JP7095316B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板上に素子形成用の半導体層が設けられた半導体装置に関する。
例えば、電力用途に用いられる半導体装置においては、大電流を制御するために半導体素子の面積が大きくなると、発熱領域内の温度分布が大きくなり、最高温度となる中心部と周辺部の温度差が大きくなりやすい。一方、半導体素子の使用温度限界は、最高温度によって決まるため、温度分布を極力均一にすると共に中心温度を低下させて、半導体素子を流れる電流を増加可能とすることが求められている。
通電時の発熱領域内の温度分布を均一化し、局所的な熱劣化を抑制するために、種々の対策が提案されている。例えば、特許文献1には、半導体トランジスタの単位フィンガーが並列に配置された半導体装置において、単位フィンガーを構成する電極の幅をフィンガー中央部で広く、端部で細くなるように形成している。また、単位フィンガー上に配置される放熱用ストライプ電極の設置間隔を、中央付近で狭くし、周辺部で広くした構成として、放熱性を調整している。
特開平11-87367号公報
しかしながら、特許文献1の構成は、発熱領域内の温度分布に応じて、電極の幅や放熱用ストライプ電極の設置密度を変え、熱抵抗を調整することで、温度分布が全体に均一になるようにしているものの、発熱領域の中心温度を十分に低下させるには至っていない。また、各部位の温度差に応じて、電極の幅や放熱用ストライプ電極の間隔が適切に設定されないと、所望の効果が得られず、製造工程も煩雑になりやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、半導体層の温度分布を緩和すると共に中心付近の温度を低下させて、熱劣化の抑制と大電流化が両立可能な半導体装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
半導体基板(2)と、上記半導体基板の主面(21)側に形成された半導体層(3)と、を備える半導体装置(1)であって、
上記半導体基板の上記主面と反対側に冷却装置(4)が配置されて、上記冷却装置の冷却面(41)に上記半導体基板が載置されており、
上記半導体層は、主半導体素子が形成される第1領域(31)と、上記第1領域の中央部に島状又は環状に形成され、単位面積当たりの発熱量が上記第1領域よりも小さい第2領域(32)とを有し、
上記第2領域は、上記第1領域に取り囲まれ、上記主半導体素子が形成されない領域であり、
上記第2領域を通る断面における素子通電時の温度分布において、上記半導体層の最高温度(Tmax)となる部位が、上記第2領域よりも外側の上記第1領域であって上記第2領域に隣接する位置にあると共に、
上記第2領域を通る断面における、上記主半導体素子が形成されない領域の幅Wと、上記半導体基板と上記冷却面との距離tは、W≦2tの関係にあり、隣り合う上記第1領域から上記冷却面へ向かう熱拡散が、上記第2領域に対応する領域において重なりを有する、半導体装置にある。
また、本発明の他の態様は、
半導体基板(2)と、上記半導体基板の主面(21)側に形成された半導体層(3)と、を備える半導体装置(1)であって、
上記半導体層は、主半導体素子が形成される第1領域(31)と、上記第1領域の中央部に島状又は環状に形成され、単位面積当たりの発熱量が上記第1領域よりも小さい第2領域(32)とを有し、
上記第2領域を通る断面における素子通電時の温度分布において、上記半導体層の最高温度(Tmax)となる部位が、上記第2領域よりも外側の上記第1領域に位置し、
上記第2領域の外側に、上記第1領域に取り囲まれ、上記主半導体素子が形成されない領域である環状の第3領域(33)を、さらに有する、半導体装置にある。
上記半導体装置は、主半導体素子が形成される第1領域の中央部に、発熱量が小さい第2領域が配置されるので、半導体層の中心領域に発熱が集中するのが抑制される。これにより、半導体層の中心温度を低下させることができ、第2領域の外側の第1領域に最高温度となる部位が位置するように構成されるので、半導体層の温度分布を緩和することができる。したがって、熱による劣化を抑制しながら、半導体層により大きな電流を流すことが可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、半導体層の温度分布を緩和すると共に中心付近の温度を低下させて、熱劣化の抑制と大電流化が両立可能な半導体装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
参考形態1における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 参考形態1における、半導体装置の半導体層を構成する主半導体素子の概略構成例を示す断面図。 試験例1において、参考形態1の半導体層の断面における温度分布のシミュレーション結果を、比較形態1と比較して示す図。 試験例1において、図3のシミュレーション結果に対応する半導体層の断面を説明するための図。 比較形態1における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 試験例1における、半導体装置の冷却構造例を示す図。 試験例1において、参考形態1の半導体層の表面における温度分布を比較形態1と比較して示す図。 試験例2における、半導体層の第2領域の面積割合と温度分布の関係を示す図。 参考形態2における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 参考形態2における、半導体層の第2領域の変形形状例を示す図。 参考形態3における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 参考形態3における、半導体層の表面における温度分布を参考形態1と比較して示す図。 参考形態3における、半導体装置の概略構成の他の例を示す平面図とそのA-A断面図。 参考形態3における、半導体層の第2領域の変形形状例を示す図。 実施形態4における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 実施形態4における、半導体層の表面における温度分布を参考形態1及び比較形態1と比較して示す図。 実施形態4における、半導体層の第2領域及び第3領域の構成例を説明するための断面図。 実施形態5における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのA-A断面図。 参考形態6における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 参考形態6における、半導体層の最高温度を推定する方法を説明するための温度分布図。 参考形態6における、半導体装置の概略構成の他の例を示す平面図。
参考形態1)
半導体装置に係る基本構成を示す参考形態1について、図1~図8を参照して説明する。
本形態の半導体装置は、例えば、大電流用のスイッチング素子として電力変換装置等に用いられるものであり、通電に伴う温度上昇を抑制可能に構成されている。
以下に、その概略を示す。
図1に示すように、半導体装置1は、半導体基板2と、半導体基板2の主面21側に形成された半導体層3とを備える。半導体層3は、主半導体素子が形成される第1領域31と、第1領域31の中央部に島状又は環状に形成され、単位面積当たりの発熱量が第1領域31よりも小さい第2領域32とを有している。
詳細を後述するように、半導体層3は、第2領域32を通る断面(例えば、面中心3Cを通る断面)における素子通電時の温度分布において、半導体層3の最高温度Tmaxとなる部位が、第2領域32よりも外側の第1領域31に位置する(例えば、図3参照)。このとき、第1領域の最高温度T1と第2領域の最高温度T2は、T1>T2の関係となるように構成されており、T1=Tmaxである。第2領域32は、例えば、主半導体素子が形成されない領域であり、第1領域31に取り囲まれて形成される。
次に、半導体装置1の各部構成について具体的に説明する。
図1において、半導体装置1は、概略矩形の半導体基板2を有し、その主面21側に半導体層3が積層されている。半導体層3は、主半導体素子が形成される第1領域31と、第1領域31の中央部に、第1領域31に囲まれて配置される第2領域32とを有し、半導体層3の外側を囲うように外周半導体層30が設けられている。
以降、半導体基板2の厚さ方向をX方向とし、これと垂直な方向、すなわち、主面21と平行な方向をY方向とする。
本形態では、第2領域32は、主面21と平行な面内において、半導体層3の面中心3Cを中心とする概略矩形の島状に形成される。第1領域31は、第2領域32の全体を取り囲む概略矩形の外周形状を有している。
ここで、面中心3Cは、半導体層3の幾何学的中心であり、本形態では、第1領域31及び第2領域32の幾何学的中心と、概略一致する。半導体基板2の幾何学的中心と面中心3Cは、必ずしも一致しない。
外周半導体層30は、半導体基板2の外周縁に沿う領域で、第1領域31及び第2領域32の全体を帯状に取り囲んでいる。外周半導体層30には、例えば、外周耐圧構造を構成することができる。外周半導体層30よりも内周側の概略矩形の領域が、主半導体素子が形成可能な素子形成可能領域であり、半導体層3となる。
半導体層3には、公知の半導体製造プロセスによって、第1領域31となる領域に、主半導体素子が形成される。半導体層3の第2領域32には、主半導体素子その他の半導体素子は形成されない。
主半導体素子としては、例えば、MOSFET(すなわち、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のトランジスタが挙げられる。半導体基板2には、SiC、GaN等の半導体を用いることができる。
一例として、図2に縦型のMOSFETの構成例を示すように、n型の半導体基板2の主面21には、n型ドリフト層20が設けられており、n型ドリフト層20の表層部にp型ベース領域11が設けられる。p型ベース領域11の表層部には、n型ソース領域12が設けられる。これらp型ベース領域11とn型ソース領域12を貫通して、n型ドリフト層20に達するトレンチ13が設けられ、その内表面とn型ソース領域12の表面の一部に、ゲート酸化膜14が設けられる。
トレンチ13の内部には、ゲート電極15が埋設されており、ゲート電極15を覆って絶縁膜16が設けられる。この絶縁膜16と、p型ベース領域11及びn型ソース領域12の表面を覆って、ソース電極17が設けられる。半導体基板2の裏面(すなわち、主面21と反対側の面)側には、ドレイン電極18が設けられる。ゲート電極15、ソース電極17及びドレイン電極18は、それぞれゲート端子G、ソース端子S及びドレイン端子Dに接続されており、図示しない外部の制御装置により駆動が制御される。
上記構成のMOSFETにおいて、ゲート電極15にゲート電圧が印加されると、ソース電極17とドレイン電極18間が導通して、半導体基板2に対して縦方向(すなわち、図1におけるX方向)に電流が流れる。
上記図1において、半導体層3の第1領域31には、上記図2の構成のMOSFETを単位ユニットとする多数のユニットセルが、電気的に並列に配置される。第1領域31の表面には、ソース電極17が配置され、半導体基板2の裏面22には、全面にドレイン電極18が配置される。
このとき、Y方向において、半導体層3の中心領域には、第2領域32が配置され、第2領域32を挟んで、第1領域31が配置される。
このように、第1領域31は、ソース電極17とドレイン電極18の間に電流が流れるアクティブエリアであり、通電に伴い発熱が生じる発熱部となる。第2領域32は、素子が形成されない非アクティブエリアであり、発熱が生じない非発熱部であって、単位面積当たりの発熱量は、第1領域31よりも小さい。
したがって、高温となりやすい面中心3C近傍に、非発熱部である第2領域32が配置されることで、中心領域の温度が低下する。そして、その外側に最高温度Tmaxとなる部位が位置するように、発熱部である第1領域31が配置されるので、Y方向における温度分布が緩和され、局所的な温度上昇が抑制される。
次に、その具体的な効果について、試験例1、2により説明する。
(試験例1)
参考形態1の構成について、半導体層3の表面の温度分布をシミュレーションにより解析し、比較形態1の構成と比較して、図3に示した。図3は、第2領域32を通る断面での一つであり、面中心3Cを通る断面における温度分布を示しており、図3における横軸は、図4に示すように、面中心3Cを通り半導体層3の一端側A1から他端側A2へ向かう線A1-A2に対応する。図5に示す比較形態1の構成において、半導体層3は、外周半導体層30の内側の全体に、第1領域31と同様のユニットセルが配置された半導体領域10を有し、第2領域32に相当する領域は設けられていない。
図6に示すように、温度分布のシミュレーションに際しては、半導体装置1の冷却構造を考慮した。ここでは、半導体装置1は、冷却装置4に載置されており、半導体基板2の裏面22側を半田51によってセラミックス基板5に接合し、セラミックス基板5が冷却装置4の冷却面41に接触するように載置される。そして、冷却装置4に冷却水を流通させた状態で、冷却水温(例えば、65℃)からの温度差を計算した。
図3に温度分布のシミュレーション結果を示すように、比較形態1の構成では、半導体層3の両端側A1、A2から中心側へ向かうにつれて温度が高くなり、参考形態1の第2領域32に相当する中心領域で最高温度Tとなる。これに対して、参考形態1の構成では、半導体層3の両端側A1、A2から第1領域31の途中までは、比較形態1とほぼ同様の温度分布を示しているが、第2領域32に隣接する領域で温度が下降に転じ、さらに第2領域32において、温度が大きく低下する。
そのため、参考形態1の構成において、第2領域32の最高温度T2は、アクティブエリアである第1領域31の最高温度T1よりも低く、半導体層3の最高温度Tmaxは、第2領域32の最高温度T2となる。第1領域31及び第2領域32の最高温度T1、T2は、いずれも比較形態1の半導体層3の最高温度Tよりも低い。このように、温度が上昇しやすい中心領域に、非アクティブエリアである第2領域32を配置することで、半導体層3の最高温度Tmaxを大きく低減することができる。また、最高温度Tmaxとなる領域が一部に集中せず、第1領域31領域から第2領域32にかけての温度分布が緩和される。したがって、温度上昇による劣化を抑制し、より大きな電流を流すことが可能になる。
具体的には、表1に示すように、比較形態1の半導体層3の最高温度Tと冷却水温との温度差を100%としたとき、参考形態1の半導体層3の最高温度Tmaxと冷却水温との温度差は、95.3%となり、上記図3中に示すように、4.7%の減少となった。また、比較形態1の熱抵抗を100%としたときの、実施形態1の熱抵抗は93.9%であり、6.1%の減少となった。
このように、温度分布が緩和されることにより、熱抵抗が小さくなり、半導体装置1のオン抵抗を小さくすることができる。
また、表1において、比較形態1の半導体領域10のアクティブエリアの面積(以下、アクティブ面積)を100%としたとき、参考形態1の第1領域31と第2領域32の面積比を96:4とした(すなわち、アクティブ面積96%)。第1領域31と第2領域32の合計面積と、半導体領域10のアクティブ面積とは、同じ面積とした。
Figure 0007095316000001
図7に、半導体層3の表面全体についての温度分布のシミュレーション結果を示すように、半導体層3の表面全体について、図3と同様の温度分布が見られた。すなわち、比較形態1の半導体領域10は、中心領域において最高温度Tとなり、外側へ向けて温度が低下している。これに対し、参考形態1では、半導体層3の中心領域に、温度が低い領域が見られ、その外側の領域において、最高温度Tmax(=T1)となっている。
(試験例2)
次に、参考形態1の構成において、非アクティブエリアである第2領域32の面積比を変更した場合の、半導体層3の温度分布の変化を、図8に示した。具体的には、図8中に示すように、比較形態1のアクティブ面積を100%とし、参考形態1の第2領域32の面積比を変えることによりアクティブ面積を減少させた。第2領域32は正方形とし、一辺の長さを1mm~3mmの範囲として、アクティブ面積の減少割合を-1%~-9%の範囲とした。
図8に示すように、比較形態1の構成に対して、アクティブ面積を1%減少させることにより、中心領域の温度が低下し、最高温度Tmaxを低下させる明らかな効果が見られた。アクティブ面積の減少割合、すなわち、第2領域32の面積割合が1%から大きくなるにつれて、中心領域の温度がより大きく低下し、最高温度Tmaxが低下すると共に最高温度Tmaxとなる領域が外側に移動している。第2領域32の面積の割合が大きくなると、アクティブエリアが減少する。
そのため、好適には、第1領域31と第2領域32の合計面積、すなわち、素子形成可能領域である半導体層3の面積に占める、素子が形成されない第2領域32の面積の割合は、1%~9%の範囲にあることが望ましい。
このように、本形態によれば、半導体層3の中心領域に、非アクティブエリアである第2領域32を適切に配置することで、所望の温度分布が得られる。
参考形態2)
図9、図10により、半導体装置1の参考形態2について説明する。本形態の半導体装置1の基本構成は、上記参考形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
なお、参考形態2以降において用いた符号のうち、既出の参考形態、実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の参考形態、実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図9に示すように、本形態においても、素子形成可能領域である半導体層3に、第1領域31と第2領域32を有している。本形態では、半導体層3の中心領域に形成される、第2領域32を、面中心3Cを取り囲む概略矩形の環状形状としている。その場合には、第2領域32の外側を取り囲む第1領域31に加えて、第2領域32の内側にも、主半導体素子が形成される島状の第1領域31が配置される。
このようにしても、半導体層3の中心領域に、主半導体素子が形成されない第2領域32が配置されることにより、上記参考形態1と同様の効果が得られる。すなわち、半導体層3の最高温度Tmaxとなる部位が、第2領域32の外側の第1領域31に位置し、面中心3C近傍の温度を低下させると共に、温度分布を緩和することができる。
この場合も、第2領域32の面積割合は、上記参考形態1と同様に設定することができる。すなわち、図10に示すように、矩形の島状の第2領域32の大きさを、所望の面積割合の範囲となるように変更し、又は、矩形の環状の第2領域32の外周形状の大きさや環状幅を、所望の面積割合の範囲で変更することができる。
参考形態3)
図11、図12により、半導体装置1の参考形態3について説明する。本形態の半導体装置1の基本構成は、上記参考形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図11に示すように、本形態においても、素子形成可能領域である半導体層3に、第1領域31と第2領域32を有しており、第2領域32の外周形状を、矩形とする代わりに概略円形の島状としている点で異なっている。
図12に比較して示すように、本形態による半導体層3の温度分布のシミュレーション結果は、参考形態1の矩形形状の第2領域32を有する場合と、ほぼ同等となっている。このように、第2領域32の外周形状を円形とした場合も、参考形態1と同様の効果が得られる。なお、図12においては、本形態の第2領域32を構成する円の直径を、参考形態1の矩形形状の一辺の長さと同等としている。
また、図13に変形例を示すように、本形態においても、第2領域32を、円形の島状とする代わりに、面中心3Cを取り囲む概略円形の環状とすることができる。その場合には、第2領域32の外側を取り囲む第1領域31に加えて、第2領域32の内側にも、主半導体素子が形成される島状の第1領域31が配置される。
この場合も、第2領域32の面積割合は、上記参考形態1と同様に設定することができる。すなわち、図13に示すように、円形の島状の第2領域32の直径を、所望の面積割合の範囲となるように変更し、又は、円形の環状の第2領域32の外径や環状幅を、所望の面積割合の範囲で変更することができる。
(実施形態4)
図15、図16により、半導体装置1の実施形態4について説明する。本形態の半導体装置1の基本構成は、上記参考形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図15に示すように、本形態においても、素子形成可能領域である半導体層3に、第1領域31と第2領域32を有している。さらに、本形態では、上記参考形態1の構成に加えて、中心領域に形成される第2領域32の外側に、第1領域31に取り囲まれる環状の第3領域33を有している。第3領域33は、主半導体素子が形成されない領域であり、素子通電時に発熱が生じない非アクティブエリアである。
本形態では、面中心3Cを中心とする矩形島状の第2領域32の外側に、矩形環状の第3領域33を形成している。第2領域32と第3領域33との間には、矩形環状の第1領域31が配置されている。第3領域33を設ける場合には、主半導体素子が形成されない第2領域32と第3領域33の合計面積が、素子形成可能領域である半導体層3の面積のうち、1%~9%の範囲となるように構成することが望ましい。本形態における素子形成可能領域の面積は、第1領域31、第2領域32及び第3領域33の合計面積である。
その場合、第2領域32と第3領域33とは、面中心3Cを中心とする同心状に位置し、同じ外周形状であることが望ましい。例えば、第2領域32が正方形の島状であるとき、第3領域33は、正方形の外周形状を有する矩形環状となる。また、面中心3Cを通るA-A断面において、第2領域32の幅W1と、第2領域32の幅W2とは、W1/2>W2の関係にあることが望ましい。
これにより、中心領域より外側のアクティブエリアの減少を抑制して、オン抵抗の上昇を抑制しながら、効率よく温度分布を均一化することが可能になる。
また、図17に示すように、第2領域32又は第3領域33を配置する場合には、冷却構造に応じて、主半導体素子が形成されない領域の幅Wが設定されるとよい。
具体的には、面中心3Cを通るA-A断面において、半導体基板2の裏面22から冷却装置4の冷却面41までの距離tと、主半導体素子が形成されない領域の幅Wとは、W≦2tの関係にあることが望ましい。すなわち、主半導体素子が形成されない非アクティブエリアである第2領域32の幅W1、又は、第3領域33の幅W2と、距離tとは、W1≦2t、又は、W2≦2tの関係となる。
半導体層3のアクティブエリアである第1領域31が通電により発熱する場合には、例えば、第1領域31の外周縁部から冷却面41へ向けて、拡散角度θで隣り合う第2領域32へ熱拡散が生じる。このとき、図示するように、冷却面41における熱拡散領域のY方向の長さxは、x=t*tanθで表され、長さxが幅W1又は幅W2と等しいとき、隣り合う第1領域31からの熱拡散が第2領域32において重なり、効率よく放熱がなされる。拡散角度θが、例えば、45°のとき、x=tである。
第1領域31に隣り合う第3領域33についても同様である。
一方、第2領域32の幅W1、又は、第3領域33の幅W2が広くなると、隣り合う第1領域31からの熱拡散の重なりが小さくなり、幅W1又は幅W2が、長さxの2倍を超えると熱拡散の重なりがなくなる。
したがって、好適には、幅W1又は幅W2が、長さXの2倍以下であることが望ましく、拡散角度θが、例えば、45°のとき、2x=2tであるので、W1≦2x=2t、又は、W2≦2x=2tとなる。
(実施形態5)
図18により、半導体装置1の実施形態5について説明する。本形態の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態4と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図18に示すように、本形態においても、素子形成可能領域である半導体層3に、第1領域31と第2領域32を有し、中心領域に形成される第2領域32の外側に、第1領域31に取り囲まれる環状の第3領域33を有している。第3領域33は、主半導体素子が形成されない領域であり、素子通電時に発熱が生じない非アクティブエリアである。
本形態では、第2領域32を円形の島状とすると共に、その外側に円環状の第3領域33を同心状に配置している。第2領域32と円環状の第3領域33の間には、円環状の第1領域33が配置され、第3領域33を取り囲んでの間には、第1領域33が配置される。このように、第3領域33の形状を変更しても、上記実施形態4と同様の効果が得られる。
参考形態6)
図19~図21により、半導体装置1の参考形態6について説明する。本形態の半導体装置1の基本構成は、上記参考形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
図19に示すように、本形態では、上記参考形態1の構成に加えて、面中心3Cを中心とする島状の第2領域32に、感温素子となる感温ダイオード6を配置して、半導体層3の温度を測定可能としている。
感温ダイオード6は、例えば、pn接合ダイオードの順方向電圧降下の直線的な温度依存性を利用したもので、第2領域32となる半導体層3の表層部に形成されるポリシリコンダイオード等からなる。感温ダイオード6の検出信号は、半導体装置1の駆動を制御する制御部7の温度推定部71に出力される。
このとき、温度推定部71は、図20に示す関係を利用して、感温ダイオード6の検出信号に基づいて、半導体層3の最高温度Tmax(℃)を推定することができる。例えば、感温ダイオード6が配置される位置の温度Ta(℃)を測定し、補正係数Cを用いて、下記式(1)から、最高温度Tmaxを算出する。
式(1):Tmax=Ta*C(ただし、Cは補正係数)
図21に示すように、感温ダイオード6を、第2領域32内の複数個所に配置することもできる。ここでは、4個の感温ダイオード6を、矩形の第2領域32の4個所の角部に設けた例(例えば、図21左図参照)、又は、矩形の第2領域32の4つの辺の中間部に設けた例(例えば、図21左図参照)を示すが、数や配置は、これら例に限らず、第2領域32の形状や大きさに応じて、適宜変更することができる。
このように、主半導体素子が形成されない第2領域32に、感温ダイオード6を配置することで、非アクティブエリアを有効に利用することができる。
上記各実施形態においては、第1領域31の中央部に形成される第2領域32を、主半導体素子が形成されない領域としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2領域32の単位面積当たりの発熱量が、第1領域31に対して十分小さくオン抵抗が低くなるように構成されていれば、部分的に主半導体素子等の素子が配置されていてもよい。その場合も、第2領域32の外側に最高温度Tmaxとなる部位が位置する構成とすることで、中心領域の温度を低下させ、温度分布を緩和する効果が得られる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
例えば、上記各実施形態においては、半導体装置をスイッチング装置として電力変換装置に適用する例を示したが、これに限らない任意の用途に用いることができる。
1 半導体装置
2 半導体基板
21 主面
3 半導体層
3C 面中心(幾何学的中心)
31 第1領域
32 第2領域
33 第3領域
4 冷却装置
6 感温ダイオード(感温素子)

Claims (10)

  1. 半導体基板(2)と、上記半導体基板の主面(21)側に形成された半導体層(3)と、を備える半導体装置(1)であって、
    上記半導体基板の上記主面と反対側に冷却装置(4)が配置されて、上記冷却装置の冷却面(41)に上記半導体基板が載置されており、
    上記半導体層は、主半導体素子が形成される第1領域(31)と、上記第1領域の中央部に島状又は環状に形成され、単位面積当たりの発熱量が上記第1領域よりも小さい第2領域(32)とを有し、
    上記第2領域は、上記第1領域に取り囲まれ、上記主半導体素子が形成されない領域であり、
    上記第2領域を通る断面における素子通電時の温度分布において、上記半導体層の最高温度(Tmax)となる部位が、上記第2領域よりも外側の上記第1領域であって上記第2領域に隣接する位置にあると共に、
    上記第2領域を通る断面における、上記主半導体素子が形成されない領域の幅Wと、上記半導体基板と上記冷却面との距離tは、W≦2tの関係にあり、隣り合う上記第1領域から上記冷却面へ向かう熱拡散が、上記第2領域に対応する領域において重なりを有する、半導体装置。
  2. 半導体基板(2)と、上記半導体基板の主面(21)側に形成された半導体層(3)と、を備える半導体装置(1)であって、
    上記半導体層は、主半導体素子が形成される第1領域(31)と、上記第1領域の中央部に島状又は環状に形成され、単位面積当たりの発熱量が上記第1領域よりも小さい第2領域(32)とを有し、
    上記第2領域を通る断面における素子通電時の温度分布において、上記半導体層の最高温度(Tmax)となる部位が、上記第2領域よりも外側の上記第1領域に位置し、
    上記第2領域の外側に、上記第1領域に取り囲まれ、上記主半導体素子が形成されない領域である環状の第3領域(33)を、さらに有する、半導体装置。
  3. 上記第2領域の外側に、上記第1領域に取り囲まれ、上記主半導体素子が形成されない領域である環状の第3領域(33)を、さらに有する、請求項に記載の半導体装置。
  4. 上記第2領域及び上記第3領域は、同心状に位置する、請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 上記第3領域は、上記第2領域と同じ外周形状を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 上記第2領域は島状の領域であり、上記第2領域を通る断面における、上記第2領域の幅W1と、上記第3領域の幅W2とは、W1/2>W2の関係にある、請求項~5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 上記半導体基板の上記主面と反対側に冷却装置(4)が配置されており、
    上記第2領域を通る断面における、上記主半導体素子が形成されない領域の幅Wと、上記半導体基板と上記冷却装置との距離tは、W≦2tの関係にある、請求項に記載の半導体装置。
  8. 上記半導体層の面積に占める、上記主半導体素子が形成されない領域の面積の割合は、1%~9%である、請求項~7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 上記第2領域は、上記半導体層の幾何学的中心(3C)を中心とする円形又は矩形の外周形状を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 上記第2領域に、上記半導体層の温度を測定するための1つ以上の感温素子(6)が配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の半導体装置。
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