JP7091538B1 - 水膨張性止水組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水膨張性と形状保持性に優れたシール材を製造可能な水膨張性止水組成物を提供することを目的とする。【解決手段】エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部と、吸水性樹脂10~200質量部と、を含有し、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける非共役ジエン単位の含有量が、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、2.0~8.0質量%である、水膨張性止水組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シール材を製造可能な水膨張性止水組成物に関する。
土木・建築分野では、トンネル内セグメントや地下ヒューム管あるいは上下水道用U字溝など様々な管の接続部に、漏水防止や止水の目的でテープ状やフィルム状等に成形された水膨張性止水材が用いられる。
例えば、特許文献1には、水、および海水等のイオン水に対して良好な膨張性を示し、かつ、水中への溶出量が少なく、軽量で施工作業が容易な水膨張性発泡シール材を提供することを目的として、加硫可能なゴムにポリアクリル酸ソーダ架橋体を含む高吸水性樹脂、シリカ、ノニオン系界面活性剤、加硫剤および加硫促進剤、熱分解性発泡剤を含有させ、加硫および発泡処理して得られる水膨張性発泡シール材が開示されている。
特開2007-063450号公報
水膨張性止水組成物を用いて製造されたシール材は、水に接すると水を吸収して体積が膨張することによって止水性を発揮する。このようなシール材には、水膨張性と、吸水して膨張した際でも崩壊しない形状保持性が望まれている。しかしながら、通常は膨潤するほど崩壊しやすくなるため、水による膨張性に優れることと、膨潤した場合でも崩壊しにくく形状保持性に優れること、という相反する性質を共に達成することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水膨張性と形状保持性に優れたシール材を製造可能な水膨張性止水組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定量の非共役ジエン単量体量を有するエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部と、
吸水性樹脂10~200質量部と、
軟化剤と、を含有し、
前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける非共役ジエン単位の含有量が、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、2.0~8.0質量%であり、
架橋剤及び架橋促進剤のいずれ、水膨張性止水組成物の総量に対して、0.3質量%以下である、
水膨張性止水組成物。
〔2〕
前記吸水性樹脂が、アクリル系重合体、アルキレンオキサイド系重合体、及びセルロース系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
〔1〕に記載の水膨張性止水組成物。
〔3〕
前記非共役ジエン単位が、脂環族ジエン単位を含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の水膨張性止水組成物。
〔4〕
前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおけるエチレン単位の含有量が、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、40~75質量%である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
〔5〕
前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が、15~75Mである、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
〔6〕
充填材をさらに含む、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
〔7〕
シール材として用いられる、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
本発明によれば、水膨張性と形状保持性に優れたシール材を製造可能な水膨張性止水組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.水膨張性止水組成物
本実施形態の水膨張性止水組成物は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部と、吸水性樹脂10~200質量部と、を含有し、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける非共役ジエン単位の含有量が、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、2.0~8.0質量%である。
なお、本実施形態において、「非共役ジエン単位」とは、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエンモノマーに由来するゴム中の構成単位を意味する。その他、「~単位」と記載するものも同様である。
従来の水膨張性止水組成物は、マトリクスとして架橋可能なゴムを含み、架橋に用いられる架橋剤や架橋促進剤を含み、所定の架橋条件下で架橋して、膨張性止水シール材として用いられる。このように従来の膨張性止水シール材には膨張時に崩壊しないようにするために、架橋が必須であった。そのため従来の水膨張性止水組成物は、架橋処理にかかる時間が長く、架橋剤などの組成物に添加する成分が多くなるという問題がある。また、適切な耐崩壊性を得るためには、組成に応じて適切な架橋条件を選択する必要があるという点も問題である。
これに対して、本実施形態の水膨張性止水組成物は、所定量の吸水性樹脂と、マトリクスとしてエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムを用い、その非共役ジエン単位の含有量を所定範囲内に調整することによって、架橋せずとも、水膨張性と形状保持性を両立することができ、また、架橋剤などにより架橋する場合にも、その架橋処理時間を短くすることができる。非共役ジエン単位の含有量を所定範囲内に調整することによって、架橋をしなくとも水膨張性と形状保持性を両立できる具体的な理由は不明であるが、側鎖の二重結合の量が水膨張時の形状保持性の向上に何らかの寄与しているものと推察されるが、上記理由はこれに限定されるものではない。
1.1.エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムは、水膨張性止水組成物のマトリクスとして機能し、主に形状保持性の向上に寄与する。
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおけるエチレン単位の含有量としては、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、好ましくは40~75質量%であり、より好ましくは45~70質量%であり、さらに好ましくは50~67質量%である。エチレン単位の含有量の含有量が上記範囲内であることにより、水膨張性と形状保持性がより向上する傾向にある。
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムに含まれるα-オレフィン単位を構成するα-オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-へプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ナノデセン、1-エイコセン等の直鎖状のα-オレフィン;3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-エチル-1-ヘキセン、2,2,4-トリメチル-1-ペンテン等の分岐状のα-オレフィンが挙げられる。α-オレフィン単位は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このなかでも、直鎖状のα-オレフィンが好ましく、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-へプテンがより好ましい。これにより、形状保持性がより向上する傾向にある。
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおけるα-オレフィン単位の含有量は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、好ましくは15~55質量%であり、より好ましくは20~50質量%であり、さらに好ましくは25~45質量%である。α-オレフィン単位の含有量が上記範囲内であることにより、水膨張性と形状保持性がより向上する傾向にある。
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムに含まれる非共役ジエン単位を構成する非共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えばペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の脂肪族ジエン;エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジビニルシクロヘキサン、ジビニルシクロペンタン、ジビニルシクロオクタン、ジアリルシクロヘキサン、ジアリルシクロオクタン、イソプロペニルノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン等の脂環族ジエンが挙げられる。非共役ジエン単位は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このなかでも、非共役ジエン単位が脂環族ジエン単位を含むことが好ましく、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどがより好ましい。これにより、形状保持性がより向上する傾向にある。
エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける非共役ジエン単位の含有量は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、2.0~8.0質量%であり、好ましくは2.0~7.5質量%であり、より好ましくは2.5~7.0質量%である。非共役ジエン単位の含有量が2.0質量%以上であることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。また、非共役ジエン単位の含有量が8.0質量%以下であることにより、形状保持性がより向上する傾向にある。
非共役ジエン単位などエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける単位の含有量は、熱分解-ガスクロマトグラフ法や、固体NMRにより定量分析が可能である。熱分解-ガスクロマトグラフ法に関しての具体的な分析条件の一例を以下に記すが、分析条件は以下に限定されるものではない。
(分析条件)
GC :日立製作所 163型
カラム :20%Silicone DC710 Diasolid M(60/80) Stainless Steel Column (3mmφ×3m)
カラム温度 :165℃
キャリアガス:He、30ml/min
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
熱分解装置 :日本分析工業製 JHP-2型(高周波誘導加熱)
熱分解試料量:0.5±0.05mg
熱分析条件 :590℃、5秒
このようなエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)が挙げられる。このようなエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムを用いることにより、水膨張性と形状保持性がより向上する傾向にある。エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、好ましくは15~75Mであり、より好ましくは20~70Mであり、さらに好ましくは25~65Mである。ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が15M以上であることにより、形状保持性がより向上する傾向にある。また、ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が75M以下であることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、125℃のロータの測定条件で、ロータ回転開始後4分時の粘度であり、JIS K6300-1に準じて測定することができる。また、ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、ゴム成分のモノマー組成や分子量や分子量分布により調整することができる。
なお、ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、125℃のロータの測定条件で、ロータ回転開始後4分時の粘度であり、一般に、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)、すなわち100℃のロータの測定条件でロータ回転開始後4分時の粘度よりも、小さな値となる。
1.2.吸水性樹脂
吸水性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩やその架橋体、アクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩やその架橋体、澱粉-アクリル酸グラフト重合体塩やその架橋体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物やその架橋体、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸-アクリル酸共重合体塩やその架橋体などのアクリル系重合体;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウムなどのセルロース系化合物;ポリアルキレンオキサイドや、変性ポリアルキレンオキサイド等のアルキレンオキサイド系重合体;澱粉-アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレンーマレイン酸共重合体等が挙げられる。吸水性樹脂は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このなかでも、アクリル系重合体、アルキレンオキサイド系重合体、及びセルロース系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含むことが好ましく、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩やその架橋体、アクリル酸グラフト重合体部分ナトリウム塩やその架橋体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性ポリアルキレンオキサイドがより好ましい。このような吸水性樹脂を用いることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。
吸水性樹脂の含有量は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部に対して、10~200質量部であり、好ましくは20~190質量部であり、より好ましくは40~170質量部である。吸水性樹脂の含有量が10質量部以上であることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。また、吸水性樹脂の含有量が200質量部以下であることにより、亀裂の発生がより抑制され、形状保持性がより向上する傾向にある。
1.3.充填材
本実施形態の水膨張性止水組成物は、充填材をさらに含んでいてもよい。充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、タルク、クレーおよびカーボンブラックが挙げられる。充填材は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このなかでも、シリカが好ましい。このような充填材を用いることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。
充填材の含有量は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部に対して、好ましくは20~80質量部であり、より好ましくは30~70質量部であり、さらに好ましくは40~60質量部である。充填材の含有量が上記範囲内であることにより、水膨張性がより向上する傾向にある。
1.4.軟化剤
本実施形態の水膨張性止水組成物は、軟化剤をさらに含んでいてもよい。これにより、各成分の相溶性、成形加工性、及び使用感がより向上する傾向にある。
軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、綿実油、パーム油、やし油、落花生油、トール油、パインタール、プロセスオイル(パラフィン系オイル、ナフテン系オイルおよび芳香族系プロセスオイル)、カルボン酸エステル系可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル、オレイン酸エステル、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、グリコール酸エステル等)、リン酸エステル系可塑剤(トリイソプロピルフェニルホスフェート等)が挙げられる。軟化剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
軟化剤の含有量は、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部に対して、好ましくは10~70質量部であり、より好ましくは20~60質量部であり、さらに好ましくは30~50質量部である。軟化剤の含有量が上記範囲内であることにより、相溶性、成形加工性、使用感がより向上する傾向にある。
1.5.架橋剤及び架橋促進剤
本実施形態の水膨張性止水組成物は、架橋処理を要しない態様とする場合には、架橋剤及び/又は架橋促進剤を実質的に含有しないことが好ましい。また、架橋処理を要する態様とする場合には、架橋剤及び/又は架橋促進剤を含有していてもよい。
ここで、架橋剤は、ゴムを架橋できる架橋剤であれば特に制限されるものではないが、例えば、硫黄、ポリスルフィド等の硫黄系化合物;p-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物;t-ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系化合物などが挙げられる。
また、架橋促進剤は、ゴムの架橋の促進を目的に使用される架橋促進剤であれば、特に制限されるものではないが、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドやテトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾールやジベンゾチアゾールジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛やジブチルジチオカルバミン酸亜鉛等のカルバミン酸塩系化合物;n-ブチルアルデヒドアニリン等のアルデヒドアミン系化合物;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;ジオルソトリルグアニジンやジオルソニトリルグアニジン等のグアニジン系化合物;チオカルバニリドやジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア等のチオウレア系化合物;酸化亜鉛などの化合物が挙げられる。
架橋処理を要しない態様とする場合において、架橋剤などを「実質的に含有しない」とは、架橋剤及び架橋促進剤のいずれかが少なくとも、水膨張性止水組成物の総量に対して、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下であることをいう。また、架橋剤及び架橋促進剤の含有量の下限値は、特に限定されないが、検出限界以下とすることができる。
1.6.その他添加剤
本実施形態の水膨張性止水組成物は、上記成分の他に必要に応じて、通常のゴムに使用される酸化防止剤、紫外線防止剤、粘着付与樹脂、滑剤、分散剤などの各種の添加剤も併用することができる。
1.7.態様
本実施形態の水膨張性止水組成物は、シール材として用いられることが好ましい。本実施形態の水膨張性止水組成物を用いて製造されたシール材は、シールド工法セグメント、ボックスカルバート、フリューム(鉄骨・ベンチ)、ヒューム管、マンホールの継手、貯水池、水路、プール等の目地、コンクリート打ち継ぎの止水板などの土木関係の止水部材としての用途;各種水槽、H鋼廻り、各種打ち継ぎなどの建築関係の止水部材としての用途;浄水槽、受水槽、ユニットバスなどの住宅機器関係の止水部材としての用途に好適に用いることができる。また、本実施形態の水膨張性止水組成物を用いて製造されたシール材は、淡水のみならず海水などの通水路に使用されるコンクリート製品等の接続部分に使用される場合においても、十分な止水効果を発揮することができる。
2.水膨張性止水組成物の製造方法及び用途
本実施形態の水膨張性止水組成物は、必要な成分を混練することにより製造することができる。また、水膨張性止水組成物を用いた成形体は、水膨張性止水組成物をプレス等によって成形することによって製造することができる。この成形体は、シール材として利用することができる。なお、本実施形態の水膨張性止水組成物は、シール材の形成にあたり、架橋処理を行う必要がなく、架橋処理を行わずに用いることができる。
また、本実施形態の水膨張性止水組成物は、シール材の形成にあたり架橋処理を行ってもよい。本実施形態の水膨張性止水組成物を用いることにより、架橋処理時間を短くすることができる。なお、架橋処理を行う場合には、本実施形態の水膨張性止水組成物は、上記架橋剤及び/又は架橋促進剤を含有していてもよく、その含有量は1.0質量%超過であってもよい。
配合物を混練する装置としては、従来公知のミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等の混練装置がある。混練した配合物を成形する装置としては、従来公知のプレス成形、押出成形、カレンダー成形等の成形装置がある。また、成形体の形状は、シート状やテープ状など適宜用途に合わせて設計すればよい。
本発明の水膨張性止水組成物を用いて製造されたシール材は、通水部分に使用される管パイプ等およびコンクリート製品を用いる土木・建築等の分野において極めて有用である。また、本発明の水膨張性止水組成物を用いて製造されたシール材は、淡水のみならず海水などの通水路に使用されるコンクリート製品等の接続部分に使用される場合においても、十分な止水効果を発揮することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、以下、各物質の使用量の単位は質量部である。
1.水膨張性止水組成物の調整
表1に記載の各成分を、3L加圧ニーダー(モリヤマ社製、型式:DS3-10MWB-S)を用いて、100℃で10分間混練することによって、実施例及び比較例の水膨張性止水組成物を得た。なお、表1に記載する各物質の使用量の単位は特に断りがない限り質量部である。
Figure 0007091538000001
表1中の各成分の詳細は、以下のとおりである。
<ゴム成分>
・EPDMゴム1 (JSR株式会社製、「EP331」)
・EPDMゴム2 (住友化学株式会社製、「エスプレン505」)
・EPDMゴム3 (JSR株式会社製、「EP33」)
・EPDMゴム4 (JSR株式会社製、「T7241」)
・EPDMゴム5 (JSR株式会社製、「EP51」)
・EPDMゴム6 (三井化学株式会社製、「EPT3091」)
・EPDMゴム7 (住友化学株式会社製、「エスプレン301A」)
・EPDMゴム8 (住友化学株式会社製、「エスプレン512F」)
・EPDMゴム9 (JSR株式会社製、「EP93」)
・EPDMゴム10(三井化学株式会社製、「EPT2060M」)
・EPMゴム (JSR株式会社製、「EP51」)
・クロロプレンゴム(デンカ株式会社製、「ES-70」)
・ブチルゴム (JSR株式会社製、「ブチル268」)
<吸水性樹脂>
・アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物:株式会社日本触媒製、「アクアリックCS―6S」
・カルボキシメチルセルロースナトリウム:林純薬工業株式会社製
<充填材>
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製、「Nipsil VN3」
・炭酸カルシウム:秩父石灰工業株式会社製、「TA-044」
<軟化剤>
・菜種油系軟化剤:株式会社J-オイルミルズ製、「J菜種白絞油」
<非共役ジエン単位の含有量>
非共役ジエン単位の含有量は、熱分解-ガスクロマトグラフ法によって算出した。
(分析条件)
GC :日立製作所 163型
カラム :20%Silicone DC710 Diasolid M(60/80) Stainless Steel Column (3mmφ×3m)
カラム温度 :165℃
キャリアガス:He、30ml/min
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
熱分解装置 :日本分析工業製 JHP-2型(高周波誘導加熱)
熱分解試料量:0.5±0.05mg
熱分析条件 :590℃、5秒
2.評価
実施例及び比較例により得られた水膨張性止水組成物をプレス機(温度:80℃、時間:1分)で厚さ2mmのシート状の成形体に加工し、得られた成形体を用いて、以下に示す各種評価を行った。
2.1.水膨張後形状保持性
20mm×20mm×2mmtの成形体を23℃にて水に7日間浸漬後、成形体の形状保持性を目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:水膨張後の成形体に亀裂の発生は認められない
○:水膨張後の成形体に亀裂の発生は認められるが水中から取り出しても崩れない
×:水膨張後の成形体を水中から取り出すと崩れる
2.2.水膨張性
JIS K-6258に準じ、20mm×20mm×2mmtの成形体を23℃にて水に7日間浸漬後、以下の式にて浸漬前後における体積変化率を算出した。浸漬前後における体積変化率が、成形体の給水量、すなわち体積変化量を示しているものとして、水膨張性を以下の評価基準で評価した。
体積変化率(%)=((c-d)-(a-b))/(a-b)×100
a:水浸漬前の空中重量、b:水浸漬前の水中重量
c:水浸漬後の空中重量、d:水浸漬後の水中重量
(評価基準)
◎:体積変化率が100%以上
○:体積変化率が70%以上100%未満
×:体積変化率が70%未満
本発明は、水膨張性止水組成物として産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム100質量部と、
    吸水性樹脂10~200質量部と、
    軟化剤と、を含有し、
    前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおける非共役ジエン単位の含有量が、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、2.0~8.0質量%であり、
    架橋剤及び架橋促進剤のいずれ、水膨張性止水組成物の総量に対して、0.3質量%以下である、
    水膨張性止水組成物。
  2. 前記吸水性樹脂が、アクリル系重合体、アルキレンオキサイド系重合体、及びセルロース系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、
    請求項1に記載の水膨張性止水組成物。
  3. 前記非共役ジエン単位が、脂環族ジエン単位を含む、
    請求項1又は2に記載の水膨張性止水組成物。
  4. 前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムにおけるエチレン単位の含有量が、前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムの総量に対して、40~75質量%である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
  5. 前記エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴムのムーニー粘度(ML(1+4)125℃)が、15~75Mである、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
  6. 充填材をさらに含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
  7. シール材として用いられる、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の水膨張性止水組成物。
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