JP7090461B2 - 滞留水移送システム - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の一態様に係る滞留水移送システムは、遠隔地点における滞留水を移送するための滞留水移送システムであって、走行装置と、前記滞留水に投入されて前記滞留水を吸い上げる吸込み部と、前記吸込み部に接続され、前記滞留水を移送する移送先まで配されるホースと、前記ホースを支持して前記滞留水に向けて送り出し可能なホース案内機構と、前記走行装置による進行方向前方及び前記吸込み部の少なくとも一方を撮影する少なくとも1つのカメラとを備え、前記走行装置は、走行面上に転動可能に配され、前後に設けられた一対の車輪によって構成される複数組の車輪群と、前記車輪を回転可能に支持し、前記ホース案内機構が設けられたフレームと、各前記車輪群と対応して設けられて一対の前記車輪の外周面両方に挟み込まれるようにして上方から前記車輪に圧接する伝導輪、及び前記伝導輪を駆動させる駆動部を有し、前記フレームに支持された駆動機構とを備え、前記カメラとして、前記走行装置による進行方向前方を撮影する第一のカメラと、前記進行方向前方及び前記吸込み部をそれぞれ撮影可能な第二のカメラを備え、さらに、前記第二のカメラが取り付けられ、前記第二のカメラの光軸の方向を前記進行方向前方から前記滞留水の方向まで変更可能に、前記フレームに回転可能に支持される回転支持部材とを備える。
以下、本発明に係る一の実施形態について図1から図12を参照して説明する。
図1は、本実施形態の滞留水移送システム100を示している。本実施形態の滞留水移送システム100は、滞留水Wの汲み上げ箇所Pまで遠隔操作で移動させて滞留水Wを汲み上げて移送するものであって、例えば復水器200内に滞留した滞留水Wを移送するものである。復水器200は、ケーシング201と、ケーシング201の内部に設けられて水平方向に延びる天板202とを備えている。天板202は、ケーシング201の内部の底面203よりも上方に間隔を空けてケーシング201の内面から延びている。滞留水Wは、底面203上に滞留している。ケーシング201において、天板202の上方には、ケーシング201の内面から外面まで貫通するマンホール204が設けられている。そして、上記の復水器200内部などで用いられる滞留水移送システム100は、ホース投入機1と、ポンプ機構110と、ポンプ設置装置130、水位計測装置150と、操作装置170(図9)とを備える。
ポンプ機構110は、滞留水Wに投入されて滞留水Wを吸い込む吸込み部111と、吸込み部111に先端が接続された第一のホース112と、第一のホース112の基端が接続されたポンプ本体113と、ポンプ本体113から移送先まで配される第二のホース114と、ポンプ本体113に接続されて駆動用の圧縮空気が送り込まれる駆動用ホース115とを備えている。図2に示すように、吸込み部111は、円板状に形成されて底面111aに吸込み用の溝111bが形成されている。溝111bは、底面111aに複数放射状に設けられており、それぞれ吸込み部111の側面に開口している。このため、吸込み部111の底面111aを復水器200の底面203に合わせるように配することで、復水器200の底面203の滞留水Wを、溝111bにおける側面の開口から取り込むことができる。したがって、吸込み部111では、復水器200の底面203近傍まで吸い上げることが可能である。第一のホース112は、後述するようにホース投入機1の移動に応じて変形可能な可撓性と長さを有するとともに、ホース案内機構4によって送り出し、引き戻し可能な程度の剛性を有する材質で形成されていることが好ましい。第二のホース114についても同様の材質で形成されていることが好ましい。第二のホース114は、ポンプ本体113からマンホール204を経て移送先まで配されている。駆動用ホース115は、一端がポンプ本体113と接続されているとともに、図示しないが他端が復水器200の外部に設けられたコンプレッサーに接続されている。このため、コンプレッサーの操作によって圧縮空気の送出、停止を切り替え可能である。ポンプ本体113は、本実施形態ではダイヤフラムポンプであって、駆動用ホース115からの圧縮空気の入力によって第一のホース112を経由して吸込み部111から滞留水Wを吸引可能である。また、ポンプ本体113にはポンプ本体113を吊下げるためのポンプ吊下部113aが設けられている。なお、ポンプ機構については上記に限られず吸引の駆動源が吸込み部に設けられていても良い。
水位計測装置150は、滞留水Wに投入される水位計本体151と、水位計本体151に先端が接続された水位計ケーブル152と、水位計ケーブル152の基端が接続された図示しない制御装置とを備える。水位計ケーブル152は、ホース投入機1からマンホール204を経由して復水器200の外側に配された図示しない制御装置まで延びている。水位計本体151については公知の方式を適宜選択可能であるが、例えば圧力式である。このため、水位計本体151を滞留水Wの水面Waから復水器200の底面203まで投入して圧力を計測することで、水位計本体151からの出力信号に基づいて図示しない制御装置にて水位計本体151から水面Waまでの距離を求めることが可能である。なお、水位計としては上記の圧力式に限られず別の方式の水位計としても良い。
図3に示すように、ホース投入機1は、走行装置2と、ホース案内機構4と、ケーブル案内機構6と、第一のカメラ11と、第二のカメラ12と、第三のカメラ13と、回転支持部材14と、第一のライト15と、第二のライト16とを備える。ホース案内機構4と、ケーブル案内機構6と、第一のカメラ11と、第二のカメラ12と、第三のカメラ13と、回転支持部材14と、第一のライト15と、第二のライト16とのそれぞれは、後述する走行装置2のフレーム25に取り付けられている。
図3~図5に示すように、走行装置2は、天板202の上面を走行面202aとして走行する。走行装置2は、走行面202a上に転動可能に配され、前後に設けられた一対の車輪20、20によって構成される複数組の車輪群21と、車輪20を回転可能に支持するフレーム25と、車輪20を転動させる駆動機構30とを備える。フレーム25は、走行装置2の進行方向Xを長手方向とする矩形状に形成されたフレーム本体26と、フレーム本体26に固定されて車輪20を支持する複数の軸受部27と、フレーム本体26に固定されて後述する駆動機構30の支持部32を固定する固定部28(図6参照)と、フレーム25を吊下げるためのフレーム吊下部29とを有する。
図3から図5に示すように、ホース案内機構4は、フレーム本体26の進行方向X前方X1側に設けられ、フレーム25の前方X1に向けて第一のホース112を案内する第一のホース案内部41と、第一のホース案内部41よりも進行方向X後方X2側に設けられ、後方X2に向けて第一のホース112を案内する第二のホース案内部51とを有する。第一のホース案内部41は、内部に第一のホース112を挿通可能な筒部42と、筒部42に軸支された案内輪43と、案内輪43を回転させるホース駆動部46とを有する。筒部42は、フレーム本体26から立ち上がる支持部26aに固定されている。筒部42は、第一のホース112を挿通可能な内径を有する。筒部42には、内周面に突出するように案内輪43が軸支されている。案内輪43の回転軸43aは、筒部42の中心軸L42と直交する方向に沿って配されている。案内輪43は、本実施形態では筒部42の中心軸L42回りに等角に3つ設けられている。一の案内輪43Aは、筒部42の中心軸L42から鉛直方向下方に配されており、残りの2つは筒部42の中心軸L42よりも上方に配されている。筒部42の中心軸L42から鉛直方向下方に配された案内輪43Aの回転軸43aにはホース駆動部46の出力軸が連結されている。ホース駆動部46は例えば正回転、逆回転可能なモータである。このため、ホース駆動部46が回転駆動することで接続された案内輪43Aを回転させることができ、正回転することで筒部42に挿通され案内輪43Aに接触する第一のホース112を送り出し、逆回転することで第一のホース112を引き戻すことができる。筒部42は、その中心軸L42が進行方向X前方X1に向かうに従って下方に向かうように支持部26aを介してフレーム本体26に固定されている。このため、筒部42から送り出される第一のホース112をフレーム25より前方X1に向かうに従って斜め下方に向うように配することができる。
ケーブル案内機構6は、水位計ケーブル152を支持するケーブル支持部62と、ケーブル支持部62へと送り出し、及び、引き戻しを行うことが可能なケーブル移動部70とを有する。そして、フレーム本体26の進行方向X前方X1側に設けられてフレーム本体26に対して回転可能に支持された回転支持部材14に、ケーブル支持部62が設けられている。回転支持部材14は、基端14aがフレーム本体26に回転可能に支持されている。回転支持部材14をフレーム本体26に対して回転可能に支持する回転軸は幅方向Yに沿って配されている。図7に示すように、回転支持部材14は、基端14aから先端14bに向かうに従って前方かつ上方へと向かう待機位置Mと、待機位置Mよりも下方に回転して略水平方向に配されて進行方向X前方X1へと延びる使用位置Nとの間で回転可能である。ケーブル支持部62は、内部に水位計ケーブル152を挿通可能な環状に形成されており、回転支持部材14の先端に、幅方向Yに沿う回転軸回りに回転可能に設けられている。このケーブル支持部62に水位計ケーブル152は係合されており、当該係合されている部分よりも鉛直下方向で水位計ケーブル152に水位計本体151が接続されている。回転支持部材14が待機位置Mにあるとき、水位計ケーブル152は回転支持部材14におけるケーブル支持部62に係合される一方、水位計本体151がケーブル支持部62に引っかかることで、回転支持部材14もケーブル移動部70から延びる水位計ケーブル152によって牽引されて待機位置Mに保持される。一方、ケーブル移動部70から水位計ケーブル152が送り出されるのに従って、回転支持部材14は牽引された状態から自重により使用位置Nまで回転移動可能である。
図3から図5に示すように、第一のカメラ11は、主に走行装置2による進行方向X前方X1を撮影することを目的とする。また、第二のカメラ12は、主に滞留水Wと第一のホース112及び吸込み部111との位置関係、滞留水Wと水位計ケーブル152及び水位計本体151との位置関係を撮影することを目的とするともに、走行装置2による走行時には第一のカメラ11とともに進行方向X前方X1を撮影することを目的とする。第三のカメラ13は進行方向X後方X2を撮影することを目的とする。第一のカメラ11は、筒部42が固定されている支持部26aに固定されていて、筒部42の上方に配されている。第一のカメラ11の光軸は、筒部42の中心軸L42と略平行となるようにして進行方向X前方X1を撮影可能とされている。このため、第一のカメラ11の撮影範囲には進行方向X前方X1とともに進行方向Xに対して斜め下方の範囲も含まれている。第三のカメラ13はフレーム本体26の進行方向X後方X2側に設けられ、光軸が進行方向Xに沿うように後方X2に向けて配されている。第二のカメラ12は、回転支持部材14の先端14bに設けられている。第二のカメラ12の光軸は、回転支持部材14が待機位置Mでは、第一のカメラ11の光軸よりも進行方向Xに沿う線分とのなす角が小さくなるようにして進行方向X前方に向かうに従って下方に向かうように傾斜されている。また、第二のカメラ12の光軸は、回転支持部材14が使用位置Nでは、鉛直方向下方に向かうように配されている。第二のカメラ12はケーブル支持部62と同じく回転支持部材14に設けられているため、水位計ケーブル152をケーブル移動部70によって送り出して、回転支持部材14を使用位置Nまで回転させることで、第二のカメラ12で前方に向かうに従って下方に向かうように傾けて水位計本体151を落下させる方向を撮影することができる。このため、この状態では水位計本体151と滞留水Wとの位置関係、及び吸込み部111と滞留水Wとの位置関係を第二のカメラによって撮影することができる。
第一のライト15は、進行方向X前方X1を照明するもので、フレーム本体26の進行方向X前方X1側に光軸を進行方向Xに沿うようにして取り付けられている。また、第二のライト16は、進行方向X後方X2を照明するもので、フレーム本体26の進行方向X後方X2側に光軸を進行方向Xに沿うようにして取り付けられている。
操作装置170は、ホース投入機1を作動させるためのものであり、ホース投入機1に設けられた図示しない制御部と、当該制御部と外部とで通信を行う図示しない通信ケーブルと、当該通信ケーブルにより制御部に操作信号を送信する図9に示す操作盤171とを備える。なお、本実施形態では操作盤171が通信ケーブルによりホース投入機1の制御部と通信するものとしたが、これに限られず、操作盤171とホース投入機1の制御部とが図示しない通信部を介して無線通信するものとしても良い。制御部は、操作盤171からの操作信号に基づいて走行駆動部33、ホース駆動部46、ケーブル駆動部80、第一のカメラ11、第二のカメラ12、第三のカメラ13、第一のライト15、第二のライト16を制御する。また、制御部は第一のカメラ11、第二のカメラ12及び第三のカメラ13からそれぞれ映像信号を取得し通信ケーブルを介して操作盤171に映像信号を出力する。操作盤171は、第一の画面172及び第二の画面173と、メインスイッチ174と、照明スイッチ175と、前後進切替スイッチ176と、ホース送り出しスイッチ177と、水位計送り出しスイッチ178と、操作レバー179とを有する。メインスイッチ174は、操作盤171及び操作盤171によって操作するホース投入機1の電源のON、OFFを切り替える。照明スイッチ175は、第一のライト15及び第二のライト16のON、OFFを切り替える。
図1、図10及び図11に示すように、ポンプ設置装置130は、ホース投入機1及びポンプ機構110を復水器200の外部から内部に移動させて復水器200の内部においてホース投入機1が移動可能な状態とするための装置である。ポンプ設置装置130は、ホース投入機1を出し入れするための第一の設置装置131と、ポンプ本体113を出し入れするための第二の設置装置132とを有する。第一の設置装置131と第二の設置装置132の基本構造は同じであるので、同様の構造について付号を共通として第一の設置装置131について主に説明する。第一の設置装置131は、固定部140と、ステー141と、ウインチ本体145と、ワイヤー147とを有する。固定部140は、機器の出し入れを行うマンホール204の縁部においてケーシング201に固定されている。ステー141は、外端141aがマンホール204の外側に位置し内端141bがマンホール204の内側に位置するようにしてマンホール204の外部から内部へと延びている。ステー141は固定部140に支持されている。具体的には、ステー141には、内端141bと外端141aとの間にステー141の長手方向に沿って長穴141cが形成されている。固定部140には長孔141cに挿通されたボルト140aと、ボルト140aに螺合されたナット(不図示)とを有する。そして、ステー141は、長穴141c内でボルト140aが移動可能な範囲で固定部140に対して長手方向に進退可能であるとともに、ボルト140aを回転中心として揺動可能となっている。
<組立工程>
まず、図1において、復水器200のケーシング201の外部となる場所で各装置を組み立てる。具体的には、ホース投入機1において第一のホース案内部41の筒部42に第一のホース112を挿通させるとともに、第二のホース案内部51の一対のホースガイドローラ53の間に第一のホース112を通す。そして、第一のホース112の先端に吸込み部111を取り付け、第一のホース112の基端をポンプ本体113に接続する。また、水位計ケーブル152をケーブル支持部62に支持させるとともに、一対のケーブルガイドローラ72のケーブル案内空間72cに挿通させる。また、ポンプ本体113に第二のホース114と駆動用ホース115を接続する。なお、回転支持部材14は待機位置Mとなるようにケーブル移動部70によって水位計ケーブル152を牽引しておく。
次に、ポンプ設置装置130の第一の設置装置131及び第二の設置装置132を用いて、復水器200のケーシング201内部においてホース投入機1のフレーム25と、ポンプ本体113とを吊下げる。そして、ホース投入機1については走行装置2の車輪20が天板202の走行面202aに着地するまで吊り降ろす。ポンプ本体113については、第一のホース112や水位計ケーブル152の長さを適切に保てる高さまで吊り降ろして停止させる。
次に、図12(a)に示すように、ホース投入機1を着地地点からポンプによる汲み上げを行う箇所まで移動させる。すなわち、作業者は、操作盤171において前後進切替スイッチ176を前進モードとする。これにより第一の画面172には第一のカメラ11の映像が表示され、第二の画面173には第二のカメラ12の映像が表示されることになる。そして、作業者は、第一の画面172及び第二の画面173を確認しながら左操作レバー179L及び右操作レバー179Rの車輪群21と対応した複数の操作レバー179を操作してホース投入機1において走行装置2を遠隔操作する。また、目的地であるポンプによる汲み上げを行う箇所までの経路に応じて左操作レバー179L及び右操作レバー179Rの前傾及び後傾及び傾ける角度を調整することで回転させながら移動させる。上記のとおり走行装置2は、駆動機構30における走行駆動部33の駆動により伝導輪31が回転し、伝導輪31に圧接された車輪20が伝導輪31との摩擦により伝導輪31とともに回転することにより、各車輪群21の一対の車輪20、20は回転駆動し走行面202a上で転動する。
ポンプによる汲み上げを行う箇所に到達したら、まず、作業者は操作盤171を操作することによりケーブル移動部70を駆動させる。そして、水位計ケーブル152を一定量送り出すことにより回転支持部材14を待機位置Mから使用位置Nまで回転させる。これにより、図12(b)に示すとおり、第二のカメラ12を鉛直方向下向きとして滞留水Wの状態を上方から直視することができる。滞留水Wの状態は操作盤171における第二の画面173に映し出されているため、作業者はより詳細に滞留水Wの状態を把握することができる。そして、作業者はさらに操作盤171を操作することにより水位計ケーブル152を送り出し、水位計本体151を滞留水Wにおいて底面203まで落下させる。滞留水Wの透明度が高い場合は、作業者は、操作盤171の第二の画面173において水位計本体151を見ることで底面203に着底したことを確認できるが、滞留水Wが濁っている場合には、操作盤171の第二の画面173において水位計ケーブル152が撓んだことをもって水位計本体151が底面203まで着底したことを確認することができる。そして、これにより水位計本体151により滞留水Wの水位を測定することができる。次に、作業者は操作盤171を操作することによりホース駆動部46を正回転して第一のホース112を送り出す。第一のホース112が筒部42から送り出される状態は、第一のカメラ11が光軸を筒部42の中心軸と略平行としていることで、第一のカメラ11の映像が表示された第一の画面172により、作業者によって好適に確認することができる。また、第一のホース112の先端に接続された吸込み部111の位置は、鉛直方向下方に向けられている第二のカメラ12の映像が表示された第二の画面173により、作業者によって好適に確認することができる。この場合においても、滞留水Wが濁っている場合には、第一のホース112が撓んだことをもって吸込み部111が底面203に着底したことを確認することができる。
図12(c)に示すように、吸込み部111が底面203に着底したらポンプ本体113を駆動し滞留水Wを吸込み移送する。移送中は水位計により水位を確認しながら行う。目標とする水位まで滞留水Wを移送したら、若しくは、滞留水Wを全て移送したらポンプ本体113の駆動を停止してポンプによる汲み上げを終了する。この際、鉛直方向下方に向けられた第二のカメラ12の映像が第二の画面173に表示されていることにより視覚的にも滞留水Wの移送完了の状況を確認することができる。
滞留水Wの移送が完了したら、作業者は操作盤171の操作によりホース駆動部46を逆回転して第一のホース112を引き戻す。この際、筒部42近傍に設けられた第一のカメラ11の映像が第一の画面172に表示されていることで、第一のホース112が引き戻されて吸込み部111が筒部42近傍まで戻されたことを確認することができる。次に、作業者は操作盤171の操作によりケーブル駆動部80を逆回転させて水位計ケーブル152を引き戻す。水位計本体151が回転支持部材14に設けられたケーブル支持部62まで到達すると、水位計本体151がケーブル支持部62に引っかかることで水位計ケーブル152の引き戻しとともに、回転支持部材14が使用位置Nから待機位置Mまで回転移動する。そして、回転支持部材14が待機位置Mまで移動したら作業者は操作盤171の操作によりケーブル駆動部80の駆動を停止する。
次に、作業者は操作盤171の操作により、ホース投入機1を着地点まで後退させる。この際、作業者は操作盤171において前後進切替スイッチ176を後進モードとする。これにより、第一の画面172が第一のカメラ11の映像のまま、第二の画面173は第二のカメラ12の映像から第三のカメラ13の映像に切り替わる。このため、ポンプの汲み取り箇所側を第一の画面172で確認しながら、これから進む進行方向X後方X2に向かう映像を第二の画面173で確認することができる。そして、作業者は操作盤171の操作によりホース投入機1の走行装置2を進行方向X後方X2へと移動させる。この際、前後進切替スイッチ176を後進モードとすることで、左操作レバー179Lと右操作レバー179Rは、前進モードにおける各操作レバー179の前傾が進行方向X前方X1へ移動する操作状態から、進行方向X後方X2へ移動する操作状態に切り替わっている。そして、左操作レバー179Lは、進行方向X後方X2に向かって左側の車輪群21と対応する走行装置2における走行駆動部33を制御し、右操作レバー179Rは、進行方向X後方X2に向かって右側の車輪群21と対応する走行装置2における走行駆動部33を制御する。したがって、第二の画面173に表示された映像と各操作レバー179とが対応した状態で、走行装置2を後退させることができる。このため、作業者は、走行装置2にとってどちらが進行方向X前方X1か後方X2か、各操作レバー179の前傾及び後傾がどう対応しているか意識せずに画面に表示された映像に対して感覚的に各操作レバー179を操作して走行装置2を走行させることができる。そして、ホース投入機1が着地点まで到達したら各操作レバー179の操作を終了して停止させる。
次に、ポンプ設置装置130の第一の設置装置131及び第二の設置装置132を用いて、復水器200のケーシング201内部においてホース投入機1のフレーム25と、ポンプ本体113とをマンホール204の高さまで吊り上げる。そして、ホース投入機1及びポンプ本体113をマンホール204から外部に引き出すことで作業が完了する。
4 ホース案内機構
6 ケーブル案内機構
11 第一のカメラ
12 第二のカメラ
14 回転支持部材
20 車輪
21 車輪群
25 フレーム
202a 走行面
30 駆動機構
31 伝導輪
33 走行駆動部(駆動部)
41 第一のホース案内部
51 第二のホース案内部
62 ケーブル支持部
70 ケーブル移動部
100 滞留水移送システム
111 吸込み部
112 第一のホース(ホース)
151 水位計本体
152 水位計ケーブル
M 待機位置
N 使用位置
X 進行方向
X1 前方
X2 後方
Claims (5)
- 遠隔地点における滞留水を移送するための滞留水移送システムであって、
走行装置と、
前記滞留水に投入されて前記滞留水を吸い上げる吸込み部と、
前記吸込み部に接続され、前記滞留水を移送する移送先まで配されるホースと、
前記ホースを支持して前記滞留水に向けて送り出し可能なホース案内機構と、
前記走行装置による進行方向前方及び前記吸込み部の少なくとも一方を撮影する少なくとも1つのカメラとを備え、
前記走行装置は、
走行面上に転動可能に配され、前後に設けられた一対の車輪によって構成される複数組の車輪群と、
前記車輪を回転可能に支持し、前記ホース案内機構が設けられたフレームと、
各前記車輪群と対応して設けられて一対の前記車輪の外周面両方に挟み込まれるようにして上方から前記車輪に圧接する伝導輪、及び前記伝導輪を駆動させる駆動部を有し、前記フレームに支持された駆動機構とを備え、
前記カメラとして、前記走行装置による進行方向前方を撮影する第一のカメラと、前記進行方向前方及び前記吸込み部をそれぞれ撮影可能な第二のカメラを備え、
さらに、前記第二のカメラが取り付けられ、前記第二のカメラの光軸の方向を前記進行方向前方から前記滞留水の方向まで変更可能に、前記フレームに回転可能に支持される回転支持部材とを備える滞留水移送システム。 - 請求項1に記載の滞留水移送システムにおいて、
前記走行装置は、
前記駆動機構の前記駆動部は、前記伝導輪ごとに設けられ、前記伝導輪を正回転及び逆回転の双方向に回転させることが可能である滞留水移送システム。 - 請求項1または請求項2に記載の滞留水移送システムにおいて、
前記滞留水に投入されて前記滞留水の水位を測定する水位計本体と、
前記水位計本体に接続された水位計ケーブルと、
前記水位計ケーブルを支持して前記滞留水に向けて送り出し可能なケーブル案内機構とを備え、
前記ケーブル案内機構は、ケーブルを支持するケーブル支持部と、前記水位計本体から前記ケーブル支持部を経て後方へと延びる前記水位計ケーブルを、前記ケーブル支持部へと送り出し、及び、引き戻しを行うことが可能なケーブル移動部とを有する滞留水移送システム。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の滞留水移送システムにおいて、
前記回転支持部材は、その先端に前記ケーブル支持部を備え、かつ、その基端が前記フレームに回転可能に支持され、前記先端が上方へと延びる待機位置と、前記待機位置よりも前記先端が前方へと傾いた使用位置との間で回転可能であり、
前記ケーブル移動部による前記水位計ケーブルの送り出しにより、前記回転支持部材は前記待機位置から前記使用位置へと回転させることが可能であり、
前記ケーブル移動部による前記水位計ケーブルの引き戻しにより、前記回転支持部材を前記使用位置から前記待機位置へと回転させることが可能である滞留水移送システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の滞留水移送システムにおいて、
前記ホース案内機構は、前記フレームの進行方向前方側に設けられ、前方に向けて前記ホースを案内する第一のホース案内部と、
前記第一のホース案内部よりも進行方向後方側に設けられ、後方に向けて前記ホースを案内する第二のホース案内部とを有する滞留水移送システム。
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