JP7088993B2 - ダンパー - Google Patents

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Description

本発明は、回転体の外周面に装着されたばね部材によって回転体の回転速度の増大を抑制するダンパーに関する。
室内等に配設されるブラインドには、水平方向に延びる複数枚のスラットが上下方向に配列されて上下方向に移動可能な形式のものがある。かような形式のブラインドにあっては、複数枚のスラットは夫々上下方向に延びる昇降コードを介して連結されており、昇降コードの一端はスラットと平行に水平方向に延びるボトムレールに、他端はヘッドボックス内の巻き取り機構の出力回転部材に夫々接続されている。巻き取り機構の入力回転部材には操作コードが接続されており、操作コードを操作して入力回転部材を正逆方向に回転させることで昇降コードを介して出力回転部材に接続されたボトムレールが昇降動し、これにより複数のスラットを上下方向に移動させることができる。巻き取り機構には通常、操作コードを保持するストッパー(コードロックと称されることもある)が設けられており、操作コードを左右方向の一方(通常は外側)に強制することで操作コードは任意の位置で保持され、ボトムレールを任意の高さ位置(上下方向位置)で固定することができる。操作コードがストッパーにより保持されている状態で操作コードを左右方向の他方に強制ことで上記保持は解除される。
上述したとおり入力回転部材及び出力回転部材は連動して回転することから、例えば、操作コードを引っ張ってボトムレールを上昇させた状態において、操作コードがストッパーにより保持されていなければ、操作コードから手を離すとボトムレールは自由落下して床に衝突或いは昇降コードが最大限引き出されて巻き取り機構に衝撃が付加される。これは上記ストッパーによる操作コードの保持が解除された状態からかかる保持を解除してボトムレールが自由落下する場合も同様である。かようなボトムレールの自由落下を防止するために、上記巻き取り機構にダンパーを設けてボトムレールの降下速度を制限することがある。
ダンパーとしては、内部にシリコンオイル等の比較的粘性の高い流体が封入されたハウジングと、ハウジングに回転自在に装着された回転部材とを備えるロータリーダンパーが実用に供されている。このロータリーダンパーにおいては、流体の粘性抵抗により回転部材の回転に対して逆向きのトルクを回転部材に作用させることで、入力回転部材又は出力回転部材の回転速度を制限する。下記特許文献1には、上述したロータリーダンパーの一例が開示されている。
ところで、異なる2つの部材間の回転を断接する機械部品としてトルクリミッタがある。下記特許文献2には本願の出願人によって本願に先立って出願されて既に特許されたトルクリミッタが開示されている。このトルクリミッタは、断面円形の装着部を備えた軸状の内輪部材と、内輪部材の装着部の外周面に接触して装着され、単一の線材を同一方向に多数回にわたり巻回して形成されるばね部材と、ばね部材が装着された回転体が挿入される筒状の外輪部材とを具備している。ばね部材には線材の一部を屈曲して形成されるフックが軸方向に見て2つ設けられており、このフックが外輪部材と係合することでばね部材は外輪部材に対して回転不能となっている。このことから、内輪部材と外輪部材とが相対回転すると、フックはばね部材の締め付けが緩む方向に外輪部材によって押され、内輪部材と外輪部材との間にかかる回転トルクが所定値以下の場合には、内輪部材は外輪部材と一体回転するが、上記回転トルクが所定値よりも大きい場合には、内輪部材は外輪部材に対して回転する。一方、特許文献3には更に、ばね部材を用いたトルクリミッタにおいて、内輪部材をPPS樹脂で成形することが開示されている。特許文献3には必ずしも明確には示されていないが、内輪部材がPPS樹脂で成形されている場合、ばね部材に対する内輪部材の回転速度が増大するに従って両部材間の摩擦力は増大する。
特開平7-12166号公報 特許第3344905号公報 特許第5972483号公報
而して、特許文献1に開示されたロータリーダンパーにあっては、ハウジング内に封入された流体が外部に漏洩する虞がある。また、一般的に流体の粘性抵抗は温度によって変化することから、気温の高い夏場と気温の低い冬場とではロータリーダンパーが付与する上記逆向きのトルクが変化してしまい、これにより制限される入力部材又は出力部材の回転速度も異なってしまう。
特許文献3に開示されたトルクリミッタにあっては、内輪部材はばね部材に対する回転速度が増大するに従ってばね部材との間の摩擦力も増大する特性を有する合成樹脂材料(PPS樹脂)により成形されているためばね部材に対する内輪部材の回転速度の増大は効果的に抑制されることから、外輪部材を固定すれば内輪部材の回転がばね部材の締め付け力によって所要程度抑制されるダンパーとして機能するとも思える。然しながら、ばね部材の線材が同一方向に連続して多数回にわたって巻回されていることに起因して、特許文献3(及び2)に開示されたトルクリミッタをダンパーとして使用することはできない。これは以下の理由による。本発明者等の経験によれば、必ずしもそのメカニズムは解明されていないが、ばね部材の線材が同一方向に連続して多数回にわたって巻回されていると、ばね部材に対して内輪部材が回転する際に、内輪部材の回転速度に対する内輪部材とばね部材との間の摩擦力の変化は小さくなり、ばね部材の線材の巻回数が4以上であると上記変化は充分小さくなることが判明している。特許文献2及び3に開示されたトルクリミッタをダンパーとして使用するには、ばね部材に対する内輪部材の回転速度が増大するに従って両者間の摩擦力は増大すること(特性)が望ましいが、特許文献2及び3に開示されたトルクリミッタにあっては、ばね部材の線材は同一方向に連続して多数回にわたって巻回されているため上記特性を阻害してしまうためである。
また、特許文献2及び3に開示されたトルクリミッタにおいて、線材を1乃至3回巻回したばね部材を軸方向に直列に複数配置することも考えられるが、ばね部材をこのように配置すると以下のような問題が生じる。即ち、内輪部材が回転すると全てのばね部材が同時に緩み方向に作用することから、(1)ばね部材が軸方向に倒れて内輪部材は安定した摩擦力を得ることができない、更に(2)ばね部材に潤滑剤が塗布されていた場合には、潤滑剤が内輪部材の外周面上を軸方向に移動してばね部材から分離し、内輪部材とばね部材との間で焼き付きが生じてしまう虞がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ばね部材を利用した公知のトルクリミッタを改良し、流体の粘性抵抗を利用することなく機械的に回転体の回転速度を制限することが可能な新規のダンパーを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、線材を1乃至3回巻回する毎に巻回方向を反転させたばね部材を上記した公知のトルクリミッタに組み込むことでこれをダンパーとして機能させることができることを見出した。
即ち、本発明よれば、上記主たる技術的課題を解決することができるダンパーとして、断面円形の装着部を備えた軸状の回転体と、前記回転体の前記装着部の外周面に接触して装着され、単一の線材を所要とおりに巻回して形成されるばね部材とを具備し、
前記ばね部材には前記線材の一部を屈曲して形成されるフックが軸方向に見て2つ設けられており、前記フックが固定部材と係合することで前記ばね部材は前記固定部材に対して回転不能であり、
前記回転体が回転すると前記フックは前記ばね部材の締め付けが緩む方向に前記固定部材によって押され、前記回転体は前記ばね部材に対して回転し、
前記回転体は、前記ばね部材に対する回転速度が増大するに従って前記ばね部材との間の摩擦力が増大する特性を有する合成樹脂材料により成形されているダンパーであって、
前記ばね部材は、前記線材が正方向に1乃至3回巻回された正巻回部及び前記線材が逆方向に1乃至3回巻回された逆巻回部を備え、前記正巻回部及び前記逆巻回部は夫々軸方向に交互に配置され、前記正巻回部及び前記逆巻回部の軸方向の両端には夫々前記フックの一部であって前記線材が直線状に延びる延出部が付設されており、軸方向に隣接する2つの前記延出部の先端は、前記線材が軸方向に延びるブリッジ部によって接続されている、ことを特徴とするダンパーが提供される。
好ましくは、前記ばね部材の前記正巻回部及び前記逆巻回部における前記線材の巻回数は共に1である。前記回転体の前記装着部は円筒形状であって、前記ばね部材の前記正巻回部及び前記逆巻回部の夫々の内径は同一であるのが好適である。前記固定部材は前記ばね部材の装着された前記回転体が挿入される筒状のハウジングであるのが好ましい。前記合成樹脂材料は、PPS又はPAであるのがよい。好適には、前記合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックが添加されている。前記ばね部材には潤滑剤が塗布されているのが好ましい。
本発明に従って構成されたダンパーにあっては、ばね部材は、線材が正方向及び逆方向に夫々1乃至3回ずつ巻回された正巻回部及び逆巻回部を備えており、従ってばね部材の夫々の巻回部における線材の巻回数は充分少なく、それ故にばね部材に対して回転体が回転する際に、回転体の回転速度が増加するに従ってばね部材との間の摩擦力が増大する特性が阻害されることはない。また、正巻回部及び逆巻回部は夫々軸方向に交互に配置され、正巻回部及び逆巻回部の軸方向の両端には夫々フックの一部であって線材が直線状に延びる延出部が付設されており、軸方向に隣接する2つの延出部の先端は、線材が軸方向に延びるブリッジ部によって接続されている。これにより、ばね部材に対して回転体が回転してフックが固定部材によって押された際には、正巻回部及び逆巻回部にかかる軸方向の力のベクトル成分は相殺され、ばね部材が軸方向に倒れることは防止される。それ故に、回転体はばね部材から安定して摩擦力を得ることができる。更に、ばね部材に潤滑剤が塗布されていた場合には、潤滑剤が回転体の外周面上を軸方向に移動してばね部材から分離し、回転体とばね部材との間で焼き付きが生じてしまうことは防止される。かくして、流体の粘性抵抗を利用することなく機械的に回転体の回転速度を制限することが可能なダンパーが提供される。
本発明に従って構成されたダンパーの全体構成を示す図。 図1に示すダンパーの分解斜視図。 図1に示すダンパーの回転体を単体で示す図。 図1に示すダンパーのばね部材を単体で示す図。 図1に示すダンパーのハウジングを単体で示す図。
以下、本発明に従って構成されたダンパーの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。なお、以下の説明における「軸方向片側」及び「軸方向他側」とは、特に指定しない限り、図1のA-A断面に示される状態を基準として、「軸方向片側」は同図において右側を、「軸方向他側」は同図において左側のことを言う。
図1及び図2を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示すダンパーは、回転体4と、ばね部材6とを具備している。容易に理解できるよう、図1のA-A断面においてはばね部材6の断面に薄墨を付して示している。
図1及び図2と共に図3を参照して説明すると、回転体4は後述する所定の特性を有する合成樹脂材料を圧縮成形又は射出成形することによって成形された中空の軸状部材であって回転軸oを備えている。回転体4の軸方向中間部には、断面円形の装着部8が設けられている。装着部8は回転軸oに沿って軸方向に延びる円筒形状であって軸方向に一定の外径及び内径を有している。装着部8の軸方向片側端には、内径は装着部8のものと同一であるが、外径は装着部8のものから軸方向片側に向かって漸次低減する円錐台形状の片側端部10が接続されている。装着部8の軸方向他側端には、内径は装着部8のものと同一であるが、外径は装着部8のものよりも幾分低減された円筒形状の他側端部12が接続されている。他側端部12には軸方向他側に向かって開放された矩形の切欠き14が直径方向に対向して一対形成されている。回転体4は、一対の切欠き14を介して例えばブラインドの巻き取り機構の入力回転部材又は出力回転部材に接続される。
図1に示されているとおり、ばね部材6は回転体4の装着部8の外周面に接触して装着されている。図1と共に図2及び図4を参照して説明すると、ばね部材6は単一の金属製線材を所要とおりに巻回して形成される。つまり、ばね部材6は、上記線材が正方向に1乃至3回巻回された正巻回部16及び上記線材が逆方向に1乃至3回巻回された逆巻回部18を備え、正巻回部16及び逆巻回部18は夫々軸方向に交互に配置されている。図示の実施形態においては、軸方向の片側から他側に向かって、断面円形の線材が正巻回部16にあっては時計方向に逆巻回部18にあっては反時計方向に夫々1回ずつ巻回されており、正巻回部16は2つ、逆巻回部18は1つずつ設けられている。正巻回部16及び逆巻回部18の夫々の内径は同一である。ばね部材6には上記線材の一部を屈曲して形成されるフック20が軸方向に見て2つ設けられている。フック20について説明すると、全ての巻回部(正巻回部16及び逆巻回部18)の軸方向端の周方向位置は同一あって(この位置をXで示す)、正巻回部16及び逆巻回部18の軸方向の両端には夫々上記線材が接線方向に直線状に延びる延出部22が付設されている。このことから、ばね部材6を軸方向に見ると、延出部22は位置Xから接線方向片側に延びる方と接線方向他側に延びる方とに分類され、前者に属する延出部22が2つのフック20の一方(これを20aで示す)を、後者に属する延出部22が2つのフック20の他方(これを20bで示す)を夫々構成する。軸方向に隣接する2つの延出部22は、上記線材が軸方向に延びるブリッジ部24によって接続されている。上述したばね部材6には直鎖系又は直鎖系と側鎖系のフッ素オイルをベースとするグリスの如き潤滑剤が塗布されている。
上記フック20a及び20bが固定部材と係合することでばね部材6は固定部材に対して回転不能である。図示の実施形態においては、上記固定部材はばね部材6の装着された回転体4が挿入される筒状のハウジング26である。図1及び図2と共に図5を参照して説明すると、ハウジング26の断面の外周形状は円形であって軸方向に直線状に延びており、回転軸oと同心の中心軸を備えている。ハウジング26の内側空間28には回転体4の装着部8の外周面に装着されたばね部材6が位置する中間部30が設けられている。中間部30は上記回転軸oと同心の円柱形状の一部を軸方向に切欠いた主要部分32と、主要部分32に接続された略D字形状の拡張部分34とに区画され(図5のB-B断面を参照されたい)、主要部分32にはばね部材6の正巻回部16及び逆巻回部18が、拡張部分34にはフック20が夫々配置される。そして、上記拡張部分34を画成するハウジング26の内周面の所要部位には、ばね部材6のフック20a及びフック20bが夫々係合する係合部36a及び係合部36bが形成されている。中間部30の軸方向片側には回転体4の片側端部10が進入する円柱形状の片側部38が設けられている。片側部38の径は回転体4の片側端部10の基端の外径よりも僅かに大きく、回転体4の片側端部10は内側空間28の片側部38を規定するハウジング26の内周面によって回転可能に支持される。ハウジング26の軸方向片端部の内周面には径方向内側に突出した円環形状規制片40が形成されており、この規制片40は回転体4の軸方向片側端を支持している。中間部30の軸方向他側には円柱形状の他側部42が設けられている。他側部42の径は中間部30の主要部分32の径よりも大きく、他側部42には円板形状のシールド板46が圧入される(図1及び図2を参照されたい)。シールド板46は合成樹脂製であって中央には回転体4の他側端部12が挿入されてこれを回転可能に支持する軸穴48が形成されている。シールド板46の外周面は径方向外方に膨出しておりこれがハウジング26の内周面の軸方向他側端部に形成された円環溝50(図2を参照されたい)に嵌り込むことで、シールド板46はハウジング26に装着される。ハウジング26の軸方向片端面には軸方向片側に突出する一対の突出片52が設けられており、この一対の突出片52によりハウジング26は図示しない壁に固定される。
続いて、本発明に従って構成されるダンパーの作動について図1を参照して説明する。
図1に示すダンパー2にあっては、上述したとおりハウジング26は図示しない壁に固定される。更に、ばね部材6はフック20a及び20bがハウジング26の係合部36a及び36bと夫々係合することでハウジング26に対して回転不能である。このことから、回転体4が回転すると、その回転方向に応じてフック20a及び20bのいずれかがばね部材6の締め付けが緩む方向にハウジング26の係合部36a及び36bのいずれかによって押され、回転体4はハウジング26及びばね部材6に対して回転する。さらに詳しくは、回転体4が時計方向(図1のA-A断面の左方向から見て)に回転したときはフック20aが係合部36aによって、反時計方向に回転したときはフック20bが係合部36bによって夫々押され、回転体4はばね部材6に対して摺動する。
ここで、回転体4は、ばね部材6に対する回転速度が増大するに従ってばね部材6との間の摩擦力が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されている。それ故に、例えば回転体4がブラインドの巻き取り機構の入力回転部材又は出力回転部材に接続されてボトムレールが自由落下した際には、ボトムレールが自由落下するに伴いその落下速度が増速しようとしても回転体4が増速するとその分ばね部材6から受ける摩擦力が増大することから回転体4の回転速度の増大は抑制され、かくしてボトムレールが急激に落下することは防止される。上記特性を有する合成樹脂材料としては、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)又はPA(ポリアミド)が存在し、回転体4の耐摩耗性を向上させる目的の観点からこれらの合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックを添加することが好ましい。
このとき、本発明に従って構成されたダンパーにあっては、ばね部材6は、線材が正方向及び逆方向に夫々1乃至3回ずつ巻回された正巻回部16及び逆巻回部18を備えており、従ってばね部材6の夫々の巻回部における線材の巻回数は充分少なく、それ故にばね部材6に対して回転体4が回転する際に、回転体4の回転速度が増加するに従ってばね部材6との間の摩擦力が増大する特性が阻害されることはない。また、正巻回部16及び逆巻回部18は夫々軸方向に交互に配置され、正巻回部16及び逆巻回部18の軸方向の両端には夫々フック20の一部であって線材が直線状に延びる延出部22が付設されており、軸方向に隣接する2つの延出部22の先端は、線材が軸方向に延びるブリッジ部24によって接続されている。これにより、ばね部材6に対して回転体4が回転してフック20が固定部材(ハウジング26)によって押された際には、正巻回部16及び逆巻回部18にかかる軸方向の力のベクトル成分は相殺され、ばね部材6が軸方向に倒れることは防止される。それ故に、回転体4はばね部材6から安定して摩擦力を得ることができる。更に、ばね部材6に潤滑剤が塗布されていた場合には、潤滑剤が回転体4の外周面上を軸方向に移動してばね部材6から分離し、回転体4とばね部材6との間で焼き付きが生じてしまうことは防止される。かくして、流体の粘性抵抗を利用することなく機械的に回転体の回転速度を制限することが可能なダンパーが提供される。
以上、本発明に従って構成されたダンパーについて添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲内において適宜の修正や変更が可能である。例えば、図示の実施形態においては、ばね部材の延出部は線材が正巻回部及び逆巻回部の接線方向延びていたが、線材は法線方向に延びていてもよい。また、図示の実施形態においては、固定部材は筒状のハウジングであったが、固定部材はばね部材の回転を規制さえすればよいことから、固定部材を例えば軸方向に延びるシャフトとし、このシャフトがばね部材のフックと係合するようにしてもよい。
2:ダンパー
4:回転体
6:ばね部材
16:正巻回部
18:逆巻回部
20(20a及び20b):フック
22:延出部
24:ブリッジ部
26:ハウジング(固定部材)

Claims (7)

  1. 断面円形の装着部を備えた軸状の回転体と、前記回転体の前記装着部の外周面に接触して装着され、単一の線材を所要とおりに巻回して形成されるばね部材とを具備し、
    前記ばね部材には前記線材の一部を屈曲して形成されるフックが軸方向に見て2つ設けられており、前記フックが固定部材と係合することで前記ばね部材は前記固定部材に対して回転不能であり、
    前記回転体が回転すると前記フックは前記ばね部材の締め付けが緩む方向に前記固定部材によって押され、前記回転体は前記ばね部材に対して回転し、
    前記回転体は、前記ばね部材に対する回転速度が増大するに従って前記ばね部材との間の摩擦力が増大する特性を有する合成樹脂材料により成形されているダンパーであって、
    前記ばね部材は、前記線材が正方向に1乃至3回巻回された正巻回部及び前記線材が逆方向に1乃至3回巻回された逆巻回部を備え、前記正巻回部及び前記逆巻回部は夫々軸方向に交互に配置され、前記正巻回部及び前記逆巻回部の軸方向の両端には夫々前記フックの一部であって前記線材が直線状に延びる延出部が付設されており、軸方向に隣接する2つの前記延出部の先端は、前記線材が軸方向に延びるブリッジ部によって接続されている、ことを特徴とするダンパー。
  2. 前記ばね部材の前記正巻回部及び前記逆巻回部における前記線材の巻回数は共に1である、請求項1に記載のダンパー。
  3. 前記回転体の前記装着部は円筒形状であって、前記ばね部材の前記正巻回部及び前記逆巻回部の夫々の内径は同一である、請求項1又は2に記載のダンパー。
  4. 前記固定部材は前記ばね部材の装着された前記回転体が挿入される筒状のハウジングである、請求項1乃至3のいずれかに記載のダンパー。
  5. 前記合成樹脂材料は、PPS又はPAである、請求項1乃至4のいずれかに記載のダンパー。
  6. 前記合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックが添加されている、請求項5に記載のダンパー。
  7. 前記ばね部材には潤滑剤が塗布されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のダンパー。
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