JP7088761B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工装置に関する。
特許文献1には、レーザダイシング装置が記載されている。このレーザダイシング装置は、ウェハを移動させるステージと、ウェハにレーザ光を照射するレーザヘッドと、各部の制御を行う制御部と、を備えている。レーザヘッドは、ウェハの内部に改質領域を形成するための加工用レーザ光を出射するレーザ光源と、加工用レーザ光の光路上に順に配置されたダイクロイックミラー及び集光レンズと、AF装置と、を有している。AF装置は、ウェハの表面の基準位置からのZ方向(ウェーハ厚み方向)の変位を検出するためのAF用レーザ光を出射し、ウェハの表面で反射したAF用レーザ光の反射光を受光し、その受光した反射光に基づいて、ウェハの表面の基準位置からのZ方向の変位を検出する。
特許第5743123号
ところで、光入射面の変位を適切に測定可能な範囲は、オートフォーカス用の測定光の光軸に沿った所定範囲に限定される。このため、加工用のレーザ光の集光点と測定光の集光点との距離が一定である場合、オートフォーカスを行いながらのレーザ光による加工(オートフォーカス加工)ができる加工深さの範囲も限定される。
これに対して、上記のレーザダイシング装置は、さらに、加工用レーザ光の集光点に対してAF用レーザ光の集光点を独立してウェハ厚み方向に変化させるためのフォーカスレンズ群を備えている。フォーカスレンズ群は、AF用レーザ光の光路上であって、加工用レーザ光の光路とは独立した位置に配置される。フォーカスレンズ群は、ウェハ側から順に配置された固定レンズ及び移動レンズを含む。そして、上記のレーザダイシング装置においては、アクチュエータを用いて移動レンズを機械的に移動させることにより、加工用レーザ光の集光点のZ方向位置を固定した状態で、AF用レーザ光の集光点を移動可能としている。その結果、オートフォーカス加工が可能な範囲の拡大が図られている。
このように、上記技術分野にあっては、加工用のレーザ光の集光点と測定光の集光点とを独立して変更可能とし、オートフォーカス加工が可能な範囲を拡大することが望まれている。しかしながら、上記のレーザダイシング装置のように、高精度な光軸調整等が要求される複数のレンズを用い、且つ、レンズをアクチュエータにより機械的に移動させるといった複雑な構成は、上記の要望の実現に際して現実的でない。
そこで、本発明は、より簡単な構成によって、オートフォーカス加工が可能な範囲を拡大できるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ加工装置は、加工予定ラインに沿って加工対象物にレーザ光を照射することにより、加工予定ラインに沿って加工対象物のレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、レーザ光を出力するレーザ光源と、測定光を出力する測定光源と、レーザ光を加工対象物に向けて集光して第1集光点を形成すると共に、測定光を加工対象物に向けて集光して第2集光点を形成する集光ユニットと、加工対象物におけるレーザ光及び測定光の入射面での測定光の反射光に応じて入射面の変位を測定するための測定部と、入射面の変位の測定結果に応じて、入射面に交差する方向についての第1集光点の位置を調整する調整部と、レーザ光源と集光ユニットとの間において、変調パターンに応じてレーザ光を変調するための空間光変調器と、空間光変調器に提示する変調パターンを制御する制御部と、を備え、制御部は、第1集光点と第2集光点との間の距離、及び、入射面からのレーザ加工の加工深さに応じて、入射面に交差する方向についての第1集光点の位置を変更するための集光位置変更パターンを含む変調パターンを空間光変調器に提示させる。
このレーザ加工装置においては、集光ユニットが、レーザ光源から出力されたレーザ光と測定光源から出力された測定光とを加工対象物に向けて集光する。これにより、レーザ光の第1集光点が形成されると共に、測定光の第2集光点が形成される。また、測定部が、測定光の入射面での反射光に基づいて、入射面の変位を測定する。さらに、調整部が、その測定結果に応じて、入射面に交差する方向についての第1集光点の位置を調整する。すなわち、このレーザ加工装置においては、オートフォーカス加工を行うことができる。ここで、このレーザ加工装置においては、レーザ光源と集光ユニットとの間においてレーザ光を変調する空間光変調器が用いられる。空間光変調器は、制御部の制御のもとで、第1集光点と第2集光点との間の距離、及び、所望の加工深さに基づいて、入射面に交差する方向における第1集光点の位置を変更するための集光位置変更パターンを含む変調パターンを提示する。これにより、加工用のレーザ光の第1集光点を、測定光の第2集光点に対して独立して変更することができる。このように、このレーザ加工装置によれば、レンズ群の機械的な移動といった複雑な構成を要せず、簡単な構成により、オートフォーカス加工が可能な範囲を拡大できる。
ここで、互いに離間するように配列された複数のデバイス部が表面上に形成されたもの(例えばウェハ)がレーザ加工の加工対象物とされる場合がある。その場合、加工予定ラインは、互いに隣り合うデバイス部の間に設定されると共に、デバイス部が形成された表面をレーザ光及び測定光の入射面とする場合がある。この場合、高精度なオートフォーカス加工を行うためには、測定光がデバイス部に干渉しないようにして入射面の変位を適切に測定可能としつつ、レーザ光の第1集光点を所望の加工深さとなるように調整する必要がある。
そこで、本発明に係るレーザ加工装置においては、加工対象物の入射面には、入射面に沿って互いに離間するように配列された複数のデバイス部が形成されており、加工予定ラインは、互いに隣り合うデバイス部の間を通るように設定され、制御部は、第1集光点を加工深さに配置すると共に互いに隣り合うデバイス部の間の入射面に測定光のスポットを配置した初期状態において測定光がデバイス部に干渉する場合に、集光位置変更パターンを含む変調パターンを空間光変調器に提示させてもよい。この場合、測定光がデバイス部に干渉しないようにしつつ、レーザ光の第1集光点の位置を所望の加工深さに調整し、高精度なオートフォーカス加工を行うことが可能となる。
このとき、本発明に係るレーザ加工装置においては、制御部は、初期状態において測定光がデバイス部に干渉する場合に、測定光がデバイス部に干渉しないように第2集光点を移動させると共に、第2集光点の移動に伴って加工深さからシフトした第1集光点と加工深さとの差分を算出し、差分に応じた集光位置変更パターンを含む変調パターンを空間光変調器に提示させてもよい。
本発明に係るレーザ加工装置においては、制御部は、入射面の荒れが一定以上である場合に、集光位置変更パターンを含む変調パターンを空間光変調器に提示させることにより、第1集光点を加工深さに維持しつつ入射面における測定光のスポットサイズを拡大するように距離を拡大又は縮小させてもよい。このように、入射面の荒れが一定以上である場合には、入射面に配置される測定光のスポットが小さいと、その荒れの影響により測定誤差が大きくなる傾向にある。これに対して、この場合には、入射面の荒れが一定以上である場合には、レーザ光の第1集光点を加工深さに維持しつつ測定光のスポットサイズを拡大させる。これにより、入射面の荒れが一定以上である場合であっても、高精度なオートフォーカス加工を行うことが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置においては、制御部は、レーザ光の収差補正のための補正パターンと集光位置変更パターンとを重畳して構成される変調パターンを空間光変調器に提示させてもよい。このように、レーザ光の第1集光点の位置の変更に空間光変調器を用いれば、収差補正と同時に当該位置の変更を行うことが可能となり、より簡単な構成によりオートフォーカス加工が可能な範囲を拡大可能となる。
本発明によれば、より簡単な構成によって、オートフォーカス加工が可能な範囲を拡大できるレーザ加工装置を提供することができる。
改質領域の形成に用いられるレーザ加工装置の概略構成図である。 改質領域の形成の対象となる加工対象物の平面図である。 図2の加工対象物のIII-III線に沿っての断面図である。 レーザ加工後の加工対象物の平面図である。 図4の加工対象物のV-V線に沿っての断面図である。 図4の加工対象物のVI-VI線に沿っての断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置を示す概略構成図である。 図7のレーザ加工装置の反射型空間光変調器の分解斜視図である。 誤差信号の演算値の一例を示すグラフである。 加工用のレーザ光の集光点とAF用レーザ光の集光点との関係を示す模式図である。 加工対象物の部分的な断面図である。 第1集光点の位置を変更する様子を示す模式図である。 AF加工の一連の工程を示すフローチャートである。 AF加工の一連の工程を示す模式的な断面図である。 AF加工の一連の工程を示す模式的な断面図である。 AF加工の一連の工程を示す模式的な断面図である。 AF加工の一連の工程を示す模式的な断面図である。 変形例に係る制御を説明するための模式的な断面図である。
以下、図面を参照してレーザ加工装置の一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、以下では、X軸、Y軸、及び、Z軸により規定される直交座標系を図示して説明に用いる場合がある。
実施形態に係るレーザ加工装置では、加工対象物にレーザ光を集光することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物に改質領域を形成する。そこで、まず、改質領域の形成について、図1~図6を参照して説明する。
図1に示されるように、レーザ加工装置100は、レーザ光Lをパルス発振するレーザ光源101と、レーザ光Lの光軸(光路)の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、レーザ光Lを集光するための集光用レンズ105と、を備えている。また、レーザ加工装置100は、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される対象物である加工対象物1を支持するための支持台107と、支持台107を移動させるための移動機構であるステージ111と、レーザ光Lの出力やパルス幅、パルス波形等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ステージ111の移動を制御するステージ制御部115と、を備えている。
レーザ加工装置100においては、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラー103によってその光軸の向きを90°変えられ、支持台107上に載置された加工対象物1の内部に集光用レンズ105によって集光される。これと共に、ステージ111が移動させられ、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予定ライン5に沿って相対移動させられる。これにより、切断予定ライン5に沿った改質領域が加工対象物1に形成される。なお、ここでは、レーザ光Lを相対的に移動させるためにステージ111を移動させたが、集光用レンズ105を移動させてもよいし、或いはこれらの両方を移動させてもよい。
加工対象物1としては、半導体材料で形成された半導体基板や圧電材料で形成された圧電基板等を含む板状の部材(例えば、基板、ウェハ等)が用いられる。図2に示されるように、加工対象物1には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、直線状に延びた仮想線である。加工対象物1の内部に改質領域を形成する場合、図3に示されるように、加工対象物1の内部に集光点(集光位置)Pを合わせた状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対的に移動させる。これにより、図4、図5及び図6に示されるように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1に形成され、切断予定ライン5に沿って形成された改質領域7が切断起点領域8となる。切断予定ライン5は、照射予定ラインに対応する。
集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、これらが組み合わされた3次元状であってもよいし、座標指定されたものであってもよい。切断予定ライン5は、仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際に引かれた線であってもよい。改質領域7は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。改質領域7は列状でも点状でもよく、要は、改質領域7は少なくとも加工対象物1の内部、表面3又は裏面に形成されていればよい。改質領域7を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域7は、加工対象物1の外表面(表面3、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。改質領域7を形成する際のレーザ光入射面は、加工対象物1の表面3に限定されるものではなく、加工対象物1の裏面であってもよい。
ちなみに、加工対象物1の内部に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、加工対象物1を透過すると共に、加工対象物1の内部に位置する集光点P近傍にて特に吸収される。これにより、加工対象物1に改質領域7が形成される(すなわち、内部吸収型レーザ加工)。この場合、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。一方、加工対象物1の表面3又は裏面に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、表面3又は裏面に位置する集光点P近傍にて特に吸収され、表面3又は裏面から溶融され除去されて、穴や溝等の除去部が形成される(表面吸収型レーザ加工)。
改質領域7は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質領域7としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくとも何れか一つを意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。更に、改質領域7としては、加工対象物1の材料において改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある。加工対象物1の材料が単結晶シリコンである場合、改質領域7は、高転位密度領域ともいえる。
溶融処理領域、屈折率変化領域、改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、及び、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域7と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域7の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。加工対象物1は、結晶構造を有する結晶材料からなる基板を含む。例えば加工対象物1は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、LiTaO、及び、サファイア(Al)の少なくとも何れかで形成された基板を含む。換言すると、加工対象物1は、例えば、窒化ガリウム基板、シリコン基板、SiC基板、LiTaO基板、又はサファイア基板を含む。結晶材料は、異方性結晶及び等方性結晶の何れであってもよい。また、加工対象物1は、非結晶構造(非晶質構造)を有する非結晶材料からなる基板を含んでいてもよく、例えばガラス基板を含んでいてもよい。
実施形態では、切断予定ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することにより、改質領域7を形成することができる。この場合、複数の改質スポットが集まることによって改質領域7となる。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ照射:レーザショット)で形成される改質部分である。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット若しくは屈折率変化スポット、又はこれらの少なくとも1つが混在するもの等が挙げられる。改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、加工対象物1の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することができる。また、実施形態では、切断予定ライン5に沿って、改質スポットを改質領域7として形成することができる。
引き続いて、本実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。図7は、本実施形態に係るレーザ加工装置を示す概略構成図である。図7に示されるように、レーザ加工装置200は、ステージ111上の加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射することにより、加工対象物1の切断予定ライン(加工予定ライン)5に沿って、切断の起点となる改質領域7を形成する(レーザ加工を行う)。このレーザ加工装置200は、レーザ光源202、反射型空間光変調器(空間光変調器)203、4f光学系241、及び、集光光学系(集光ユニット)204を筐体231内に備えている。
レーザ光源202は、レーザ光Lを出力する。レーザ光源202は、例えばファイバレーザが用いられている。ここでのレーザ光源202は、水平方向(X軸方向)にレーザ光Lを出射するように(いわゆる、横置きの状態で)、筐体231の天板236にねじ等で固定されている。
反射型空間光変調器203は、レーザ光源202から出射されたレーザ光Lを変調するものであり、例えば、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)-SLM(Spatial LightModulator)が用いられている。この反射型空間光変調器203は、水平方向に入射するレーザ光Lを、水平方向に対し斜めに反射しつつ変調する。
図8は、図7のレーザ加工装置の反射型空間光変調器の分解斜視図である。図8に示されるように、反射型空間光変調器203は、シリコン基板213、駆動回路層914、複数の画素電極214、誘電体多層膜ミラー等の反射膜215、配向膜999a、液晶層216、配向膜999b、透明導電膜217、及びガラス基板等の透明基板218がこの順に積層されることで構成されている。透明基板218は、所定平面に沿った表面218aを有している。透明基板218の表面218aは、反射型空間光変調器203の表面を構成する。透明基板218は、例えばガラス等の光透過性材料からなる。透明基板218は、反射型空間光変調器203の表面218aから入射した所定波長のレーザ光Lを、反射型空間光変調器203の内部へ透過する。透明導電膜217は、透明基板218の裏面上に形成されている。透明導電膜217は、レーザ光Lを透過する導電性材料(例えばITO)からなる。
複数の画素電極214は、透明導電膜217に沿ってシリコン基板213上にマトリックス状に配列されている。複数の画素電極214は、例えばアルミニウム等の金属材料で形成されている。複数の画素電極214の表面214aは、平坦且つ滑らかに加工されている。複数の画素電極214は、駆動回路層914に設けられたアクティブ・マトリクス回路によって駆動される。
アクティブ・マトリクス回路は、複数の画素電極214とシリコン基板213との間に設けられている。アクティブ・マトリクス回路は、反射型空間光変調器203から出力しようとする光像に応じて各画素電極214への印加電圧を制御する。例えばアクティブ・マトリクス回路は、表面218aに沿う一方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第1ドライバ回路と、当該一方向に直交し且つ表面218aに沿う他方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第2ドライバ回路と、を有している。このようなアクティブ・マトリクス回路は、制御部250(図7参照)によって双方のドライバ回路で指定された画素の画素電極214に所定電圧が印加されるように構成されている。
配向膜999a,999bは、液晶層216の両端面に配置されており、液晶分子群を一定方向に配列させる。配向膜999a,999bは、例えばポリイミド等の高分子材料で形成されている。配向膜999a,999bにおける液晶層216との接触面には、ラビング処理等が施されている。
液晶層216は、複数の画素電極214と透明導電膜217との間に配置されている。液晶層216は、各画素電極214と透明導電膜217とにより形成される電界に応じてレーザ光Lを変調する。すなわち、駆動回路層914のアクティブ・マトリクス回路によって各画素電極214に電圧が印加されると、透明導電膜217と各画素電極214との間に電界が形成され、液晶層216に形成された電界の大きさに応じて液晶分子216aの配列方向が変化する。そして、レーザ光Lが透明基板218及び透明導電膜217を透過して液晶層216に入射すると、このレーザ光Lは、液晶層216を通過する間に液晶分子216aによって変調され、反射膜215において反射した後、再び液晶層216により変調されて出射する。
このとき、制御部250(図7参照)によって各画素電極214に印加される電圧が制御され、その電圧に応じて、液晶層216において透明導電膜217と各画素電極214とに挟まれた部分の屈折率が変化する(各画素に対応した位置の液晶層216の屈折率が変化する)。この屈折率の変化により、印加した電圧に応じて、レーザ光Lの位相を液晶層216の画素ごとに変化させることができる。つまり、ホログラムパターンに応じた位相変調を画素ごとに液晶層216によって付与することができる。変調パターンに入射し透過するレーザ光Lは、その波面が調整され、レーザ光Lを構成する各光線において進行方向に直交する方向の成分の位相にずれが生じる。したがって、制御部250の制御のもとで、反射型空間光変調器203に表示させる変調パターンを適宜設定することにより、レーザ光Lが変調(例えば、レーザ光Lの強度、振幅、位相、偏光等が変調)可能となる。
図7に戻り、4f光学系241は、反射型空間光変調器203によって変調されたレーザ光Lの波面形状を調整するものである。この4f光学系241は、第1レンズ241a及び第2レンズ241bを有している。レンズ241a,241bにあっては、反射型空間光変調器203と第1レンズ241aとの距離が第1レンズ241aの焦点距離f1となり、集光光学系204とレンズ241bとの距離がレンズ241bの焦点距離f2となり、第1レンズ241aと第2レンズ241bとの距離がf1+f2となり、且つ第1レンズ241aと第2レンズ241bとが両側テレセントリック光学系となるように、反射型空間光変調器203と集光光学系204との間に配置されている。
この4f光学系241では、反射型空間光変調器203で位相変調され、所定ビーム径且つ集光されるレーザ光Lの収差が所定収差以下となる波面のレーザ光Lを集光光学系204で集光させることができる。焦点距離f1と焦点距離f2の比は、n:1(nは実数)であり、集光光学系204に入射するレーザ光Lのビーム径,波面は、反射型空間光変調器203で反射されるビーム径及び波面のそれぞれ1/n倍,n倍になる。また、4f光学系241では、反射型空間光変調器203で変調(補正)されたレーザ光Lが空間伝播によって波面形状が変化し収差が増大するのを抑制することができる。ここでの4f光学系241においては、集光光学系204に入射するレーザ光Lが平行光となるようにレーザ光Lが調整される。
集光光学系204は、反射型空間光変調器203によって変調されたレーザ光Lを加工対象物1の内部に集光するものである。この集光光学系204は、複数のレンズを含んで構成されており、圧電素子等を含んで構成された駆動ユニット(調整部)232を介して筐体231の底板233に設置されている。
また、レーザ加工装置200は、表面観察ユニット211及びAF(オートフォーカス:Auto Focus)ユニット212を筐体231内に備えている。表面観察ユニット211は、加工対象物1の表面3を観察するためのものである。この表面観察ユニット211は、可視光VL1を出射する観察用光源211aと、加工対象物1の表面3で反射された可視光VL1の反射光VL2を受光して検出する検出器211bと、レーザ光Lを透過し且つ可視光VL1及び反射光VL2を反射するダイクロイックミラー210と、を少なくとも有している。ダイクロイックミラー210は、レーザ光Lの光路において4f光学系241と集光光学系204との間に配置されると共に、可視光VL1及び反射光VL2の向きを90°変えるように配置されている。
この表面観察ユニット211では、観察用光源211aから出射された可視光VL1は、ミラー208及びダイクロイックミラー209,210で順次反射され、集光光学系204で集光される。また、加工対象物1の表面2で反射された反射光VL2は、集光光学系204で集光されてダイクロイックミラー210で反射され、ダイクロイックミラー209を透過する。
AFユニット212は、例えば加工対象物1の表面3に厚さ方向(Z軸方向)の変位(うねり)が存在するような場合にも、表面3から所定距離の位置にレーザ光Lの集光点(第1集光点)Pを精度良く合わせるためのものである。このAFユニット212は、具体的には、AF用レーザ光(測定光)LB1を加工対象物1に出射し、加工対象物1の表面3で反射されたAF用レーザ光LB1の反射光LB2を受光し検出することで、切断予定ライン5に沿った表面3の変位データを取得する(変位を測定する)。駆動ユニット232は、測定された変位に応じて駆動することで、加工対象物1の表面3のうねりに沿うように集光光学系204をその光軸方向に往復移動させ、集光光学系204と加工対象物1との距離を微調整する。
このAFユニット212は、AF用レーザ光LB1を出力するAF用光源(測定光源)212aと、レーザ光Lを透過し且つAF用レーザ光LB1及び反射光LB2を反射するAF用ダイクロイックミラー238と、反射光LB2に基づいて表面3の変位を検出(測定)する変位検出部(測定部)212bと、を少なくとも有している。AF用ダイクロイックミラー238は、レーザ光Lの光路において4f光学系241と集光光学系204との間においてダイクロイックミラー210の下流側に配置されると共に、AF用レーザ光LB1及び反射光LB2の向きを90°変えるように配置されている。このAF用ダイクロイックミラー238は、レーザ光Lの光路において最も下流側に配置された透過光学素子とされている。つまり、AFユニット212は、反射光LB2が他のダイクロイックミラー等の他の透過光学素子を透過しないように構成されている。
AF用ダイクロイックミラー238にてAF用レーザ光LB1が入射する方向及び向きは、上記のダイクロイックミラー210で可視光VL1が入射する方向及び向きと等しくなっている。つまり、ダイクロイックミラー210,238は、そのミラー面がレーザ光Lの光軸に対して同じ方向に同角度で傾斜するように設けられている。これにより、表面観察ユニット211及びAFユニット212は、筐体231内において同じ側(図示右側)に配置されることになる。
レーザ光Lの光路と、AF用レーザ光LB1の光路とは、ダイクロイックミラー238と集光光学系204との間で共通である。これにより、集光光学系204は、レーザ光Lを加工対象物1に向けて集光して集光点(後述する第1集光点P1)を形成すると共に、AF用レーザ光LB1を加工対象物1に向けて集光して集光点(後述する第2集光点P2)を形成する。また、これにより、反射型空間光変調器203は、レーザ光源202と集光光学系204との間において、レーザ光Lの光路上に配置される。なお、ここでいう加工対象物1に向けて集光するとは、加工対象物1の表面及び加工対象物1の内部に集光する場合に限らず、集光光学系204と加工対象物1との間に集光する場合も含む。
レーザ加工装置200は、レーザ加工装置200の全体を制御するためのものとして、レーザ光源202と反射型空間光変調器203とステージ111とAFユニット212と駆動ユニット232とに接続され、これらを制御する制御部250を備えている。制御部250は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等によって構成されるコンピュータを主体として構成されている。そして、制御部250は、そのコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、種々の制御を実行する。制御部250の制御の一例について説明する。
制御部250は、レーザ光源202を制御し、レーザ光源202から出射されるレーザ光Lの出力やパルス幅等を調節する。また、制御部250は、改質領域7を形成する際、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の表面3から所定距離に位置し且つレーザ光Lの集光点Pが切断予定ライン5に沿って相対的に移動するように筐体231及びステージ111の少なくとも一方を制御する。
また、制御部250は、レーザ光Lの光学特性が所定の光学特性となるように反射型空間光変調器203を制御する。例えば、改質領域7を形成する際、加工対象物1の内部に集光されるレーザ光Lの収差が所定収差以下となるように、互いに対向する1対の電極部214,217毎に所定電圧を印加して反射型空間光変調器203を制御する。より具体的には、制御部250は、反射型空間光変調器203に入射したレーザ光Lのビームパターン(ビーム波面)を整形(変調)させるための収差補正パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に入力する。換言すれば、制御部250は、反射型空間光変調器203に提示する変調パターンを制御する。そして、入力した変調パターンに基づいて一対の電極214,217毎に対応する液晶層216の屈折率を変化させ、反射型空間光変調器203から出射(反射)されるレーザ光Lのビームパターン(ビーム波面)を整形(変調)させる。制御部250のその他の制御については後述する。
なお、上述したように、反射型空間光変調器203は、レーザ光源202と集光光学系204との間において、レーザ光Lの光路上に配置される。換言すれば、反射型空間光変調器203は、AF用レーザ光LB1の光路には介在しない。したがって、反射型空間光変調器203は、レーザ光Lを変調するものの、AF用レーザ光LB1の変調は行わない。すなわち、反射型空間光変調器203は、AF用レーザ光LB1とは独立してレーザ光Lの変調を行う。また、制御部250は、図示するように筐体231外に配置されてもよいし、筐体231内に設置されてもよい。また、制御部250では、反射型空間光変調器203に提示させる変調パターンを逐次入力するようにしてもよいし、予め記憶された変調パターンを選択して入力するようにしてもよい。
ここで、レーザ加工装置200は、レーザ光Lの光路において、レーザ光源202と反射型空間光変調器203との間に配置された一対の第1ミラー205a,205bと、反射型空間光変調器203と4f光学系241との間に配置された一対の第2ミラー206a,206bと、を備えている。
第1ミラー205a,205bは、レーザ光源202で出射されたレーザ光Lを、反射型空間光変調器203に向けて反射する。これら第1ミラー205a,205bは、レーザ光Lの向きを90°変えるようにそれぞれ配置されている。具体的には、上流側の第1ミラー205aは、水平方向右側から入射するレーザ光Lを下方へと反射し、下流側の第1ミラー205bは、上方から入射するレーザ光Lを水平方向右側へと反射する。
第2ミラー206a,206bは、反射型空間光変調器203で反射されたレーザ光Lを、4f光学系241に向けて反射する。具体的には、上流側の第2ミラー206aは、水平方向に対し斜め下方から入射するレーザ光Lを上方へと反射し、下流側の第2ミラー206bは、下方から入射するレーザ光Lを水平方向左側へと反射する。
また、ミラー205a,205b,206a,206bは、所定方向(ここでは、Y軸方向)に延在する軸を有しており、この軸回りに回転可能に構成されている。これにより、ミラー205a,205b,206a,206bは、その反射方向(反射角度)が調整可能に構成されている。従って、第1ミラー205a,205bにおいては、これらの反射方向が適宜調整され、反射型空間光変調器203に対して所定入射角度で確実にレーザ光Lが入射されるようレーザ光Lの位置及び入射角度が調整されている。また、第2ミラー206a,206bにおいては、これらの反射方向が適宜調整され、4f光学系241に対して所定入射角度で確実にレーザ光Lが入射されるようレーザ光Lの位置及び入射角度が調整されている。
なお、これらのミラー205a,205b,206a,206bでは、圧電素子等の電気的手段によって反射方向が調整されるように構成してもよいし、ねじ等の機械的手段によって反射方向が調整されるように構成してもよい。
また、レーザ光Lの光路において、下流側の第1ミラー205bと反射型空間光変調器203との間には、ビームエキスパンダ223が配置されている。ビームエキスパンダ223は、レーザ光Lのビーム径を拡大するためのものであり、凹レンズ213a及び平凸レンズ213bを有している。平凸レンズ213bは、レンズ213a,213b間の距離を可変とすべく、着脱可能とされると共にレーザ光Lの光路上の複数位置に設置可能とされている。よって、平凸レンズ213bを所望な位置に設置することで、レーザ光Lのビーム径を所望に拡大することができる。
また、レーザ光Lの光路において第1ミラー205a,205b間には、アッテネータ207が配置されている。アッテネータ207は、レーザ光Lの光強度の調整を行うためのものである。このアッテネータ207は、直線偏光を得るための偏光板207aと、偏光方向を変更させるためのλ/2波長板207bと、を含んで構成されている。
また、レーザ光Lの光路において第2ミラー206a,206b間には、偏光方向を変更させるためのλ/2波長板228が配置されている。このλ/2波長板228により、加工進行方向(切断予定ライン5に沿う方向)にレーザ光Lの偏光方向を対応させることが可能となる。
以上のように構成されたレーザ加工装置100を用いて加工対象物1を切断する場合、まず、加工対象物1の裏面に、例えばエキスパンドテープを貼り付けて当該加工対象物1をステージ111上に載置する。続いて、加工対象物1の表面3から加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して、切断予定ライン5に沿って改質領域7を加工対象物1の内部に形成する。このとき、AFユニット212により測定された表面3の変位に応じて駆動ユニット232が駆動されることにより、集光点Pの位置が調整される。そして、エキスパンドテープを拡張させる。これにより、改質領域7を切断の起点として、加工対象物1が切断予定ライン5に沿って精度よく切断され、複数の半導体チップが互いに離間することになる。
ここで、レーザ光源202から出射されたレーザ光Lにあっては、筐体231内において水平方向に進行した後、第1ミラー205aによって下方に反射され、アッテネータ207によって光強度が調整される。その後、第1ミラー205bによって水平方向に反射され、ビームエキスパンダ223によってビーム径が拡大されて反射型空間光変調器203に入射する。
反射型空間光変調器203に入射したレーザ光Lは、当該反射型空間光変調器203にて加工対象物1の内部に集光されるレーザ光Lの収差が所定収差以下となるように変調(補正)され、水平方向に対し斜め上方に出射される。その後、第2ミラー206aによって上方に反射された後、λ/2波長板228によって偏光方向が変更され、第2ミラー206bによって水平方向に反射されて4f光学系241に入射する。
4f光学系241に入射したレーザ光Lは、集光光学系204に入射するレーザ光Lが平行光となるように波面形状が調整される。具体的には、かかるレーザ光Lは、第1レンズ241aを透過し収束され、ミラー219によって下方へ反射される。そして、共焦点Oを経て発散すると共に、第1ミラー205b及び反射型空間光変調器203間の光路を交差した後、第2レンズ241bを透過し、平行光となるように再び収束される。
その後、レーザ光Lは、ダイクロイックミラー210,218を順次透過して集光光学系204に入射し、ステージ111上に載置された加工対象物1の内部に集光光学系204によって集光される。
引き続いて、レーザ加工装置200におけるオートフォーカス加工(以下、「AF加工」という)について説明する。AFユニット212においては、反射光LB2のビーム形状は、加工対象物1における後述の基準位置からの表面(レーザ光L及びAF用レーザ光LB1の入射面)3の変位により、変位検出部212bの4象限検知器上で変化する。具体的には、表面3で反射された反射光LB2は、当該表面3の変位に応じて異なるビーム拡がり角を有し、そのビーム拡がり角に応じて異なるビーム形状となる。変位検出部212bは、このように変化するビーム形状を、4象限検知器の4つの受光面に分割して検出する。4つの受光面をそれぞれ受光面S,S,S,Sとし、それぞれの受光面S,S,S,Sにおける光量に応じた出力値をそれぞれ、出力値I,I,I,Iとしたとき、AFユニット212では、[(I+I)-(I+I)]/[(I+I+I+I)]の演算により誤差信号を生成する。
図9は、誤差信号の演算値の一例を示すグラフである。図9に示されるグラフでは、横軸は入射面の誤差信号がゼロになる位置からの変位を示し、縦軸は誤差信号の大きさを示している。変位が小さくなるほど(図中左側に行くほど)、入射面が集光光学系204に近づく方向に位置することを意味する。変位が大きくなるほど(図中右側に行くほど)、レーザ光入射面が集光光学系204から遠ざかる方向に位置する。
図9に示されるように、誤差信号は、グラフ上でS字カーブ状に変化する。誤差信号がゼロになるときの変位は、ビーム形状が4象限検知器上で真円になるときの変位である。誤差信号において利用可能な範囲は、ゼロ周辺の単調減少となる範囲(以下、この範囲を「測定レンジ」と称する)である。すなわち、入射面の変位を適切に測定可能な範囲は、AF用レーザ光LB1の光軸上に沿って所定範囲(測定レンジ)に限定される。なお、上記の基準位置とは、一例として、表面3を表面観察ユニット211で撮像し、投影されるレチクルのコントラストが最大になる状態のときの表面3の位置である。
図10は、加工用のレーザ光の集光点とAF用レーザ光の集光点との関係を示す模式図である。図10に示されるように、レーザ加工装置200においては、レーザ光LとAF用レーザ光LB1とは、互いの光軸が一致した状態において加工対象物1に照射される。また、レーザ光Lの集光点Pである第1集光点P1と、AF用レーザ光LB1の集光点である第2集光点P2とは、互いに離間しており、その間の距離は、レーザ加工装置200の構成により距離L12として実質的に一定である(レーザ加工装置200の個体差によるばらつきはある)。
したがって、図10の(a)~(d)のように第1集光点P1を深い位置(入射面である表面3から遠い位置)から浅い位置(表面3に近い位置)に移動させていくと、第2集光点P2も同等の距離だけ移動する。これに伴って、AF用レーザ光LB1の表面3におけるスポットサイズも変更される。すなわち、図10の(a)に示されるように、第2集光点P2が表面3に比較的近く、且つ、加工対象物1内に位置する状態から、図10の(b)に示されるように、第2集光点P2が表面3に一致する状態になるように第1集光点P1及び第2集光点P2が移動すると、AF用レーザ光LB1の表面3におけるスポットサイズが縮小する。さらに、図10の(b)に示される状態から、図10の(c)及び(d)に示されるように、第2集光点P2が加工対象物1の外部において表面3から徐々に遠ざかるように第1集光点P1及び第2集光点P2が移動すると、AF用レーザ光LB1の表面3におけるスポットサイズが拡大する。
このように、表面3の変位を適切に測定可能な範囲が測定レンジに限定される結果、レーザ光Lの第1集光点P1とAF用レーザ光LB1の第2集光点P2との距離L12が一定である場合、AF加工ができる加工深さの範囲も限定される。したがって、第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12を変更可能とすることが有効である。
一方、レーザ加工装置200の加工対象物1が、図11に示されるような加工対象物である場合がある。図11に示される加工対象物1の表面3上には、デバイス層10が形成されている。デバイス層10は、表面3上に互いに離間して2次元状に配列された複数のデバイス部11を含む。デバイス部11は、例えば、結晶成長により形成された半導体動作層、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、或いは回路として形成された回路素子等である。互いに隣り合うデバイス部11の間には、表面3が露出した領域であるストリートSTが設けられている。ストリートSTは、例えば格子状に設けられている。切断予定ライン5は、ストリートSTに設定されている(すなわち、互いに隣り合うデバイス部11の間を通るように設定されている)。
この加工対象物1の表面3の変位を測定すると共に、その変位に基づいて第1集光点P1の位置を調整しながらの加工(AF加工)を行う場合には、AF用レーザ光LB1のスポットをストリートST内において(互いに隣り合うデバイス部の間において)、表面3に配置する。このとき、表面3の変位の測定を高精度で行うためには、第2集光点P2から(又は第2集光点P2に向かって)所定の広がりを有するAF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しないようにすることが望ましい。一方で、適切な位置に改質領域7を形成するためには、第1集光点P1を所望の加工深さに配置する必要がある。したがって、このような観点からも、第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12を変更可能とすることが有効である。
そこで、レーザ加工装置200は、第1集光点P1の位置を第2集光点P2と独立して変更する機能を有している。すなわち、図12に示されるように、レーザ加工装置200は、表面3に交差する方向(ここではZ軸方向)について、第2集光点P2の位置を一定に維持しつつ、第1集光点P1の位置が変更可能とする。そのために、制御部250は、Z軸方向についての第1集光点P1の位置を変更するための集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。上述したように、反射型空間光変調器203は、レーザ光Lの光路のみに介在する。したがって、第1集光点P1の位置のみが変更され、第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12が変更される。これにより、第2集光点P2を表面3の変位の測定に適した位置としつつ、第1集光点P1を所望の加工深さに配置することが可能となる。
より具体的には、制御部250は、ストリート幅W11(互いに隣り合うデバイス部のエッジ間の間隔:図11参照)、第1集光点P1と第2集光点P2との間の距離L12、及び、入射面である表面3からの所望するレーザ加工の加工深さに応じて、第2集光点P2を表面3の変位の測定に適した位置としつつ、第1集光点P1を所望の加工深さに配置するように、第1集光点P1の位置(すなわち距離L12)を変更するための集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。
さらに、詳細は後述するが、制御部250は、第1集光点P1を加工深さに配置すると共にストリートST内の表面3にAF用レーザ光LB1のスポットを配置した初期状態においてAF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉する場合に、集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。このとき、制御部250は、初期状態においてAF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉する場合に、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しないように第2集光点P2を移動させると共に、第2集光点P2の移動に伴って加工深さからシフトした第1集光点P1と加工深さとの差分を算出し、差分に応じた集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。
なお、集光位置変更パターンを含まない変調パターンが提示された状態の反射型空間光変調器203により変調された(或いは変調されていない)状態の第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12を基準とすると、集光位置変更パターンによって、第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12を拡大して、第1集光点P1の位置を加工対象物1の表面3からより深い位置に変更することもできるし、距離L12を縮小して第1集光点P1の位置をより浅い位置に変更することもできる。また、制御部250は、集光位置変更パターンと、収差補正のための収差補正パターンといった他のパターンと、を重畳して構成される変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させることにより、複数の機能を同時に実現することも可能である。
引き続いて、レーザ加工装置200におけるAF加工の詳細について説明する。図13は、AF加工の一連の工程を示すフローチャートである。図13に示されるように、ここでは、まず、AF加工を開始するに際して、反射型空間光変調器203の状態を初期状態に設定する(工程S11)。例えば、過去のAF加工の際の収差補正パターン等を含む変調パターンが反射型空間光変調器203に提示されている状態であれば、その変調パターンの提示を停止し、反射型空間光変調器203に変調パターンが提示されていない状態とする。
続いて、制御部250が、ストリート幅W11と加工深さを取得する(工程S12)。図14の(a)に示されるように、ここでは、加工対象物1の入射面である表面3に上記のデバイス層10が形成されており、そのデバイス部11の互いに対向するエッジ間の間隔としてストリート幅W11を取得する。また、ここでは、加工対象物1に対して、その深さ方向(表面3に交差する方向であってZ軸方向)の2つの異なる位置にそれぞれ改質領域7を形成する。このため、加工対象物1に対して、2つの加工予定位置M1,M2が設定されている。加工予定位置M1は、加工予定位置M2よりも表面3から遠い(深い)位置であって、加工予定位置M2よりも先に(最初に)加工が行われる位置である。ここでは、最も表面3から遠い加工予定位置M1の表面3からの距離である加工深さD1を取得する。
続いて、図13に示されるように、制御部250が、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉するか否かを判定する(工程S13)。ここでは、図14の(b)に示されるように、レーザ光Lの第1集光点P1を加工深さD1に配置すると共に、ストリートST内の表面3にAF用レーザ光LB1のスポットを配置した初期状態において、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉するか否かを判定する。
続いて、図13に示されるように、工程S13の判定の結果、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉する場合(工程S13:YES)、制御部250が、第2集光点P2の位置を調整する(工程S14)。ここでは、図15の(a)に示されるように、第1集光点P1と第2集光点P2との距離を距離L12に維持したまま(すなわち、集光位置変更パターンを含む変調パターンを提示せずに)、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しないように第2集光点P2を移動させる。例えば、図14の(b)及び図15の(a)の例では、AF用レーザ光LB1は、第2集光点P2が加工対象物1の外部において表面3から離間した状態において、第2集光点P2から拡がりながらデバイス部11に干渉している。したがって、ここでは、第2集光点P2を表面3に近づけて表面3におけるAF用レーザ光LB1のスポットを縮小するように、第2集光点P2の位置を調整する。これに伴い、第1集光点P1も加工予定位置M1から表面3と反対側にシフトする。
続いて、図13及び図15の(a)に示されるように、制御部250が、加工予定位置M1からシフトした第1集光点P1と加工予定位置M1の加工深さD1との差分(シフト量)ΔLを算出する(工程S15)。
続いて、制御部250が、工程S15において算出した差分ΔLに応じた集光位置変更パターンと、加工深さD1に応じた収差補正のための収差補正パターンと、を重畳して構成される変調パターンを、反射型空間光変調器203に提示させる(工程S16)。ここでは、第1集光点P1を差分ΔLだけ表面3側に移動させるように、集光位置変更パターンを設定する。第2集光点P2の位置は一定に維持される。これにより、第1集光点P1と第2集光点P2との距離L12が変更されて距離L12aとされる。ここでは、距離L12aは、差分ΔLの分だけ距離L12よりも小さくなる。これにより、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しないように、且つ、第1集光点P1が加工予定位置M1に一致するようにされる。
続いて、図13及び図16に示されるように、制御部250は、レーザ光Lによる加工を実施する(工程S17)。ここでは、切断予定ライン5に沿って、第1集光点P1及び第2集光点P2を加工対象物1に対して相対移動させることにより、AF用レーザ光LB1による表面3の変位の測定、測定された変位に応じた第1集光点P1の位置調整、及び、レーザ光Lの照射による改質領域7の形成が行われる。ここでは、レーザ光Lは、加工予定位置M1においてY軸方向に沿ってスキャンされる。これにより、加工予定位置M1において、Y軸方向に沿って延びる1列の改質領域7が形成される。なお、このとき、切断予定ライン5に沿った表面3の変位が取得され、保持される。
続いて、制御部250が、AF用レーザ光LB1をオフとする(工程S18)。これは、後の加工予定位置M2でのAF加工の際に、工程S17において取得されて保持された表面3の変位情報を再生することによりAF加工が可能であるためである。続いて、制御部250が、レーザ光Lの第1集光点P1を、加工深さD2の加工予定位置M2に位置させた状態において、加工深さD2に応じた収差補正のための収差補正パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる(工程S19)。そして、図13及び図17に示されるように、加工予定位置M1での加工と同様にして、加工予定位置M2でのAF加工を実施する(工程S20)。これにより、加工対象物1に対して、複数列の改質領域7が形成される。
一方、図13に示されるように、工程S13の判定の結果、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しない場合(工程S13:NO)、制御部250が、加工深さD1に応じた収差補正のための収差補正パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる(工程S21)。その後は、工程S17に移行する。
以上説明したように、レーザ加工装置200においては、集光光学系204が、レーザ光源202から出力されたレーザ光Lと、AF用光源212aから出力されたAF用レーザ光LB1とを加工対象物1に向けて集光する。これにより、レーザ光Lの集光点Pとしての第1集光点P1が形成されると共に、AF用レーザ光LB1の第2集光点P2が形成される。また、変位検出部212bが、AF用レーザ光LB1の表面3での反射光LB2に基づいて、表面3の変位を測定する。さらに、駆動ユニット232が、その測定結果に応じて、表面3に交差(直交)する方向(例えばZ軸方向)についての第1集光点P1の位置を調整する。すなわち、レーザ加工装置200においては、AF加工を行うことができる。
ここで、レーザ加工装置200においては、レーザ光源202と集光光学系204との間においてレーザ光Lを変調する反射型空間光変調器203が用いられる。反射型空間光変調器203は、制御部250の制御のもとで、第1集光点P1と第2集光点P2との間の距離、及び、所望の加工深さに基づいて、表面3に交差する方向における第1集光点P1の位置を変更するための集光位置変更パターンを含む変調パターンを提示する。これにより、加工用のレーザ光Lの第1集光点P1を、AF用レーザ光LB1の第2集光点P2に対して独立して変更することができる。このように、レーザ加工装置200によれば、レンズ群の機械的な移動といった複雑な構成を要せず、簡単な構成により、AF加工が可能な範囲を拡大できる。
また、ここでは、加工対象物1の表面3には、表面3に沿って互いに離間するように配列された複数のデバイス部11が形成されており、切断予定ライン5は、互いに隣り合うデバイス部11の間(ストリートST)を通るように設定される。そして、レーザ加工装置200においては、制御部250が、第1集光点P1を加工深さD1に配置すると共にストリートSTの表面3にAF用レーザ光LB1のスポットを配置した初期状態においてAF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉する場合に、集光位置変更パターンを含む変調パターンを空間光変調器に提示させる。このため、AF用レーザ光LB1のがデバイス部11に干渉しないようにしつつ、レーザ光Lの第1集光点P1の位置を所望の加工深さD1に調整し、高精度なAF加工を行うことが可能となる。
このとき、レーザ加工装置200においては、制御部が、初期状態においてAF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉する場合に、AF用レーザ光LB1がデバイス部11に干渉しないように第2集光点P2を移動させると共に、第2集光点P2の移動に伴ってシフトした第1集光点P1と加工深さD1との差分ΔLを算出し、差分ΔLに応じた集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。
さらに、レーザ加工装置200においては、制御部250は、レーザ光Lの収差補正のための収差補正パターンと集光位置変更パターンとを重畳して構成される変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させる。このように、レーザ光Lの第1集光点P1の位置の変更に反射型空間光変調器203を用いれば、収差補正と同時に当該位置の変更を行うことが可能となり、より簡単な構成によりAF加工が可能な範囲を拡大可能となる。
以上の実施形態は、本発明に係るレーザ加工装置の一実施形態について説明したものである。したがって、本発明に係るレーザ加工装置は、上記のレーザ加工装置200に限定されない。本発明に係るレーザ加工装置は、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上記のレーザ加工装置200を任意に変更したものとすることができる。
例えば、レーザ加工装置200においては、制御部250は、上述したAF加工における変調パターン及び反射型空間光変調器203の制御以外にも、次の制御を行うことができる。
図18は、変形例に係る制御を説明するための模式的な断面図である。図18に示されるように、加工対象物1におけるレーザ光L及びAF用レーザ光LB1の入射面である表面3が荒れている場合がある。表面3の荒れが一定以上である場合には、表面3に配置されるAF用レーザ光LB1のスポットSPが小さいと、その荒れの影響により測定誤差が大きくなる傾向にある。なお、荒れのパターンの幾何学的サイズが測定用レーザ光のスポットサイズの概ね1/2倍以上であることを意味する。
そこで、レーザ加工装置200においては、制御部250が、表面3の荒れが一定以上である場合に、集光位置変更パターンを含む変調パターンを反射型空間光変調器203に提示させることにより、第1集光点P1を加工深さD1に維持しつつ表面3におけるAF用レーザ光LB1のスポットSPのサイズを拡大するように距離L12を拡大又は縮小(ここでは距離L12bに拡大)させる。これにより、表面3の荒れが一定以上である場合であっても、高精度なAF加工を行うことが可能となる。
なお、上記の実施形態においては、加工対象物1の内部に、加工対象物1の切断に用いられる改質領域7を形成するレーザ加工を例示した。しかしながら、レーザ加工装置200のレーザ加工はこれに限定されない。
1…加工対象物、3…表面(入射面)、5…切断予定ライン(加工予定ライン)、11…デバイス部、200…レーザ加工装置、202…レーザ光源、203…反射型空間光変調器(空間光変調器)、204…集光光学系(集光ユニット)、212a…AF用光源(測定光源)、212b…変位検出部(測定部)、250…制御部、L…レーザ光、LB1…AF用レーザ光(測定光)、LB2…反射光。

Claims (5)

  1. 加工予定ラインに沿って加工対象物にレーザ光を照射することにより、前記加工予定ラインに沿って前記加工対象物のレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、
    前記レーザ光を出力するレーザ光源と、
    測定光を出力する測定光源と、
    前記レーザ光を前記加工対象物に向けて集光して第1集光点を形成すると共に、前記測定光を前記加工対象物に向けて集光して第2集光点を形成する集光ユニットと、
    前記加工対象物における前記レーザ光及び前記測定光の入射面での前記測定光の反射光に応じて前記入射面の変位を測定するための測定部と、
    前記入射面の変位の測定結果に応じて、前記入射面に交差する方向についての前記第1集光点の位置を調整する調整部と、
    前記レーザ光源と前記集光ユニットとの間において、変調パターンに応じて前記レーザ光を変調するための空間光変調器と、
    前記空間光変調器に提示する前記変調パターンを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1集光点と前記第2集光点との間の距離、及び、前記入射面からの前記レーザ加工の加工深さに応じて、前記入射面に交差する方向についての前記第1集光点の位置を変更するための集光位置変更パターンを含む前記変調パターンを前記空間光変調器に提示させる、
    レーザ加工装置。
  2. 前記加工対象物の前記入射面には、前記入射面に沿って互いに離間するように配列された複数のデバイス部が形成されており、
    前記加工予定ラインは、互いに隣り合う前記デバイス部の間を通るように設定され、
    前記制御部は、前記第1集光点を前記加工深さに配置すると共に互いに隣り合う前記デバイス部の間の前記入射面に前記測定光のスポットを配置した初期状態において前記測定光が前記デバイス部に干渉する場合に、前記集光位置変更パターンを含む前記変調パターンを前記空間光変調器に提示させる、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記制御部は、前記初期状態において前記測定光が前記デバイス部に干渉する場合に、前記測定光が前記デバイス部に干渉しないように前記第2集光点を移動させると共に、前記第2集光点の移動に伴ってシフトした前記第1集光点と前記加工深さとの差分を算出し、前記差分に応じた前記集光位置変更パターンを含む前記変調パターンを前記空間光変調器に提示させる、
    請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記制御部は、前記入射面の荒れが一定以上である場合に、前記集光位置変更パターンを含む前記変調パターンを前記空間光変調器に提示させることにより、前記第1集光点を前記加工深さに維持しつつ前記入射面における前記測定光のスポットサイズを拡大するように前記距離を拡大又は縮小させる、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記制御部は、前記レーザ光の収差補正のための収差補正パターンと前記集光位置変更パターンとを重畳して構成される前記変調パターンを前記空間光変調器に提示させる、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
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