以下に添付図面を参照して、本発明に係るショーケースの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態であるショーケースを示すもので、図1は正面図、図2は斜視図である。図3及び図4は、図1及び図2に示したショーケースを模式的に示すもので、図3は図1におけるA-A線断面図、図4は図1におけるB-B線断面図である。ここで例示するショーケースは、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置されて販売対象となる商品を収容するものであり、ケース本体1を備えている。
ケース本体1は、底面部1A、後面部1B及び天面部1Cを備え、これら底面部1A、後面部1B及び天面部1Cによって囲まれる部分に前面及び左右両側面が開口した収納域2が構成されているとともに、空気循環ユニット20、棚下ダクト60、流路切替手段80及び中間ダクト90が設けられている。
収納域2は、後面部1Bの前面となる背面板3により背面が構成され、複数段(図示の例では7段)の商品載置棚4が設けられている。これら商品載置棚4は、従来公知のものであり、背面板3の左右両側域に立設された棚支柱5に取り付けられた左右一対のブラケット6に支持されるもので、これら左右一対のブラケット6間にスライダ7を介して棚板8が架設されて構成されている。かかる商品載置棚4は、棚板8の上面に商品を載置して陳列するものである。尚、スライダ7は、棚板8をブラケット6に対して前後方向に沿ってスライド可能に支持するものである。
このような収納域2の前方下部、すなわち底面部1Aの前方上部には吸込口9aが形成されているとともに、収納域2の前方上部、すなわち天面部1Cの前方下部には吹出口9bが形成されている。
吸込口9aは、収納域2の内部の空気を吸い込むための開口であり、収納域2の左右方向に沿って延設されている。吹出口9bは、収納域2の内部に空気を吹き出すための開口であり、収納域2の左右方向に延設されている。この吹出口9bには、例えばハニカム構造の整流部材9cが取り付けられている。
上記背面板3は、図から明らかなように、上方に向けて漸次後方となるように傾斜して形成されている。かかる背面板3には、図5及び図6に示すように、所定の高さレベルより下方、すなわち上から4段目の商品載置棚4より下方に矩形状の背面開口3aが形成されており、複数の背面フラッパ10が前後方向に揺動する態様で設けられている。
図7は、図5及び図6に示した背面フラッパ10を示す斜視図である。背面フラッパ10は、例えば鋼板を屈曲等して形成されるものであり、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。このような背面フラッパ10は、フラッパ基部11と、フラッパ後延部12と、フラッパ当接部13とを有している。
フラッパ基部11は、上端部にカール状のフラッパ軸部11aを有する平板状部分であり、左右方向(長手方向)に沿って複数の通気孔11bが形成されている。かかる通気孔11bは、フラッパ基部11に対して、その中央領域が疎となるとともに左右両端域が密となる態様で形成されている。フラッパ後延部12は、フラッパ基部11の下端部より後方に延在してから下方に一旦屈曲し、その後に後方に延在する部分である。フラッパ当接部13は、フラッパ後延部12の後端部より上方に向けて延在する部分である。
上記背面フラッパ10は、フラッパ軸部11aの左右両端部が背面板3の背面開口3aの左右両側縁部に形成された図示せぬ孔に挿通されてフラッパ軸部11aの軸心回りに揺動可能に軸支されることにより、前後方向に揺動する態様で設けられている。背面フラッパ10は、図5及び図6に示すように、背面開口3aにおいて上下に並ぶように設置され、常態においては該背面開口3aを閉塞している。かかる背面フラッパ10は、揺動することにより背面開口3aの一部を開閉するものである。
空気循環ユニット20は、図3及び図4に示したように、導入流路21、第1空気循環手段30、第2空気循環手段40及び導出流路22を備えて構成されている。
導入流路21は、底面部1Aにおいて前後方向に沿って延在する態様で設けられている。この導入流路21は、吸込口9aに連通している。
第1空気循環手段30は、右方空気流路(第1空気流路)30aと右方循環ファン30bとを備えて構成されている。
右方空気流路30aは、第1右方背面側流路31と、右方上側流路32と、第2右方背面側流路(第1背面流路)33と、第3右方背面側流路(第2背面流路)34とを備えて構成されている。
第1右方背面側流路31は、後面部1Bにおいて上下方向に沿って延在する態様で設けられている。この第1右方背面側流路31は、その下部に右方空気流路30aの入口となる右方導入口31aが設けられており、かかる右方導入口31aが導入流路21を臨んでいる。つまり、第1右方背面側流路31は、導入流路21を通じて吸込口9aに連通している。
右方上側流路32は、天面部1Cに設けられており、第1右方背面側流路31に連通している。第2右方背面側流路33は、後面部1Bにおいて上下方向に沿って延在しており、右方上側流路32と連通している。この第2右方背面側流路33は、第1右方背面側流路31の前方側で延設されていて、該第1右方背面側流路31と区画されている。
第3右方背面側流路34は、後面部1Bにおいて上下方向に沿って延在している。この第3右方背面側流路34は、第2右方背面側流路33と背面板3との間に延設され、第2右方背面側流路33とは互いの下端部同士が連通した状態で区画板14により区画されており、収納域2とは背面フラッパ10に形成された通気孔11bを通じて連通している。この第3右方背面側流路34は、その上部に右方空気流路30aの出口となる右方導出口34aが設けられており、かかる右方導出口34aが導出流路22を臨んでいる。
右方循環ファン30bは、図示せぬ制御手段から与えられる指令により駆動して空気を循環させるものであり、第1右方背面側流路31の所定部位に配設されている。本実施の形態においては、右方循環ファン30bは第1右方背面側流路31の所定部位に配設されているが、本発明では、右方循環ファン30bの配設位置は特に限定されるものではなく、後述する右方循環ファン30bの機能を発揮することができる個所であればどこに配設しても構わない。
第2空気循環手段40は、左方空気流路(第2空気流路)40aと左方循環ファン40bとを備えて構成されている。
左方空気流路40aは、左方背面側流路41を備えている。この左方背面側流路41は、後面部1Bにおける第1右方背面側流路31の左側に該第1右方背面側流路31とは区画されて上下方向に沿って延在する態様で設けられている。この左方背面側流路41は、その下部に左方空気流路40aの入口となる左方導入口41aが設けられており、かかる左方導入口41aが導入流路21を臨んでいる。つまり、左方背面側流路41は、導入流路21を通じて吸込口9aに連通している。この左方背面側流路41は、その上部に左方空気流路40aの出口となるとともに、上記右方導出口34aよりも左側に位置する左方導出口41bが設けられており、かかる左方導出口41bが導出流路22を臨んでいる。
左方循環ファン40bは、図示せぬ制御手段から与えられる指令により駆動して空気を循環させるものであり、左方背面側流路41の所定部位に配設されている。本実施の形態においては、左方循環ファン40bは左方背面側流路41の所定部位に配設されているが、本発明では、左方循環ファン40bの配設位置は特に限定されるものではなく、後述する左方循環ファン40bの機能を発揮することができる個所であればどこに配設しても構わない。
導出流路22は、天面部1Cにおいて前後方向に沿って延在する態様で設けられている。この導出流路22は、右方導出口34aと吹出口9bとを連通させるとともに、左方導出口41bと吹出口9bとを連通させるものである。つまり、導出流路22は、右方空気流路30aを通過した空気と、左方空気流路40aを通過した空気とを吹出口9bまで流通させる共通の流路である。これにより、右方空気流路30aは、吸込口9a及び吹出口9bを通じて収納域2に連通しており、左方空気流路40aは、吸込口9a及び吹出口9bを通じて収納域2に連通している。
このような空気循環ユニット20を構成する第1空気循環手段30は、右方循環ファン30bが駆動することにより吸込口9aを通じて収納域2の内部にある空気を吸い込み、吸い込んだ空気が導入流路21を流通した後に、右方空気流路30aを経由して空気を通気孔11bまで送出、あるいは右方空気流路30a及び導出流路22を経由して空気を吹出口9bまで送出するものである。通気孔11b又は吹出口9bを通じて空気を収納域2の内部に吹き出すことにより、収納域2の内部と外部との間で空気を循環させるものである。
また第2空気循環手段40は、左方循環ファン40bが駆動することにより吸込口9aを通じて収納域2の内部にある空気を吸い込み、吸い込んだ空気が導入流路21を流通した後に、左方空気流路40a及び導出流路22を経由して吹出口9bまで送出し、吹出口9bを通じて空気を収納域2の内部に吹き出すことにより、収納域2の内部と外部との間で空気を循環させるものである。
上記右方空気流路30aの右方上側流路32には、蒸発器(温度調整手段)35が設けられている。すなわち、蒸発器35は収納域2よりも上方側に配設されている。蒸発器35は、図示せぬ圧縮機、凝縮器及び膨張機構とともに冷媒を循環させる冷媒循環手段を構成している。ここで圧縮機は、冷媒を圧縮するものである。凝縮器は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構は、凝縮器で凝縮された冷媒を断熱膨張させて低温低圧の状態にさせるものである。かかる蒸発器35は、右方循環ファン30bが駆動することにより右方上側流路32を後方から前方に向けて通過する空気と、膨張機構で断熱膨張させた冷媒とを熱交換させるもの、より詳細には、冷媒を蒸発させることにより右方上側流路32を通過する空気を冷却するものである。この蒸発器35で蒸発した冷媒は、再び圧縮機に戻り圧縮されることになる。
上述した導出流路22には、図8及び図9に示すように、整流機構50が設けられている。整流機構50は、第1導風板51と第2導風板52とを備えて構成されている。
第1導風板51は、例えば鋼板等により構成された長尺状部材である。この第1導風板51は、導出流路22における前方側、すなわち吹出口9bの近傍において、長手方向が左右方向となる態様で設置されている。かかる第1導風板51には、複数の導風孔53が設けられている。より詳細には、第1導風板51は、中央領域が疎となり左右両端部が密となる態様で複数の導風孔53が形成されている。尚、導風孔53は、上下方向が長手方向となる長孔であり、それぞれの寸法は略同じである。
第2導風板52は、第1導風板51よりも後方側、すなわち第1導風板51よりも上流側に設けられており、左右一対の右方導風板52aと左方導風板52bとを有している。
右方導風板52aは、第1導風板51の右端部よりも後方側に設置されている。より詳細には、右方導風板52aは、左方に向かうにつれて漸次前方に傾斜するよう、すなわち下流に向かうにつれて第1導風板51の中央領域に延在する態様で傾斜するよう設置されている。かかる右方導風板52aには、複数の通過孔54が左右方向に沿って形成されている。
左方導風板52bは、第1導風板51の左端部よりも後方側に設置されている。より詳細には、左方導風板52bは、右方に向かうにつれて漸次前方に傾斜するよう、すなわち下流に向かうにつれて第1導風板51の中央領域に延在する態様で傾斜するよう設置されている。かかる左方導風板52bには、複数の通過孔54が左右方向に沿って形成されている。
図10は、図2に示した棚下ダクト60を示す斜視図である。この図10に示すように、棚下ダクト60は、例えば鋼板を屈曲等して構成されたものであり、ダクト基端部61とダクト先端部62とが一体的に形成された構成されている。
ダクト基部は、前端部にカール状のダクト軸部61aを有した平板状部分である。ダクト先端部62は、ダクト基端部61の後端縁部より下方に向かうにつれて漸次後方に傾斜する平板状部分である。
このような棚下ダクト60は、図11及び図12に示すように、上から4段目の商品載置棚4から最下段の商品載置棚4の下部に設けられている。すなわち、棚下ダクト60は、ダクト軸部61aの両端部がブラケット6に形成された図示せぬ孔部に挿通されることで、該ブラケット6間に該ダクト軸部61aの軸心回りに前後に揺動する態様で架設されている。
かかる棚下ダクト60は、常態においては、ダクト基端部61の下面の一部がブラケット6間に架設された上側規制片65に当接するとともに、ダクト先端部62の前面の一部がブラケット6間に架設された下側規制片66に当接することにより前方への揺動が規制され、これにより上側規制片65の後端縁部と、下側規制片66の上端縁部とにより形成された挿入開口67を閉塞している。
そして、この棚下ダクト60は、挿入開口67を閉塞する場合に、背面フラッパ10の通気孔11bから吹き出された空気を商品載置棚4の棚板8の下面近傍に案内するためのものである。
上記棚下ダクト60には、板金部材70が例えば溶接等により取り付けられている。図13は、板金部材70を示す斜視図である。この図13に示すように、板金部材70は、例えば鋼板を屈曲等して形成されており、取付部71、上延部72及び前延部73が一体的に形成された構成されている。
取付部71は、ダクト先端部62における上部の後面に溶接等に取り付けられる平板状部分である。上延部72は、取付部71の上端縁部より図11及び図12において前方に延在した後に上方に向かうにつれて漸次前方に傾斜して延在する屈曲部分である。この上延部72には、複数の通過開口72aが左右方向に沿って形成されている。前延部73は、上延部72の上端縁部より図11及び図12において前方に延在する平板状部分である。
このような板金部材70は、取り付けられた棚下ダクト60が常態にある場合、前延部73の上面が商品載置棚4の棚板8の下面に近接する大きさを有しており、上延部72の上部後面には左右方向の全長に亘ってモヘア74が取り付けられているとともに、前延部73の下面の左右方向の全長には軟質性の断熱材75が取り付けられている。
流路切替手段80は、図3に示したように右方空気流路30aに設けられており、図14及び図15にも示すように、ダクトフラッパ81とリンク機構82とを備えて構成されている。
ダクトフラッパ81は、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。このダクトフラッパ81は、図16に示すように、区画板14に形成された区画開口14aを挿通する態様で設けられており、基部81aと、第1作用部81bと、第2作用部81cとが一体的に形成されて構成されている。ここで区画開口14aは、区画板14において背面開口3aよりも上方側に形成されており、第2右方背面側流路33と第3右方背面側流路34とを連通させるものである。
基部81aは、左右両端部が第3右方背面側流路34の両側面に取り付けられたフラッパ支持片83により前後方向に揺動可能に軸支された部分である。第1作用部81bは、図16において基部81aの後端縁部より後方に向かうにつれて漸次下方に傾斜する態様で延在する部分である。第2作用部81cは、図16において基部81aの前端縁部より前方に向かうにつれて漸次上方に傾斜する態様で延在する部分である。
リンク機構82は、第3右方背面側流路34の左右方向の中央部分において上下方向に沿って延在する長尺状部材である。このリンク機構82は、上方から見た場合に、コ字状を成しており、内部に挿入された規制板84により左右方向及び前後方向の移動が規制されている。つまり、リンク機構82は、上下方向に沿った移動は許容されている。
かかるリンク機構82は、前方に突出する係合片82aが上下方向に亘って複数形成されている。これら係合片82aは、背面フラッパ10の数だけ設けられており、それぞれが背面フラッパ10の揺動軌跡上に進出している。
またリンク機構82は、上端部に形成された軸状部82bがダクトフラッパ81の第2作用部81cの前面に取り付けられた係止片85の長孔85aに挿入されており、該ダクトフラッパ81に対して回動自在に連結している。
このような構成の流路切替手段80においては、いずれの背面フラッパ10も揺動しないで背面開口3aを閉塞した状態においては、リンク機構82の自重により、ダクトフラッパ81が図16に示すように、区画開口14aを開成させた姿勢となる。かかる姿勢においては、第1作用部81bは、第2右方背面側流路33における区画開口14aよりも下流側部分を閉塞しつつ、第2作用部81cは、第3右方背面側流路34における区画開口14aよりも上流側部分を閉塞している。
中間ダクト90は、従来公知のものであり、全体として略平板状の形態を成している。この中間ダクト90は、ショーケースに対して着脱可能に設けられるものである。そして、ショーケースに装着される場合には、図3及び図4に示すように、いずれかの背面フラッパ10を後方に揺動させることにより開成された背面開口3aの一部を貫通する態様で背面板3に取り付けられ、収納域2及び第3右方背面側流路34を上下に区画するものである。尚、この中間ダクト90の後端部には、リンク機構82を挿通させるための図示せぬ切欠が形成されている。
かかる中間ダクト90は、内部に前後方向に沿って延在するダクト部91を有しており、後端開口91a及び中間吹出口91bを有している。後端開口91aは、後端部の下面に形成されており、背面板3に取り付けられる場合に、第3右方背面側流路34を臨むものである。中間吹出口91bは、中間ダクト90の前端部の下面に形成されており、ダクト部91を通過した空気を吹き出すための開口である。
そして、このように中間ダクト90が装着される場合には、図17に示すように、棚下ダクト60は、前方から挿入される中間ダクト90に押圧されることで、ダクト軸部61aの軸心回りに後方に揺動し、挿入開口67を開成させ、中間ダクト90が挿入開口67を通じて挿入されることを許容する。この際、棚下ダクト60に取り付けられた板金部材70は、モヘア74が商品載置棚4の棚板8の下面に取り付けられた棚モヘア8aに当接するとともに、断熱材75が上側規制片65に当接することにより、中間ダクト90とその直上の商品載置棚4との間に密閉空間Sを形成する。
また、中間ダクト90が装着される場合、該中間ダクト90に押圧された背面フラッパ10は、後方に向けて揺動することになる。そして、後方に揺動する背面フラッパ10は、図18に示すように、フラッパ当接部13がリンク機構82の係合片82aに当接して該係合片82aを押圧する。これにより、リンク機構82は、上方に向けて移動し、このリンク機構82が回動自在に連結されたダクトフラッパ81は、後方に向けて揺動して第2作用部81cの先端部が区画開口14aの開口上縁部の前面に当接することで区画開口14aを閉成する。この場合、第1作用部81bは、区画板14に当接して第2右方背面側流路33を開成させ、第2作用部81cは、第3右方背面側流路34を開成させることになる。
以上のような構成を有するショーケースにおいては、中間ダクト90が装着されない場合には、次のようにして収納域2を冷却して商品載置棚4に載置された商品を冷却することができる。
中間ダクト90が装着されない場合、背面開口3aは各背面フラッパ10により閉塞されており、区画開口14aは、開成されている。また第2右方背面側流路33における区画開口14aの下流側がダクトフラッパ81の第1作用部81bに閉塞され、第3右方背面側流路34における区画開口14aの上流側がダクトフラッパ81の第2作用部81cにより閉塞されている。
このような状態において左方循環ファン40bを駆動停止にさせつつ右方循環ファン30b及び圧縮機を駆動させると、吸込口9aを通じて吸い込まれた空気は、導入流路21を通過した後に右方空気流路30aに至る。右方空気流路30aにおいては、空気が第1右方背面側流路31を上方に向けて通過した後に右方上側流路32に進入し、蒸発器35により冷却される。蒸発器35により冷却された空気は、右方上側流路32から第2右方背面側流路33に至り、該第2右方背面側流路33を下方に向けて通過する途中で、開成された区画開口14aを通過して第3右方背面側流路34に至り、かかる第3右方背面側流路34を上方に向けて通過する。第3右方背面側流路34を通過した空気は、右方導出口34aを通じて導出流路22に至り、その後に吹出口9bより収納域2に吹き出され、該収納域2で吸込口9aに向けて流れることでエアカーテンを形成して、収納域2の内部雰囲気を冷却し、商品載置棚4に載置された商品を冷却することができる。つまり、収納域2の商品を1つの温度状態に保持することができる。
ところで、導出流路22には整流機構50が設けられているので、右側に偏った位置に配置されう右方導出口34aから送出された空気は、第2導風板52を構成する右方導風板52aにより一部が通過孔54を通過しつつ、その大部分が第1導風板51の中央領域に向けて流通する。第1導風板51では、導風孔53が中央領域では疎となり、左右両端部で密となる態様で形成されているので、第1導風板51の中央領域に向けて通過する空気、並びに通過孔54を通過した空気が導風孔53を通過することで、略左右均一となるように通過し、吹出口9bより左右均一に吹き出される。
次に、中間ダクト90が装着された場合について説明する。中間ダクト90が装着された場合、挿入開口67に挿入させた中間ダクト90により揺動した棚下ダクト60に取り付けられた板金部材70は、モヘア74が該中間ダクト90の直上の商品載置棚4の棚板8の下面に取り付けられた棚モヘア8aに当接するとともに、断熱材75が上側規制片65に当接することにより、中間ダクト90と該商品載置棚4との間に密閉空間Sを形成する。
また中間ダクト90に押圧されて後方に揺動する背面フラッパ10に当接されたリンク機構82が上方に向けて移動することで区画開口14aがダクトフラッパ81により閉成されるとともに、第3右方背面側流路34は中間ダクト90により遮断されて上下に区画される。
このような状態において左方循環ファン40b、右方循環ファン30b及び圧縮機を駆動させると、吸込口9aを通じて吸い込まれた空気は、導入流路21を通過した後に一部が右方空気流路30aに至るとともに、残りが左方空気流路40aに至る。
右方空気流路30aにおいては、空気が第1右方背面側流路31を上方に向けて通過した後に右方上側流路32に進入し、蒸発器35により冷却される。蒸発器35により冷却された空気は、右方上側流路32から第2右方背面側流路33に至り、該第2右方背面側流路33を下方に向けて通過した後に、第3右方背面側流路34に至る。第3右方背面側流路34を通過する空気は、一部が背面フラッパ10の通気孔11bから収納域2に吹き出され、棚下ダクト60により商品載置棚4の下面近傍に案内されて流通する。また残りの空気は、中間ダクト90の後端開口91aからダクト部91に至り、中間吹出口91bから吹き出され、該収納域2で吸込口9aに向けて流れることでエアカーテンを形成して、収納域2における中間ダクト90の下方領域の内部雰囲気を冷却し、該中間ダクト90より下方の商品載置棚4に載置された商品を冷却することができる。
左方空気流路40aにおいては、空気が左方背面側流路41を上方に向けて通過した後に、左方導出口41bを通じて導出流路22に至り、その後に吹出口9bより収納域2に吹き出され、該収納域2で吸込口9aに向けて流れることでエアカーテンを形成して、収納域2における中間ダクト90の上方領域の内部雰囲気を所望の温度にすることができる。つまり、収納域2の商品を2つの異なる温度状態に保持することができる。
ところで、導出流路22には整流機構50が設けられているので、左側に偏った位置に配置された左方導出口41bから送出された空気は、第2導風板52を構成する左方導風板52bにより一部が通過孔54を通過しつつ、その大部分が第1導風板51の中央領域に向けて流通する。第1導風板51では、導風孔53が中央領域では疎となり、左右両端部で密となる態様で形成されているので、第1導風板51の中央領域に向けて通過する空気、並びに通過孔54を通過した空気が導風孔53を通過することで、略左右均一となるように通過し、吹出口9bより左右均一に吹き出される。
以上説明したように、本発明の実施の形態であるショーケースによれば、流路切替手段80が、中間ダクト90が装着される場合には、該中間ダクト90よりも下方の背面フラッパ10の通気孔11bより蒸発器35で冷却された空気が収納域2に吹き出される一方、中間ダクト90が装着されない場合には、蒸発器35で冷却された空気が通気孔11bより吹き出されることを規制しつつ吹出口9bより吹き出されるよう空気の流路を切り替えるので、収納域2の商品を1つの温度状態だけでなく異なる温度状態に良好に保持することができる。
上記ショーケースによれば、中間ダクト90が装着された場合において、第1空気循環手段30により蒸発器35で冷却された空気を中間ダクト90の中間吹出口91b、並びに中間ダクト90の下方の背面フラッパ10の通気孔11bより収納域2に吹き出させて中間ダクト90の下方領域の商品を冷却しつつ、第2空気循環手段40により循環させられた空気を吹出口9bから吹き出させて中間ダクト90の上方領域の商品を所定の温度に保持することができるので、収納域2の商品を異なる温度状態に良好の保持することができる。
上記ショーケースによれば、中間ダクト90が装着される場合に、該中間ダクト90により揺動した棚下ダクト60に取り付けられた板金部材70が、該中間ダクト90と、その直上の商品載置棚4との間に密閉空間Sを形成するので、寸法誤差等により第3右方背面側流路34を通過する空気の一部が中間ダクト90と該商品載置棚4との隙間に進入するのを抑止し、該中間ダクト90の上面に結露が生ずることを抑制することができる。
上記ショーケースによれば、蒸発器35が天面部1Cに設けられているので、収納域2の容積を十分に確保することができ、商品の陳列スペースを十分に確保することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明においては、これらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、流路切替手段80として、区画開口14aを開閉するダクトフラッパ81と、該ダクトフラッパ81に回動自在に連結されて第3右方背面側流路34を上下動可能に設置されたリンク機構82とにより構成されていたが、本発明においては、中間ダクトが装着される場合には、中間ダクトよりも下方の背面フラッパの通気孔より温度調整手段で調整された空気が収納域に吹き出される一方、中間ダクトが装着されない場合には、温度調整手段で調整された空気が通気孔より吹き出されることを規制しつつ吹出口より吹き出されるよう空気流路を切り替えることができればその構成要素は特に限定されない。
上述した実施の形態では、板金部材70が棚下ダクト60に取り付けられていたが、本発明においては、板金部材は、棚下ダクト以外に取り付けられていてもよい。