JP7090520B2 - サンプリング装置及び回転式粉体圧縮成形機 - Google Patents

サンプリング装置及び回転式粉体圧縮成形機 Download PDF

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Description

本発明は回転式粉体圧縮成形機によって成形された、低成形性成形物を含む固形物をサンプリングするのに適したサンプリング装置に関する。また、本発明は、サンプリング装置を備えた回転式粉体圧縮成形機にも関する。
回転式粉体圧縮成形機で成形品を製造する場合、特に医薬品としての錠剤を製造する場合は、錠剤中の有効成分の含量を保証するため、圧縮成形された錠剤をサンプリングして秤量することが行われる。最も一般的な普通錠の場合は、十分な成形性を備えているため、サンプリングに際しては、通常、擦切板(ダンパ)が使用されている。
一方、普通錠(単層錠)以外にも、内核と内核を被覆する外層とから成る有核錠は医薬品を始め様々な分野で利用されている。中でも、特許文献1及び2に開示されている有核錠の製造方法及び製造装置は、核を別に製造することなく、複数の打錠用粉体から一度に有核錠を製造することができる。
当該有核錠の製造工程においては、最終成形物である有核錠のみならず、製造工程の途中段階の固形物をサンプリングして秤量する必要がある。例えば、内核を構成する粉体が所定量含まれているかどうか確認するため、特許文献1の図1の工程Hの固形物をサンプリングして秤量する必要がある。ここで、当該有核錠の製造方法においては、内核は成形性のある外層に包まれるだけでいいので、内核にしばしば低成形性粉体を使用する。このように、内核に使用される粉体が機能性コーティング顆粒などの低成形性粉体である場合、低成形性粉体は強固な成形物に成形できないため、これら低成形性粉体からなる途中段階の固形物(内核)は、軽い衝撃によって容易に崩壊する。そのため、例えば擦切板(ダンパ)によって固形物を擦り切ることにより回収する方法では、擦切板(ダンパ)への衝突によって固形物が崩れて飛散し、固形物の質量を正確に測定できないという問題がある。
このような擦切板(ダンパ)による回収方法の問題は、前述の有核錠の製造方法だけでなく、積層錠の場合においても発生する。これに対し、固形物を吸引して回収するサンプリング装置が存在する(特許文献3)。この特許文献3は、固形物を吸引する吸引案内手段と、固形物を捕集するサイクロン式捕集容器と、吸引手段と、サイクロン式捕集容器とともに捕集された固形物の重量を測定するための重量測定手段とを備えた重量管理装置を開示している。ここでは、壊れ易い積層錠の各層の成分重量を効率よく測定することができると記載されている。そして、サンプリング数の計測については、サンプリングした複数の固形物の合計重量と、固形物1個当りの目標重量及び各固形物の実際の重量の偏差管理幅から、サンプリングした固形物の数量を算出することを提案している。しかし、このように測定重量からサンプリング数を逆算する方法では、平均重量が偏差管理幅の上限値又は下限値付近に偏ったまま推移した場合や、十分量の固形物をサンプリングしなかった場合において、サンプリング数量が正しく算出されず、結果として誤った重量がフィードバックされてしまう可能性が払拭できない。医薬品のように重量が厳密に規定されている製品においては、このような事態は絶対に避けなければいけない。
WO01/98067公報 WO2005/097041公報 特開2007-327962号公報
固形物を吸引して回収する方法では、擦切板(ダンパ)自体を使用しないため、擦切板(ダンパ)の接触により固形物が崩れて飛散するという問題は発生しない。
しかし、特許文献3の重量管理装置では固形物の回収手段としてサイクロン式捕集容器を使用しており、サイクロン式捕集容器は、一般に大型で且つ立設した状態で設置しなければならないため、設置場所が制限されるという問題がある。
また、サイクロン式捕集容器は、固形物と比べて質量が非常に大きい。そのため、電子天秤などの重量測定手段は、固形物の質量レンジではなく、サイクロン式捕集容器の質量レンジに適合するよう選定される必要がある。しかし、重量測定手段をサイクロン式捕集容器の質量レンジに適合させると、回収された固形物が少量の場合には、固形物の質量を高精度で測定することが困難になる。一方、固形物の質量の測定精度を向上させるために固形物のサンプリング量を増大させると、有核錠の生産効率が低下するという問題が発生する。高精度での測定が困難なことは、サイクロン式捕集容器では、微粉がサイクロン式捕集容器から排出されてしまって回収されず、サンプリングすべき固形物の全量を回収することができないということからも生じる。
さらに、特許文献3のサイクロン式捕集容器では、前述のようにサンプリング数が正確に計測できない可能性があり、また、後述のように、サンプリングすべき固形物がサンプリング中に壊れ部分的に回収される可能性があることは全く考慮されておらず、サンプリングにより算出された固形物1個当りの質量が、実際の質量とはかけ離れた値になる可能性を含んでいる。
本発明は、上記課題に鑑み、簡易に設置でき、且つ、低成形性成形物を含む固形物であってもロスなく回収できるサンプリング装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記課題に鑑み、サンプリング予定ではない固形物は回収せず、且つ、サンプリング予定の固形物を確実に回収でき、サンプリング数を正しく決定できる機構を備えた回転式粉体圧縮成形機を提供することを目的とする。
本発明は以下に記載する態様の発明を提供する。
(項目1)
臼、上杵及び下杵を有する回転盤を備えた回転式粉体圧縮成形機によって成形された固形物をサンプリングするサンプリング装置であって、
成形された前記固形物を前記回転盤面上に押出す前記下杵及び前記臼上に臨む吸引口を有する吸引ノズルと、
前記吸引ノズルに繋がれ、前記吸引ノズル内に負圧を発生させて前記固形物を吸引する吸引手段と、
前記吸引ノズルと前記吸引手段との間に設置され、前記固形物を回収するフィルタ式の回収手段と、
を備えることを特徴とするサンプリング装置。
(項目2)
前記固形物が低成形性成形物を含む固形物である、
項目1に記載のサンプリング装置。
(項目3)
前記吸引ノズルは、前記固形物が前記吸引口内に進入する経路を除いて、前記下杵及び前記臼上を覆う壁部を備え、前記固形物が前記吸引口内に進入する経路が開口部となっている、
項目1又は2に記載のサンプリング装置。
(項目4)
前記回収手段は、前記固形物を貯留する貯留空間を有する回収部と、前記固形物と気体とを分離するフィルタと、前記フィルタを介して前記貯留空間と連通する気体排出空間を有する気体排出部と、を備える、
項目1から3のいずれか1項に記載のサンプリング装置。
(項目5)
前記回収部は、前記吸引ノズルと繋がる第一開口部と、前記第一開口部よりも下流側に形成された前記貯留空間及び第二開口部とを有する中空部材から成り、
前記気体排出部は、第三開口部と、前記第三開口部よりも下流側に形成された前記気体排出空間と、前記気体排出空間よりも下流側に形成され、前記吸引手段に繋がる第四開口部とを有する中空部材から成り、
前記第二開口部と前記第三開口部とは前記フィルタで覆われていると共に、前記フィルタを介して連通している、
項目4に記載のサンプリング装置。
(項目6)
前記貯留空間は、前記第二開口部よりも下流側まで延在している、
項目5に記載のサンプリング装置。
(項目7)
前記回収部と、前記気体排出部と、前記フィルタとは、着脱可能に接続される、
項目4から6のいずれか1項に記載のサンプリング装置。
(項目8)
前記回収手段よりも上流側の圧力と前記回収手段よりも下流側の圧力との差を測定する差圧計をさらに備える、
項目1から7のいずれか1項に記載のサンプリング装置。
(項目9)
前記吸引ノズルと前記回収手段との間及び前記回収手段と前記吸引手段との間の少なくとも一方に、前記吸引ノズルと前記吸引手段とが連通する連通状態と前記吸引ノズルと前記吸引手段とが連通しない非連通状態とに切り替える切替弁をさらに備える、
項目1から8のいずれか1項に記載のサンプリング装置。
(項目10)
複数の臼を有する回転盤と、
前記回転盤の上方及び下方に、前記臼と同軸で上下それぞれに配置された上下動可能な上杵及び下杵と、
前記回転盤上の、下杵が組み込まれた2つの隣り合う臼の間の臼及び下杵の存在しない臼杵不存在部と、
前記回転盤、前記上杵及び前記下杵を回転させる回転駆動手段と、
前記回転盤面上まで押出されたサンプリングすべき固形物を前記下杵上から吸引して回収するサンプリング装置と、
前記固形物のサンプリング時に前記下杵を上昇させるガイド手段であって、前記下杵の上昇に関与しない待機位置と、前記固形物全体が前記回転盤面上に押出される位置まで前記下杵を上昇させる上昇位置との間で移動可能なガイド手段と、
を備え、
サンプリング開始時及びサンプリング終了時に、前記臼杵不存在部が、前記サンプリング装置がサンプリングすべき固形物を前記回転盤上で吸引するサンプリング位置を通過する間に、前記ガイド手段が前記待機位置と前記上昇位置との間を移動するように作動する、
ことを特徴とする回転式粉体圧縮成形機。
(項目11)
前記臼杵不存在部は、無孔臼により形成されている、
項目10に記載の回転式粉体圧縮成形機。
(項目12)
前記サンプリング装置は、項目1から9のいずれか1項に記載のサンプリング装置である、
項目10又は11に記載の回転式粉体圧縮成形機。
本発明のサンプリング装置では、フィルタ式の回収手段を使用している。フィルタ式の回収手段は前記第一開口部が前記貯留空間に対し下向きにならない限り設置姿勢に制限がないため、設置場所も限定されない。また、フィルタ式の回収手段によって微粉も確実に回収することができるので、固形物が崩壊しやすい低成形性成形物を含む固形物であっても、問題なく回収することができる。
本発明の回転式粉体圧縮成形機では、回転盤上に臼杵不存在部を設け、当該臼杵不存在部がサンプリング位置を通過する間に、サンプリングに関与する装置の作動の準備が完了するため、サンプリングすべき固形物の一部のみが欠損して回収されるといった問題が発生せず、サンプリングすべき固形物のみを確実に回収することができる。従って、ここにおいても、低成形性成形物を含む固形物の回収に適していると言える。
更に、本発明の回転式粉体圧縮成形機では、前記臼杵不存在部により、サンプリング対象となる臼杵が明確に特定されるため、サンプリング数は臼の全数から容易に決定することができる。
本発明のサンプリング装置の全体を示す概念図である。 回転式粉体圧縮成形機の断面図である。 回転式粉体圧縮成形機の回転盤の平面図である。 回転式粉体圧縮成形機の展開断面図である。 (a)~(c)は本発明のサンプリング装置の一部となるノズルの図であり、(a)はノズルの斜視図、(b)は(a)のVb-Vb線断面図、(c)は(a)のVc-Vc線断面図である。 (a)~(c)は本発明のサンプリング装置の一部となる回収手段の図であり、(a)は回収手段の斜視図、(b)は回収手段の分解斜視図、(c)は(a)のVIc-VIc線断面図である。 (a)及び(b)は本発明のサンプリング装置の一部となる切替弁の断面図である。 本発明の回転式粉体圧縮成形機において、臼杵不存在部がサンプリング位置を通過する前の回転盤とそのサンプリング関連部材の展開断面図である。 本発明の回転式粉体圧縮成形機のサンプリング開始時及び終了時の動作をそれぞれ(a)から(c)及び(d)から(e)の順に表す展開断面図である。 本発明で発見された、回転式粉体圧縮成形機のサンプリング時の問題点を説明するための、サンプリング時の動作を表す、回転盤とサンプリング関連部材の展開断面図で、(a)は問題が発生しないときのもので、(b)は問題が発生するときのものである。
本発明について図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、以下の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。尚、構造を分かりやすくするため、断面図におけるハッチングを省略する場合がある。
本発明のサンプリング装置は、回転式粉体圧縮成形機によって成形された固形物をサンプリングする装置であるが、特に低成形性成形物を含む固形物をサンプリングするのに好適な装置である。以下では、下側外層T1と下側外層T1上に積層された低成形性成形物である第二層T2とから成る固形物T(図8又は図10参照)をサンプリングする場合を例に挙げ説明する。尚、「低成形性成形物を含む固形物」とは、一部又は全部が成形性の低い成形物である固形物であり、軽度の衝撃によって容易に崩壊する成形物である。このような成形物は、成形性の低い粉粒体を圧縮成形することにより得られる他、成形性の高い粉粒体であっても、低い圧力で圧縮成形することにより得ることができる。成形性の低い粉粒体とは、圧縮成形によって所定形状に全く成形されない粉粒体、又は、圧縮成形によって少なくとも一部が外見上所定形状に成形されるものの、軽度の衝撃によって容易に崩壊する粉粒体を意味する。このような成形性の低い粉粒体としては、例えば機能性コーティング顆粒などが挙げられる。
本明細書においては、本発明のサンプリング装置を説明する前に、先に本発明のサンプリング装置が設置される通常の回転式粉体圧縮成形機の説明を行う。そして、本発明のサンプリング装置の説明の後に、サンプリング装置の作動に関する回転式粉体圧縮成形機の問題点について説明し、最後に、改良された本発明の回転式粉体圧縮成形機の説明を行う。
<回転式粉体圧縮成形機>
まずは、図2から図4及び図10(a)を参照して、本発明のサンプリング装置1が設置される回転式粉体圧縮成形機100(以下、単に「成形機100」と表記する)について説明する。成形機100の基本的な構成は、特許文献1の回転式粉体圧縮成形機と略同じである。特許文献1の回転式粉体圧縮成形機においては、上杵及び下杵がいずれも、外杵と中心杵とから構成される2重構造杵を使用しているが、本明細書の図においては、図3を除きそのような構造は省略しており、2重構造杵ではなく普通杵として図示している。実際にこのような普通杵を使用して本明細書の図のように成形品を製造する場合は、通常、多層錠を製造することになる。多層錠においても、最初から高い打錠圧で圧縮成形しないことが多いため、下側外層T1と第二層T2とから成る固形物Tは、しばしば低成形性成形物を含む固形物となる。尚、本発明のサンプリング装置1は、上杵及び下杵がいずれも2重構造杵である特許文献1のような回転式粉体圧縮成形機においてより好適に使用される。その理由は、背景技術に記載したように、特許文献1のような有核錠の製造のための回転式粉体圧縮成形機で有核錠を製造する場合には、内核は成形性のある外層に包まれるだけでいいので、内核にしばしば成形性の低い粉粒体を使用するからである。本明細書においてサンプリング対象物として取り上げている、下側外層T1とその上に積層された低成形性成形物である第二層T2とから成る固形物Tとは、特許文献1のような回転式粉体圧縮成形機においては、外層T1とその上に積層された核T2とから成る固形物Tとなる。以下で説明する成形機100はサンプリング装置1を設置する成形機の一例を示すに過ぎず、サンプリング装置1が設置される成形機は成形機100に限定されない。
成形機100は、立シャフト101、立シャフト101を回転させる回転駆動手段(モータ)102、円形の回転盤103、臼104、杵105、杵保持部106、ホッパ107、原料供給シュート108、オープンフィードシュー109、擦切板110、製品取り出しシュート(ダンパ)111、ガイド手段112、ノズル台座113、制御手段(不図示)及び位置検出手段(不図示)を備える。
回転盤103は立シャフト101に取り付けられており、立シャフト101と共に回転する。図3及び図4における矢印Aは回転盤103の回転方向を示しており、他の図面でも同様である。回転盤103には、周方向に所定間隔あけて複数の臼孔1031が形成されており、各臼孔1031内には臼104が収容されている。臼104は、粉粒体を収容する孔部1041を有している。
杵105は、下杵1051と上杵1052とから構成されている。杵保持部106は、回転盤103の下部に形成された下杵保持部1061と、回転盤103の上部に形成された上杵保持部1062とから構成されている。杵105の上下動は、通常、軌道により案内されることで行われる。
下杵1051は下杵保持部1061に、臼104の中心軸と同軸で且つ上下動可能に保持されている。下杵1051は、円筒状の下外杵と、下外杵内に収容され、下外杵とは独立して摺動可能な下中心杵とから構成されていてもよい。また、下外杵と下中心杵とは、部分的に非独立で摺動する構造であってもよい。尚、下外杵は臼104の一部として機能する場合がある。
上杵1052は上杵保持部1062に、臼104の中心軸と同軸で且つ上下動可能に保持されている。上杵1052は、円筒状の上外杵と、上外杵内に収容され、上外杵とは独立して摺動可能な上中心杵とから構成されていてもよい。また、上外杵と上中心杵とは、部分的に非独立で摺動する構造であってもよい。
ホッパ107は回転盤103よりも上方に設けられており、ホッパ107内には原料である粉粒体が貯留される。原料供給シュート108はホッパ107の下部に接続されており、ホッパ107内の粉粒体は原料供給シュート108を通って、回転盤103上に設置されたオープンフィードシュー109に供給され、貯留される。オープンフィードシュー109内に貯留された粉粒体は、下杵1051が降下することにより臼104内に供給される。回転盤103上に溢れ出た粉粒体は、オープンフィードシュー109に付属した擦切板110によって擦り切られる。臼104内に供給された粉粒体は下杵1051及び上杵1052によって圧縮成形される。できあがった最終成形品(製品)は製品取り出しシュート(ダンパ)111を通って回収される。
図4及び図10(a)に示すように、ガイド手段112は下杵1051の下方に配置されており、サンプリング時に下杵1051を上昇させるための装置である。下杵が下外杵と下中心杵とから構成される場合には、通常、ガイド手段112は下中心杵のみを上昇させる。ガイド手段としては、杵の上下動を司る軌道を使用することができる。ガイド手段112の上面は、サンプリング位置よりも後方からサンプリング位置に向かうに従い次第に上方へ傾斜しており、サンプリング位置において最も高くなっている。ガイド手段112は、エアシリンダなどの駆動手段(不図示)によって、下杵1051の上昇に関与しない待機位置Xと、固形物T全体が回転盤103面上に押出される位置まで下杵1051を上昇させる上昇位置Yとの間で移動される。ガイド手段112はサンプリング時には待機位置Xから上昇位置Yまで移動し、サンプリングが終了した後に上昇位置Yから待機位置Xまで戻る。尚、回転盤面とは、回転盤103の表面を形成する平面である。また、サンプリング位置とは、本発明のサンプリング装置1が目的とする固形物Tを回転盤上で吸引サンプリングする位置であり、後述の用語を使用するならば、吸引ノズル2の先端部である吸引口22の設置位置となる。
制御手段(コントローラ)は、演算処理を行うCPUや、制御プログラムなどが記憶されたメモリ(RAM、ROM)などを備えており、制御プログラムに基づき、回転駆動手段102やガイド手段112を制御する。位置検出手段は回転盤103の位置を検出するための装置である。位置検出手段としては、例えば立シャフト101に取り付けられたロータリエンコーダを使用することができる。制御手段はロータリエンコーダから出力されたパルス数をカウントすることにより、回転盤103の位置を検出することができる。
<本発明のサンプリング装置>
次に本発明のサンプリング装置1の構成について説明する。図1は本発明のサンプリング装置1の一実施形態の概念図である。図1に示すように、サンプリング装置1は、吸引ノズル2、フィルタ式の回収手段3、切替弁4、差圧計5、吸引手段6、及び制御手段(不図示)を備えている。吸引ノズル2と回収手段3、回収手段3と切替弁4、切替弁4と吸引手段6は、ホースなどの吸引ライン7によって接続されている。固形物Tは吸引ノズル2によって吸引され、吸引ライン7を通り、回収手段3によって回収される。尚、固形物Tの少なくとも一部は回収手段3に到達するまでの過程で崩壊して粉状又は粒状になる。従って、本明細書で固形物Tとは、そのような粉粒体を含む場合、そのような粉粒体のみからなる場合がある。
図5(a)から(c)を参照して吸引ノズル2について説明する。図5(a)は吸引ノズル2が成形機100に設置された状態の斜視図、図5(b)は(a)のVb-Vb線断面図、図5(c)は(a)のVc-Vc線断面図である。
以下、本発明のサンプリング装置と回転式粉体圧縮成形機との位置関係については、下杵1051及び臼104がサンプリング位置に存在する時の状態を述べる。吸引ノズル2は、成形機100のフレームに設置されたノズル台座113に固定されている。吸引ノズル2は中空部材から成り、内部に固形物T及び気体が通流する流路21を有している。吸引ノズル2の一端部には、サンプリングすべき固形物Tを吸引する、下杵1051及び臼104上に臨む吸引口22と、下杵1051及び臼104上を覆う壁部23とが形成されている。壁部23は、臼104の上方を覆う上壁231と、上壁231から下方に延び、孔部1041の周縁よりも外側に配置される周壁232とを備える。周壁232は、立シャフト(回転軸)102側に配置される周壁232a、孔部1041よりも回転盤103の回転方向前方側に配置される周壁232b、及び孔部1041よりも回転盤103の回転方向後方側に配置される周壁232cから構成されている。周壁232cには、固形物Tが吸引ノズル2内、すなわち吸引口22内に進入可能なよう、固形物Tが通過可能な大きさの開口部(吸引口22の一部)221が形成されている。本実施形態では、孔部1041よりも回転方向前方側の位置には、上壁231から回転盤103面近傍まで延びる擦切板24が設けられている。吸引ノズル2の他端部には、流路21と連通する排出口を有する接続部25が設けられている。接続部25は吸引ライン7を介して回収手段3に接続されている。
図6(a)から(c)を参照して回収手段3について説明する。図6(a)は回収手段3の斜視図、図6(b)は回収手段3の分解斜視図、図6(c)は(a)のVIc-VIc線断面図である。
回収手段3は、回収部31と、フィルタ32と、気体排出部33と、を備える。回収部31、フィルタ32及び気体排出部33はそれぞれ別々の部材から構成され、かつ、ホースクリップなどの接続手段34によって互いに着脱可能に接続されていることが好ましい。これにより、フィルタ32の交換が容易になると共に、フィルタ32を交換するだけで回収手段3を再利用することができる。
回収部31は、下流側の端部が閉塞された中空部材から成る。回収部31は、円筒状の接続部311と、接続部311と一体形成された回収部本体312と、を備える。
接続部311は固形物T及び気体が流入する入口3111を有している。接続部311は吸引ライン7に着脱可能に接続され、吸引ライン7を介して吸引ノズル2の接続部25に繋がれる。
回収部本体312は、接続部311よりも大径の半円筒状の第一周壁3121、接続部311と同径の凸曲面状の第二周壁3122、及び、第一周壁3121の下流側端部と第二周壁3122の下流側端部とを接続する第三周壁3123を備える。回収部本体312の内部空間は、固形物Tを貯留する貯留空間3124である。第二周壁3122の軸方向略中央には、貯留空間3124と連通する出口(貫通穴)3125が形成されている。本実施形態では、同一形状及び同一サイズの二つの出口3125a、3125bが第二周壁3122の軸方向に所定間隔あけて形成されており、二つの出口3125a、3125bの間にはフィルタ32を支持する支持部3126が形成されている。第一周壁3121及び第二周壁3122は出口3125bよりも下流側まで延びている。これにより、貯留空間3124は出口3125bよりも下流側まで延在している。
気体排出部33は、上流側の端部が閉塞された中空部材から成る。気体排出部33は、気体排出部本体331と、気体排出部本体331と一体形成された接続部332と、を備える。
気体排出部本体331は、回収部本体312と相補的形状の半円筒状である。すなわち、気体排出部本体331は、回収部本体312の第一周壁3121と同径の半円筒状の第一周壁3311、回収部本体312の凸曲面状の第二周壁3122を収容する空間を画定する凹曲面状の第二周壁3312、及び、第一周壁3311の上流側端部と第二周壁3312の上流側端部とを接続する第三周壁3313を備える。気体排出部本体331の内部空間は、気体が通過する気体排出空間3314である。第二周壁3312の軸方向略中央には、気体排出空間3314に気体を流入させるための入口(貫通穴)3315が形成されている。本実施形態では、回収部本体312の出口3125a、3125bと同一形状及び同一サイズの二つの入口3315a、3315bが第二周壁3312の軸方向に所定間隔あけて形成されており、二つの入口3315a、3315bの間にはフィルタ32を支持する支持部3316が形成されている。二つの入口3315a、3315bは、回収部本体312と気体排出部本体331とを連結した際に、回収部本体312の出口3125a、3125bとそれぞれ整合するような位置に形成されている。
接続部332は、気体排出空間3314と連通する出口3321を有している。接続部332は吸引ライン7に着脱可能に接続され、吸引ライン7を介して切替弁4に繋がれる。
フィルタ32は、回収部本体312の第二周壁3122と気体排出部本体331の第二周壁3312との間に、出口3125a、3125b、及び入口3315a、3315bを覆うようにして配置され、第二周壁3122と第二周壁3312とによって挟持される。回収部31の入口3111から流入した固形物T及び気体は、フィルタ32によって分離される。固形物Tは貯留空間3124に貯留され、気体はフィルタ32を通過し、気体排出空間3314を通って回収手段3から排出される。フィルタ32は、粉粒体状の固形物Tを通過させず、気体のみを通過させる部材であれば特に限定されないが、例えば、織布、不織布、ろ紙、金属網、樹脂多孔質などを使用することができ、固形物Tを構成する粉粒体の種類に応じて適宜選択される。
図7(a)及び(b)を参照して切替弁4について説明する。図7(a)及び(b)は切替弁4の概略断面図である。切替弁4は、回収手段3と吸引手段6との間に設置され、吸引ノズル2と吸引手段6との連通状態及び非連通状態を切り替える弁である。切替弁4には、例えば空圧式三方電磁弁(三方ボールバルブ)など、公知のものを使用することができる。
切替弁4は、主管41と、主管41の略中央から分岐する分岐管42と、主管41及び分岐管42内の流路を切り替える弁体43と、弁体43を駆動させる駆動部(不図示)とを備える。主管41の一端は吸引ライン7を介して回収手段3に接続され、主管41の他端は吸引ライン7を介して吸引手段6に接続される。
非サンプリング時には、図7(a)に示すように弁体43は主管41の回収手段3側を閉じている(閉状態)。閉状態では、吸引手段6は分岐管42を介して外部と連通しており、吸引ノズル2とは連通していない。サンプリング時には、図7(b)に示すように弁体43は分岐管42側を閉じ、主管41の回収手段3側を開けるよう切り替えられる(開状態)。これにより、吸引手段6と吸引ノズル2とが連通し、吸引ノズル2内に負圧が発生する。
切替弁4は回収手段3と吸引手段6との間ではなく、吸引ノズル2と回収手段3との間に設置されていてもよく、あるいは、吸引ノズル2と回収手段3との間及び回収手段3と吸引手段6との間の両方に設置されていてもよい。また、切替弁4は吸引ノズル2と吸引手段6との連通状態及び非連通状態を切替可能な弁であれば特に限定されず、三方弁の他、例えばバタフライ弁やゲート弁などの二方弁であってもよい。ただし、切替弁4として二方弁を使用する場合、吸引手段6や吸引ライン7の破損を防止するため、切替弁4と吸引手段6との間に、開閉可能な弁が設置された気体取込口を設けると共に、当該弁を切替弁4が閉状態のとき開き、切替弁4が開状態のとき閉じるよう制御することが好ましい。
図1に示すように、差圧計5は、回収手段3よりも上流側の圧力と回収手段3よりも下流側の圧力との差を測定するために設置されており、吸引ノズル2と回収手段3との間の吸引ライン7及び回収手段3と切替弁4との間の吸引ライン7にそれぞれチューブなどによって接続されている。差圧計5は、公知の差圧計を使用することができる。差圧計5を設けることにより、回収手段3のフィルタ32が目詰まりしていないかどうかや吸引ライン7内が閉塞していないかどうかを検知することができる。
吸引手段6は、吸引ノズル2内に負圧を発生させる装置であり、例えば真空ポンプやブロワなど、公知の吸引手段を使用することができる。
制御手段(コントローラ)は、演算処理を行うCPUや、制御プログラムなどが記憶されたメモリ(ROM、RAM)などを備えており、制御プログラムに基づいて切替弁4及び吸引手段6を制御する。尚、制御手段は、サンプリング装置1を搭載する成形機100の制御手段に組み込まれていてもよい。
サンプリング装置1の動作及び作用効果について説明する。サンプリング時には、まず吸引手段6が起動される。この状態では、切替弁4はまだ閉状態である。その後、切替弁4は閉状態から開状態に切り替えられる。切替弁4が開状態になると、吸引ノズル2と吸引手段6とが連通状態となり、吸引ノズル2内に負圧が発生する。吸引ノズル2内に負圧が発生している状態で、回転盤103面上に押出された固形物Tが吸引ノズル2の開口部221を通って吸引ノズル2の吸引口22内に進入すると、固形物Tは気体と共に吸引ノズル2によって吸引される。
吸引ノズル2が設置された臼104上は吸引ノズル2の壁部23によって覆われているため、固形物Tが崩れ、粉粒体が臼104周囲の回転盤103面上に飛散したとしても、その飛散した粉粒体も吸引することができる。これにより、粉粒体の回収漏れを防ぐことができる。さらに、本実施形態では、吸引ノズル2は擦切板24を備えているため、擦切板24によって回転盤103面上に飛散した粉粒体をせき止め、粉粒体の回収漏れを防ぐことができる。
吸引ノズル2によって吸引された固形物Tは、吸引ライン7を通って回収手段3に到達する。回収手段3に到達した固形物Tは、フィルタ32によって分離される。すなわち、固形物Tはフィルタ32を通過できず、貯留空間3124内に貯留される。一方、気体はフィルタ32を通過して、回収手段3から排出される。
フィルタ式の回収手段3は、入口3111が貯留空間3124に対し下向きにならない限り設置姿勢が制限されないため、設置場所が限定されない。また、フィルタ式の回収手段3では、フィルタ32によって微粉も確実に回収することができる。
貯留空間3124は出口3125bよりも下流側まで延在しているため、貯留空間3124内に流入した固形物Tは、出口3125bよりも下流側の貯留空間3124に溜まり易くなる。これにより、固形物Tがフィルタ32上に滞留し難くなり、フィルタ32の目詰まりを抑えることができる。
図7の実施形態においては、切替弁4は回収手段3と吸引手段6との間(すなわち、回収手段3よりも下流側)に設置されている。そのため、主管41、分岐管42及び弁体43に粉粒体が付着することがなく、切替弁4内における粉粒体の付着に起因した回収量のロスが生じることもない。
サンプリング終了時には、切替弁4は閉状態に切り替えられる。切替弁4が閉状態になると、吸引ノズル2と吸引手段6とが非連通状態となり、吸引ノズル2から固形物Tが吸引されなくなる。尚、サンプリングすべき最後の固形物Tを吸引した後すぐに切替弁4を閉状態にすると、吸引途中の固形物Tが回収手段3に到達せず吸引ノズル2や吸引ライン7内に残ったままとなるおそれがある。このような現象を防止するため、切替弁4は、サンプリングすべき最後の固形物Tを吸引してから所定時間経過後に閉状態に切り替えられることが好ましい。
サンプリング終了後、作業者は吸引ライン7から回収手段3を取り外し、固形物Tが入った状態の回収手段3の質量を測定する。尚、空の状態の回収手段3の質量は、サンプリング前に予め測定しておく。固形物Tが入った状態の回収手段3の質量から、空の状態の回収手段3の質量を引くことにより、回収された固形物Tの質量を知ることができる。
<サンプリング装置の作動に関する回転式粉体圧縮成形機の問題>
本発明者らは、本発明のサンプリング装置1を回転式粉体圧縮成形機に設置したときに、サンプリング装置1の作動に関する回転式粉体圧縮成形機に更なる改良の余地(問題点)があることを見出したので、まずは、その問題点を図10(a)及び(b)を参照して説明する。
図10(a)に示すように、固形物Tをサンプリングする場合には、サンプリング位置において、固形物T全体が回転盤103面上に露出するまで下杵1051を上昇させる必要がある。前記の通り、この下杵1051の上昇はガイド手段112によって実施される。
下杵1051は、サンプリング時にガイド手段112が待機位置Xから上昇位置Yに移動する間も高速で回転している。そのため、図10(b)に示すように、ガイド手段112が上昇位置Yに到達する前の中間位置Zに存在するときに、下杵1051がサンプリング位置に到達してしまうことが起こり得る。中間位置Zは上昇位置Yよりも低位置であるため、サンプリング位置に到達した固形物Tはその全体が回転盤103面上に露出しておらず、固形物Tの上部(図10(b)では低成形性成形物である第二層T2の上部)のみが回転盤103面上に露出する状態となる。この状態で吸引が行われると、回転盤103面上に露出した低成形性成形物である第二層T2の上部のみが吸引され、この部分のみが欠損してサンプリングされる可能性がある。また、本来サンプリングされるべきではない固形物Tの一部がサンプリングされる可能性もある。そのため、サンプリングされた固形物Tの質量を正確に測定できないおそれ、及び、サンプリングされた固形物Tの数を正確に計測できないおそれがある。
尚、ガイド手段112が上昇位置Yから待機位置Xに戻る過程においても、全く同様のことが起こり得ることになる。すなわち、ガイド手段112が上昇位置Yから待機位置Xに戻る過程でも、ガイド手段112が中間位置Zに存在するときに下杵1051がサンプリング位置に到達すると、本来サンプリングされるべきではない固形物Tの上部が回転盤103面上から露出され、当該部分のみが欠損して吸引されてしまう可能性がある。
<本発明の回転式粉体圧縮成形機>
本発明では、前記問題点を解決することで、本発明の回転式粉体圧縮成形機として完成させた。以下に、本発明の回転式粉体圧縮成形機1000(以下、単に「成形機1000」と表記する)の、主として従来型の成形機100との相違点を説明する。説明に使用する図8及び図9(a)から(e)は、成形機1000に特徴的な部分の展開断面図である。尚、成形機1000のサンプリング装置は、吸引式のサンプリング装置であれば特に限定されないが、上記で説明した本発明のサンプリング装置1を使用することが好ましく、以下の説明でも本発明のサンプリング装置1を備えた成形機1000を例に挙げ説明する。
成形機1000の特徴的な箇所は臼杵不存在部114である。臼杵不存在部114とは、回転盤103上の、下杵1051が組み込まれた2つの隣り合う臼104の間の臼104及び下杵1051の存在しない部分であり、本来臼104及び下杵1051が存在している部分の臼104及び下杵1051をなくして、臼104及び下杵1051が存在しない十分な長さを確保した部分のことを言う。すなわち、回転盤103上の、臼104及び下杵1051を設置していない部分である。
成形機1000においては、少なくとも1つの臼杵不存在部114が存在している。本実施形態において、臼杵不存在部114は、周方向に連続して配置された1以上の臼孔1031(図8では二つ)に、臼104に代えて無孔臼115を設置すると共に、無孔臼115の下方の下杵1051及び上方の上杵1052を取り外すことにより形成されている。サンプリング時に下杵1051を上昇させるための装置であるガイド手段112が待機位置Xから上昇位置Yまで移動するのに要する時間をS1、臼杵不存在部114がサンプリング位置を通過するのに要する時間(臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達してから臼杵不存在部114の終点がサンプリング位置を通過し終えるまでの時間)をS2としたとき、臼杵不存在部114の周方向長さ(臼杵不存在部114を挟む回転方向前方側の臼104及び下杵1051aと回転方向後方側の臼104及び下杵1051bとの間の距離)は、S2がS1以上となるような長さに設定されている。尚、ガイド手段112が上昇位置Yから待機位置Xまで移動するのに要する時間S3についても、S2がS3以上となるような長さとすることが好ましいが、こちらは厳密にそうである必要はない。
制御手段は、ロータリエンコーダ(位置検出手段)から出力されたパルス数をカウントする。そして、カウントされたパルス数が臼杵不存在部114に対応するパルス数に達すると、制御手段は臼杵不存在部114の位置を検出する。
サンプリング開始スイッチが押された後に、制御手段が、臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達したことを検出すると、制御手段はガイド手段112を待機位置Xから上昇位置Yへ、あるいは、上昇位置Yから待機位置Xへ移動させる。このように、ガイド手段112は、臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達したときに、上昇又は下降を開始するよう制御されている。
サンプリング装置1の制御手段は成形機1000の制御手段に組み込まれている。したがって、成形機1000の制御手段は、サンプリング装置1の切替弁4や吸引手段6も制御する。
次に、図8及び図9(a)から(e)を参照して、成形機1000の動作及び作用効果について説明する。図9(a)から(e)では上杵1052は省略している。以下では、回転盤103のほぼ1周分の回転中に製造された固形物T(本来の1周分の臼数から前述の無孔臼115を設置した数を差し引いた数の固形物T)をサンプリングする場合を例に説明する。尚、サンプリングは、回転盤103の複数周分をサンプリングするようにしてもよい。
図8では、ガイド手段112は待機位置Xに存在し、臼杵不存在部114の始点はサンプリング位置に到達していない。図9(a)は図8の状態から時間が経過し、臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達した状態で、ガイド手段112は待機位置Xに存在している。吸引手段6が起動され且つ作業者によってサンプリング開始スイッチが押された後、臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達したことを制御手段が検出すると、図9(a)の上向き矢印に示すように制御手段はガイド手段112を待機位置Xから上昇位置Yへ向けて移動(ここでは上昇)させる。さらに、制御手段は切替弁4を閉状態から開状態に切り替える。
図9(b)は図9(a)から時間が経過し、ガイド手段112が上昇位置Yに到達した状態を表している。図9(b)に示すように、ガイド手段112が上昇位置Yに到達したとき、臼杵不存在部114よりも後方側の下杵1051bは未だサンプリング位置に到達していない。言い換えると、ガイド手段112は、下杵1051bがサンプリング位置に到達する前に上昇位置Yへの到達を完了する。これは、臼杵不存在部114がサンプリング位置を通過する間に、ガイド手段112が待機位置Xから上昇位置Yへ移動するということである。
図9(c)は図9(b)よりもさらに時間が進んだ状態を表している。図9(c)に示すように、回転盤103が回転するに伴い、下杵1051bはガイド手段112の傾斜に沿って上昇していく。そして、下杵1051bがサンプリング位置に到達すると、下杵1051bは固形物T全体が回転盤103面上に押出される位置までガイド手段112によって上昇される。そして、固形物T全体がサンプリング装置1の吸引ノズル2によって吸引される。
図9(d)は回転盤103が1周して臼杵不存在部114の始点が再度サンプリング位置に到達した状態を表している。図9(d)に示すように、臼杵不存在部114の始点がサンプリング位置に到達したことを制御手段が検出すると、制御手段はガイド手段112を上昇位置Yから待機位置Xへと移動(ここでは下降)を開始させる。さらに、制御手段は切替弁4を開状態から閉状態に切り替える。
図9(e)は図9(d)から時間が経過し、臼杵不存在部114の終点がサンプリング位置を通過する状態を表している。図9(e)に示すように、ガイド手段112が待機位置Xに到達したとき、下杵1051bは未だサンプリング位置に到達していない。言い換えると、ガイド手段112は、下杵1051bがサンプリング位置に到達する前に、待機位置Xへ到達する。これは、臼杵不存在部114がサンプリング位置を通過する間に、ガイド手段112が上昇位置Yから待機位置Xへ移動するということである。尚、下杵1051bがサンプリング位置に到達したときに、固形物Tが回転盤103面上に全く露出せず、臼104内の十分に下方に存在すればいいので、ここでのガイド手段112の待機位置Xへの到達は、多少遅れても構わない。
このように本発明の成形機1000では、サンプリング開始時に、ガイド手段112は、臼杵不存在部114がサンプリング位置を通過する間に待機位置Xから上昇位置Yへと移動する。これにより、サンプリング位置に到達した固形物Tは、回転盤103面上に完全に露出した状態で吸引されることになり、固形物Tの上部のみが吸引されることはなくなる。
また、サンプリング終了時には、ガイド手段112は、臼杵不存在部114がサンプリング位置を通過する間に上昇位置Yから待機位置Xへと移動する。これにより、サンプリング位置に到達した固形物Tは回転盤103面上に全く露出しておらず、全体が臼104内に完全に収容されているため、サンプリングされるべきではない固形物Tがサンプリング装置1によって吸引されることはなくなる。
通常、臼杵不存在部114は、本来、臼104及び下杵1051が存在する部分のそれらを取り外して形成させるが、最初から、回転盤103において、周方向に隣接する臼孔1031間の間隔を十分に取ることで、前述の臼杵不存在部114の周方向における区間長さと同様に形成されていてもよい。この場合、サンプリングを制御するための臼杵不存在部114のみをそのような区間長さに設定するか、又は全ての臼孔1031間の間隔を均一にそのような区間長さに設定することもでき、いずれにおいても、臼孔1031に無孔臼115を設置する必要はない。尚、後者を選択し、全ての臼孔1031間の間隔を均一にそのような区間長さに設定した場合は、全ての臼孔1031間が臼杵不存在部114となり、そのうちのどれか1以上をサンプリング開始及び終了の制御用に使用すればよい。
臼杵不存在部114は、1箇所ではなく複数個所形成されていてもよい。回転盤103に複数の臼杵不存在部114が形成されている場合、サンプリングは、任意の二つの臼杵不存在部114間の臼104から排出される固形物Tを回収するようにしてもよい。
以上のように、本発明の成形機1000は、サンプリングすべきでない固形物Tは回収せず、サンプリングすべき固形物Tを確実に回収できる機構を備えている上、回転盤103に設置された杵臼の本数から容易にサンプリング数が算出できるため、サンプリング数を正確に測定することができる。
1 サンプリング装置
2 ノズル
22 吸引口
221 開口部
23 壁部
3 回収手段
31 回収部
3111 入口(第一開口部)
3124 貯留空間
3125 出口(第二開口部)
32 フィルタ
33 気体排出部
3314 気体排出空間
3315 入口(第三開口部)
3321 出口(第四開口部)
4 切替弁
5 差圧計
6 吸引手段
100 回転式粉体圧縮成形機
102 回転駆動手段
103 回転盤
104 臼
105 杵
1051 下杵
1052 上杵
112 ガイド手段
114 臼杵不存在部
115 無孔臼
1000 回転式粉体圧縮成形機
A 回転盤の回転方向
T 固形物
T1 下側外層
T2 第二層
X 待機位置
Y 上昇位置

Claims (9)

  1. 複数の臼を有する回転盤と、
    前記回転盤の上方及び下方に、前記臼と同軸で上下それぞれに配置された上下動可能な
    上杵及び下杵と、
    前記回転盤上の、下杵が組み込まれた2つの隣り合う臼の間の臼及び下杵の存在しない
    臼杵不存在部と、
    前記回転盤、前記上杵及び前記下杵を回転させる回転駆動手段と、
    前記回転盤面上まで押出されたサンプリングすべき固形物を前記下杵上から吸引して回
    収するサンプリング装置と、
    前記固形物のサンプリング時に前記下杵を上昇させるガイド手段であって、前記下杵の
    上昇に関与しない待機位置と、前記固形物全体が前記回転盤面上に押出される位置まで前
    記下杵を上昇させる上昇位置との間で移動可能なガイド手段と、
    を備え、
    サンプリング開始時及びサンプリング終了時に、前記臼杵不存在部が、前記サンプリン
    グ装置がサンプリングすべき固形物を前記回転盤上で吸引するサンプリング位置を通過す
    る間に、前記ガイド手段が前記待機位置と前記上昇位置との間を移動するように作動する、回転式粉体圧縮成形機であり、
    上記サンプリング装置は、成形された前記固形物を前記回転盤面上に押出す前記下杵及び前記臼上に臨む吸引口を有する吸引ノズルと、
    前記吸引ノズルに繋がれ、前記吸引ノズル内に負圧を発生させて前記固形物を吸引する
    吸引手段と、
    前記吸引ノズルと前記吸引手段との間に設置され、前記固形物を回収するフィルタ式の
    回収手段と、を備え、
    前記吸引ノズルは、前記固形物が前記吸引口内に進入する経路を除いて、前記下杵及び前記臼上を覆う壁部を備え、前記固形物が前記吸引口内に進入する経路が開口部となっている
    ことを特徴とする、回転式粉体圧縮成形機
  2. 前記回収手段は、前記固形物を貯留する貯留空間を有する回収部と、前記固形物と気体
    とを分離するフィルタと、前記フィルタを介して前記貯留空間と連通する気体排出空間を
    有する気体排出部と、を備える、
    請求項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  3. 前記回収部は、前記吸引ノズルと繋がる第一開口部と、前記第一開口部よりも下流側に
    形成された前記貯留空間及び第二開口部とを有する中空部材から成り、
    前記気体排出部は、第三開口部と、前記第三開口部よりも下流側に形成された前記気体
    排出空間と、前記気体排出空間よりも下流側に形成され、前記吸引手段に繋がる第四開口
    部とを有する中空部材から成り、
    前記第二開口部と前記第三開口部とは前記フィルタで覆われていると共に、前記フィル
    タを介して連通している、
    請求項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  4. 前記貯留空間は、前記第二開口部よりも下流側まで延在している、
    請求項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  5. 前記回収部と、前記気体排出部と、前記フィルタとは、着脱可能に接続される、
    請求項からのいずれか1項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  6. 前記回収手段よりも上流側の圧力と前記回収手段よりも下流側の圧力との差を測定する
    差圧計をさらに備える、
    請求項1からのいずれか1項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  7. 前記吸引ノズルと前記回収手段との間及び前記回収手段と前記吸引手段との間の少なく
    とも一方に、前記吸引ノズルと前記吸引手段とが連通する連通状態と前記吸引ノズルと前
    記吸引手段とが連通しない非連通状態とに切り替える切替弁をさらに備える、
    請求項1からのいずれか1項に記載の回転式粉体圧縮成形機
  8. 前記臼杵不存在部は、無孔臼により形成されている、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の回転式粉体圧縮成形機。
  9. 前記固形物として低成形性成形物を含む固形物に使用するための、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の回転式粉体圧縮成形機
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