JP7095699B2 - 電池用包装材料、電池、及び電池用包装材料の製造方法 - Google Patents

電池用包装材料、電池、及び電池用包装材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池用包装材料、電池、及び電池用包装材料の製造方法に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質などの電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/接着剤層/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の電池用包装材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、熱融着性樹脂層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱融着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
上記のような電池用包装材料を用いて電池を製造する際には、電池用包装材料の最外層表面に位置する基材層に電解液が付着する場合がある。基材層に電解液が付着すると、基材層が変色する場合があるため、基材層の上に耐電解液性などを有する保護層が設けられることがある。
また、電池用包装材料に識別性を付与することなどを目的として、電池用包装材料の基材層側の表面にインキを印刷して、バーコード、柄、文字などを形成し、印刷した側の基材層の上に接着剤、金属箔を積層する方法により、電池用包装材料に印字する方法(一般に裏刷りと称される)が広く採用されている。しかしながら、基材層とバリア層との間にこのような印刷面が存在すると、基材層とバリア層との密着性が低下して、層間においてデラミネーションが生じやすくなる。特に、電池用包装材料が適用される電池には、高い安全性が要求されるため、このような裏刷りによって印字する方法は、電池用包装材料においては敬遠されている。したがって、従来、電池用包装材料にバーコードなどの印字を形成する場合には、一般に、印字が形成されたシールを基材層側の表面に貼り付ける方法が採用されている。
しかしながら、印字が形成されたシールを基材層側の表面に貼り付けると、電池用包装材料の厚みや重さが増大する。よって、電池用包装材料に対する近年の更なる薄型化や軽量化の傾向から、電池用包装材料の基材層側の表面に直接インキの印刷により印字する方法が検討されている。
電池用包装材料の基材層側の表面に直接インキの印刷により印字する方法としては、例えば、パッド印刷(タンポ印刷とも称される)などが知られている。パッド印刷とは、次のような印刷方法である。まず、印字したいパターンがエッチングされた平板の凹部にインキを流し込む。次に、当該凹部の上からシリコンパッドを押し当てて、シリコンパッドにインキを転移させる。次に、シリコンパッド表面に転移されたインキを印刷対象物に転写して、印刷対象物に印字を形成する。このようなパッド印刷は、弾性のあるシリコンパッドなどを用いてインキが印刷対象物に転写されるため、成形後の電池用包装材料の表面にも印刷しやすく、電池素子を電池用包装材料で封止した後に、電池に印字することができるという利点を有する。
特開2008-287971号公報
前述の通り、基材層に電解液が付着すると、基材層が変色する場合があるため、基材層の上に耐電解液性などを有する保護層が設けられることがある。このような保護層としては、例えばイソシアネート基を有する硬化剤など、硬化剤を用いて硬化された保護層が知られている(例えば、国際公開WO2013/069698号公報)。ところが、本発明者らが検討したところ、イソシアネート基を有する硬化剤を用いて硬化された保護層を設けた際に、イソシアネート基の反応が不十分(未反応のイソシアネートが大量に残っている)であると耐電解液性が発現せず、一方でイソシアネート基の反応が進みすぎてしまう(未反応のイソシアネートが残っていない)と耐電解液性は向上するものの、このような保護層の表面にインキを印刷しようとすると、保護層の表面でインキが弾かれて、インキが定着しにくくなり、インキが形成されない抜け部分が生じることがあることが明らかとなった。特に、パッド印刷によって印刷した場合の印刷適性が不十分になる傾向があることが明らかとなった。
また、近年、電池のエネルギー密度をより高めて、電池をより一層小型化するために、電池用包装材料のより一層の薄型化が求められている。一方、電池製造時、電池が搭載された製品の輸送時、使用時などにおいては、製品に大きな衝撃が加わることがある。この際、電池素子を収容している電池用包装材料に対しても、内側または外側から大きな外力が加わることがある。
電池用包装材料の薄型化の要求と共に、バリア層についても薄型化が検討されているが、アルミニウム箔は、成形性に優れる反面、剛性が低く、電池用包装材料の内側または外側から大きな外力が加わった場合に、アルミニウム箔に穴があき、電池素子が外部に露出する虞がある。
また、電池の製造過程においては、電池の表面に傷が付くことを抑制する観点から、電池の表面(すなわち、電池素子を封止している電池用包装材料の表面)にマスキングテープが貼り付けられ、電池が使用されるまでの間に剥離されることがある。また、電池は、テープなどを用いて筐体等に固定されることがあるが、例えば、一度貼り付けたテープの位置を修正するために、電池の表面からテープを剥離されることがある。このように電池の表面からテープを剥離する際に、テープに電池用包装材料が追従して電池の表面に皺が形成されて、皺により電池用包装材料と正極/セパレータ/負極からなるセルとの間に空隙ができる場合がある。そうすると、電解液がセルから空隙に移動することで電池性能低下の原因になることや、空隙ができることでセルに振動が与えられたときに電池用包装材料とセルが接触し、電池用包装材料の熱融着性樹脂層に傷が付き、腐食の原因になることがある。
このような状況下、本発明は、表面の耐電解液性及びインキの印刷特性に優れており、さらに、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成され難い電池用包装材料を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該電池用包装材料の製造方法、及び当該電池用包装材料用いた電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とをこの順に有する積層体からなり、前記保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足していることにより、耐電解液性に優れるだけでなく、インキの印刷特性に優れ、さらに、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成され難い電池用包装材料となることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とをこの順に有する積層体からなり、
前記保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足している、電池用包装材料。
項2. 前記保護層が、イソシアネート基を有する化合物を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記保護層が、水酸基を有する基を側鎖に有するポリエステルポリオール及びアクリルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールと、イソシアネート基を有する化合物とにより形成されたウレタン樹脂を含む、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記保護層の表面の少なくとも一部に、インキを印刷して使用される、項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記保護層の表面の少なくとも一部に、インキから構成される情報担持部を備える、項1~4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記積層体の厚さは、45μm以上120μm以下であり、
前記ステンレス鋼箔の厚さは、15μm以上40μm以下であり、
前記積層体の曲げこわさが、0.60gf・cm2/cm以上6.0gf・cm2/cm以下である、項1~5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記基材層と前記ステンレス鋼箔との間に接着剤層を有する、項1~6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 前記ステンレス鋼箔と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を有する、項1~7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1~8のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
項10. 少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とを積層して積層体を得る積層工程と、
前記保護層を硬化させる硬化工程と、
を備えており、
前記硬化工程において、前記保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足するように、前記保護層を硬化させる、電池用包装材料の製造方法。
本発明によれば、表面の耐電解液性及びインキの印刷特性に優れており、さらに、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成され難い電池用包装材料を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該電池用包装材料を用いた電池、及び当該電池用包装材料の製造方法を提供することもできる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 テープ密着性の評価方法を説明するための模式図である。 テープ密着性の評価方法を説明するための模式図である。 実施例におけるテープ剥離性の評価方法を説明するための模式図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とをこの順に有する積層体からなり、保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足していることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料、当該電池用包装材料の製造方法、当該電池用包装材料を用いた電池について詳述する。
なお、本明細書において、数値範囲については、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料は、図1及び図2に示すように、少なくとも、保護層6、基材層1、ステンレス鋼箔3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に有する積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、保護層6が最外層になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置する熱融着性樹脂層4同士が熱融着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、基材層1とステンレス鋼箔3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着剤層2が設けられていてもよい。また、図2に示すように、ステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料を構成する積層体の厚さは、特に制限されないが、薄型の電池用包装材料としつつ、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成され難い電池用包装材料とする観点からは、好ましくは45~120μm程度が挙げられる。本発明の電池用包装材料が、このように非常に薄い場合、電池のエネルギー密度を高めることができる。
本発明の電池用包装材料を構成する積層体の厚さとしては、薄型の電池用包装材料としつつ、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成され難い電池用包装材料とする観点から、下限としては、好ましくは約45μm以上、より好ましくは約50μm以上が挙げられ、上限としては、好ましくは約120μm以下、好ましくは約91μm以下、好ましくは約86μm以下、さらに好ましくは約82μm以下が挙げられる。積層体の厚さの好ましい範囲としては、50~120μm程度、55~120μm程度、45~91μm程度、45~86μm程度、45~82μm程度、50~91μm程度、50~86μm程度、50~82μm程度、55~91μm程度、55~86μm程度、55~82μm程度が挙げられる。なお、電池用包装材料10を構成する積層体の厚さは、市販の厚み測定器を用いて測定することができる。
また、本発明の電池用包装材料を構成する積層体の曲げこわさは、0.60~6.0gf・cm2/cmの範囲にあることが好ましい。本発明の電池用包装材料を構成する積層体の曲げこわさが、このような特定の範囲内に設定されていることにより、優れた成形性を発揮することができ、さらに、テープを剥離する際に皺の形成をより一層効果的に抑制することができる。
電池用包装材料の厚さを薄くしつつ、優れた成形性を発揮し、さらに、テープを剥離する際に皺の形成をより一層効果的に抑制する観点から、当該曲げこわさの下限としては、好ましくは約0.60gf・cm2/cm以上、より好ましくは約0.65gf・cm2/cm以上、さらに好ましくは約0.70gf・cm2/cm以上、さらに好ましくは約0.80gf・cm2/cm以上が挙げられ、上限としては、好ましくは約6.0gf・cm2/cm以下、より好ましくは約1.60gf・cm2/cm以下が挙げられ、さらに好ましくは約1.55gf・cm2/cm以下が挙げられる。当該曲げこわさの好ましい範囲としては、0.60~6.0gf・cm2/cm程度、0.65~6.0gf・cm2/cm程度、0.70~6.0gf・cm2/cm程度、0.80~6.0gf・cm2/cm程度、0.60~1.55gf・cm2/cm程度、0.65~1.60gf・cm2/cm程度、0.65~1.55gf・cm2/cm程度、0.70~1.60gf・cm2/cm程度、0.70~1.55gf・cm2/cm程度、0.80~1.60gf・cm2/cm程度、0.80~1.55gf・cm2/cm程度が挙げられる。
電池用包装材料10を構成する積層体の曲げこわさは、例えば、積層体を構成する層の厚さ、組成などによって調整することができる。
本発明において、電池用包装材料を構成する積層体の曲げこわさの測定方法は、以下の通りである。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
<曲げこわさの測定>
電池用包装材料を、幅(製膜時の流れ方向に垂直な方向:TD)80mm、長さ(製膜時の流れ方向:MD100mmの長方形に裁断して試験サンプルを得る。得られた試験サンプルについて、市販の曲げこわさ測定機を用いて、曲げこわさ(gf・cm2/cm)を測定する。測定条件は、曲率変化速度を0.1/cm・秒、クランプ間隔を1cm、最大曲率を2.5cm-1、とし、10個の試験サンプルについての曲げこわさの平均値を、電池用包装材料の曲げこわさとする。なお、試験サンプルの幅80mmの端縁がクランプ軸方向と一致するように2本のクランプに固定する。
電池用包装材料の厚さを薄くしつつ、優れた成形性を発揮し、さらに、テープを剥離する際に皺の形成をより一層効果的に抑制する観点から、本発明の電池用包装材料を構成する積層体は、JIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定された、基材層側から突き刺した場合の突刺し強さが、15N以上であることが好ましく、15~60Nの範囲内にあることがより好ましい。
本発明において、電池用包装材料10を構成する積層体の突刺し強さの測定方法は、以下の通りである。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
<突刺し強さの測定>
電池用包装材料を構成する積層体の基材層側からの突刺し強さは、JIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定する。具体的には、23±2℃、相対湿度(50±5)%の測定環境において、中央に15mmの開口部を有する直径115mmの台と押さえ板で試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定する。試験片の数は5個であり、その平均値を求める。なお、試験片の数が足りず5個測定できない場合は測定可能な数を測定し、その平均値を求める。
なお、電池を筐体等に固定するテープとしては、例えば、粘着剤成分として、ゴム系成分、アクリル系成分、ウレタン系成分、シリコーン系成分、スチレン-イソプレンブロック共重合体(SIS)系成分を用いた粘着テープが挙げられ、このような粘着テープは市販品が容易に入手可能である。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[保護層6]
本発明の電池用包装材料においては、耐電解液性及びインキの印刷特性の向上などを目的として、保護層6が設けられている。保護層6は、電池を組み立てた時に、最外層(熱融着性樹脂層とは反対側)に位置する層である。
本発明においては、保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線(FT-IR)分光分析法の減衰全反射(ATR;Attenuated Total Reflection)で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05 ≦ B/A≦ 0.75の関係を充足している。本発明における吸光度の最大値は、フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定された吸光度の最大値であり、積算回数32回、波数分解能4cm-1として測定したものである。
なお、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値は、主にC-H伸縮振動由来による吸光度の最大値を表す。また、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値は、主にN=C=O伸縮振動由来による吸光度の最大値を表す。フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射の具体的な測定条件は、以下の通りである。なお、「2800cm-1から3000cm-1の範囲」には、2800cm-1及び3000cm-1が含まれ、「2200cm-1から2300cm-1の範囲」には、2200cm-1及び2300cm-1が含まれる。
(フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射の測定条件)
プリズム:ゲルマニウム
波数分解能:4cm-1
積算回数:32回
吸光度の最大値A:波数2750~3100cm-1間を直線で結んでベースラインをとり、ベースラインと波数2800~3000cm-1の範囲における吸光度の最大値までの強度
吸光度の最大値B:波数2000~2500cm-1間を直線で結んでベースラインをとり、ベースラインと波数2200~2300cm-1の範囲における吸光度の最大値までの強度
フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定された、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出されるC-H伸縮振動による吸収は、主に保護層6を形成している樹脂(硬化剤と反応する主剤)に起因するものである。また、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出されるN=C=O伸縮振動による吸収は、主にイソシアネート基を有する化合物(硬化剤)に起因するものである。すなわち、保護層6は、好ましくはイソシアネート基を有する化合物を含んでいる(例えば、硬化剤として使用されたイソシアネート基を有する化合物の一部が、主剤と反応せずに残存している)。また、保護層6は、好ましくは、水酸基を有する基を側鎖に有するポリエステルポリオール及びアクリルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール(主剤)と、イソシアネート基を有する化合物とにより形成されたウレタン樹脂を含んでいる。例えば、本発明の電池用包装材料では、硬化剤の未反応のイソシアネート基を所定量残存させていることにより、保護層6による耐電解液性が向上するだけではなく、保護層6の表面にインキが定着しやすくなり、インキの印刷特性がより一層向上する。
本発明の電池用包装材料の耐電解液性とインキの印刷特性をより一層向上させる観点からは、吸光度の最大値Aと吸光度の最大値Bとは、0.10≦ B/A≦ 0.70の関係を充足することが好ましい。さらに、耐電解液性及びインキの印刷特性に加えて、耐摩耗性を向上させる観点からは、吸光度の最大値Aと吸光度の最大値Bとは、0.10≦ B/A≦0.60の関係を充足することが特に好ましい。
本発明の電池用包装材料において、保護層6を形成する樹脂(硬化剤と反応する主剤)としては、後述のイソシアネート基を有する化合物(硬化剤)と反応する官能基(例えば、水酸基、アミノ基など)を有するものが挙げられ、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどのポリオール化合物などが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸の1種以上と、水酸基を3つ以上有する化合物の1種以上とを反応させることで得られるポリエステルポリオールが挙げられる。水酸基を3つ以上有する化合物の水酸基のうちの未反応の部位が、ポリエステルポリオールの側鎖の水酸基となる。
二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系二塩基酸;イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系二塩基酸などが挙げられる。
水酸基を3つ以上有する化合物としては、例えば、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールは、前記二塩基酸及び水酸基を3つ以上有する化合物に加えて、必要に応じてジオールを反応させた化合物が用いられてもよい。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族系ジオール;シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式系ジオール;キシリレングリコールなどの芳香族系ジオールなどが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、少なくとも水酸基含有アクリルモノマーと(メタ)アクリル酸とを共重合して得られる、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位を主成分とする共重合体が挙げられる。
水酸基含有アクリルモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。水酸基含有アクリルモノマー及び(メタ)アクリル酸と共重合する成分としては、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。);(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、N-アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基などが挙げられる。)、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシランなどのシラン含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーが挙げられる。
ポリオール化合物は、求められる機能や性能に応じて使用でき、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらポリオール化合物(主剤)と、イソシアネート基を有する化合物(硬化剤)とを使用することで、ポリウレタン樹脂により形成される保護層6が得られる。
ポリオール化合物としては、電解液耐性により優れることから、アクリルポリオールが好ましい。
本発明において、保護層6に含まれる樹脂は、イソシアネート基と反応し得る全ての官能基がイソシアネート基を有する化合物(硬化剤)と反応したものであってもよいし、当該硬化剤と未反応のもの(例えば、ポリオール化合物の水酸基が少なくとも一部残存したものなど)を含んでいてもよい。
イソシアネート基を有する硬化剤としては、特に制限されず、公知のイソシアネート化合物を使用することができる。イソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)などの水添ジイソシアネート類;これらジイソシアネート化合物の2量体、3量体、さらに高分子量のポリイソシアネート類;トリメチロールプロパンなど多価アルコールもしくは水、又は低分子量ポリエステル樹脂との付加物などが挙げられる。硬化剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
保護層6を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、主剤とイソシアネート基を有する硬化剤とを含む樹脂組成物を基材層1の一方の表面上に塗布し、加熱や光照射などにより硬化剤の一部を硬化させる方法が挙げられる。
保護層6の厚みとしては、特に制限されないが、耐電解液性とインキの印刷特性をより一層向上させる観点からは、好ましくは0.5~10μm程度、より好ましくは1~5μm程度が挙げられる。
保護層6には、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、粒径が0.5nm~5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物などが挙げられる。また、添加剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状などが挙げられる。添加剤として、具体的には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム,酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施しておいてもよい。
保護層6中の添加剤の含有量としては、特に制限されないが、好ましくは5~30質量%程度、より好ましくは5~20質量%程度が挙げられる。
また、電池をプラスチック製などの保護ケースに固定する工程において、電池用包装材料と保護ケースを粘着テープで固定する工程が実施される。保護層6に添加剤(例えば、シリカ粒子などのフィラー)を添加し、保護層6の表面に凹凸を付けることで、粘着テープと保護層6の接着面積が増加し電池用包装材料と保護ケースの固定をより強固にできるという利点がある。
本発明の電池用包装材料においては、保護層6の表面の少なくとも一部にインキを好適に印刷することができる。すなわち、本発明において、保護層6の表面にインキが印刷された電池用包装材料は、保護層6の表面に印刷されたインキ(インキの硬化物、乾燥物など)が露出している。印刷されたインキは、例えば、バーコード、柄、文字などの印字によって、情報担持部を形成することができる。保護層6の表面の少なくとも一部に、インキから構成される情報担持部を備えていてもよい。印刷に用いるインキとしては、特に制限されず、公知のものを使用することができ、例えば、紫外線などを照射することにより硬化する光硬化性インキやインクジェットプリンターなどに使用されているインクジェットインキなどを用いることができる。インキには、通常、水酸基、アミノ基などのイソシアネート基と反応する官能基を備える成分が含まれている。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、保護層6とステンレス鋼箔3との間に位置する層である。
基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物などが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルなどが挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル-ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)などが挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化などが発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体などの脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)などのヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸-テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などの芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)などの脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体などが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。また、基材層1は、上記の素材をステンレス鋼箔3上にコーティングして形成されていてもよい。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、さらに好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層1の厚さとしては、例えば、3~20μm程度が挙げられる。より具体的には、基材層1がナイロンなどのポリアミドにより構成されている場合、基材層1の厚みとしては、好ましくは3~20μm程度、より好ましくは10~15μm程度が挙げられる。また、基材層1がポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルにより構成されている場合、基材層1の厚みとしては、好ましくは3~15μm程度、より好ましくは3~10μm程度が挙げられる。
[接着剤層2]
本発明の電池用包装材料において、接着剤層2は、基材層1とステンレス鋼箔3とを接着させるために、必要に応じて設けられる層である。
接着剤層2は、基材層1とステンレス鋼箔3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。さらに、接着剤層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などのいずれであってもよい。
接着剤層2の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂;フッ化エチレンプロピレン共重合体などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や黄変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用などが優れ、基材層1とステンレス鋼箔3との間のラミネート強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着剤層2は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着剤層2を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層1とステンレス鋼箔3とのラミネート強度を向上させるという観点から、基材層1側に配される接着剤成分を基材層1との接着性に優れる樹脂を選択し、ステンレス鋼箔3側に配される接着剤成分をステンレス鋼箔3との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着剤層2は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、ステンレス鋼箔3側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂などが挙げられる。
また、接着剤層2は、着色剤を含んでいてもよい。接着剤層2が着色剤を含んでいることにより、電池用包装材料を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
例えば、無機系の顔料の具体例としては、好ましくはカーボンブラック、酸化チタンなどが挙げられる。また、有機系の顔料の具体例としては、好ましくはアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料などが挙げられる。アゾ系顔料としては、ウォッチングレッド、カーミン6Cなどの溶性顔料;モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッド、パーマネントレッド等の不溶性アゾ顔料が挙げられ、フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料としての青系顔料や緑系顔料が挙げられ、縮合多環系顔料としては、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレットなどが挙げられる。また、顔料としては、パール顔料や、蛍光顔料なども使用できる。
着色剤の中でも、例えば電池用包装材料の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
接着剤層2における顔料の含有量としては、電池用包装材料が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度が挙げられる。
なお、基材層1と接着剤層2との間に着色層を設けても構わない。着色層は、例えば、着色剤を含むインキを基材層1の表面に塗布することにより形成することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。なお、着色層に含まれる着色剤の具体例としては、[接着剤層2]の欄で例示したものと同じものが例示される。着色層を形成するインキとしては、特に制限されず、公知のインキを使用することができる。インキの具体例としては、例えば、着色剤、ジアミン、ポリオール、及び硬化剤を含むインキが挙げられる。なお、インキに含まれる溶媒としては、公知のものが使用でき、例えば、トルエンなどが挙げられる。
接着剤層2の厚さについては、例えば、2~10μm程度、好ましくは3~5μm程度が挙げられる。
[ステンレス鋼箔3]
本発明の電池用包装材料において、ステンレス鋼箔3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。
ステンレス鋼箔3としては、オーステナイト系のステンレス鋼箔、フェライト系のステンレス鋼箔などが挙げられる。本発明において、高い剛性を有しており、テープを剥離する際に皺が形成されにくく、さらに成形性に優れた電池用包装材料を提供する観点から、ステンレス鋼箔3は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔3を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、突き刺し強さが高く、耐電解液性及び成形性にも優れた電池用包装材料とする観点からは、SUS304が特に好ましい。
ステンレス鋼箔3の厚さについては、特に制限されないが、電池用包装材料をより一層薄型化しつつ、突き刺し強さが高く、耐電解液性及び成形性にも優れた電池用包装材料とする観点からは、好ましくは40μm以下、より好ましくは10~40μm程度、より好ましくは10~30μm程度、さらに好ましくは15~25μm程度が挙げられる。
また、ステンレス鋼箔3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは少なくとも熱融着性樹脂層4側の面、さらに好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、ステンレス鋼箔3の表面に耐酸性皮膜を形成する処理である。化成処理は、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム化合物を用いたクロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸処理;下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
Figure 0007095699000001
Figure 0007095699000002
Figure 0007095699000003
Figure 0007095699000004
一般式(1)~(4)中、Xは水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、同一又は異なって、ヒドロキシ基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)~(4)において、X、R1、R2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1、R2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1~4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)~(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、及び、ヒドロキシアルキル基のいずれかであることが好ましい。一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500~100万程度、好ましくは1000~2万程度が挙げられる。
また、ステンレス鋼箔3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、約150℃以上で焼付け処理を行うことにより、ステンレス鋼箔3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層を形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミン又はその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーは1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化成処理は、1種の化成処理を単独で行ってもよく、2種以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。これらの中でも、好ましくはクロム酸処理、さらに好ましくはクロム化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせた化成処理が挙げられる。クロム化合物の中でも、クロム酸化合物が好ましい。
化成処理においてステンレス鋼箔3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えばクロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせてクロメート処理を行う場合であれば、ステンレス鋼箔3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、リン化合物がリン換算で0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が1~200mg程度、好ましくは5.0~150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、ステンレス鋼箔3の表面に塗布した後に、ステンレス鋼箔3の温度が70~200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、ステンレス鋼箔3に化成処理を施す前に、予めステンレス鋼箔3を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、ステンレス鋼箔3の表面の化成処理を一層効率的に行うことが可能になる。
[熱融着性樹脂層4]
本発明の電池用包装材料において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して電池素子を密封する層である。
熱融着性樹脂層4に使用される樹脂成分については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。すなわち、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などのポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。また、スチレンも構成モノマーとして挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β-不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β-不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記カルボン酸変性ポリオレフィンの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;さらに好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
本発明の電池用包装材料において、熱融着性樹脂層4は滑剤を含んでいてもよい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアマイド系滑剤が挙げられる。アマイド系滑剤としては、アミド基を有するものであれば特に制限されないが、好ましくは脂肪酸アミド及び芳香族ビスアミドが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸アマイドとしては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族系ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。
熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、その含有量は、適宜選択すればよいが、好ましくは700~1200ppm程度、より好ましくは800~1100ppm程度が挙げられる。なお、本発明において、熱融着性樹脂層4における滑剤の含有量は、熱融着性樹脂層4の内部に存在する滑剤と、熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤との合計量である。
また、熱融着性樹脂層4の厚さとしては、適宜選定することができるが、10~40μm程度、好ましくは15~30μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、ステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、ステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、その接着機構、接着剤成分の種類等は、接着剤層2で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5の形成に使用される樹脂としては、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂も使用できる。ステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4との密着性に優れる観点から、ポリオレフィンとしては、カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、カルボン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。すなわち、接着層5を構成している樹脂は、ポリオレフィン骨格を含んでいても含んでいなくてもよく、ポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましい。接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
さらに、電池用包装材料の厚みを薄くしつつ、成形性に優れた電池用包装材料とする観点からは、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることも好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、熱融着性樹脂層4で例示したカルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンと同じものが例示できる。
また、硬化剤としては、酸変性ポリオレフィンを硬化させるものであれば、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化剤、多官能イソシアネート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤などが挙げられる。
エポキシ系硬化剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
多官能イソシアネート系硬化剤は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(-N=C=N-)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
オキサゾリン系硬化剤は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン系硬化剤としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5によるステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4との密着性を高めるなどの観点から、硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されていてもよい。
接着層5を形成する樹脂組成物における硬化剤の含有量は、0.1~50質量%程度の範囲にあることが好ましく、0.1~30質量%程度の範囲にあることがより好ましく、0.1~10質量%程度の範囲にあることがさらに好ましい。
接着層5の厚みについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、接着剤層2で例示した接着剤を用いる場合であれば、好ましくは2~10μm程度、より好ましくは2~5μm程度が挙げられる。また、熱融着性樹脂層4で例示した樹脂を用いる場合であれば、好ましくは2~30μm程度、より好ましくは10~20μm程度が挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物である場合であれば、好ましくは約30μm以下、より好ましくは0.1~20μm程度、さらに好ましくは0.5~5μm程度が挙げられる。なお、接着層5が酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である場合、当該樹脂組成物を塗布し、加熱等により硬化させることにより、接着層5を形成することができる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されない。すなわち、本発明の電池用包装材料は、少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とを積層して積層体を得る積層工程と、保護層を硬化させる硬化工程とを備えており、硬化工程において、保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足するように、保護層を硬化させる方法が例示される。具体的には、例えば次のようにして製造することができる。
まず、少なくとも、基材層1、ステンレス鋼箔3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、例えば、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理されたステンレス鋼箔3に、接着剤層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該ステンレス鋼箔3又は基材層1を積層させて接着剤層2を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。
次いで、積層体Aのステンレス鋼箔3上に、熱融着性樹脂層4を積層させる。ステンレス鋼箔3上に熱融着性樹脂層4を直接積層させる場合には、積層体Aのステンレス鋼箔3上に、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法などの方法により塗布すればよい。また、ステンレス鋼箔3と熱融着性樹脂層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aのステンレス鋼箔3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのステンレス鋼箔3上にサーマルラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのステンレス鋼箔3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングし、高温で乾燥さらには焼き付ける方法などにより積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法により積層する方法、(4)積層体Aのステンレス鋼箔3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)などが挙げられる。次に、基材層1の表面に、保護層6を形成する樹脂組成物を塗布し、硬化剤のイソシアネート基の一部を反応させて保護層を硬化させる。硬化剤のイソシアネート基の一部を反応させる方法としては、加熱、光照射などが挙げられる。例えば、加熱であれば、30~90℃程度の温度で、24~120時間程度の環境下におくエージング工程を行うことにより、フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合の赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足するように調整することができる。なお、基材層1の表面に保護層6を形成する工程は、基材層1とステンレス鋼箔3を積層する前に行ってもよい。例えば、基材層1の表面に保護層6を形成した後、基材層1の保護層6とは反対側の表面にステンレス鋼箔3を形成してもよい。また、基材層1とステンレス鋼箔3とを積層した後、熱融着性樹脂層4を積層する前に、基材層1の表面に保護層6を形成してもよい。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施していてもよい。
さらに、本発明の電池用包装材料においては、電池用包装材料を成形する(電池素子を封入するための空間を形成するための成形)前後、成形後に電池素子を収容する前後のいずれにおいても、保護層6の表面にインキを印刷してもよい。印刷方法としては、特に制限されないが、成形後の電池用包装材料に印刷を行う場合には、パッド印刷が好ましい。本発明の製造方法によって得られる電池用包装材料は、保護層6の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦ B/A≦0.75という特定の関係を充足しているため、インキが弾かれやすいパッド印刷によっても、好適にインキの印刷を行うことができる。従って、保護層6の表面の少なくとも一部に、例えば、バーコード、柄、文字などの印字を好適に形成することができる。印刷に用いられるインキとしては、上記の通りである。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装体とするために使用される。すなわち、本発明の電池用包装材料により形成された包装体中に、電池素子を収容することができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料により形成された包装体を用いて、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料の熱融着性樹脂部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池には、上記本発明の電池用包装材料が用いられているため、例えば、電池用包装材料が成形され、電池素子が封止された後の電池の表面に対しても、好適にインキを印刷することができ、電池の表面の少なくとも一部に、例えば、バーコード、柄、文字などの印字によって、情報担持部を好適に形成することができる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシターなどが挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<電池用包装材料の製造>
実施例1-3及び比較例1,2
延伸ナイロンフィルム(ONY)からなる基材層1の上に、両面に化成処理を施したステンレス鋼箔(SUS)からなるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、ステンレス鋼箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、ステンレス鋼箔3上に接着剤層2(厚さ3μm)を形成した。次いで、ステンレス鋼箔3上の接着剤層2と基材層1を加圧加熱貼合した後、エージング処理を実施することにより、基材層1/接着剤層2/ステンレス鋼箔3の積層体を調製した。なお、ステンレス鋼箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりステンレス鋼箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で焼付けすることにより行った。
次いで、前記積層体のステンレス鋼箔3側に、2液型オレフィン接着剤(酸変性ポリプロピレン樹脂とエポキシ樹脂を含む樹脂組成物)を塗布し、ステンレス鋼箔3上に接着層5を形成した。さらに、接着層5の上から、熱融着性樹脂層4としての未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を積層した。次に、得られた積層体を加熱してエージング処理を実施した。次に、基材層1の上に、保護層6を形成する樹脂組成物(水酸基価が7mgKOH/g、重量平均分子量15000のポリエステルポリオールを20質量%と、イソシアネート基を有する硬化剤としての芳香族ジイソシアネート硬化剤であるトリレンジイソシアネート(TDI)を15質量%、メチルエチルケトンの溶媒を65質量%含む樹脂組成物)をグラビアコート法により塗布し、基材層1の表面に保護層6を形成した(厚さ2.5μm)。斯して、保護層6/基材層1/接着剤層2/ステンレス鋼箔3/接着層5/熱融着性樹脂層4が順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を得た。
実施例1-3及び比較例1,2の電池用包装材料においては、各層を全て積層した後に、それぞれ、表1に記載の条件でエージングを行った。また、延伸ナイロンフィルム(ONY)、ステンレス鋼箔(SUS)、接着層、熱融着性樹脂層、及び積層体の総厚みは、それぞれ、表1に記載のとおりである。また、実施例1-3及び比較例1,2において、ステンレス鋼箔としては、SUS304(オーステナイト系ステンレス鋼箔)を用いた。
実施例4-7,13,15及び比較例3,4
実施例4-7,13,15及び比較例3,4においては、保護層6を形成する樹脂組成物中における割合が10質量%となるようにフィラー(平均粒子径1.0μmのシリカ粒子)を加えたこと以外は、それぞれ、実施例1-3及び比較例1,2と同様にして、電池用包装材料を作製した。実施例4-7,13,15及び比較例3,4の電池用包装材料においては、各層を全て積層した後に、それぞれ、表1に記載の条件でエージングを行った。また、延伸ナイロンフィルム(ONY)、ステンレス鋼箔(SUS)、接着層、熱融着性樹脂層、及び積層体の総厚みは、それぞれ、表1に記載のとおりである。また、実施例4-7,15及び比較例3,4において、ステンレス鋼箔としては、それぞれ、SUS304(オーステナイト系ステンレス鋼箔)を用いた。また、実施例13において、ステンレス鋼箔としては、SUS444(フェライト系ステンレス鋼箔)を用いた。
実施例8-12,14
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる基材層1の上に、両面に化成処理を施したステンレス鋼箔(SUS)からなるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、ステンレス鋼箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、ステンレス鋼箔3上に接着剤層2(厚さ3μm)を形成した。次いで、ステンレス鋼箔3上の接着剤層2と基材層1を加圧加熱貼合した後、エージング処理を実施することにより、基材層1/接着剤層2/ステンレス鋼箔3の積層体を調製した。なお、ステンレス鋼箔の化成処理は、実施例1-3及び比較例1,2と同様に行った。
次いで、実施例8,9,11,12,14においては、前記積層体のステンレス鋼箔3側に、2液型オレフィン接着剤(酸変性ポリプロピレン樹脂とエポキシ樹脂を含む樹脂組成物)を塗布し、ステンレス鋼箔3上に接着層5を形成した。さらに、接着層5の上から、熱融着性樹脂層4としての未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を積層した。次に、得られた積層体を加熱してエージング処理を実施した。
また、実施例10においては、前記積層体のステンレス鋼箔3側に、接着層5としての無水マレイン酸ポリプロピレン(PPa)と、熱融着性樹脂層4としてのポリプロピレン(PP)とを共押出しした。
次に、実施例4-7及び比較例3,4と同じく、保護層6を形成する樹脂組成物中における割合が10質量%となるようにフィラー(平均粒子径1.0μmのシリカ粒子)を加えて保護層6を形成した(厚さ3μm)。斯して、保護層6/基材層1/接着剤層2/ステンレス鋼箔3/接着層5/熱融着性樹脂層4が順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を得た。
実施例8-12,14の電池用包装材料においては、各層を全て積層した後に、それぞれ、表1に記載の条件でエージングを行った。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ステンレス鋼箔(SUS)、接着層、熱融着性樹脂層、及び積層体の総厚みは、それぞれ、表1に記載のとおりである。また、実施例8-10において、ステンレス鋼箔としては、それぞれ、SUS304(オーステナイト系ステンレス鋼箔)を用いた。また、実施例11において、ステンレス鋼箔としては、SUS301(オーステナイト系ステンレス鋼箔)を用いた。実施例12において、ステンレス鋼箔としては、SUS316L(オーステナイト系ステンレス鋼箔)を用いた。また、実施例14において、ステンレス鋼箔としては、SUS444(フェライト系ステンレス鋼箔)を用いた。
比較例5-7及び参考例1
延伸ナイロンフィルム(ONY)からなる基材層1の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(ALM)からなるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布しアルミニウム箔上に接着剤層2(厚さ3μm)を形成した。次いで、アルミニウム箔上の接着剤層2と基材層1を加圧加熱貼合した後、エージング処理を実施することにより、基材層1/接着剤層2/アルミニウム箔の積層体を調製した。なお、アルミニウム箔の化成処理は、実施例1-3及び比較例1,2のステンレス鋼箔の化成処理と同様に行った。
次いで、比較例6においては、前記積層体のアルミニウム箔側に、2液型オレフィン接着剤(酸変性ポリプロピレン樹脂とエポキシ樹脂を含む樹脂組成物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着層5を形成した。さらに、接着層5の上から、熱融着性樹脂層4としての未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を積層した。次に、得られた積層体を加熱してエージング処理を実施した。
また、比較例5,7及び参考例1においては、前記積層体のアルミニウム箔側に、接着層5としての無水マレイン酸ポリプロピレン(PPa)と、熱融着性樹脂層4としてのポリプロピレン(PP)とを共押出しした。
次に、実施例4-7及び比較例3-5と同じく、保護層6を形成する樹脂組成物中における割合が10質量%となるようにフィラー(平均粒子径1.0μmのシリカ粒子)を加えて保護層6を形成した(厚さ3μm)。斯して、保護層6/基材層1/接着剤層2/アルミニウム箔/接着層5/熱融着性樹脂層4が順に積層された積層フィルムからなる電池用包装材料を得た。
比較例5-7及び参考例1,2の電池用包装材料においては、各層を全て積層した後に、それぞれ、表1に記載の条件でエージングを行った。また、延伸ナイロンフィルム(ONY)、アルミニウム箔(ALM)、接着層、熱融着性樹脂層、及び積層体の総厚みは、それぞれ、表1に記載のとおりである。また、比較例5-7及び参考例1,2において、アルミニウム箔としては、それぞれ、JIS H4000:2014 A8021P-Oの組成を備えるものを用いた。
[保護層のB/Aの測定]
Thermo Scientific社製のNicolet380を用いて、上記で得られた電池用包装材料の保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射を測定した。得られた測定結果から、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1範囲に検出される吸光度の最大値Bに基づいて、B/Aの値を算出した。結果を表1に示す。なお、本発明における吸光度の最大値は、フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定された吸光度の最大値であり、積算回数32回、波数分解能4cm-1として測定したものである。フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射の具体的な測定条件は、以下の通りである。
(フーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射の測定条件)
プリズム:ゲルマニウム
波数分解能:4cm-1
積算回数:32回
吸光度の最大値A:波数2750~3100cm-1間を直線で結んでベースラインをとり、ベースラインと波数2800~3000cm-1の範囲における吸光度の最大値までの強度
吸光度の最大値B:波数2000~2500cm-1間を直線で結んでベースラインをとり、ベースラインと波数2200~2300cm-1の範囲における吸光度の最大値までの強度
[耐電解液性の評価]
上記で得られた電池用包装材料から、幅100mm長さ100mmの大きさの試験片を切り取った。次に、保護層の表面に、電解液(1MのLiPF6と、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート及びジメチルカーボネート(容量比1:1:1)の混合液とからなる)を垂らし、24℃、相対湿度50%の環境下で6時間放置した後、エタノールで電解液を拭き取り、表面の変化を観察した。このとき、全く変化が無かったものをA、変色していたものをCとした。結果を表1に示す。
[インキの印刷特性の評価]
上記で得られた電池用包装材料の保護層の表面にパッド印刷を施して、インキの印刷特性を評価した。パッド印刷機は、ミシマ株式会社製SPACE PAD 6GXを使用した。また、インキは、ナビタス株式会社製のUVインキPJU-A黒色を使用した。保護層の表面に印刷したインキは、アズワン製のハンディーUVランプ SUV-4で紫外線波長:254nmにて10cmの距離からUVを30秒間照射して硬化させた。印刷面の面積は100mm2とした。硬化後の印刷面を光学顕微鏡で観察し、以下の基準に従ってインキの印刷特性を評価した。下記の評価A,Bは、インキの印刷特性が良好といえる。なお、インキの印刷は、温度24℃、相対湿度50%の環境下に行った。結果を表1に示す。
A:印刷の抜けが印刷柄全体の5%よりも少ない
B:印刷の抜けが印刷絵柄全体の5%以上10%以下
C:印刷の抜けが印刷柄全体の10%よりも多い
[耐摩耗性の評価]
JIS P 8136の規定された方法に準拠して、上記で得られた電池用包装材料の保護層に対して、30ストロークの条件で耐摩耗性試験を行い、目視にて傷の有無を確認した。試験後の保護層に傷がなかった場合はA、傷があったものはCと評価した。結果を表1に示す。
[テープ密着性の評価]
図3,4に示すように、上記で得られた各電池用包装材料10を幅15mm、長さ175mmのサイズで切出し、保護層の表面に、幅5mm、長さ125mmの両面粘着テープ20(3M社製 #610、厚さ120μm)を貼った。その上から幅15mm、長さ300mmで切出した電池用包装材料10の保護層6の表面を重ね、JIS-Z0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法の10.2.4に記載された圧着装置を用いて電池用包装材料10と両面粘着テープ20の圧着を行った。なお、温度24℃、相対湿度50%の環境において、圧着装置のローラーの質量は2kg、10mm/secの速度で2往復している。ローラーで圧着して温度24℃、相対湿度50%RHで1時間保管した後、幅15mm、長さ300mmで切出した電池用包装材料10を両面粘着テープ20の端で180°に折返し、上述した電池用包装材料10を引張試験機の上下で固定して、180°の剥離角、50mm/minの速度で温度24℃、相対湿度50%の環境で引張試験を行いテープの密着性を評価した。なお、得られた剥離強度は、測定の最初の25mmと最後の20mmを除いた平均値として算出したものであり、以下に示す基準でテープ密着性を評価した。結果を表1に示す。
A: 剥離強度 5N/5mm以上
B: 剥離強度 3N/5mm以上、5N/5mm未満
C: 剥離強度 3N/5mm未満
[曲げこわさの測定]
上記で得られた各電池用包装材料を、幅(製膜時の流れ方向に垂直な方向:TD)80mm、長さ(製膜時の流れ方向:MD)100mmの長方形に裁断して試験サンプルを得た。得られた試験サンプルについて、曲げこわさ測定機(エスエムテー/JTC-911BT)を用いて、曲げこわさ(gf・cm2/cm)を測定した。測定条件は、曲率変化速度を0.1/cm・秒、クランプ間隔を1cm、最大曲率を2.5cm-1とし、10個の試験サンプルについての曲げこわさの平均値を、上記で得られた各電池用包装材料の曲げこわさとした。なお、試験サンプルの幅80mmの端縁がクランプ軸方向と一致するように2本のクランプに固定した。
曲げこわさの評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
A:曲げこわさ 6.0gf・cm2/cm以下、0.60gf・cm2/cm以上
C:曲げこわさ 0.59gf・cm2/cm未満
[突刺し強さの測定]
上記で得られた各電池用包装材料を、幅80mm、長さ120mmの長方形に裁断して、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルについて、JIS Z1707:1997に準拠した方法により、基材層側から突刺し強さを測定した。具体的には、23±2℃、相対湿度(50±5)%の測定環境において、中央に15mmの開口部を有する直径115mmの台と押さえ板で試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定した。試験片の数は5個であり、その平均値を求めた。なお、突刺し強さの測定装置としては、イマダ社製のZTS-500N(フォースゲージ)とMX-500N(測定スタンド)を用いた。突刺し強さの評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
A: 突刺し強さ 60N以下、25N以上
B: 突刺し強さ 15N以上、25N未満
C: 突刺し強さ 15N未満
[限界成形深さの測定]
上記で得られた各電池用包装材料を、幅90mm、長さ150mmの長方形に裁断して、試験サンプルを得た。次に、温度24℃、相対湿度50%の環境において、30mm×50mmの口径を有する雌型と、これに対応した雄型を用いて、押え圧0.9MPaで0.5mmの成形深さから0.5mm単位で成形深さを増加させて成形を行い、電池用包装材料にピンホールが発生した際の成形深さよりも0.5mm浅い成形深さを、そのサンプルの限界成形深さとした。成形においては、雄型を熱融着性樹脂層側に配置して行い、熱融着性樹脂層側に凹部、基材層側に凸部が形成されるようにした。雄型と雌型のクリアランスは、0.3mmとした。また、雌型の表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。雄型の表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。成形性の評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
A: 限界成形深さ 3.0mm以上
B: 限界成形深さ 2.0mm以上2.5mm以下
C: 限界成形深さ 1.5mm以下
[テープ剥離による皺の形成評価]
温度24℃、相対湿度50%の環境において、雌型及び雄型を用い、押え圧0.9MPaで、上記で得られた各電池用包装材料10を成形して、下記の電池サイズ1,2の凹部を形成した。成形においては、雄型を熱融着性樹脂層4側に配置して行い、熱融着性樹脂層4側に凹部、保護層6側に凸部が形成されるようにして成形部を設けた。雄型と雌型のクリアランスは、0.3mmとした。また、雌型の表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。雄型の表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。
電池サイズ1:凹部の幅30mm、長さ90mm、成形深さ3mm
電池サイズ2:凹部の幅94mm、長さ128mm、成形深さ3mm
なお、上記成形性評価が評価Bである実施例8、11、12、13については、電池サイズ1、電池サイズ2の成形深さをそれぞれ2mmとし、成形性評価が評価Cである実施例14については、電池サイズ1、電池サイズ2の成形深さをそれぞれ1.5mmとした。
次に、図5の模式図に示すように、電池サイズ2の電池用包装材料の凹部には、幅91mm、長さ125mm、高さ(成形深さの方向に対応する)3mmのアクリル板21を挿入した。挿入したアクリル板21は、電池用包装材料10の凹部の底に密着するように、寺岡製作所社製の両面テープ NO751Bを用いて固定した。次に、電池用包装材料の成形部の凸部側の表面10aに、粘着テープとして幅5mm、長さ50mmの両面テープ31(3M社製の#610、厚さ120μm)とアルミニウム箔41(35μm)とを積層し、アルミニウム箔41の上から、200gのゴムローラで1往復することにより、両面テープ31を電池用包装材料10の成形部の凸部側の表面10aに貼り付けた。次に、成形部の凸部に貼り付けられていない両面テープの端部を指でつまみ、アルミニウム箔41と共に両面テープ31を180°方向(図5矢印の方向)に引っ張り、成形部の凸部の表面10aから剥離した。次に、両面テープ31が剥離された成形部の表面を目視で観察して、以下の基準により、テープ剥離による皺の形成評価を行った。評価結果を表1に示す。
A:成形部がテープに追従しなかったことから、表面に皺が形成されておらず、テープが電池用包装材料の表面から適切に剥離されている。
C:成形部がテープに追従し、表面に皺が形成されている。
Figure 0007095699000005
実施例13,14においては、ステンレス鋼箔として、SUS444(フェライト系ステンレス鋼箔)を用いた。
なお、表1において、ONYは延伸ナイロンフィルム、PETはポリエチレンテレフタレートフィルム、SUSはステンレス鋼箔、ALMはアルミニウム箔、URは2液型ウレタン接着剤の硬化物、OEはポリオレフィン樹脂とエポキシ樹脂の硬化物、CPPは未延伸ポリプロピレンフィルム、PPaは無水マレイン酸ポリプロピレン、PPはポリプロピレンを意味する。また、層の後ろに記載されている数値は、層の厚さ(μm)を意味しており、例えば、「ONY10」は、「厚さ10μmの延伸ナイロンフィルム」を意味している。
表1に示される結果から明らかな通り、実施例1~15の電池用包装材料においては、バリア層がステンレス鋼箔により構成されており、かつ、B/A値が0.10~0.70の範囲に設定されているため、耐電解液性だけでなく、インキの印刷特性及び耐摩耗性にも優れており、さらに、曲げこわさ、突刺し強さ、及びテープ剥離による皺の形成評価も優れていることが分かる。また、保護層6を形成する樹脂組成物中にフィラーを添加した実施例4~15の電池用包装材料においては、テープ密着性にも優れていることが分かる。
1 基材層
2 接着剤層
3 ステンレス鋼箔
4 熱融着性樹脂層
5 接着層
6 保護層
10…電池用包装材料
10a…電池用包装材料の成形部の凸部側の表面
20…両面粘着テープ
21…アクリル板
31…両面テープ
41…アルミニウム箔

Claims (10)

  1. 少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とをこの順に有する積層体からなり、
    前記保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足している、電池用包装材料。
  2. 前記保護層が、イソシアネート基を有する化合物を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記保護層が、水酸基を有する基を側鎖に有するポリエステルポリオール及びアクリルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールと、イソシアネート基を有する化合物とにより形成されたウレタン樹脂を含む、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記保護層の表面の少なくとも一部に、インキを印刷して使用される、請求項1~3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記保護層の表面の少なくとも一部に、インキから構成される情報担持部を備える、請求項1~4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記積層体の厚さは、45μm以上120μm以下であり、
    前記ステンレス鋼箔の厚さは、15μm以上40μm以下であり、
    前記積層体の曲げこわさが、0.60gf・cm2/cm以上6.0gf・cm2/cm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記基材層と前記ステンレス鋼箔との間に接着剤層を有する、請求項1~6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 前記ステンレス鋼箔と前記熱融着性樹脂層との間に接着層を有する、請求項1~7のいずれかに記載の電池用包装材料。
  9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1~8のいずれかに記載の電池用包装材料により形成された包装体中に収容されている、電池。
  10. 少なくとも、保護層と、基材層と、ステンレス鋼箔と、熱融着性樹脂層とを積層して積層体を得る積層工程と、
    前記保護層を硬化させる硬化工程と、
    を備えており、
    前記硬化工程において、前記保護層の最表面側からフーリエ変換赤外線分光分析法の減衰全反射で測定した場合に、赤外線の波数が2800cm-1から3000cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Aと、赤外線の波数が2200cm-1から2300cm-1の範囲に検出される吸光度の最大値Bとが、0.05≦B/A≦0.75の関係を充足するように、前記保護層を硬化させる、電池用包装材料の製造方法。
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