以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における荷物管理システムの構成を示すブロック図である。荷物管理システムは、例えば配送業者(A宅配業者、B宅配業者)のシステム(A宅配業者システム、B宅配業者システム)に含まれる荷物管理サーバ10(10-A,10-B,…)と携帯端末12(12-A,12-B,…)と、インターネットなどを含むネットワーク14を介して接続される複数の荷物受取装置16(16-1,16-2,…,16-N)と複数の電子機器18とが含まれる。図1では、A宅配業者、B宅配業者、…のそれぞれに1台の荷物管理サーバ10と携帯端末12を示しているが、それぞれ複数台の荷物管理サーバ10と携帯端末12が含まれるものとする。荷物管理サーバ10と携帯端末12は、荷物受取装置16を利用した荷物の配送に関係するデータ処理を実行するデータ処理装置として使用される。荷物受取装置16は、例えば宅配ボックス(宅配BOX)と称される。以下の説明において、荷物受取装置16を宅配ボックスと説明することがある。本実施形態における荷物受取装置16は、荷物を収納するための1つの空間に、例えば複数の荷物(それぞれ異なる配送業者が配送する荷物など)を異なるタイミングで収納可能にする機能を有する。
荷物管理サーバ10は、例えば宅配業者の荷物の受け取り業務や配送業務等を行う配送営業所や配送センターなどに設置されたコンピュータである。荷物管理サーバ10は、宅配業者システム内で管理される荷物の配送に関する各種情報(荷物コード、送り元/送り先の情報、荷物に関する情報など)を受信して、配送対象とする各荷物の配送を管理する。荷物管理サーバ10において管理される荷物に関する情報には、例えば荷物の大きさを示す荷物サイズデータ(縦、横、高さ)及び荷物の重さを示す荷物重量データを含む荷物形状データがある。荷物形状データは、例えば配送営業所などにおいて宅配業者が顧客より荷物を受け付ける際に、例えば寸法測定装置を使用して荷物のサイズと重量を測定することにより生成され、荷物に固有の荷物コードと対応づけて荷物管理サーバ10に記憶される。
なお、寸法測定装置は、例えば距離画像カメラによって荷物を上方より撮影し、距離画像カメラにより生成された距離画像をもとに、荷物の縦、横、高さの寸法を示す荷物サイズデータを生成する。また、寸法測定装置は、距離画像カメラによる撮影時に、同時に荷物の重量を測定して荷物重量データを生成する。
携帯端末12(12-A,12-B,…)は、例えば、荷物の受け付けや配送に関わる配送業者の従業員が使用するもので、例えば配送人などが所持する携帯型の電子機器などを含む。携帯端末12は、ネットワーク14を通じて荷物管理サーバ10と通信し、荷物管理サーバ10において管理されるデータを送受信する。
本実施形態における荷物管理システムでは、荷物管理サーバ10あるいは携帯端末12を使用して、例えば宅配業者による荷物の配送先(住宅、会社、駅など)に設置された荷物受取装置16に対して、荷物を配送する前に、荷物を荷物受取装置16に収納できるか確認することができるようにする。本実施形態における荷物受取装置16は、荷物を収納可能な収納部の空き容量を管理する管理装置として機能する。荷物受取装置16は、複数の荷物を異なるタイミングで収納可能であり、荷物の収納に応じて変化する荷物を収納可能な空き容量を測定して、ネットワーク14を通じて、荷物管理サーバ10、携帯端末12あるいは電子機器18に通知する機能を有する。
電子機器18は、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータなどであり、例えば荷物受取装置16を設置している荷物の受取人が所持しているものとする。電子機器18は、ネットワーク14を通じて、荷物管理サーバ10あるいは荷物受取装置16にアクセスし、荷物の配送に関係するデータを送受信する。
図2は、本実施形態における荷物管理サーバ10の構成を示すブロック図である。
荷物管理サーバ10は、コンピュータの機能が設けられており、プロセッサ10A、メモリ10B、記憶装置10C、入力装置10D、表示装置10E、印刷装置10F、通信インタフェース10Gを有している。
プロセッサ10Aは、基本プログラムや各種アプリケーションプログラムを実行することにより、荷物管理サーバ10の全体を制御する。プロセッサ10Aは、データ処理プログラムを実行することで、荷物の配送業務に関係する各種処理を実行する。
プロセッサ10Aは、ネットワーク14を通じて、荷物受取装置16に対して、収納予定の荷物の荷物サイズデータと荷物重量データとを含む荷物形状データと共に収納可能であるかを問い合わせる第1の問い合わせ機能(問い合わせ処理)、荷物受取装置16から問い合わせに対する応答を受信する受信機能を実現する。第1の問い合わせ機能では、荷物受取装置16から問い合わせた荷物が収納可能であるか否かが応答(荷物受取装置16を開錠するためのパスワードが通知)される。また、プロセッサ10Aは、荷物受取装置16に対して荷物を収納可能な空き容量を問い合わせる第2の問い合わせ機能(空き容量問い合わせ処理)、第2の問い合わせ機能による問い合わせに応じて荷物受取装置16から受信される空き容量情報と、荷物受取装置16に収納させる荷物のサイズを示す荷物サイズデータと重量データをもとに、荷物を荷物受取装置16に収納可能か判定する判定機能を実現する。プロセッサ10Aは、荷物受取装置16に対する問い合わせにより受信した結果をもとに、複数の荷物についての配送スケジュールを生成することができる。例えば、荷物受取装置16に荷物を収納可能であれば配送対象とし、荷物受取装置16に荷物を収納可能でなければ配送をしない、あるいは配送の順番を後回しにするなどの調整をすることができる。
メモリ10Bは、プロセッサ10Aにより実行される各プログラムの他、各種処理の実行に伴う各種データが記憶される。記憶装置10Cは、不揮発性の記録媒体(SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等)において、各種プログラムやデータを記憶する。
記憶装置10Cには、荷物の配送に関する各種データを含む荷物管理データ、荷物の配送に利用可能な荷物受取装置16に関するデータを含む荷物受取装置データなどが記憶される。
図3は、本実施形態における荷物管理データの一例を示す図である。
荷物管理データは、例えば、荷物のそれぞれに固有の荷物コードと対応づけて、荷物情報(送り元/送り先などの送り状情報等を含む)、荷物形状データ(荷物サイズデータ、荷物重量データ)、宅配BOX配送データ、パスワード及び有効時刻、受け入れ不可データなどを含む。
宅配BOX配送データは、荷物の配送方法として、荷物受取装置16への収納が指定されていることを示すデータである。宅配BOX配送データが設定されている場合、配送人は、配送先の受取人が在宅しているか否かに関係無く、荷物を荷物受取装置16に収納させる。従って、宅配BOX配送データが設定された荷物については、荷物受取装置16に対する問い合わせにより荷物を収納可能であることを確認した上で、配送人の都合に応じて任意のタイミングで配送することができる。このため無駄な荷物の配送作業を発生させなくて済む。
パスワードは、荷物受取装置16に対して第1の問い合わせをした場合に、問い合わせ先の荷物受取装置16において荷物が収納可能と判定された場合に通知される。有効時刻は、パスワードと共に荷物受取装置16から通知されるもので、荷物受取装置16によって発行されたパスワードが無効となる時刻である。有効時刻までの間、荷物受取装置16から発行されたパスワードを用いて荷物受取装置16を開錠して荷物を収納させることができる。パスワードが発行されてから無効となる有効時刻までの時間(有効時間)は例えば60分とする。受け入れ不可データは、荷物受取装置16に対する第1の問い合わせによって、荷物の受け入れ不可とする応答があったことを示すデータである。
図4は、本実施形態における荷物受取装置データの一例を示す図である。荷物受取装置データは、図4に示すように、荷物受取装置16を設置している所有者に関する所有者情報(住所、氏名、電話番号など)、荷物管理サーバ10あるいは携帯端末12からネットワーク14を通じて通信するためのアクセス情報、荷物受取装置16において収納可能な荷物の最大サイズを示すサイズ情報、収納可能な荷物の重量を示す有効荷重情報、荷物受取装置16の利用可能時間と使用不可期間などを含む。荷物受取装置データは、例えば荷物受取装置16を利用した配送サービスを希望する所有者が、予め宅配業者システムに登録しておくものとする。宅配業者システムは、荷物受取装置16の利用者を担当配送エリアに有する配送営業所の荷物管理サーバ10に、該当する荷物受取装置16の所有者のデータを記憶させる。
入力装置10Dは、荷物管理サーバ10の動作を制御するための指示を入力する。入力装置10Dは、例えばタッチパネル、キーボード、ボタンなどに対する入力操作を検出して、プロセッサ10Aに通知する。
表示装置10Eは、プロセッサ10Aの制御のもとで、荷物管理サーバ10の動作状態や処理結果等を表示する。
印刷装置10Fは、プロセッサ10Aの制御のもとで、荷物の配送スケジュールなどを印刷する。
通信インタフェース10Gは、外部の機器との通信を制御するインタフェースである。通信インタフェース10Gは、ネットワーク14を介して携帯端末12、荷物受取装置16、電子機器18等との通信を制御する。
図5は、本実施形態における携帯端末12の構成を示すブロック図である。
携帯端末12は、コンピュータの機能が設けられており、プロセッサ12A、メモリ12B、記憶装置12C、入力装置12D、表示装置12E、印刷装置12F、通信インタフェース12G、バーコードリーダ12Hを有している。
プロセッサ12Aは、基本プログラムや各種アプリケーションプログラムを実行することにより、携帯端末12の全体を制御する。プロセッサ12Aは、データ処理プログラムを実行することで、荷物の配送業務に関係する各種処理を実行する。プロセッサ12Aは、荷物管理サーバ10と通信して、荷物管理サーバ10に記憶された、配送を担当する荷物についての荷物管理データを受信し、メモリ12Bあるいは記憶装置12Cに記憶させる。また、プロセッサ12Aは、荷物管理サーバ10と同様にして、ネットワーク14を通じて、荷物の配送先とする荷物受取装置16に対して問い合わせをする、第1の問い合わせ機能(問い合わせ処理)及び第2の問い合わせ機能(空き容量問い合わせ処理)を実現する。プロセッサ12Aは、荷物受取装置16に対する問い合わせによって変更された荷物管理データを荷物管理サーバ10に送信して、データを同期させることができる。
メモリ12Bは、プロセッサ12Aにより実行される各プログラムの他、各種処理の実行に伴う各種データが記憶される。記憶装置12Cは、不揮発性の記録媒体(フラッシュメモリ等)において、各種プログラムやデータを記憶する。
記憶装置12Cには、荷物管理サーバ10と同様に、配送対象とする荷物に対応する、荷物の配送に関する各種データを含む荷物管理データ、荷物の配送に利用可能な荷物受取装置16に関するデータを含む荷物受取装置データなどが記憶される。
入力装置12Dは、携帯端末12の動作を制御するための指示を入力する。入力装置12Dは、例えばタッチパネル、キーボード、ボタンなどに対する入力操作を検出して、プロセッサ12Aに通知する。
表示装置12Eは、プロセッサ12Aの制御のもとで、携帯端末12の動作状態や処理結果等を表示する。
印刷装置12Fは、プロセッサ12Aの制御のもとで、伝票等印刷をする。
通信インタフェース12Gは、外部の機器との通信を制御するインタフェースである。通信インタフェース12Gは、ネットワーク14を介した荷物管理サーバ10との通信、あるいは荷物受取装置16との間の無線通信を制御する。
バーコードリーダ12Hは、荷物に貼り付けられた送り状等に付された荷物に固有のバーコードを読み取る。バーコードリーダ12Hにより読み取られたバーコードをもとに荷物コードが識別される。
図6は、本実施形態における荷物受取装置16の構成を示すブロック図である。
荷物受取装置16は、例えば、データ処理装置16A、空間検知センサ16B、可視光カメラ16C、施錠ユニット16Dが設けられている。データ処理装置16Aは、コンピュータの機能が設けられており、プロセッサ30A、メモリ30B、記憶装置30C、入力装置30D、表示装置30E、印刷装置30F、通信インタフェース30G、入出力インタフェース30Hを有している。
プロセッサ30Aは、制御プログラムを実行することにより、荷物受取装置16の全体を制御する。プロセッサ30Aは、荷物管理プログラムを実行することで、荷物管理サーバ10、携帯端末12及び電子機器18からの問い合わせに応答する問い合わせ応答機能(問い合わせ応答処理)、荷物を収納させるための荷物受取機能(荷物受取処理)を実現する。
メモリ30Bは、プロセッサ30Aにより実行される各プログラムの他、各種処理の実行に伴う各種データが記憶される。記憶装置30Cは、不揮発性の記録媒体(フラッシュメモリ等)において、各種プログラムやデータを記憶する。
記憶装置30Cには、荷物に対する問い合わせと受け取りに関する各種データを含む問い合わせ管理データ、空間検知センサ16Bにより測定された荷物を収納可能な空き容量に関する空き容量データが記憶される。また、記憶装置30Cには、可視光カメラ16Cによって撮影された画像(静止画、動画)の画像データが記憶される。記憶装置30Cに記憶された画像データは、表示装置30Eにおいて再生しても良いし、通信インタフェース30Gを通じて、荷物受取装置16の所有者の電子機器18により読み出して、電子機器18において再生しても良い。
図7(A)は、本実施形態における問い合わせ管理データの一例を示す図である。
問い合わせ管理データは、例えば、宅配業者に固有の業者コード、荷物コード及び荷物情報、荷物形状データ(荷物サイズデータ、荷物重量データ)、パスワード及び有効時刻、受け入れ済みデータ、受け入れ不可データなどを含む。業者コード、荷物コード及び荷物情報、荷物形状データは、荷物管理サーバ10あるいは携帯端末12からの問い合わせ時に受信される。パスワード及び有効時刻は、荷物管理サーバ10または携帯端末12からの問い合わせに対して、荷物形状データが示す荷物を収納可能と判定された場合に生成され、記憶される。受け入れ済みデータは、問い合わせに対して収納可能であることを応答した荷物が、荷物受取装置16に実際に収納されたことを示すデータである。受け入れ不可データは、問い合わせに対して収納不可であることを応答した荷物であることを示すデータである。
図7(B)は、本実施形態における空き容量データの一例を示す図である。
空き容量データは、空間検知センサ16Bにより検出された空き容量を示す空き容量情報、及び空き容量の測定を実施した測定時刻を示すデータを含む。荷物受取装置16の空き容量情報は、例えば荷物が収納されていない場合には初期値(最大空き容量)が設定され、荷物が収容された場合には空き容量測定処理が実行されて、荷物収容後の空き容量が設定される。
入力装置30Dは、荷物受取装置16の動作を制御するための指示を入力する。入力装置30Dは、例えばタッチパネル、キーボード、ボタンなどに対する入力操作を検出して、プロセッサ30Aに通知する。入力装置30Dは、荷物受取装置16を開錠するためのパスワードの入力などに使用される。
表示装置30Eは、プロセッサ30Aの制御のもとで、荷物受取装置16の動作状態や処理結果等を表示する。
印刷装置30Fは、プロセッサ30Aの制御のもとで、荷物受取を証明する受取証などを印刷して出力する。
通信インタフェース30Gは、外部の機器との通信を制御するインタフェースである。通信インタフェース30Gは、ネットワーク14を介した荷物管理サーバ10、携帯端末12あるいは電子機器18との通信、あるいは携帯端末12との間の無線通信を制御する。
空間検知センサ16Bは、荷物受取装置16の荷物を収納する空間(空き容量)を測定するためのセンサである。
可視光カメラ16Cは、荷物受取装置16の使用者を静止画あるいは動画により撮影して、荷物受取装置16の不正使用を抑止するためのものである。可視光カメラ16Cは、荷物受取装置16の筐体に実装して、荷物受取装置16に荷物を収納する使用者の動作、あるいは荷物を取り出す使用者の動作を撮影するように動作させる。また、可視光カメラ16Cは、荷物受取装置16の筐体に実装するだけでなく、荷物受取装置16から離した位置に設置して、例えば俯瞰して荷物受取装置16と荷物受取装置16を使用する人を含む範囲の画像(静止画、動画)を撮影するようにしても良い。
施錠ユニット16Dは、プロセッサ30Aの制御により、荷物受取装置16に設けられた扉の施錠と解錠を制御する。
図8は、本実施形態における第1構成による荷物受取装置16の外観構成を示す斜視図である。第1構成の荷物受取装置16は、荷物を収納する1つの空間に、荷物ごとに区分を設けることなく複数の荷物を収納することができるようにする。
図8に示すように、第1の構成による荷物受取装置16は、荷物を収納可能とする空間(収納部)が設けられた直方体形状の筐体本体40と、荷物受取装置16の前面部に、筐体本体40の右端部近傍に設けられたヒンジ構造(図示せず)により開閉可能に設けられた扉42が設けられている。図8は、扉42が開けられた状態を示している。図8に示すように、扉42を開けた状態にして、筐体本体40の内部の空間(収納部)内に荷物を収納させることができる。図8では、例えば2つの荷物OB1,OB2が収納された状態を示している。
筐体本体40の筐体内の上部には、データ処理装置16Aが設けられている。データ処理装置16Aには、扉42を開放することで露出される前面部に、可視光カメラ16C、表示装置30E、入力装置30Da、印刷装置30Fが設けられている。また、筐体本体40の前面左端には、扉42が閉じられた際に、扉42を施錠するための施錠ユニット16Dが設けられている。
可視光カメラ16Cは、扉42が開放された場合に、正面を撮影範囲とする位置に設けられている。これにより、荷物受取装置16に荷物を収納する使用者、あるいは荷物を取り出す使用者の動作を撮影することができる。入力装置30Daは、荷物を荷物受取装置16に収納する配送人などによる入力操作を受け付ける。なお、扉42の外側面にも入力装置30Dbが設けられる。入力装置30Dbは、扉42が閉じられて施錠状態にあるときに、扉42を開錠するためのパスワード入力などのために操作される。
また、扉42の外側面には、通信インタフェース30Gによる無線通信のためのアンテナを実装する。荷物受取装置16が生成したパスワードを記憶する携帯端末12は、配送対象とする荷物(パスワード)を選択する操作がされた後に、例えばアンテナに近接されることで、近接無線通信によりパスワードを荷物受取装置16に送信することができる。これにより、配送人は、入力装置30Dbに対する操作に代えてパスワードを入力することができる。
図9は、図8におけるA-A線における断面図を示している。
図9に示すように、データ処理装置16Aの下面には、空間検知センサ16Bが設けられる。空間検知センサ16Bは、筐体本体40の荷物が収納される空間に対して距離測定をする。空間検知センサ16Bは、距離センサ(例えば、赤外線式、超音波式など)、2台のカメラにより撮影された2次元画像の視差を利用して距離を測定するステレオカメラなどを利用することができる。筐体本体40の内部には、図9に示すように、複数の荷物OB1,OB2が積み重ねて収納される。従って、空間検知センサ16Bによって荷物までの距離を測定することで、荷物までの距離の範囲を、さらに荷物を収納することができる空き容量とすることができる。
図10は、本実施形態における第2構成による荷物受取装置16の外観構成を示す斜視図である。第2構成の荷物受取装置16は、荷物を収納する1つの空間に、荷物(1回分の配送)ごとに区分するための可動式仕切り板を設け、先に収納された荷物が扉42を開放しても取り出せないようにする。
第2構成による荷物受取装置16は、前述した第1構成と基本的に同じであるので異なる構成について説明する。
図10(A)(B)は、第2構成による荷物受取装置16の断面図を示している。
図10(A)は、荷物OB1の収納時の状態を示している。筐体本体40の荷物を収納する空間の上部に複数の可動式仕切り板50(50-1~50-4)が重ねた状態で収納されている。仕切り板50は、例えば筐体本体40の左右側板に垂直に設けられたレール(図12に示すレール52a,52b)により支持され、水平な状態で上下方向に可動できるようにしている。
例えば、図10(A)に示すように、荷物OB1を収納させた場合には、上部に収納された複数の仕切り板50のうち最下の仕切り板50-1を下方向に移動させて、荷物OB1の上面に密着させる。同様にして、次の荷物OB2が収納される場合には、図10(B)に示すように、次の仕切り板50-2を下方向に移動させて、荷物OB2の上面に密着させる。
図11には、本実施形態における仕切り板50-1の断面図を示している。なお、仕切り板50-1~50-4は全て同様の構成を有するものとする。
図11(A)に示すように、仕切り板50-1は、内部に空間が形成されており、柔軟性のあるシート50-1Aが収納されており、所定の範囲内で引き出すことができる。シート50-1Aの先端部には、複数箇所(例えば、2箇所)に固定部材50-1Bが設けられている。図11(A)に示す例では、固定部材50-1Bは、例えば棒状部材に引っ掛けて固定できるようにしたフック状に形成されている。仕切り板50-1の上面の前端近傍には、仕切り板50-2に設けられた固定部材(図示せず)を引っ掛けることができる固定部材50-1C(棒状部材)が、仕切り板50-2に設けられた固定部材と対応づけて設けられている。
図11(B)は、仕切り板50-1の上部に荷物OB2が置かれた状態を示している。図11(B)に示すように、荷物が収納された後、仕切り板50-2のシート50-2Aを引き出して、荷物OB2の下にある仕切り板50-1の固定部材50-2C(棒状部材)に、シート50-2Aの先端部の固定部材50-2B(フック)を引っ掛けて固定する。これにより、荷物OB2の前面側がシート50-2Aにより覆われるため、荷物OB2が取り出せないようになる。
荷物OB1の上にある仕切り板50-1については、シート50-1Aが引き出されて、図12に示すように、筐体本体40の底部の前面端部近傍に設けられた固定部材40A(棒状部材)により固定される。
図12は、本実施形態における第2構成による荷物受取装置16の斜視図を示している。図12では、荷物OB1が収納された後、レール52a,52bに支持された仕切り板50-1が下方に移動されて荷物OB1の上面に乗せられている。そして、仕切り板50-1のシート50-1Aが引き出されて、シート50-1Aの先端に設けられた2つの固定部材50-1Ba,50-1Bbが、筐体本体40の底部に設けられた固定部材40Aa,40Abにそれぞれ固定されている。図12に示すように、荷物OB1の前面がシート50-1Aにより覆われるため、扉42が開放されても荷物OB1が容易に取り出せないようになる。
仕切り板50によるシートで荷物の前面を覆うことで、容易に荷物を取り出せなくなり、後から荷物受取装置16を利用する配送人等が、先に収納済みの荷物を取り出すといった不正な行為を抑止することが可能となる。さらに、固定部材によるシートの固定は、荷物受取装置16の所有者のみが解除できる構成とすることで、さらに収納済みの荷物を不正に取り出すことを確実に防ぐことができる。例えば、固定部材による固定を所有者が所有する鍵により解除できるようにする、あるいは所有者パスワードの入力により固定を解除する機構などを設けても良い。
また、第2構成による荷物受取装置16では、収納可能な荷物の重量を示す有効荷重情報を、筐体本体40の底部(最初に収納される荷物)と仕切り板50のそれぞれに対して設定するようにしても良い。すなわち、仕切り板50の上に荷物が収容される場合には、荷物の重量によって仕切り板50が破損などしないように、筐体本体40の底部に収納する場合よりも有効荷重を軽くするなどの設定を可能にする。
なお、図10及び図11に示す第2構成による荷物受取装置16は、一例であって、荷物を収納する1つの空間を収納済みの荷物に応じて空き容量を動的に変更可能にすると共に、筐体本体40の内部に収納済みの荷物を取り出せないようにする構成であれば、その他の構成とすることも可能である。
また、仕切り板50を有する第2構成の荷物受取装置16では、使用されている最上位の仕切り板50の位置をセンサ(空間検知センサ16B)により検出し、仕切り板50の位置に基づいて荷物受取装置16の空き容量を決定することができる。また、空間検知センサ16Bを仕切り板50が障害とならない位置(筐体本体40の内部背面板の上部など)に設けて、空き容量を測定するようにしても良い、
次に、本実施形態における荷物管理システムの動作について説明する。
まず、宅配業者の荷物の配送人が所持する携帯端末12により、荷物の受取人が設置した荷物受取装置16に対して荷物を収納可能であるか問い合わせる場合について説明する。
図13、図14及び図15は、本実施形態における荷物受取装置16の問い合わせ応答処理(応答機能)の動作を示すフローチャートである。図16は、本実施形態における携帯端末12の問い合わせ処理(第1の問い合わせ機能)の動作を示すフローチャートである。
携帯端末12には、荷物管理サーバ10に記憶された配送予定の複数の荷物に対応する荷物管理データと配送先の荷物受取装置16についての荷物受取装置データが入力され、記憶装置12Cに記憶されているものとする。
配送人は、例えば60分以内に配送作業が可能な荷物を、携帯端末12の入力装置12Dに対する操作によって選択する。60分は、荷物受取装置16において荷物の収納が可能と判定された場合に発行されるパスワード有効時間に相当する。
例えば、プロセッサ12Aは、荷物受取装置データをもとに配送予定の荷物の一覧を表示装置12Eに表示させ、配送人の操作によって何れかを指定させる。プロセッサ12Aは、配送人による指定に応じて、問い合わせ対象とする荷物を選択する(図16、ActD11)。プロセッサ12Aは、選択した荷物に対応する配送先に設置された荷物受取装置16の情報を荷物受取装置データから読み出す(ActD12)。
プロセッサ12Aは、荷物に対応する荷物受取装置データに設定された利用可能時間、使用不可期間をもとに現在、荷物受取装置16を利用可能であるかを判定する。ここで、利用可能でないと判定される場合、プロセッサ12Aは、荷物の配送先の荷物受取装置16を利用できないものとして問い合わせ処理を終了する(ActD13、No)。
また、プロセッサ12Aは、荷物受取装置16を利用可能と判定された場合(ActD13、Yes)、荷物受取装置データに設定されたサイズ情報及び有効荷重情報と、配送対象とする荷物の荷物形状データをもとに、荷物が荷物受取装置16に収容可能であるか判定する。すなわち、荷物受取装置16に先に他の荷物が収納されていない場合において、荷物を収容可能であるかを判定する。ここで、収納可能でないと判定される場合、プロセッサ12Aは、荷物の配送先の荷物受取装置16に収容できないものとして問い合わせ処理を終了する(ActD14、No)。
また、プロセッサ12Aは、荷物受取装置16に荷物を収容可能と判定された場合(ActD14、Yes)、荷物受取装置データに設定されたアクセス情報をもとに荷物受取装置16にアクセスして、問い合わせを送信する(ActD15)。問い合わせでは、荷物受取装置16に対して、例えば業者コード、荷物情報、荷物コード、荷物形状データを送信する。
次に、問い合わせを受信した荷物受取装置16の問い合わせ応答処理の動作について説明する。
荷物受取装置16のプロセッサ30Aは、携帯端末12からの問い合わせを受信すると(図13、ActA11、Yes)、問い合わせにより受信した荷物に関する各データ(業者コード、荷物情報、荷物コード、荷物形状データ)を問い合わせ管理データに追加記憶させる(受信手段)。また、プロセッサ30Aは、問い合わせに含まれる業者コードをもとに、宅配業者の携帯端末12からの問い合わせであるか、荷物受取装置16の所有者の電子機器18からの問い合わせであるか判定する。
ここで、業者コードから宅配業者の携帯端末12からの問い合わせであると判定された場合(ActA12、Yes)、プロセッサ30Aは、記憶装置30Cに記憶された空き容量データから、荷物受取装置16の現在の荷物を収容可能な空き容量を示す空き容量情報を読み出す(ActA13)。
プロセッサ30Aは、携帯端末12からの問い合わせが空き容量の問い合わせ(第2の問い合わせ)でない場合(ActA14、No)、受け入れ判定処理を実行する(ActA16)(判定手段)。
図14は、本実施形態における荷物受取装置16の受け入れ判定処理の一例を示すフローチャートである。
プロセッサ30Aは、図7に示す問い合わせ管理データを参照して、受け入れ予定荷物があるか判定する。すなわち、例えば、先に他の宅配業者等の携帯端末12から問い合わせがあり、荷物を収容可能であると応答済みであるかを判定する。荷物を収納可能と応答している場合には、問い合わせ管理データにおいて、問い合わせの対象とする荷物に応じて、業者コード、荷物情報、荷物コード、荷物形状データ、パスワード及び有効時刻が追加されている。そして、荷物の収納が完了していない場合には、受け入れ済みデータが設定されていない。プロセッサ30Aは、受け入れ済みデータが設定されていない荷物に対応するデータが問い合わせ管理データに記憶されている場合に、受け入れ予定荷物ありと判定する。
プロセッサ30Aは、受け入れ予定荷物ありと判定した場合(ActB11、Yes)、この荷物の荷物サイズデータと現在の空き容量とをもとに、受け入れ予定荷物が収納された後の空き容量を算出する(ActB12)。すなわち、別の配送業者等が先に問い合わせ済みであり、先に荷物を収納されたとしても、さらに荷物を収納可能な空き容量があれば、受け入れ可能と判定されるようにする。
次に、プロセッサ30Aは、荷物受取装置16の空き容量が、問い合わせがあった荷物の荷物サイズより大きい場合(ActB13、Yes)、荷物サイズについては収納可能であると判定し、荷物の重量について収納可能であるかを判定する。
プロセッサ30Aは、問い合わせが最初に収容される荷物である場合(荷物受取装置データに最初に記憶された荷物である場合(ActB14、Yes)、荷物を受け入れ可能と判定する(ActB16)。すなわち、最初に収容される荷物である場合、筐体本体40の底部に載置され、また先に収容された荷物の上に載置されることもないので、荷物の重量が有効荷重内にあるものとして荷物を受け入れ可能と判定して、受け入れ判定処理を終了する。
一方、プロセッサ30Aは、問い合わせが最初に収容される荷物でない場合(ActB14、No)、予め設定された許容重量が、荷物の荷物重量データが示す荷物重量より大きいかを判定する。第1構成の荷物受取装置16の場合、許容重量は、荷物を積載可能とする重量が設定される。また、第2構成の荷物受取装置16の場合、許容重量は、仕切り板50のそれぞれに設定される荷物を載置可能な有効荷重が用いられる。
プロセッサ30Aは、許容重量が、荷物の荷物重量より大きいと判定される場合(ActB15、Yes)、荷物を受け入れ可能と判定する(ActB16、Yes)。
なお、荷物受取装置16の空き容量が、問い合わせがあった荷物の荷物サイズより大きいと判定されない場合(ActB13、No)、及び許容重量が、荷物の荷物重量より大きいと判定されない場合(ActB15、No)には、プロセッサ30Aは、荷物を受け入れ不可と判定して(ActB17)、受け入れ判定処理を終了する。
プロセッサ30Aは、受け入れ判定処理により受け入れ不可と判定された場合(ActA17、No)、問い合わせ元の携帯端末12に対して、荷物の受け入れ不可を応答する(ActA21)(出力手段)。また、プロセッサ30Aは、受け入れ不可と判定された荷物に対応する受け入れ不可データを、問い合わせ管理データに設定する(ActA22)。受け入れ不可データが設定された荷物については、受け入れ不可リスト(図示せず)に登録して、後述する受け入れ不可リスト処理の対象とする。受け入れ不可リスト処理では、受け入れ不可の応答した荷物について、荷物受取装置16に収容可能な状況となった場合に、問い合わせ元に受け入れ可能を応答する処理である(図15参照)。
一方、プロセッサ30Aは、受け入れ判定処理により受け入れ可能と判定された場合(ActA17、Yes)、荷物受取装置16を開錠するためのパスワードを発行する(ActA18)と共に、パスワードを有効とする有効時刻を生成し、パスワード及び有効時刻を荷物受取装置データに記録する(ActA19)。パスワードの有効時刻は、例えばパスワードを発行してから60分後の時刻が設定されるものとする。有効時刻を設定することで、例えば、荷物受取装置16に対して先に問い合わせをして、受け入れ可能の応答を受信した宅配業者が、荷物受取装置16を独占使用できないようにできる。また、有効時刻が終了するまでの間に、配送人に対して荷物受取装置16への荷物の配送を促すことができる。さらに、有効時刻までに荷物を荷物受取装置16に収納されなかった場合には、他の宅配業者などによって問い合わせを受信している場合に、受け入れ可能応答(後述する)をして荷物の収納を許可することができる。これにより、荷物受取装置16の利用機会を増やして、荷物受取装置16をより有効活用することが可能となる。
プロセッサ30Aは、問い合わせ元の携帯端末12に対して、空き容量データ(空き容量情報、測定時刻)、パスワード及び有効時刻と共に、荷物の受け入れ可能を応答する(ActA20)(出力手段)。
携帯端末12のプロセッサ12Aは、荷物受取装置16から問い合わせに対する応答を受信すると(図16、ActD16、Yes)、荷物の受け入れ可能の応答であるか判定する。荷物の受け入れ可能の応答である場合(ActD17、Yes)、プロセッサ12Aは、問い合わせの対象とした荷物と対応づけて、荷物受取装置データに空き容量データと、パスワード及び有効時刻を記録する(ActD18,D19)。
また、プロセッサ12Aは、荷物受取装置16から受信した問い合わせに対する応答の内容として、荷物の受け入れ可能であることを、例えば表示装置12Eに表示するなどして報知する(ActD21)(報知手段)。これにより、配送人は、問い合わせした荷物を荷物受取装置16に配送可能であることを把握できる。
こうして、受け入れ可能の応答を受信することで、配送人は、配送予定の荷物が荷物受取装置16に収納可能であり、パスワードの有効時刻まで荷物受取装置16を優先的に使用できることを確認することが可能となる。配送人は、荷物受取装置16からの応答を利用して、荷物の配送スケジュールを調整して、効率的な配送作業をすることができる。
一方、荷物の受け入れ不可の応答である場合(ActD17、No)、プロセッサ12Aは、問い合わせの対象とした荷物と対応づけて、受け入れ不可データを記録する(ActD20)。
また、プロセッサ12Aは、荷物受取装置16から受信した問い合わせに対する応答の内容として、荷物の受け入れ不可であることを、例えば表示装置12Eに表示するなどして報知する(ActD21)(報知手段)。
こうして、受け入れ不可の応答を受信することで、配送人は、荷物の配送作業する前に荷物受取装置16に荷物を収納できないことが確認できるので、無駄な配送作業が生じないようにすることができる。
なお、前述した説明では、携帯端末12から第1の問い合わせ機能により問い合わせをする場合について説明しているが、次に、第2の問い合わせ機能による空き容量問い合わせ処理について説明する。
第2の問い合わせ機能では、荷物受取装置16に対して空き容量問い合わせすることで空き容量情報を受信し、携帯端末12において荷物を収納可能であるかを判定する。例えば、荷物受取装置16を開錠するために必要なパスワードが配送業者毎あるいは配送人毎に荷物受取装置16の所有者から予め提供されている場合、第1の問い合わせ機能による問い合わせのような荷物の収納可能の判定を荷物受取装置16においてする必要がない。
図17は、本実施形態における携帯端末12の空き容量問い合わせ処理(第2の問い合わせ機能)の動作を示すフローチャートである(問い合わせ手段)。
なお、図17に示すActE11~E16は、図16に示すActD11~D16と同様に実行されものとして説明を省略する。
荷物受取装置16のプロセッサ30Aは、携帯端末12から空き容量問い合わせを受信すると(図13、ActA11~A14、Yes)、空き容量データを問い合わせ元の携帯端末12に対して送信する(ActA15)。
携帯端末12のプロセッサ12Aは、荷物受取装置16から空き容量問い合わせに対する応答を受信すると、荷物受取装置16から送信された空き容量データを記憶装置12Cに記録する(ActE17)。そして、プロセッサ12Aは、空き容量データと配送対象とする荷物の荷物形状データをもとに、荷物が荷物受取装置16に収納可能であるかを判定する(ActE18)。なお、荷物の荷物形状データをもとにした判定の方法については、前述した荷物受取装置16における受け入れ判定処理と同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。プロセッサ12Aは、判定結果を例えば表示装置12Eに表示するなどして報知する(ActE19)。
ここで、携帯端末12は、荷物受取装置16に荷物を収納可能と判定した場合に、例えば配送人の入力操作に応じて、問い合わせをした荷物受取装置16に対して荷物収納の予約を要求できるようにしても良い。携帯端末12は、荷物収納の予約が指示されると、荷物受取装置16に対して荷物収納の予約の要求を送信する。
荷物受取装置16は、空き容量問い合わせをした携帯端末12から、荷物収納を予約する要求が受信された場合には、予め設定された時間(例えば60分)だけ、他の配送人等による荷物の収納を拒否する。これにより、空き容量問い合わせをすることで、荷物を優先的に収納できるようになる。従って、荷物収納の予約を利用した荷物の配送スケジュールを調整して、効率的な配送作業をすることができる。
なお、前述した携帯端末12による空き容量問い合わせ処理では、配送対象とする荷物を選択して問い合わせしているが、荷物を特定しないで空き容量を問い合わせしても良い。すなわち、配送人は、荷物受取装置16の現在の空き容量を確認するためだけに問い合わせをする。この場合、図17に示すActE11~E14の処理を省略することができる。
なお、前述した説明では、携帯端末12から荷物受取装置16に対して問い合わせをする場合について説明しているが、携帯端末12と同様にして荷物管理サーバ10から荷物受取装置16に等合わせすることが可能である(問い合わせ処理、空き容量問い合わせ処理)。また、荷物管理サーバ10は、携帯端末12からの問い合わせ要求に応じて、荷物受取装置16に対して問い合わせを実行するようにしても良い。この場合、携帯端末12には、荷物受取装置16に対して問い合わせする機能を設けなくても良い。携帯端末12は、荷物管理サーバ10を通じて、問い合わせ結果を受信して、配送業務のスケジュールなどを調整することができる。
次に、本実施形態における荷物受取装置16による受け入れ不可リスト処理について、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。受け入れ不可リスト処理は、問い合わせ応答処理とは別に実行される。受け入れ不可リスト処理では、受け入れ不可を応答した荷物について、荷物受取装置16に収容可能な状況となった場合に、問い合わせ元に受け入れ可能を応答する。
荷物受取装置16のプロセッサ30Aは、確認有効時刻内にある場合に(ActC11、Yes)、例えば予め決められた一定時間毎に、受け入れ不可リスト処理を実行する。確認有効時刻は、受け入れ不可リスト処理により受け入れ可能応答を受信した配送人が、荷物の配送作業をすることが可能な時刻が設定される。例えば、配送人による配送作業が午後8時まで可能である場合、確認有効時刻が午後7時に設定される。
プロセッサ30Aは、扉42について開閉がされたかを判定する。すなわち、荷物の受取人が荷物受取装置16に収納された荷物を取り出した可能性があるかを判定する。なお、荷物受取装置16の開錠が受取人専用のパスワードによって実行される場合には、扉42の開閉による判定ではなく、専用のパスワードの使用によって荷物を取り出した可能性があるかを判定するようにしても良い。
ここで、扉42が開閉されている場合(ActC12、Yes)、プロセッサ30Aは、空き容量測定処理を実行する(ActC13)(測定手段)。すなわち、筐体本体40の内部に荷物が収納あるいは取り出されたことにより変化する空き容量を測定する。プロセッサ30Aは、測定された空き容量情報と測定時刻を記憶装置30Cに空き容量データとして記録する(ActC14)。
また、プロセッサ30Aは、問い合わせ管理データ(受け入れ不可リスト)の受け入れ不可データが設定された荷物に対応する、有効時刻が経過した無効パスワードがあるかを判定する。すなわち、受け入れ済みデータが設定されておらず、パスワードの有効時刻を経過している場合(ActC15、Yes)、有効時刻までに荷物が収納されていないことを示す。
プロセッサ30Aは、空き空間測定処理を実行した場合、及び無効パスワードがある場合、前述した受け入れ判定処理(図14)を実行する(ActC16)。受け入れ判定処理では、受け入れ不可リストに先に設定された荷物から順番(問い合わせを先にした順番)に対象にして判定を行うものとする。
受け入れ判定処理の結果、受け入れ可能と判定された場合(ActC17、Yes)、プロセッサ30Aは、受け入れ可能と判定された荷物についての問い合わせ元の携帯端末12(あるいは荷物管理サーバ10)に対して受け入れ可能を応答する(ActC18)。
受け入れ可能応答が荷物受取装置16から受信された携帯端末12(あるいは荷物管理サーバ10)は、対象とする荷物について配送可能であれば、荷物受取装置16に配送可能を応答する。荷物受取装置16は、対象とする荷物の受け入れ不可データを削除すると共に、パスワードの有効時刻を再設定してパスワードを有効にする。なお、新たなパスワードと共に有効時刻を設定するようにしても良い。
このようにして、荷物受取装置16により受け入れ不可リスト処理を実行することで、1回の問い合わせにより荷物の収納不可と判定されたとしても、収納が予定された荷物が実際には収納されなかった場合、あるいは荷物受取装置16の空き容量が荷物の取り出しにより増加した場合などにおいて、受け入れ可能を応答することができる。従って、荷物受取装置16の空き容量を有効に使用して荷物の受け取りが可能となる。また、配送業者の配送人は、最初の問い合わせ時には収納できなくても、荷物受取装置16からの受け入れ可能応答の受信に応じて荷物の配送作業をすることで、無駄な配送作業をすることなく効率的な配送が可能となる。
次に、本実施形態における荷物受取装置16による荷物受取処理について、図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。
荷物受取装置16のプロセッサ30Aは、入力装置30Dbに対する入力操作、あるいは通信インタフェース30Gによる無線通信によりパスワードが入力されると(ActF11)、入力されたパスワードが有効時刻内に入力された正しいパスワードあるかを認証する(ActF12)。認証OKと判定されない場合(ActF13、No)、プロセッサ30Aは、パスワードの入力を無効として処理を終了する。
一方、認証OKと判定された場合(ActF13、Yes)、プロセッサ30Aは、筐体本体40の内部に荷物を収納できるように開錠処理を実行する(ActF14)。すなわち、プロセッサ30Aは、入出力インタフェース30Hを通じて施錠ユニット16Dを駆動し、扉42のロックを外して開放可能にする。
また、プロセッサ30Aは、可視光カメラ16Cによる画像の撮影と記録を開始する(ActF15)。可視光カメラ16Cによる画像の撮影を扉42の開放に応じて開始することで、荷物の収納動作をする配送人の様子を撮影して記録することができる。プロセッサ30Aは、画像撮影中であることを荷物受取装置16の利用者に認識させるために、例えば表示装置30Eに撮影画像やメッセージなどを表示する。これにより、不正行為を抑止する効果を向上させることができる。
配送人は、扉42を開放して、荷物を筐体本体40の内部に収納する。そして、配送人は、荷物の収納完了を示す操作を入力装置30Daに対して行う。なお、荷物の収納完了を示す操作に応じて空間検知センサ16Bにより空き容量の測定を実行させて、空き容量の変動があったか、すなわち実際に荷物が収納されたか判定するようにしても良い。
プロセッサ30Aは、荷物の収納完了が指示されると(ActF16、Yes)、印刷装置30Fを動作させて受取レシートを発行させる(ActF17)。受取レシートには、例えば、業者コード、荷物情報の他、荷物の収納完了が指示された時刻、可視光カメラ16Cにより撮影された画像などを印刷させる。
その後、扉42が閉扉されたことを検出すると(ActF18、Yes)、プロセッサ30Aは、施錠処理を実行する(ActF19)。すなわち、プロセッサ30Aは、入出力インタフェース30Hを通じて施錠ユニット16Dを駆動し、扉42をロックして開放不能にする。
なお、扉42が開錠された後、荷物の収納完了が指示されることなく(ActF16、No)、閉扉された場合には(ActF18、Yes)、プロセッサ30Aは、受取レシートを発行せずに施錠処理を実行する。
プロセッサ30Aは、施錠処理後、可視光カメラ16Cによる撮影を終了して、画像データを記憶装置30Cに記録する(ActF20)。
プロセッサ30Aは、空き空間測定処理を実行して、空間検知センサ16Bによる空き容量の測定を実行し(ActF21)、空き容量データ(空き容量情報、測定時刻)を記憶装置30Cに記録する(ActF22)。また、プロセッサ30Aは、問い合わせ管理データの収納された荷物(開錠のために入力されたパスワード)に対応する受け入れ済みデータを設定し、荷物が収納済みであることを記録する。
こうして、荷物受取装置16は、荷物の収納に応じて空き容量を測定するので、荷物の収納に伴って変動する現時点での空き容量を記録しておく。これにより、携帯端末12、荷物管理サーバ10、電子機器18からの問い合わせに対して、現時点での空き容量に基づく応答が可能となる。
次に、荷物受取装置16の所有者が使用する電子機器18による、荷物受取装置16に対する空き容量問い合わせ処理について説明する。図19は、本実施形態における電子機器18による空き容量問い合わせ処理の一例を示すフローチャートである。荷物受取装置16は、電子機器18からの問い合わせに対して、図13に示すフローチャートのActA23~A28の処理を実行する。
前述した説明では、荷物受取装置16に荷物を収容させる配送業者により荷物受取装置16に対して空き容量の問い合わせをしているが、荷物受取装置16の所有者が、現在の荷物受取装置16の空き容量を確認できるようにする。
電子機器18は、荷物受取装置16に問い合わせするためのアプリケーションプログラム(データ処理プログラム)を実行させ、荷物受取装置16に対して空き容量の問い合わせを送信する(ActG11)。
荷物受取装置16のプロセッサ30Aは、電子機器18からの問い合わせを受信すると(図13、ActA11、Yes)、問い合わせに含まれる所有者に固有のコード(業者コードを含まない)をもとに、電子機器18(所有者)からの問い合わせであると判定する(ActA12、No)。
プロセッサ30Aは、記憶装置30Cに記憶された空き容量データ(荷物受取装置16の現在の荷物を収容可能な空き容量を示す空き容量情報)を読み出す(ActA23)。また、プロセッサ30Aは、問い合わせ管理データの受け入れ済みデータを参照して、荷物受取装置16に収納済みの荷物があるかを判定する。
収納済みの荷物がある場合(ActA24、Yes)、プロセッサ30Aは、該当する荷物の問い合わせ管理データに記憶されたデータ(例えば、業者コード、荷物コード、荷物情報、荷物形状データ)を読み出す(ActA25)。
また、プロセッサ30Aは、問い合わせ管理データを参照して、受け入れ不可データが設定された荷物があるかを判定する。受け入れ不可データが設定された荷物がある場合(ActA26、Yes)、プロセッサ30Aは、受け入れ不可データが設定された荷物の問い合わせ管理データに記憶されたデータ(例えば、業者コード、荷物コード、荷物情報、荷物形状データ)を読み出す(ActA27)。ここで、読み出される情報は、受け入れ不可リストに登録されたリスト情報に相当する。
プロセッサ30Aは、問い合わせ元の電子機器18に対して、空間容量データを送信する。また、収納済みの荷物がある場合、また受け入れ不可データが設定された荷物がある場合には、それぞれに対応する荷物に関するデータ(荷物情報、リスト情報)を電子機器18に送信する(ActA28)。
一方、電子機器18は、荷物受取装置16から応答を受信すると(図19、ActG12、Yes)、空間容量データを記録する(ActG13)。また、収容済みの荷物情報を受信している場合(ActG14、Yes)、電子機器18は、荷物受取装置16から受信したデータを記録すると共に(ActG15)、収納済みの荷物に関する情報を表示させる。例えば、電子機器18は、配送業者名、荷物の送り元情報、荷物サイズなどを表示する。
これにより、荷物受取装置16の所有者は、荷物受取装置16に収納済みの荷物を外出先から確認することができる。
また、電子機器18は、受け入れ不可と判定された荷物のリスト情報がある場合(ActG17、Yes)、同様にして荷物に関する情報(配送業者名、荷物の送り元情報、荷物サイズなど)を表示する(ActG18)。ここで、受け入れ不可と判定された荷物について、荷物の配送をする業者に対して配送方法の変更を指示することができる。
電子機器18は、受け入れ不可と判定された荷物についての配送方法の変更が指示された場合、リスト情報に含まれる荷物に対応する業者コードをもとに、業者の荷物管理サーバ10にアクセスする(ActG20)。例えば、電子機器18は、業者コードがA宅配業者を示す場合、A宅配業者の配送変更の変更を受け付けるサイトにアクセスする。なお、宅配業毎のサイトにアクセスするために必要なユーザIDやパスワードは、電子機器18に事前に設定されているものとする。電子機器18は、対象とする荷物の荷物コードをもとに、配送方法の変更対象とする荷物を指定し、荷物の配送設定処理をする(ActG21)。
ここで、配送設定処理では、電子機器18の使用者は、受け入れ不可と判定された荷物について、各種の配送方法等の設定をすることができる。例えば、荷物受取装置16の配送が指定されている場合(宅配BOX配送データ)に、これを解除して、自宅に配送するように配送方法を変更する、また帰宅時刻に合わせて配送時刻を指定する、さらには荷物受取装置16に対する配送日を指定するなどの設定をすることができる。その他の設定も可能である。
こうして、電子機器18から荷物受取装置16に問い合わせをすることで、荷物受取装置16に収納された荷物を確認するだけでなく、荷物受取装置16による受け入れ不可と判定された荷物について、配送方法を変更するなど柔軟な対応が可能となる。
なお、前述した説明では、荷物受取装置16に対して、直接、問い合わせをすることで空き容量の情報等を受信するものとしているが、電子メール、コミュニケーションツール、SNS(Social Networking Service)等を使用することも可能である。
こうして、本実施形態における荷物管理サーバ10及び携帯端末12では、荷物受取装置16に対して荷物を収納可能な空き容量を問い合わせることができるので、荷物を配送する前に、荷物を荷物受取装置16に収納できるか確認することができる。このため、無駄な配送作業の発生等を防ぐことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。