JP7085951B2 - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびレーザ加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7085951B2
JP7085951B2 JP2018166319A JP2018166319A JP7085951B2 JP 7085951 B2 JP7085951 B2 JP 7085951B2 JP 2018166319 A JP2018166319 A JP 2018166319A JP 2018166319 A JP2018166319 A JP 2018166319A JP 7085951 B2 JP7085951 B2 JP 7085951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aod
laser beam
emitted
laser
galvano scanner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018166319A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020037131A (ja
Inventor
健一 桑原
洋一 松原
進 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2018166319A priority Critical patent/JP7085951B2/ja
Publication of JP2020037131A publication Critical patent/JP2020037131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7085951B2 publication Critical patent/JP7085951B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、加工対象物にレーザビームを照射して微細な穴空け加工を行うレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
近年のプリント配線板の技術分野では、電子回路の高密度化の要求に応じるために、コア基板上や支持板上に複数層のビルドアップ層を積層することで多層プリント配線板を形成することが提案されている。
ビルドアップ層は通常、層間絶縁層とその上の導体層とで構成されており、多層プリント配線板では、コア基板とビルドアップ層との導体層間や、ビルドアップ層同士の導体層間を電気的に接続するため、層間絶縁層に貫通穴が形成され、その貫通穴内にメッキ等によってバイアホール導体が設けられている。
このバイアホール導体用の貫通穴は極めて小径かつ多数であり、その形成には、近年では例えば特許文献1に記載されているようなレーザ加工装置によるレーザビームの照射が用いられるようになっている。
図6の上部は、この種の従来のレーザ加工装置の結像光学系の構成を模式的に示しており、このレーザ加工装置は、プリント配線板の層間絶縁層とされる平板状の加工対象物Wに炭酸ガスのレーザビームBを照射して微細な穴空け加工を行うものであって、炭酸ガスレーザ等のレーザ光源からのレーザビームBを第1のアパーチャグリル1の開口に通してビームの断面形状を整形し、次いでそのレーザビームBを、互いに直交する二軸方向に各々入力された超音波の周波数に応じた角度で偏向させる第1および第2のAOD(音響光学偏向器)2,3に順次に通して二次元的に偏向させて、そのレーザビームBで微小矩形領域内を走査し、その際、第1および第2のAOD2,3間に位置する図示しない1/2波長板が、第1のAOD2から出射したレーザビームBの偏光方向を第2のAOD3への入射に適合するように90度回転させる。
次いでその微小矩形領域内で走査するレーザビームBを、マスク4で第2のAOD3からの0次光を遮断しつつレンズ光学系5で径を拡大した後、図示しない第2のアパーチャグリルの開口に通してビームの断面形状を整形し、次いでそのレーザビームBを、互いに直角方向に延在する支持軸周りにモータでガルバノミラーを回動させる第1および第2のガルバノスキャナ6,7に順次に通し、それらのガルバノミラーでの反射で二次元に偏向させて、そのレーザビームBで走査する微小矩形領域をそれより大きい小矩形領域内で移動させることで、その小矩形領域内全体をレーザビームBで走査する。
次いで、その小矩形領域内全体を走査するレーザビームBをfθレンズ8に通して、加工対象物Wの表面に垂直に照射するとともにその加工対象物Wの表面付近の位置で収束させ、その一方、加工対象物Wを支持する図示しないテーブルを二次元的に移動させて、レーザビームBで走査する小矩形領域を加工対象物Wの表面の穴空け加工範囲全体で移動させる。
従来のレーザ加工装置は、上記構成により加工対象物にレーザビームで微細な貫通穴を形成することで、極めて小径かつ多数の貫通穴の、加工対象物の表面の穴空け加工範囲全体に亘る微細な穴空け加工を短時間で行い、穴空け加工の高スループット化を図っている。
特開2008-049383号公報
ところで、上記従来のレーザ加工装置は、レーザビームBを互いに直交する二軸方向に偏向させる第1および第2のAOD2,3に順次に通して二次元的に偏向させて微小矩形領域の走査および穴加工を行っているため、図6の下部にその装置の走査光学系について結像光学系と関連付けて示されるように、例えばX軸方向に偏向させる第1のAOD2を出たレーザビームのX軸走査焦点(X軸方向に偏向するレーザビームの偏向中心点)FXと、例えばY軸方向に偏向させる第2のAOD3を出たレーザビームのY軸走査焦点(Y軸方向に偏向するレーザビームの偏向中心点)FYとが、図6中破線で示す無偏向のレーザビームの光軸(走査中心光軸)上で前後方向にずれてしまい、特に第1のAOD2と第2のAOD3との間には1/2波長板が配置されていることから、少なくともその1/2波長板の厚さ分、第1のAOD2と第2のAOD3とが離間するので、X軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとのずれの発生が避けられない。
そして例えばX軸方向に偏向させる第1のAOD2を出たレーザビームのX軸走査焦点FXと、例えばY軸方向に偏向させる第2のAOD3を出たレーザビームのY軸走査焦点FYとが大きくずれていると、第1および第2のガルバノスキャナ6,7をそれらX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとの中間に配置してもそれらX軸およびY軸走査焦点FX,FYからの距離が大きくなる。
これにより、図7の左側に示すように、無偏向のレーザビームの光軸上に配置した第1および第2のガルバノスキャナ6,7のガルバノミラーの揺動軸線からの、偏向されたレーザビームBのずれMSX,MSYが大きくなって、図7の右側に示すように、レーザビームBの断面の一部が第1および第2のガルバノスキャナ6,7のガルバノミラーの反射面から外れ、加工対象物Wに照射されるレーザビームBの強度が低下するとともにビーム断面形状も真円から変形してしまい、これを避けるためにガルバノミラーを大きくすると、ガルバノミラーの慣性の増大によってガルバノスキャナ6,7の動作速度ひいてはレーザビームBの走査速度が低下して穴空け加工の加工効率が低下するという問題があった。
また、第1のAOD2を出たレーザビームのX軸走査焦点FXと第2のAOD3を出たレーザビームのY軸走査焦点FYとが大きくずれていると、図8に示すように、第2のAOD3と第1のガルバノスキャナ6との間に位置する、この図8では符号9で示す第2のアパーチャグリルの開口の中心からのX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとの各々の中心ずれ量ASX,ASYが大きくなって、レーザビームBが第2のアパーチャグリル9の開口から少なくとも部分的に外れてしまうため、fθレンズ8に入射されるレーザビームBの真円度が低下し、ひいてはfθレンズ8から加工対象物Wの表面に入射されるレーザビームBで穴空け加工する貫通穴の真円度が低下するという問題があった。
本発明のレーザ加工装置は、加工対象物にレーザビームを照射して微細な穴空け加工を行うものであって、
レーザ光源から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されて、レーザ光源から出射されるレーザビームを順次に入射され、互いに直交する二軸方向に、各々入力された超音波の周波数に応じた角度で偏向させて出射させる第1のAODおよび第2のAODの、複数の組と、
第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されるとともに、互いに直角な軸線周りにガルバノミラーが回動するように組み合わされて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを順次に入射され、各々ガルバノミラーでの反射により偏向させて出射させる第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナと、
第1のAODおよび第2のAODの複数の組と第1のガルバノスキャナとの間のレーザビームの光路上に配置されて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの何れか一方の位置またはその近傍、好ましくは第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの間の位置に位置させるレンズ光学系と、
第2のガルバノスキャナから出射されるレーザビームを加工対象物に垂直に入射させ、その加工対象物の位置で収束させるfθレンズと、
を具えるものである。
また、本発明のレーザ加工方法は、加工対象物にレーザビームを照射して微細な穴空け加工を行う方法であって、
レーザ光源から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されて、レーザ光源から出射されるレーザビームを順次に入射され、互いに直交する二軸方向に、各々入力された超音波の周波数に応じた角度で偏向させて出射させる第1のAODおよび第2のAODの、複数の組により、レーザ光源から出射されるレーザビームを前記互いに直交する二軸方向に偏向させて出射させることと、
第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されるとともに、互いに直角な軸線周りにガルバノミラーが回動するように組み合わされて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを順次に入射され、各々ガルバノミラーでの反射により偏向させる第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナにより、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを前記互いに直交する二軸方向に偏向させて出射させることと、
第1のAODおよび第2のAODの複数の組と第1のガルバノスキャナとの間のレーザビームの光路上に配置されたレンズ光学系により、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの何れか一方の位置またはその近傍、好ましくは第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの間の位置に位置させることと、
第2のガルバノスキャナから出射されるレーザビームをfθレンズにより、加工対象物に垂直に入射させ、その加工対象物の位置で収束させることと、
を含んでいる。
本発明の実施形態によれば、レーザ光源から出射されて第1および第2のAODの複数の組で二次元的に偏向されたレーザビームが、第1および第2のガルバノスキャナに入射され、それらのガルバノスキャナのガルバノミラーでさらに大きな範囲で二次元的に偏向されて出射され、そのレーザビームが、fθレンズによって加工対象物に垂直に入射されて、その加工対象物の位置で収束する。これにより、加工対象物に微細な貫通穴を形成することができ、小径かつ多数の貫通穴の、加工対象物Wの表面の穴空け加工範囲全体に亘る微細な穴空け加工を短時間で行うことができる。
しかも本発明の実施形態によれば、第1および第2のAODの複数の組が、それらの組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点の位置を第2のAODの偏向方向の走査焦点の位置に近づけ、あるいは実質的に一致させることから、第1および第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームは、レンズ光学系により、第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの何れか一方の位置またはその近傍、好ましくは第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの間の位置に、第1のAODの偏向方向の走査焦点と第2のAODの偏向方向の走査焦点を持つことになる。
それゆえ、第1および第2のガルバノスキャナの各々のガルバノミラーの回動軸線からのレーザビームのずれ量が小さくなって、ガルバノミラーを拡大しなくてもレーザビームが第1および第2のガルバノスキャナの各々のガルバノミラーの反射面から外れることなくその反射面内に収まることから、ガルバノミラーの慣性質量の増大による第1および第2のガルバノスキャナの動作速度低下を回避しつつ、第1および第2のAODの各々による最大偏向角を有効活用して穴空け加工の加工効率を高めることができ、また、fθレンズに入射されるレーザビームの断面形状の真円度を向上させて、fθレンズから加工対象物の表面に入射されるレーザビームの強度を維持するとともに、そのレーザビームで穴空け加工する貫通穴の真円度を高めることができる。
さらに、第1のAODおよび第2のAODの複数の組と第1のガルバノスキャナとの間のレーザビームの光路上にアパーチャグリルを位置させた場合に、第1のAODの偏向方向の走査焦点と第2のAODの偏向方向の走査焦点の、そのアパーチャグリルの開口からのずれ量が小さくなって、レーザビームがそのアパーチャグリルの開口内に収まることから、fθレンズに入射されるレーザビームの断面形状の真円度を向上させて、fθレンズから加工対象物の表面に入射されるレーザビームの強度を維持するとともに、そのレーザビームで穴空け加工する貫通穴の真円度を高めることができる。
本発明の一実施形態のレーザ加工装置の結像光学系と走査光学系とを、互いに関連付けて上部と下部とに示す説明図である。 図1に示される実施形態のレーザ加工装置の、第1のAODおよび第2のAODの組を複数組有するAODユニットで偏向されたレーザビームの、無偏向のレーザビームの光軸上での走査焦点の位置を、結像光学系と走査光学系とを関連付けて示す説明図である。 図1に示される実施形態のレーザ加工装置の各部の具体的配置の一例を示す説明図である。 図1に示される走査光学系でのレーザビームとガルバノミラーの反射面との位置関係を示す説明図である。 図1に示される走査光学系でのレーザビームと第2のアパーチャグリルの開口との位置関係を示す説明図である。 従来のレーザ加工装置の結像光学系と走査光学系とを、互いに関連付けて上部と下部とに示す説明図である。 図6に示される走査光学系でのレーザビームとガルバノミラーの反射面との位置関係を示す説明図である。 図6に示される走査光学系でのレーザビームと第2のアパーチャグリルの開口との位置関係を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明に係るレーザ加工装置およびレーザ加工方法の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態のレーザ加工装置の結像光学系と走査光学系とを、互いに関連付けて上部と下部とに示す説明図である。
この実施形態のレーザ加工装置は、プリント配線板の層間絶縁層とされる平板状の加工対象物Wに炭酸ガスレーザビームBを照射して直径数十μmの微細な穴空け加工を行うものであって、第1のアパーチャグリル1と、互いに直列配置された第1のAOD(音響光学偏向器)2および第2のAOD(音響光学偏向器)3の組を複数組互いに直列配置されて有するAODユニット10と、マスク4を有するレンズ光学系5と、互いに直列配置された第1のガルバノスキャナ6および第2のガルバノスキャナ7と、通常のfθレンズ8とを具えるとともに、第2のアパーチャグリル9を具えている。
第1のアパーチャグリル1は、図示しないレーザ光源から出射されたレーザビームBを開口に通してその開口の形状に応じた断面形状に成形した後にAODユニット10内に入射させる。
図2は、図1に示される実施形態のレーザ加工装置のAODユニット10で偏向されたレーザビームの無偏向のレーザビームの光軸上での走査焦点の位置を、図2の上部の結像光学系と下部の走査光学系とを関連付けて示す説明図であり、AODユニット10は、第1のAOD2および第2のAOD3の組を第1のAOD2同士および第2のAOD3同士が隣り合う配置で複数組、例えば三組有するとともに、それら複数組の各々の第1のAOD2と第2のAOD3との間に1/2波長板11を有し、第1および第2のAOD2,3の各組とそこにおける1/2波長板11とは、レーザビームの光軸方向(図2では左右方向)寸法を可能な限り薄いものとされている。
AODユニット10において、図2中の左側に示される第1および第2のAOD2,3の最初の組は、AODユニット10へのレーザビームの入射側(図2では左側)に第1のAOD2が位置し、その第1のAOD2は、第1のアパーチャグリル1から入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて、その最初の組の第2のAOD3に入射させる。
最初の組の第2のAOD3は、最初の組の第1のAOD2から入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて出射させる。そして、最初の組の第1のAOD2と第2のAOD3との間に位置する1/2波長板11は、最初の組の第1のAOD2から出射したレーザビームBの偏光方向を最初の組の第2のAOD3への入射に適合するように90度回転させる。
AODユニット10において、図2中の中央に示される第1および第2のAOD2,3の二番目の組は、AODユニット10へのレーザビームの入射側(図2では左側)に第2のAOD3が位置し、その二番目の組の第2のAOD3は、最初の組の第2のAOD3から1/2波長板11による偏光なしに直接入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて、その二番目の組の第1のAOD2に入射させる。
二番目の組の第1のAOD2は、二番目の組の第2のAOD3から入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて出射させる。そして、二番目の組の第2のAOD3と第1のAOD2との間に位置する1/2波長板11は、二番目の組の第2のAOD3から出射したレーザビームBの偏光方向を二番目の組の第1のAOD2への入射に適合するように90度回転させる。
AODユニット10において、図2中の右側に示される第1および第2のAOD2,3の三番目の組は、AODユニット10へのレーザビームの入射側(図2では左側)に第1のAOD2が位置し、その三番目の組の第1のAOD2は、第二の組の第1のAOD2から1/2波長板11による偏光なしに直接入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて、その三番目の組の第2のAOD3に入射させる。
三番目の組の第2のAOD3は、三番目の組の第1のAOD2から入射したレーザビームBを結晶によって入出射光路を含む所定平面内で回折させて1次回折光を出射させるとともにその1次回折光を高速にかつ上記所定平面内で、その結晶への入力超音波の周波数に応じた角度に偏向させて出射させる。そして、三番目の組の第1のAOD2と第2のAOD3との間に位置する1/2波長板11は、三番目の組の第1のAOD2から出射したレーザビームBの偏光方向を三番目の組の第2のAOD3への入射に適合するように90度回転させる。
ここで、AODユニット10の第1および第2のAOD2,3の各組における第1のAOD2と第2のAOD3とは、それらの所定平面がX軸方向およびY軸方向にそれぞれ延在し、所定平面同士が直角に位置するように配置されており、これにより図2の下部に走査光学系について示されるように、AODユニット10の第1および第2のAOD2,3の三組は、第1のアパーチャグリル1から入射したレーザビームBを次第に大きく、このレーザ加工装置の直角座標系でX軸およびY軸方向に二次元的に偏向させて、加工対象物Wの表面上の微小領域内をレーザビームBで走査する。
レンズ光学系5は、AODユニット10の第1および第2のAOD2,3の三番目の組の第2のAOD3から1次回折光と一緒に出射される0次回折光をダンパーとして機能するマスク4で遮断するとともに、加工対象物Wの位置で収束するレーザビームBのビーム径を小径化するためのエキスパンダとして機能して、互いに焦点距離が異なる二枚のレンズの組み合わせにより、AODユニット10の上記三番目の組の第2のAOD3から出射された1次回折光のレーザビームBのビーム径を拡径させる。そして、レンズ光学系5と第1のガルバノスキャナ6との間に位置する第2のアパーチャグリル9は、レンズ光学系5で拡径されたレーザビームBを開口に通してビームの断面形状を整形した後に第1のガルバノスキャナ6のガルバノミラーに入射させる。
第1のガルバノスキャナ6は、駆動信号に応じてガルバノミラーを所定軸線周りに回動させて、入射したレーザビームBをそのガルバノミラーの反射面での反射で偏向させて次の第2のガルバノスキャナ7に入射させ、第2のガルバノスキャナ7は第1のガルバノスキャナ6と同様に、駆動信号に応じてガルバノミラーを所定軸線周りに回動させて、入射したレーザビームBをそのガルバノミラーの反射面での反射で偏向させて出射させる。
ここで、第1のガルバノスキャナ6と第2のガルバノスキャナ7とは、ガルバノミラーの所定回動軸線同士が直角に位置するように配置されており、これによりレーザビームBをこのレーザ加工装置の直角座標系でX軸方向およびY軸方向に2次元的に偏向させて、加工対象物Wの表面上の、AODユニット10の三組の第1および第2のAOD2,3で走査する微小矩形領域よりも広い小矩形領域内で、その微小矩形領域を移動させる。
fθレンズ8は、加工対象物Wに向けて配置されていて、第2のガルバノスキャナ7のガルバノミラーの反射面でのレーザビームBの位置にかかわらず、第2のガルバノスキャナ7から出射されたレーザビームBを加工対象物Wの表面に垂直に入射させかつその加工対象物Wの表面付近の位置で収束させる。
なお、この実施形態のレーザ加工装置は、AODユニット10の三組の各々における第1のAOD2と第2のAOD3との間に介在するもう一つのマスクを具えていてもよく、このマスクは、先のマスク4と同様に、第1のAOD2と第2のAOD3とのうちレーザビームBの光路上で前側に位置するAODから1次回折光と一緒に出射される0次回折光を確実に遮断するダンパーとして機能する。
ところで、従来のレーザ加工装置では、第1のAOD2と第2のAOD3との間に、少なくとも上記のように1/2波長板を具えているので、図6の上部に示されるように、第1のAOD2と第2のAOD3との間の距離DCが大きくなっている。このため、図6の下部に示されるように、第1のAOD2と第2のAOD3との各々による最大偏向角でのX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとの間の、図6中に破線で示す無偏向のレーザビームの光軸(走査中心光軸)方向の距離DFが大きくなり、図7の右側に示されるようなX,Y軸ガルバノミラー6,7の反射面からのレーザビームBの外れと、図8の右側に示されるような第2のアパーチャグリル9の開口からのレーザビームBの外れとを生じる。
これに対しこの実施形態のレーザ加工装置では、図1に示されるように、AODユニット10を具えており、このAODユニット10の第1および第2のAOD2,3の三組は、上述のように、第1のアパーチャグリル1から入射したレーザビームBを次第に大きく、このレーザ加工装置の直角座標系でX軸およびY軸方向に二次元的に偏向させて、加工対象物Wの表面上の微小領域内をレーザビームBで走査するAODユニット10によれば、図2の下部に示されるように、三番目の組の第2のAOD3から偏向されて出射したレーザビームBは、そのレーザビームBをAODユニット10内へ延長して無偏向のレーザビームの光軸(走査中心光軸)との交点であるX軸仮想走査焦点FX’とY軸仮想走査焦点FY’とを求めると、それらが共にAODユニット10内の第1および第2のAOD2,3の二番目の組付近に位置するとともに互いに極めて近接し、あるいは実質上一致することになる。
このため、図1に示されるように、AODユニット10による最大偏向角でのX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとの間の、無偏向のレーザビームの光軸(走査中心光軸)方向の距離DFが極めて小さくなり、もしくは実質的に0(ゼロ)となってX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが一致して、それらX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが共に第1および第2のガルバノスキャナ6,7の近傍に位置し、あるいはX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが共に第1および第2のガルバノスキャナ6,7の間に位置することから、図4に示されるように、X,Y軸ガルバノスキャナ6,7のガルバノミラーの反射面内にレーザビームBの全体が収まるとともに、図5に示されるように、第2アパーチャグリル9の開口内にレーザビームBの全体が収まっている。
従って、この実施形態のレーザ加工装置および、そのレーザ加工装置で上述の如くして穴空け加工を行うこの実施形態のレーザ加工方法によれば、極めて小径かつ多数の貫通穴の、加工対象物Wの表面の穴空け加工範囲全体に亘る微細な穴空け加工を短時間で行うことができ、しかもX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとの間の光軸方向の距離DFが極めて小さくなり、もしくは実質的に0(ゼロ)となって、X軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが共に、第1および第2のガルバノスキャナ6,7の近傍に位置していることから、第1および第2のガルバノスキャナ6,7の反射面内にレーザビームBが収まるので、X軸AOD2とY軸AOD3との各々による最大偏向角を有効活用して穴空け加工の加工効率を高めることができ、さらに、第2のアパーチャグリル9の開口内にレーザビームBが収まるので、fθレンズ8に入射されるレーザビームBの真円度を向上させて、穴空け加工する貫通穴の真円度を高めることができる。
図3は、図1に示される実施形態のレーザ加工装置の各部の具体的配置の一例を示す説明図であり、この例のレーザ加工装置は、図1に示される各構成を具えるのに加えて、レンズ光学系5と第2のアパーチャグリル9との間に配置された反射ミラー12を具えており、この例のレーザ加工装置では、反射ミラー12で、レンズ光学系5を概略水平に出射したレーザビームBを下向きに反射させて落とし込んで第2のアパーチャグリル9の開口に通した後、そのレーザビームBを第1および第2のガルバノスキャナ6,7に順次に入射させ、次いでfθレンズ8を介してそのfθレンズ8下方の加工対象物Wの表面に照射している。
なお、ここでの加工対象物Wは、図示しないテーブルで水平方向に移動されてもよく、このようにすれば、極めて小径かつ多数の貫通穴の、加工対象物Wの表面の穴空け加工範囲全体に亘る微細な穴空け加工を、さらに短時間で行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、請求の範囲の記載から逸脱しない範囲で種々の変更、修正が可能である。例えば、実施形態のレーザ加工装置およびレーザ加工方法ではX軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが共に、第1および第2のガルバノスキャナ6,7の近傍またはそれらの間に位置しているが、これに代えて、X軸走査焦点FXとY軸走査焦点FYとが共に、第1のガルバノスキャナ6または第2のガルバノスキャナ7のガルバノミラーの回動軸上に位置してもよく、あるいはX軸走査焦点FXが第1のガルバノスキャナ6のガルバノミラーの回動軸上に位置するとともにY軸走査焦点FYが第2のガルバノスキャナ7のガルバノミラーの回動軸上に位置してもよい。
また、AODユニット10の第1および第2のAOD2,3の組は、上記実施形態のレーザ加工装置およびレーザ加工方法では三組とされているが、二組あるいは四組以上とされてもよい。
1 第1のアパーチャグリル
2 第1のAOD(音響光学偏向器)
3 第2のAOD(音響光学偏向器)
4 マスク
5 レンズ光学系
6 第1のガルバノスキャナ
7 第2のガルバノスキャナ
8 fθレンズ
9 第2のアパーチャグリル
10 AODユニット
11 1/2波長板
12 反射ミラー
B レーザビーム
FX X軸走査焦点
FY Y軸走査焦点
W 加工対象物

Claims (4)

  1. 加工対象物にレーザビームを照射して微細な穴空け加工を行うレーザ加工装置であって、
    レーザ光源から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されて、レーザ光源から出射されるレーザビームを順次に入射され、互いに直交する二軸方向に、各々入力された超音波の周波数に応じた角度で偏向させて出射させる第1のAODおよび第2のAODの、複数の組と、
    第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されるとともに、互いに直角な軸線周りにガルバノミラーが回動するように組み合わされて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを順次に入射され、各々ガルバノミラーでの反射により偏向させて出射させる第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナと、
    第1のAODおよび第2のAODの複数の組と第1のガルバノスキャナとの間のレーザビームの光路上に配置されて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの何れか一方の位置またはその近傍に位置させるレンズ光学系と、
    第2のガルバノスキャナから出射されるレーザビームを加工対象物に垂直に入射させ、その加工対象物の位置で収束させるfθレンズと、
    を具える。
  2. 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
    前記レンズ光学系は、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの間に位置させる。
  3. 加工対象物にレーザビームを照射して微細な穴空け加工を行うレーザ加工方法であって、
    レーザ光源から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されて、レーザ光源から出射されるレーザビームを順次に入射され、互いに直交する二軸方向に、各々入力された超音波の周波数に応じた角度で偏向させて出射させる第1のAODおよび第2のAODの、複数の組により、レーザ光源から出射されるレーザビームを前記互いに直交する二軸方向に偏向させて出射させることと、
    第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの光路上に互いに直列に配置されるとともに、互いに直角な軸線周りにガルバノミラーが回動するように組み合わされて、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを順次に入射され、各々ガルバノミラーでの反射により偏向させる第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナにより、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームを前記互いに直交する二軸方向に偏向させて出射させることと、
    第1のAODおよび第2のAODの複数の組と第1のガルバノスキャナとの間のレーザビームの光路上に配置されたレンズ光学系により、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの何れか一方の位置またはその近傍に位置させることと、
    第2のガルバノスキャナから出射されるレーザビームをfθレンズにより、加工対象物に垂直に入射させ、その加工対象物の位置で収束させることと、
    を含んでいる。
  4. 請求項3に記載のレーザ加工方法であって、
    前記レンズ光学系により、第1のAODおよび第2のAODの複数の組から出射されるレーザビームの第1のAODの偏向方向の走査焦点および第2のAODの偏向方向の走査焦点をそれぞれ第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの間に位置させる。
JP2018166319A 2018-09-05 2018-09-05 レーザ加工装置およびレーザ加工方法 Active JP7085951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166319A JP7085951B2 (ja) 2018-09-05 2018-09-05 レーザ加工装置およびレーザ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166319A JP7085951B2 (ja) 2018-09-05 2018-09-05 レーザ加工装置およびレーザ加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020037131A JP2020037131A (ja) 2020-03-12
JP7085951B2 true JP7085951B2 (ja) 2022-06-17

Family

ID=69738459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018166319A Active JP7085951B2 (ja) 2018-09-05 2018-09-05 レーザ加工装置およびレーザ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7085951B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI523720B (zh) * 2009-05-28 2016-03-01 伊雷克托科學工業股份有限公司 應用於雷射處理工件中的特徵的聲光偏轉器及相關雷射處理方法
JP2012081488A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Panasonic Corp レーザ加工方法、レーザ加工装置、および、それを用いた電子デバイス
JP6306981B2 (ja) * 2014-08-25 2018-04-04 日本電信電話株式会社 光偏向装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020037131A (ja) 2020-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6849824B2 (en) Multibeam laser drilling apparatus
EP1271219B1 (en) Laser beam delivery system with trepanning module
KR100500343B1 (ko) 레이저 가공 장치
KR100691924B1 (ko) 재료 가공 장치 및 방법
JP3929084B2 (ja) 未処理製品の表面を照射する方法
JP4401410B2 (ja) レーザ加工装置
US9442286B2 (en) Spaced configuration of acousto-optic deflectors for laser beam scanning of a semiconductor substrate
JP2007253203A (ja) レーザ加工用光学装置
JP3194250B2 (ja) 2軸レーザ加工機
JP2012081488A (ja) レーザ加工方法、レーザ加工装置、および、それを用いた電子デバイス
JP2005177788A (ja) レーザ加工装置
JP7085951B2 (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2020062658A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2019155392A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2009039732A (ja) レーザ加工装置
CN106553000B (zh) 垂直多束激光处理装置
JP2020062657A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP3682295B2 (ja) レーザ加工装置
JP2008126306A (ja) レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法
JP4318525B2 (ja) 光学装置及びレーザ照射装置
JP2020037130A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2008129535A (ja) ビーム振り分け装置、及び、多軸レーザ照射装置
JP2006060085A (ja) レーザ照射装置
JP2006259127A (ja) 光学装置
KR20130048004A (ko) 2빔 가공이 가능한 레이저 가공

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7085951

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150