JP7095044B2 - ボイラの化学洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラの化学洗浄方法に関する。
火力発電ボイラでは、火力発電ボイラの給水系統の伝熱管や配管内に付着あるいは堆積したスケールを除去するために、定期的に化学洗浄を実施する。火力発電ボイラの化学洗浄は、節炭器から汽水分離器までの洗浄対象機器の間で循環路を設置し、循環路内に酸性の化学洗浄薬液(以下、化洗液と呼ぶ)を流通させることにより、これらの洗浄対象機器の管内のスケールを除去する。
近年、化洗液としてスケール除去の効果が大きい化洗液が用いられるようになっている。しかし、スケール除去効果の大きい化洗液は、スケールの溶解性が高い反面、発泡性が高い。火力発電ボイラの機器内で発泡が生じると、いわゆる「バブルブロック」が発生し、泡が抵抗体となり、化洗液が流れなくなるばかりか、本来、化洗液を流してはならない蒸気系統の、例えば、過熱器等の非洗浄対象機器にまで化洗液が流入するキャリオーバが発生しやすい。そしてこの泡が当該機器で滞留すると、当該機器が酸によるダメージを受ける可能性もある。
洗浄対象機器を洗浄する際、過熱器側へ化洗液のベーパや飛沫が流入することを防止するために、最上流部の過熱器(一次過熱器)にのみ水張りを行った後、洗浄対象機器を化学洗浄する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-230150号公報
特許文献1に開示の技術では、汽水分離器の洗浄液と同一レベルまで一次過熱器に水(シール水)を張ることにより、キャリオーバを防ごうとしている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、汽水分離器に泡が充満すると、化洗液は押し出され、それに伴い、一次過熱器内のシール水も押し出され、化洗液と化洗液による泡とが混入したシール水は、二次過熱器および三次過熱器等の非洗浄対象機器へと至る。これにより、過熱器の伝熱管が化洗液と接触して腐食する可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボイラの化学洗浄時に、非洗浄対象機器への化洗液の流入をより高い確度で防止することを目的とする。
本発明は、節炭器と火炉水壁管と過熱器とを備える火力発電ボイラの前記火炉水壁管を化学洗浄するボイラの化学洗浄方法であって、前記過熱器を含む非洗浄部内の伝熱管にシール水を予め定めた水位を維持するよう注入するシール水注入ステップと、前記節炭器と前記火炉水壁管とを含む洗浄対象機器に化学洗浄薬液を循環させる洗浄ステップと、を備え、前記洗浄ステップを実行中に、前記予め定めた水位を維持しながら、前記非洗浄部内の前記伝熱管に前記シール水を流し続けることを特徴とする。
本発明によれば、ボイラの化学洗浄時に、非洗浄対象機器への化洗液の流入をより高い確度で防止できる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第一実施形態の火力発電ボイラが用いられる発電プラントの給水系統および蒸気系統の系統図である。 第一実施形態の火力発電ボイラの概略図である。 第一実施形態の火力発電ボイラのボイラ伝熱面構成図である。 第一実施形態の火力発電ボイラの化学洗浄時の配管を説明するための説明図である。 第一実施形態の火力発電ボイラの化学洗浄時の水位計測を説明するための説明図である。 第一実施形態の化学洗浄方法のフローチャートである。 第一実施形態の化学洗浄時の給水と化洗液との流れを説明するための説明図である。 第一実施形態の排水性状監視処理のフローチャートである。 第一実施形態の変形例の火力発電ボイラの化学洗浄時の配管を説明するための説明図である。 第一実施形態の変形例の火力発電ボイラの化学洗浄時の配管を説明するための説明図である。 第一実施形態の変形例の火力発電ボイラの化学洗浄前の冷却時の水の流れを説明するための説明図である。 (a)は、汽水分離器を持たない定圧貫流型の火力発電ボイラの、従来の化学洗浄時の配管を、(b)は、ケージ後上部管寄におけるスラッジの流れを、それぞれ説明するための説明図である。 汽水分離器を持たない定圧貫流型の火力発電ボイラの、従来の化学洗浄時の他の配管例を説明するための説明図である。 (a)は、第二実施形態の火力発電ボイラの化学洗浄時の配管を、(b)は、ケージ後上部管寄におけるスラッジの流れを、説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
<<第一実施形態>>
本発明の第一実施形態を説明する。
[発電プラントの全体構成]
本実施形態に係る火力発電ボイラ(以下、「ボイラ」という)が用いられる発電プラントは、ボイラから排出された燃焼ガス(排ガス)が流れる排ガス系統と、ボイラが生成する蒸気が流れる蒸気系統と、復水器によって復水された水が流れる給水系統と、を備える。
排ガス系統は、ボイラが有する火炉の下部に設けられた複数のバーナから発生した高温の燃焼ガスを煙突へと導くための系統である。燃焼ガスは、ボイラ内に設けられた排ガス流路を通って、排ガス流路出口から低温の排ガスとしてボイラの外部に排出される。
蒸気系統は、ボイラで生成された蒸気が流れる系統であり、給水系統は、復水器によって復水された水をボイラに供給するための系統である。以下、発電プラント101の給水系統と蒸気系統とを図面を用いて説明する。なお、本実施形態で用いるボイラ100は、「変圧貫流ボイラ」である。
図1は、この発電プラント101の給水系統および蒸気系統の一例を示す図である。本図に示すように、本実施形態の発電プラント101は、燃料を燃焼させ、該燃焼の熱によって蒸気(過熱蒸気)を発生させるボイラ100と、ボイラ100が発生した蒸気を用いてタービンを回転させることにより発電機を駆動させて発電する蒸気タービン160(高圧タービン161、中圧タービン162、低圧タービン163)と、蒸気タービンからの排気蒸気を水に戻してボイラ100に供給する給水ライン(主給水管216)と、を備える。
ボイラ100は、節炭器(ECO)129と、火炉水壁管222と、汽水分離器130と、過熱器140と、再熱器150と、を備える。過熱器140および再熱器150は、下流から上流に複数段備えてもよい。本実施形態では、過熱器140は、一次過熱器141、二次過熱器142および三次過熱器143の三段構成とする(図2参照)。
蒸気タービン160は、それぞれ、発電機102を回転駆動させるための所定の仕事を行う、高圧タービン(HPT)161と、中圧タービン(IPT)162と、低圧タービン(LPT)163と、を備える。
主給水管216上には、復水器170と、復水ポンプ181と、低圧給水加熱器(低圧ヒータ)182と、脱気器183と、給水ポンプ184と、高圧給水加熱器(高圧ヒータ)185とが設けられる。
上記構成を有する発電プラント101では、節炭器129で、供給された水を燃焼ガスとの熱交換により予熱する。節炭器129で予熱された水は、火炉水壁管222において、壁に形成された炉壁管を通すことにより水-蒸気2相流体となる。火炉水壁管222において生成された水-蒸気2相流体は、第一連絡管225を介して汽水分離器130に送られて、飽和蒸気と飽和水とに分離される。ここで、飽和蒸気は過熱器140へ、飽和水は飽和水管217を通り復水器170へ、それぞれ、導かれる。
汽水分離器130で分離された飽和蒸気は、燃焼ガスとの熱交換により過熱器140で過熱され、生成された過熱蒸気は、主蒸気管212を経由して高圧タービン161に導入される。主蒸気管212には、主蒸気止弁262が設けられる(図3参照)。
高圧タービン161で所定の仕事を行った蒸気は、低温再熱蒸気管213を経由して再熱器150に導かれる。再熱器150では、高圧タービン161で所定の仕事を行った蒸気を再過熱する。再熱器150で過熱された蒸気は、高温再熱蒸気管214を経由して中圧タービン162および低圧タービン163に供給され、そこで、それぞれ仕事を行い、発電機102を駆動する。
低圧タービン163で仕事を終えた蒸気は、タービン排気管215によって復水器170に導入される。復水器170で凝縮した復水は、汽水分離器130から送られた飽和水とともに復水ポンプ181によって低圧ヒータ182を通過した後、脱気器183に送られ、復水中のガス成分が除去される。脱気器183を経た復水は、さらに給水ポンプ184によって昇圧された後、高圧ヒータ185に送給されて加熱され、最終的には、ボイラ100へ還流される。
[ボイラの全体構成]
次に、ボイラ100について説明する。図2は、本実施形態のボイラ100の全体構成の概略図である。ここでは、本実施形態に関連する構成についてのみ説明する。本図に示すように、ボイラ100は、燃料を燃焼する火炉120と、火炉120内で発生した燃焼ガスの流路に関して火炉120の後側に副側壁部121を介して配置された後部伝熱部(ケージ部)123と、火炉120および後部伝熱部123の天井部122と、を備える。
後部伝熱部123内には、一次過熱器141および節炭器129が設置される。また、火炉120内で発生した燃焼ガスが後部伝熱部123に向かう位置には、二次過熱器142および三次過熱器143が設置される。一次過熱器141は、横置き伝熱面を備えた、いわゆる横置き型の熱交換器であり、二次過熱器142および三次過熱器143は、吊下げ型の伝熱面を備えた、いわゆる吊下げ型の熱交換器である。本実施形態のボイラ100においては、三次過熱器143がボイラ100の蒸気配管系統上の最終段に設けられる最終過熱器である。なお、火炉120および後部伝熱部123の所要の部分には、再熱器150等の他の熱交換器が設置される。
次に、このボイラ100内の給水系統の詳細について説明する。図3は、ボイラ100のボイラ伝熱面構成図である。ここでは、本実施形態に関連する構成についてのみ説明する。例えば、再熱器150等は省略する。本図に示すように、ボイラ100に給水されたボイラ水は、まず、給水弁266を有する主給水管216から節炭器129に供給される。節炭器129内では供給された水が節炭器129内を通る間に燃焼ガスから熱吸収を行い、水冷壁下降管221に供給される。水冷壁下降管221を経た水は、火炉120の火炉水壁管222を通り、火炉120内の熱を吸収しながら上昇する。ここで、ボイラ水は飽和温度近くまで加熱される。
火炉水壁管222を上昇する間に火炉120内の熱を吸収し、昇温された高温のボイラ水は、液相の高温水と気相の蒸気の混合流体(水-蒸気2相流体)となる。この混合流体は、第一連絡管225を経てボイラ100の上方に設けた汽水分離器130に流入し、蒸気と水に分離される。
分離された水は、汽水分離器貯水タンク(ドレンタンク)131から飽和水管217を介して、再度、主給水管216に循環される。
一方、汽水分離器130で分離された蒸気は、飽和蒸気管211を介して一次過熱器141に流入し、その後、火炉120上部に設けた二次過熱器142および三次過熱器143を順に経て過熱された後、主蒸気管212および主蒸気止弁262を介して高圧タービン161に送られる。
[化学洗浄時の構成]
このような構成を有するボイラ100では、給水系統の節炭器129から汽水分離器130を化学洗浄する。以下、化学洗浄を行う部位(機器)を、洗浄対象機器と呼ぶ。化学洗浄は、ボイラ100の運転を停止し、主蒸気止弁262を閉じ、仮設の配管を設置し、洗浄対象機器に化洗液を循環させて行う。以下、化学洗浄時に設置される仮設の配管等の構成を説明する。
図4は、図3のボイラ100に、化学洗浄のために設置した仮設の配管等を説明するための図である。なお、仮設の配管等は破線で示す。なお、仮設の配管は、例えば、予め接続先の配管に化学洗浄時に仮設の配管を接続するための口(例えばブラインドフランジで閉じられたフランジ接続部)が設けられ、その口を開放して接続する。
まず、飽和水管217から主給水管216へ循環配管の、再循環弁267および給水弁266を迂回するように第一仮設管311を設ける。また、第一仮設管311には、仮設循環ポンプ(洗浄ポンプ)312を設ける。洗浄ポンプ312は、第一仮設管311に供給される水あるいは化洗液を循環させる。洗浄ポンプ312により化洗液を、第一仮設管311、主給水管216、節炭器129、水冷壁下降管221、火炉水壁管222、第一連絡管225、汽水分離器130、汽水分離器貯水タンク131、および飽和水管217において循環させることにより、スケールが除去される。
なお、第一仮設管311には、洗浄ポンプ312の前段に加熱器314を、後段にスラッジ除去装置315を設けてもよい。加熱器314は、循環させる流体を加熱する。また、スラッジ除去装置315は、化洗液に含まれる、洗浄対象機器から除去されたスケールを回収する装置である。
また、本実施形態では、過熱器140にシール水(水張水)を供給するために、補給水タンク333から、三次過熱器143よりも下流側かつ主蒸気止弁262よりも上流側の主蒸気管212に、第二仮設管331を接続する。主蒸気管212の第二仮設管331の接続口を、シール水供給口339と呼ぶ。また、第二仮設管331には、供給弁334が設けられ、補給水タンク333と供給弁334との間には、シール水を供給する過熱器シールポンプ332が設けられる。
また、図4に示すように、汽水分離器130から一次過熱器141に接続される飽和蒸気管211に、仮設水面計321が設けられる。仮設水面計321は、過熱器140に供給されるシール水の水位を監視することにより、シール水の供給と排出のバランスを監視するために設けられる。仮設水面計321は、水面計チューブ322と弁323とにより構成される。
さらに、本実施形態では、飽和蒸気管211に、一次過熱器入口ドレン弁342を有する仮設排水管341が接続される。飽和蒸気管211の仮設排水管341の接続口を、シール水排水口349と呼ぶ。補給水タンク333から第二仮設管331を通り、シール水供給口339から過熱ラインに供給されるシール水は、シール水排水口349からこの仮設排水管341を介して排出される。また、汽水分離器130から化洗液が押し出された場合、その化洗液もこの仮設排水管341を介して排出される。以下、シール水が注入されるシール水供給口339から過熱器140を通り、シール水が排出されるシール水排水口349までを、シール水を注入する系として非洗浄部と呼ぶ。
図5に、本実施形態の汽水分離器130、過熱器140、仮設水面計321および一次過熱器入口ドレン弁342との鉛直方向の位置について説明する。本図に示すように、仮設水面計321は、天井部122の上部に位置する一次過熱器141と二次過熱器142とを接続する連絡管212aよりも鉛直方向上方に設けられることが望ましい。シール水は、本図に示すように、仮設水面計321でその水位を監視され、常に所定の水位(水封監視レベル)が保たれるよう、補給水タンク333から供給される。水封監視レベルは、連絡管212aよりも上方に設定される。なお、水位は、例えば、水面計チューブ322内の水面の位置をカメラで撮影し、その映像を別室のモニタ等で監視する。
なお、化洗液は、第一仮設管311に仮設の供給管394を設け、当該供給管を介して薬液タンクから供給される。
また、シール水には、例えば、ヒドラジン(N2H4)を100ppm(100mg/L)の濃度で含む水を用いる。
[化学洗浄時の手順]
次に、本実施形態の化学洗浄の流れを説明する。図6は、本実施形態の化学洗浄時の手順を示すフローである。
まず、ボイラ100の運転停止後、例えば、一次過熱器141の温度が100℃以下程度にまで降温した後、主蒸気止弁262を閉とし、非洗浄部(伝熱管)に、水封監視レベルまでシール水を注入する(ステップS1101)。ここでは、供給弁334を開け、補給水タンク333から、第二仮設管331を経て、主蒸気管212のシール水供給口339からシール水を供給し、過熱器140(一次過熱器141、二次過熱器142、三次過熱器143)に、シール水を張る。水位は、弁323を開け、仮設水面計321を監視することにより把握する。
その後、一次過熱器入口ドレン弁342を開け、シール水の水位を維持しながら、過熱ラインへのシール水(追張水)の供給および排出を開始する(ステップS1102)。追張水を含むシール水は、図7の太線で示すように、補給水タンク333から、第二仮設管331を経て、シール水供給口339から非洗浄部に供給され、三次過熱器143、二次過熱器142、一次過熱器141から飽和蒸気管211を経て、飽和蒸気管211のシール水排水口349から、仮設排水管341を経て排出される。
ここで追張するシール水(追張水)は、補給水タンク333から、例えば、流量1t/hで供給する。そして、仮設水面計321の水面計チューブ322内の水位が一定となるよう、一次過熱器入口ドレン弁342の開度を調整する。
その後、洗浄対象機器の化学洗浄を開始する(ステップS1103)。ここでは、給水弁266と、再循環弁267とを閉とし、汽水分離器130に化洗液を添加した後、洗浄ポンプ312を作動させる。そうすると、図7に破線で示すように、汽水分離器130内の化洗液は、汽水分離器貯水タンク131、第一仮設管311、主給水管216、節炭器129、火炉120の火炉水壁管222、および第一連絡管225を介して汽水分離器130に循環し、この間の汽水分離器130、汽水分離器貯水タンク131、節炭器129、火炉水壁管222が化学洗浄される。
なお、この間、仮設排水管341に設置される水質監視計器392を監視することにより、排水性状監視処理を行う。
所定時間化学洗浄を行った後、洗浄ポンプ312を停止し、パージ水にて洗浄を行う(ステップS1104)。ここでは、例えば、まず、過熱器140の系内の残留水を、過熱器シールポンプ332によりシール水供給口339からパージ水を供給し、過熱器140の系をパージ(逆流による押出し排出)する。次に汽水分離器130、汽水分離器貯水タンク131、火炉水壁管222、節炭器129等にパージ水を流し、仮設排水管341から排水することにより、系内に残留している化洗液を押し出す。
系内に残留していた化洗液の押出しが終了した後は、仮設配管を撤去し、起動操作を行ってボイラ100の運転を再開する。
[排水性状監視処理]
次に、ステップS1103の排水性状監視処理の流れを、図8を用いて説明する。本実施形態では、電導度とpHを監視し、必要に応じて供給するシール水の量(追張量)を増減したり、脱酸素中和剤の濃度を増減させたりする。
上述のように、化学洗浄中、洗浄終了までの間、補給水タンク333からの補給水に仮設の供給管393を介して脱酸素中和剤を注入して所定濃度に調整したシール水を、過熱器シールポンプ332を用いて供給する。まず、予め定めた流量(1t/h)(初期量)で供給する(ステップS1211)。その後、化学洗浄が所定の洗浄時間を経過、そして化学洗浄液中の溶出鉄濃度などが終了判定基準を満たすまで、以下の処理を継続する(ステップS1212)。
仮設排水管341に設けられた水質監視計器392で、排水されるシール水の電導度およびpHを計測し、電導度が上昇傾向またはpHが低下傾向であるかを判別する(ステップS1201)。電導度が上昇傾向またはpHが低下傾向でなければ(S1201;No)、正常と判断し、ステップS1212へ戻り、そのまま処理を継続する。
一方、電導度が上昇傾向またはpHが低下傾向を示した場合(S1201;Yes)、化洗液が流入傾向にあると判別し、追張するシール水の供給流量を所定量、増量する(ステップS1202)。ここでは、1t/hから、20t/h(最大値)へ、徐々に増量する。
増量中、最大量となるまで(ステップS1203)、連続的に、シール水排水の電導度およびpHを計測し、その傾向が静定であるか否かを判別する(ステップS1204)。電導度が上昇又はpHが低下する傾向が継続している場合(S1204;Yes)、ステップS1202へ戻り、供給流量を増量する。一方、電導度が上昇傾向またはpHが低下する傾向が見られないようになれば(S1204;No)、シール水の電導度が静定したと判別し、供給流量を、徐々に、初期値(ここでは、1t/h)に戻し(ステップS1208)ながら、ステップS1201へ戻り、処理を継続する。
一方、供給流量を最大値まで増加させても電導度の上昇傾向またはpHの低下傾向が改善しない場合(S1203;Yes)、すなわち、電導度の上昇またはpHの低下傾向がさらに継続しているか判断し(ステップS1214)、継続している場合(S1214;Yes)、脱酸素中和剤の濃度を、所定量上げる(ステップS1205)。ここでは、例えば、ヒドラジン(N2H4)を500ppm(最大濃度)まで増加させる。なお、供給流量を最大値まで増加させても電導度の上昇またはpHの低下傾向がさらに継続していない場合(S1214;No)は、ステップS1212へ戻り、処理を継続する。
濃度増加中、最大濃度となるまで(ステップS1206)、所定時間毎に、シール水の電導度およびpHを計測し、その傾向が静定であるか否かを判別する(ステップS1207)、電導度が上昇又はpHが低下する傾向が継続している場合(S1207;Yes)、ステップS1205へ戻り、濃度を増加させる。一方、電導度が上昇傾向又はpHが低下する傾向が見られないようになれば(S1207;No)、シール水排水の電導度やpHが静定したと判別し、供給流量および濃度を、徐々に初期値(ここでは、100ppm、1t/h)に戻し(ステップS1213)、ステップS1214へ戻る。
脱酸素中和剤の濃度を最大濃度まで上げても電導度やpHが改善しない場合(S1209;Yes)、すなわち、pH閾値TH1(例えば、5)を超える酸性を示す場合(pH<5;S1209;Yes)は、最終手段へ移行する決定を行い、それを実施する(ステップS1210)。一方、酸性度がpH閾値TH1を超えていない場合(pH≧5;S1209;No)は、改善したと判断し、そのままステップS1212へ戻る。
なお、電導度とpHとは相関関係にあり、例えば、シール水のpHが、pH閾値TH1の5まで低下した場合、最終的な手段として例えば100t/hでシール水供給口339より過熱器140を逆洗することにより過熱器140を保護しながら、化学洗浄を継続する。
本実施形態によれば、ボイラ100の化学洗浄方法において、ボイラ100の非洗浄部に、予め定めた水位である水封監視レベルを維持するよう注入するシール水注入ステップと、節炭器129と火炉水壁管222とを含む洗浄対象機器に化学洗浄薬液(化洗液)を循環させる洗浄ステップと、を備え、洗浄ステップを実行中に、水封監視レベルに水位を維持しながら、非洗浄部にシール水を流し続ける。
このように、本実施形態によれば、化学洗浄中、過熱ラインにシール水を流し続ける。そして、過熱器140と、化洗液が流通している汽水分離器130とを接続する飽和蒸気管211に仮設排水管341を設け、非洗浄部に流すシール水をそこから排出する。したがって、仮に化洗液の発泡や、発生蒸気に同伴されることにより、化洗液が飽和蒸気管211内に流入しても、流水の圧力で仮設排水管341に押し流すことができる。したがって、部分的な機器への静的な水張りに比べて、非洗浄部の全ルートにシール水を動的に流通させるため、ボイラ100において、非洗浄対象機器への化洗液の流入を高い確度で防止することができる。したがって、非洗浄対象機器であるボイラ100の過熱器140を化洗液から保護でき、ボイラ100全体の構造の健全性を維持できる。
また、化学洗浄中、電導度およびpHを常時監視するため、化洗液や化洗液の泡の非洗浄対象機器への流入を早期に察知でき、迅速に対応できる。さらに、化学洗浄を簡易な仮設配管のみで実現でき、特段の封止部材が不要であるため作業も簡便である。このため、作業期間を短縮できる。また、消泡剤などの薬液の注入量の低減もしくは不要となるため、コスト的にも有利である。
<変形例1>
上記実施形態では、シール水を、主蒸気管212に接続される第二仮設管331から供給するが、洗浄開始後の追張は、ここからに限定されない。例えば、図9に示すように、各過熱器140の、スプレ水系統から供給してもよい。スプレ水系統から供給を行う場合、主蒸気管212からのシール水の注入は行わない。
なお、スプレ水系統からのシール水の供給は、主蒸気管212のシール水供給口339からの供給よりも、一次過熱器141に近いため、シール水注入によるタイムラグが少なく、より効率的にシール水を注入できる。一次過熱器141への到達時間が短いため、特に、排水性状監視処理時のシール水の濃度変更時に効果的である。
例えば、排水性状監視処理時、ステップS1203において、シール水を最大量(20t/h)まで供給しても、改善が見込めず、脱酸素中和剤の濃度を増加させるタイミングで、シール水の供給口を主蒸気管212からスプレ水系統に変更する。例えば、主蒸気管212からヒドラジンの濃度の高いシール水を供給しても、二次過熱器142や三次過熱器143に保有されているシール水により、一次過熱器141まで到達するのに時間がかかる。しかしながら、スプレ水系統から供給することにより、ヒドラジンの濃度の高いシール水を、短時間で一次過熱器141に供給することができる。
<変形例2>
また、補給水タンク333から供給するシール水を温めてもよい。この場合、図10に示すように、第二仮設管331に、加熱器335を追設する。加熱器335は、例えば、補給水タンク333と過熱器シールポンプ332との間に設ける。加熱器335は、第一仮設管311の加熱器314同様、例えば、補助ボイラである蒸気ヘッダ313を熱源とする。
上記実施形態では、非洗浄部に供給されるシール水は、常温(例えば、30℃程度)である。本変形例では、これを、加熱器335で80℃~90℃まで加熱し、温水として供給する。
このように構成することで、主蒸気止弁262に、常温のシール水が流入することを回避でき、主蒸気止弁262を、冷水による熱衝撃から保護できる。一般に、主蒸気止弁262が、常温のシール水に触れても熱応力で破損しない程度まで冷却されるには、4日程度かかる。本変形例によれば、シール水の温度が高いため、この期間を短縮することができる。
<変形例3>
工期を短縮しつつ主蒸気止弁262の熱破壊を回避する手法は変形例2に限定されない。例えば、ボイラ100の停止後、加熱器314で加熱した温水を冷却水として、ボイラ100全体に通し、ボイラを冷却後、化学洗浄作業を開始してもよい。
この場合の温水の流通ルートを、図11に示す。ボイラ100の停止後、再循環弁267および給水弁266を閉じ、系内の冷水を温水に昇温する。まず、加熱器314と洗浄ポンプ312とにより系内の冷水を、火炉水壁管222を循環させて温水に昇温する。昇温後の温水を汽水分離器130から飽和蒸気管211を介して過熱器140に通水して、主蒸気管212の水張を行う。
これにより、主蒸気止弁262を冷水による熱衝撃から保護し、早期に主蒸気管212に水張を行うことができるため、化学洗浄の手順を早期に開始することができる。
<<第二実施形態>>
次に、本発明の第二実施形態を説明する。本実施形態は、汽水分離器130を備えない定圧貫流ボイラ100a(以下、単に「定圧貫流ボイラ100a」と呼ぶ。)の例である。第一実施形態と同じものには、同じ符号を付す。
図12(a)に示すように、汽水分離器130を備えない定圧貫流ボイラ100aでは、火炉水壁管222は、ケージ出口連絡管232、ケージ後上部管寄234、一次過熱器入口下降管231を経て一次過熱器141に接続される。火炉水壁管222で高温となったボイラ水は、ケージ出口連絡管232を経てケージ後上部管寄234に到達し、一部は一次過熱器入口下降管231を経て過熱器140へ、一部は、一次過熱器バイパス管233へ向かう。
化学洗浄時は、給水弁266を閉とし、洗浄ポンプ312を作動させる。そうすると、図12(a)に太線で示すように、化洗液は、第一仮設管311に設けられた仮設の供給管394(不図示)を介して供給され、第一仮設管311、主給水管216、節炭器129、火炉120の火炉水壁管222を経て、ケージ出口連絡管232に合流し、ケージ後上部管寄234に到達する。そして、一次過熱器バイパス管233から分岐する第一仮設管311に戻されることにより循環し、節炭器129、火炉水壁管222が化学洗浄される。
ここで、図12(b)は、ケージ後上部管寄234の断面細である。本図に示すように、定圧貫流ボイラ100aでは、ケージ後上部管寄234に対し、一次過熱器バイパス管233が鉛直方向上向きに接続され、一次過熱器入口下降管231は、下向きに接続される。このため、定圧貫流ボイラ100aの化学洗浄時に移動してきたスケールは、ケージ出口連絡管232などからケージ後上部管寄234に流入する。このとき、ケージ後上部管寄234の内部での流速低下による粒子の分級作用により、パウダースケールなどの微粒子(微粒スラッジ)は、高流速で、一次過熱器バイパス管233より定圧貫流ボイラ100aの系外へ移送される。一方、フレーク状スケールなどの粗粒子(粗粒スラッジ)は、低流速で、下向きに接続される一次過熱器入口下降管231にて一次過熱器141へ移送される。
一般に、一次過熱器141は、全体としてU字構造(ポケット構造)になっているため、構造的にスラッジが堆積しやすい。すなわち、ケージ後上部管寄234から一次過熱器入口下降管231により搬送されたフレーク状の粗粒スラッジは、U字構造の出口側となる管において、低流速時や流動停止時に沈降し、ベンド部に沈積する。
従来は、これを防ぐため、図13に示すように、第二仮設管331と一次過熱器入口下降管231とを接続する仮設接続管391を設け、シール水を一次過熱器入口下降管231に供給している。しかしながら、この流量では、フレーク状の大きなスラッジの混入を防ぐことはできない。
本実施形態では、これを防ぐため、図14(a)に示すように、第一仮設管311から分岐して一次過熱器入口下降管231に至る第三仮設管351を設ける。第三仮設管351は、第一仮設管311のスラッジ除去装置315と、主給水管216との接続部との間に接続される。また、第三仮設管351には、弁352と、流量計353とが設けられる。なお。第一仮設管の第三仮設管351との分岐部と主給水管216との接続部との間にも、弁316および流量計317が設けられる。
化学洗浄時は、弁352および弁316を開とし、スラッジ除去装置315でスラッジを除去後の化洗液を、第三仮設管351を介して一次過熱器入口下降管231に送る。従来例に比べて流体の供給量が多いため、図14(b)に示すように、ケージ後上部管寄234において、一次過熱器入口下降管231からの流量が増加し、一次過熱器入口下降管231への大きなフレーク状のスラッジの混入を押し戻すことができる。第三仮設管351を介して供給する化洗液の流量は、流量計353と流量計317とで監視する。
なお、従来例においても、大量のシール水を供給することで、フレーク状のスラッジを沈降させることなく浮遊させることができる。しかしながら、この場合、補給水タンク333から供給するシール水が化洗液と混ざり、化洗液の濃度が低下し、ボイラスケールの溶解除去能力が大きく低下する。しかしながら、本実施形態によれば、化洗液をシール水として供給するため、化洗液濃度の低下を防止でき、溶解除去能力も維持できる。
なお、本実施形態においても、第一実施形態同様、補給水タンク333から主蒸気止弁262よりも上流側の主蒸気管212に、第二仮設管331を接続する。第二仮設管331には、供給弁334が設けられ、補給水タンク333と供給弁334との間には、過熱器シールポンプ332が設けられる。また、本実施形態では、過熱器140と、洗浄対象である火炉水壁管222を接続する一次過熱器入口下降管231に、一次過熱器入口ドレン弁342を有する仮設排水管341が接続される。
化学洗浄時は、シール水を補給水タンク333から所定の流量で供給し続けるとともに、仮設排水管341から排出され、過熱ラインに化洗液が進入することを防ぐ。
なお、本実施形態では、水位計を設置する代わりに、シール水が所定の水位に保たれているか否かを、流量計353、395、396の流量を監視することにより把握する。流量計353は、第三仮設管351に設置される。また、流量計395は、シール水の供給量を監視するために第二仮設管331に設置されるシール水供給口流量計であり、流量計396は、シール水の排水量を監視するために仮設排水管341に設置されるシール水排出口流量計である。ここでは、両流量計395、396の流量を監視する。例えば、供給量<排出量の場合は一次過熱器入口下降管231から酸液を引き込むことになり、供給量>排出量の場合はシール水が一次過熱器入口下降管231を介して酸液に混じり酸液濃度を薄める。本実施形態では、シール水の供給量と排出量とを一致させることにより、一次過熱器入口下降管231から一次過熱器141への酸液の侵入を防ぐ。
このように、本実施形態によれば、定圧貫流ボイラ100aにおいても、第一実施形態同様、化学洗浄中、過熱ラインにシール水を流し続ける。そして、過熱器140と化洗液が流通している火炉水壁管222とを接続する一次過熱器入口下降管231に仮設排水管341を設け、過熱ラインに流すシール水をそこから排出する。したがって、仮に化洗液の発泡や、発生蒸気に同伴されることにより、化洗液が一次過熱器入口下降管231内に流入しても、流水の圧力で仮設排水管341に押し流すことができる。
このため、本実施形態によれば、簡易な仮設配管の設置により、定圧貫流ボイラ100aにおいて、非洗浄対象機器への化洗液の流入を完全に防止することができる。したがって、ボイラ100の非洗浄対象機器を化洗液から保護でき、構造の健全性を維持できる。
また、本実施形態によれば、さらに、定圧貫流ボイラ100aにおいて、化学洗浄時に、化洗液を一次過熱器入口下降管231に供給する。これにより、一次過熱器入口下降管231の流量が増大し、一次過熱器141へのスラッジの混入を低減することができる。
なお、本実施形態においても、第一実施形態の変形例1から3を適用してもよい。
<変形例4>
また、例えば、制御部(コントローラ)を設け、上記各実施形態および変形例の化学洗浄時の給水制御処理および/または排水性状監視処理を、制御部により行うよう構成してもよい。この場合、仮設水面計321等にセンサを設け、センサからの信号に応じて制御部は、一次過熱器入口ドレン弁342の開度を調整する制御信号や、過熱器シールポンプ332の回転を制御する制御信号等を出力する。
100:ボイラ、100a:定圧貫流ボイラ、101:発電プラント、102:発電機、120:火炉、121:副側壁部、122:天井部、123:後部伝熱部、129:節炭器、130:汽水分離器、131:汽水分離器貯水タンク、140:過熱器、141:一次過熱器、142:二次過熱器、143:三次過熱器、150:再熱器、160:蒸気タービン、161:高圧タービン、162:中圧タービン、163:低圧タービン、170:復水器、181:復水ポンプ、182:低圧ヒータ、183:脱気器、184:給水ポンプ、185:高圧ヒータ、
211:飽和蒸気管、212:主蒸気管、212a:連絡管、213:低温再熱蒸気管、214:高温再熱蒸気管、215:タービン排気管、216:主給水管、217:飽和水管、221:水冷壁下降管、222:火炉水壁管、225:第一連絡管、231:一次過熱器入口下降管、232:ケージ出口連絡管、233:一次過熱器バイパス管、234:ケージ後上部管寄、262:主蒸気止弁、266:給水弁、267:再循環弁、
311:第一仮設管、312:洗浄ポンプ、313:蒸気ヘッダ、314:加熱器、315:スラッジ除去装置、316:弁、317:流量計、321:仮設水面計、322:水面計チューブ、323:弁、331:第二仮設管、332:過熱器シールポンプ、333:補給水タンク、334:供給弁、335:加熱器、339:シール水供給口、341:仮設排水管、342:一次過熱器入口ドレン弁、349:シール水排水口、351:第三仮設管、352:弁、353:流量計、391:仮設接続管、392:水質監視計器、393:供給管、394:供給管、395:流量計、396:流量計

Claims (7)

  1. 節炭器と火炉水壁管と過熱器とを備える火力発電ボイラの前記火炉水壁管を化学洗浄するボイラの化学洗浄方法であって、 前記過熱器を含む非洗浄部内の伝熱管にシール水を予め定めた水位を維持するよう注入するシール水注入ステップと、 前記節炭器と前記火炉水壁管とを含む洗浄対象機器に化学洗浄薬液を循環させる洗浄ステップと、を備え、 前記洗浄ステップを実行中に、前記予め定めた水位を維持しながら、前記非洗浄部内の前記伝熱管に前記シール水を流し続け、 前記洗浄ステップでは、前記シール水を、前記非洗浄部内の前記過熱器よりも下流のシール水供給口から供給し、前記非洗浄部内の前記過熱器よりも上流のシール水排水口から排水する、ボイラの化学洗浄方法。
  2. 請求項1記載のボイラの化学洗浄方法であって、 前記火力発電ボイラは、前記火炉水壁管に連絡管を介して接続されるとともに、前記過熱器に飽和蒸気管を介して接続される汽水分離器を備え、 前記シール水排水口は、前記飽和蒸気管に設けられる、ボイラの化学洗浄方法。
  3. 請求項2記載のボイラの化学洗浄方法であって、 前記水位は、前記飽和蒸気管の、前記シール水排水口より上流で計測される、ボイラの化学洗浄方法。
  4. 請求項1記載のボイラの化学洗浄方法であって、 前記シール水排水口は、前記火炉水壁管と前記過熱器とを接続する過熱器入口下降管に設けられるボイラの化学洗浄方法。
  5. 請求項4記載のボイラの化学洗浄方法であって、
    前記シール水とは別に、スラッジ除去後の前記化学洗浄薬液をシール水として前記過熱器入口下降管に供給するボイラの化学洗浄方法。
  6. 節炭器と火炉水壁管と過熱器とを備える火力発電ボイラの前記火炉水壁管を化学洗浄するボイラの化学洗浄方法であって、 前記過熱器を含む非洗浄部内の伝熱管にシール水を予め定めた水位を維持するよう注入するシール水注入ステップと、 前記節炭器と前記火炉水壁管とを含む洗浄対象機器に化学洗浄薬液を循環させる洗浄ステップと、を備え、 前記洗浄ステップを実行中に、前記予め定めた水位を維持しながら、前記非洗浄部内の前記伝熱管に前記シール水を流し続け、 前記シール水注入ステップにおいて、前記シール水を、前記化学洗浄薬液を加熱する加熱器の熱を用いて、前記火力発電ボイラの主蒸気止弁を熱衝撃から保護可能な温度まで加熱して供給する、ボイラの化学洗浄方法。
  7. 節炭器と火炉水壁管と過熱器とを備える火力発電ボイラの前記火炉水壁管を化学洗浄するボイラの化学洗浄方法であって、 前記過熱器を含む非洗浄部内の伝熱管にシール水を予め定めた水位を維持するよう注入するシール水注入ステップと、 前記節炭器と前記火炉水壁管とを含む洗浄対象機器に化学洗浄薬液を循環させる洗浄ステップと、を備え、 前記洗浄ステップを実行中に、前記予め定めた水位を維持しながら、前記非洗浄部内の前記伝熱管に前記シール水を流し続け、 前記シール水注入ステップの前に、前記化学洗浄薬液を加熱する加熱器と前記火炉水壁管の熱とを用いて冷水を昇温し、主蒸気管に水張を行う、ボイラの化学洗浄方法。
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