JP7092627B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および駆動信号生成システム - Google Patents
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ここで、本開示の一実施の形態に係る第1の液体噴射ヘッドでは、上記信号生成部は、上記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、上記パルスにおける上記パルス幅を求める。
また、本開示の一実施の形態に係る第2の液体噴射ヘッドでは、上記信号生成部は、上記液体の粘度と温度との対応関係を規定する粘度情報に基づいて、上記パルスにおける波高値を更に求め、求めた波高値およびパルス幅を有する上記パルスを用いて、上記駆動信号を生成する。
ここで、本開示の一実施の形態に係る第1の駆動信号生成システムでは、上記信号生成部は、上記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、上記パルスにおける上記パルス幅を求める。
また、本開示の一実施の形態に係る第2の駆動信号生成システムでは、上記信号生成部は、上記液体の粘度と温度との対応関係を規定する粘度情報に基づいて、上記パルスにおける波高値を更に求め、求めた波高値およびパルス幅を有する上記パルスを用いて、上記駆動信号を生成する。
1.実施の形態(音速検出部および粘度検出部を液体噴射ヘッド内に設けた場合の例)
2.変形例
変形例1(液体噴射ヘッドの外部から粘度情報を取得する場合の例)
変形例2(液体噴射ヘッドの外部に信号生成部を設けた場合の例)
3.その他の変形例
[A.プリンタ1の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1の概略構成例を、模式的に斜視図にて表したものである。プリンタ1は、後述するインク9を利用して、被記録媒体としての記録紙Pに対して、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。
インクタンク3は、インク9を内部に収容するタンクである。このインクタンク3としては、この例では図1に示したように、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインク9を個別に収容する、4種類のタンクが設けられている。すなわち、イエローのインク9を収容するインクタンク3Yと、マゼンダのインク9を収容するインクタンク3Mと、シアンのインク9を収容するインクタンク3Cと、ブラックのインク9を収容するインクタンク3Kとが設けられている。これらのインクタンク3Y,3M,3C,3Kは、筺体10内において、X軸方向に沿って並んで配置されている。
インクジェットヘッド4は、後述する複数のノズル(ノズル孔Hn)から記録紙Pに対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録(印刷)を行うヘッドである。このインクジェットヘッド4としても、この例では図1に示したように、上記したインクタンク3Y,3M,3C,3Kにそれぞれ収容されている4色のインク9を個別に噴射する、4種類のヘッドが設けられている。すなわち、イエローのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Yと、マゼンダのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Mと、シアンのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Cと、ブラックのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Kとが設けられている。これらのインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kは、筺体10内において、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
走査機構6は、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って、インクジェットヘッド4を走査させる機構である。この走査機構6は、図1に示したように、Y軸方向に沿って延設された一対のガイドレール61a,61bと、これらのガイドレール61a,61bに移動可能に支持されたキャリッジ62と、このキャリッジ62をY軸方向に沿って移動させる駆動機構63と、を有している。
続いて、図2~図4を参照して、インクジェットヘッド4の詳細構成例について説明する。
ノズルプレート41は、ポリイミド等のフィルム材または金属材料により構成されたプレートであり、図2,図3に示したように、インク9を噴射する複数のノズル孔Hnを有している(図2,図3中の破線の矢印参照)。これらのノズル孔Hnはそれぞれ、所定の間隔をおいて一直線上に(この例ではX軸方向に沿って)並んで形成されている。なお、各ノズル孔Hnは、本開示における「ノズル」の一具体例に対応している。
アクチュエータプレート42は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートである。このアクチュエータプレート42には、複数のチャネル(不図示)が設けられている。これらのチャネルは、インク9に対して圧力を印加するための圧力室として機能する部分であり、所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルは、圧電体からなる駆動壁(不図示)によってそれぞれ画成されており、断面視にて凹状の溝部となっている。
温度検出部45は、図3に示したように、インクジェットヘッド4内におけるアクチュエータプレート42付近の温度(アクチュエータ温度Tpzt)を検出するものである。このようにして温度検出部45によって検出されたアクチュエータ温度Tpztは、後述する信号生成部48へと出力されるようになっている。
音速検出部46は、図3に示したように、インク9中における音速Vsを検出するものであり、例えば、前述したインク供給管50内を流れるインク9中での音速Vsを検出するようになっている。ただし、インク供給管50内を流れるインク9中での音速Vsには限られず、例えば、インクタンク3内におけるインク9中での音速Vsが、検出されるようにしてもよい。このような音速検出部46は、具体的には、例えば、音波(超音波)の音響信号をインク9中へ向けて発信する音波発信器と、この音波発信器から発信されてインク9中を進行した音響信号Sacを受信する音波受信器と、を含んで構成されている。そして、これらの音波発信器から音波受信器までの物理的な距離Δdと、音波発信器から音波受信器までのインク9中での音響信号の伝搬時間Δtとを用いて、インク9中での音速Vsは、Vs=(Δd/Δt)という式にて規定される。なお、このようにして音速検出部46によって検出された、インク9中での音速Vsは、後述する信号生成部48へと出力されるようになっている。
粘度検出部47は、詳細は後述するが(図7)、インク9の粘度Viと温度(後述する環境温度Ta)との対応関係を規定する、粘度情報Ivを検出するものである(図3参照)。具体的には、粘度検出部47は、温度の変化に対するインク9の粘度Viの変化を検出することによって、そのような粘度情報Ivを検出する。なお、その際の温度の変化は、例えばペルティエ素子を用いて実現されるようになっている。
信号生成部48は、上記したインク9中での音速Vsおよび粘度情報Ivに基づいて、1または複数のパルス(パルス幅Wp,電圧値Vp)を有する駆動信号Sdを生成するものである。
駆動部49は、アクチュエータプレート42に対して上記した駆動電圧Vd(駆動信号Sd)を印加して、上記した吐出チャネルを膨張または収縮させることで、各ノズル孔Hnからインク9を噴射させる(噴射動作を行わせる)ものである(図2,図3参照)。具体的には、駆動部49は、上記した信号生成部48において生成された駆動信号Sdを用いて、そのような噴射動作を行わせるようになっている。
(A.プリンタ1の基本動作)
このプリンタ1では、以下のようにして、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われる。なお、初期状態として、図1に示した4種類のインクタンク3(3Y,3M,3C,3K)にはそれぞれ、対応する色(4色)のインク9が十分に封入されているものとする。また、インクタンク3内のインク9は、インク供給管50を介して、インクジェットヘッド4内に充填された状態となっている。
続いて、インクジェットヘッド4における詳細動作(インク9の噴射動作)について説明する。すなわち、このインクジェットヘッド4では、以下のようにして、せん断(シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。
次に、図1~図4に加えて図5~図7を参照して、前述した信号生成部48による駆動信号Sdの生成動作(生成処理)等について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
図5は、比較例に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ101の概略構成例を、ブロック図で表したものである。この比較例のプリンタ101は、比較例に係る液体噴射ヘッドとしての、インクジェットヘッド104を備えている。また、この比較例のインクジェットヘッド104は、前述したノズルプレート41、アクチュエータプレート42および温度検出部45とともに、波形情報記憶部108を有する駆動部109を備えている。すなわち、このインクジェットヘッド104は、本実施の形態のインクジェットヘッド4(図3参照)において、前述した音速検出部46、粘度検出部47および信号生成部48を設けない(省く)ようにすると共に、駆動部49の代わりに駆動部109を設けたものに対応している。
そこで、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、信号生成部48において、駆動信号Sdを随時生成する(自動生成する)ようにしている。具体的には、信号生成部48は、駆動信号Sdにおけるパルス(前述したパルスPa,Pb,Pc等)のパルス幅Wpおよび電圧値Vpをそれぞれ求め、求めたパルス幅Wpおよび電圧値Vpを有するパルスを用いて、駆動信号Sdの生成を行う。以下、このような駆動信号Sdの生成処理について、詳細に説明する。
ここで、パルス幅Wpの算出処理では、まず、信号生成部48は、音速検出部46におおいて検出された、インク9中での音速Vsを取得する(ステップS11)。なお、この際に信号生成部48は、例えば図6中に示したように、このインク9中での音速Vsの測定値に対して所定の温度補正を行うようにしてもよい。つまり、このような音速Vsに対する温度補正を行ったうえで、後述するようにしてパルス幅Wpを求めるようにしてもよい。具体的には、例えば、予め作成された所定のテーブル(インク9の温度とインク9中での音速Vsとの対応関係を規定したテーブル)を利用し、所定の補間法も用いたうえで、音速Vsの測定値に対する温度補正が行われる。
(1.25×AP)≦(Wpa1,Wpa2,Wpa3,Wpb2,Wpb3,Wpc3)≦(1.75×AP)……(1)
(Wpa1)≧(Wpa2,Wpb2)≧(Wpa3,Wpb3,Wpc3)……(2)
一方、電圧値Vpの算出処理では、まず、信号生成部48は、粘度検出部47から、前述した粘度情報Iv(インク9の粘度Viと温度との対応関係を規定する情報)を取得する(ステップS14)。なお、この粘度情報Ivは、例えば前述したように、温度(環境温度Ta)の変化に対するインク9の粘度Viの変化を検出することによって、検出されるようになっている(図6参照)。
続いて、信号生成部48は、このようにして求められたパルス幅Wpおよび電圧値Vpを有するパルスを用いて、例えば前述した図4に示したような、駆動信号Sdを生成する(ステップS16)。そして、信号生成部48は、このような駆動信号Sdをアクチュエータプレート42に印加して、ノズル孔Hnからインク9を噴射させる(ステップS17)。このようにして、前述したインク9の噴射動作が行われる。
このようにして、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、インク9中での音速Vsに基づいて、駆動信号Sdにおけるパルス(パルスPa,Pb,Pd等)のパルス幅Wpが求められ、求められたパルス幅Wpを有するパルスを用いて、駆動信号Sdが生成される。そして、このようにして生成された駆動信号Sdがアクチュエータプレート42に対して印加されることで、ノズルプレート41におけるノズル孔Hnから、インク9が噴射される。すなわち、インク9での音速Vsを基にしてインクジェットヘッド4内で自動生成された駆動信号Sdを利用して、インク9の噴射動作が行われる。
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1,2)について説明する。なお、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図8は、変形例1に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1aの概略構成例を、ブロック図で表したものである。この変形例1のプリンタ1aは、実施の形態のプリンタ1において、インクジェットヘッド4の代わりに以下説明するインクジェットヘッド4aを設けたものに対応している。
図9は、変形例2に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1bの概略構成例を、ブロック図で表したものである。この変形例2のプリンタ1bは、実施の形態のプリンタ1において、インクジェットヘッド4の代わりに以下説明するインクジェットヘッド4bを設けたものに対応している。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
(1)
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して、1または複数のパルスを有する駆動信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる駆動部と、
前記駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるパルス幅を求め、
求めた前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
液体噴射ヘッド。
(2)
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるオンパルスピーク(AP)を求めると共に、
求めた前記APに基づいて、前記パルスにおける前記パルス幅を求める
上記(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記信号生成部は、前記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、前記パルスにおける前記パルス幅を求める
上記(1)または(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記信号生成部は、
前記液体の粘度と温度との対応関係を規定する粘度情報に基づいて、前記パルスにおける波高値を更に求め、
求めた前記波高値および前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(5)
前記温度の変化に対する前記液体の粘度の変化を検出することによって前記粘度情報を検出する、粘度検出部を更に備えた
上記(5)に記載の液体噴射ヘッド。
(6)
前記液体中での音速を検出する音速検出部を更に備えた
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(7)
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
(8)
液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数のパルスを有する駆動信号を生成するシステムであって、
前記駆動信号を生成する信号生成部を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるパルス幅を求め、
求めた前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
駆動信号生成システム。
Claims (9)
- 液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して、1または複数のパルスを有する駆動信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる駆動部と、
前記駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、前記パルスにおけるパルス幅を求め、
求めた前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
液体噴射ヘッド。 - 液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部と、
前記噴射部に対して、1または複数のパルスを有する駆動信号を印加することにより、前記ノズルから前記液体を噴射させる駆動部と、
前記駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるパルス幅を求めると共に、
前記液体の粘度と温度との対応関係を規定する粘度情報に基づいて、前記パルスにおける波高値を求め、
求めた前記波高値および前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
液体噴射ヘッド。 - 前記信号生成部は、前記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、前記パルスにおける前記パルス幅を求める
請求項2に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記温度の変化に対する前記液体の粘度の変化を検出することによって前記粘度情報を検出する、粘度検出部を更に備えた
請求項2または請求項3に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるオンパルスピーク(AP)を求めると共に、
求めた前記APに基づいて、前記パルスにおける前記パルス幅を求める
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記液体中での音速を検出する音速検出部を更に備えた
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。 - 液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数のパルスを有する駆動信号を生成するシステムであって、
前記駆動信号を生成する信号生成部を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記液体中での音速の測定値に対して温度補正を行ったうえで、前記パルスにおけるパルス幅を求め、
求めた前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
駆動信号生成システム。 - 液体を噴射する複数のノズルを有する噴射部に対して印加される、1または複数のパルスを有する駆動信号を生成するシステムであって、
前記駆動信号を生成する信号生成部を備え、
前記信号生成部は、
前記液体中での音速に基づいて、前記パルスにおけるパルス幅を求めると共に、
前記液体の粘度と温度との対応関係を規定する粘度情報に基づいて、前記パルスにおける波高値を求め、
求めた前記波高値および前記パルス幅を有する前記パルスを用いて、前記駆動信号を生成する
駆動信号生成システム。
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