又はその塩類、植物抽出物、乳酸菌等の成分を適宜に含有させることができる。さらに、本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗酸化剤、着色料、香料、矯味剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、保存料、甘味料、酸味料等の添加剤を適宜配合することもできる。
本発明において熱中症対策とは、熱中症の発症の予防、又は熱中症の症状軽減を意味する。また、本発明の運動時とは、運動競技だけでなく、日常生活における作業や運動、走行、自転車こぎなども含まれる。本発明の凍結飲料用組成物が熱中症対策用であることや運動時に摂取されることは、製品名、製品の本体、容器又は包装への表示、あるいは商品に関するポスターやテレビCM、店頭POP、説明会などでの説明などにより判断することができる。
本発明の凍結飲料用組成物は、常法により製造することができ、その方法は特に限定されるものではない。通常、各成分を量りとり、適量の精製水にて溶解、撹拌した後、必要に応じてpHを調整し、さらに精製水を加えて容量調整し、必要に応じてろ過、殺菌処理を施し、容器に充填することにより得られる。好ましくは、原料の全部又は一部を90~130℃で1秒~5分間殺菌し、さらに10~40℃程度に冷却して製造するのがよい。殺菌には通常の殺菌機を用いればよく、例えば、プレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機、ジャケット付きタンク等を使用することができる。また、冷却には通常の冷却機を用いればよく、例えば、熱交換プレート、チューブラー式冷却機、ジャケット付きタンク等を使用することができる。
以下に、実施例等を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。以下では特に断らない限り「%」は「w/w%」を意味する。なお、以下の実施例、比較例では、チアミン硝酸塩はDSM株式会社製、グァーガムはユニテックフーズ株式会社製、チアミンジスルフィド水和物は東京化成工業株式会社製、ラウリル硫酸チアミンは株式会社タイショーテクノス製、塩酸チアミン水和物は東京化成工業株式会社製、クエン酸は食品添加物クエン酸一水和物、グリセリンは食品添加物グリセリン(含量99.9%のもの)を用いた。
<凍結飲料用組成物の調製>
(実施例1~2、比較例1~3)
表1に記載の処方(実施例1~2及び比較例1~3)を次の方法に従い、凍結飲料用組成物を調製した。
全量の30%程度の精製水に、事前に砂糖とグァーガムを粉体混合したもの、クエン酸を撹拌しながら添加し、水浴を用いて90℃まで加熱したのち、40℃程度まで放冷した。その後、下記の表1に示した濃度となるように、チアミン硝酸塩を配合し、必要に応じて、グリセリンを添加し、精製水にて重量合わせを行い、調合液を得た。これらの調合液を、マルエム社製スクリュー管No.6に約25mlずつ充填し、キャップを閉めた後に恒温槽を用いて、80℃で25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
(実施例3~4、比較例4~5)
表2に記載の各処方(実施例3~4及び比較例4~5)の凍結飲料用組成物を以下のように調製した。
まず、1500mlの精製水にグァーガム5g、砂糖1000gを投入し、よく攪拌し、分散させたのち、4000gとなるように精製水で重量調整した。その後、攪拌しながら90℃となるまで水浴で加温したのち、40℃以下まで放冷し、チアミン硝酸塩0.5gを投入し、再度全量4000gとなるように精製水で重量調整し、共通ベース溶液を調製した。
次に、表2に示す各処方の最終濃度となるように、400gの共通ベース溶液に必要に応じて、クエン酸一水和物、グリセリン、砂糖を添加し、必要に応じて、pH調整をしたのち、全量500gとなるように精製水で重量調整し、よく攪拌をし、サンプル溶液を得た。その後、マルエム社製のスクリュー管No.6に25mlずつ充填し、恒温槽を用いて、80℃25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
(実施例5~10、比較例6~7)
表3に記載の処方(実施例5~10、比較例6~7)の凍結飲料用組成物を以下のように調製した。
まず、1500mlの精製水にグァーガム6gを投入し、よく攪拌し、分散させたのち、1800gとなるように精製水で重量調整した。その後、攪拌しながら90℃となるまで水浴で加温したのち、40℃以下まで放冷し、チアミン硝酸塩600mgとクエン酸一水和物0.852gを投入し、全量2400gとなるように精製水で重量調整し、共通ベース溶液を調製した。
次に、表3に示す各処方の最終濃度となるように、200gの共通ベース溶液に、必要に応じて、グリセリン、砂糖を添加し、全量500gとなるように精製水で重量調整し、よく攪拌し、サンプル溶液を得た。その後、マルエム社製のスクリュー管No.6に25mlずつ充填し、恒温槽を用いて、80℃25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
(実施例11、比較例8)
表3に記載の処方(実施例11、比較例8)の凍結飲料用組成物を以下のように調製した。
まず、375mlの精製水にグァーガム1.5gを投入し、よく攪拌し、分散させたのち、450gとなるように精製水で重量調整した。その後、攪拌しながら90℃となるまで水浴で加温したのち、40℃以下まで放冷し、チアミン硝酸塩150mgとクエン酸一水和物0.213gを投入し、全量600gとなるように精製水で重量調整し、共通ベース溶液を調製した。
次に、表3に示す各処方の最終濃度となるように、200gの共通ベース溶液に、必要に応じて、グリセリンを添加し、全量500gとなるように精製水で重量調整し、よく攪拌し、サンプル溶液を得た。その後、マルエム社製のスクリュー管No.6に25mlずつ充填し、恒温槽を用いて、80℃25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
(実施例12~15、比較例9~12)
表4に記載の処方(実施例12~15、比較例9~12)の凍結飲料用組成物を以下のように調製した。
まず、2000mlの精製水にグァーガム8gを投入し、よく攪拌し、分散させたのち、2400gとなるように精製水で重量調整した。その後、攪拌しながら90℃となるまで水浴で加温したのち、40℃以下まで放冷し、砂糖800gとクエン酸一水和物1.136gを投入し、全量3200gとなるように精製水で重量調整し、共通ベース溶液を調製した。
次に、表4に示す各処方の最終濃度となるように、200gの共通ベース溶液に、必要に応じて、各種チアミン(チアミン硝酸塩、チアミンジスルフィド水和物、ラウリル硫酸チアミン、塩酸チアミン水和物)、グリセリンを添加し、全量500gとなるように精製水で重量調整し、よく攪拌し、サンプル溶液を得た。その後、マルエム社製のスクリュー管No.6に25mlずつ充填し、恒温槽を用いて、80℃25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
<不快臭評価>
(実施例1~2、比較例1~3)
凍結飲料用組成物を、65℃の恒温槽にて2.5日間保管した。これを室温に戻した後、冷凍庫で完全に凍結させ、スクリュー管のキャップを外して、凍結品(固体状)のチアミン由来の不快臭を、表5に示す評価基準で、試験者2名で評価した。また、冷凍庫で完全に凍結させたのち、室温で12分間解凍し、半解凍させ、液体と固体が共存する半解凍状態のチアミン由来の不快臭を表5に示す評価基準で、試験者2名で評価した。なお、一度開封すると香気成分が減るため、凍結品(固体状)と、解凍12分品(半解凍状態)の評価はそれぞれ、試験者ごとに別のスクリュー管に充填したものを使用した。
(実施例3~15、比較例4~12)
凍結飲料用組成物を、65℃の恒温槽にて2.5日間保管した。これを室温に戻した後、冷凍庫で完全に凍結させ、室温で一定時間、半解凍させ、スクリュー管のキャップを外して液体と固体が共存する半解凍状態のチアミン由来の不快臭を表5に示す評価基準で、試験者2名で評価した。なお、凍結飲料用組成物の室温での解凍時間は、半解凍状態で液体の比率が多くなりすぎるのを防ぐため、グリセリンを30%配合した凍結飲用組成物は、解凍時間を5分間とし、その他は12分間とした。また、一度開封すると香気成分が減るため、解凍品(半解凍状態)の評価は、試験者ごとに別のスクリュー管に充填したものを使用した。
Figure 2022176140000001
表1に示したように、グリセリンを配合した実施例では比較例よりも凍結品(固体状)、解凍12分品(半解凍状態)ともにチアミン由来の不快臭が弱くなった。
さらに、実施例と比較例いずれにおいても、凍結品(固体状)よりも解凍12分品(半解凍状態)のチアミン由来の不快臭は強くなったが、実施例1では比較例1、2と比較してチアミン由来の不快臭が強くなる程度が小さかった。また、比較例1、2に示したように、砂糖をグリセリンの代わりに添加しても、チアミン由来の不快臭低減の効果はなかった。
Figure 2022176140000002
表2に示したように、pHが3.5や4.9であっても、グリセリンを配合した実施例では、比較例よりもチアミン由来の不快臭が弱くなった。
Figure 2022176140000003
表3の実施例5~8、比較例4に示したように、グリセリンの濃度が0.5~30w/w%において、実施例では比較例よりもチアミン由来の不快臭が弱くなった。また、実施例8~10、比較例4、6,7に示したように、砂糖の濃度、有無によらず、グリセリンを配合した実施例では、比較例よりもチアミン由来の不快臭が弱くなった。実施例10、11、比較例7、8に示したように、チアミンの濃度によらず、グリセリンを配合した実施例では、比較例よりもチアミン由来の不快臭が弱くなった。
Figure 2022176140000004
表4に示したように、チアミンの種類によらず、グリセリンを配合した実施例では、比較例よりもチアミン由来の不快臭が弱くなった。
Figure 2022176140000005
本発明の好適な一態様として、常温流通可能で、冷凍して半解凍、あるいは半解凍して飲用する、容器詰め飲用組成物において、凍結した際、半冷凍あるいは半解凍した際のチアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩由来の不快臭を低減でき、商品性を向上させた凍結飲料用組成物の提供が可能となった。本発明の凍結飲料用組成物は、運動中や夏の暑い時期に、冷却効果に加えてビタミンB1類摂取による疲労回復効果を得ることができる凍結飲料用組成物として有用である。

Claims (15)

  1. チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩および0.5~30w/w%のグリセリンを含むことを特徴とする、凍結飲料用組成物。
  2. チアミン若しくはその誘導体又はそれらの塩が、チアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、ジセチアミン、フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミン、及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である、請求項1に記載の凍結飲料用組成物。
  3. チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩の含有量が0.001~0.1w/w%である請求項1に記載の凍結飲料用組成物。
  4. チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩の含有量が0.001~0.1w/w%である請求項2に記載の凍結飲料用組成物。
  5. さらに糖類(グリセリンを除く)を5.0w/w%以上含む、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  6. 糖類(グリセリンを除く)が、砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、デキストリン、及び増粘多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項5に記載の凍結飲料用組成物。
  7. アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  8. アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、請求項5に記載の凍結飲料用組成物。
  9. アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、請求項6に記載の凍結飲料用組成物。
  10. 常温でのpHが2.0~5.0である、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  11. 凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  12. 熱中症対策用である、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  13. 運動時に摂取される、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
  14. 請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料。
  15. チアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩を含む凍結飲料用組成物に、0.5~30w/w%のグリセリンを添加することを特徴とするチアミン若しくはチアミン誘導体、又はそれらの塩由来の不快臭の低減方法。

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