以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、画像形成装置100および他の画像形成装置200を示す図である。画像形成装置100および他の画像形成装置200は、ネットワーク99を介して相互に通信を行うことができる画像形成装置であり、双方ともに音声による指示を受け付けることができる。ネットワーク99は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのインターネットである。
また、画像形成装置100および他の画像形成装置200は、一方の画像形成装置に対し口頭で指示しているユーザーの声が、他方の画像形成装置にも届いてしまう程度に近接して設置されている。画像形成装置100および他の画像形成装置200が近接しているか否かの判断は、画像形成装置100および他の画像形成装置200の離間距離、または、他の画像形成装置200から出力される出力音のレベル等によって判断される。具体的には、画像形成装置100および他の画像形成装置200の離間距離が閾値未満である場合に、画像形成装置100および他の画像形成装置200は近接していると判断される。また、画像形成装置100において、他の画像形成装置200から出力される出力音のレベルを計測し、当該出力音のレベルが閾値以上である場合に近接していると判断される。
図2は、画像形成装置100の全体構成を示す図である。画像形成装置100は、複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)、複写機、ファクシミリ、プリンターといったどのような形態で実装されてもよい。図2に示す画像形成装置100は、スキャナー機能、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能を搭載している。
画像形成装置100は、自動原稿送り装置10、原稿読み取り部20、画像形成部30、自動両面ユニット40、給紙部50、給紙キャビネット60、操作パネル70、音声入力マイク73、音声出力スピーカー74、ファクシミリユニット90、通信インターフェース(I/F)ユニット91、制御装置110、およびHDD120を備える。
自動原稿送り装置10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数の原稿を1枚ずつ自動的に搬送するための装置である。自動原稿送り装置10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数の原稿を、1枚ずつ自動的に、原稿読み取り部20のプラテンガラス上の原稿読み取り位置まで搬送する。また、自動原稿送り装置10は、タクトスイッチで構成される原稿セットセンサー11を備え、原稿がセットされたか否かを検出し、その結果を制御装置110に信号として送る。
原稿読み取り部20は、原稿読み取り位置に搬送された原稿の大きさ等に応じて原稿画像を走査し、その入射光を電気信号に変換して、読み取りデータとして制御装置110に送る。制御装置110は、受け取った読み取りデータに対し、シェーディング補正等の各種データ処理を施す。また、原稿読み取り部20は、磁気センサーで構成される装置持ち上げセンサー21を備え、自動原稿送り装置10が持ち上げられたか否かを検出し、その結果を制御装置110に信号として送る。
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、感光体ドラム31a~31dと、露光走査ユニット32a~32d、転写ベルト33、これらを保護する前扉カバー(図示省略)、および前扉センサー34を備える。感光体ドラム31a~31dおよび露光走査ユニット32a~32dは、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色に対応している。制御装置110から出力される駆動信号に基づいて、露光走査ユニット32a~32dで生成されたレーザ光が感光体ドラム31a~31d上に露光される。前扉センサー34は、タクトスイッチで構成され、前扉カバーが開放されたかどうかを検出し、その結果を制御装置110に信号として送る。転写ベルト33は、各色に対応する感光体ドラム31a~31d上のトナー像を全て重ね合わせて、給紙部50から搬送されてくる用紙に転写する。
自動両面ユニット40は、片面が印刷された用紙を裏表反転させるために、用紙を通紙経路上で一旦後退させた後、再度給紙させることによって両面印刷を可能にする。
給紙部50は、用紙を収納しておくための給紙カセット51,53と、用紙を繰り出すためのピックアップローラ52,54を備え、画像形成部30に用紙を補給する。
給紙キャビネット60は、給紙部50と同様に、用紙を収納しておくための給紙カセット61,63と、用紙を繰り出すためのピックアップローラ62,64とを備え、給紙部50を経由して画像形成部30に用紙を補給する。
操作パネル70は、ユーザーインターフェースであり、タッチパネル入力部71およびキー入力部72を備える。操作パネル70の近傍には、副電源スイッチ80が備えられている。副電源スイッチ80は、ユーザーが省電力動作モードであるスリープモードへの移行を直接指示するためのスイッチである。
音声入力マイク73は、ユーザーが発する音声を取得する。音声入力マイク73が取得した音声は制御装置110において解析される。解析により、その指示の内容が特定され、指示に対応した設定が画像形成装置100になされる。
音声出力スピーカー74は、音声を出力する。音声出力スピーカー74は、制御装置110で生成したユーザーに対するガイダンスや問い合わせを出力する。
ファクシミリユニット90は、公衆電話回線に接続し、画像データの送受信を行うためのインターフェースである。
通信インターフェース(I/F)ユニット91は、ネットワーク99に接続するためのインターフェースである。画像形成装置100は、他の画像形成装置200やパーソナルコンピューター等とネットワークを介して接続される。
制御装置110は、画像形成装置100の各部の動作を総括的に制御し、コピー、プリント、スキャン、およびファクシミリ等の各種ジョブを実行する。また、制御装置110は、画像形成装置100の各部の動作を総括的に制御し、音声による指示の受け付けを可能にする。制御装置110は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、およびRAM(Random Access Memory)113等から構成される。CPU111は、ROM112に記憶された制御プログラムを実行する。ROM112は、画像形成装置100の動作を制御する制御プログラムおよび各種固定データを記憶する。RAM113は、CPU111が制御プログラムを実行するときに必要なデータを一時的に記憶する。
HDD120は、制御装置110から送られてくる画像データを記憶する。また、HDD120は、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して取得した画像データ、および、操作パネル70に表示する画像データ等を記憶する。
なお、画像形成装置100は、上述以外の構成を備えていてもよく、たとえば、画像形成装置100に近づいてくるユーザーを検知する人感センサーを備えていてもよい。また、各構成要素の配置は図2に示すものに限られない。
図3は、画像形成装置100が音声による指示を説明型で受け付ける場合の動作を示すタイミングチャートである。説明型とは、音声による指示を受け付け可能な電子機器における音声による指示の受付形式の一つであり、電子機器はユーザーから一方的に送られてくる指示を受け付ける。画像形成装置100は、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合に説明型での受け付けを行う。また、画像形成装置100は、画像形成装置100に近接して設置されている画像形成装置が存在しない場合にも説明型での受け付けを行う。
図3を参照して、画像形成装置100は、ユーザーから「セットした原稿をコピーして」という指示を受け付けると(T1)、ユーザーが使用したい機能をコピーと設定する(T2)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーから「部数は10部」という指示を受け付けると(T3)、コピー部数を10部と設定する(T4)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーから「用紙サイズはA4」という指示を受け付けると(T5)、用紙サイズをA4と設定する(T6)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーから「後処理はステープル」という指示を受け付けると(T7)、後処理をステープルと設定する(T8)。T1~T8を経て、画像形成装置100にユーザーの指示に応じた設定がなされ、ユーザーがセットした原稿のコピーがA4サイズの用紙にステープル処理された形態で10部出力されることになる。
このように、画像形成装置100が音声による指示を説明型で受け付けている場合には、画像形成装置100はユーザーから一方的に送られてくる指示を受け付け、受け付けた指示に基づき設定を行う。
図4は、画像形成装置100が音声による指示を対話型で受け付ける場合の動作を示すタイミングチャートである。対話型とは、音声による指示を受け付け可能な電子機器における音声による指示の受付形式の一つであり、電子機器は設定が必要な項目についてユーザーに対し問い合わせを行い、当該問い合わせに対する回答を受け付ける。画像形成装置100は、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合に対話型での受け付けを行う。
図4を参照して、画像形成装置100は、ユーザーに対し「使用する機能は何ですか?」という問い合わせを行い(T11)、ユーザーから「コピーです」という回答を受け付けると(T12)、ユーザーが使用したい機能をコピーと設定する(T13)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーに対し「部数は何部ですか?」という問い合わせを行い(T14)、ユーザーから「10部です」という回答を受け付けると(T15)、コピー部数を10部と設定する(T16)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーに対し「用紙サイズは何ですか?」という問い合わせを行い(T17)、ユーザーから「A4です」という回答を受け付けると(T18)、用紙サイズをA4と設定する(T19)。次いで、画像形成装置100は、ユーザーに対し「後処理はどうしますか?」という問い合わせを行い(T20)、ユーザーから「ステープルして」という回答を受け付けると(T21)、後処理をステープルと設定する(T22)。T11~T22を経て、画像形成装置100にユーザーの指示に応じた設定がなされ、ユーザーがセットした原稿のコピーがA4サイズの用紙にステープル処理された形態で10部出力されることになる。
このように、画像形成装置100が音声による指示を対話型で受け付けている場合には、画像形成装置100は設定が必要な項目についてユーザーに対し問い合わせを行い、当該問い合わせに対する回答に基づき設定を行う。そこで、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、画像形成装置100は対話型での受け付けを行い、他の画像形成装置200と同じタイミングで同じ項目に対する指示を受け付けることがないように、問い合わせる項目と問い合わせのタイミングとを調整する。
ここで、図5を参照して、画像形成装置100が音声による指示を対話型で受け付けている場合に、画像形成装置100がユーザーに問い合わせる項目について説明する。図5は、ジョブ別の設定項目の一例を示す図である。
画像形成装置100は、音声による指示を対話型で受け付けている場合には、ユーザーに対し、ジョブの実行にあたり設定が必要な項目について問い合わせを行う。ジョブとは、「プリント」、「コピー」、「スキャン」、「ファクシミリ」等、ユーザーが使用したい機能のことである。ユーザーに問い合わせる項目(以下、「問い合わせ項目」とも称す)は、ジョブ、および、ジョブ別の設定項目である。
ジョブ別の設定項目とは、図5において「○」が付されている項目であり、ジョブごとに設定が必要な項目としてあらかじめ定められ、ROM112に格納されている。画像形成装置100が音声による指示を対話型で受け付けている場合には、ROM112に格納されているジョブ別の設定項目が参照されて、問い合わせ項目が決定される。具体的には、プリントジョブの実行にあたり設定が必要な項目は、「印刷対象」、「部数」、「用紙サイズ」、および「後処理」であり、コピージョブの実行にあたり設定が必要な項目は、「部数」、「用紙サイズ」、および「後処理」であり、スキャンジョブの実行にあたり設定が必要な項目は、「保存先」であり、ファクシミリジョブの実行にあたり設定が必要な項目は、「宛先」である。一方、図5に示す「-」は、該当のジョブの実行にあたり、設定が不要な項目を示している。
図3および図4に示すように、画像形成装置100は、音声による指示の受付形式として、説明型と対話型とを備え、状況に応じて切り替えることができる。他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、画像形成装置100は対話型に切り替えて、音声による指示を受け付ける。一方、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合には、画像形成装置100は説明型に切り替えて、音声による指示を受け付ける。一般的に、相互に近接して設置されている画像形成装置が、いずれも音声による指示を受け付けている場合には、指示が混在し、一方の画像形成装置が他方の画像形成装置に対する指示を誤って受け付けてしまう可能性がある。しかしながら、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、画像形成装置100は、対話型で音声による指示を受け付け、他の画像形成装置200と同じタイミングで同じ項目に対する指示を受け付けることがないように、問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整する。
図6は、画像形成装置100が音声による指示を受け付けるための処理を示すフローチャートである。図6に示す処理は、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。
図6を参照して、まず、CPU111は、ユーザーが画像形成装置100の操作を開始したか否かを判断する(S1)。具体的には、操作パネル70へのタッチ操作が検知された場合、人感センサーで人が検知された場合、原稿が自動原稿送り装置10またはプラテンガラスにセットされた場合、またはUSBメモリーが画像形成装置100に挿入されたことが検知された場合に、CPU111は、ユーザーが画像形成装置100の操作を開始したと判断する。
CPU111は、ユーザーが画像形成装置100の操作を開始するまでS1の処理を繰り返し、ユーザーが画像形成装置100の操作を開始した場合には(S1でYES)、S2へ移行する。
S2では、CPU111は、他の画像形成装置200の識別情報をROM112から読み出す。識別情報とは、画像形成装置100がネットワークを介して他の画像形成装置200へアクセスする際に必要となる他の画像形成装置200を識別可能な情報であり、たとえば、IPアドレス等である。識別情報は、図11または図12に示す処理によって、あらかじめROM112に格納されている。
次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200の状態に関する情報を取得する(S3)。具体的には、CPU111は、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っているか否かの情報、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、その受付形式(説明型または対話型)、受け付けているジョブの種別、既に設定が完了している設定項目(以下、「設定済み項目」とも称す)、および、設定が完了していない設定項目(以下、「未設定項目」とも称す)を取得する。
次いで、CPU111は、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式を決定する(S4)。なお、S4の処理については、図7で説明する。
次いで、CPU111は、S4で決定した受付形式で音声による指示の受け付けを行う(S5)。具体的には、S4で決定した受付形式が説明型である場合には、CPU111は、音声の受け付けを開始する。次いで、CPU111は、受け付けた音声を解析してユーザーの指示内容を特定し、特定した指示内容に対応する設定を画像形成装置100に施す。一方、S4で決定した受付形式が対話型である場合には、CPU111は、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるか(以下、「問い合わせ内容」とも称す)を決定し、問い合わせのための音声データを生成する。次いで、生成した音声データを音声出力スピーカー74から出力し、音声の受け付けを開始する。次いで、CPU111は、音声入力マイク73で受け付けた音声を解析してユーザーの指示内容を特定し、特定した指示内容に対応する設定を画像形成装置100に施す。
CPU111は、S5の処理の後、図6に示す処理を終了する。
図7は、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式を決定するための処理(S4)を示すフローチャートである。図7に示す処理は、画像形成装置100および他の画像形成装置200における音声による指示の受付形式を説明型と対話型とのいずれの形式にするかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。
図7を参照して、まず、CPU111は、S3で取得した情報を基に、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っているか否かを判断する(S11)。他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には(S11でYES)、CPU111は、S12へ移行する。一方、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合には(S11でNO)、CPU111は、S13へ移行する。
S12では、CPU111は、画像形成装置100の受付形式を対話型にすることを決定し、S14へ移行する。
S13では、CPU111は、画像形成装置100の受付形式を説明型にすることを決定し、図7に示す処理を終了する。
S14では、CPU111は、S3で取得した情報を基に、他の画像形成装置200における受付形式が説明型であるか否かを判断する。他の画像形成装置200における受付形式が説明型である場合には(S14でYES)、CPU111は、S15へ移行する。一方、他の画像形成装置200における受付形式が説明型ではない、つまり、対話型である場合には(S14でNO)、CPU111は、図7に示す処理を終了する。
S15では、CPU111は、S3で取得した情報を基に、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上であるか否かを判断する。ここで、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上であるということは、他の画像形成装置200が受け付ける指示が残り少ないということを意味している。また、他の画像形成装置200が受け付ける指示が残り少ないということは、画像形成装置100および他の画像形成装置200が同一項目に対する回答を同じタイミングで受け付ける可能性が低いということであり、画像形成装置100に対する指示と他の画像形成装置200に対する指示とが混在する可能性が低いことを意味している。一方、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値未満であるということは、他の画像形成装置200が受け付ける指示が多く残っていることを意味している。また、他の画像形成装置200が受け付ける指示が多く残っているということは、画像形成装置100および他の画像形成装置200が同一項目に対する回答を同じタイミングで受け付ける可能性が高いということであり、画像形成装置100に対する指示と他の画像形成装置200に対する指示とが混在する可能性が高いことを意味している。
他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上である場合には(S15でYES)、CPU111は、図7に示す処理を終了する。一方、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値未満である場合には(S15でNO)、CPU111は、他の画像形成装置200に対して、他の画像形成装置200における受付形式を説明型から対話型に切り替えるための指示をネットワーク99を介して出し(S16)、図7に示す処理を終了する。
図7に示す処理によって、画像形成装置100は、ユーザーが画像形成装置100の操作を開始したことを契機に、画像形成装置100における受付形式を説明型と対話型のいずれにするかを決定する。他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、画像形成装置100は、画像形成装置100における受付形式を対話型に決定する。一方、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合には、画像形成装置100は、画像形成装置100における受付形式を説明型に決定する。
また、図7に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を説明型で受け付けており、かつ、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値未満である場合には、画像形成装置100は、他の画像形成装置200における受付形式を説明型から対話型に切り替えるための指示を他の画像形成装置200に対して出す。これに対し、他の画像形成装置200が音声による指示を説明型で受け付けており、かつ、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上である場合には、画像形成装置100は、上記のような指示を出さない。その結果、他の画像形成装置200では説明型の受付形式が維持される。また、他の画像形成装置200が音声による指示を対話型で受け付けている場合にも、画像形成装置100は、上記のような指示を出さない。その結果、他の画像形成装置200では対話型の受付形式が維持される。
なお、図7に示す処理では、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合には、画像形成装置100は、画像形成装置100における受付形式を説明型に決定した。しかしながら、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っていない場合には、画像形成装置100に対する指示と他の画像形成装置200に対する指示とが混在する虞はないので、受付形式をユーザーに選択させるようにしてもよい。
図8は、問い合わせ内容を決定するための処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、画像形成装置100の受付形式が対話型であり、かつ、他の画像形成装置200の受付形式が説明型である場合(S15でYES)に、画像形成装置100がユーザーに対し、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。
図8を参照して、まず、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目の中から未設定の項目を1つ選択する(S21)。説明の都合上、S21で選択した項目を項目Aと称す。次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200における設定済み項目を取得する(S22)。次いで、CPU111は、項目AがS22で取得した設定済み項目の中に含まれているか否かを判断する(S23)。項目AがS22で取得した設定済み項目の中に含まれている場合には(S23でYES)、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Aに決定し(S24)、図8に示す処理を終了する。一方、項目AがS22で取得した設定済み項目の中に含まれていない場合には(S23でNO)、CPU111は、S21へ移行する。
図8に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を説明型で受け付けている場合には、画像形成装置100では、問い合わせ項目が、他の画像形成装置200において既に設定が完了している項目の中から決定される。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
図9は、問い合わせ内容を決定するための処理を示すフローチャートである。図9に示す処理は、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式が対話型である場合(S14でNO、または、S15でNO)に、画像形成装置100がユーザーに対し、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。
図9を参照して、まず、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目の中から未設定の項目を1つ選択する(S31)。説明の都合上、S31で選択した項目を項目Bと称す。次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200が直近で問い合わせる項目を取得する(S32)。
次いで、CPU111は、項目BがS32で取得した項目と同一であるか否かを判断する(S33)。ここで、項目BがS32で取得した項目と同一であるということは、項目Bを問い合わせるタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高いことを意味している。項目BがS32で取得した項目と同一である場合には(S33でYES)、CPU111は、S34へ移行する。一方、項目BがS32で取得した項目と同一ではない場合には(S33でNO)、CPU111は、S35へ移行する。
S34では、CPU111は、他の画像形成装置200において項目Bの設定が完了したか否かを判断する。CPU111は、他の画像形成装置200において項目Bの設定が完了するまでS34を繰り返し、他の画像形成装置200において項目Bの設定が完了した場合には(S34でYES)、CPU111は、S35へ移行する。
S35では、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Bに決定し、図9に示す処理を終了する。
図9に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を対話型で受け付けており、かつ、同一の項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、他の画像形成装置200において当該項目の設定が完了するまで、画像形成装置100において当該項目に対する問い合わせが保留される。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
図10は、問い合わせ内容を決定するための処理を示すフローチャートである。図10に示す処理は、図9に示す処理と同様に、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式が対話型である場合(S14でNO、または、S15でNO)に、画像形成装置100がユーザーに対し、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。図9に示す処理では、同一の項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合に、他の画像形成装置200において当該項目の設定が完了するまで、画像形成装置100において当該項目に対する問い合わせが保留された。しかしながら、図10に示す処理では、同一の項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、問い合わせ項目を当該項目から他の項目に変更可能であるかが判断され、変更可能である場合には、画像形成装置100における問い合わせ項目を他の項目に変更して問い合わせが実行される。なお、S41~S43までの処理は、S31~S33までの処理と同様であるため、説明を簡略化する。
図10を参照して、まず、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目の中から未設定の項目を1つ選択する(S41)。説明の都合上、S41で選択した項目を項目Cと称す。次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200が直近で問い合わせる項目を取得する(S42)。
次いで、CPU111は、項目CがS42で取得した項目と同一であるか否かを判断する(S43)。項目CがS42で取得した項目と同一である場合には(S43でYES)、CPU111は、S44へ移行する。一方、項目CがS42で取得した項目と同一ではない場合には(S43でNO)、CPU111は、S46へ移行する。
S44では、CPU111は、項目C以外であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在するか否かを判断する。項目C以外であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在する場合には(S44でYES)、CPU111は、S45へ移行する。一方、項目C以外であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在しない場合には(S44でNO)、CPU111は、S42へ移行する。
S45では、CPU111は、項目C以外であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目を1つ選択し(説明の都合上、選択した項目を項目Dと称す)、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Dに決定する。次いで、CPU111は、図10に示す処理を終了する。
S46では、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Cに決定し、図10に示す処理を終了する。
図10に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を対話型で受け付けており、かつ、同一の項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、画像形成装置100における問い合わせ項目が他の項目に変更される。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
図11は、他の画像形成装置200の識別情報を画像形成装置100に登録するための処理を示すフローチャートである。サービスマンは、画像形成装置100の設置時に、他の画像形成装置200が画像形成装置100と音声による指示が混在する程度に近接して設置されていると感じた場合に、他の画像形成装置200の識別情報(たとえば、IPアドレス)を画像形成装置100に手動で入力する。図11に示す処理は、サービスマンが手動で入力した他の画像形成装置200の識別情報をROM112に格納する処理であり、CPU111で行われる。
図11を参照して、まず、CPU111は、設定ボタンが押下されたか否かを判断する(S51)。ここでいう設定ボタンとは、他の画像形成装置200の識別情報を入力するための画面を操作パネル70に表示させるためのボタンであり、操作パネル70等に表示される。CPU111は、設定ボタンが押下されるまでS51を繰り返し、設定ボタンが押下された場合には(S51でYES)、CPU111は、S52へ移行する。
S52では、CPU111は、他の画像形成装置200の識別情報を入力するための入力画面を操作パネル70に表示する。次いで、CPU111は、サービスマンによる入力が完了したか否かを判断する(S53)。CPU111は、サービスマンによる入力が完了するまで、S53を繰り返し、サービスマンによる入力が完了した場合には(S53でYES)、サービスマンによって入力された識別情報をROM112に格納する(S54)。CPU111は、S54の処理の後、図11に示す処理を終了する。
図11に示す処理が繰り返されることにより、画像形成装置100に近接して設置されている他の画像形成装置200の識別情報が画像形成装置100に蓄積されていく。なお、他の画像形成装置200の識別情報の入力は、ユーザーが行ってもよい。
図12は、他の画像形成装置200の識別情報を画像形成装置100に登録するための処理を示すフローチャートである。図11に示す処理は、サービスマン等が手動で入力した他の画像形成装置200の識別情報を登録する場合の処理であった。一方、図12に示す処理は、画像形成装置100に近接して設置されている他の画像形成装置200の識別情報を自動で登録する場合の処理である。
図12を参照して、まず、CPU111は、設定ボタンが押下されたか否かを判断する(S61)。ここでいう設定ボタンとは、画像形成装置100に近接して設置されている他の画像形成装置200の識別情報を自動で登録する処理を開始させるためのボタンであり、操作パネル70等に表示される。CPU111は、設定ボタンが押下されるまでS61を繰り返し、設定ボタンが押下された場合には(S61でYES)、CPU111は、S62へ移行する。
S62では、CPU111は、画像形成装置100と同一のネットワーク99上にある画像形成装置の識別情報(たとえば、IPアドレス)を取得する。ここで、画像形成装置100と同一のネットワーク99上にある画像形成装置の識別情報を取得する方法には、たとえば、ブロードキャストコマンドを用いて取得する方法、識別情報を管理するデータベースに問い合わせる方法等がある。
次いで、CPU111は、S62で識別情報を取得した画像形成装置の中から1台の画像形成装置を特定する(S63)。次いで、CPU111は、S62で取得した識別情報を基に、S63で特定した画像形成装置に対し、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介してアクセスし、一定音量での音の出力を指示する(S64)。次いで、CPU111は、当該指示に従って出力された音の音量を計測する(S65)。
次いで、CPU111は、S65で計測した音量が閾値以上であるかどうかを判断する(S66)。ここで、S65で計測した音量が閾値以上であるということは、画像形成装置100とS63で特定した画像形成装置とが近接しているということを意味している。S65で計測した音量が閾値以上である場合には(S66でYES)CPU111は、S67へ移行する。一方、S65で計測した音量が閾値未満である場合(S66でNO)、CPU111は、S68へ移行する。
S67では、CPU111は、S63で特定した画像形成装置の識別情報をROM112に格納し、S68へ移行する。
S68では、CPU111は、S62で識別情報を取得した画像形成装置の全てについて音量の判定(S66)を行ったか否かを判断する(S68)。S62で識別情報を取得した画像形成装置の全てについて音量の判定を行った場合には(S68でYES)、CPU111は、図12に示す処理を終了する。一方、S62で識別情報を取得した画像形成装置のうち音量の判定を行っていない画像形成装置がある場合には(S68でNO)、CPU111は、S63へ処理を戻す。
図12に示す処理によって、画像形成装置100と同一のネットワーク99上にある画像形成装置が画像形成装置100に近接して設置されているか否かが判断され、画像形成装置100に近接して設置されていると判断された場合には、当該画像形成装置の識別情報がROM112に格納される。その結果、サービスマン等が、画像形成装置100に近接して設置されている他の画像形成装置200の識別情報を手動で入力しなくても、画像形成装置100に近接して設置されている他の画像形成装置200の識別情報が画像形成装置100に蓄積されていく。
以上、画像形成装置100の実施の形態について説明した。上記実施の形態においては、他の画像形成装置200が音声による指示の受け付けを行っている場合には、原則、画像形成装置100および他の画像形成装置200の受付形式が対話型に切り替えられ、同一の項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重ならないように、画像形成装置100における問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとが決定された。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
また、上記実施の形態においては、他の画像形成装置200が音声による指示を説明型で受け付けており、かつ、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上である場合には、例外的に、他の画像形成装置200の受付形式については説明型が維持され、画像形成装置100の受付形式のみ対話型に切り替えられ、画像形成装置100における問い合わせ項目は、他の画像形成装置200において既に設定が完了している項目の中から決定された。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。また、他の画像形成装置200における設定済み項目の数が閾値以上である場合、つまり、画像形成装置100および他の画像形成装置200が同一項目に対する回答を同じタイミングで受け付ける可能性が低い場合には、他の画像形成装置200における受付形式が説明型のまま維持されるので、受付形式の切替によって他の画像形成装置200のユーザーの操作性が損なわれることもない。
なお、上記実施の形態においては、画像形成装置100と近接して設置されている画像形成装置は他の画像形成装置200のみであったが、これに限られず、画像形成装置100と近接して設置されている画像形成装置が複数台あってもよい。画像形成装置100と近接して設置されている他の画像形成装置が複数台ある場合には、画像形成装置100は、複数台ある他の画像形成装置のうち音声による指示の受付を行っている他の画像形成装置の全てと同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがないように、画像形成装置100における問い合わせ項目と問い合わせるタイミングとを調整する。
また、上記実施の形態においては、他の画像形成装置200の状態に関する情報を取得する処理(S3の処理)は、画像形成装置100が音声による指示の受け付けを開始するタイミングで行われたが、画像形成装置100が音声による指示の受け付けを開始するタイミングに加え、画像形成装置100が音声による指示を受け付けている最中に定期的に行われるようにしてもよい。これにより、画像形成装置100が音声による指示の受け付けを開始したタイミングでは他の画像形成装置200は音声による指示の受け付けを行っていなかったが、その後、画像形成装置200も音声による指示の受け付けを開始した場合に、画像形成装置100は、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがないように、問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整することが可能となる。また、このような場合に、画像形成装置100は、他の画像形成装置200に対し、他の画像形成装置200における問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整するような指示をネットワーク99を介して出すようにしてもよい。
[変形例]
上記実施の形態においては、画像形成装置100は、他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐために、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで、同一の項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがないように、問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整した。以下では、変形例として、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐために、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで、属性が同じ項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがないように、画像形成装置100における問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整する処理について説明する。
図13は、設定項目の属性の一例を示す図である。図13(A)は、設定項目ごとの属性を示す図であり、図13(B)は、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なるタイミングでの問い合わせが許容される設定項目の組み合わせと許容されない設定項目の組み合わせとを示す図である。
図13(A)を参照して、設定項目のうち、設定項目に対するユーザーの指示が文字列で構成されるものは、属性が「文字列」とされている。具体的には、ユーザーが印刷対象を指示する場合には文字列で構成されるファイル名が指定されるので、印刷対象の属性は文字列となる。設定項目のうち、属性が「文字列」となる設定項目は、印刷対象、用紙サイズ、および後処理である。一方、設定項目のうち、設定項目に対するユーザーの指示が数値で構成されるものは、属性が「数値」となる。具体的には、ユーザーが部数を指示する場合には数値が指定されるので、部数の属性は数値となる。設定項目のうち、属性が「数値」となる設定項目は、部数、保存先、および宛先である。
図13(B)を参照して、「○」は、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なるタイミングでの問い合わせが許容される設定項目の組み合わせを示し、「×」は、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なるタイミングでの問い合わせが許容されない設定項目の組み合わせを示している。「○」が付されている設定項目の組み合わせは、図13(A)で示されている属性が異なる設定項目の組み合わせと一致し、「×」が付されている設定項目の組み合わせは、図13(A)で示されている属性が同じ設定項目の組み合わせと一致する。
図13(A),(B)が示すように、属性が同じ設定項目については、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なるタイミングでの問い合わせが許容されない。これは、設定項目の属性が同じ場合には、ユーザーから送られてくる指示が似通ってしまう可能性が高く、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまう虞があるためである。一例として、画像形成装置100が「後処理」を問い合わせたタイミングで、他の画像形成装置200のユーザーが印刷対象を指定するために「ステープル」というファイル名を発した場合、画像形成装置100が誤って「後処理」として「ステープル」を設定してしまう虞がある。また、別の例として、画像形成装置100が「部数」を問い合わせたタイミングで、他の画像形成装置200のユーザーがスキャンしたデータの保存先を指定するために「3」という保存先ボックスのナンバーを発した場合、画像形成装置100が誤って「部数」として「3」を設定してしまう虞がある。
そこで、画像形成装置100は、図13(A)に示すような設定項目ごとの属性をあらかじめROM112に格納しておき、図14および図15に示す処理において参照することによって、画像形成装置100と他の画像形成装置200とで、属性が同じ項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがないように、画像形成装置100における問い合わせ項目と問い合わせのタイミングとを調整する。
図14は、問い合わせ内容を決定するための処理を示すフローチャートである。図14に示す処理は、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式が対話型である場合(S14でNO、または、S15でNO)に、画像形成装置100がユーザーに対し、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。
図14を参照して、まず、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目の中から未設定の項目を1つ選択する(S71)。説明の都合上、S71で選択した項目を項目Eと称す。次いで、CPU111は、ROM112に格納されている設定項目ごとの属性を参照し、項目Eの属性を特定する(S72)。
次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200が直近で問い合わせる項目を取得する(S73)。説明の都合上、S73で取得した項目を項目Fと称す。次いで、CPU111は、ROM112に格納されている設定項目ごとの属性を参照し、項目Fの属性を特定する(S74)。
次いで、CPU111は、項目Eの属性と項目Fの属性とが同じであるか否かを判断する(S75)。ここで、項目Eの属性と項目Fの属性とが同じであるということは、同じ属性を持つ項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高いことを意味している。項目Eの属性と項目Fの属性とが同じである場合には(S75でYES)、CPU111は、S76へ移行する。一方、項目Eの属性と項目Fの属性とが異なる場合には(S75でNO)、CPU111は、S77へ移行する。
S76では、CPU111は、他の画像形成装置200において項目Fの設定が完了したか否かを判断する。CPU111は、他の画像形成装置200において項目Fの設定が完了するまでS76を繰り返し、他の画像形成装置200において項目Fの設定が完了した場合には(S76でYES)、CPU111は、S77へ移行する。
S77では、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Eに決定し、図14に示す処理を終了する。
図14に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を対話型で受け付けており、かつ、同じ属性を持つ項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、他の画像形成装置200において当該項目の設定が完了するまで、画像形成装置100における問い合わせが保留される。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の属性を持つ項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
図15は、問い合わせ内容を決定するための処理を示すフローチャートである。図15に示す処理は、図14に示す処理と同様に、画像形成装置100および他の画像形成装置200における受付形式が対話型である場合(S14でNO、または、S15でNO)に、画像形成装置100がユーザーに対し、どの問い合わせ項目をどのタイミングで問い合わせるかを決定するための処理であり、CPU111がプログラムを実行することにより実現される。図14に示す処理では、同じ属性を持つ項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる場合には、他の画像形成装置200において当該項目の設定が完了するまで、画像形成装置100における問い合わせが保留された。しかしながら、図15に示す処理では、同じ属性を持つ項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、画像形成装置100における問い合わせ項目を属性が異なる他の項目に変更可能であるかが判断され、変更可能である場合には他の項目に変更して問い合わせが実行される。なお、S81~S85までの処理は、S71~S75までの処理と同様であるため、説明を簡略化する。
図15を参照して、まず、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目の中から未設定の項目を1つ選択する(S81)。説明の都合上、S81で選択した項目を項目Gと称す。次いで、CPU111は、ROM112に格納されている設定項目ごとの属性を参照し、項目Gの属性を特定する(S82)。
次いで、CPU111は、S2で読み出した識別情報を基に、通信インターフェース(I/F)ユニット91を介して、他の画像形成装置200へアクセスし、他の画像形成装置200が直近で問い合わせる項目を取得する(S83)。説明の都合上、S83で取得した項目を項目Hと称す。次いで、CPU111は、ROM112に格納されている設定項目ごとの属性を参照し、項目Hの属性を特定する(S84)。
次いで、CPU111は、項目Gの属性と項目Hの属性とが同じであるか否かを判断する(S85)。項目Gの属性と項目Hの属性とが同じである場合には(S85でYES)、CPU111は、S86へ移行する。一方、項目Gの属性と項目Hの属性とが異なる場合には(S85でNO)、CPU111は、S88へ移行する。
S86では、CPU111は、項目Gと異なる属性を持つ項目であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在するか否かを判断する。項目Gと異なる属性を持つ項目であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在する場合には(S86でYES)、CPU111は、S87へ移行する。一方、項目Gと異なる属性を持つ項目であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目が存在しない場合には(S86でNO)、CPU111は、S83へ移行する。
S87では、項目Gと異なる属性を持つ項目であって、画像形成装置100において設定が完了しておらず問い合わせが必要な項目を1つ選択し(説明の都合上、選択した項目を項目Iと称す)、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Iに決定する。次いで、CPU111は、図15に示す処理を終了する。
S88では、CPU111は、画像形成装置100における問い合わせ項目を項目Gに決定し、図15に示す処理を終了する。
図15に示す処理によって、他の画像形成装置200が音声による指示を対話型で受け付けており、かつ、同じ属性を持つ項目に対する問い合わせのタイミングが画像形成装置100と他の画像形成装置200とで重なる可能性が高い場合には、画像形成装置100における問い合わせ項目が異なる属性を持つ他の項目に変更される。そのため、画像形成装置100および他の画像形成装置200が、同一の属性を持つ項目に対する指示を同じタイミングで受け付けることがない。その結果、画像形成装置100が他の画像形成装置200に対する指示を誤って受け付けて設定してしまうことを防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。