JP2020022073A - 差動信号伝送回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動信号を伝送する2つの第1伝送線路と第2伝送線路とが等長でない構成であっても、コモンモードノイズを低減できる、差動信号伝送回路を提供する。【解決手段】P信号線32がN信号線31よりも短いので、N信号線31およびP信号線32にコモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズは、N信号線31における第1終端抵抗43の接続点である第1接続点41に到達するよりも先に、P信号線32における第2終端抵抗53の接続点である第2接続点51に到達する。第2終端抵抗53とガードリンググランド34との間には、第1終端抵抗43とガードリンググランド33との間に介在されている第1コンデンサ45よりも大きい容量を有する第2コンデンサ55が介在されている。【選択図】図1

Description

本発明は、差動信号伝送回路に関する。
たとえば、レーザプリンタでは、プリント速度が上がるほど、画像データ処理などを実行するメイン基板から露光用のレーザダイオード(LD:Laser Diode)の発振を制御するLD基板にデータを高速で伝送する必要が生じる。
基板間でデータを高速に伝送する方式として、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号伝送方式)が知られている。LVDSでは、基板間がP信号線(ポジティブ信号線)およびN信号線(ネガティブ信号線)で接続され、それらのP信号線およびN信号線に互いに逆位相の信号が流れる。そのため、P信号線およびN信号線をそれぞれ流れる信号にコモンモードノイズが乗ってもそれらが相殺されるので、ノイズ耐性に優れている。
特開2004−153626号公報
コモンモードノイズを良好に相殺するためには、P信号線とN信号線とをなるべく等長に引き回す必要がある。ところが、基板上の回路が密で複雑であると、P信号線およびN信号線の引き回しが制約を受け、P信号線とN信号線との信号線長にずれが生じる。その結果、P信号線およびN信号線をそれぞれ流れる信号に大きなコモンモードノイズが残り、信号品質が低下する。
本発明の目的は、作動信号を伝送する2つの第1伝送線路と第2伝送線路とが等長でない構成であっても、コモンモードノイズを低減できる、差動信号伝送回路を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る差動信号伝送回路は、送信側回路と受信側回路との間に介在され、差動信号を伝送する第1伝送線路および第2伝送線路を含む差動信号伝送回路であって、第1伝送線路には、第1接続点で第1終端抵抗が接続され、第2伝送線路には、第2接続点で第2終端抵抗が接続され、第1伝送線路および第2伝送線路は、コモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズの第2接続点への到達タイミングが第1接続点への到達タイミングよりも早いように設けられており、第1終端抵抗とグランドとに第1容量の第1コンデンサが接続され、第2終端抵抗とグランドとに第1容量よりも大きい第2容量の第2コンデンサが接続されている。
この構成によれば、第1伝送線路および第2伝送線路にコモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズは、第1伝送線路における第1終端抵抗の接続点である第1接続点に到達するよりも先に、第2伝送線路における第2終端抵抗の接続点である第2接続点に到達する。第2終端抵抗とグランドとの間には、第1終端抵抗とグランドとの間に介在されている第1コンデンサよりも大きい容量を有する第2コンデンサが介在されている。そのため、第2接続点に到達したコモンモードノイズがなまらされて、そのなまらされたコモンモードノイズと第1接続点に到達するコモンモードノイズとが互いに打ち消し合う。その結果、受信側回路に入力されるコモンモードノイズを低減することができ、信号品質を向上させることができる。
本発明によれば、作動信号を伝送する2つの第1伝送線路と第2伝送線路とが等長でない構成であっても、コモンモードノイズを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る差動信号伝送回路が形成された受信側基板およびこれに接続される送信側基板の構成を図解的に示す平面図である。 差動信号伝送回路(受信側)の回路図である。 第1終端抵抗および第2終端抵抗に4700pFの容量を有する単一のコンデンサが共通に接続され、P信号線の全長がN信号線の全長よりも5mm短い構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1終端抵抗および第2終端抵抗に4700pFの容量を有する単一のコンデンサが共通に接続され、P信号線の全長がN信号線の全長よりも3mm短い構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1終端抵抗および第2終端抵抗に4700pFの容量を有する単一のコンデンサが共通に接続され、P信号線の全長がN信号線の全長よりも4mm短い構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1終端抵抗および第2終端抵抗に4700pFの容量を有する単一のコンデンサが共通に接続され、P信号線の全長がN信号線の全長よりも1mm短い構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1終端抵抗および第2終端抵抗に単一のコンデンサが共通に接続され、P信号線の全長がN信号線の全長よりも0.1mm短い構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1コンデンサに2200pFの容量を有するコンデンサが採用され、第2コンデンサに4700pFの容量を有するコンデンサが採用された構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1コンデンサに220pFの容量を有するコンデンサが採用され、第2コンデンサに4700pFの容量を有するコンデンサが採用された構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1コンデンサに100pFの容量を有するコンデンサが採用され、第2コンデンサに4700pFの容量を有するコンデンサが採用された構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1コンデンサに47pFの容量を有するコンデンサが採用され、第2コンデンサに4700pFの容量を有するコンデンサが採用された構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 第1コンデンサに10pFの容量を有するコンデンサが採用され、第2コンデンサに4700pFの容量を有するコンデンサが採用された構成の差動信号伝送回路の差動出力電圧の波形を示す図である。 (a)IEC61000−4−2の企画書に記載された静電気試験の波形を出力できるシミュレーション回路で差動信号伝送回路のグランドに静電気(図1に破線で示す)を印加した時のグランド波形の一例を示す図、(b)IEC61000−4−2の企画書に記載された静電気試験の波形を出力できるシミュレーション回路で差動信号伝送回路のグランドに静電気を印加した場合に、その回路モデルから出力される差動出力電圧の波形を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<制御部>
図1に示される制御部1は、送信側基板2および受信側基板3を備えている。制御部1は、たとえば、レーザプリンタに搭載される。送信側基板2は、画像データ処理などを実行するメイン基板であり、受信側基板3は、露光用のレーザダイオードの発振を制御するLD基板であってもよいし、タッチパネルの表示などを制御するタッチパネル基板であってもよい。また、制御部1は、インクジェットプリンタに搭載されてもよい。この場合、送信側基板2は、画像データ処理などを実行するメイン基板であり、受信側基板3は、インクヘッドを制御するインクヘッド基板であってもよい。
送信側基板2には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)11および送信側コネクタ12が実装されている。
ASIC11(送信側回路の一例)は、たとえば、半導体チップに作り込まれて、樹脂パッケージで封止されている。樹脂パッケージは、複数のピンを保持しており、ASIC11と各ピンとは、樹脂パッケージ内で電気的に接続されている。各ピンは、樹脂パッケージから外部に延出し、送信側基板2の表面に形成された配線13に接続されている。ASIC11は、差動ドライバを含む。
送信側コネクタ12は、複数のピン14を有している。複数のピン14は、一方向に一定のピッチで2列をなすよう千鳥配置されている。各ピン14は、送信側基板2上の配線13に接続されている。送信側コネクタ12には、基板間接続のためのFFC(Flexible Flat Cable:フレキシブルフラットケーブル)4の一端が接続される。
受信側基板3には、IC(Integrated Circuit)21および受信側コネクタ22が実装されている。
IC21(受信側回路の一例)は、たとえば、半導体チップに作り込まれて、樹脂パッケージで封止されている。樹脂パッケージは、複数のピンを保持しており、IC21と各ピンとは、樹脂パッケージ内で電気的に接続されている。各ピンは、樹脂パッケージから外部に延出し、受信側基板3の表面に形成された配線23に接続されている。IC21は、差動レシーバ24(図2参照)を含む。
受信側コネクタ22は、複数のピン25を有している。複数のピン25は、一方向に一定のピッチで2列をなすよう千鳥配置されている。各ピン25は、受信側基板3上の配線23に接続されている。受信側コネクタ22には、FFC4の他端が接続される。これにより、送信側コネクタ12の各ピン14と受信側コネクタ22の各ピン25とは、FFC4(ケーブルの一例)を介して電気的に接続される。
<差動信号伝送回路>
受信側基板3には、IC21と受信側コネクタ22との間に、差動信号伝送回路5が作り込まれている。差動信号伝送回路5は、N信号線(ネガティブ信号線)31、P信号線(ポジティブ信号線)32、およびガードリンググランド33,34(グランドの一例)が含まれる。N信号線31、P信号線32およびガードリンググランド33,34は、受信側基板3の表面に形成された配線23の一部を構成している。
N信号線31(第1伝送線路の一例)およびP信号線32(第2伝送線路の一例)は、たとえば、互いに平行をなして、IC21と受信側コネクタ22との対向方向に直線状に延びている。N信号線31の一方側の端部には、IC21のN信号線用のピンが接続されている。P信号線32の一方側の端部には、IC21のP信号線用のピンが接続されている。N信号線31の他方側の端部には、受信側コネクタ22のピン25であって、IC25から遠い側の列に配置されたN信号線用のピン25が接続される。P信号線32の他方側の端部には、受信側コネクタ22のIC21から近い側の列に配置されているピン25であって、N信号線用のピン25の隣のP信号線用のピン25が接続される。これにより、P信号線32は、N信号線31よりも全長(IC21のピンの接続点と受信側コネクタ22のピン25の接続点との間の距離)が短い。
なお、N信号線31およびP信号線32は、直線状に延びているとしたが、この実施形態では、P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも短ければ、N信号線31およびP信号線32の各途中部が屈曲していてもよい。
ガードリンググランド33は、N信号線31に対応して設けられ、N信号線31に対してP信号線32側とは反対側に形成されている。ガードリンググランド33の一端部には、IC21のピンが接続され、ガードリンググランド33の他端部には、受信側コネクタ22のピン25が接続されている。ガードリンググランド34は、P信号線32に対応して設けられており、P信号線32に対してN信号線31側とは反対側に形成されている。ガードリンググランド34の一端部には、IC21のピンが接続され、ガードリンググランド34の他端部には、受信側コネクタ22のピン25が接続されている。受信側基板3の裏面には、グランドベタパターン35が形成されており、ガードリンググランド33,34は、それぞれ受信側基板3を厚さ方向に貫通するスルーホール36,37を介してグランドベタパターン35と電気的に接続されている。
なお、ガードリンググランド33,34には、IC21のピンおよび受信側コネクタ22のピン25の両方が接続されていてもよいが、それらの一方または両方が接続されていなくてもよい。
そして、N信号線31には、図1および図2に示されるように、IC21のピンの接続部位の近傍の第1接続点41で第1分岐線42の一端が分岐して接続されている。第1分岐線42の他端には、第1終端抵抗43の一端が接続されている。第1終端抵抗43の他端には、第1中間線44の一端が接続され、第1中間線44の他端には、第1コンデンサ45の一端が接続されている。第1コンデンサ45の他端は、第1グランド接続線46を介して、ガードリンググランド33と電気的に接続されている。
また、P信号線32には、IC21のピンの接続部位の近傍の第2接続点51で第2分岐線52の一端が分岐して接続されている。P信号線32におけるIC21のピンの接続部位とその近傍の第2接続点51との距離は、N信号線31におけるIC21のピンの接続部位とその近傍の第1接続点41との距離とほぼ等しい。第2分岐線52の長さは、第1分岐線42の長さとほぼ等しい。第2分岐線52の他端には、第2終端抵抗53の一端が接続されている。第2終端抵抗53の他端には、第2中間線54の一端が接続され、第2中間線54の他端には、第2コンデンサ55の一端が接続されている。第2コンデンサ55の他端は、第2グランド接続線56を介して、ガードリンググランド34と電気的に接続されている。
第1終端抵抗43、第1コンデンサ45、第2終端抵抗53および第2コンデンサ55は、受信側基板3の表面に実装されており、第1分岐線42、第1中間線44、第1グランド接続線46、第2分岐線52、第2中間線54および第2グランド接続線56は、受信側基板3の表面に形成されている。また、第1中間線44には、受信側基板3を厚さ方向に貫通するスルーホール61が接続され、第2中間線54には、受信側基板3を厚さ方向に貫通するスルーホール62が接続されている。スルーホール61,62の各他端は、受信側基板3の裏面に形成された配線63に接続されている。
第1終端抵抗43および第2終端抵抗53には、同一の抵抗値を有する抵抗器が採用されている。第1コンデンサ45には、所定の第1容量を有するコンデンサ(キャパシタ)が採用されている。第2コンデンサ55は、N信号線31とP信号線32との全長の差に応じて、第1コンデンサ45の第1容量よりも大きい第2容量を有するコンデンサ(キャパシタ)が採用されている。
<差動出力電圧波形>
シミュレーションにより、図1および図2に示される構成から第1コンデンサ45および第2コンデンサ55が省略され、第1終端抵抗43および第2終端抵抗53の他端に単一のコンデンサが共通に接続された差動信号伝送回路であって、P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも5mm短い構成、3mm短い構成、2mm短い構成、1mm短い構成および0.1mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルをそれぞれ作った。図13(a)は、IEC61000−4−2の企画書に記載された静電気試験の波形を出力できるシミュレーション回路で差動信号伝送回路のグランドに静電気(図1に破線で示す)を印加した時のグランド波形の一例を示す図である。この図13(a)に示されるようにグランド電圧が変化する放電電流波形を各モデルの差動信号伝送回路に入力して、各差動信号伝送回路に接続された差動レシーバ24から出力される差動出力電圧の波形を観測した。その観測波形が図3、図4、図5、図6および図7に示されている。また、図13(a)に示されるようにグランド電圧が時間変化する放電電流波形を差動伝送回路に入力して、差動伝送回路のグランドに静電気を印加した場合に、その回路モデルから出力される差動出力電圧の波形が図13(b)に示されている。図13(b)を参照して理解されるように、グランドに静電気が印加されたタイミングで、差動出力電圧の波形にリンギング(振動)が発生する。
なお、シミュレーションのモデルでは、コンデンサとして、たとえば、4700pFの容量を有するものを採用した。また、シミュレーションのモデルでは、N信号線31におけるIC21のピンの接続部位と第1終端抵抗43と間の距離とP信号線32におけるIC21のピンの接続部位と第2終端抵抗53との間の距離とを同じに設定した。
N信号線31およびP信号線32には、互いに逆位相の信号が流れる。すなわち、N信号線31を流れる信号のレベル(電位)が負であるときには、P信号線32を流れる信号のレベルが正となり、N信号線31を流れる信号のレベルが正であるときには、P信号線32を流れる信号のレベルが負となる。差動出力電圧のレベルは、P信号線32を流れる信号のレベルからN信号線31を流れる信号のレベルを減算した値となる。そのため、差動レシーバ24から出力される信号は、たとえば、差動出力電圧がプラスである区間がハイレベル(オン)信号となり、差動出力電圧がマイナスである区間がローレベル(オフ)信号となる。
図3、図4、図5、図6および図7に示される観測波形では、差動出力電圧が観測開始から3回目にマイナスとなる区間Sにコモンモードノイズが現れている。
P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも5mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルでは、図3に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A1の変動が生じている。
P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも3mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルでは、図4に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A2の変動が生じている。最大振幅A2は、最大振幅A1よりも小さい。
P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも2mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルでは、図5に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A3の変動が生じている。最大振幅A3は、最大振幅A2よりも小さい。
P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも1mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルでは、図6に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A4の変動が生じている。最大振幅A4は、最大振幅A3よりも小さい。
P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも0.1mm短い構成の差動信号伝送回路のモデルでは、図7に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A5の変動が生じている。最大振幅A5は、最大振幅A4よりも小さい。
以上から、図3〜図7に示される観測波形の比較により、N信号線31の全長とP信号線32の全長との差が大きいほど、N信号線31およびP信号線32をそれぞれ流れる電流に乗ったコモンモードノイズが相殺されずに残り、信号品質が低下することが理解される。
これに対し、シミュレーションにより、前述の図1および図2に示される構成の差動信号伝送回路5のモデルを作り、差動信号伝送回路5に接続された差動レシーバ24から出力される差動出力電圧の波形を観測した。
シミュレーションのモデルとしては、第1コンデンサ45に2200pFの容量を有するコンデンサを採用した構成、220pFの容量を有するコンデンサを採用した構成、100pFの容量を有するコンデンサを採用した構成、47pFの容量を有するコンデンサを採用した構成および10pFの容量を有するコンデンサを採用した構成の差動信号伝送回路5のモデルを作った。各モデルでは、P信号線32の全長がN信号線31の全長よりも5mm短く、第2コンデンサ55に4700pFの容量を有するものを採用した。また、各モデルでは、N信号線31におけるIC21のピンの接続部位と第1終端抵抗43と間の距離とP信号線32におけるIC21のピンの接続部位と第2終端抵抗53との間の距離とを同じに設定した。
各モデルにおける差動出力電圧の観測波形が図8、図9、図10、図11および図12に示されている。これらの観測波形では、差動出力電圧が観測開始から3回目にマイナスとなる区間Sにコモンモードノイズが現れている。
第1コンデンサ45に2200pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでは、図8に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A6の変動が生じている。
第1コンデンサ45に220pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでは、図9に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A7の変動が生じている。最大振幅A7は、最大振幅A6よりも小さい。
第1コンデンサ45に100pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでは、図10に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A8の変動が生じている。最大振幅A8は、最大振幅A7よりも小さい。
第1コンデンサ45に47pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでは、図11に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A9の変動が生じている。最大振幅A9は、最大振幅A8よりも小さい。
第1コンデンサ45に10pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでは、図12に示されるように、コモンモードノイズにより、差動出力電圧に最大振幅A10の変動が生じている。最大振幅A10は、最大振幅A6〜A9のいずれよりも大きい。
図3および図8に示される各観測波形を参照して、コモンモードノイズにより差動出力電圧に生じている変動の最大振幅A1,A6を比較して理解されるように、前述の図1および図2に示される構成の差動信号伝送回路5では、第1終端抵抗43および第2終端抵抗53の他端に単一のコンデンサが共通に接続された差動信号伝送回路と比べて、コモンモードノイズにより差動出力電圧に生じている変動の最大振幅A6が最大振幅A1よりも小さく、差動出力電圧の波形に現れるコモノンモードノイズが低減されて、信号品質が向上している。
また、図8、図9、図10および図11に示される観測波形を比較して、コモンモードノイズにより差動出力電圧に生じている変動の最大振幅がA6>A7>A8>A9の関係であることが判り、第1コンデンサ45の第1容量と第2コンデンサ55の第2容量との差が大きいほど、つまり第1コンデンサ45の第1容量が小さいほど、差動出力電圧の波形に現れるコモノンモードノイズが低減されて、信号品質が向上していることが理解される。
さらに、図12に示される観測波形から、第1コンデンサ45の第1容量がN信号線31とガードリンググランド33との間に生じる寄生容量程度に小さいと、コモンモードノイズにより差動出力電圧に生じている変動の最大振幅A10が第1コンデンサ45に2200pFの容量を有するコンデンサを採用したモデルでコモンモードノイズにより差動出力電圧に生じる変動の最大振幅A6よりも大きく、差動出力電圧の波形に現れるコモノンモードノイズの低減の効果が小さく、信号品質が低いことが理解される。
<作用効果>
P信号線32がN信号線31よりも短いので、N信号線31およびP信号線32にコモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズは、N信号線31における第1終端抵抗43の接続点である第1接続点41に到達するよりも先に、P信号線32における第2終端抵抗53の接続点である第2接続点51に到達する。第2終端抵抗53とガードリンググランド34との間には、第1終端抵抗43とガードリンググランド33との間に介在されている第1コンデンサ45よりも大きい容量を有する第2コンデンサ55が介在されている。そのため、第2接続点51に到達したコモンモードノイズがなまらされて、そのなまらされたコモンモードノイズと第1接続点41に到達するコモンモードノイズとが互いに打ち消し合う。その結果、IC21に入力されるコモンモードノイズを低減することができ、信号品質を向上させることができる。
図12に示される観測波形から理解されるように、第1コンデンサ45の第1容量は、N信号線31とガードリンググランド33との間に生じる寄生容量よりも大きいことが好ましい。これにより、差動出力電圧の波形に現れるコモノンモードノイズを効果的に低減することができ、信号品質を向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、P信号線32がN信号線31よりも短いことにより、コモンモードノイズが第1接続点41に到達するよりも先に第2接続点51に到達する構成を取り上げた。コモンモードノイズが第1接続点41および第2接続点51に到達するタイミングの差は、N信号線31およびP信号線32の各全長の差に限らず、第1接続点41および第2接続点51の各位置、N信号線31とガードリンググランド33との距離、P信号線32とガードリンググランド34との距離、ならびにN信号線31とP信号線32との距離のうちの少なくとも1つによっても生じる。
また、本発明は、コモンモードノイズが第2接続点51に到達するよりも先に第1接続点41に到達する構成に適用することもできる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3:受信側基板
4:FFC
5:差動信号伝送回路
11:ASIC
21:CPU
23:配線
31:N信号線
32:P信号線
33,34:ガードリンググランド
41:第1接続点
43:第1終端抵抗
45:第1コンデンサ
51:第2接続点
53:第2終端抵抗
55:第2コンデンサ
61,62:スルーホール
63:配線

Claims (5)

  1. 送信側回路と受信側回路との間に介在され、差動信号を伝送する第1伝送線路および第2伝送線路を含む差動信号伝送回路であって、
    前記第1伝送線路には、第1接続点で第1終端抵抗が接続され、
    前記第2伝送線路には、第2接続点で第2終端抵抗が接続され、
    前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、コモンモードノイズが入ったときに、コモンモードノイズの前記第2接続点への到達タイミングが前記第1接続点への到達タイミングよりも早いように設けられており、
    前記第1終端抵抗とグランドとに第1容量の第1コンデンサが接続され、
    前記第2終端抵抗と前記グランドとに前記第1容量よりも大きい第2容量の第2コンデンサが接続されている、差動信号伝送回路。
  2. 請求項1に記載の差動信号伝送回路であって、
    前記第1容量は、前記第1伝送線路と前記グランドとの間の寄生容量よりも大きい、差動信号伝送回路。
  3. 請求項1または2に記載の差動信号伝送回路であって、
    基板をさらに備え、
    前記第1伝送線路、前記第2伝送線路、前記第1終端抵抗、前記第2終端抵抗、前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサは、前記基板の一方面に配置され、
    前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、それぞれ前記基板を貫通するスルーホールを介して、前記基板の前記一方面と反対側の他方面に形成された配線に接続されている、差動信号伝送回路。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の差動信号伝送回路であって、
    前記第1伝送線路に対応して第1グランドが設けられ、
    前記第2伝送線路に対応して第2グランドが設けられており、
    前記第1伝送線路および前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路および前記第2伝送線路の各全長、前記第1接続点および前記第2接続点の各位置、前記第1伝送線路と前記第1グランドとの距離、前記第2伝送線路と前記第2グランドとの距離、ならびに前記第1伝送線路と前記第2伝送線路との距離のうちの少なくとも1つの調整により、コモンモードノイズの前記第2接続点への到達タイミングが前記第1接続点への到達タイミングよりも早いように設けられている、差動信号伝送回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の差動信号伝送回路であって、
    前記送信側回路には、ケーブルの一端が接続され、
    前記差動信号伝送回路には、前記ケーブルの一端と反対側の他端が接続される、差動信号伝送回路。
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