JP7085262B2 - トマチジンの製造法 - Google Patents

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本発明は加齢性筋肉委縮症の予防効果が期待されるトマチジンの製造法に関する。
少子高齢化が進む我が国において、高齢者の医療や介護の問題が深刻な状態になることが予測されている。この問題を少しでも改善させるためには、高齢者の健康寿命、すなわち、高齢者が医療や介護を必要としないで自立した生活を送れる期間を延長させることが重要になっている。特に、寝たきり状態に陥る老人の数を軽減できる予防食品や医薬品などの開発の意義は極めて大きい。
高齢者が自立した生活が送れず、医療や介護を必要とする寝たきり状態に陥る原因として、脳卒中の後遺症や加齢に伴う筋肉萎縮がある。後者はロコモティブ症候群とも呼ばれているが、自立歩行が困難になる骨格筋の容積や強度が加齢に伴い衰退してしまい、筋肉全体が萎縮した状態になる症状である。
特許文献1には、筋萎縮を治療するための方法として、トマチジン誘導体又はその立体異性体、互変異性体、溶媒和物、もしくは薬学的に許容される塩を治療を必要とするウマ、サカナ及びイヌ等の動物に投与し、筋萎縮シグネチャの複数のmRNAの発現レベルを調節することが開示されている。
特許文献2には、トマチジンを有効成分として含む、動脈硬化の予防・治療、血中コレステロール低下、又はマクロファージの泡沫化阻害のための飲食品の製法として、塩酸-1,4 ジオキサン混液による加水分解法が提案されている。
一方、非特許文献1には、筋肉萎縮の原因として、絶食した時に強く出現するFOXO 型転写因子が深く関わっていることが記載されている。
非特許文献2には、加齢に伴う筋肉萎縮に対しては、活性化転写因子4(ATF-4)が関わっており、このATF-4の発現を青トマトから得られるトマチジンが抑制し、加齢に伴う筋肉萎縮を防止できることが記載されている。
非特許文献3には、青トマトやトマトの葉、茎、根、脇芽および花卉(以下、トマト植物体)などにはグリコアルカロイドであるデヒドロトマチンを含むトマチン(以下、トマチン)が含有されており、このトマチンはトマト植物体を細菌やウイルスの侵入、あるいは昆虫などの食害を抑制するために植物体内で生成されるものであり、抗菌作用、抗ウイルス作用、殺虫作用などを持つことが記載されている。
また、非特許文献4には、トマチンの抽出剤としてクロロホルム-メタノール混液を用い、沈殿剤として 2%水酸化アンモニウム溶液を用いる方法が記載されている。
非特許文献5には、トマチンからトマチジンを調製する方法として、10%硫酸による加水分解法が記載されている。
更に、非特許文献6には、青トマトを含むトマト植物体中のトマチン含量の測定法が開示されている。
特開2017-019834号公報 特開2009-209099号公報
Kamei Yら、J. Biol. Chem. 279 巻, 24 号, pp. 41114-41123、2004 年) Scott M. Ebertら、J. Biol. Chem. 290 巻, 42 号, pp. 25497-25511,2015 年) Friedman M、J. Agric. Food Chem. 50 巻, pp. 5751-5780、2002 年) Kozukue N ら、J. Agric. Food Chem. 52 巻, pp. 2079-2083、2004年) 古井博康ら、日本農芸化学会誌 71 巻, 8 号, pp. 777-782, 1997 年) Taveira、Mら、Food Chem. 135 巻、2 号、pp. 748-755, 2012 年)
トマチンは哺乳動物などに対しても有毒な作用を持つ物質である。一方、トマチデノールを含むトマチジンはトマチンを構成している糖鎖部分が除かれた物質であり、安全性が高いものである。このことから、トマトの植物体から加齢に伴う筋肉萎縮を防止することができるトマチジンを取得するためには、まずトマト植物体からトマチンを抽出し、抽出したトマチンから糖鎖を除去する二つの過程を経る必要がある。これまでにトマト植物体からトマチンを抽出し、トマチンから糖鎖を除去してトマチジンへ変換する方法が報告されているが、おもに植物体に含有されるトマチンの測定を目的としたものであり、工業規模で製造するための方法ではなかった。
本発明は、トマチンから糖鎖を除去してトマチジンへ変換する効率的な方法を提供することを目的としたものであり、この目的を達成するため本発明は、トマトの成熟果実を除く葉、茎、脇芽、花奔、未成熟果実、および根を裁断したもの、または乾燥後粉砕したものの重量当たり3~15倍量の水を加え、さらに酸溶液を加えてpH2~5に調整した後、室温から80℃の温度下で30~120分間撹拌混合してグリコアルカロイドのデヒドロトマチンを含むトマチンを抽出し、該抽出液にアルカリ溶液を添加して室温においてpH8~10に調整することによってトマチンを沈殿させ、該トマチン沈殿物を回収した後、0.5~2Nの酸溶液に溶解した後、60℃~80℃で1~4時間加熱してトマチンをトマチジンへ変換させ、ふたたびアルカリ溶液を用いて pH8~10に調整してトマチジンを沈澱させ、該沈殿物を回収することを要旨とする。
本発明はまた、前記方法でトマチジンを沈澱させ該沈殿物を回収した後、70%濃度以上のエタノール溶液に溶解して混在する不純物を沈殿させて除去した後に、エタノールを蒸発させることも要旨とする。
前記グルコアルカロイドのトマチン抽出用の酸溶液またはトマチン加水分解用の酸溶液としては、酢酸、塩酸または硫酸から選ばれた酸溶液を用いることができる。
また、前記トマチジンを沈澱させるアルカリ溶液としては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選ばれた溶液を用いることができる。
本発明方法によれば、トマト植物体に含有されるグルコアルカロイドの一種であるトマチンを毒性がなく、かつ加齢性筋肉萎縮症の予防効果が期待されるトマチジンへ効率良く変換することができる。
本発明によればトマト栽培において定期的に伐採され、或いは間引きされる未利用トマト植物体を原料として、加齢に伴う筋肉萎縮の予防効果が期待されるトマチジンの効率的な生産が可能となる。
トマチジンを製造するためにはその原料となるトマチジン配糖体ともいうべきトマチンをトマト植物体から効率よく抽出しなければならない。また、工業規模で製造するためにはトマト生産との両立が必要であり、やがて商品となる青トマトやトマトの生育に欠かせない根を含むトマト植物体すべてをトマチジン原料として使用するわけにはいかない。
青トマトを含むトマト植物体中のトマチン含量は既知(非特許文献6)の方法により測定したが、表1に示す通り、根を除けば、脇芽、葉、青トマト、茎の順になる。本発明者らは、トマト栽培とトマチジン利用が両立できるようにするために、トマト栽培において不要となる葉や茎、および間引きされる脇芽や青トマトをトマチンの原料として利用することを目的として鋭意、検討を行った。
Figure 0007085262000001
すなわち、トマト植物体をそのまま、或いは乾燥後に粉砕することによって組織が破壊され、酸性溶液でトマチンが容易に抽出される状態になり、これらを弱酸性の条件で撹拌混合することにより、分解損失などの影響を受けることなく効率的に抽出される。
この酸溶液抽出において、トマト植物体により抽出効率には差があり、青トマトは比較的安定して抽出されるが葉や脇芽などはより緩和な条件で長時間の抽出を必要とする。また抽出する酸溶液のpHが極めて重要であり、pHが2未満、またはpH5を超えるとトマチンの抽出効率は急激に低下するので、本発明では酸処理の至適条件について確立した。
また、トマチンの酸抽出において、同時に抽出されてくる不純物を除去するために、アルカリ溶液においてトマチンを沈澱させて不純物と分離し、精製する条件についても検討した結果、公知(非特許文献4)のpH10以上ではなく、pH8~10が最適なトマチンの沈澱条件であることを見出した。
更に、トマチンからトマチジンへ変換した後に共存する不純物を除去してさらに高純度のトマチジンを製造するためには、濃度70%以上のエタノールにトマチジンを溶解させることにより、不純物を沈澱除去できることを見出した。
試験例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(1)酸溶液によるトマチンの抽出
トマトの茎を含む葉と脇芽を含むトマト植物体を粉砕して試料とし、重量当たり3 倍量の水を加えて撹拌混合した。その後、4N塩酸を用いて、各試料のpH2~6へ調整し、60℃において30分間撹拌混合してトマチンを抽出した。pHと抽出量(抽出率)の結果を(表2)に示す。
Figure 0007085262000002
(表2)の結果から、トマト植物体からトマチンを抽出する至適pH範囲は pH2~5であることが確認された。また、pHの調整に4N硫酸を使用してもほぼ同等の抽出率が得られた。
(2)抽出トマチンを沈澱させる至適pH
トマト植物体から酸溶液で抽出されたトマチンは不純物を大量に含んでいる。そこでこれらの不純物を分離するために試料溶液のpHをアルカリ性にしてトマチンを沈澱させ、沈殿物を回収することによってトマチンの純度を向上させることができる。その至適pHを検討するために、酸溶液抽出により得られたトマチンを凍結乾燥し、5%水酸化アンモニウム溶液を用いてそれぞれのpHに調整し、トマチン沈殿物の回収率を比較した。比較結果を以下の(表3)に示す。
Figure 0007085262000003
従来にあっては前記したようにトマチンを沈澱させる条件ではpH10以上が推奨されているが、(表3)からも明らかなようにpH8で十分なトマチンの回収が可能であり、pH10以上ではむしろ不純物の沈澱も見られるために、トマチンを沈殿させて不純物と分離するためには、pH8以上且つpH10未満の範囲が至適なpHと言える。尚、pHの調整に4N水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液を用いてもほぼ同等の回収率が得られた。
(3)トマチンからトマチジンへ変換させる酸加水分解条件
上記のpH8におけるアルカリ沈澱法で回収されたトマチンを凍結乾燥して試験に使用した。
凍結乾燥粉末をそれぞれの濃度の塩酸溶液に溶解し、60~80℃で60分間混合してトマチンからトマチジンへの変換率とトマチジンの回収率を比較した。結果を以下の(表4)に示す。
Figure 0007085262000004
(表4)に示すように、トマチンからトマチジンへの酸加水分解による変換は、0.5から2.0Nの塩酸溶液の条件が変換率及び回収率の点で適切であった。なお、塩酸に代えて硫酸を用いた場合にも、ほぼ同程度の結果が得られた。
(4)トマチジンのエタノールによる精製
トマチンもトマチジンもエタノール溶液に溶解することが知られているが、トマチジンの中に共存する不純物をエタノールで沈殿除去するための条件を検討した。
上記の塩酸濃度1Nでトマチンからトマチジンへ変換した試料を凍結乾燥し、その中に含まれる不純物を沈澱除去するためのアルコール濃度の条件を試験した。各濃度のエタノール溶液にトマチジン試料を溶解させ、沈澱物を遠心分離で除去したあとの上清を回収して蒸発乾固し、トマチジンの回収率と純度を測定した。その結果、トマチジンはエタノール濃度70%で処理することによって共存する不純物の大半が沈澱して除去されることが判明した。結果を(表5)に示す。
Figure 0007085262000005
(5)キレート剤添加によるミネラル成分の除去
乾燥トマト葉100gに水900mLを加え、酢酸溶液でpH4.0に調整し、80℃、2時間加熱抽出した液からトマト葉残渣と不溶物をろ過除去したものを使用した。
該酸抽出液へキレート剤としてエデト酸ナトリウムを20g添加し、次に1N苛性ソーダでpHを9.0に調整した後、5,000rpm、30分間遠心分離してトマチンを回収した。回収トマチンを再度、水に溶解した液のミネラル成分をICP発光分光分析計(アジレントテクノロジーズ、ICP-OES700型)で定量した。
結果は表6に示すように、トマト葉抽出液中のミネラル成分はほぼ完全に除去された。
Figure 0007085262000006
(6)強酸性陽イオン交換体によるミネラル成分の除去
上記表6のキレート剤非添加アルカリ沈殿溶液のpHを1N塩酸でpH3.0に調整し、その100mL(電気伝導度25mS/cm)を、H+型にした強酸性陽イオン交換体(ダイアイオンSK1B)100mLを充填したカラムへ通液し、カラム通過液を回収して、該溶液中のミネラル成分をICP発光分光分析計(同上)で定量した。
結果は表7に示すように、トマチン溶液中のミネラル成分はほぼ完全に除去された。
Figure 0007085262000007
(実験例)
次に、具体的な実験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
実験例1
乾燥させた茎を含むトマトの葉 1.2kgを粉砕し、16L の水を加えて混合した。ついで4N塩酸を加えてpHを3.5に調整した後、60℃で60分間撹拌してトマチンを抽出した。
抽出液を50メッシュのろ過器でろ過し、該ろ過液を4N水酸化ナトリウム溶液で pH9.0に調整してトマチンを沈澱させ、遠心分離機で沈殿物を回収し、上清を廃棄した。次いで沈殿物を200mLの水に溶解し、塩酸濃度が0.5Nになるように塩酸を添加して、60℃で120分間撹拌してトマチンをトマチジンへ変換させた後、4Nの水酸化ナトリウム溶液を用いてpH9.0に調整し、トマチジンを沈澱させて、遠心分離機で沈殿物を回収した。
該沈殿物を70%エタノール溶液に溶解し、共存する不純物を遠心分離機で除去した後、エバポレーターでエタノールを蒸発させて濃縮し、最終的に凍結乾燥してトマチジン粉末約6gを得た。この時のトマチジンの含量は80%であった。
実験例2
トマトの脇芽500gを裁断し、4.5Lの水を加えて混合した。ついで4N硫酸を加えてpHを4に調整し、60℃において120分間攪拌してトマチンを抽出した。抽出液を50メッシュのろ過器でろ過し、該ろ過液を4N水酸化カリウム溶液でpH8.0に調整してトマチンを沈殿させ、遠心分離機で沈殿物を回収し、上清を廃棄した。ついで沈殿物を100mLの水に溶解し、硫酸濃度が1Nになるように添加して、60℃、120分間攪拌してトマチンをトマチジンへ変換し、ついで4N水酸化カリウム溶液pHを8.0に調整してトマチジンを沈殿させ、遠心分離機で沈殿物を回収し、上清を廃棄した。
該沈殿物を水50mLで回収し、凍結乾燥してトマチジン粉末約3gを得た。この時のトマチジン含量は35%であった。
また、50メッシュのろ過器でろ過した酸抽出液にクエン酸三ナトリウム50gを添加して、以下同様のpHに調整してトマチンを沈殿させて調製した時のトマチジン含量は66%であった。
また、50メッシュのろ過器でろ過した酸抽出液の電気伝導度を30mS/cmに調整して強酸性陽イオン交換体カラム(レバチットモノプラスS100、ランクセス社製)を通過させて液を、以下同様にトマチンを沈殿させて調製した時のトマチジンの含量は45%であった。
実験例3
トマトの脇芽500gを裁断し、1.5Lの水を加えて混合した。ついで4N硫酸を加えて pHを4に調整し、室温において120分間攪拌してトマチンを抽出した。
抽出液を50メッシュのろ過器でろ過し、該ろ過液を4N水酸化カリウム溶液で pH8.0に調整してトマチンを沈殿させ、遠心分離機で沈殿物を回収し、上清を廃棄した。ついで沈殿物を100mLの水に溶解し、硫酸濃度が1Nになるように添加して、60℃で180分間攪拌してトマチンをトマチジンへ変換し、ついで4N水酸化カリウム溶液でpHを8.0に調整してトマチジンを沈殿させ、遠心分離機で沈殿物を回収し、上清を廃棄した。
該沈殿物を水50mLで回収し、凍結乾燥してトマチジン粉末約3gを得た。この時のトマチジン含量は35%であった。

Claims (5)

  1. トマトの成熟果実を除く葉、茎、脇芽、花奔、未成熟果実、および根を裁断したもの、または乾燥後粉砕したものの重量当たり3~15倍量の水を加え、さらに酸溶液を加えてpH2~5に調整した後、室温から80℃の温度下で30~120分間撹拌混合してグリコアルカロイドのデヒドロトマチンを含むトマチンを抽出し、該抽出液にアルカリ溶液を添加して室温においてpH8以上且つpH10未満に調整することによってトマチンを沈殿させ、該トマチン沈殿物を回収した後、0.5~2Nの酸溶液に溶解した後、60~80℃で1~4時間加熱してトマチンをトマチジンへ変換させ、ふたたびアルカリ溶液を用いてpH8以上且つpH10未満に調整してトマチジンを沈澱させ、該沈殿物を更に70%濃度以上のエタノール溶液に溶解して混在する不純物を沈殿させて除去した後に、エタノールを蒸発させることを特徴とするトマチジンの製造法。
  2. トマトの成熟果実を除く葉、茎、脇芽、花奔、未成熟果実、および根を裁断したもの、または乾燥後粉砕したものの重量当たり3~15倍量の水を加え、さらに酸溶液を加えてpH2~5に調整した後、室温から80℃の温度下で30~120分間撹拌混合してグリコアルカロイドのトマチンを抽出し、必要ならば該抽出溶液に上記トマト原料1kg当り0.1~0.4kgのキレート剤を添加して混在するミネラルを可溶化させるか、または該抽出溶液の電気伝導度を20~40mS/cm2に調整して強酸性陽イオン交換樹脂と接触させてミネラルを吸着除去した後、該抽出液にアルカリ溶液を添加して室温においてpH8以上且つpH10未満に調整することによってトマチンを沈殿させ、該トマチン沈殿物を回収した後、0.5~2Nの酸溶液に溶解した後、60~80℃で1~4時間加熱してトマチンをトマチジンへ変換させ、ふたたびアルカリ溶液を用いてpH8以上且つpH10未満に調整してトマチジンを沈澱させ、該沈殿物を回収することを特徴とするトマチジンの製造法。
  3. 上記のグルコアルカロイドのトマチン抽出用の酸溶液またはトマチン加水分解用の酸溶液が酢酸、塩酸または硫酸から選ばれた酸溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のトマチジンの製造法。
  4. 上記のアルカリ溶液が水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選ばれた溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のトマチジンの製造法。
  5. 上記のキレート剤が、エデト酸ナトリウムまたはクエン酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸などの有機カルボン酸群から選ばれたものであることを特徴とする請求項2に記載のトマチジンの製造法。
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