以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1~図19を参照して、本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置(シート後処理装置)30、及び用紙後処理装置30が連結される画像形成装置10から構成される画像形成システムについて説明する。なお、本実施形態においては画像形成装置10の一例として複合機を例示しているが、本発明の用紙後処理装置30は、デジタル複合機以外の、例えばレーザープリンターやインクジェットプリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも同様に連結可能である。
図1に示すように、画像形成装置10は、用紙後処理装置30と連結されて用いられる。画像形成装置10は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データや、画像形成装置10の上部に配置された画像読取部11によって読み取られた画像データに基づいて、用紙(シート)に画像を印刷する。図2に示すように、画像形成装置10は、用紙を給紙する給紙部15と、用紙上にトナー画像を形成する画像形成部18と、用紙上のトナー画像を定着するための定着部19と、定着後の用紙を搬送して排紙部21および用紙後処理装置30にそれぞれ排出する排出ローラー対23および24と、本体制御部100と、を備える。なお、本体制御部100は、画像形成装置10の動作を制御するとともに、用紙後処理装置30の後述する後処理制御部101との間で通信可能に構成されており後処理制御部101を制御する。
用紙後処理装置30は、画像形成装置10から搬送された用紙に対してパンチ穴形成処理や綴じ処理、折り処理などの後処理を行う。なお、用紙後処理装置30は、画像形成装置10から自動搬送された用紙に後処理を行うものに限られず、ユーザーによって不図示のトレイにセットされた用紙を自ら後処理可能な位置まで搬送して、当該用紙に後処理を行うものであってもかまわない。
図3に示すように、用紙後処理装置30は、用紙に対して所定の穿孔処理を施すパンチ穴形成装置33と、複数枚の用紙をスタックしてステープルで綴じるステープルユニット35と、用紙に折り処理を施す用紙折りユニット(折りユニット)60と、を備えている。パンチ穴形成装置33およびステープルユニット35は、後処理装置本体31に設けられている。
また、用紙後処理装置30は、画像形成装置10の排出部7(図2参照)から排出された用紙が搬入される用紙搬入口36と、メイン排出口37から排出された用紙を受けるメイン排出トレイ38と、サブ排出口39から排出された用紙を受けるサブ排出トレイ40と、用紙を所定の搬送路に一時的に退避させる退避ドラム41と、用紙後処理装置30を統括的に制御する後処理制御部101と、各種の切り換え部材および各種ローラー等と、を備える。
用紙搬入口36とメイン排出口37とは、第1搬送路42によって連通している。第1搬送路42に分岐接続された第2搬送路43は、サブ排出口39に接続されている。また、第1搬送路42に分岐接続された第3搬送路44は、用紙折りユニット60に接続されている。また、第3搬送路44に分岐接続された第4搬送路45は、退避ドラム41の周りに沿って湾曲し、第1搬送路42に合流している。
用紙搬入口36から搬入された用紙は、レジストローラー対46により下流側に送り出される。第1搬送路42の下流端には、用紙をメイン排出トレイ38へ送り出すメイン排出ローラー対47が設けられている。用紙をステープルユニット35に送り出す際には、メイン排出ローラー対47は、離間してニップを解除するように構成されている。メイン排出トレイ38は、主にステープルユニット35により綴じ処理が行われた用紙束を受ける。なお、後処理が施されない、または穿孔処理だけが施された用紙を、メイン排出トレイ38で受けるようにしてもよい。
第2搬送路43の下流端には、用紙をサブ排出トレイ40へ送り出すサブ排出ローラー対48が設けられている。サブ排出トレイ40は、主に後処理装置30で後処理が施されずに排出される用紙や、穿孔処理だけ施された用紙を受ける。
パンチ穴形成装置33は、用紙搬入口36とレジストローラー対46との間で、第1搬送路42に対して上方に対向配置されている。パンチ穴形成装置33は、第1搬送路42を搬送される用紙に対して所定のタイミングで穿孔処理を行う。
ステープルユニット35は、第1搬送路42の下流側、かつ下方に配置されている。ステープルユニット35は、複数枚の用紙をスタックして用紙束を形成するスタック処理を行うとともにスタックされた用紙束をステープルで綴じる綴じ処理を行う。
退避ドラム41は、複数部の用紙束に連続して綴じ処理を施す場合に、先の用紙束に対して綴じ処理が行われているときに次の用紙束となる1枚目の用紙を退避ドラム41の外周面で一旦退避させた後、2枚目の用紙と重ね合せた状態でステープルユニット35に搬送するためのものである。
次に、用紙後処理装置30の用紙折りユニット60について説明する。以下の説明においては、便宜上、「用紙S」には、1枚の用紙Sの他に、複数枚の用紙Sの束を含むものとする。
図4に示すように、用紙折りユニット60は、用紙後処理装置30の下部で、第3搬送路44の下流側に設けられている。用紙折りユニット60は、例えば、ユーザーにより折り処理が選択されたときに、用紙Sに対し、2つ折り又は3つ折りの折り処理を行う。
用紙折りユニット60は、第3搬送路44の下流端に繋がる用紙搬入路61と、用紙搬入路61から搬入された用紙Sを積載する上流側用紙積載部63aおよび下流側用紙積載部63bからなる用紙トレイ(シートトレイ)63と、用紙トレイ63に載置された用紙Sの位置を整合する整合部材65と、を備えている。
また、用紙折りユニット60は、用紙Sを2つ折りにする第1の折り処理を施す第1折り装置70と、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sが進入可能な待機路81と、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sを3つ折りにする第2の折り処理を施す第2折り装置90と、を備えている。
さらに、用紙折りユニット60は、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sの搬送先を換える搬送先切換え部材83と、下部排出口(シート排出口)85から排出された用紙Sを受ける下部排出トレイ(排出トレイ)121と、を備えている。なお、下部排出トレイ121を有するトレイユニット110の詳細構造については後述する。
用紙搬入路61は、第3搬送路44を搬送されてきた用紙Sを、用紙折りユニット60に搬入するための搬入路である。用紙搬入路61は、用紙Sを案内する搬入ガイド611によって構成されており、搬入ガイド611の下流端には、用紙Sを用紙折りユニット60内に送り出す搬入ローラー対612が設けられている。
上流側用紙積載部63aおよび下流側用紙積載部63bは、例えば、板状の部材で構成され、用紙折りユニット60の内部の右上から左下に斜めに一直線上に設けられている。具体的には、上流側用紙積載部63aは、後述する押出機構71よりも、用紙搬送方向上流側に配設されている。一方、下流側用紙積載部63bは、上流側用紙積載部63aから離間して、押出機構71よりも用紙搬送方向下流側に配設されている。なお、上流側用紙積載部63aの上方には、第1折り装置70において折り処理を行う用紙束に対して、綴じ処理を行うステープル装置67が配設されている。
整合部材65は、上流側用紙積載部63aおよび下流側用紙積載部63bに載置された用紙Sの先端と後端とを揃える(整合を行う)上移動部材651および下移動部材652と、用紙Sの用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(シート幅方向)の側端を揃える(整合を行う)幅合せ部材653aおよび653bと、を有している。
上移動部材651は、上流側用紙積載部63aの下方に配設された上流側駆動プーリー654aおよび上流側従動プーリー654bに掛け渡された上流側ベルト655に取り付けられている。下移動部材652は、下流側用紙積載部63bの下方に配設された下流側駆動プーリー656aおよび下流側従動プーリー656bに掛け渡された下流側ベルト657に取り付けられている。下移動部材652は、用紙Sの先端を受け止める。上移動部材651および下移動部材652を用紙Sのサイズ(用紙搬送方向の長さ)に合わせて移動させることで、上流側用紙積載部63aおよび下流側用紙積載部63bに載置された用紙Sの位置は、用紙搬送方向(すなわち、用紙Sの長さ方向)に整合される。
幅合せ部材653aは、上流側用紙積載部63aの上に用紙幅方向(図4の紙面に対して垂直方向)に間隔をおいて一対設けられている。幅合せ部材653bは、下流側用紙積載部63bの上に用紙幅方向に間隔をおいて一対設けられている。一対の幅合せ部材653aは、ラックアンドピニオン機構(図示せず)によって、用紙Sのサイズ(用紙幅方向の長さ)に合わせて移動するようになっている。また、一対の幅合せ部材653bは、ラックアンドピニオン機構(図示せず)によって、用紙Sのサイズ(用紙幅方向の長さ)に合わせて移動するようになっている。これにより、幅合せ部材653aおよび653bは、用紙Sの幅合わせおよび斜行補正を行う。
なお、整合部材65による用紙Sの整合は、用紙トレイ63上に1枚ずつ用紙Sが積載される度に行われる。そして、用紙Sは所定枚数に達すると、整合部材65によって整合された後、綴じ処理位置または折り処理位置に移動される。
第1折り装置70は、用紙Sを押し出す押出機構71と、押出機構71により押し出された用紙Sに折り処理を施す第1折りローラー対75と、を有している。
押出機構71は、上流側用紙積載部63aと下流側用紙積載部63bとの間で、第1折りローラー対75の下方に配設されている。押出機構71は、用紙Sの下面に当接する板金製の折りブレード72を有している。また、押出機構71は、折りブレード72を、用紙Sの下面に対して垂直に移動させるモーターおよび動力伝達機構(いずれも図示せず)を有している。折りブレード72は、用紙Sを押し出して第1折りローラー対75の後述する第1ニップ部N1に送り込む。
図5に示すように、第1折りローラー対75は、第1ローラー76と、第1ローラー76よりも用紙搬送方向下流側に位置する第2ローラー77と、から構成されている。第1ローラー76および第2ローラー77は、動力伝達機構を介してモーター(いずれも図示せず)により回転駆動される。
第1ローラー76と第2ローラー77との間には、押出機構71の折りブレード72(図4参照)により用紙Sが送り込まれる第1ニップ部N1が形成されている。用紙Sが第1ニップ部N1に挟まれて通過することで、用紙Sに第1の折り目が形成される。
第1折りローラー対75の第1ニップ部N1の下流側には、下部排出口85(図4参照)に繋がる第1排出搬送路88が設けられている。第1排出搬送路88の下流端には、排出ローラー対86が設けられている。第1排出搬送路88は、第1の折り処理が施された用紙Sを、第2の折り処理を施さずに下部排出口85まで搬送する搬送路である。
待機路81は、第1排出搬送路88に対して分岐接続されている。搬送先切換え部材83は、待機路81と第1排出搬送路88との分岐部に設けられており、回動することによって、第1の折り処理が施された用紙Sの搬送先を、第1排出搬送路88と待機路81との間で切り換える。
待機路81は、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sを進入させて撓ませながら待避させるために設けられている。待機路81は、搬送先切換え部材83を挟んで、第1ローラー76の反対側に配設されている。待機路81は、第2ローラー77の周面に沿う方向に湾曲している。
待機路81は、用紙折りユニット60による折り処理が実施可能な最大枚数の用紙Sの厚みに対応して形成されている。例えば、1枚から5枚までの用紙Sに対して折り処理を実施可能な場合、5枚の用紙Sを折り畳んだとき(第1の折り処理を施したとき)の厚み(10枚分の厚み)の用紙Sが進入可能な間隙を有するように、待機路81が構成されている。
待機路81の下流端には、突き当て部81aが設けられている。突き当て部81aには、待機路81に進入(待避)した用紙Sの第1の折り目が突き当たる。
第2折り装置90は、第1の折り処理が施され突き当て部81aに突き当たった状態の用紙Sに対して第2の折り処理を施す。
具体的には、第2折り装置90は、第1の折り処理が施された用紙Sに第2の折り処理を施す第2折りローラー対91を有している。第2折りローラー対91は、上記した第1ローラー76と、第1ローラー76の上方に位置する第3ローラー92と、から構成されている。なお、第1ローラー76は、第1折りローラー対75と第2折りローラー対91とに用いられる共通ローラーである。第3ローラー92は、動力伝達機構を介してモーター(いずれも図示せず)により回転駆動される。
第1ローラー76と第3ローラー92との間には、第2ニップ部N2が形成されている。図6に示すように、第1の折り処理が施された用紙Sの先端が突き当て部81aに当接した状態で第1折りローラー対75による用紙搬送が継続されることにより、用紙Sに撓み部S1が生じ、その撓み部S1が第2折りローラー対91の第2ニップ部N2に挟まれて通過することによって、用紙Sに第2の折り目が形成される。
図5に示すように、第2折りローラー対91の第2ニップ部N2の下流側には、第1排出搬送路88に合流する第2排出搬送路89が設けられている。第2排出搬送路89は、第2の折り処理が施された用紙Sを、第1排出搬送路88を介して下部排出口85まで搬送する搬送路である。
次に、図4~図7を参照して、用紙折りユニット60による用紙Sの折り処理(動作)について説明する。なお、用紙Sの折り処理は、用紙後処理装置30が備える後処理制御部101(図3参照)により実行される。
まず、2つ折りの折り処理について説明する。2つ折りの折り処理は、画像形成装置10の操作パネル12(図2参照)を用いてユーザーにより2つ折りモードが選択された場合に行われる。搬送先切換え部材83は、図5の実線で示す位置に回動し、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sの搬送先を第1排出搬送路88に向けている。
用紙搬入路61から搬入された用紙Sは、上流側用紙積載部63aおよび下流側用紙積載部63bの上に載置され、整合部材65により整合される。そして、整合部材65は、用紙Sの折り位置(用紙搬送方向の中央部)が折りブレード72の先端に対向するように、用紙Sを所定位置に配置する。次に、押出機構71の折りブレード72が突き出され、用紙Sを上方(用紙Sに対して垂直な方向)に押し出す。このとき、折りブレード72は、用紙Sの折り位置に当接する。折りブレード72により押し出された用紙Sは、撓んだ状態で第1折りローラー対75の第1ニップ部N1に進入する。第1ニップ部N1を通過した用紙Sには、第1の折り目が形成される。第1の折り目が形成された用紙Sは、第1排出搬送路88を通って、後述する折り装置本体161の一側面161aに設けられた下部排出口85から下部排出トレイ121に排出される(図7参照)。なお、押出機構71は、折りブレード72を元の待機位置まで戻す。以降、同様に連続して、折り処理が行われる。
次に、3つ折りの折り処理について説明する。3つ折りの折り処理は、画像形成装置10の操作パネル12(図2参照)を用いてユーザーにより3つ折りモードが選択された場合に行われる。第1折り装置70により用紙Sに第1の折り処理が施されるまでの過程は、用紙Sの折り位置を用紙Sの先端から用紙長さの約1/3の位置にすること以外は上記の2つ折りの折り処理と同様であるため、その説明は省略する。搬送先切換え部材83は、図5の2点鎖線で示す位置に回動し、第1折り装置70により第1の折り処理が施された用紙Sの搬送先を待機路81に向けている。そのため、第1の折り処理が施された用紙Sは、待機路81に向かって搬送される。用紙Sは、待機路81に進入し、用紙Sの第1の折り目(先端)が、待機路81の突き当て部81aに突き当たる。
用紙Sの第1の折り目が突き当て部81aに突き当たった後も、第1折りローラー対75は回転駆動を続ける。そのため、用紙Sは図6に示すように、湾曲した待機路81の内面や搬送先切換え部材83等に当接しながら、第2折りローラー対91の第2ニップ部N2に向けて凸になるように撓んでいく。
用紙Sに生じた撓み部S1(用紙Sの後端から用紙長さの約1/3の位置)は、第2折りローラー対91の第2ニップ部N2に進入する。第2ニップ部N2を通過した用紙Sには、第2の折り目が形成される。第2の折り目が形成された用紙Sは、第3ローラー92の周面に巻き付きながら第2排出搬送路89を搬送され、排出ローラー対86により下部排出口85から下部排出トレイ121に排出される。
次に、トレイユニット110の詳細構造について説明する。なお、トレイユニット110、用紙トレイ63、用紙折りユニット60、下部排出口85、及びこれらを支持する折り装置本体161(図4参照)等によって、用紙後処理装置30の内部に配置される用紙折り装置160が構成されている。用紙折り装置160は、本発明の「シート折り装置」の一例である。
トレイユニット110は図4に示すように、折り装置本体161の一側面161a(画像形成装置100とは反対側の側面)の下部に設けられている。トレイユニット110は図4および図8に示すように、下部排出口85から排出された用紙Sが積載される下部排出トレイ121と、下部排出トレイ121の下方に配置される駆動機構収納部131と、駆動機構収納部131の下方に配置されるカバー部材141と、によって構成されている。駆動機構収納部131およびカバー部材141は、後処理装置本体31の外装面の一部を構成している。
駆動機構収納部131の内部には、排出モーター(駆動源)と、排出モーターの回転駆動力を後述する第1駆動プーリー125aおよび第2駆動プーリー127aに伝達するギア列と、からなる駆動機構132(図3参照)が収納されている。
下部排出トレイ121は、下部排出口85から排出された用紙Sが載置される載置面122aを有するトレイ部122と、トレイ部122の用紙排出方向の下流側端部に連設されるストッパー部123と、を有する。
トレイ部122の載置面122aには図9に示すように、用紙排出方向に沿って延びる開口部122bが用紙幅方向に所定の間隔を隔てて一対設けられている。なお、図9では、理解を容易にするために、サブ排出トレイ40の一部およびメイン排出トレイ38を省略している。図4に示すように、載置面122aの下方には、第1駆動プーリー125aと、第1従動プーリー125bと、第1駆動プーリー125aおよび第1従動プーリー125bに掛け渡された第1排出ベルト(搬送部材)126と、第2駆動プーリー127aと、第2従動プーリー127bと、第2駆動プーリー127aおよび第2従動プーリー127bに掛け渡された第2排出ベルト(搬送部材)128と、が配置されている。第1駆動プーリー125a、第1従動プーリー125b、第1排出ベルト126、第2駆動プーリー127a、第2従動プーリー127b、および第2排出ベルト128の各々は、下部排出トレイ121の用紙幅方向の中央部を挟んで一対設けられている。
第1排出ベルト126および第2排出ベルト128は、開口部122b(図9参照)を介して載置面122aよりも上方に突出している。第1駆動プーリー125aが回転することにより、第1排出ベルト126および第1従動プーリー125bが回転し、下部排出口85から排出された用紙Sが用紙排出方向の上流側から下流側に搬送される。また、第2駆動プーリー127aが回転することにより、第2排出ベルト128および第2従動プーリー127bが回転し、用紙Sが上流側から下流側にさらに搬送される。
また、図9に示すように、トレイ部122の載置面122aの下流端の用紙幅方向中央部には、開口部122cが設けられている。トレイ部122には、開口部122cを介して載置面122aよりも上方に突出するアクチュエーター129(図10も参照)が設けられている。アクチュエーター129は、用紙幅方向に延びる回動軸(図示せず)を中心に上下方向に回動するように構成されている。アクチュエーター129は、載置面122aよりも上方に突出する突出位置(図10の位置)と、載置面122aよりも上方に突出しない退避位置(図示せず)と、の間で回動可能である。
アクチュエーター129は図10に示すように、トレイ部122上に用紙Sが載置されていない状態では突出位置に配置される。その一方、アクチュエーター129は、下部排出口85からトレイ部122上に排出された用紙Sが第1排出ベルト126および第2排出ベルト128によって徐々に搬送され、図11に示すように先頭の用紙Sがアクチュエーター129(図10参照)に到達すると用紙Sにより押圧されて被押圧位置(図11の位置、突出位置と退避位置との間の位置)または退避位置(図示せず)まで回動する。トレイ部122内には、アクチュエーター129の被押圧位置を検知する検知センサー(図示せず)が設けられており、アクチュエーター129が被押圧位置に配置されると、検知信号が後処理制御部101(図3参照)に送信される。そして、トレイ部122が満杯になったことが操作パネル12(図1参照)等に表示され、用紙Sの排出動作が停止される。
ストッパー部123は、トレイ部122の下流側端部に連設される基端部123aを中心として先端部123bが上下方向に回動可能に構成されている。具体的には、基端部123aには用紙幅方向に延びる回動軸123cが設けられており、ストッパー部123は、回動軸123cを中心として回動する。なお、回動軸123cは、樹脂成型によりストッパー部123に一体で形成されているが、金属製の軸をストッパー部123に取り付けたものであってもよい。
また、ストッパー部123は、基端部123aから先端部123bに向かって用紙排出方向下流側の上方に傾斜する第1の位置(図10の位置)と、先端部123bが載置面122aの下方に退避する第2の位置(図12の位置)と、に選択配置される。ストッパー部123は、第2の位置に配置された状態で、基端部123aから先端部123bに向かって用紙排出方向上流側の下方に傾斜する。
ストッパー部123は、第1の位置に配置された状態(図10の状態)ではトレイ部122上の用紙Sの用紙排出方向下流側への移動を規制して、トレイ部122上の用紙Sが後続の用紙Sによって押し出されて落下するのを防止する。一方、ストッパー部123は、第2の位置に配置された状態(図12の状態)では用紙Sの移動を許容する。なお、ストッパー部123が第1の位置(図10の位置)に配置された状態では、アクチュエーター129の回動はストッパー部123の上面により規制され、アクチュエーター129は被押圧位置(図11の位置)までしか回動しない。その一方、ストッパー部123が第2の位置(図12の位置)に配置された状態では、アクチュエーター129の回動はストッパー部123により規制されないため、アクチュエーター129は退避位置(図示せず)まで回動可能となる。
通常、ストッパー部123は、第1の位置(図10の位置)に配置される。ストッパー部123が第1の位置に配置された状態において、トレイ部122上に排出された用紙Sが徐々に溜まり、図11に示すように先頭の用紙Sがアクチュエーター129(図10参照)に到達してアクチュエーター129を被押圧位置に回動させると、トレイ部122が満杯になったことが操作パネル12(図1参照)等に表示され、用紙Sの排出動作が停止される。ユーザーによって用紙Sが取り除かれると、アクチュエーター129は自重で回動して突出位置に戻り、用紙Sの排出動作が続行される。
また、例えば大量の用紙Sを出力する場合、ストッパー部123は第2の位置(図12の位置)に配置され、トレイ部122の下流端(図12の左端)の下方には用紙Sを受け入れる用紙ボックス(図示せず)が配置される。ストッパー部123が第2の位置に配置された状態において、トレイ部122上に排出された用紙Sが徐々に溜まり、先頭の用紙Sがアクチュエーター129に到達すると、アクチュエーター129は退避位置まで回動する。このとき、アクチュエーター129は検知センサー(図示せず)によって検知されない位置まで回動しているため、用紙Sの排出動作は停止されない。このため、トレイ部122上に排出された用紙Sは、後続の用紙Sによってトレイ部122の下流端から押し出され、用紙ボックス(図示せず)内に落下する。
図13に示すように、ストッパー部123の基端部123aの上面には、半円状の凹部からなる第1係合部123dが設けられている。ストッパー部123の先端部123bには、凸部からなる第2係合部123eが設けられている。第1係合部123dは、基端部123aの用紙幅方向の両端部に設けられており、第2係合部123eは、先端部123bの用紙幅方向の中央部に設けられている。なお、第1係合部123dおよび第2係合部123eは、樹脂成型によりストッパー部123に一体で形成されている。
図14および図15に示すように、トレイ部122の下流側端部(ここでは、後述する軸受穴124の上流側の部分)には、下方に向けて突出する凸部からなる第1被係合部122dが設けられている。第1被係合部122dは、トレイ部122の用紙幅方向の両端部に設けられている。第1被係合部122dは、第1係合部123dに係合してストッパー部123を第1の位置に保持する。なお、第1被係合部122dは、樹脂成型によりトレイ部122に一体で形成されている。
図10および図16に示すように、トレイユニット110のうちのトレイ部122よりも下方の部分には、開口縁部からなる第2被係合部110aが設けられている。第2被係合部110aは、トレイユニット110の用紙幅方向の中央部に設けられている。第2被係合部110aは、第2係合部123eに係合してストッパー部123を第2の位置に保持する。ここでは、第2被係合部110aは、トレイユニット110のうちの駆動機構収納部131とカバー部材141との接続部分に設けられている。なお、第2被係合部110aは、樹脂成型によりトレイユニット110の外装面に一体で形成されている。
図14および図15に示すように、トレイ部122の用紙幅方向の両側面の下流側端部には、ストッパー部123の回動軸123cが挿入される軸受穴124が形成されている。軸受穴124は、用紙排出方向に沿って水平方向に延びる第1スリット124aと、第1スリット124aの用紙排出方向の下流端から下方に延びる第2スリット124bと、第1スリット124aと第2スリット124bとを連結する接続部124cと、を有するL字状に形成されている。
また、図17に示すように、第1被係合部122dから軸受穴124の接続部124cまでの距離L1は、回動軸123cからストッパー部123の基端部123a側(上流側)の端面の上端までの距離L2よりも大きくなっている。このため、回動軸123cを接続部124cに配置した状態では、ストッパー部123を回動させてもストッパー部123は第1被係合部122dに接触しない。
また、第1被係合部122dから第1スリット124aの上流側端部までの距離L3は、回動軸123cからストッパー部123の基端部123a側(上流側)の端面の上端までの距離L2よりも小さくなっている。このため、回動軸123cを第1スリット124aの上流側端部に配置した状態では、ストッパー部123は第1被係合部122dに接触し、第1の位置(図10の位置)に保持される。
図15に示すように、回動軸123cが第1スリット124aの用紙排出方向の上流端に配置された状態で第1係合部123dが第1被係合部122dに係合されることにより、ストッパー部123は第1の位置に保持される。このとき、ストッパー部123の自重により、ストッパー部123の先端部123bが下方向に回動する力(ストッパー部123が図15の反時計回り方向に回動する力)がストッパー部123に作用する。この力によって、第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合状態が維持される。
図16および図18に示すように、回動軸123cが第2スリット124bの下端に配置された状態で第2係合部123eが第2被係合部110aに係合されることにより、ストッパー部123は第2の位置に保持される。このとき、ストッパー部123の自重により、基端部123aには下方向に力が作用するが、第2係合部123eが第2被係合部110aの上面に乗っているため先端部123bには第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合が解除される方向とは反対方向(第2係合部123eが第2被係合部110a内に入り込む方向、図16の反時計回り方向)に力が作用する。この力によって、第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合状態が維持される。
次に、ストッパー部123の位置を第1の位置(図10の位置)と第2の位置(図12の位置)との間で変更する手順について説明する。
ストッパー部123を第1の位置から第2の位置に変更する場合、第1係合部123dが第1被係合部122dに係合した状態(図15の状態)から、自重による回動方向とは反対方向(図15の時計回り方向)にストッパー部123を回動させて第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合を解除するとともに、回動軸123cを第1スリット124aに沿って接続部124cまで移動させる(図17参照)。そして、ストッパー部123を図17の反時計回り方向に回動させながら回動軸123cを第2スリット124bに沿って下方に移動させる。このとき、図16に示すように、第2係合部123eを第2被係合部110aに係合させる。そして、ストッパー部123から手を離すことによって、自重によりストッパー部123が第2の位置(図12、図16および図18の位置)に保持される。
一方、ストッパー部123を第2の位置から第1の位置に変更する場合、第2係合部123eが第2被係合部110aに係合した状態(図16の状態)から、ストッパー部123を自重方向とは反対方向(上方向)に移動させながら図16の時計回り方向に回動させて、第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合を解除する(図19参照)。そして、回動軸123cを第2スリット124bに沿って接続部124cまで移動させながらストッパー部123をさらに時計回り方向に回動させる(図17参照)。その後、回動軸123cを第1スリット124aに沿って上流端まで移動させる。このとき、ストッパー部123を図15の状態よりも少しだけ時計回り方向に回動させておく。そして、ストッパー部123から手を離すことによって、ストッパー部123が自重により反時計回り方向に回動して第1係合部123dと第1被係合部122dとが係合し、自重によりストッパー部123が第1の位置(図10および図15の位置)に保持される。
本実施形態では、上記のように、トレイ部122には、第1係合部123dに係合してストッパー部123を第1の位置に保持する第1被係合部122dが設けられており、トレイユニット110のうちのトレイ部122よりも下方の部分には、第2係合部123eに係合してストッパー部123を第2の位置に保持する第2被係合部110aが設けられている。これにより、ストッパー部123を第1の位置または第2の位置に保持するために、圧縮コイルバネおよび軸部等の部材を下部排出トレイ121に別途設ける必要がないので、下部排出トレイ121の構造が複雑になるのを抑制することができるとともに、部品点数が多くなるのを抑制することができる。このため、簡単な構成で、下部排出トレイ121のストッパー部123を第1の位置または第2の位置に保持することができる。
また、上記のように、回動軸123cが第1スリット124aの用紙幅方向の上流端に配置された状態で第1係合部123dと第1被係合部122dとが係合し、ストッパー部123が第1の位置に保持される。また、回動軸123cが第2スリット124bの下端に配置された状態で第2係合部123eと第2被係合部110aとが係合し、ストッパー部123が第2の位置に保持される。
これにより、ストッパー部123を第1の位置から第2の位置に変更する場合、第1係合部123dが第1被係合部122dに係合した状態(図15の状態)から、自重による回動方向とは反対方向(図15の時計回り方向)にストッパー部123を回動させることによって、第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合を容易に解除することができる。そして、ストッパー部123を図17の反時計回り方向に回動させながら回動軸123cを第2スリット124bに沿って下方に移動させ、ストッパー部123から手を離すことによって、容易に第2係合部123eを第2被係合部110aに係合させることができる。また、ストッパー部123を第2の位置から第1の位置に変更する場合、第2係合部123eが第2被係合部110aに係合した状態(図16の状態)から、ストッパー部123を自重方向とは反対方向(上方向)に移動させながら図16の時計回り方向に回動させることによって、第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合を容易に解除することができる。そして、ストッパー部123を時計回り方向に回動させながら回動軸123cを第1スリット124aに沿って上流端まで移動させ、ストッパー部123から手を離すことによって、容易に第1係合部123dを第1被係合部122dに係合させることができる。
以上のように、ストッパー部123の自重によって、第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合状態、及び第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合状態を容易に維持することができる。また、自重により作用する力とは反対方向にストッパー部123を回動又は移動させながら回動軸123cを軸受穴124に沿って移動させることによって、第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合、及び第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合を容易に解除することができる。
また、上記のように、第1係合部123dは、ストッパー部123の基端部123aの上面に設けられた凹部であり、第1被係合部122dは、トレイ部122の下流側端部に設けられ、下方に向けて突出した凸部である。これにより、ストッパー部123の自重により、第1係合部123dと第1被係合部122dとを容易に係合させることができるとともに、第1係合部123dと第1被係合部122dとの係合状態を容易に維持することができる。
また、上記のように、第1被係合部122dから接続部124cまでの距離L1は、回動軸123cからストッパー部123の基端部123a側の端面の上端までの距離L2よりも大きい。これにより、回動軸123cを第1スリット124aの上流端から少なくとも接続部124cまで移動させることによって、ストッパー部123を反時計回り方向に回動させたとしても、第1係合部123dが第1被係合部122dに当接するのを防止することができる。
また、上記のように、第1係合部123dは、基端部123aの用紙幅方向の両端部に設けられている。これにより、ストッパー部123を第1の位置に配置した状態では、ストッパー部123を用紙幅方向の両側で支持することができるので、ストッパー部123の安定性を容易に確保することができる。また、第2係合部123eは、先端部123bの用紙幅方向の中央部に設けられている。これにより、ストッパー部123を第2の位置に配置した状態から、第2係合部123eと第2被係合部110aとの係合を解除する場合、ストッパー部123の用紙幅方向の中央部の1箇所だけを解除すればよいので操作性を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、用紙折りユニット60が第1折り装置70と第2折り装置90とを備える例について示したが、本発明はこれに限らず、用紙折りユニット60は第2折り装置90を備えていなくてもよい。
また、上記実施形態では、ストッパー部123の先端部123bに凸部からなる第2係合部123eを設け、トレイユニット110に開口縁部からなる第2被係合部110aを設ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、ストッパー部123の先端部123bに開口縁部や凹部からなる第2係合部を設け、トレイユニット110に凸部からなる第2被係合部を設けてもよい。このように構成すれば、ストッパー部123を第1の位置に配置した状態で、ユーザーの手や服等が第2係合部に接触するのを抑制することができる。