JP7087853B2 - 洗浄剤及び洗浄方法 - Google Patents
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Description
(項目1)一般式(1):R-O-CH2-CHX-O-H
(式中、Xが水素原子を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表し、
Xがメチル基を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表す。)
で表されるグリコールエーテル(1)を35~70質量%
一般式(2-1):R1R2N-(CH2)n-NR3R4
(式中、R1~R4はそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であり、nは1~6の整数である)
又は
一般式(2-2)
で表されるアミン(2)を0.1~10質量%
及び
水(3)を20~54.9質量%含む、洗浄剤。
(項目2)ジアルキレングリコールジアルキルエーテル(4)を0.1~20質量%含む、上記項目に記載の洗浄剤。
(項目3)非共沸性である、上記項目のいずれか1項に記載の洗浄剤。
(項目4)前記グリコールエーテル(1)、前記アミン(2)及び前記水(3)からなるか、又は前記グリコールエーテル(1)、前記アミン(2)、前記水(3)、及び前記ジアルキレングリコールジアルキルエーテル(4)からなる上記項目のいずれか1項に記載の洗浄剤。
(項目5)フラックス洗浄液用である、上記項目のいずれか1項に記載の洗浄剤。
(項目6)上記項目のいずれか1項に記載の洗浄剤を物品に付着している汚染物質と接触させる工程を含む、洗浄方法。
(項目7)前記汚染物質がはんだ付け用フラックス、ソルダペースト、及び工業油からなる群の少なくとも1つを含む、上記項目に記載の洗浄方法。
本開示は、一般式(1):R-O-CH2-CHX-O-H
(式中、Xが水素原子を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表し、
Xがメチル基を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表す。)
で表されるグリコールエーテル(1)を45~70質量%
一般式(2-1):R1R2N-(CH2)n-NR3R4
(式中、R1~R4はそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であり、nは1~6の整数である)
又は
一般式(2-2)
で表されるアミン(2)を0.1~10質量%
及び
水(3)を20~54.9質量%含む、洗浄剤を提供する。
グリコールエーテルは各種公知のものを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。グリコールエーテルは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-s-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-s-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル等が例示される。
上記一般式(2-1)で表わされるアミンは、ジアミノメタン、ジアミノエタン(エチレンアミン)、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン等が例示される。上記一般式(2-1)で表わされるアミンは、各種公知のものを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
水は、超純水、純水、蒸留水、イオン交換水、水道水等が例示される。上記水は軟水であっても硬水であってもよい。
1つの実施形態において、上記洗浄剤は、ジアルキレングリコールジアルキルエーテルを含む。ジアルキレングリコールジアルキルエーテルは、各種公知のものを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
1つの実施形態において、上記洗浄剤は、上記(1)~(4)のいずれでもない剤を添加剤として含み得る。添加剤は、界面活性剤、表面張力低下剤(エチレングリコールモノヘキシルエーテル等)、スケール防止剤やキレート剤(グルコン酸ソーダ等)、防錆剤(炭酸アンモニウム等)、酸中和剤(テトラアルキルアンモニウムハイドライド、アンモニア等)、アルカリ中和剤(酢酸、ギ酸、塩酸等)、酸化還元剤(過酸化水素等)、酸化防止剤(ブチルヒドロトルエン等)等が例示される。
上記洗浄剤における上記グリコールエーテル(1)と上記アミン(2)との質量比の上限[(1)/(2)]は、700、600、500、400、300、200、100、90、75、50、25、10、9、5、4.5、4等が例示され、下限は、600、500、400、300、200、100、90、75、50、25、10、9、5、4.5、4、3.5等が例示される。1つの実施形態において、上記洗浄剤における上記グリコールエーテル(1)と上記アミン(2)との質量比[(1)/(2)]は、3.5~700が好ましい。
1つの実施形態において、上記洗浄剤は曇点を有さない。従来の洗浄剤は曇点を有するものが洗浄性に優れていることが知られていた。本発明者らは、鋭意検討した結果、驚くべきことに、曇点を有していない洗浄剤であったとしても洗浄性やリンス性に優れていることを見出したものである。
本開示は、上記洗浄剤を物品に付着している汚染物質と接触させる工程を含む、洗浄方法を提供する。
1つの実施形態において、上記汚染物質は、はんだ付け用フラックス、ソルダペースト、及び工業油からなる群の少なくとも1つを含む。しかし上記汚染物質は、これらに限定されるものではない。
本開示において、「はんだ付け用フラックス」は、はんだ及び母材(金属電極等)表面の酸化皮膜を除去し、両者の接合を容易にするために用いられる組成物である。一般的には、ベース樹脂、活性剤及び有機溶剤を含み、必要に応じてチキソトロピック剤、酸化防止剤、その他の添加剤が含まれていてもよい。また、はんだ付け用フラックスは、その組成により、ソルダペースト用フラックス、並びに糸はんだ用フラックス、ポストフラックス及びプレフラックス等の非ソルダペースト用フラックスに分類される。
重合ロジン、不飽和酸変性ロジン、ロジンエステル、水素化不飽和酸変性ロジン等が例示される。上記重合ロジン、上記不飽和酸変性ロジン、及び上記ロジンエステルは、上記天然ロジン、又は上記天然ロジンの水素化物若しくは不均化物等を用いて製造され得る。上記ロジンエステルを構成する多価アルコールは、グリセリン、ペンタエリスリトール等が例示される。上記不飽和酸変性ロジンを構成する不飽和酸は、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が例示される。非ロジン系ベース樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、ナイロンゴム、ナイロン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ等が例示される。
本開示において「ソルダペースト」は、はんだ付け用フラックス及びはんだ粉末の混合物である。はんだ粉末は、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Sb系、Sn-Zn系の鉛フリーはんだ粉末、更に鉛を構成成分とする鉛含有はんだ粉末が例示される。また、これらはんだ金属は、Ag、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種又は2種以上の元素がドープされたものであってよい。ソルダペーストは、スクリーン印刷によりメタルマスクを介して電極上に供給され、その上に電子部品が載置された後に、加熱下ではんだ付けが行われる。
工業油は、加工油、切削油、鉱物油、機械油グリース、潤滑油、防錆油、ワックス、ピッチ、パラフィン、油脂、グリース等が例示される。これらは機械加工、金属加工等の分野において、材料と工具間の摩擦を低減して焼き付きを防止したり、加工に要する力を低減して形成し易くしたり、製品の錆や腐食を防止したりするために使用される。また、メッキ処理が予定されている部品に工業用油が残存しているとメッキ不良が生じ得るため、そうした部品の洗浄に本実施形態に係る洗浄剤は特に適している。
以下に示す手順により洗浄剤を調製した。
100mLのビーカーに、(1)成分としてエチレングリコールモノプロピルエーテルを55.0g、(2)成分としてテトラメチル-1,3-ジアミノプロパンを2.0g、及び水としてイオン交換水(以下、単に水という。)を43.0g入れ、よく混合することにより、洗浄剤を調製した。
以下に示す手順により基材Aを試験基材(被洗浄物品)として作製した。
ロジン系ポストフラックス(商品名「パインフラックスWHS-003C」、荒川化学工業(株)製)をパレットテストピース(27×20×5mm)の上に0.3g均一に塗布し、260℃に加熱したホットプレート上で2分間処理する事で得られた試験片を基材Aとした。
100mLビーカーに各製造例/比較製造例の洗浄剤100gを入れ、前記試験基材を浸漬し、300rpm浸漬撹拌で15分間洗浄後、該基材を取り出し、N2ブローで任意時間乾燥させた。
ポストフラックスの洗浄性は、洗浄前後の試験基材の外観の変化を目視にて判定した。尚、洗浄性の判定基準は下記の通りである。
◎: フラックスが残存しておらず、基材も白濁もしない
○:フラックスが残存していないが、基材が白濁した
×:フラックスが残存している
以下に示す手順により基材Bを試験基材(被洗浄物品)として作製した。
市販の鉛フリーソルダペースト(M705-GRN360-K2-V、千住金属工業(株)製)をメタルマスク(40×45mm)の開口部に塗布する事で得られた試験片を基材Bとした。
300mLビーカーに各製造例/比較製造例の洗浄剤100gを入れ、前記試験基材を浸漬し、45kHzの超音波を3分間照射させた後、該基材を取り出し、N2ブローで任意時間乾燥させた。
メタルマスクの洗浄性は、マスク開口部(275×2507μm、48箇所)のうちはんだボールが付着した長さを顕微鏡(KEYENCE製、VHX-6000)下で測定、開口部の総延長(267072μm)と比較し、残留率を算出することで判定した。尚、洗浄性の判定基準は下記の通りである。
◎:残留率0.05%未満
○:残留率0.05%以上0.10%未満
×:残留率0.10%以上
製造例及び比較製造例で製造した洗浄剤にロジン(ロンヂスR:KE-604=1:1)を3%溶解し、液の濁りを観察した。
ロンヂスR:不均化ロジン(荒川化学工業(株)製)
KE-604:アクリル化ロジンの水素化物(荒川化学工業(株)製)
液寿命の判定基準は下記の通りである。
○:ロジン溶解後に液の濁りが見られない
×:ロジン溶解後に液の濁りが見られる
Claims (7)
- 一般式(1):R-O-CH2-CHX-O-H
(式中、Xが水素原子を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表し、
Xがメチル基を表すとき、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基からなる群から選択される基を表す。)
で表されるグリコールエーテル(1)を50質量%超70質量%以下
一般式(2-1):R1R2N-(CH2)n-NR3R4
(式中、R1~R4はそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であり、nは1~6の整数である)
又は
一般式(2-2)
で表されるアミン(2)を0.1~10質量%
及び
水(3)を20~54.9質量%含み、曇点を有さず、
グリコールエーテルの種類は2種以下である、洗浄剤。 - ジアルキレングリコールジアルキルエーテル(4)を0.1~20質量%含む、請求項1に記載の洗浄剤。
- 非共沸性である、請求項1又は2に記載の洗浄剤。
- 前記グリコールエーテル(1)、前記アミン(2)及び前記水(3)からなるか、又は前記グリコールエーテル(1)、前記アミン(2)、前記水(3)、及び前記ジアルキレングリコールジアルキルエーテル(4)からなる請求項1又は2に記載の洗浄剤。
- フラックス洗浄液用である、請求項1又は2に記載の洗浄剤。
- 請求項1又は2に記載の洗浄剤を物品に付着している汚染物質と接触させる工程を含む、洗浄方法。
- 前記汚染物質がはんだ付け用フラックス、ソルダペースト、及び工業油からなる群の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の洗浄方法。
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