JP7087266B2 - 引き出しの動作機構および引き出し付きキャビネット - Google Patents
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Description
この付勢手段を設けた引き出しにおいては、引き出しを開く際には、引き出し始めにバネ等の付勢手段の抗力(付勢力)に逆らって引き出しを引き出す必要がある。
このように、引き出しを開く際には、引き出し量に応じて増大するようにバネから閉方向への付勢力が掛かっていた引き出しに対して、使用者はこの付勢力に抗するように力を増大させつつ付与しなければならないうえに、その後急にこの付勢力が消失するため、使用者は意図せず勢いよく引き出しを開いてしまうことを防ぐために引き出しに対して付与している力を急激に弱める必要があり、引き出しの引き出し操作性が悪いといった問題がある。
なお、本発明の実施の形態において、図面に記載した「前方」へ向かう方向が、引き出しの開方向である。また、本発明の実施の形態において、図面に記載した「後方」へ向かう方向が、引き出しの閉方向である。さらに、本発明の実施の形態においては、引き出しが前後方向(開閉方向)へ移動することが、引き出しが摺動することである。
図2は、図1の引き出し付きキャビネットを示す模式的側断面図である。
図5は、図3の引き出し動作機構部における付勢手段(伸長した状態)を示す模式的側断面図である。
図6は、図5の付勢手段を示す模式的上面図である。
図8は、図3の引き出し付きキャビネットにおいて引き出しが全閉状態の際の引き出し動作機構部を示す模式的側断面図である。
図10は、図3の引き出し付きキャビネットにおいて引き出しを開き始めた状態で且つ引き出しが第1の状態である際の引き出し動作機構部を示す模式的側断面図である。
図12は、図3の引き出し付きキャビネットにおいて引き出しが第2の状態である際の引き出し動作機構部を示す模式的側断面図である。
図13は、図3において引き出しが全開状態となった際の引き出し付きキャビネットを示す模式的部分側断面図である。
詳述すると、図13の全開状態から引き出し4を後方方向(閉方向)へ動かすと、図11の状態となり、図11の状態から引き出し4をさらに後方方向(閉方向)へ動かすと、引き出し本体12の突起16が、トリガー部18の下壁面(図11では右壁面)と当接する。トリガー部18と当接すると、トリガー部18とトリガー受け部24との係合状態が解除され、トリガー部18が起き上がるように回転する。トリガー部18が起き上がるように回転すると、突起16とトリガー部18の凹部18aとが係合する。この際、トリガー部18は、付勢手段20である渦巻きばねによって、後方方向(閉方向)へ付勢されることとなる。付勢手段20である渦巻きばねによる付勢力は、図14で示したように、全閉状態に近づくにつれ徐々に増大するため、従来の付勢手段が伸長することで付勢力を蓄える付勢手段を有する引き出し4の動作機構と比べ、より確実に、引き出し4を全閉状態にさせることができる。なお、図示は省略しているが、本発明の実施の形態における引き出し付きキャビネット100は、ダンパー機構を備えており、引き出し4が全閉する直前に、後方方向(閉方向)へ付勢を和らげる。
なお、付勢力低減状態(付勢力低減領域)においては、引き出し4の動作機構部6が第2の状態(第2の領域)になるまで引き出し4が開方向へ移動するにつれて連続的に低減し続けるが、例えば、トリガー部18とトリガー受け部24とが係合し、突起16とトリガー部18の凹部18aとの係合状態が解除される間に、低減していない状態(領域)が多少存在しても良い。その低減していない状態(領域)は、引き出し量でいうと、例えば2cm以内であり、範囲内で低減していない状態(領域)が存在していても、「引き出し4の動作機構部6が第2の状態(第2の領域)になるまで引き出し4が開方向へ移動するにつれて連続的に低減し続ける」ものとする。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る、引き出しが全閉状態の際の引き出し付きキャビネットを示す模式的部分側断面図である。
図16は、図15において引き出しを開き始めた状態で且つ引き出しが第1の状態である際の引き出し付きキャビネットを示す模式的部分側断面図である。
図17は、図16において引き出しが第2の状態となった際の引き出し付きキャビネットを示す模式的部分側断面図である。
図18は、図17において引き出しが全開状態となった際の引き出し付きキャビネットを示す模式的部分側断面図である。
このことより、引き出し4が付勢力低減領域(付勢力低減状態)に進んだ際には、急激に且つ滑らかに、引き出し4が第2の領域(第2の状態)に近づくにつれ付勢手段20による引き出し4に対する後方方向(閉方向)への付勢力を低減させることができるため、引き出し操作性を低減させることを抑制しつつも、引き出し4がより軽く引き出せる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (4)
- キャビネット本体内に形成された収納領域から引き出された引き出しを全閉する直前において、前記引き出しを閉方向に付勢する付勢手段を備えた引き出しの動作機構であって、
前記引き出しの動作機構は、
前記引き出しが前記付勢手段によって閉方向に付勢される第1の状態と、
前記第1の状態より前記引き出しが開方向にあって、前記引き出しに対する前記付勢手段によって閉方向に付勢されなくなる第2の状態と、を有し、
前記第1の状態は、前記引き出しが開方向へ移動するにつれて前記付勢手段による前記引き出しに対する閉方向への付勢力が低減する付勢力低減状態を有し、
前記付勢力低減状態においては、前記引き出しの動作機構が前記第2の状態になるまで前記引き出しが開方向へ移動するにつれて前記付勢手段による前記引き出しに対する閉方向への付勢力が連続的に低減し続けることを特徴とする引き出しの動作機構。 - 前記付勢手段は、直線状に設けられた直線部と、前記直線部の後端部から繋がっており、螺旋状に設けられた螺旋部と、を備えた渦巻きばねであり、
前記渦巻きばねへ外力が加えられることで、前記螺旋部が徐々に直線状になり、
巻き状態から直線状になる際に必要な抗力が、直線状になった前記螺旋部の開閉方向における長さが大きくなるにしたがって、低下することを特徴とする請求項1に記載の引き出しの動作機構。 - キャビネット本体と、
前記キャビネット本体に形成された収納領域から引き出し可能に設けられた引き出しと、
前記引き出しを全閉する直前において、前記引き出しを閉方向に付勢する付勢手段と、
を備えた引き出し付きキャビネットであって、
前記収納領域は、前記引き出しが前記付勢手段の影響を受ける第1の領域と、前記引き出しに対する前記付勢手段の影響が無くなる第2の領域と、を有し、
前記第1の領域は、前記引き出しが前記第2の領域に近づくにつれ前記付勢手段による前記引き出しに対する閉方向への付勢力が低減する付勢力低減領域を有し、
前記付勢力低減領域においては、前記引き出しが前記第2の領域に入るまで前記引き出しが開方向へ移動するにつれて前記付勢手段による前記引き出しに対する閉方向への付勢力が連続的に低減し続けることを特徴とする引き出し付きキャビネット。 - 前記付勢手段は、直線状に設けられた直線部と、前記直線部の後端部から繋がっており、螺旋状に設けられた螺旋部と、を備えた渦巻きばねであり、
前記渦巻きばねへ外力が加えられることで、前記螺旋部が徐々に直線状態になり、
巻き状態から直線状態になる際に必要な抗力が、直線状態になった前記螺旋部の開閉方向における長さが大きくなるにしたがって、低下することを特徴とする請求項3に記載の引き出し付きキャビネット。
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