以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<MFPの構成>
処理装置の一例としてのMFP(Multi-Function Peripheral)1は、図1に示されるように、本体2と、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿搬送装置)3とを備えている。
本体2の上面には、コンタクトガラス11が設けられている。コンタクトガラス11は、MFP1の前後方向と一致する主走査方向に延びる矩形板状をなしている。本体2内には、第1読取デバイス12(読取部の一例)がコンタクトガラス11の下方に設けられている。
ADF3は、供給トレイ21および排出トレイ22を備えている。供給トレイ21および排出トレイ22は、上下に間隔を空けて重なった状態に設けられている。ADF3内には、搬送経路23が形成されている、搬送経路23は、その一端が供給トレイ21に臨む位置で開放され、U字状に湾曲しつつ折り返されて、コンタクトガラス11上を経由し、他端が供給トレイ21と排出トレイ22との間で開放されている。
ADF3内には、搬送経路23に沿って、供給ローラ24、分離ローラ25、搬送ローラ26A,26B,26C,26Dおよび排出ローラ27が供給トレイ21側からこの順に設けられている。搬送ローラ26C,26D間において、搬送経路23は、コンタクトガラス11の上面を経由している。コンタクトガラス11と搬送経路23を挟んで対向する位置には、原稿をコンタクトガラス11の上面に押し付けるための押さえ部材31が設けられている。
また、搬送ローラ26Cと押さえ部材31との間には、搬送経路23の上側に、読取ユニット32が設けられている。読取ユニット32は、コンタクトガラス33と、コンタクトガラス33に対して搬送経路23と反対側に配置される第2読取デバイス34(読取部の一例)とを備えている。搬送経路23は、コンタクトガラス33の下面、つまりコンタクトガラス33の搬送経路23側の面を経由している。コンタクトガラス33と搬送経路23を挟んで対向する位置には、原稿をコンタクトガラス33の下面に押し付けるための押さえ部材35が配置されている。
排出トレイ22上には、排出フィルム36が設けられている。排出フィルム36は、可撓性を有するフィルムシートを用いて形成され、排出ローラ27の上側のローラと下側のローラとのニップ位置から排出トレイ22の上面に向けて、排出ローラ27から離れるほど排出トレイ22の上面に近づくように傾斜して延びている。また、排出トレイ22上には、排出ローラ27側とは反対側の端部に、排出ストッパ37が設けられている。
第1読取デバイス12には、図2に示されるように、光源41およびイメージセンサ42が内蔵されている。イメージセンサ42は、たとえば、複数の受光素子が主走査方向である前後方向に配列されたリニアイメージセンサからなる。
第2読取デバイス34には、光源43およびイメージセンサ44が内蔵されている。イメージセンサ44は、たとえば、複数の受光素子が主走査方向である前後方向に配列されたリニアイメージセンサからなる。
また、本体2内には、画像形成部45が備えられている。画像形成部45は、搬送経路上を1枚ずつ搬送されるプリント用紙などのシートにカラー画像またはモノクロ画像を形成する機構である。画像形成の方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
MFP1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)51、ROM(Read Only Memory)52およびRAM(Random Access Memory)53を備えている。
ASIC51は、CPU54(制御部の一例)を内蔵している。ROM52は、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリからなる。ROM52には、CPU54によって実行されるプログラムおよび各種のデータなどが記憶されている。RAM53は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリであり、CPU54がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
ASIC51には、操作パネル55が接続されている。操作パネル55は、たとえば、ADF3の前面に設けられている。操作パネル55は、タッチパネルからなり、液晶ディスプレイなどの表示部56上に感圧式または静電容量式の透明フィルムスイッチなどの操作部57を重ねて構成されている。表示部56には、各種の情報や操作キーなどの画像が表示される。ユーザが表示部56に表示される操作キーをタッチ操作することにより、そのタッチ操作された操作キーの種類に応じた指示が操作部57に受け付けられる。操作部57に指示が受け付けられると、その指示の内容に応じた信号(データ)が操作部57からASIC51に向けて送信される。
なお、表示部56と操作部57とは、タッチパネルを構成せずに、別々に独立して設けられていてもよい。
また、ASIC51には、ネットワークインタフェース58(通信部の一例)が接続されている。ネットワークインタフェース58は、サーバやPC(Personal Computer)などの外部装置とのLAN(Local Area Network)を介した通信のためのインタフェースである。通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。
CPU54は、ASIC51に入力される情報に基づいて、各種の処理のためのプログラムを実行することにより、第1読取デバイス12、第2読取デバイス34、画像形成部45およびADF搬送部59の各部を制御する。ADF搬送部59は、供給ローラ24、分離ローラ25、搬送ローラ26A,26B,26C,26Dおよび排出ローラ27、ならびにそれらの駆動源としてのモータなどを含む。
MFP1におけるシート状の原稿の読み取りに際しては、原稿が供給トレイ21上に支持される。複数枚の原稿が読み取られる場合、その複数枚の原稿は、供給トレイ21上で上下に積み重ねられる。
操作部57が操作されて、原稿の読取開始が指示されると、ADF搬送部59が制御されて、供給ローラ24、分離ローラ25、搬送ローラ26A,26B,26C,26Dおよび排出ローラ27にモータの駆動力が伝達される。供給ローラ24は、自転しつつ、分離ローラ25の回転軸線を中心に回動して、供給トレイ21上の最上位の原稿の上面をなす第1面D1に接触する。これにより、供給ローラ24から最上位の原稿に搬送力が付与されて、その最上位の原稿が分離ローラ25に向けて送り出される。原稿は、分離ローラ25により1枚ずつに分離されて、搬送ローラ26A~26Dにより搬送経路23を搬送された後、排出ローラ27により排出トレイ22上に排出される。その排出される原稿は、第1面D1を排出トレイ22側、つまり下側に向けて、排出フィルム36上を滑りながら進行し、後端が排出フィルム36から離れた後、先端が排出ストッパ37に当接して停止する。
原稿の搬送の途中、原稿が読取ユニット32のコンタクトガラス33と押さえ部材35との間を通過する。このとき、原稿の第2面D2がコンタクトガラス33に密着し、光源43からの光がコンタクトガラス33を通して第2面D2に照射され、第2面D2での反射光がイメージセンサ44で受けられることにより、第2面D2が読み取られる。イメージセンサ44は、第2面D2から読み取ったアナログ画像信号を出力し、そのアナログ画像信号は、ディジタル画像信号に変換されて、ASIC51に入力される。
その後、原稿は、コンタクトガラス11と押さえ部材31との間を通過する。このとき、原稿の第1面D1がコンタクトガラス11に密着し、光源41からの光がコンタクトガラス11を通して第1面D1に照射され、第1面D1での反射光がイメージセンサ42で受けられることにより、第1面D1が読み取られる。イメージセンサ42は、第1面D1から読み取ったアナログ画像信号を出力し、そのアナログ画像信号は、ディジタル画像信号に変換されて、ASIC51に入力される。
<群別出力選択処理(両面)>
MFP1における原稿の読み取り時には、ASIC51のCPU54により、図3A、図3Bおよび図3Cに示される群別出力選択処理が実行される。
群別出力選択処理では、CPU54は、まず、RAM53に、モード履歴情報として「履歴無し」を書き込む(図3AのS11)。また、CPU54は、RAM53に、読取要否情報として「要」を書き込む(S12)。これにより、RAM53には、モード履歴情報「履歴無し」が記憶され、読取要否情報「要」が記憶される。
次に、CPU54は、RAM53に記憶されている読取要否情報が「要」であるか否かを判断する(S13)。CPU54は、読取要否情報として「要」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S13:YES)、第1読取デバイス12、第2読取デバイス34およびADF搬送部59を制御して、供給トレイ21からの原稿の搬送を開始させ、1枚目の原稿の第1面D1および第2面D2を読み取らせる(S14)。そして、CPU54は、第1面D1から読み取られた画像データを原稿表面画像のデータとしてRAM53に書き込み、第2面D2から読み取られた画像データを原稿裏面画像のデータとしてRAM53に書き込む(S15)。これにより、RAM53には、原稿表面画像および原稿裏面画像の各データが記憶される。
この後、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像および原稿裏面画像の各データから、原稿表面画像、つまり原稿の第1面D1の画像が白紙を表す画像(以下、単に「白紙画像」という。)ではなく、かつ、原稿裏面画像、つまり原稿の第2面D2の画像が白紙画像であるか否かを判断する(S16)。そして、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であると判断した場合(S16:YES)、RAM53に、モード情報として「片面表」を書き込む(図3BのS17)。これにより、RAM53には、モード情報「片面表」が記憶される。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S18)。
なお、「ページバッファに登録」は、原稿表面画像のデータが記憶されているRAM53上の領域をページバッファとして設定する意味であってもよいし、原稿表面画像のデータをRAM53上に設けられているページバッファの領域に移動させる意味であってもよい。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断した場合(S19:NO)、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S20)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S20:YES)、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S21)、そのジョブの第1ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿表面画像のデータを追加する(S22)。
そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S23)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「片面表」が記憶される。
その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S24)。なお、図示されていないが、供給トレイ21に原稿が支持されているか否かに応じた検出信号を出力する原稿センサが設けられており、CPU54は、その原稿センサの検出信号から供給トレイ21に原稿が支持されているか否かを判断する。
CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態ではないと判断した場合(S24:NO)、つまり次の原稿が供給トレイ21に支持されていると判断した場合、RAM53に記憶されている読取要否情報が「要」であるか否かを再び判断する(図3AのS13)。CPU54は、読取要否情報として「要」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S13:YES)、供給トレイ21から次の原稿を搬送させ、2枚目の原稿の第1面D1および第2面D2をそれぞれ第1読取デバイス12および第2読取デバイス34に読み取らせる(S14)。そして、CPU54は、第1面D1から読み取られた画像データでRAM53に記憶されている原稿表面画像のデータとしてRAM53に書き込み、第2面D2から読み取られた画像データを原稿裏面画像のデータとしてRAM53に書き込む(S15)。これにより、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータが2枚目の原稿の第1面D1から読み取られた画像データに更新され、原稿裏面画像のデータが2枚目の原稿の第2面D2から読み取られた画像データに更新される。
この後、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像および原稿裏面画像の各データから、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であるか否かを判断する(S16)。そして、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であると判断した場合(S16:YES)、RAM53に、モード情報として「片面表」を上書きする(図3BのS17)。RAM53にモード情報として「片面表」が既に書き込まれている場合、モード履歴情報は、上書きされても「片面表」のまま変わらない。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S18)。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。このとき、モード情報が「片面表」であり、モード履歴情報が「片面表」であるから、CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じであると判断する(S19:YES)。この場合、CPU54は、ジョブの第2ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿表面画像のデータを追加する(S22)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報「片面表」でモード履歴情報「片面表」を上書きする(S23)。したがって、RAM53に記憶されているモード履歴情報は、「片面表」のまま変わらない。その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S24)。
たとえば、図4に示されるように、第1面D1が白紙ではなく、かつ、第2面D2が白紙である原稿A-1,A-2,A-3が供給トレイ21に支持されていた場合、前述のステップS13~S24の処理がさらに実行されることにより、ジョブの第3ページのデータには、原稿A-3の第1面D1から読み取られた画像データである原稿表面画像のデータが追加される。
図4に示される例では、原稿A-3の下には、第1面D1が白紙であり、かつ、第2面D2が白紙ではない原稿B-2,B-1が上からこの順に積み重ねられている。そのため、ステップS13以降の処理が再び実行されると、原稿B-2が供給トレイ21から搬送される。この場合、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であるとは判断せず(S16:NO)、その判断に続いて、原稿表面画像が白紙画像であり、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かを判断する(S25)。原稿B-2は、第1面D1が白紙であり、かつ、第2面D2が白紙ではないので、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像であり、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かの判断を肯定する(S25:YES)。そして、CPU54は、RAM53に、モード情報として「片面裏」を上書きする(図3BのS26)。これにより、RAM53には、モード情報「片面裏」が記憶される。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿裏面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S27)。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。このとき、モード情報が「片面裏」であり、モード履歴情報が「片面表」であるから、CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断する(S19:NO)。
つづいて、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S20)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」ではないと判断し(S20:NO)、先に生成されたジョブの内容を確定する(S28)。これにより、そのジョブのデータには、原稿A-1,A-2,A-3の各第1面D1から読み取られた画像データが含まれる。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面表」であるか否かを判断する(S29)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面表」であると判断した場合(S29:YES)、原稿A-1,A-2,A-3からなるA群に係るジョブに対しては、「処理1」の実行を決定する(S30)。「処理1」は、ジョブのデータに含まれる画像データを印刷データに加工し、画像形成部45により印刷データに係る画像をシートに形成する処理である。印刷データは、たとえば、画像データをMode9圧縮方式で圧縮加工することにより得られるデータであってもよい。Mode9圧縮方式は、ランレングス圧縮方式と、画像の幅方向の1ラインのデータが前のラインのデータと同じであるか否かに応じて圧縮を行う前ライン比較圧縮方式とを組み合わせた方式である。
その後、CPU54は、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S21)、そのジョブの第1ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿裏面画像のデータを追加する(S22)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S23)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「片面裏」が記憶される。また、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S24)。
CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていると判断した場合(S24:NO)、ステップS13以降の処理を再び実行する。図4に示される例では、ステップS13以降の処理が再び実行されると、原稿B-1が供給トレイ21から搬送される。この場合、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像であり、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かの判断を肯定する(S25:YES)。そして、CPU54は、RAM53に、モード情報として「片面裏」を上書きする(図3BのS26)。RAM53にモード情報として「片面裏」が既に書き込まれている場合、モード履歴情報は、上書きされても「片面裏」のまま変わらない。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿裏面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S27)。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。モード情報が「片面裏」であり、モード履歴情報が「片面裏」である場合、CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じであると判断する(S19:YES)。この場合、CPU54は、ジョブの第2ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿裏面画像のデータを追加する(S22)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報「片面裏」でモード履歴情報「片面裏」を上書きする(S23)。したがって、RAM53に記憶されているモード履歴情報は、「片面裏」のまま変わらない。CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断し(S24)、次の原稿が供給トレイ21に指示されていると判断した場合(S24:NO)、ステップS13以降の処理を再び実行する。
図4に示される例では、原稿B-1の下には、第1面D1が白紙ではなく、かつ、第2面D2が白紙である原稿C-1,C-2,C-3が上からこの順に積み重ねられている。そのため、ステップS13以降の処理が再び実行されると、原稿C-1が供給トレイ21から搬送される。この場合、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であると判断し(S16:NO)、RAM53に、モード情報として「片面表」を上書きする(図3BのS17)。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S18)。
つづいて、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。このとき、モード情報が「片面表」であり、モード履歴情報が「片面裏」であるから、CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断する(S19:NO)。その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S20)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」ではないと判断し(S20:NO)、先に生成されたジョブの内容を確定する(S28)。これにより、そのジョブのデータには、原稿B-2,B-1の各第2面D2から読み取られた画像データが含まれる。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面表」であるか否かを判断する(S29)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面裏」であり、「片面表」ではないと判断した場合(S29:NO)、原稿B-2,B-1からなるB群に係るジョブに対して、そのジョブ内で原稿B-2,B-1の各第2面D2から読み取られた画像データを逆順に並び替える(S31)。これにより、ジョブの実行時には、原稿B-1の第2面D2の画像データが先に出力され、次に原稿B-2の第2面D2の画像データが出力される。
CPU54は、B群に係るジョブに対して「処理2」の実行を決定する(S32)。「処理2」は、ジョブのデータに含まれる画像データからPDFファイルを生成し、そのPDFファイルをネットワークインタフェース58から外部装置にFTP(File Transfer Protocol)送信する処理である。
その後、CPU54は、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S21)、そのジョブの第1ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿表面画像のデータを追加する(S22)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S23)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「片面表」が記憶される。また、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断し(S24)、次の原稿が供給トレイ21に指示されていると判断した場合(S24:NO)、ステップS13以降の処理を再び実行する。
前述のステップS13~S24の処理が2回繰り返して実行されることにより、ジョブの第2ページのデータに、原稿C-2の第1面D1から読み取られた画像データである原稿表面画像のデータが追加され、第3ページのデータに、原稿C-3の第1面D1から読み取られた画像データである原稿表面画像のデータが追加される。
その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であると判断し(S24:YES)、ジョブの内容を確定する(S33)。これにより、そのジョブのデータには、原稿C-1,C-2,C-3の各第1面D1から読み取られた画像データが含まれる。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面表」であるか否かを判断する(S34)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面表」であると判断した場合(S34:YES)、原稿C-1,C-2,C-3からなるC群に係るジョブに対しては、「処理1」の実行を決定する(S30)。
また、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「片面裏」であり、「片面表」ではないと判断した場合(S34:NO)、ジョブ内で原稿の各第2面D2から読み取られた画像データを逆順に並び替える(S36)。そして、CPU54は、そのジョブに対して「処理2」の実行を決定し(S37)、群別出力選択処理を終了する。
供給トレイ21に支持された原稿の中に、第1面D1および第2面D2の両面に画像を有する原稿、いわゆる両面原稿が含まれていた場合、その両面原稿の第1面D1および第2面D2が読み取られると、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であるか否かの判断(S16)および原稿表面画像が白紙画像であり、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かの判断(S25)を続けて否定し、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かを判断する(S38)。
なお、原稿表面画像が白紙画像であるか否かの判断、言い換えれば、第1面D1が白紙であるか否かの判断では、第1面D1の全領域について画像を有していないことを以て第1面D1が白紙であると判断されてもよいし、第1面D1の特定の領域について画像を有していないことを以て第1面D1が白紙される判断されてもよい。同様に、原稿裏面画像が白紙画像であるか否かの判断、言い換えれば、第2面D2が白紙であるか否かの判断では、第2面D2の全領域について画像を有していないことを以て第2面D2が白紙であると判断されてもよいし、第1面D2の特定の領域について画像を有していないことを以て第2面D2が白紙される判断されてもよい。特定の領域には、たとえば、第1面D1および第2面D2のそれぞれ周縁から所定幅の領域を除いた領域などが含まれる。
そして、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないと判断し(S38:YES)、原稿が両面原稿である旨をユーザに報知する(S39)。具体的には、CPU54は、図5に示される報知画面を操作パネル55の表示部56に表示させる。この報知画面には、「警告:原稿を両面原稿と判定しました。再実行の場合は原稿を再挿入してください」のメッセージとともに、原稿の読み取りの継続を指示する継続ボタン61、原稿の読み直しを指示する再実行ボタン62および原稿の読み取りの停止を指示する停止ボタン63が表示される。
その後、CPU54は、継続ボタン61が押操作による原稿の読み取りの継続の指示がなされたか否かを判断する(S40)。CPU54は、継続指示がなされたと判断した場合(S40:YES)、RAM53に、読取要否情報として「否」を書き込む(S41)。これにより、RAM53には、読取要否情報「否」が記憶される。
つづいて、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(図3BのS42)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S42:YES)、RAM53に、モード情報として「片面表」を書き込む(S43)。これにより、RAM53には、モード情報「片面表」が記憶される。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S44)。さらに、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿裏面画像のデータを白紙画像のデータに更新する(S45)。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図3CのS19)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断した場合(S19:NO)、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S20)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S20:YES)、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S21)、そのジョブの第1ページのデータとしてページバッファに登録されている原稿表面画像のデータを追加する(S22)。
そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S23)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「片面表」が記憶される。
その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断し(S24)、次の原稿が供給トレイ21に指示されていると判断した場合(S24:NO)、RAM53に記憶されている読取要否情報が「要」であるか否かを再び判断する(図3AのS13)。CPU54は、読取要否情報として「否」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S13:NO)、RAM53に、読取要否情報として「要」を書き込む(S46)。これにより、RAM53には、読取要否情報「要」が記憶される。その後、CPU54は、ステップS16以降の処理を実行する。
一方、CPU54は、原稿が両面原稿である旨をユーザに報知した後、継続が指示されていないと判断した場合(S40:NO)、停止ボタン63の押操作による原稿の読み取りの停止の指示がなされたか否かを判断する(S47)。
CPU54は、原稿の読み取りの停止が指示されたと判断した場合(S47:YES)、RAM53に記憶されているジョブのデータを全て削除して(S48)、群別出力選択処理を終了する。
CPU54は、原稿の読み取りの継続の指示および停止の指示のいずれもなされていないと判断した場合(S47:NO)、すなわち、再実行ボタン62が押操作されたと判断した場合、ステップS13以降の処理を再び実行する。再実行ボタン62が押操作される場合、原稿が供給トレイ21に支持されている原稿上に載置される。
また、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かの判断において(S42)。モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていないと判断した場合(S42:NO)、モード履歴情報が「片面裏」であるか否かを判断する(S49)。
CPU54は、モード履歴情報が「片面表」であり、「片面裏」ではないと判断した場合(S49:NO)、ステップS43以降の処理を実行する。
CPU54は、モード履歴情報が「片面裏」であると判断した場合(S49:YES)、RAM53に、モード情報として「片面裏」を書き込む(S50)。これにより、RAM53には、モード情報「片面裏」が記憶される。また、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿裏面画像のデータをデータ出力に使用されるページバッファに登録する(S51)。さらに、CPU54は、RAM53に記憶されている原稿表面画像のデータを白紙画像のデータに更新する(S52)。その後、CPU54は、図3CのステップS19以降の処理を実行する。
供給トレイ21に支持された原稿の中に、第1面D1および第2面D2の両面が白紙である原稿、いわゆる白紙原稿が含まれていた場合、その白紙原稿の第1面D1および第2面D2が読み取られると、CPU54は、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像であるか否かの判断(S16)および原稿表面画像が白紙画像であり、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かの判断(S25)を続けて否定し、原稿表面画像が白紙画像ではなく、かつ、原稿裏面画像が白紙画像ではないか否かの判断も否定する(S38:NO)。
この場合、CPU54は、原稿の両面が白紙である旨をユーザに報知する(S53)。具体的には、CPU54は、図6に示される報知画面を操作パネル55の表示部56に表示させる。この報知画面には、「警告:原稿を両面を白紙と判定しました。再実行の場合は原稿を再挿入してください」のメッセージとともに、原稿の読み取りの継続を指示する継続ボタン71および原稿の読み取りの停止を指示する停止ボタン72が表示される。
その後、CPU54は、停止ボタン63の押操作による原稿の読み取りの停止の指示がなされたか否かを判断する(S47)。CPU54は、原稿の読み取りの停止が指示されたと判断した場合(S47:YES)、RAM53に記憶されているジョブのデータを全て削除して(S48)、群別出力選択処理を終了する。
CPU54は、原稿の読み取りの停止の指示がなされていないと判断した場合(S47:NO)、すなわち、再実行ボタン62が押操作されたと判断した場合、ステップS13以降の処理を再び実行する。再実行ボタン62が押操作される場合、原稿が供給トレイ21に支持されている原稿上に載置される。ステップS13以降の処理が実行されることにより、原稿表面画像および原稿裏面画像の各データが新たに載置された原稿の第1面D1および第2面D2から読み取られた画像データに置き換わる。これにより、白紙画像のデータが出力されることが抑制される。
<作用効果>
以上のように、第1面D1のみに画像を有する原稿が第1読取デバイス12によって読み取られた場合には、その第1面D1から読み取られた画像データ、つまり原稿が第1面D1に有する画像に係る画像データを出力するための「処理1」が実行される。一方、第2面D2のみに画像を有する原稿が第2読取デバイス34によって読み取られた場合には、その第2面D2から読み取られた画像データ、つまり原稿が第2面D2に有する画像に係る画像データを出力するための「処理2」が実行される。これにより、原稿が画像を第1面D1に有するか第2面D2に有するかに応じて、「処理1」および「処理2」を適切に行うことができる。
また、図4に示される一例のように、第1面D1が白紙であり、かつ、第2面D2が白紙ではない原稿B-2,B-1が上からこの順に積み重ねられている場合、原稿B-2,B-1の順に第2面D2が第2読取デバイス34によって読み取られるが、その原稿B-2,B-1からなるB群に係るジョブに対して、ジョブ内で原稿B-2,B-1の各第2面D2から読み取られた画像データが逆順に並び替えられる。これにより、ジョブの実行時には、原稿B-1の第2面D2の画像データを先に出力し、次に原稿B-2の第2面D2の画像データを出力することができる。
また、原稿が前記第1面D1および前記第2面D2の両面に画像を有する両面原稿である場合、図5に示される画面が操作パネル55の表示部56に表示される。これにより、原稿の読み取りを継続するか否かについてのユーザの意志を確認することができ、ユーザの意志に応じた処理を実行することができる。
<MFPの他の構成>
本発明は、図1に示される構成のMFP1に限らず、図7に示されるMFP101に適用することも可能である。図7において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図7に示される構成について、図1に示される構成との相違点のみを説明する。
MFP101には、図1に示される読取ユニット32が備えられていない。
また、搬送ローラ26Dと排出ローラ27との間で搬送経路23からスイッチバック路102が分岐している。スイッチバック路102は、搬送ローラ26Aと搬送ローラ26Bとの間で搬送経路23と交差し、搬送経路23の上方に延びている。スイッチバック路102には、スイッチバックローラ103が設けられている。さらには、搬送経路23とスイッチバック路102との交差部分には、第1フラッパ104が設けられ、搬送経路23とスイッチバック路102との分岐部分には、第2フラッパ105が設けられている。
また、排出トレイ22には、排出トレイ22に排出される原稿を押し上げるための押し上げ部材106が設けられている。押し上げ部材106は、排出トレイ22に排出される原稿と接触しない非接触位置(図9A参照)と、排出トレイ22に排出される原稿に下方から接触して、その原稿を押し上げる接触位置とに変位可能に設けられている。
なお、第1フラッパ104、第2フラッパ105および押し上げ部材106は、図2に示されるADF搬送部59に含まれる。
<群別出力選択処理(スイッチバック)>
MFP101における原稿の読み取り時には、ASIC51のCPU54により、図8Aおよび図8Bに示される群別出力選択処理が実行される。
群別出力選択処理では、CPU54は、まず、RAM53に、モード履歴情報として「履歴無し」を書き込む(図8AのS111)。また、CPU54は、RAM53に、モード情報として「未判定」を書き込む(S112)。これにより、RAM53には、モード履歴情報「履歴無し」が記憶され、モード情報「未判定」が記憶される。
次に、CPU54は、第1読取デバイス12およびADF搬送部59を制御して、供給トレイ21からの原稿の搬送を開始させ、第1読取デバイス12に、1枚目の原稿の第1面D1、つまり供給トレイ21に支持されている状態での上面を読み取らせる(S113)。
原稿の第1面D1が読み取られると、CPU54は、その読み取られた画像データから、原稿の読取面である第1面D1が画像を有する原稿面であるか否かを判断する(S114)。CPU54は、原稿の第1面D1が原稿面であると判断した場合(S114:YES)、つづいて、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であるか否かを判断する(S115)。
CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」ではないと判断した場合(S115:NO)、RAM53に、モード情報として「原稿反転なし」を書き込む(S116)。これにより、RAM53に記憶されているモード情報が「未判定」から「原稿反転なし」に更新される。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図8BのS117)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断した場合(S117:NO)、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S118)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていると判断した場合(S118:YES)、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S119)、そのジョブの第1ページのデータとして第1読取デバイス12に読み取られた画像データを追加する(S120)。
そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S121)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「原稿反転なし」が記憶される。
その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S122)。CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態ではないと判断した場合(S122:NO)、つまり次の原稿が供給トレイ21に支持されていると判断した場合、RAM53に、モード情報として「未判定」を書き込む(S112)。そして、CPU54は、供給トレイ21から次の原稿を搬送させ、2枚目の原稿の第1面D1を第1読取デバイス12に読み取らせる(S113)。
2枚目の原稿の第1面D1が読み取られると、CPU54は、その読み取られた画像データから、原稿の読取面である第1面D1が原稿面であるか否かを判断する(S114)。CPU54は、原稿の第1面D1が原稿面であると判断した場合(S114:YES)、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であるか否かを判断する(S115)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」ではないと判断した場合(S115:NO)、RAM53に、モード情報として「原稿反転なし」を書き込む(S116)。これにより、RAM53に記憶されているモード情報が「未判定」から「原稿反転なし」に更新される。
その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図8BのS117)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じであると判断した場合(S117:YES)、ジョブの第2ページのデータとして第1読取デバイス12に読み取られた画像データを追加する(S120)。
一方、CPU54は、原稿の読取面である第1面D1が原稿面ではないと判断した場合(図8AのS114:NO)、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であるか否かを判断する(S123)。
CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」ではないと判断した場合(S123:NO)、RAM53に、モード情報として「白紙面」を書き込む(S124)。これにより、RAM53には、モード情報として「白紙面」が記憶される。
また、CPU54は、ADF搬送部59を制御して、コンタクトガラス11上を通過した原稿がスイッチバック路102に進入するよう、第1フラッパ104および第2フラッパ105の位置を変更する。そして、スイッチバック路102を進行する原稿の後端が搬送経路23とスイッチバック路102との交差部分を超えると、CPU54は、第1フラッパ104および第2フラッパ105の位置を元の位置に戻す。その後、CPU54は、ADF搬送部59を制御して、スイッチバックローラ103により、原稿をスイッチバック路102から搬送経路23に送り込む(スイッチバック)。これにより、原稿は、供給トレイ21上から搬送開始されたときと表裏が反転されて、搬送経路23をコンタクトガラス11上に向けて搬送される(S125)。その結果、原稿の第2面D2、つまり供給トレイ21に支持されている状態での下面がコンタクトガラス11に対向し、第1読取デバイス12により、原稿の第2面D2が読み取られる(S113)。
その後、CPU54は、原稿の第2面D2が読み取られると、CPU54は、その読み取られた画像データから、原稿の読取面、つまり第2面D2が原稿面であるか否かを判断する(S114)。CPU54は、原稿の読取面が原稿面であると判断した場合(S114:YES)、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であるか否かを判断する(S115)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であると判断した場合(S115:YES)、そのモード情報を「白紙面」から「原稿反転あり」に更新する(S126)。
モード情報の更新後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図8BのS117)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断した場合(S117:NO)、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S118)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていないと判断した場合(S118:NO)、先に生成されたジョブの内容を確定する(S127)。これにより、そのジョブのデータには、原稿の第1面D1から読み取られた画像データが含まれる。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」であるか否かを判断する(S128)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」であると判断した場合(S128:YES)、原稿の第1面D1が読み取られたジョブに対しては、「処理1」の実行を決定する(S129)。「処理1」は、ジョブのデータに含まれる画像データを印刷データに加工し、画像形成部45により印刷データに係る画像をシートに形成する処理である。
その後、CPU54は、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S119)、そのジョブの第1ページのデータとして第1読取デバイス12に読み取られた画像データ、つまり原稿の第2面D2から読み取られた画像データを追加する(S120)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S121)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「原稿反転あり」が記憶される。また、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S122)。
CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていると判断した場合(S122:NO)、図8AのステップS112以降の処理を再び実行する。たとえば、次の原稿も第2面D2に画像を有する原稿である場合、CPU54は、原稿の読取面である第1面D1が原稿面ではないと判断し(S114:NO)、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」ではないと判断して(S123:NO)、RAM53に、モード情報として「白紙面」を書き込む(S124)。これにより、RAM53には、モード情報として「白紙面」が記憶される。また、CPU54は、搬送経路23を搬送される原稿の表裏を反転させて(S125)、原稿の第2面D2を第1読取デバイス12に読み取らせる(S113)。その後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであると判断し(図8BのS117:YES)、ジョブの第2ページのデータとして第1読取デバイス12に読み取られた第2面D2の画像データを追加する(S120)。
その後、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断し(S122)、次の原稿が供給トレイ21に支持されていると判断した場合(S122:NO)、図8AのステップS112以降の処理を再び実行する。第1面D1に画像を有する原稿が供給トレイ21から送り出された場合、CPU54は、原稿の読取面である第1面D1が画像を有する原稿面であると判断する(S114:YES)。このとき、RAM53に記憶されているモード情報が「未判定」であるので、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であるか否かの判断を否定し(S115:NO)、RAM53に、モード情報として「原稿反転なし」を書き込む(S116)。これにより、RAM53に記憶されているモード情報が「未判定」から「原稿反転なし」に更新される。
モード情報の更新後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報とモード履歴情報とが同じであるか否かを判断する(図8BのS117)。CPU54は、モード情報とモード履歴情報とが同じではないと判断した場合(S117:NO)、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「履歴無し」であるか否かを判断する(S118)。CPU54は、モード履歴情報「履歴無し」がRAM53に記憶されていないと判断した場合(S118:NO)、それまでのジョブの内容を確定する(S127)。これにより、そのジョブのデータには、原稿の第2面D2から読み取られた画像データが含まれる。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」であるか否かを判断する(S128)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」ではないと判断した場合(S128:NO)、原稿の第2面D2が読み取られたジョブに対して、そのジョブ内で原稿の各第2面D2から読み取られた画像データを逆順に並び替える(S130)。これにより、ジョブの実行時には、新しく読み取られた画像データから順に出力される。
CPU54は、原稿の第2面D2が読み取られたジョブに対しては、「処理2」の実行を決定する(S131)。「処理2」は、ジョブのデータに含まれる画像データからPDFファイルを生成し、そのPDFファイルをネットワークインタフェース58から外部装置に送信する処理である。
その後、CPU54は、画像データを出力するジョブを新たに生成し(S119)、そのジョブの第1ページのデータとして第1読取デバイス12に読み取られた画像データ、つまり原稿の第1面D1から読み取られた画像データを追加する(S120)。そして、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報でモード履歴情報を上書きする(S121)。これにより、RAM53には、モード履歴情報として「原稿反転あり」が記憶される。また、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であるか否かを判断する(S122)。
供給トレイ21に支持されている原稿がなくなると、CPU54は、次の原稿が供給トレイ21に支持されていない状態であると判断し(S122:YES)、ジョブの内容を確定する(S132)。
ジョブの内容の確定後、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」であるか否かを判断する(S133)。CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」であると判断した場合(S34:YES)、「処理1」の実行を決定して(S134)、群別出力選択処理を終了する。
また、CPU54は、RAM53に記憶されているモード履歴情報が「原稿反転なし」ではないと判断した場合(S133:NO)、ジョブ内で原稿の第2面D2から読み取られた画像データを逆順に並び替える(S135)。そして、CPU54は、そのジョブに対して「処理2」の実行を決定し(S136)、群別出力選択処理を終了する。
供給トレイ21に支持された原稿の中に、第1面D1および第2面D2の両面が白紙である原稿、いわゆる白紙原稿が含まれていた場合、その白紙原稿の第2面D2が読み取られると、CPU54は、RAM53に記憶されているモード情報が「白紙面」であると判断し(S123:YES)、原稿の両面が白紙である旨をユーザに報知する(S137)。具体的には、CPU54は、図6に示される報知画面を操作パネル55の表示部56に表示させる。
その後、CPU54は、図6に示される停止ボタン63の押操作による原稿の読み取りの停止の指示がなされたか否かを判断する(S138)。CPU54は、原稿の読み取りの停止が指示されたと判断した場合(S138:YES)、RAM53に記憶されているジョブのデータを全て削除して(S139)、群別出力選択処理を終了する。
CPU54は、原稿の読み取りの停止の指示がなされていないと判断した場合(S138:NO)、すなわち、図6に示される再実行ボタン62が押操作されたと判断した場合、ステップS112以降の処理を再び実行する。再実行ボタン62が押操作される場合、原稿が供給トレイ21に支持されている原稿上に載置される。ステップS112以降の処理が実行されることにより、その新たに載置された原稿の第1面D1または第2面D2から読み取られた画像データがジョブのデータと追加される。これにより、白紙画像のデータが出力されることが抑制される。
<作用効果>
図7に示されるMFP101ならびに図8Aおよび図8Bに示される群別出力選択処理の組合せによっても、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
<排出原稿の並び替え>
図4に示される原稿束が供給トレイ21に支持される場合、供給トレイ21上において、第1面D1が白紙ではなく、かつ、第2面D2が白紙である原稿A-1,A-2,A-3が上からこの順に積み重なり、原稿A-3の下で、第1面D1が白紙であり、かつ、第2面D2が白紙ではない原稿B-2,B-1が上からこの順に積み重なる。原稿A-1,A-2,A-3は、スイッチバックされずに排出トレイ22に排出されるので、排出トレイ22上では、第1面D1を下に向けて、下からその順に積み重なる。原稿B-2,B-1は、スイッチバックされて排出トレイ22に排出されるので、原稿B-2,B-1が排出トレイ22にこの順で支持される場合、原稿B-2,B-1は、第2面D2を下に向けて、下からその順に積み重なる。そのため、排出トレイ22から原稿束が取り出されたときに、原稿A-1側から、原稿A-1の第1面D1、原稿A-2の第1面D1、原稿A-3の第1面D1、原稿B-2の第2面D2および原稿B-1の第2面D2がこの順に並ぶことになる。
そこで、排出トレイ22から原稿束が取り出されたときに、原稿A-1側から、原稿A-1の第1面D1、原稿A-2の第1面D1、原稿A-3の第1面D1、原稿B-1の第2面D2および原稿B-2の第2面D2がこの順に並ぶように、排出トレイ22上において、原稿B-2,B-1が並び替えられることが好ましい。その原稿B-2,B-1の並び替えの手法が図9A~図9Gに示されている。
原稿A-1,A-2,A-3の排出時には、図9Aに示されるように、押し上げ部材106が非接触位置に配置されている。そのため、排出トレイ22に排出される原稿A-1,A-2,A-3は、押し上げ部材106と接触せずに、排出トレイ22に受けられる。
原稿A-3の排出が完了すると、図9Bに示されるように、押し上げ部材106が非接触位置から接触位置に移動される。そのため、その後に排出トレイ22に向けて排出される原稿B-2は、図9Cに示されるように、押し上げ部材106に乗り上がる。原稿B-2の排出方向下流側の先端が押し上げ部材106の先端を乗り越えると、原稿B-2の先端部が垂れ下がる。そして、原稿B-2の排出が進むと、図9Dに示されるように、原稿B-2は、その先端部が原稿A-3上に着地し、排出方向上流側の後端部が押し上げ部材106上に残った状態で停止する。
原稿B-2の後端が押し上げ部材106の先端よりも排出方向上流側に位置しているので、原稿B-1が排出トレイ22に向けて排出されてくると、図9Eに示されるように、原稿B-1の先端は、原稿B-2と押し上げ部材106の先端との間に進入する。そして、原稿B-1は、原稿B-2を押し上げて、原稿B-2の下側に潜り込む。原稿B-1の排出が進むと、原稿B-1は、図9Fに示されるように、その先端部が原稿A-3上に着地し、後端部が押し上げ部材106上に残った状態で停止する。
その後、図9Gに示されるように、押し上げ部材106が接触位置から非接触位置に戻される。これにより、押し上げ部材106の移動に伴って、原稿B-1,B-2の各後端部が下がる。そして、押し上げ部材106が原稿B-1から離れると、原稿A-3上には、原稿B-1,B-2が第2面D2を下に向けてこの順に積み重なる。その結果、原稿A-1側から、原稿A-1の第1面D1、原稿A-2の第1面D1、原稿A-3の第1面D1、原稿B-1の第2面D2および原稿B-2の第2面D2がこの順に並ぶ。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、「処理1」がジョブのデータに含まれる画像データに係る画像をシートに形成する画像形成処理であり、「処理2」がジョブのデータに含まれる画像データをネットワークインタフェース58から外部装置にFTP送信する送信処理であるとした。これに限らず、「処理1」が送信処理であり、「処理2」が画像形成処理であってもよい。
「処理1」および「処理2」は、画像形成処理および送信処理に限らず、画像データをUSBメモリに保存する処理であってもよいし、画像データを電子メールに添付して送信する処理であってもよい。
また、前述の実施形態では、CPU54が各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、ASIC51が複数のCPUを備え、複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。