JP7087038B2 - 喫煙物品用香料含有シートおよびそれを含む喫煙物品 - Google Patents
喫煙物品用香料含有シートおよびそれを含む喫煙物品 Download PDFInfo
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Description
本発明の喫煙物品用香料含有シート(以下、単に香料含有シートまたはシートともいう)は、増粘多糖類、香料、乳化剤および嵩増材を含む。
(i)原料スラリーの粘度を実質的に上昇させない;
(ii)香料含有シートの香料保持機能に悪影響を及ぼさない。
GC-TCD;Hewlett Packard社製6890ガスクロマトグラフ
Column ;HP Polapack Q (packed column) Constant Flow mode 20.0 mL/min
Injection ;1.0μL
Inlet ;EPC purge packed column inlet Heater;230℃
Gas;He Total flow;21.1 mL/min
Oven ;160℃(hold 4.5 min)→(60℃/min)→220℃(hold 4.0 min)
Detector ;TCD検出器 Reference Gas(He)流量;20 mL/min
make up gas(He)3.0 mL/min
Signal rate ;5 Hz
香料含有シートは、公知の手法に従って、増粘多糖類、香料、乳化剤、および嵩増材を含む原料を水中で混錬して原料スラリーを調製し、原料スラリーを基材上に伸展させ、乾燥させることにより製造することができる。
本発明の香料含有シートは、たとえば、通常のたばこ刻と同等のサイズに裁刻し、得られた切断片を任意の喫煙物品に組み込むことができる。
好ましい態様によれば、香料含有シートは香料を低濃度で含む。香料含有シートが香料を低濃度で含む場合、香料含有シートの切断片を喫煙物品に添加して所望の香味を発現させるためには、香料含有シートの切断片を多量に喫煙物品に添加する必要がある。この場合、香料含有シートの切断片を多量に喫煙物品に添加するため、切断片を喫煙物品内に均一に分布させることができる。かかる喫煙物品は、切断片の均一な分布により、喫煙期間にわたって安定して香味を提供することができるという利点を有する。
[1A]増粘多糖類、香料、乳化剤および嵩増材を含み、香料の含有量が、香料含有シートに対して18質量%未満である、喫煙物品用香料含有シート。
[2A]香料の含有量が、香料含有シートに対して、2.5質量%以上18質量%未満、好ましくは2.5~12質量%、より好ましくは3~6質量%である[1A]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[3A]嵩増材が、デンプン加水分解物である[1A]または[2A]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[4A]デンプン加水分解物が、2~40の範囲に包含されるDE値、好ましくは2~20の範囲に包含されるDE値を有するデンプン加水分解物である[3A]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[5A]デンプン加水分解物が、2~5のDE値を有するデキストリン、10~15のDE値を有する難消化性デキストリン、およびこれらの混合物からなる群より選択される[4A]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[6A]嵩増材の含有量が、増粘多糖類に対して、100~500質量%、好ましくは200~500質量%である[1A]~[5A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[7A]香料含有シートが、0.05~0.15mm、好ましくは0.06~0.10mmの厚さを有する[1A]~[6A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[8A]増粘多糖類が、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、もしくはジェランガムの単成分系;またはカラギーナン、寒天、キサンタンガム、もしくはジェランガムに、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、カシアガム、およびサイリウムシードガムからなる群より選択される1以上の成分を組み合わせた複合系である[1A]~[7A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[9A]増粘多糖類が、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、およびジェランガムとタマリンドガムの混合物からなる群より選択される[1A]~[7A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[10A]増粘多糖類が、ジェランガム、ジェランガムとタマリンドとの混合物、および寒天からなる群より選択される[1A]~[7A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[11A]原料中の増粘多糖類の配合量が、香料含有シートの原料中の水以外の構成成分の合計質量に対して、10~35質量%、好ましくは12~25質量%である[1A]~[10A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[12A]乳化剤の含有量が、増粘多糖類に対して、0.5~5質量%、好ましくは1.0~4.5質量%である[1A]~[11A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[13A]香料含有シートに対して、10質量%未満、好ましくは3~9質量%、より好ましくは3~6質量%の水を含む[1A]~[12A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[1B]上記[1A]~[13A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片を含む喫煙物品。
[2B]たばこ刻を更に含み、喫煙物品用香料含有シートの切断片がたばこ刻と混合されている[1B]に記載の喫煙物品。
[3B]切断片が、0.05~0.15mm、好ましくは0.06~0.10mmの厚さを有する上記[1A]~[13A]の何れか一に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片であり、かつ2.0~7.0mmの長辺および0.5~2.0mmの短辺を有する[2B]に記載の喫煙物品。
[4B]切断片が、たばこ刻と切断片との合計質量に対して4~20質量%の量で含まれる[2B]または[3B]に記載の喫煙物品。
[5B]喫煙物品が、燃焼型喫煙物品、好ましくはシガレットである[1B]~[4B]の何れか一に記載の喫煙物品。
[6B]喫煙物品が、非燃焼型喫煙物品、好ましくは加熱型吸引器、より好ましくは炭素熱源型吸引器、電気加熱型吸引器、または液体霧化型吸引器である[1B]~[4B]の何れか一に記載の喫煙物品。
[1C]増粘多糖類、香料、乳化剤、嵩増材および水を含む原料スラリーを基材上に伸展させること、および伸展させた原料を乾燥させることを含み、香料含有シート中の香料の含有量が、香料含有シートに対して18質量%未満である、喫煙物品用香料含有シートの製造方法。
[2C]カラギーナン、寒天、キサンタンガム、もしくはジェランガムの単成分系;またはカラギーナン、寒天、キサンタンガム、もしくはジェランガムに、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、カシアガム、およびサイリウムシードガムからなる群より選択される1以上の成分を組み合わせた複合系である増粘多糖類、香料、乳化剤、嵩増材および水を含み、60~90℃の温度を有する原料スラリーを基材上に伸展させること、伸展させた原料スラリーを、0~40℃の試料温度に冷却してゲル化させること、およびゲル化した原料を加熱して、70~100℃の試料温度で乾燥させることを含み、香料含有シート中の香料の含有量が、香料含有シートに対して18質量%未満である、喫煙物品用香料含有シートの製造方法。
[3C]増粘多糖類が、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、およびジェランガムとタマリンドガムの混合物からなる群より選択される[2C]に記載の方法。
[4C]増粘多糖類が、ジェランガム、ジェランガムとタマリンドとの混合物、および寒天からなる群より選択される[2C]に記載の方法。
[5C]香料含有シート中の香料の含有量が、香料含有シートに対して、2.5質量%以上18質量%未満、好ましくは2.5~12質量%、より好ましくは3~6質量%である[1C]~[4C]の何れか一に記載の方法。
[6C]嵩増材が、デンプン加水分解物である[1C]~[5C]の何れか一に記載の方法。
[7C]デンプン加水分解物が、2~40の範囲に包含されるDE値、好ましくは2~20の範囲に包含されるDE値を有するデンプン加水分解物である[6C]に記載の方法。
[8C]デンプン加水分解物が、2~5のDE値を有するデキストリン、10~15のDE値を有する難消化性デキストリン、およびこれらの混合物からなる群より選択される[7C]に記載の方法。
[9C]香料含有シート中の嵩増材の含有量が、増粘多糖類に対して、100~500質量%、好ましくは200~500質量%である[1C]~[8C]の何れか一に記載の方法。
[10C]香料含有シートが、0.05~0.15mm、好ましくは0.06~0.10mmの厚さを有する[1C]~[9C]の何れか一に記載の方法。
[11C]原料中の増粘多糖類の配合量が、香料含有シートの原料中の水以外の構成成分の合計質量に対して、10~35質量%、好ましくは12~25質量%である[1C]~[10C]の何れか一に記載の方法。
[12C]香料含有シート中の乳化剤の含有量が、増粘多糖類に対して、0.5~5質量%、好ましくは1.0~4.5質量%である[1C]~[11C]の何れか一に記載の方法。
[13C]香料含有シートが、10質量%未満、好ましくは3~9質量%、より好ましくは3~6質量%の水分含量になるまで乾燥が行われる[1C]~[12C]の何れか一に記載の方法。
本実施例では、嵩増材の候補となる物質(以下、候補嵩増材と呼ぶ)を用いて、香料含有シートを作成し、候補嵩増材が4つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「1-1.原料スラリーの粘度」、「1-2.シートの収縮率」、「1-3.香喫味」、および「1-4.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響ついて評価した。実施例1では、増粘多糖類として、ジェランガムおよびタマリンドガムを1:1の質量比で使用した。
(1)原料スラリーの調製
[試料1]
試料1は、特許文献1~3に開示される実施例1に対応する。
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)2.5質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)2.5質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.1質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 12.5質量部
約70℃に加熱保温した水0.3リットルに、脱アシル型ジェランガム、タマリンドガム、およびレシチンを溶解させて、多糖類水溶液を作成した。多糖類水溶液にl-メンソールを添加し、ホモジナイザー(エーテックジャパン社、DMM型)で混錬および乳化を行い、原料スラリーを調製した。
試料2は、試料1の組成をベースに香料の配合量を削減した。
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)2.5質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)2.5質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.1質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.13質量部
[手順]
試料1と同じ手順で原料スラリーを調製した。
試料3は、試料1の組成をベースに香料の配合量を削減し、削減した香料を増粘多糖類で補填した。
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)8.5質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)8.5質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.34質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.43質量部
[手順]
試料1と同じ手順で原料スラリーを調製した。
試料4は、候補嵩増材として、グラニュー糖(香料グレード)を添加した。
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)2.5質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)2.5質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.1質量部
候補嵩増材 12.0質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.45質量部
約70℃に加熱保温した水0.3リットルに、脱アシル型ジェランガム、タマリンドガム、およびレシチンを溶解させて、多糖類水溶液を作成した。多糖類水溶液に候補嵩増材を添加した後、l-メンソールを添加し、ホモジナイザー(エーテックジャパン社、DMM型)で混錬および乳化を行い、原料スラリーを調製した。
試料5は、候補嵩増材としてセルロース(シグマ-アルドリッチ社、cellulose microcrystalline)を使用したこと以外は、試料4と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料6は、候補嵩増材として炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)、試薬特級)を使用したこと以外は、試料4と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料7は、候補嵩増材としてデンプン(和光純薬工業(株)、試薬 とうもろこし由来)を使用したこと以外は、試料4と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料8は、候補嵩増材としてパインデックス#100(松谷化学工業(株)、2~5のDE値を有するデキストリン)を使用したこと以外は、試料4と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料9は、候補嵩増材としてパインファイバー(松谷化学工業(株)、10~15のDE値を有する難消化性デキストリン)を使用したこと以外は、試料4と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料4~9の原料スラリーを用いて以下のとおり香料含有シートを調製した。
原料スラリーを、サランラップ(登録商標)を被覆したステンレス板上に1.0mmの厚さで伸展させた。伸展させた原料スラリーを20℃の試料温度に一旦冷却してゲル化させた。その後、熱風発生機(宮本製作所、ニューホットブラスターMS5841-6D、設定温度:約140℃)により発生させた約100℃の熱風を、ゲル化した原料に10分間程度当てて、原料を乾燥させた。これにより香料含有シート(厚さ:約0.1mm)を調製した。
試料1~9の原料スラリーの粘度を以下のとおりレオメータ(Thermo Haake社、RheoStrees-1)で測定した。
レオメータ;Thermo Haake社、RheoStrees-1
センサー;Φ60mmプレート-プレート(ギャップ;1.0mm)
振幅条件;Control Stress mode(5Pa)1Hz
温度条件;80℃→20℃(降温)/20℃→80℃(昇温)(各3℃/分)
なお、粘度測定操作中の試料側面からの乾燥による造膜の影響を排除するため、試料側面をシリコーンオイル(信越化学工業(株)、KF-50-1000CS)によりシールした。
粘度測定の結果を図1に示す。
試料2の原料スラリーは、試料1の原料スラリーの組成をベースに香料の配合量を削減したが、試料1と同様、問題なく乳化作業および伸展作業を行うことができる程度の粘度を有していた。しかしながら、試料2の原料スラリーを用いて所定の厚さを有する香料含有シートを調製しようと試みると、所定の厚さを有するシートを製造するために必要な原料スラリーの総量が増大した。これにより乾燥時間が増大するという問題が生じた。
(1)香料含有シートの調製
試料4~9の原料スラリーを、上述のとおり、伸展させ、乾燥させて香料含有シートを調製した。なお、試料7は、原料スラリーの粘度が増大し、原料スラリーを均一な厚さに伸展させることができなかったため、試料7をここでの評価の対象から除外した。
伸展させた原料スラリーの一辺の長さと、調製直後の香料含有シートの一辺の長さを測定した。測定値から、以下の式により収縮率を求めた。
収縮率(%)=[{(伸展させた原料スラリーの一辺の長さ)-(調製直後の香料含有シートの一辺の長さ)}/(伸展させた原料スラリーの一辺の長さ)]×100
収縮率の測定結果を図2に示す。
試料4(候補嵩増材:グラニュー糖)、試料8(候補嵩増材:デキストリン)および試料9(候補嵩増材:難消化性デキストリン)は、収縮率が低く、ゆえに製造適性は高いと言える。
一方、試料5(候補嵩増材:セルロース)は、収縮率が50%程度であり、最も高かった。
(1)香料含有シートの調製
候補嵩増材の種類により、香料の歩留まり(すなわち、香料の配合量に対する、製造されたシート中の香料の含有量の比率)に差異が生じた。このため、この実験では、香料含有シートがおよそ2.5質量%の香料を含むように、候補嵩増材ごとに香料の配合量を調整して、試料10~15の香料含有シートを作成した。
試料10は候補嵩増材としてグラニュー糖(香料グレード)を使用した。
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)2.5質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)2.5質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.1質量部
候補嵩増材 10.4質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.6質量部
約70℃に加熱保温した水0.3リットルに、脱アシル型ジェランガム、タマリンドガム、およびレシチンを溶解させて、多糖類水溶液を作成した。多糖類水溶液に候補嵩増材を添加した後、l-メンソールを添加し、ホモジナイザー(エーテックジャパン社、DMM型)で混錬および乳化を行い、原料スラリーを調製した。
調製した香料含有シートの香料含有量は、シートに対して2.2質量%であった。
試料11は、候補嵩増材としてセルロース(シグマ-アルドリッチ社、cellulose microcrystalline)を使用し、香料の配合量を2.7質量部としたこと以外は、試料10と同じ組成および手順で香料含有シートを調製した。調製された香料含有シートの香料含有量は、シートに対して3.7質量%であった。
試料12は、候補嵩増材として炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)、試薬特級)を使用し、香料の配合量を3.4質量部としたこと以外は、試料10と同じ組成および手順で香料含有シートを調製した。調製された香料含有シートの香料含有量は、シートに対して3.7質量%であった。
試料13は、候補嵩増材としてデンプン(和光純薬工業(株)、試薬 とうもろこし由来)を使用し、香料の配合量を3.9質量部としたこと以外は、試料10と同じ組成および手順で香料含有シートを調製した。調製された香料含有シートの香料含有量は、シートに対して1.9質量%であった。
試料14は、候補嵩増材としてパインデックス#100(松谷化学工業(株))を使用し、香料の配合量を3.9質量部としたこと以外は、試料10と同じ組成および手順で香料含有シートを調製した。調製された香料含有シートの香料含有量は、シートに対して2.5質量%であった。
試料15は、候補嵩増材としてパインファイバー(松谷化学工業(株))を使用し、香料の配合量を16.1質量部としたこと以外は、試料10と同じ組成および手順で香料含有シートを調製した。調製された香料含有シートの香料含有量は、シートに対して3.9質量%であった。
試料10~15の香料含有シートを用いて、以下のとおりシガレットを作成した。
試料10の香料含有シート(厚さ0.1mm)を裁断し、長辺4mm、短辺1.5mmを有する切断片を得た。この切断片と、Winston Tar12mg製品(日本たばこ産業(株))(以下、「対照シガレット」という)から取り出した刻とを、5:95の質量比で混合し混合刻を得た。この混合刻を巻紙で巻装しなおし、試料10のシガレットを作成した。
試料10~15のシガレットの香喫味を官能評価により評価した。具体的には、試料10~15のシガレットの香喫味が、対照シガレットの香喫味と比べてどの程度変化したかを評価した。
2: 香喫味がかなり変化した
3: 香喫味が変化した
4: 香喫味がやや変化した
5: 香喫味が同等で変化がなかった
8人のパネラーの点数を平均し、小数点以下一桁を四捨五入して各シガレットの評価スコアとした。
評価スコアを以下の表1に示す。
(1)香料含有シートの調製
試料10~15の香料含有シートを上述のとおり調製した。
調製した香料含有シートを1×10mmのサイズに裁刻して切断片を得た。得られた切断片を試料皿に広げ、50℃に設定した恒温器(ヤマト科学、DX600)内で所定の期間(7日、14日、および30日)蔵置した。蔵置後の各試料の香料含有量を測定した。
調製直後の香料含有シート(蔵置日数0日)、並びに蔵置後7日、14日、および30日の香料含有シートに含まれるメンソールをメタノールで抽出して測定溶液を調製した。測定溶液中のメンソールをGC-MSDにかけて定量した。
Column; DB-1 60 m×320μm (1μm)
Constant velocity mode 30 cm/sec
Oven; 40℃ → (5℃/min) → 250℃ (hold 5min)
Injection; 1μL
Insert liner; Agilent 4711 (250℃)
Inlet; Sprit mode 10:1 14 mL/min
Agilent社製 5973inert質量分析計
Scan mode (30~300 amu・2.74 scans/sec)
検量線溶液濃度; 0、0.01、0.05、0.1、0.3、0.5、0.7、1.0 [mg-メンソール/mL]の8点。
香料保持率=(蔵置後の香料含有シートの香料含有量)/(調製直後の香料含有シートの香料含有量)
香料保持率の結果を図3に示す。
30日間蔵置された香料含有シートの香料保持率に基づいて、以下の採点基準で評価スコアをつけた。評価結果を以下の表に示す。
香料保持率0.75以上1.00以下 : 評価スコア 4
香料保持率0.50以上0.75未満 : 評価スコア 3
香料保持率0.25以上0.50未満 : 評価スコア 2
香料保持率0以上0.25未満 : 評価スコア 1
以上の実験により、候補嵩増材が4つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「1-1.原料スラリーの粘度」、「1-2.シートの収縮率」、「1-3.香喫味」、および「1-4.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響について評価した。評価結果を表3にまとめる。
(評価基準) ○ :問題なく乳化作業を行うことが可能な粘度
× :乳化作業を行うことが困難な粘度
(評価基準) ◎ :収縮率が20%未満
○ :収縮率が20%以上50%未満
× :収縮率が50%以上
(評価基準) ◎ :評価スコア5
○ :評価スコア4
△ :評価スコア3
× :評価スコア2
××:評価スコア1
(評価基準) ◎ :評価スコア4
○ :評価スコア3
△ :評価スコア2
× :評価スコア1
(i)シートの製造を困難にする程度まで(すなわち、原料スラリーの混錬および乳化作業を困難にする程度まで)原料スラリーの粘度を上昇させない;
(ii)香料含有シートの本来の機能(すなわち、喫煙物品中での香味成分としての機能)を果たさない程度までシートの香料保持機能を低下させない。
本実施例では、増粘多糖類として寒天を使用した。実施例1と同様、候補嵩増材を用いて、香料含有シートを作成し、候補嵩増材が3つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「2-1.原料スラリーの粘度」、「2-2.乾燥後の収縮」、および「2-3.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響について評価した。
(1)原料スラリーの調製
候補嵩増材の種類により、香料の歩留まりに差異が生じたため、この実験では、香料含有シートがおよそ2.5質量%の香料を含むように、候補嵩増材ごとに香料の配合量を調整した。
試料16は、候補嵩増材としてグラニュー糖(香料グレード)を使用した。
[組成]
水 100質量部
寒天(伊那食品工業(株)、UP-37) 5.0質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.1質量部
候補嵩増材 10.4質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.6質量部
寒天を含む水0.3リットルを、沸騰した湯浴で湯煎させて、寒天を水に十分に溶解させて、寒天水溶液を作成した。得られた寒天水溶液にレシチン、候補嵩増材およびl-メンソールを添加し、ホモジナイザー(エーテックジャパン社、DMM型)で混錬および乳化を行い、原料スラリーを調製した。
試料17は、候補嵩増材としてセルロース(シグマ-アルドリッチ社、cellulose microcrystalline)を使用したこと以外は、試料16と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料18は、候補嵩増材として炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)、試薬特級)を使用し、l-メンソールの配合量を1.0質量部としたこと以外は、試料16と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料19は、候補嵩増材としてデンプン(和光純薬工業(株)、試薬 とうもろこし由来)を使用し、l-メンソールの配合量を1.0質量部としたこと以外は、試料16と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料20は、候補嵩増材としてパインデックス#100(松谷化学工業(株))を使用し、l-メンソールの配合量を1.3質量部としたこと以外は、試料16と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料21は、候補嵩増材としてパインファイバー(松谷化学工業(株))を使用し、l-メンソールの配合量を8.7質量部としたこと以外は、試料16と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料16~21の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により試料16~21の香料含有シートを調製した。また、得られた試料16~21の香料含有シートの香料含有量および水分含量を前述の測定方法により測定した。
試料16~21の原料スラリーの粘度を、実施例1と同様の測定装置および測定条件を用いて測定した。
粘度測定の結果を図4に示す。
いずれの試料の原料スラリーも、問題なく乳化および伸展作業を行うことができる程度の粘度を有していた。ただし、試料19(候補嵩増材:デンプン)の原料スラリーは、実施例1と同様、他の候補嵩増材と比較して高い粘度を示す傾向がみられた。
(1)香料含有シートの調製
試料16~21の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により試料16~21の香料含有シートを調製した。
実施例1と同様の方法および計算式により試料16~21の香料含有シートの収縮率を求めた。
収縮率の測定結果を図5に示す。
試料16(候補嵩増材:グラニュー糖)は、収縮率が20%と低く、ゆえに製造適性は高いと言える。
(1)香料含有シートの調製
試料16~21の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により試料16~21の香料含有シートを調製した。
試料16~21の香料含有シートについて、実施例1と同様の方法で蔵置試験を行った。また、実施例1と同様の方法により、調製直後の香料含有シートの香料含有量と、蔵置後の香料含有シートの香料含有量を測定し、香料保持率を算出した。
香料保持率の結果を図6に示す。
30日間蔵置された香料含有シートの香料保持率に基づいて、実施例1に記載の採点基準で評価スコアをつけた。評価結果を以下の表に示す。
実施例2では、増粘多糖類として寒天を使用して、候補嵩増材が3つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「2-1.原料スラリーの粘度」、「2-2.シートの収縮率」、および「2-3.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響について評価した。評価結果を表5にまとめる。
各評価項目の評価基準は、前述のとおりである。
本実施例においては、嵩増材の配合量が5つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「3-1.乾燥時間」、「3-2.原料スラリーの粘度」、「3-3.シートの収縮率」、「3-4.香喫味」、および「3-5.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響を評価した。なお、本実施例ではパインデックスとパインファイバーの混合物(7:3の質量比)を嵩増材として使用した。
嵩増材の配合量と乾燥時間との関係を調べた。この実験では、嵩増材を増粘多糖類に対して0、100、200、300、および380質量%の割合で配合した。
[試料22]
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)3.0質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)1.3質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.2質量部
着色剤(ココアおよびカラメル) 1.0質量部
保湿剤(グリセリン) 0.6質量部
嵩増材(パインデックスおよびパインファイバー(7:3の質量比)) 0質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 0.5質量部
[手順]
実施例1と同じ手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を4.3質量部(増粘多糖類に対して100質量%)としたこと以外は試料22と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を8.6質量部(増粘多糖類に対して200質量%)としたこと以外は試料22と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を12.9質量部(増粘多糖類に対して300質量%)としたこと以外は試料22と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を16.3質量部(増粘多糖類に対して380質量%)としたこと以外は試料22と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料22~26の原料スラリーを、サランラップ(登録商標)を被覆したステンレス板上に、乾燥後のシートの厚さが0.1mmになるように伸展させた。乾燥後のシートの厚さを0.1mmとするためには、嵩増材の配合量に応じて、基材上の原料スラリーの厚さを試料毎に適宜変える必要があった。具体的には、基材上に伸展させた試料22~26の原料スラリーの厚さは、それぞれ、4.0mm、2.2mm、1.4mm、1.3mm、1.1mmであった。
図7に嵩増材の配合割合と乾燥時間との関係を示す。
嵩増材を含む試料23~26では、嵩増材を含まない試料22と比較して、香料含有シートを調製するのに必要な乾燥時間を短縮することができた。とりわけ、嵩増材を増粘多糖類に対して200質量%以上の配合割合で含む試料24~26では、香料含有シートを調製するのに要した乾燥時間は10~15分程度と短かった。また、嵩増材を増粘多糖類に対して300質量%以上の配合割合で含む試料25および26では、乾燥時間は10分程度と更に短かった。
嵩増材の配合量と原料スラリーの粘度との関係を調べた。この実験では、嵩増材を増粘多糖類に対して0、100、200、300、380、500、600および700質量%の割合で配合した。なお、この実験では、全ての香料含有シートがおよそ2.5質量%の香料を含むように、香料の歩留まりを考慮して、嵩増材の配合量に応じて香料の配合量を調整した。
[試料27]
[組成]
水 100質量部
脱アシル型ジェランガム(CP Kelco社、ケルコゲル)3.0質量部
タマリンドガム(MRCポリサッカライド(株)、TG-120)1.3質量部
レシチン(太陽化学(株)、サンレシチンA-1) 0.2質量部
着色剤(ココアおよびカラメル) 1.0質量部
保湿剤(グリセリン) 0.6質量部
嵩増材(パインデックスおよびパインファイバー(7:3の質量比)) 0質量部
l-メンソール(和光純薬工業(株)、試薬特級) 1.4質量部
[手順]
実施例1と同じ手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を4.3質量部(増粘多糖類に対して100質量%)とし、l-メンソールの配合量を3.7質量部としたこと以外は試料27と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を8.6質量部(増粘多糖類に対して200質量%)とし、l-メンソールの配合量を4.8質量部としたこと以外は試料27と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を12.9質量部(増粘多糖類に対して300質量%)とし、l-メンソールの配合量を5.8質量部としたこと以外は同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を16.3質量部(増粘多糖類に対して380質量%)とし、l-メンソールの配合量を5.2質量部としたこと以外は同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を21.5質量部(増粘多糖類に対して500質量%)とし、l-メンソールの配合量を6.5質量部としたこと以外は試料27と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を25.8質量部(増粘多糖類に対して600質量%)とし、l-メンソールの配合量を7.6質量部としたこと以外は試料27と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
嵩増材の配合量を30.1質量部(増粘多糖類に対して700質量%)とし、l-メンソールの配合量を7.6質量部としたこと以外は試料27と同じ組成および手順で原料スラリーを調製した。
試料27~34の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により香料含有シートを調製した。また、得られた試料27~34の香料含有シートの香料含有量および水分含量を、前述の測定方法により測定した。
試料27~34の原料スラリーの粘度を、実施例1と同様の測定装置および測定条件を用いて測定した。
粘度測定の結果を図8に示す。
いずれの試料の原料スラリーも、問題なく乳化および伸展作業を行うことができる程度の粘度を有していた。これらの結果は、嵩増材として使用したパインデックスとパインファイバーの混合物の配合量を増粘多糖類の7倍量まで増大させても原料スラリーの粘度を顕著に上昇させないことを示す。
(1)香料含有シートの調製
試料27~34の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により試料27~34の香料含有シートを調製した。
実施例1と同様の方法および計算式により試料27~34の香料含有シートの収縮率を求めた。
収縮率の測定結果を図9に示す。
いずれの試料の香料含有シートも、収縮率はおよそ10~20%であり、製造上問題ない程度であった。これらの結果は、嵩増材として使用したパインデックスとパインファイバーの混合物の配合量を増粘多糖類の7倍量まで増大させてもシートの収縮率を上昇させないことを示す。
試料27および試料30~34のそれぞれの香料含有シートを用いて、以下のとおりシガレットを作成した。
試料27の香料含有シート(厚さ0.1mm)を裁断し、長辺4mm、短辺1.5mmを有する切断片を得た。この切断片と、メビウス・スーパーライト Tar6mg製品(日本たばこ産業(株))から取り出したたばこ刻とを、5:95の質量比で混合し混合刻を得た。この混合刻を巻紙で巻装しなおし、試料27のシガレットを作成した。
試料27および試料30~34のシガレットの香喫味を官能評価により評価した。具体的には、試料30~34のシガレットの香喫味が、試料27のシガレット(嵩増材を含まない)の香喫味と比べてどの程度変化したかを評価した。
採点基準および評価スコアの算出方法は、実施例1で述べたとおりである。
評価スコアを以下の表6に示す。
(1)香料含有シートの調製
試料27~34の原料スラリーを用いて実施例1と同様の方法により試料27~34の香料含有シートを調製した。
試料27~34の香料含有シートについて、実施例1と同様の方法で蔵置試験を行った。また、実施例1と同様の方法により、調製直後の香料含有シートの香料含有量と、蔵置後の香料含有シートの香料含有量を測定し、香料保持率を算出した。
香料保持率の結果を図10に示す。
30日間蔵置された香料含有シートの香料保持率に基づいて、実施例1に記載の採点基準で評価スコアをつけた。評価結果を以下の表に示す。
実施例3では、候補嵩増材の配合量が5つの評価項目に及ぼす影響、すなわち「3-1.乾燥時間」、「3-2.原料スラリーの粘度」、「3-3.シートの収縮率」、「3-4.香喫味」、および「3-5.蔵置後の香料保持率」に及ぼす影響について評価した。評価結果を表8にまとめる。
(評価基準) ◎ :20分未満
〇 :20分以上、30分未満
△ :30分以上、40分未満
× :40分以上
他の評価項目の評価基準は、実施例1に記載されるとおりである。
本実施例では、香料含有シートの切断片の配合量と配合均一性との関係を調べた。具体的には、香料含有シートの切断片を含むシガレットロッドを5等分してシガレットロッド断片を作成し、各シガレットロッド断片間に香料含有量のばらつきがどの程度みられるかを変動係数(%)により調べた。
試料1の香料含有シートと同じ組成および手順で香料含有シート(厚さ0.1mm)を調製した。調製した香料含有シートを裁断し、長辺4mm、短辺1.5mmを有する切断片を得た。得られた切断片をメビウス・スーパーライト刻と混合してたばこ充填材を調製した。切断片をたばこ充填材に対して2.5質量%、5質量%、7.5質量%、および10質量%のそれぞれの割合で配合し、たばこ充填材を調製した。たばこ充填材を巻紙で巻装してシガレットロッドを調製した。
調製したシガレットロッドを5等分してシガレットロッド断片を得た。各シガレットロッド断片に含まれるメンソール量を、実施例1で述べたとおりGC-MSDにより測定した。
測定されたメンソール量に基づいて、各シガレットロッドについて、香料含有量の変動係数(%)を算出した。得られた変動係数に基づき、各シガレットロッド内の香料の分布のばらつきを評価した。
香料含有シートの切断片の配合割合と香料含有量の変動係数との関係を図11に示す。
香料含有シートの切断片をたばこ充填材に対して5質量%、7.5質量%および10質量%の割合で含む場合、香料含有量の変動係数は低かった。図11の結果から、香料含有シートの切断片を4質量%以上配合すればシガレットロッド内に切断片を均一に配合できることが推察される。
以下に、本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] 増粘多糖類、香料、乳化剤、および嵩増材を含む喫煙物品用香料含有シート。
[2] 前記嵩増材が、デンプン加水分解物である[1]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[3] 前記デンプン加水分解物が、2~40の範囲に包含されるDE値、好ましくは2~20の範囲に包含されるDE値を有するデンプン加水分解物である[2]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[4] 前記デンプン加水分解物が、2~5のDE値を有するデキストリン、10~15のDE値を有する難消化性デキストリン、およびこれらの混合物からなる群より選択される[3]に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[5] 前記嵩増材の含有量が、前記増粘多糖類に対して200~500質量%である[1]~[4]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[6] 前記香料の含有量が、前記喫煙物品用香料含有シートに対して18質量%未満である[1]~[5]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[7] 前記喫煙物品用香料含有シートが、0.05~0.15mmの厚さを有する[1]~[6]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[8] 前記増粘多糖類が、ジェランガム、ジェランガムとタマリンドとの混合物、および寒天からなる群より選択される[1]~[7]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[9] 前記増粘多糖類の配合量が、前記喫煙物品用香料含有シートの原料中の水以外の構成成分の合計質量に対して10~35質量%である[1]~[8]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[10] 前記乳化剤の含有量が、前記増粘多糖類に対して0.5~5質量%である[1]~[9]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[11] 前記喫煙物品用香料含有シートに対して10質量%未満の水を含む[1]~[10]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
[12] [1]~[11]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片を含む喫煙物品。
[13] たばこ刻を更に含み、前記喫煙物品用香料含有シートの切断片が前記たばこ刻と混合されている[12]に記載の喫煙物品。
[14] 前記切断片が、0.05~0.15mmの厚さを有する[1]~[11]の何れか1に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片であり、かつ2.0~7.0mmの長辺および0.5~2.0mmの短辺を有する[13]に記載の喫煙物品。
[15] 前記切断片が、前記たばこ刻と前記切断片との合計質量に対して4~20質量%の量で含まれる[13]または[14]に記載の喫煙物品。
Claims (12)
- 増粘多糖類、香料、乳化剤、および嵩増材であるデンプン加水分解物を含み、前記香料の含有量が、喫煙物品用香料含有シートに対して18質量%未満であり、前記デンプン加水分解物が、2~15の範囲に包含されるDE値を有するデンプン加水分解物であり、前記デンプン加水分解物の含有量が、前記増粘多糖類に対して100~500質量%である、喫煙物品用香料含有シート。
- 前記デンプン加水分解物が、2~5のDE値を有するデキストリン、10~15のDE値を有する難消化性デキストリン、およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記デンプン加水分解物の含有量が、前記増粘多糖類に対して200~500質量%である請求項1または2に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記喫煙物品用香料含有シートが、0.05~0.15mmの厚さを有する請求項1~3の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記増粘多糖類が、ジェランガム、ジェランガムとタマリンドガムとの混合物、および寒天からなる群より選択される請求項1、2および4の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記増粘多糖類の配合量が、前記喫煙物品用香料含有シートの原料中の水以外の構成成分の合計質量に対して10~35質量%である請求項1~5の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記乳化剤の含有量が、前記増粘多糖類に対して0.5~5質量%である請求項1~6の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 前記喫煙物品用香料含有シートに対して10質量%未満の水を含む請求項1~7の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シート。
- 請求項1~8の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片を含む喫煙物品。
- たばこ刻を更に含み、前記喫煙物品用香料含有シートの切断片が前記たばこ刻と混合されている請求項9に記載の喫煙物品。
- 前記切断片が、0.05~0.15mmの厚さを有する請求項1~8の何れか1項に記載の喫煙物品用香料含有シートの切断片であり、かつ2.0~7.0mmの長辺および0.5~2.0mmの短辺を有する請求項10に記載の喫煙物品。
- 前記切断片が、前記たばこ刻と前記切断片との合計質量に対して4~20質量%の量で含まれる請求項10または請求項11に記載の喫煙物品。
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