JP7084559B2 - ディスエンゲージモードのためのユーザ機器協調セット - Google Patents

Description

背景
一般的に、ワイヤレスネットワークのプロバイダは、ワイヤレスネットワークを介したワイヤレス通信を管理する。たとえば、基地局は、ワイヤレスネットワークに接続されたユーザ機器（ＵＥ：user equipment）とのワイヤレス接続を管理する。基地局は、ワイヤレス接続の帯域幅、タイミング、およびプロトコル等の、ワイヤレス接続の構成を決定する。

ＵＥと基地局との間のサービスの品質は、信号強度の損失、帯域幅の制限、干渉信号などのような、複数の要因に起因して、劣化する可能性がある。これは特に、信号品質が弱いために障害が頻繁に生じるセルエッジで動作するＵＥについて言えることである。特定のワイヤレス通信システムにおいて生じるセルエッジの問題に対処するために、複数の解決策が考案されている。しかしながら、第５世代新無線（５Ｇ ＮＲ：Fifth Generation New Radio）に関連したデータ送信速度の増加等の、ワイヤレス通信システムの昨今の進歩に伴い、上記これまでの解決策のうちの少なくともいくつかは、とりわけユーザ機器がアイドルモードまたは非アクティブモード等のディスエンゲージモードにある場合、その有効性が低下している。

概要
この概要は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セット（UE-coordination set）の概念を簡潔にしたものを紹介するために提供される。この簡潔な概念については以下の詳細な説明でさらに説明する。この概要は、クレームされている主題の本質的な特徴を特定することを意図している訳でも、クレームされている主題の範囲の決定に使用されることを意図している訳でもない。

いくつかの局面において、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを基地局が使用する方法について説明する。この方法において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを形成する複数のユーザ機器のセットを、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる、各々がディスエンゲージモードにある複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信のために、指定する。基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための協調ユーザ機器として機能する、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの１つのユーザ機器を選択する。基地局は、複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信を協調させるよう協調ユーザ機器に指示する要求メッセージを送信する。基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器にダウンリンク信号を送信し、これは、ｉ）ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器が、ダウンリンク信号を復調およびサンプリングし、サンプルを協調ユーザ機器に転送することを、可能にすること、および、ｉｉ）協調ユーザ機器が、各ユーザ機器からのサンプルを結合し、結合したサンプルを共同で処理することにより、デコードされたデータを提供することを、可能にすることに、有効である。

別の局面において、ワイヤレス通信ネットワーク内のユーザ機器が実行する方法について説明する。この方法において、ユーザ機器は、ディスエンゲージモードへの移行の指示を受信する。ユーザ機器は、ディスエンゲージモードの複数のユーザ機器を含むディスエンゲージモードユーザ機器協調セットにユーザ機器が加わるよう指示する要求メッセージを、基地局から受信する。ユーザ機器は、ディスエンゲージモードに移行する。ユーザ機器は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器から、ベースバンドサンプルを受信し、ベースバンドサンプルは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象としディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の少なくとも１つのユーザ機器が受信するデータに対応する。ユーザ機器は、ベースバンドサンプルを集めることにより、結合されたベースバンド信号を提供し、結合されたベースバンド信号を共同で処理することにより、複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータをデコードし、デコードしたデータに基づいて、集めた情報に対応するデータを複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器に転送する。

ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの１つ以上の局面の詳細を以下で説明する。本明細書および図面において異なる例に使用される同一の参照番号は、同様の要素を示す。

ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの局面を実現することが可能な動作環境の一例を示す図である。 ユーザ機器およびサービングセル（serving cell）基地局のデバイス図の一例を示す図である。 ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現することが可能なワイヤレスネットワークスタックモデルのブロック図の一例を示す図である。 ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現することが可能な環境の一例を示す図である。 ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現し得るユーザ機器状態の例を示す図である。 ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現することが可能な環境の一例を示す図である。 本明細書に記載の技術の局面に係る、概ね基地局に関連する、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの方法の一例を示す図である。 本明細書に記載の技術の局面に係る、概ねユーザ機器に関連する、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの方法の一例を示す図である。

詳細な説明
従来のワイヤレス通信システムにおいて、ユーザ機器（ＵＥ）と基地局との間の信号品質は、信号干渉またはＵＥと基地局との間の距離等の複数の要因に起因して劣化し、その結果データ送信が遅くなり効率が低下する可能性がある。信号品質の劣化は、基地局のセルエッジの近くに位置するＵＥによくあることである。

本明細書は、従来のワイヤレス通信システムと比較して、ディスエンゲージモードにあるユーザ機器に対するデータ送信の一層の効率化を容易にする、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットについての技術および装置を説明する。ＵＥ協調セットは、分散型アンテナと同様に、特定のＵＥの利益のために共に働くようグループとして割り当てられた複数のＵＥで構成される。ＵＥ協調セットは、ＵＥ協調セット内の特定のＵＥ（たとえばターゲットＵＥ）または複数のＵＥに対するダウンリンクデータおよび／またはアップリンクデータの共同送信および受信を協調させる協調ＵＥを含む。ＵＥ協調セット内の複数のＵＥのアンテナおよび送信機を組み合わせることで、特定のＵＥの有効送信電力が著しく高められ、有効信号品質が大幅に改善される。基地局は、ユーザ機器の各種グループのリソース制御状態に基づいて、ＵＥ協調セットを形成することができる。たとえば、基地局は、基地局との間でアクティブにデータ通信しているエンゲージモード（たとえば接続モード）の複数のＵＥのためのＵＥ協調セットを形成することができる。これに加えてまたはこれに代えて、基地局は、基地局との間でアクティブにデータ通信していないディスエンゲージモード（たとえばアイドルモードまたは非アクティブモード）の複数のＵＥのためのディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを形成することができる。

複数のＵＥの各々は、基地局からのダウンリンクデータ送信を受信することができる。これらのＵＥは、従来の中継技術のようなダウンリンク送信をデータパケットにデコードしてからデータパケットを宛先に転送することを、行わない場合がある。正確に言えば、これらのＵＥは、協調ＵＥまたはターゲットＵＥ等の、ダウンリンク送信の未処理のＩ／Ｑサンプルの転送先を決定する。いくつかの局面において、ターゲットＵＥは、ＵＥ協調セット内のターゲットＵＥのサブセットを含み得る。協調ＵＥ（またはターゲットＵＥ）は、ＵＥ協調セット内の他のＵＥから未処理のＩ／Ｑサンプルを受信し、このＩ／Ｑサンプルをバッファメモリに格納する。次に、協調ＵＥ（またはターゲットＵＥ）は、格納された未処理のＩ／Ｑサンプルを、同期させ、ターゲットＵＥに対するデータパケットにデコードする。したがって、未処理のＩ／Ｑサンプルの処理は、協調ＵＥまたはターゲットＵＥで行われる。このようにして、ＵＥ協調セットは、ターゲットＵＥのための分散型アンテナとして機能する。ターゲットＵＥは、自身のアンテナを含み、基地局からＩ／Ｑフォーマットのデータを収集することおよび未処理のＩ／Ｑデータを協調ＵＥに転送することに、参加する。しかしながら、ターゲットＵＥが協調ＵＥである場合、ターゲットＵＥは、未処理のＩ／Ｑサンプルを自身に転送しない。

あるユースケースにおいて、低無線カバレッジエリア内でハイカーのグループが携帯する複数のＵＥは、メッセージを、このエリアの個々のＵＥにとって可能であろう有効送信電力よりも高い有効送信電力で基地局に送信する、ＵＥ協調セットを構成することができる。加えて、これらのＵＥは、これらのＵＥのうちの１つのＵＥに対する基地局からのメッセージを、この１つのＵＥが個別に受信する場合に可能であろう有効受信電力よりも高い有効受信電力で受信する、ＵＥ協調セットを構成することができる。複数のＵＥのうちの１つは、ＵＥ協調グループが、ターゲットＵＥを対象としＵＥ協調グループが受信するデータ信号を集めるための、協調ＵＥとして機能する。これらのＵＥの各々は、無線周波数信号を復調およびサンプリングし、ベースバンドサンプルを、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）のような、ローカルワイヤレスネットワークまたはパーソナルエリアネットワークを用いて、協調ＵＥに転送する。次に、協調ＵＥは、サンプルを集めて処理することにより、デコードされたデータを生成しターゲットＵＥに与える。これに代えて、協調ＵＥは、格納されているサンプルをターゲットＵＥに転送することにより、ターゲットＵＥがデータを復調できるようにしてもよい。

別のユースケースにおいて、一人のユーザが仕事用スマートフォンと個人用スマートフォンとを所有している場合がある。場合によっては、仕事用スマートフォンと個人用スマートフォンとの両方が、低セルラーカバレッジの地下の本社に位置していることがある。仕事用スマートフォンと個人用スマートフォンとがＵＥ協調セットを構成することにより、いずれか一方のスマートフォンが個別に実現可能な有効送信または受信電力よりも高い有効送信または受信電力で、基地局にメッセージを送信するまたは基地局からメッセージを受信することができる。また、仕事用スマートフォンおよび個人用スマートフォンが、本社内の１つ以上の他のデバイス（たとえばタブレット、スマート家電、モノのインターネットデバイス）とともにＵＥ協調セットを構成することにより、仕事用スマートフォンまたは個人用スマートフォンの有効送信および／または受信電力をさらに高めてもよい。

いくつかの局面において、基地局は、ディスエンゲージモードの複数のＵＥを含むディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを形成する。ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットは、共同送信および受信を利用することで、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のＵＥの有効送信電力および受信品質を、単一のＵＥの送信電力および受信品質との比較で、改善する。

いくつかの局面において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の個々のＵＥまたは複数のＵＥに、制御プレーン情報を伝達する。基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のＵＥにシステム情報アップデートを伝達する、または、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の単一のＵＥ（ターゲットＵＥ）に対するページング指示を送信する。

他の局面において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のＵＥによる不連続受信（ＤＲＸ：discontinuous reception）のための共通構成を決定する。任意でまたは加えて、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のＵＥからＵＥ能力情報を受信し、ＵＥ能力情報および／またはＵＥに関するその他のステータス情報を用いてＤＲＸ構成のパラメータを決定することができる。基地局は、ＤＲＸ通信パラメータをディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに伝達し、そうすることで、不連続受信のための共同受信を利用するためにＵＥを同期させる。

さらに他の局面において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに固有のセル再選択パラメータを指定する。基地局は、共同受信のための信号対雑音比（ＳＮＲ）のような、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための受信メトリックを決定し、この受信メトリックをディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに伝達する。ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のＵＥが受信メトリックを測定し測定値が受信メトリックのしきい値を下回っている場合、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットは、セル再選択手順を実行し、キャンプされた（camped）基地局においてディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための受信メトリックが最適値である基地局を選択する。

別の局面において、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットは、トラッキングエリアアップデートを送信する。セル再選択に応じて、新たに選択された基地局が、前に選択された基地局と異なるトラッキングエリアにある場合、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットは、トラッキングエリアアップデートを共同で送信する。

環境の例
図１は、ＵＥ１１１、ＵＥ１１２、およびＵＥ１１３として示される複数のユーザ機器１１０（ＵＥ１１０）を含む、一例としての環境１００を示す。各ＵＥ１１０は、ワイヤレスリンク１３１および１３２として示される１つ以上のワイヤレス通信リンク１３０（ワイヤレスリンク１３０）を通して、（基地局１２１、１２２、１２３、および１２４として示される）１つ以上の基地局１２０と通信することができる。ＵＥ協調セット内の各ＵＥ１１０は、ローカルワイヤレスネットワーク接続１３３、１３４、および１３５等の１つ以上のローカルワイヤレスネットワーク接続（たとえばパーソナルエリアネットワーク、近距離無線通信（ＮＦＣ）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標））を通して、ＵＥ協調セットの協調ＵＥおよび／またはＵＥ協調セット内のターゲットＵＥと、通信することができる。この例において、ＵＥ１１０はスマートフォンとして実現される。ＵＥ１１０は、スマートフォンとして示されているが、モバイル通信デバイス、モデム、セルラー電話、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマート家電、車両ベースの通信システム、モノのインターネット（ＩｏＴ）デバイス（たとえばセンサノード、コントローラ／アクチュエータノード、これらの組み合わせ）等の、任意の適切なコンピューティングまたは電子デバイスとして実現されてもよい。基地局１２０（たとえば進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワークノードＢ、Ｅ－ＵＴＲＡＮノードＢ、進化型ノードＢ、ｅＮｏｄｅＢ、ｅＮＢ、次世代ノードＢ、ｇＮｏｄｅＢ、ｇＮＢなど）は、マクロセル、マイクロセル、スモールセル、ピコセルなど、またはそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。

基地局１２０は、任意の適切なタイプのワイヤレスリンクとして実現されてもよいワイヤレスリンク１３１および１３２を用いてＵＥ１１０と通信する。ワイヤレスリンク１３１および１３２は、基地局１２０からＵＥ１１０に伝達されるデータおよび制御情報のダウンリンク、ＵＥ１１０から基地局１２０に伝達されるその他のデータおよび制御情報のアップリンク、またはこれらの両方を含み得る。ワイヤレスリンク１３０は、任意の適切な通信プロトコルもしくは規格を用いて、または、第３世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション（３ＧＰＰ ＬＴＥ：3rd Generation Partnership Project Long-Term Evolution）、第５世代新無線（５Ｇ ＮＲ）などのような通信プロトコルもしくは規格の組み合わせを用いて実現される１つ以上のワイヤレスリンクまたはベアラ（bearer）を含み得る。複数のワイヤレスリンク１３０をキャリアアグリゲーションで集約することにより、ＵＥ１１０に対してより高いデータレートを提供してもよい。複数の基地局１２０からの複数のワイヤレスリンク１３０を、ＵＥ１１０との協調マルチポイント（ＣｏＭＰ：Coordinated Multipoint）通信のために構成してもよい。加えて、複数のワイヤレスリンク１３０を、シングルＲＡＴデュアルコネクティビティまたはマルチＲＡＴデュアルコネクティビティ（ＭＲ－ＤＣ）のために構成してもよい。これらのさまざまな多重リンクの状況の各々は、ＵＥ１１０の消費電力を増加させる傾向がある。

基地局１２０は、全体として無線アクセスネットワーク１４０（ＲＡＮ、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク、Ｅ－ＵＴＲＡＮ、５Ｇ ＮＲ ＲＡＮ、またはＮＲ ＲＡＮ）である。ＲＡＮ１４０は、ＮＲ ＲＡＮ１４１およびＥ－ＵＴＲＡＮ１４２として示されている。ＮＲ ＲＡＮ１４１内の基地局１２１および１２３は、第５世代コア１５０（５ＧＣ１５０）ネットワークに接続される。Ｅ－ＵＴＲＡＮ１４２内の基地局１２２および１２４は、進化型パケットコア１６０（ＥＰＣ１６０）に接続される。任意でまたは加えて、基地局１２２は、５ＧＣ１５０およびＥＰＣ１６０ネットワークの双方に接続されてもよい。

基地局１２１および１２３は、それぞれ１０１および１０２において、制御プレーンシグナリングのためにＮＧ２インターフェイスを用い、ユーザプレーンデータ通信のためにＮＧ３インターフェイスを用いて、５ＧＣ１５０に接続する。基地局１２２および１２４は、それぞれ１０３および１０４において、制御プレーンシグナリングおよびユーザプレーンデータ通信のためにＳＩインターフェイスを用いて、ＥＰＣ１６０に接続する。任意でまたは加えて、基地局１２２が５ＧＣ１５０およびＥＰＣ１６０ネットワークに接続する場合、基地局１２２は、１８０において、制御プレーンシグナリングのためにＮＧ２インターフェイスを用い、ユーザプレーンデータ通信のためにＮＧ３インターフェイスを用いて、５ＧＣ１５０に接続する。

コアネットワークへの接続に加えて、基地局１２０は、相互に通信してもよい。基地局１２１と１２３とは、１０５において、Ｘｎインターフェイスを用いて通信する。基地局１２２と１２４とは、１０６において、Ｘ２インターフェイスを用いて通信する。ＮＲ ＲＡＮ１４１内の少なくとも１つの基地局１２０（基地局１２１および／または基地局１２３）は、Ｘｎインターフェイス１０７を用いて、Ｅ－ＵＴＲＡＮ１４２内の少なくとも１つの基地局１２０（基地局１２２および／または基地局１２４）と通信することができる。いくつかの局面において、異なるＲＡＮ内の基地局１２０（たとえば各ＲＡＮのマスタ基地局１２０）は、Ｘｎインターフェイス１０７等のＸｎインターフェイスを用いて相互に通信する。

５ＧＣ１５０は、５Ｇ ＮＲネットワークにおける複数のＵＥ１１０の登録および認証、認可、モビリティ管理などのような制御プレーン機能を提供するアクセス・モビリティ管理機能１５２（ＡＭＦ（Access and Mobility Management）１５２）を含む。ＥＰＣ１６０は、Ｅ－ＵＴＲＡネットワークにおける複数のＵＥ１１０の登録および認証、認可、モビリティ管理などのような制御プレーン機能を提供するモビリティ・管理エンティティ１６２（ＭＭＥ（Mobility Management Entity）１６２）を含む。ＡＭＦ１５２およびＭＭＥ１６２は、ＲＡＮ１４０内の基地局１２０と通信し、基地局１２０を用いて複数のＵＥ１１０とも通信する。

デバイスの例
図２は、ユーザ機器および基地局の、一例としてのデバイス図２００を示す。いくつかの局面において、デバイス図２００は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現することが可能なデバイスを説明している。図２には複数のＵＥ１１０および基地局１２０が含まれる。複数のＵＥ１１０および基地局１２０は、明確にするために図２では省略されている他の機能およびインターフェイスを含み得る。ＵＥ１１０は、アンテナ２０２と、無線周波数フロントエンド２０４（ＲＦフロントエンド２０４）と、５Ｇ ＲＡＮ１４１および／またはＥ－ＵＴＲＡＮ１４２内の基地局１２０と通信するための無線周波数トランシーバ（たとえばＬＴＥトランシーバ２０６および５Ｇ ＮＲトランシーバ２０８）とを含む。ＵＥ１１０は、ＵＥ協調セットのうちの少なくとも協調ＵＥおよび／またはターゲットＵＥと、１つ以上のワイヤレスローカルワイヤレスネットワーク（たとえばＷＬＡＮ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＮＦＣ、パーソナルエリアネットワーク（ＰＡＮ：personal area network）、ＷｉＦｉ－Ｄｉｒｅｃｔ（登録商標）、ＩＥＥＥ８０２．１５．４、ＺｉｇＢｅｅ、Ｔｈｒｅａｄ、ｍｍＷａｖｅ）を介して通信するための１つ以上の他のトランシーバ（たとえばローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０）を含む。ＵＥ１１０のＲＦフロントエンド２０４は、ＬＴＥトランシーバ２０６、５Ｇ ＮＲトランシーバ２０８、およびローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０をアンテナ２０２に結合または接続することにより、さまざまなタイプのワイヤレス通信を容易にすることができる。

ＵＥ１１０のアンテナ２０２は、互いに類似するまたは異なるように構成された複数のアンテナのアレイを含み得る。アンテナ２０２およびＲＦフロントエンド２０４は、３ＧＰＰ ＬＴＥおよび５Ｇ ＮＲ通信規格によって定義されＬＴＥトランシーバ２０６および／または５Ｇ ＮＲトランシーバ２０８によって実現される１つ以上の周波数帯域に同調させることができるおよび／または同調可能である。加えて、アンテナ２０２、ＲＦフロントエンド２０４、ＬＴＥトランシーバ２０６、および／または５Ｇ ＮＲトランシーバ２０８は、基地局１２０との通信の送信および受信のためのビームフォーミングをサポートするように構成されてもよい。限定ではなく例として、アンテナ２０２およびＲＦフロントエンド２０４は、３ＧＰＰ ＬＴＥおよび５Ｇ ＮＲ通信規格によって定義されたサブギガヘルツ帯域、サブ６ＧＨｚ帯域、および／または６ＧＨｚを超える帯域における動作のために実現することができる。加えて、ＲＦフロントエンド２０４は、ローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０によって定義および実現される１つ以上の周波数帯域に同調させることができ、および／または同調可能であり、そうすることで、ローカルワイヤレスネットワークを介したＵＥ協調セット内の他のＵＥとの通信の送信および受信をサポートすることができる。

ＵＥ１１０は、温度、供給電力、電力使用量、バッテリ状態などのようなさまざまな特性を検出するように実現することができるセンサ２１２を含む。よって、センサ２１２は、温度センサ、サーミスタ、バッテリセンサ、および電力使用量センサのうちのいずれか１つまたは組み合わせを含み得る。

ＵＥ１１０はまた、プロセッサ２１４と、コンピュータ読取可能記憶媒体２１６（ＣＲＭ（computer-readable storage medium）２１６）とを含む。プロセッサ２１４は、シリコン、ポリシリコン、高Ｋ誘電体、銅などのような各種材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサであってもよい。本明細書に記載のコンピュータ読取可能記憶媒体は、伝搬信号を除外する。ＣＲＭ２１６は、ＵＥ１１０のデバイスデータ２１８を格納するために使用可能な、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、スタティックＲＡＭ（ＳＲＡＭ）、ダイナミックＲＡＭ（ＤＲＡＭ）、不揮発性ＲＡＭ（ＮＶＲＡＭ）、読出専用メモリ（ＲＯＭ）、またはフラッシュメモリ等の、任意の適切なメモリまたはストレージデバイスを含み得る。デバイスデータ２１８は、ユーザプレーン通信、制御プレーンシグナリング、およびＵＥ１１０とのユーザの対話を可能にするために、プロセッサ２１４が実行可能な、ユーザデータ、マルチメディアデータ、ビームフォーミングコードブック、アプリケーション、および／またはＵＥ１１０のオペレーティングシステムを含む。

ＣＲＭ２１６はまた、通信マネージャ２２０を含む。これに代えてまたは加えて、通信マネージャ２２０は、ＵＥ１１０の他の構成要素と統合されたまたはＵＥ１１０の他の構成要素から分離されたハードウェアロジックまたは回路として、全体または一部が実現されてもよい。少なくともいくつかの局面において、通信マネージャ２２０は、ＲＦフロントエンド２０４、ＬＴＥトランシーバ２０６、５Ｇ ＮＲトランシーバ２０８、および／またはローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０を、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットについて本明細書に記載する技術を実現するように、構成する。

図２に示される基地局１２０のデバイス図は、単一のネットワークノード（たとえばｇＮｏｄｅ Ｂ）を含む。基地局１２０の機能は、複数のネットワークノードまたはデバイスに分散されてもよく、本明細書に記載の機能を実行するのに適した任意のやり方で分散されてもよい。基地局１２０は、ＵＥ１１０と通信するための、アンテナ２５２、無線周波数フロントエンド２５４（ＲＦフロントエンド２５４）、１つ以上のＬＴＥトランシーバ２５６、および／または１つ以上の５Ｇ ＮＲトランシーバ２５８を含む。基地局１２０のＲＦフロントエンド２５４は、ＬＴＥトランシーバ２５６および５Ｇ ＮＲトランシーバ２５８をアンテナ２５２に結合または接続することにより、さまざまなタイプのワイヤレス通信を容易にすることができる。基地局１２０のアンテナ２５２は、互いに類似するまたは異なるように構成された複数のアンテナのアレイを含み得る。アンテナ２５２およびＲＦフロントエンド２５４は、３ＧＰＰ ＬＴＥおよび５Ｇ ＮＲ通信規格によって定義されＬＴＥトランシーバ２５６および／または５Ｇ ＮＲトランシーバ２５８によって実現される１つ以上の周波数帯域に同調させることができる、および／または同調可能である。加えて、アンテナ２５２、ＲＦフロントエンド２５４、ＬＴＥトランシーバ２５６、および／または５Ｇ ＮＲトランシーバ２５８は、ＵＥ協調セット内の任意のＵＥ１１０との通信の送信および受信のために、Ｍａｓｓｉｖｅ－ＭＩＭＯのようなビームフォーミングをサポートするように構成されてもよい。

基地局１２０はまた、プロセッサ２６０と、コンピュータ読取可能記憶媒体２６２（ＣＲＭ２６２）とを含む。プロセッサ２６０は、シリコン、ポリシリコン、高Ｋ誘電体、銅などのような各種材料で構成されたシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサであってもよい。ＣＲＭ２６２は、基地局１２０のデバイスデータ２６４を格納するために使用可能な、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、スタティックＲＡＭ（ＳＲＡＭ）、ダイナミックＲＡＭ（ＤＲＡＭ）、不揮発性ＲＡＭ（ＮＶＲＡＭ）、読出専用メモリ（ＲＯＭ）、またはフラッシュメモリ等の、任意の適切なメモリまたはストレージデバイスを含み得る。デバイスデータ２６４は、ＵＥ１１０との通信を可能にするためにプロセッサ２６０が実行可能な、ネットワークスケジューリングデータ、無線リソース管理データ、ビームフォーミングコードブック、アプリケーション、および／または基地局１２０のオペレーティングシステムを含む。

ＣＲＭ２６２はまた、基地局マネージャ２６６を含む。これに代えてまたは加えて、基地局マネージャ２６６は、基地局１２０の他の構成要素と統合されたまたは基地局１２０の他の構成要素から分離されたハードウェアロジックまたは回路として、全体または一部が実現されてもよい。少なくともいくつかの局面において、基地局マネージャ２６６は、ＵＥ１１０との通信およびコアネットワークとの通信のために、ＬＴＥトランシーバ２５６および５Ｇ ＮＲトランシーバ２５８を構成する。基地局１２０は、Ｘｎおよび／またはＸ２インターフェイス等の基地局間インターフェイス２６８を含み、基地局マネージャ２６６は、これを、基地局１２０とＵＥ１１０との通信を管理するために、別の基地局１２０との間でユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータを交換するように構成する。基地局１２０はコアネットワークインターフェイス２７０を含み、基地局マネージャ２６６は、これを、コアネットワーク機能およびエンティティとユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータを交換するように構成する。

ネットワークスタック
図３は、ワイヤレスネットワークスタックモデル３００（スタック３００）の一例としてのブロック図３００を示す。スタック３００は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの各種局面を実現することができる、一例としての環境１００のための通信システムを特徴付ける。スタック３００は、ユーザプレーン３０２と制御プレーン３０４とを含む。ユーザプレーン３０２および制御プレーン３０４の上層は、スタック３００内の共通の下層を共有する。ＵＥ１１０または基地局１２０のようなワイヤレスデバイスは、各レイヤを、このレイヤのために定義されたプロトコルを用いて別のデバイスと通信するためのエンティティとして実現する。たとえば、ＵＥ１１０は、パケットデータコンバージェンスプロトコル（ＰＤＣＰ：Packet Data Convergence Protocol）エンティティを用いて、ＰＤＣＰを使用する基地局１２０内のピアＰＤＣＰエンティティに対する通信を行う。

共有される下層は、物理（ＰＨＹ）レイヤ３０６と、メディアアクセス制御（ＭＡＣ：Media Access Control）レイヤ３０８と、無線リンク制御（ＲＬＣ：Radio Link Control）レイヤ３１０と、ＰＤＣＰレイヤ３１２とを含む。ＰＨＹレイヤ３０６は、互いに通信するデバイスのためのハードウェア仕様を提供する。よって、ＰＨＹレイヤ３０６は、デバイスの相互接続方法の規定、デバイス間での通信リソースの共有方法の管理の支援などを行う。

ＭＡＣレイヤ３０８は、如何にしてデータがデバイス間で転送されるかを指定する。一般的に、ＭＡＣレイヤ３０８は、送信プロトコルの一部として、送信されているデータパケットをエンコードしビットにデコードする方法を提供する。

ＲＬＣレイヤ３１０は、スタック３００内の上層に対するデータ転送サービスを提供する。一般的に、ＲＬＣレイヤ３１０は、誤り訂正、パケットセグメント化および再アセンブリ、ならびに、確認応答モード、非確認応答モード、またはトランスペアレントモード等の各種モードにおけるデータ転送の管理を提供する。

ＰＤＣＰレイヤ３１２は、スタック３００内の上層に対するデータ転送サービスを提供する。一般的に、ＰＤＣＰレイヤ３１２は、ユーザプレーン３０２および制御プレーン３０４データの転送、ヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護を提供する。

ＰＤＣＰレイヤ３１２の上方において、このスタックは、ユーザプレーン３０２と制御プレーン３０４とに分割される。ユーザプレーン３０２のレイヤは、任意のサービスデータアダプテーションプロトコル（ＳＤＡＰ：Service Data Adaptation Protocol）レイヤ３１４と、インターネットプロトコル（ＩＰ：Internet Protocol）レイヤ３１６と、伝送制御プロトコル／ユーザデータグラムプロトコル（ＴＣＰ／ＵＤＰ：Transmission Control Protocol/User Datagram Protocol）レイヤ３１８と、ワイヤレスリンク１０６を用いてデータを転送するアプリケーションレイヤ３２０とを含む。任意のＳＤＡＰレイヤ３１４は、５Ｇ ＮＲネットワーク内にある。ＳＤＡＰレイヤ３１４は、各データ無線ベアラごとにサービス品質（ＱｏＳ：Quality of Service）フローをマッピングし、各パケットデータセッションごとにアップリンクおよびダウンリンクデータパケット内にＱｏＳフロー識別子をマークする。ＩＰレイヤ３１６は、如何にしてアプリケーションレイヤ３２０からのデータを宛先ノードに転送するかを指定する。ＴＣＰ／ＵＤＰレイヤ３１８は、アプリケーションレイヤ３２０によるデータ転送のためのＴＣＰまたはＵＤＰのいずれかを用いて、宛先ノードに向けて転送されたデータパケットが宛先ノードに到達したことを検証するために使用される。いくつかの実装形態において、ユーザプレーン３０２はまた、ウェブブラウジングコンテンツ、ビデオコンテンツ、イメージコンテンツ、オーディオコンテンツ、またはソーシャルメディアコンテンツを含むＩＰパケット等のアプリケーションデータをトランスポートするためのデータトランスポートサービスを提供するデータサービスレイヤ（図示せず）を含み得る。

制御プレーン３０４は、無線リソース制御（ＲＲＣ：Radio Resource Control）レイヤ３２４と、非アクセス層（ＮＡＳ：Non-Access Stratum）レイヤ３２６とを含む。ＲＲＣレイヤ３２４は、接続および無線ベアラを規定および公開し、システム情報をブロードキャストする、または電力制御を行う。また、ＲＲＣレイヤ３２４は、ＵＥ１１０のリソース制御状態を制御し、リソース制御状態に応じた動作をＵＥ１１０に行わせる。リソース制御状態の例は、接続状態（たとえばＲＲＣ接続状態）、または、非アクティブ状態（たとえばＲＲＣ非アクティブ状態）もしくはアイドル状態（たとえばＲＲＣアイドル状態）等の切断状態を含む。一般的に、ＵＥ１１０が接続状態であれば、基地局１２０との接続はアクティブである。非アクティブ状態では、基地局１２０との接続は保留される。ＵＥ１１０がアイドル状態であれば、基地局１２０との接続は解除される。一般的に、ＲＲＣレイヤ３２４は、３ＧＰＰアクセスをサポートするが、非３ＧＰＰアクセス（たとえばＷＬＡＮ通信）はサポートしない。

ＮＡＳレイヤ３２６は、（たとえば第５世代モビリティ管理（５ＧＭＭ：Fifth-Generation Mobility Management）レイヤ３２８を使用して）モビリティ管理をサポートするとともに、（たとえば第５世代セッション管理（５ＧＳＭ：Fifth-Generation Session Management）レイヤ３３０を使用して）ＵＥ１１０と、５ＧＣ１５０のアクセス・モビリティ管理機能１５２（ＡＭＦ１５２）等のコアネットワーク内のエンティティまたは機能との間のパケットデータベアラコンテキストをサポートする。ＮＡＳレイヤ３２６は、３ＧＰＰアクセスと非３ＧＰＰアクセスとの双方をサポートする。

ＵＥ１１０において、スタック３００のユーザプレーン３０２および制御プレーン３０４の双方における各レイヤは、基地局１２０における対応するピアレイヤもしくはエンティティ、コアネットワークエンティティもしくは機能、および／またはリモートサービスと対話することにより、ＲＡＮ１４０におけるＵＥ１１０のユーザアプリケーションおよび制御動作をサポートする。

ＵＥ協調セット
図４は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの実装例４００を示す。図示した例は、基地局１２１と、ＵＥ１１１と、ＵＥ１１２と、ＵＥ１１３とを含む。一例において、図４に示すＵＥの各々は、送信電力が制限されている場合があり、そのために基地局１２１へのデータの送信において障害が生じる場合がある。このことは、少なくとも一部、ＵＥが基地局１２１のセルエッジ４０２に近いこと、またはリンクバジェットが不十分で送信が困難な場所（たとえば地下室、アーバン・キャニオンなど）にＵＥがあることに起因する場合がある。図４に示すＵＥの各々は、さらにまたは代わりに、受信電力が制限されている場合があり、これは、基地局１２１のセルエッジ送信電力、ならびにマルチパス、他の送信機または架空電線からの信号干渉、天候または建築物や木のような物体による減衰などの影響を受ける場合がある。

基地局１２１は、本明細書に記載の技術を用いて、ＵＥ協調セット（たとえばＵＥ協調セット４０４）を形成するＵＥ（たとえばＵＥ１１１、ＵＥ１１２、およびＵＥ１１３）のセットを、ターゲットＵＥ（たとえばＵＥ１１２）に対するデータの共同送信および共同受信のために、指定することができる。基地局１２１は、ＵＥに対応する情報（たとえばＵＥの位置、信号レベル、バッテリレベルなど）に基づいて、特定のＵＥにとって協調が有益であるか否かを判断してもよい。ＵＥの各々は、ユーザ入力または予め定められた設定に基づいて、ＵＥ協調セットへの参加をオプトインまたはオプトアウトしてもよい。ターゲットＵＥ１１２の有効送信電力は、ＵＥ協調セット内のＵＥの数とともに有意に（たとえば線形に）増加することができ、それにより、ターゲットＵＥ１１２のリンクバジェットを大幅に改善することができる。基地局１２１は、基地局１２１に対する各ＵＥの位置、ＵＥ間（ＵＥとＵＥとの間、各ＵＥとターゲットＵＥとの間、または各ＵＥとＵＥ協調セットの協調ＵＥとの間など）の距離、またはそれらの組み合わせ等の、さまざまな要因に基づいて、ＵＥ協調セットを決定してもよい。いくつかの局面において、互いの距離が特定の距離以内のＵＥは、より簡単に相互協調することにより、近接しているときの信号干渉を、ローカルワイヤレスネットワークを使用することで、低減することができる。

加えて、ＵＥ協調は、各ＵＥと関連付けられる空間ビームまたはタイミングアドバンス、またはこれらの双方に基づくことができる。たとえば、ビームフォーミングまたはＭａｓｓｉｖｅ－ＭＩＭＯの場合、ＵＥ協調セット内のすべてのＵＥが基地局から同じ信号を受信できることが望ましいことがある。そのため、ＵＥ協調セット内のすべてのＵＥが、地理的に互いに近くに、たとえばＵＥ協調セット内の特定のＵＥのしきい値距離以内にあってもよい。このようにして、ＵＥ協調セット内のＵＥの各々は、同一ビームの中に、または互いに近いビームの中にあってもよい。タイミングアドバンスは、ＵＥと基地局との間の距離を示し得る。グループ中の各ＵＥごとの同様のタイミングアドバンスは、これらのＵＥが基地局からほぼ同じ距離にあることを示す。互いの距離が予め定められた距離以内にあるＵＥであってすべてが基地局から同様の距離にあるＵＥは、ＵＥ協調セットの中で分散方式で共に働くことにより、信号強度とＵＥ協調セット内の単一のＵＥの品質とを改善することが可能であってもよい。

基地局は、レイヤ２メッセージ（たとえばメディアアクセス制御レイヤ）および／またはレイヤ３（たとえばサービスデータアダプテーションプロトコルレイヤ）メッセージをＵＥに送信することにより、これらのＵＥに、ＵＥ協調セットに加わるよう指示または要求することができる。基地局は、ＵＥ協調セット内のＵＥに追加データを提供することにより、ＵＥが少なくとも協調ＵＥまたはターゲットＵＥと通信することを可能にすることができる。追加データは、協調ＵＥの識別および／またはターゲットＵＥの識別、セキュリティ情報、および／またはローカルワイヤレスネットワーク情報を含み得る。

基地局は、要求メッセージに肯定応答するＵＥ協調セット内のＵＥから応答メッセージを受信することができる。場合によっては、基地局は、ＵＥがＵＥ協調セットに加わったことを認める応答メッセージを、ＵＥのうちの少なくとも２つから受信する可能性がある。応答メッセージは、要求メッセージがＵＥのユーザによって承認されたことを示し得る。

加えて、基地局は、ＵＥ協調セット内の特定のＵＥを識別し、ＵＥ協調セットのための協調ＵＥ（たとえばマスタＵＥ）として働くよう命令（または要求）することができる。たとえば、基地局１２１は、構成メッセージ（たとえば要求メッセージ）を特定のＵＥに送信することにより、この特定のＵＥがＵＥ協調セットのための協調ＵＥとして働くことを要求することができる。この特定のＵＥは、ＵＥのユーザからのユーザ入力に基づいてまたはそのような要求を自動的に受諾または拒否するように設定された設定に基づいて、要求を受諾または拒否してもよい。いくつかの局面において、ＵＥは、基地局１２１からの要求メッセージに対する応答として、ＵＥ能力メッセージまたは他のレイヤ３メッセージを送信してもよい。協調ＵＥは、共同送信および共同受信のためにＵＥ協調セット内のＵＥ間で送信されるメッセージおよびサンプルを協調させることができる。いくつかの局面において、協調ＵＥは、共同処理が行われる場所を、たとえば協調ＵＥまたはターゲットＵＥを、決定することができる。一例において、協調ＵＥは、ＵＥ協調セット内の特定のＵＥが基地局から受信したＩ／ＱサンプルをターゲットＵＥに送信する方法を協調させることができる。

基地局は、さまざまな要因に基づいてＵＥ協調セット内のＵＥのグループから協調ＵＥを選択することができ、上記要因のうちのいくつかは、ＵＥがＵＥ能力メッセージを用いて基地局にシグナリングしてもよい。一例としての要因は、協調ＵＥの処理能力を含み、これは、中央協調またはスケジューリングを含むＵＥ協調セットのいくつかの側面を扱う能力を協調ＵＥに与える。別の要因は、協調ＵＥのバッテリレベル状態を含み得る。たとえば、ＵＥ協調セット内の特定のＵＥが低バッテリを有する場合、そのＵＥは、協調ＵＥとして機能する好適な候補ではないかもしれない。したがって、ＵＥ協調セット内で、バッテリレベル状態がしきい値を上回るＵＥを、協調ＵＥとしての選択候補とみなしてもよい。一例において、基地局は、最初に１つのＵＥを協調ＵＥとして選択し、ＵＥ協調セットの形成に続いて、ＵＥ協調セット内の他のＵＥから、それぞれのバッテリレベル状態を示すメッセージを受信してもよい。次に、基地局は、ＵＥ協調セット内のＵＥのバッテリレベル状態に基づいて、ＵＥ協調セット内の別のＵＥがより好適な候補となる場合、協調ＵＥを変更することができる。

もう１つの要因は、協調ＵＥの位置を含み得る。基地局は、ＵＥからの信号の到来角、タイミングアドバンス、観測到達時間差（ＯＴＤＯＡ：observed time difference of arrival）などのようなさまざまな要因に基づいて、ＵＥ協調セット内のＵＥの位置を特定してもよい。協調ＵＥの理想的な位置は、ＵＥ協調セット内の地理的中心であってもよく、その理由は、この地理的中心は、ＵＥ協調セット内の他のＵＥと協調および通信する協調ＵＥの能力を最大にすることにある。しかしながら、協調ＵＥは、ＵＥ協調セット内の複数のＵＥの中心位置にある必要はない。正確に言えば、協調ＵＥは、協調ＵＥがＵＥ協調セット内の他のＵＥと通信および協調することを可能にする、ＵＥ協調セット内の任意の場所に位置していればよい。基地局は、ＵＥ協調セットを絶えず監視し、アップデートされたＵＥ位置、ＵＥバッテリレベル状態などのような、アップデートされた要因に基づいて、協調ＵＥをいつでもアップデートすることができる。または、先に述べたように、協調ＵＥは、処理能力、バッテリレベル、および／または地理的位置等の要因に基づいて、その共同処理責任を別のＵＥに移管してもよい。

いくつかの局面において、基地局は、ＵＥ協調セット内の１つ以上のＵＥから、これらのＵＥが協調ＵＥとして働く能力を訴える表示を受信することができる。これに加えてまたは代えて、基地局は、ＵＥ協調セット内の１つ以上のＵＥから、それぞれのＵＥのユーザの、そのユーザのＵＥをＵＥ協調セットに参加させたいおよび／または協調ＵＥとして働かせたいという意欲を示す表示を受信することができる。したがって、ＵＥ協調セット内のＵＥは、基地局に対し、レイヤ３メッセージを用いて、協調ＵＥとして働くことが可能であるか否かおよび／または協調ＵＥとして働くことが許可されるか否かを示すことができる。

図４に示す例４００において、ＵＥ１１１はＵＥ１１２とＵＥ１１３との間に位置するので、または、ＵＥ１１１はＵＥ協調セット内の他のＵＥ１１２および１１３の各々と通信することができるので、基地局１２１は、ＵＥ１１１を、協調ＵＥとして働くものとして選択してもよい。基地局１２１は、さまざまな理由で協調ＵＥを選択し得るものであり、その例は先に述べた通りである。３つのＵＥ１１１、１１２、１１３のすべては、セルエッジにあるので、セルラー受信（および送信）電力が弱い。基地局１２１は、ターゲットＵＥ１１２に対する、基地局１２１とＵＥ１１１、１１２、１１３との間で送信されるメッセージおよびサンプルを、協調させるために、ＵＥ１１１を選択する。ＵＥ間のそのような通信は、ＰＡＮ、ＮＦＣ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＷｉＦｉ－Ｄｉｒｅｃｔ、ローカルｍｍＷａｖｅリンクなどのようなローカルワイヤレスネットワーク４０６を用いて行うことができる。この例において、３つのＵＥ１１１、１１２、１１３のすべては、基地局１２１からＲＦ信号を受信する。ＵＥ１１２およびＵＥ１１３は、ＲＦ信号をベースバンドＩ／Ｑアナログ信号に復調し、ベースバンドＩ／Ｑアナログ信号をサンプリングすることにより、Ｉ／Ｑサンプルを生成し、Ｉ／Ｑサンプルをシステムタイミング情報（たとえばシステムフレーム番号（ＳＦＮ：system frame number））とともに、ローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０を用いて、協調ＵＥ１１１にローカル転送する。次に、協調ＵＥ１１１は、タイミング情報を用いてＩ／Ｑサンプルを同期させて結合し、結合した信号を処理することにより、ターゲットＵＥ１１２に対するデータパケットをデコードする。次に、協調ＵＥ１１１は、ローカルワイヤレスネットワーク４０６を用いてデータパケットをターゲットＵＥ１１２に送信する。

ターゲットＵＥ１１２が、基地局１２１に送信するアップリンクデータを有する場合、ターゲットＵＥは、アップリンクデータを協調ＵＥ１１１に送信し、協調ＵＥは、ローカルワイヤレスネットワーク４０６を用いて、アップリンクデータをＵＥ協調セット４０４内の各ＵＥに配信する。ＵＥ協調セット４０４内の各ＵＥは、タイミング情報およびそのデータ送信リソース割当について、基地局１２１と同期する。次に、ＵＥ協調セット４０４内の３つのＵＥのすべてが、アップリンクデータを基地局１２１に共同で送信する。基地局１２１は、ＵＥ１１１、１１２、１１３から共同で送信されたアップリンクデータを受信し、結合された信号を処理することにより、ターゲットＵＥ１１２からのアップリンクデータをデコードする。

共同送信および受信
ＵＥ協調セット４０４は、ターゲットＵＥがデータを基地局１２１に送信しデータを基地局１２１から受信する能力を、概ねターゲットＵＥ１１２の分散型アンテナとして機能することにより、高める。たとえば、基地局１２１は、ダウンリンクデータを、ＲＦ信号を用いてＵＥ協調セット４０４内の複数のＵＥに送信する。これらの複数のＵＥのうちの少なくともいくつかは、受信したＲＦ信号をアナログベースバンド信号に復調し、ベースバンド信号をサンプリングすることにより、Ｉ／Ｑサンプルのセットを生成し、これらのＵＥは、Ｉ／Ｑサンプルのセットを、システムタイミング情報とともに協調ＵＥに送信する。協調ＵＥは、各ＵＥからのＩ／Ｑサンプルを蓄積してメモリバッファに格納する。ＵＥ協調セット４０４内のＵＥの各々が基地局１２１と同期しているので、ＵＥ協調セット４０４内のＵＥのすべてが共通時間ベース（たとえばシステムフレーム番号（ＳＦＮ））に基づいた共通時間を有し、これは、協調ＵＥがＩ／Ｑサンプルを蓄積してメモリバッファに格納するためのタイミングおよびアライメントを管理できるようにするのに有効である。共同受信およびデコードの場合、協調ＵＥは、格納されているＩ／Ｑサンプルを処理することにより、ターゲットＵＥに対するダウンリンクデータをデコードする。いくつかの局面において、Ｉ／Ｑサンプルは、複数のＵＥ（たとえばＵＥ協調セット内のすべてのＵＥよりも少ないＵＥ）で、ターゲットＵＥ１１２で、または協調ＵＥ１１１で、処理することができる。ＵＥ協調セット４０４内のＵＥの少なくともサブセットは、ダウンリンクＩ／Ｑサンプルの蓄積および／または共同処理に参加することができる。少なくとも１つの局面において、協調ＵＥ１１１は、ＵＥ協調セット４０４内のどのＵＥを、ダウンリンクＩ／Ｑサンプルの蓄積および／または共同処理に参加するＵＥのサブセットに含めるかを、選択することができる。他の局面において、基地局１２１がこの選択を行うことができる。

複数のＵＥの各々は、基地局１２１からのダウンリンク送信を受信することができる。これらのＵＥは、従来の中継技術のようなダウンリンク送信をデータパケットにデコードしてからデータパケットを宛先に転送することを、行わない場合がある。正確に言えば、これらのＵＥは、協調ＵＥまたはターゲットＵＥ等の、ダウンリンク送信の未処理のＩ／Ｑサンプルの転送先を決定する。いくつかの局面において、ターゲットＵＥ１１２は、ＵＥ協調セット４０４内のターゲットＵＥのサブセットを含み得る。協調ＵＥ１１１（またはターゲットＵＥ１１２）は、ＵＥ協調セット４０４内の他のＵＥから未処理のＩ／Ｑサンプルを受信し、このＩ／Ｑサンプルをバッファメモリに格納する。次に、協調ＵＥ１１１（またはターゲットＵＥ１１２）は、格納された未処理のＩ／Ｑサンプルを、ターゲットＵＥ１１２に対するデータパケットにデコードする。したがって、未処理のＩ／Ｑサンプルの処理は、協調ＵＥ１１１またはターゲットＵＥ１１２で行われる。このようにして、ＵＥ協調セット４０４は、ターゲットＵＥ１１２のための分散型アンテナとして機能する。ターゲットＵＥ１１２は、自身のアンテナを含み、基地局１２１からＩ／Ｑフォーマットのデータを収集することおよび未処理のＩ／Ｑデータを協調ＵＥ１１１に転送することに、参加する。

一例において、ＵＥ協調セットは、各々が２つのアンテナを有する３つのＵＥを含む。基地局は、ＵＥ協調セット内のあるターゲットＵＥに対するダウンリンク信号を送信し、このターゲットＵＥは、ＵＥ協調セットの協調ＵＥとして機能する。典型的に、ターゲットＵＥは、ダウンリンク信号を受信するために自身のアンテナのみを使用する（この例ではターゲットＵＥは２つのアンテナのみを有する）。しかしながら、ここでは、ＵＥ協調セット内の３つのＵＥ（各々が２つのアンテナを有する）のすべてが、ダウンリンク信号を受信しこのダウンリンク信号をターゲットＵＥに転送する。このようにして、ターゲットＵＥは、まるで６つのアンテナを有するかのように機能し、このことが、ターゲットＵＥの信号強度を著しく高める。ＵＥ協調セット内の各ＵＥは、ダウンリンク信号をデコードしない。正確に言えば、ＵＥ協調セット内の各ＵＥは、ダウンリンク信号（たとえばＲＦ信号）を、アナログベースバンド信号に復調し、ベースバンド信号をサンプリングすることにより、Ｉ／Ｑサンプルを生成する。なぜなら、ＵＥのうちの１つ以上が、特にセルエッジの近くにある場合および／またはリンクバジェットに影響する干渉またはチャネル障害に起因して信号強度が比較的弱い場合、個々に信号を適切に復調またはデコードできない場合があるからである。Ｉ／Ｑサンプルは、協調ＵＥに転送され、協調ＵＥは、Ｉ／Ｑサンプルを集めてデコードすることにより、ターゲットＵＥに対するダウンリンクデータにする。したがって、ＵＥ協調セット内のすべてのＵＥからのダウンリンク信号は、共同で受信されて、１つのＵＥにおいてパケットを復調しデコードするのに十分な有効信号強度を提供する。

いくつかの局面において、同じ協調セット内のＵＥは、単一のターゲットＵＥに対してではなくＵＥ協調セット内のＵＥのサブセットに対する基地局からダウンリンク送信を、共同で受信することができる。ＵＥ協調セット内の各ＵＥは、ダウンリンク送信から未処理のＩ／Ｑサンプルを生成し、未処理のＩ／ＱサンプルをＵＥのサブセットに転送することができる。同じ協調セット内のＵＥは、基地局から送信されたデータに対して共同またはコヒーレント処理を実行することができる。コヒーレント処理は、ＵＥが受信アンテナチェーンとして機能しデータがＵＥのサブセットでまたは協調ＵＥでコヒーレントに結合されることを意味する。ＵＥのサブセットまたは協調ＵＥは、未処理のＩ／Ｑサンプルを使用することにより、ダウンリンク送信の共同処理を実行することができる。

共同送信の場合、ＵＥ協調セット４０４内の複数のＵＥの各々が、それぞれのアンテナおよび送信機を用いて、ターゲットＵＥ１１２からのアップリンクデータを、ＵＥ協調セットを協調させる基地局による指示に従いエアインターフェイスリソース上で送信する。このようにして、ターゲットＵＥのアップリンクデータを、ＵＥ協調セット４０４内の複数のＵＥ（すべてのＵＥを含む）の送信機および送信アンテナを用いて、一緒に処理し送信することができる。一例において、ターゲットＵＥ１１２は、そのローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０を用いて、アップリンクデータを協調ＵＥ１１１に送信する。協調ＵＥ１１１は、そのローカルワイヤレスネットワークトランシーバ２１０を用いて、ＵＥ協調セット４０４内の他のＵＥにデータを配信する。次に、ＵＥ協調セット４０４内のすべてのＵＥは、アップリンクデータを処理し基地局１２１に送信する。このようにして、分散型送信は、ターゲットＵＥ１１２が直面するチャネル障害を前提として、より良好な有効リンクバジェットを提供する。

一例において、協調ＵＥ１１１は、複数のＵＥの送信アンテナにわたって同一のアップリンク信号をレプリケートし、これは、複数のＵＥの電力増幅器からの電力を結合する。共同送信のために複数のＵＥにわたって信号をレプリケートすることは、任意の単一のＵＥの送信電力を超えるように有効送信電力を著しく増加させる。協調ＵＥ１１１およびターゲットＵＥ１１２の各々も、アップリンク信号のレプリカを送信する。したがって、上記ダウンリンクと同様に、ＵＥ協調セット内の追加のＵＥが、ターゲットＵＥ１１２のための追加のアンテナとして機能する。いくつかの局面において、ＵＥ協調セット４０４内のＵＥは、ＷＬＡＮ等のローカルワイヤレスネットワーク４０６を用いて、互いに、および協調ＵＥ１１１と通信する。

同一のＵＥ協調セット４０４内のＵＥは、ターゲットＵＥ１１２のためのデータパケットを、基地局１２１に共同で送信することができる。たとえば、ＵＥ協調セット４０４内のＵＥのサブセットは、ＵＥ協調セット４０４内のターゲットＵＥ１１２（またはＵＥのサブセット）のために共同送信を行うことができる。また、ターゲットＵＥ１１２は、そのデータをＵＥ協調セット４０４内のＵＥのうちの残りのＵＥ（またはＵＥのサブセット）に送信することにより、これらのその他のＵＥがターゲットＵＥ１１２のためのデータの基地局１２１への送信を支援できるようにする。

ユーザ機器状態
図５は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットのいくつかの局面から利益を得ることができる、例としてのユーザ機器状態５００を示す。ワイヤレスネットワークオペレータは、その電気通信サービスをワイヤレスネットワークを通してユーザ機器デバイスに提供する。ネットワークとワイヤレスで通信するために、ユーザ機器１１０は、無線リソース制御（ＲＲＣ）手順を利用することで、セル（たとえば基地局、サービングセル）を介してネットワークへの接続を確立する。基地局１２１を介してネットワークへの接続を確立すると、ＵＥ１１０は接続モード（たとえばＲＲＣ接続モード、ＲＲＣ＿ＣＯＮＮＥＣＴＥＤ状態、ＮＲ－ＲＲＣ ＣＯＮＮＥＣＴＥＤ状態、Ｅ－ＵＴＲＡ ＲＲＣ ＣＯＮＮＥＣＴＥＤ状態）に入る。

ＵＥ１１０は、異なるリソース制御状態４１０に従って動作する。無線アクセス技術によって決まる異なるリソース制御状態４１０の間でＵＥ１１０を移行させるさまざまな状況が生じ得る。図５に示されるリソース制御状態５１０の例は、接続モード５１２、アイドルモード５１４、および非アクティブモード５１６を含む。ＲＲＣ接続がアクティブであるとき、ユーザ機器１１０は接続モード５１２または非アクティブモード５１６のいずれかである。ＲＲＣ接続がアクティブでないとき、ユーザ機器１１０はアイドルモード５１４である。

ＲＲＣ接続を確立する際に、ユーザ機器１１０は、アイドルモード５１４から接続モード５１２に移行してもよい。接続を確立した後、ユーザ機器１１０は、（たとえば接続が非アクティブ化されると）接続モード５１２から非アクティブモード５１６（たとえばＲＲＣ非アクティブモード、ＲＲＣ＿ＩＮＡＣＴＩＶＥ状態、ＮＲ－ＲＲＣ ＩＮＡＣＴＩＶＥ状態）に移行してもよく、ユーザ機器１１０は、非アクティブモード５１６から接続モード５１２に（たとえばＲＲＣ接続再開手順を通して）移行してもよい。接続を確立した後、ユーザ機器１１０は、たとえばネットワークがＲＲＣ接続を解除すると、接続モード５１２からアイドルモード５１４（たとえばＲＲＣアイドルモード、ＲＲＣ＿ＩＤＬＥ状態、ＮＲ－ＲＲＣ ＩＤＬＥ状態、Ｅ－ＵＴＲＡ ＲＲＣ ＩＤＬＥ状態）に移行してもよい。さらに、ユーザ機器１１０は、非アクティブモード５１６とアイドルモード５１４との間で移行してもよい。

さらに、ＵＥ１１０は、エンゲージモード５２２であってもよく、またはディスエンゲージモード５２４であってもよい。本明細書で使用される、エンゲージモード５２２は、接続モード（たとえば接続モード５１２）であり、ディスエンゲージモード５２４は、アイドルモード、切断モード、接続されているが非アクティブモード、または接続されているが休眠モード（たとえばアイドルモード５１４、非アクティブモード５１６）である。場合によっては、ディスエンゲージモード５２４において、ＵＥ１１０は、依然として無線ベアラアクティブ（たとえば非アクティブモード５１６）で登録されたネットワークアクセス層（ＮＡＳ：Network Access Stratum）であってもよい。

異なるリソース制御状態５１０の各々は、ＵＥ１１０内の消費電力に影響を及ぼし得る、異なる量またはタイプの利用可能なリソースを有し得る。一般的に、接続モード５１２は、基地局１２１にアクティブに接続された（連結された）ＵＥ１１０を表す。非アクティブモード５１６において、ＵＥ１１０は、基地局１２１との接続を中断し、基地局１２１との接続が迅速に再確立されることを可能にする情報を保持する。アイドルモード５１４において、ＵＥ１１０は、基地局１２１との接続を解除する。

リソース制御状態５１０のうちのいくつかは、特定の無線アクセス技術に限定される場合がある。たとえば、非アクティブモード５１６は、ＬＴＥリリース１５（ｅＬＴＥ）、５Ｇ ＮＲ、および６Ｇにおいてサポートされるが３Ｇ規格または４Ｇ規格の過去の世代ではサポートされない場合がある。他のリソース制御状態は、接続モード５１２またはアイドルモード５１４のように、複数の無線アクセス技術にわたって共通であってもまたは互換性があってもよい。

ディスエンゲージモードＵＥ協調セット
先に述べたように、ＵＥ協調セット４０４は、概ねターゲットＵＥ１１２の分散型アンテナとして機能することにより、ターゲットＵＥが基地局１２１にデータを送信し基地局１２１からデータを受信する能力を高める。ＵＥ協調セット４０４は、ＵＥ１１１、１１２、および１１３により、これらのＵＥがエンゲージモード５２２にあるときに、使用されてもよい。しかしながら、ＵＥ協調セット内のＵＥ１１０のうちの１つがエンゲージモード５２２からディスエンゲージモード５２４に移行した場合、そのＵＥはもはや、ＵＥ協調セット４０４内の他のＵＥ１１０との、ダウンリンクデータおよびアップリンクデータの共同受信および送信に参加するものとして利用することができない。

図６は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの一例としての実装形態６００を示す。図示した例は、基地局１２１と、ＵＥ１１１と、ＵＥ１１２と、ＵＥ１１３と、ＵＥ１１４と、ＵＥ１１５とを含む。図４を参照して説明したように、基地局１２１は、ターゲットＵＥ（たとえばＵＥ１１２）に対するデータの共同送信および共同受信のために、ＵＥ協調セット（たとえばＵＥ協調セット（UE-coordination set）４０４、ＵＥＣＳ４０４）を形成するＵＥ（たとえばＵＥ１１１、ＵＥ１１２、およびＵＥ１１３）のセットを指定することができる。また、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥに対するディスエンゲージモード通信の共同送信および共同受信のために、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット（ディスエンゲージモードＵＥＣＳ）（たとえばディスエンゲージモードユーザ機器協調セット６０２、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２）を形成するＵＥのセットを指定することもできる。代わりに、基地局１２１は、本明細書に記載の技術を実現するために、エンゲージモードの１つ以上のＵＥとディスエンゲージモードの１つ以上のＵＥとを含むＵＥ協調セットを形成することができる。

いくつかの局面において、基地局は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内の特定のＵＥを識別し、このＵＥに対し、ディスエンゲージモードＵＥ協調セットのための協調ＵＥ（たとえばマスタＵＥ）として機能するよう命令（または要求）することができる。たとえば、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２のための協調ＵＥとして機能するＵＥ１１４に、構成メッセージ（たとえば要求メッセージ）を送信することができる。ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のＵＥ間の通信は、ＷＬＡＮ、ＰＡＮ、ＮＦＣ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、ＷｉＦｉ－Ｄｉｒｅｃｔ、ローカルｍｍＷａｖｅリンクなどのようなローカルワイヤレスネットワーク６０４を用いて行うことができる。エンゲージモードのＵＥとディスエンゲージモードのＵＥとを含むＵＥ協調セットの代替形態において、基地局１２１は、エンゲージモードのＵＥまたはディスエンゲージモードのＵＥを、協調ＵＥとして選択することができる。

図６を参照しながら先に述べたように、本明細書に記載の技術を用いて、基地局１２１は、ＵＥ（たとえばＵＥ１１３、ＵＥ１１４、およびＵＥ１１５）のセットを指定してディスエンゲージモードＵＥＣＳを形成することができる。基地局１２１は、ＵＥに対応する情報（たとえばＵＥの位置、信号レベル、バッテリレベルなど）に基づいて、協調が特定のＵＥにとって有益であるか否かを判断してもよい。たとえば、基地局１２１は、最初に、ＵＥ１１４およびＵＥ１１５をディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２に含めると決定する。ＵＥ１１３がエンゲージモード５２２である間、基地局１２１はＵＥ１１３をＵＥＣＳ４０４に割り当てている。ＵＥ１１３がエンゲージモード５２２からディスエンゲージモード５２４に移行すべきであると判断されると、基地局１２１は、６０６で示されるように、ＵＥ１１３をＵＥＣＳ４０４からディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２に移動させる。基地局１２１は、図４を参照して先に述べたメッセージングを用いて、ＵＥ１１３をＵＥＣＳ４０４から取り出してディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２に追加することにより、ＵＥ１１３を移動させる。加えて、ＵＥ１１３をディスエンゲージモード５２４からエンゲージモード５２２に移行させるべきであると判断された場合、基地局１２１は、ＵＥ１１３をディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２からＵＥＣＳ４０４または別の適切なＵＥＣＳに移動させる。

別の局面において、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のＵＥは、ページング指示、システム情報アップデートなどのような、基地局１２１からのディスエンゲージモード送信の共同受信を実行する。基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のいずれかのＵＥ１１０が基地局１２１におけるペンディングページングを有する場合、ページング指示をディスエンゲージモードＵＥＣＳに送信する。基地局１２１は、基地局１２１が管理する各ＵＥＣＳに、ＵＥＣＳ固有の識別子を割り当てる。基地局１２１は、ＵＥＣＳ固有の識別子と、ページングされているＵＥ１１０（ターゲットＵＥ）の識別子とを、ページング指示に含める。たとえば、基地局１２１は、そのときに基地局がＵＥ１１３に対するページング指示を送信している場合、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２のＵＥＣＳ固有の識別子と、ＵＥ１１３の識別子とを、ページング指示に含める。

ディスエンゲージモードＵＥＣＳが共同で受信するページング指示において示されているＵＥ１１０は、エンゲージモード５２２に移行する。エンゲージモード５２２への移行において、ページングされたＵＥ１１０は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳを離れ、任意でまたはさらに、異なるＵＥ協調セットに加わってもよい。たとえば、基地局１２１は、そのときに基地局がＵＥ１１３に対するページング指示を送信している場合、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２のＵＥＣＳ固有の識別子と、ＵＥ１１３の識別子とを、ページング指示に含める。ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２はページング指示を共同で受信し、受信したページング指示に基づいて、ＵＥ１１３はエンゲージモード５２２に移行する。任意でまたはさらに、基地局１２１は、ＵＥ協調セット４０４または別のＵＥ協調セットに再度加わるようＵＥ１１３に命令してもよい。

さらに他の局面において、基地局は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳに含まれるすべてのＵＥ１１０について、周期性およびオフセット（たとえばｄｒｘ－ＳｔａｒｔＯｆｆｓｅｔ）を含む、同じ不連続受信サイクル（ＤＲＸサイクル）パラメータを構成する。たとえば、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥ１１０についてのＤＲＸパラメータを決定し、このＤＲＸパラメータを、無線リソース制御（ＲＲＣ）メッセージにおいて、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥ１１０に伝達する。

加えてまたは任意で、基地局は、ＤＲＸパラメータを決定するために、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のＵＥ１１０のＵＥ能力パラメータを使用してもよい。基地局は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のすべてのＵＥ１１０が特定のＤＲＸサイクル（たとえばショートＤＲＸサイクルまたはロングＤＲＸサイクル）をサポートするか否かを判断することができる。たとえば、すべてのＵＥ１１０がショートＤＲＸサイクルをサポートすると基地局１２１が判断した場合、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のすべてのＵＥ１１０に対してショートＤＲＸサイクルを構成することにより、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２に送信されるページング指示に対するより短い応答時間を提供することができる。

別の局面において、基地局１２１は、ＵＥ能力パラメータおよび／または他のＵＥ関連ステータス情報を組み合わせることにより、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のすべてのＵＥ１１０に共通のＤＲＸパラメータを決定することができる。たとえば、基地局１２１は、すべてのＵＥ１１０がロングＤＲＸサイクルをサポートしておりディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内の１つ以上のＵＥ１１０のバッテリ容量が低いと判断する。これらの要因の組み合わせに基づいて、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のすべてのＵＥ１１０に対してロングＤＲＸサイクルを構成することにより、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥ１１０に対してより長いバッテリ寿命を提供することができる。

さらに他の局面において、ディスエンゲージモードＵＥＣＳを管理する基地局は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳのためのディスエンゲージモードＵＥＣＳ固有のセル再選択パラメータを決定し、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のＵＥ１１０をディスエンゲージモードＵＥＣＳ固有のセル再選択パラメータを用いて構成する。たとえば、基地局１２１は、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥ１１０が共同で受信する参照信号についての信号対雑音比（ＳＮＲ）等の受信品質メトリックを含む、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ固有のセル再選択パラメータを決定する。

共同で受信された、参照信号についてのＳＮＲが、受信メトリックのしきい値を下回る場合、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ内のＵＥ１１０は、セル再選択を共同で実行し、ディスエンゲージモードＵＥＣＳのための基地局の再選択について協調する。たとえば、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２の協調ＵＥ１１４は、基地局１２１からの、ＵＥ１１３、ＵＥ１１４、およびＵＥ１１５が共同で受信した参照信号のＳＮＲが、しきい値未満であると判断する。ＵＥ１１３、ＵＥ１１４、およびＵＥ１１５は、セル再選択を共同で実行する。協調ＵＥ１１４が協調させたディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２は、共同で受信されたＳＮＲが最も高い基地局を、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２のための新たなキャンプされた基地局（キャンプされたセル）として選択する。

その他の局面において、ディスエンゲージモードＵＥＣＳが、ディスエンゲージモードＵＥＣＳの以前のキャンプされたセルと異なるトラッキングエリアにある新たなキャンプされたセルを選択する場合、ディスエンゲージモードＵＥＣＳは、トラッキングエリアアップデートを共同で送信する。たとえば、セル再選択の後、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２は、新たなキャンプされたセルが、ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２のＵＥ１１０において構成されたトラッキングエリアリストに含まれないトラッキングエリア内にあると判断する。ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２内のＵＥ１１０は、トラッキングエリアアップデート要求メッセージを新たにキャンプされた基地局（たとえば基地局１２３）に共同で送信し、このメッセージは、トラッキングエリアアップデート要求をコアネットワーク（たとえば５Ｇコアネットワーク１５０または進化型パケットコアネットワーク１６０）に転送するよう基地局１２３に指示する。コアネットワークがトラッキングエリアアップデート要求を処理した後、基地局１２３は、トラッキングエリアアップデート受諾メッセージをディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２に送信する。ディスエンゲージモードＵＥＣＳ６０２は、トラッキングエリアアップデート受諾メッセージを共同で受信し、トラッキングエリアアップデート完了メッセージを基地局１２３に共同で送信することによって応答する。

方法の例
ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの１つ以上の局面に従い、例としての方法７００および８００を図７および図８を参照しながら説明する。方法のブロックを説明する順序は、限定として解釈されることを意図したものではなく、説明する方法ブロックのうちの任意の数の方法ブロックを飛ばすまたは任意の順序で組み合わせることで、ある方法または代替方法を実現することができる。一般的に、本明細書に記載の構成要素、モジュール、方法、および動作のうちのいずれも、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア（たとえば固定論理回路）、マニュアル処理、またはそれらの任意の組み合わせを用いて実現することができる。上記例としての方法のいくつかの動作は、コンピュータ処理システムに対してローカルなおよび／またはリモートのコンピュータ読取可能記憶メモリに格納された実行可能な命令の一般的な文脈で説明される場合があり、実装形態は、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、機能などを含み得る。これに代えてまたは加えて、本明細書に記載の機能のうちのいずれも、限定される訳ではないが、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、特定用途向け標準製品（ＡＳＳＰ）、システムオンチップシステム（ＳｏＣ）、複合プログラマブルロジックデバイス（ＣＰＬＤ）などのような１つ以上のハードウェアロジックコンポーネントにより、少なくとも部分的に実行することができる。

図７は、概ね基地局１２１に関連する、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの、例としての方法７００を示す。７０２において、基地局（たとえば基地局１２１）は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット（たとえばディスエンゲージモードユーザ機器協調セット６０２）を形成する複数のユーザ機器（たとえばＵＥ１１３、ＵＥ１１４、およびＵＥ１１５）のセットを、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる、各々がディスエンゲージモードにある複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信のために、指定する。

７０４において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための協調ＵＥ（たとえばＵＥ１１４）として機能する、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの１つのユーザ機器を選択する。７０６において、基地局は、複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信を協調させるよう協調ユーザ機器に指示する要求メッセージを送信する。

７０８において、基地局は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器にダウンリンク信号を送信し、これは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器が、ダウンリンク信号を復調およびサンプリングし、サンプルを協調ユーザ機器に転送することを可能にすること、および、協調ユーザ機器が、各ユーザ機器からのサンプルを結合し、結合したサンプルを共同で処理することにより、デコードされたデータを提供することを可能にすることに、有効である。

図８は、概ねユーザ機器１１４に関連する、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの、例としての方法８００を示す。８０２において、ユーザ機器（たとえばユーザ機器１１４）は、ディスエンゲージモード（たとえばディスエンゲージモード５２４）への移行の指示を受信する。

８０４において、ユーザ機器は、基地局（たとえば基地局１２１）から、ディスエンゲージモードの複数のユーザ機器（たとえばＵＥ１１３、ＵＥ１１４、およびＵＥ１１５）を含むディスエンゲージモードユーザ機器協調セット（たとえばディスエンゲージモードユーザ機器協調セット６０２）に加わるようユーザ機器に指示する要求メッセージを受信する。８０６において、ユーザ機器は、ディスエンゲージモードに移行する。

８０８において、ユーザ機器は、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器から、ベースバンドサンプルを受信し、ベースバンドサンプルは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象としディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の上記少なくとも１つのユーザ機器が受信するデータに対応する。８１０において、ユーザ機器は、ベースバンドサンプルを集めることにより、結合されたベースバンド信号を提供する。

８１２において、ユーザ機器は、結合されたベースバンド信号を共同で処理することにより、複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータをデコードする。８１４において、ユーザ機器は、集められた情報に対応するデータを、複数のユーザ機器のうちの１つ以上に転送する。

以下、いくつかの例について説明する。
例１：ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを基地局が使用する方法であって、この方法は、
基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを形成する複数のユーザ機器のセットを、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる、各々がディスエンゲージモードにある複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信のために、指定するステップと、
ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための協調ユーザ機器として機能する、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの１つのユーザ機器を選択するステップと、
複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの共同送信および受信を協調させるよう協調ユーザ機器に指示する要求メッセージを送信するステップと、
ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器にダウンリンク信号を送信するステップとを含み、ダウンリンク信号を送信するステップは、
ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器が、
ダウンリンク信号を復調およびサンプリングし、
サンプルを協調ユーザ機器に転送することを、可能にすること、および、
協調ユーザ機器が、
各ユーザ機器からのサンプルを結合し、
結合したサンプルを共同で処理することにより、デコードされたデータを提供することを、可能にすることに、有効である、方法。

例２：ダウンリンク信号を送信するステップは、システム情報アップデートを送信するステップを含み、システム情報アップデートは、複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に、各ユーザ機器が格納するシステム情報をアップデートするよう指示する、例１の方法。

例３：基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のターゲットユーザ機器に対するページを受信するステップをさらに含み、
ダウンリンク信号を送信するステップは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットの識別子と、ターゲットユーザ機器識別とを含むページング指示を送信するステップを含む、例１または例２の方法。

例４：結合したサンプルを共同で処理することにより、デコードされたデータを提供することは、ページをターゲットユーザ機器に転送するよう協調ユーザ機器に指示するのに有効であり、ページをターゲットユーザ機器に転送することは、エンゲージモードに移行するようターゲットユーザ機器に指示するのに有効である、例３の方法。

例５：ページング指示はレイヤ３メッセージとして送信される、例３の方法。
例６：基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器に対する不連続受信パラメータを構成するステップをさらに含み、
ダウンリンク信号を送信するステップは、不連続受信パラメータを送信するステップを含む、上記例のうちのいずれか１つの方法。

例７：不連続受信パラメータは、不連続受信サイクルパラメータを含み、不連続受信サイクルパラメータは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器による不連続受信についての周期性とオフセットとを含み、不連続受信パラメータは、無線リソース制御メッセージにおいて伝達される、例６の方法。

例８：複数のユーザ機器に対する不連続受信パラメータを構成するステップは、基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの各々についてのユーザ機器能力情報を評価することにより、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のユーザ機器のすべてに共通して適用可能な不連続受信パラメータの構成を決定するステップを含む、例６の方法。

例９：基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに対する１つ以上のセル再選択パラメータを構成するステップをさらに含み、
ダウンリンク信号を送信するステップは、１つ以上のセル再選択パラメータを送信するステップを含む、上記例のうちのいずれか１つの方法。

例１０：１つ以上のセル再選択パラメータは、受信メトリックのしきい値を含み、１つ以上のセル再選択パラメータを少なくとも協調ユーザ機器に与えることは、基地局から共同で受信された参照信号の受信メトリックがこの受信メトリックのしきい値未満の場合に、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器によるセル再選択を開始するよう協調ユーザ機器に指示するのに、有効である、例９の方法。

例１１：基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器から、トラッキングエリアアップデート要求メッセージを受信するステップと、
トラッキングエリアアップデート要求をコアネットワークに転送するステップと、
転送に応答してコアネットワークからトラッキングエリアアップデート受諾メッセージを受信するステップと、
トラッキングエリアアップデート受諾メッセージをディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに送信するステップと、
ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器からトラッキングエリアアップデート完了メッセージを受信するステップとをさらに含む、上記例のうちのいずれか１つの方法。

例１２：ワイヤレス通信ネットワーク内のディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための協調ユーザ機器として構成されたユーザ機器が実行する方法であって、この方法は、
ユーザ機器が、ディスエンゲージモードへの移行の指示を受信するステップと、
ユーザ機器が、ディスエンゲージモードの複数のユーザ機器を含むディスエンゲージモードユーザ機器協調セットにユーザ機器が加わるよう指示する要求メッセージを、基地局から受信するステップと、
ユーザ機器がディスエンゲージモードに移行するステップと、
ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器から、ベースバンドサンプルを受信するステップとを含み、ベースバンドサンプルは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象としディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の少なくとも１つのユーザ機器が受信するデータに対応し、この方法はさらに、
ベースバンドサンプルを集めることにより、結合されたベースバンド信号を提供するステップと、
結合されたベースバンド信号を共同で処理することにより、複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータをデコードするステップと、
デコードしたデータを複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器に転送するステップとを含む、方法。

例１３：デコードしたデータは、システム情報アップデートを含み、この方法は、ユーザ機器が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器にシステム情報アップデートを転送するステップをさらに含み、この転送するステップは、複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に格納されたシステム情報をアップデートするよう、複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に指示するのに有効である、例１２の方法。

例１４：デコードしたデータは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットの識別子と、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のターゲットユーザ機器識別とを含む、ページング指示を含み、この方法は、ユーザ機器が、ページング指示を、示されたターゲットユーザ機器に転送するステップをさらに含み、この転送するステップは、エンゲージモードに移行するようターゲットユーザ機器に指示するのに有効である、例１２または例１３の方法。

例１５：ページング指示はレイヤ３メッセージとして送信される、例１４の方法。
例１６：デコードしたデータは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器に対する不連続受信パラメータを含み、この方法は、ユーザ機器が、不連続受信パラメータを、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器に転送するステップをさらに含み、この転送するステップは、不連続受信パラメータを使用して不連続に受信するよう複数のユーザ機器に指示するのに有効である、例１２～例１５のうちのいずれか１つの方法。

例１７：不連続受信パラメータは、不連続受信サイクルパラメータを含み、不連続受信サイクルパラメータは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器による不連続受信についての周期性とオフセットとを含み、不連続受信パラメータは、無線リソース制御メッセージにおいて伝達される、例１６の方法。

例１８：デコードしたデータは、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器に対する１つ以上のセル再選択パラメータを含み、この方法は、ユーザ機器が、１つ以上のセル再選択パラメータを、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器に転送するステップをさらに含み、この転送するステップは、１つ以上のセル再選択パラメータを用いてセル再選択を実行するか否かを共同で判断するよう複数のユーザ機器に指示するのに有効である、例１２～例１７のうちのいずれか１つの方法。

例１９：１つ以上のセル再選択パラメータは、受信メトリックのしきい値を含み、１つ以上のセル再選択パラメータを与えることは、基地局から共同で受信された参照信号の受信メトリックがこの受信メトリックのしきい値未満の場合に、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器によるセル再選択を開始するようユーザ機器に指示するのに有効である、例１８の方法。

例２０：この方法は、
トラッキングエリアアップデート要求をコアネットワークに転送するよう基地局に指示するのに有効である、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる複数のユーザ機器に対するトラッキングエリアアップデート要求メッセージを、ユーザ機器が共同で送信するステップと、
トラッキングエリアアップデート受諾メッセージを基地局から共同で受信するステップと、
トラッキングエリアアップデート完了メッセージを基地局に共同で送信するステップとをさらに含む、例１２～例１９のうちのいずれか１つの方法。

例２１：基地局であって、
ワイヤレストランシーバと、
プロセッサと、
例１～例１１のうちのいずれか１つを実行するように基地局を構成するためにプロセッサが実行可能な、基地局マネージャアプリケーションに対する命令とを含む、基地局。

例２２：ユーザ機器であって、
ワイヤレストランシーバと、
ローカルワイヤレスネットワークトランシーバと、
プロセッサと、
例１２～例２０のうちのいずれか１つを実行するようにユーザ機器を構成するためにプロセッサが実行可能な、通信マネージャアプリケーションに対する命令とを含む、ユーザ機器。

例２３：プロセッサによる実行に応答して例１～例２０のうちのいずれか１つに記載の方法を実施させる命令を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体。

ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットのいくつかの局面について、特徴および／または方法に固有の表現によって説明してきたが、添付の請求項の主題は、説明した固有の特徴または方法に必ずしも限定されない。正確に言えば、固有の特徴および方法は、ディスエンゲージモードのためのＵＥ協調セットの実装形態の例として開示されているのであって、その他の均等の特徴および方法が添付の請求項の範囲に含まれることが意図されている。さらに、さまざまな異なる局面が記載されており、記載されている各局面は、独立して、または記載されているその他１つ以上の局面と関連付けて実現可能であることが理解されねばならない。

Claims (20)

1. ワイヤレス通信ネットワーク内の基地局が実行する方法であって、前記方法は、
   前記基地局が、ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットを形成する複数のユーザ機器のセットを、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる、各々がディスエンゲージモードにある前記複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とするデータの、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の複数のユーザ機器による共同送信および受信のために、指定するステップと、
   前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットのための協調ユーザ機器として機能する、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器のうちの１つのユーザ機器を選択するステップと、
   前記複数のユーザ機器のうちの前記１つ以上のユーザ機器を対象とする前記データの、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器による前記共同送信および受信を協調させるよう前記協調ユーザ機器に指示する要求メッセージを送信するステップと、
   前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器にダウンリンク信号を送信するステップとを含み、前記ダウンリンク信号を送信するステップは、
   前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の各ユーザ機器が、
   前記ダウンリンク信号を復調およびサンプリングし、
   サンプルを前記協調ユーザ機器に転送することを、可能にすること、および、
   前記協調ユーザ機器が、
   各ユーザ機器からの前記サンプルを結合し、
   前記結合したサンプルを共同で処理することにより、デコードされたデータを提供することを、可能にすることに、有効である、方法。
2. 前記デコードされたデータはシステム情報アップデートを含み、前記システム情報アップデートは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器に与えられ、前記システム情報アップデートを与えることは、前記複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に、前記複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器が格納するシステム情報をアップデートするよう指示するのに有効である、請求項１に記載の方法。
3. 前記基地局が、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のターゲットユーザ機器に対するページを受信するステップと、
   前記データを生成するステップとをさらに含み、前記データは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットの識別子と、ターゲットユーザ機器とを含むページング指示を含む、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記結合したサンプルを共同で処理することにより前記デコードされたデータを提供することは、前記ページを前記ターゲットユーザ機器に転送するよう前記協調ユーザ機器に指示するのに有効であり、前記ページを前記ターゲットユーザ機器に転送することは、エンゲージモードに移行するよう前記ターゲットユーザ機器に指示するのに有効である、請求項３に記載の方法。
5. 前記ページング指示はレイヤ３メッセージとして送信される、請求項３に記載の方法。
6. 前記基地局が、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器に対する不連続受信パラメータを構成するステップと、
   前記データを生成するステップとをさらに含み、前記データは不連続受信パラメータを含む、請求項１～５のいずれか１項に記載の方法。
7. 前記不連続受信パラメータは、不連続受信サイクルパラメータを含み、前記不連続受信サイクルパラメータは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器による不連続受信についての周期性とオフセットとを含み、前記不連続受信パラメータは、無線リソース制御メッセージにおいて伝達される、請求項６に記載の方法。
8. 前記複数のユーザ機器に対する前記不連続受信パラメータを構成するステップは、前記基地局が、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器のうちの各々についてのユーザ機器能力情報を評価することにより、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記ユーザ機器のすべてに共通して適用可能な前記不連続受信パラメータの構成を決定するステップを含む、請求項６または７に記載の方法。
9. 前記基地局が、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに対する１つ以上のセル再選択パラメータを構成するステップと、
   前記データを生成するステップとをさらに含み、前記データは前記１つ以上のセル再選択パラメータを含む、請求項１～５のいずれか１項に記載の方法。
10. 前記１つ以上のセル再選択パラメータは、受信メトリックのしきい値を含み、前記１つ以上のセル再選択パラメータは、少なくとも前記協調ユーザ機器に与えられ、前記１つ以上のセル再選択パラメータを与えることは、前記基地局から共同で受信された参照信号の前記受信メトリックが前記受信メトリックのしきい値未満の場合に、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器によるセル再選択を開始するよう前記協調ユーザ機器に指示するのに有効である、請求項９に記載の方法。
11. 前記基地局が、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器から、トラッキングエリアアップデート要求メッセージを受信するステップと、
    前記トラッキングエリアアップデート要求メッセージをコアネットワークに転送するステップと、
    前記転送に応答して前記コアネットワークからトラッキングエリアアップデート受諾メッセージを受信するステップと、
    前記トラッキングエリアアップデート受諾メッセージを前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに送信するステップと、
    前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器からトラッキングエリアアップデート完了メッセージを受信するステップとをさらに含む、請求項１～１０のいずれか１項に記載の方法。
12. ワイヤレス通信ネットワーク内のユーザ機器が実行する方法であって、前記方法は、
    前記ユーザ機器が、ディスエンゲージモードへの移行の指示を受信するステップと、
    前記ユーザ機器が、前記ディスエンゲージモードの複数のユーザ機器を含むディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに前記ユーザ機器が加わるよう指示する要求メッセージを、基地局から受信するステップと、
    前記ユーザ機器が前記ディスエンゲージモードに移行するステップと、
    前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器のうちの少なくとも１つのユーザ機器から、ベースバンドサンプルを受信するステップとを含み、前記ベースバンドサンプルは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器のうちの１つ以上のユーザ機器を対象とし前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記少なくとも１つのユーザ機器が受信するデータに対応し、前記方法はさらに、
    前記ベースバンドサンプルを集めることにより、結合されたベースバンド信号を提供するステップと、
    前記結合されたベースバンド信号を共同で処理することにより、前記複数のユーザ機器のうちの前記１つ以上のユーザ機器を対象とする前記データをデコードするステップと、
    前記デコードしたデータを前記複数のユーザ機器のうちの前記１つ以上のユーザ機器に転送するステップとを含む、方法。
13. 前記デコードしたデータはシステム情報アップデートを含み、
    前記方法は、前記ユーザ機器が、前記システム情報アップデートを、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器に転送するステップをさらに含み、前記転送するステップは、前記複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に格納されたシステム情報をアップデートするよう、前記複数のユーザ機器のうちの各ユーザ機器に指示するのに有効である、請求項１２に記載の方法。
14. 前記デコードしたデータは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットの識別子と、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内のターゲットユーザ機器とを含む、ページング指示を含み、
    前記方法は、前記ユーザ機器が、前記ページング指示を前記ターゲットユーザ機器に転送するステップをさらに含み、前記転送するステップは、エンゲージモードに移行するよう前記ターゲットユーザ機器に指示するのに有効である、請求項１２に記載の方法。
15. 前記ページング指示はレイヤ３メッセージとして送信される、請求項１４に記載の方法。
16. 前記デコードしたデータは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器に対する不連続受信パラメータを含み、
    前記方法は、前記ユーザ機器が、前記不連続受信パラメータを、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器に転送するステップをさらに含み、前記転送するステップは、前記不連続受信パラメータを用いて不連続受信するよう前記複数のユーザ機器に指示するのに有効である、請求項１２に記載の方法。
17. 前記不連続受信パラメータは不連続受信サイクルパラメータを含み、前記不連続受信サイクルパラメータは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器による不連続受信についての周期性とオフセットとを含み、前記不連続受信パラメータは、無線リソース制御メッセージにおいて伝達される、請求項１６に記載の方法。
18. 前記デコードしたデータは、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器に対する１つ以上のセル再選択パラメータを含み、
    前記方法は、前記ユーザ機器が、前記１つ以上のセル再選択パラメータを、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セット内の前記複数のユーザ機器に転送するステップをさらに含み、前記転送するステップは、前記１つ以上のセル再選択パラメータを用いてセル再選択を実行するか否かを共同で判断するよう前記複数のユーザ機器に指示するのに有効である、請求項１２に記載の方法。
19. 前記１つ以上のセル再選択パラメータは、受信メトリックのしきい値を含み、前記１つ以上のセル再選択パラメータを与えることは、前記基地局から共同で受信された参照信号の前記受信メトリックが前記受信メトリックのしきい値未満の場合に、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器によるセル再選択を開始するよう前記ユーザ機器に指示するのに有効である、請求項１８に記載の方法。
20. 前記方法は、
    トラッキングエリアアップデート要求をコアネットワークに転送するよう前記基地局に指示するのに有効である、前記ディスエンゲージモードユーザ機器協調セットに含まれる前記複数のユーザ機器に対する前記トラッキングエリアアップデート要求のメッセージを、前記ユーザ機器が共同で送信するステップと、
    トラッキングエリアアップデート受諾メッセージを前記基地局から共同で受信するステップと、
    トラッキングエリアアップデート完了メッセージを前記基地局に共同で送信するステップとをさらに含む、請求項１２～１８のいずれか１項に記載の方法。

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