JP7091917B2 - 差動信号伝送回路 - Google Patents
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Description
図1に示される制御部1は、送信側基板2および受信側基板3を備えている。制御部1は、たとえば、レーザプリンタに搭載される。送信側基板2は、画像データ処理などを実行するメイン基板であり、受信側基板3は、露光用のレーザダイオードの発振を制御するLD基板であってもよいし、タッチパネルの表示などを制御するタッチパネル基板であってもよい。また、制御部1は、インクジェットプリンタに搭載されてもよい。この場合、送信側基板2は、画像データ処理などを実行するメイン基板であり、受信側基板3は、インクヘッドを制御するインクヘッド基板であってもよい。
受信側基板3には、IC21と受信側コネクタ22との間に、差動信号伝送回路5が作り込まれている。差動信号伝送回路5は、N信号線(ネガティブ信号線)31、P信号線(ポジティブ信号線)32、およびガードリンググランド33,34(グランドの一例)が含まれる。N信号線31、P信号線32およびガードリンググランド33,34は、受信側基板3の表面に形成された配線23の一部を構成している。
シミュレーションにより、図1および図2に示される構成から第1コンデンサ45および第2コンデンサ55が省略され、第1終端抵抗43および第2終端抵抗53の他端に単一のコンデンサが共通に接続された差動信号伝送回路であって、P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも5mm短い構成、3mm短い構成、2mm短い構成、1mm短い構成および0.1mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルをそれぞれ作った。図13(a)は、IEC61000-4-2の企画書に記載された静電気試験の波形を出力できるシミュレーション回路で差動信号伝送回路のグランドに静電気(図1に破線で示す)を印加した時のグランド波形の一例を示す図である。この図13(a)に示されるようにグランド電圧が変化する放電電流波形を各モデルの差動信号伝送回路に入力して、各差動信号伝送回路に接続された差動レシーバ24から出力される差動出力電圧の波形を観測した。その観測波形が図3、図4、図5、図6および図7に示されている。また、図13(a)に示されるようにグランド電圧が時間変化する放電電流波形を差動伝送回路に入力して、差動伝送回路のグランドに静電気を印加した場合に、その回路モデルから出力される差動出力電圧の波形が図13(b)に示されている。図13(b)を参照して理解されるように、グランドに静電気が印加されたタイミングで、差動出力電圧の波形にリンギング(振動)が発生する。
P信号線32がN信号線31よりも短いので、N信号線31およびP信号線32にコモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズは、N信号線31における第1終端抵抗43の接続点である第1接続点41に到達するよりも先に、P信号線32における第2終端抵抗53の接続点である第2接続点51に到達する。第2終端抵抗53とガードリンググランド34との間には、第1終端抵抗43とガードリンググランド33との間に介在されている第1コンデンサ45よりも大きい容量を有する第2コンデンサ55が介在されている。そのため、第2接続点51に到達したコモンモードノイズがなまらされて、そのなまらされたコモンモードノイズと第1接続点41に到達するコモンモードノイズとが互いに打ち消し合う。その結果、IC21に入力されるコモンモードノイズを低減することができ、信号品質を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
4:FFC
5:差動信号伝送回路
11:ASIC
21:CPU
23:配線
31:N信号線
32:P信号線
33,34:ガードリンググランド
41:第1接続点
43:第1終端抵抗
45:第1コンデンサ
51:第2接続点
53:第2終端抵抗
55:第2コンデンサ
61,62:スルーホール
63:配線
Claims (5)
- 送信側回路と受信側回路との間に介在され、差動信号を伝送する第1伝送線路および第2伝送線路を含む差動信号伝送回路であって、
前記第1伝送線路には、第1接続点で第1終端抵抗が接続され、
前記第2伝送線路には、第2接続点で第2終端抵抗が接続され、
前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、コモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズの前記第2接続点への到達タイミングが前記第1接続点への到達タイミングよりも早いように設けられており、
前記第1終端抵抗とグランドとに第1容量の第1コンデンサが接続され、
前記第2終端抵抗と前記グランドとに前記第1容量よりも大きい第2容量の第2コンデンサが接続されている、差動信号伝送回路。 - 請求項1に記載の差動信号伝送回路であって、
前記第1容量は、前記第1伝送線路と前記グランドとの間の寄生容量よりも大きい、差動信号伝送回路。 - 請求項1または2に記載の差動信号伝送回路であって、
基板をさらに備え、
前記第1伝送線路、前記第2伝送線路、前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗、前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサは、前記基板の一方面に配置され、
前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、それぞれ前記基板を貫通するスルーホールを介して、前記基板の前記一方面と反対側の他方面に形成された配線に接続されている、差動信号伝送回路。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の差動信号伝送回路であって、
前記第1伝送線路に対応して第1グランドが設けられ、
前記第2伝送線路に対応して第2グランドが設けられており、
前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路および前記第2伝送線路の各全長、前記第1接続点および前記第2接続点の各位置、前記第1伝送線路と前記第1グランドとの距離、前記第2伝送線路と前記第2グランドとの距離、ならびに前記第1伝送線路と前記第2伝送線路との距離のうちの少なくとも1つの調整により、コモンモードノイズの前記第2接続点への到達タイミングが前記第1接続点への到達タイミングよりも早いように設けられている、差動信号伝送回路。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の差動信号伝送回路であって、
前記送信側回路には、ケーブルの一端が接続され、
前記差動信号伝送回路には、前記ケーブルの一端と反対側の他端が接続される、差動信号伝送回路。
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