JP7092007B2 - 水性拭き取りクレンジング化粧料 - Google Patents
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しかしながら、クレンジング化粧料として広く普及しており、油性成分を含んだオイルクレンジングやジェルクレンジングに比べるとクレンジング力が弱く、クレンジング力を高めるために界面活性剤を多く含有させると、界面活性剤由来のべたつき感が生じることがあった。べたつき感を抑えつつクレンジング力を高めるために、界面活性剤、グリセリン誘導体および多価アルコールを含む水性クレンジング化粧料(特許文献1)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルと多価アルコールを含む水性クレンジング化粧料(特許文献2)が提案されている。これらの化粧料では、べたつき感を改善することはできたが、使用後に乾燥しやすくつっぱり感が生じることがあった。
しかしながら、水性クレンジング化粧料では、低いクレンジング力を補うために拭き取り時に力を入れすぎたり、複数回拭き取るうちにコットンが乾燥して毛羽立ったりして、肌とコットンの間で過度な摩擦が起き易く、赤みやかゆみといった肌トラブルにつながるという問題があった。
このため、コットンを使ってメイク料を十分に除去しつつ、使用後の肌のべたつき感やつっぱり感が少なく、またコットン上での保液性が高く、拭き取り使用時に肌とコットンの間で過度な摩擦が起きにくい水性クレンジング化粧料の開発が望まれていた。
(A)式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体
R-O-(AO)a-[(PO)b/(EO)c]-H ・・・(I)
(Rは炭素数4~36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。AOは炭素数3又は4のオキシアルキレン基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基である。a 、b及びcはそれぞれオキシアルキレン基、オキシプロピレン基、オキシエチレン基の1分子あたりの平均付加モル数であり、1≦a≦40、1≦b≦40、1≦c≦80、(a+b+c)≧20である。[(PO) b/( EO) c] はbモルのPOとcモルのEOがランダム状に結合してなるポリオキシアルキレン基を示し、ランダム率xが0.1≦x<1である。)
(B)ポリオキシエチレン基と、炭素数12~22の炭化水素基又は炭素数12~22のアシル基とを有し、HLBが6~16である非イオン性界面活性剤
(C)水
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~10」は2以上10以下を表す。
成分(A)は式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体である。
R-O-(AO)a-[(PO)b/(EO)c]-H ・・・(I)
上記アルコールとしては、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール(ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール、ヘキサトリアコンタノール等の直鎖アルコール;2-エチルヘキサノール、2-ヘキシルオクタノール、1-メチルヘプタデカノール、イソデカノール、2-オクチルデカノール、2-デシルテトラデカノール、2-テトラデシルオクタデカノール、2-ヘキサデシルエイコサノール等の分岐アルコール;ヘキサデセノール、オクタデセノール、エイコセノール、ドコセノール等の直鎖アルケノール;1-メチルヘプタデセノール、イソトリデセノール等の分岐アルケノール等が挙げられる。式(I)のアルキレンオキシド誘導体の製造時に、これらのアルコールの1種又は2種以上を用いることができる。
AOの平均付加モル数aが2以上の場合、2以上のAOは同種の基であっても、異種の基であってもよい。AOが2種以上の異種の基である場合は、ランダム状付加でもブロック状付加のいずれでもよい。
x=(b+c)/(a+b+c)・・・(II)
成分(A)は1種を単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよいが、メイク料の除去効果を高める観点から、2種以上を併用することが好ましい。
成分(B)は、ポリオキシエチレン基と、炭素数12~22の炭化水素基又は炭素数12~22のアシル基とを有し、HLBが6~16である非イオン性界面活性剤である。なお、ポリオキシエチレンを以下ではPOEと表記することもある。
HLB=E/5
E:界面活性剤分子中に含まれるポリオキシエチレン部分の含有量(質量%)
HLB=20(1-S/A)
S:非イオン界面活性剤のケン化価(S.V.)
A:原料脂肪酸の酸価(A.V.)
なお、ケン化価および酸価は、JIS K0070により求めることができる。
このような観点から成分(B)のHLBは、8~16が好ましく、9~16がより好ましい。
成分(B)は、これらの炭化水素基及びアシル基のうち1種を有していてもよく、又は2種以上を含む混合炭化水素基もしくは混合アシル基を有していてもよい。その中でも、相溶性や透明性の観点から、炭素数12~22の分岐飽和炭化水素基、炭素数12~22の分岐飽和アシル基、炭素数12~22の不飽和炭化水素基及び炭素数12~22の不飽和アシル基が好ましい。このような親油基としてより好ましいのは、炭化水素基としては、オレイル基、イソパルミチル基、イソステアリル基であり、アシル基としては、オレオイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基である。炭化水素基またはアシル基の炭素数が小さすぎると、クレンジング力が低下することがあり、炭素数が大きすぎると、水への溶解性が低下し透明性が損なわれることがある。
なお、成分(B)が炭素数12~22の炭化水素基及び炭素数12~22のアシル基を有していてもよい。また、混合炭化水素基及び混合アシル基は、通常、混合脂肪酸を由来とするので、混合炭化水素基及び混合アシル基における炭素数は、混合脂肪酸を構成する各脂肪酸の炭素数に対して各脂肪酸の組成比を重みとした加重平均により算出することができる。
成分(C)の水であり、化粧料の原料として使用できるものであれば特に限定されないが、精製水、温泉水、芳香水などが例示される。
成分(C)の含有量は55~95質量%であり、好ましくは60~85質量%であり、より好ましくは65~80質量%である。成分(C)の含有量が少なすぎると、使用時にべたつき感が強くなることがあり、またコットン上での保液性が低下し、拭き取り時に肌への摩擦性が強くなることがある。成分(C)の含有量が多すぎると、メイク料の除去効果を十分に与えることが困難となり、またコットン上での保液性が低下し、コットンが乾燥しやすくなることがある。
本発明の水性クレンジング化粧料は、メイク料の除去効果(クレンジング力の向上)とべたつき感軽減の観点から、成分(D)としてエデト酸およびエデト酸塩のうち少なくとも一方をさらに含有することが好ましい。
本発明の水性クレンジング化粧料には、つっぱり感を抑え、使用後の保湿感を向上させる観点から、多価アルコールを含有させることができる。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類が挙げられる。グリコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールなどを挙げることができる。
グリセリン類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどを挙げることができる。
これら多価アルコールのうちグリセリンやジプロピレングリコールが好ましい。これら多価アルコールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の水性クレンジング化粧料が多価アルコールを含有する場合、その含有量は特に限定されないが、水性クレンジング化粧料中、通常、1~20質量%、好ましくは3~15質量%である。
天然香料は、植物の花、幹、葉、果物、果皮、根から水蒸気蒸留法などで得られる精油であり、分離された水も芳香水として使用することができる。合成香料は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、芳香族アルコール、炭化水素など特に制限はない。また添加剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;乳糖、ショ糖等の糖類;アシルメチルタウリン塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子;セラミド、コレステロール、カチオン化セルロース等のカチオン性高分子;キサンタンガム等の増粘性多糖類;クエン酸塩、リンゴ酸塩、食塩等の有機又は無機塩類(但し、エデト酸およびエデト酸塩を除く。);pH調製剤としての酸、アルカリ;パラベン類;防腐剤;動植物由来のエキス;ビタミン類;アミノ酸類;色素;顔料等が挙げられる。
また、本発明の水性クレンジング化粧料は、常法により製造することができる。
成分(A)~(C)、成分(A’)、共通成分を表2、表3に示す組成で配合して水性クレンジング化粧料を調製し、下記の方法により評価を行った。表2、表3に示される配合成分について下記に示す。
[成分(A’)(化合物5~化合物6)]
※1:表1に示す成分を用いた。
[B成分]
※2:テトラオレイン酸ソルベス-30〔テトラオレイン酸POE(30)ソルビット〕、HLB:11.2〔日油(株)製「ユニオックスST-30E」〕
※3:テトライソステアリン酸ソルベス-30〔テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット〕、HLB:11.1〔日油(株)製「ユニオックスST-30IS」〕
※4:ポリソルベート80〔オレイン酸POE(20)ソルビタン〕、HLB:15.0〔日油(株)製「NOFABLE ESO-8520」〕
[共通成分]
表2、表3に記載された共通成分は表4に示す8種の成分からなるものである。
メイク料(ファンデーション)を施した20名の女性(25~45才)をパネラーとし、コットン(5.5cm×3.5cm)にクレンジング化粧料を4g含ませ、このコットンを使用した拭き取りによりメイク料を除去した後の肌の状態について下記の基準で評価した。詳細には、20名の合計点が35点以上の場合を「◎」、25~34点の場合を「○」、15~24点の場合を「△」、14点以下の場合を「×」とそれぞれ評価した。
2点:メイク料(ファンデーション)がほぼ全て除去できたと感じた場合。
1点:メイク料(ファンデーション)がある程度除去できた、又は除去できていないメイク料(ファンデーション)が少しあると感じた場合。
0点:メイク料(ファンデーション)が除去できていないと感じた場合。
メイク料(ファンデーション)を施した20名の女性(25~45才)をパネラーとし、コットン(5.5cm×3.5cm)にクレンジング化粧料を4g含ませ、メイク料を除去した後の肌の状態について下記の基準で評価した。詳細には、20名の合計点が35点以上の場合を「◎」、25~34点の場合を「○」、15~24点の場合を「△」、14点以下の場合を「×」とそれぞれ評価した。
2点:コットン使用後、べたつき感がないと感じた場合。
1点:コットン使用後、べたつき感が少しあると感じた場合。
0点:コットン使用後、べたつき感があると感じた場合。
メイク料(ファンデーション)を施した20名の女性(25~45才)をパネラーとし、コットン(5.5cm×3.5cm)にクレンジング化粧料を4g含ませ、メイク料を除去した5分後の肌の状態について下記の基準で評価した。詳細には、20名の合計点が35点以上の場合を「◎」、25~34点の場合を「○」、15~24点の場合を「△」、14点以下の場合を「×」とそれぞれ評価した。
2点:コットン使用の5分後、肌につっぱり感がないと感じた場合。
1点:コットン使用の5分後、肌につっぱり感が少しあると感じた場合。
0点:コットン使用の5分後、肌につっぱり感があると感じた場合。
中指と薬指の上(手のひら側)にコットン(5.5cm×3.5cm)を載せ、人差し指と小指で挟みクレンジング料を4g含ませた後、このコットンを使用して頬上を拭き取った際の肌への摩擦性について、下記の基準で評価した。詳細には、20名の合計点が35点以上の場合を「◎」、25~34点の場合を「○」、15~24点の場合を「△」、14点以下の場合を「×」とそれぞれ評価した。
2点:肌との引っかかりを感じなかった場合。
1点:肌との引っかかりをあまり感じなかった場合。
0点:肌との引っかかりを感じた場合。
コットン(5.5cm×3.5cm)にクレンジング化粧料を4g含ませた後、1日室温に放置した後のコットン上での保液性について、20名の女性(25~45才)をパネラーとし、下記の基準で評価した。詳細には、20名の合計点が35点以上の場合を「◎」、25~34点の場合を「○」、15~24点の場合を「△」、14点以下の場合を「×」とそれぞれ評価した。
2点:コットンは乾燥せず、水分を十分保っていると感じた場合。
1点:コットンは乾燥していないが、水分は十分には保たれていないと感じた場合。
0点:コットンは乾燥し、水分は十分でないと感じた場合。
比較例1では、成分(A)が配合されていなかったため、メイク料の除去効果が得られず、また肌への摩擦性やコットン上での保液性が劣っていた。
比較例2では、成分(B)が配合されていなかったため、メイク料の除去効果が十分には得られず、また肌への摩擦性やコットン上での保液性が劣っていた。
比較例3では、成分(A)の含有量が25質量%を超えていたため、べたつき感やつっぱり感が生じ、また肌への摩擦性やコットンでの保液性が劣っていた。
比較例4では、成分(B)の含有量が20質量%を超えていたため、べたつき感が生じ、また肌への摩擦性やコットンでの保液性が劣っていた。
比較例5では、式(I)において(a+b+c)≧20の条件を満たさない化合物5を成分(A’)として用いているため、メイク料の除去効果が得られず、肌への摩擦性やコットン上での保液性が劣っていた。
比較例6では、式(I)におけるbが0でありオキシエチレン基を含有しない化合物6を成分(A’)として用いているため、メイク料の除去効果が得られず、べたつき感が生じ、肌への摩擦性やコットン上での保液性が劣っていた。
Claims (1)
- 下記の成分(A)を0.5~25質量%、成分(B)を0.5~20質量%、成分(C)を55~95質量%含有する水性拭き取りクレンジング化粧料。
(A)式(I)で表されるアルキレンオキシド誘導体
R-O-(AO)a-[(PO)b/(EO)c]-H ・・・(I)
(Rは炭素数4~36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。AOは炭素数3又は4のオキシアルキレン基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基である。a 、b及びcはそれぞれオキシアルキレン基、オキシプロピレン基、オキシエチレン基の1分子あたりの平均付加モル数であり、1≦a≦40、1≦b≦40、1≦c≦80、(a+b+c)≧20である。[(PO)b/(EO)c] はbモルのPOとcモルのEOがランダム状に結合してなるポリオキシアルキレン基を示し、式(II)で表されるランダム率xが0.1≦x<1である。)
x=(b+c)/(a+b+c)・・・(II)
(B)ポリオキシエチレン基と、炭素数12~22の炭化水素基又は炭素数12~22のアシル基とを有し、HLBが6~16である非イオン性界面活性剤
(C)水
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JP2017128542A (ja) | 2016-01-21 | 2017-07-27 | 日本ゼトック株式会社 | クレンジング用化粧料 |
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