[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されている。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1~B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1~B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
遊技盤1は、ベニヤ板、透明合成樹脂板などによって形成され、障害釘などが前面側に取り付けられた板部材1aと、この板部材1aの裏面側から取り付けられる裏ユニット3とから構成されている。裏ユニット3には、液晶表示装置LCDをはじめ、電飾装置、可動体役物などが組み付けられる。裏ユニット3は、板部材1aの裏面と液晶表示装置LCDの前面との間で可動体役物が出没等の動作を行うためのスペースを確保できる様に、板部材1aの裏面に取り付けられる。また、可動体等が取り付けられるセンター役物5が、板部材1aの中央開口1bを取り囲み、液晶表示装置LCDの視認領域を形成する。
遊技盤1について説明すると、図2(A)に示す様に、センター役物5は、障害釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央に位置する様に取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右上から右下にかけての部分には、右打ち通路20が備えられた構成となっている。遊技盤1には、この他、誘導レール17、普通入賞口18a~18d、アウト口19等も設置されている。
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈している。右打ち通路20は、遊技球を整列させながら流下させる通路幅に構成され、その下方に広がる右側遊技領域40へと遊技球を放出する。右側遊技領域40には、ゲート37が備えられると共に、第2始動入賞装置27及び普通入賞口18dが設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを備えている。本実施例においては、大入賞口15も右側遊技領域40に位置させ、右打ち通路20を経由させて入賞させる大当たり遊技の方式を採用している。また、大当たり遊技終了後に確変や変短が付与された場合には、ゲート37の通過による普通図柄抽選の当選確率を「ほぼ0%の状態」から「ほぼ100%の状態」へと変更し、大当たり後も所定期間に渡って右打ち遊技を楽しませる構成も採用している。
なお、センター役物5と部分的に重なる様に、ソレノイド駆動によって液晶表示装置LCDの前面で落下動作を実行するロゴ可動体100と、モータ駆動によって液晶表示装置LCDの前面で回動動作を実行する振り子可動体200も備えられている。
[2 入賞口、アウト口と球排出通路]
本実施例においては、図2(B)に示す様に、特図1スイッチSW1、特図2スイッチSW2、入賞検知スイッチSW7、及び入賞検知スイッチSW11~SW14が、それぞれ、始動入賞装置7、第2始動入賞装置27、大入賞口15、及び普通入賞口18a~18dへの遊技球の入賞を検知し得る位置に設置されている。これらのスイッチSW1等によって遊技球の入賞が検知されると、各スイッチ毎に設定されている個数の賞球が払い出される。賞球の払い出し個数は、特図1スイッチSW1について4個、特図2スイッチSW2について1個、入賞検知スイッチSW11~SW14については各3個が、そして入賞検知スイッチSW7については14個が設定されている。
始動入賞装置7、大入賞口15、普通入賞口18、及び第2始動入賞装置27のいずれかに入賞した遊技球は、裏ユニット3の裏面側に設けられた球排出通路50へと排出され、アウト口19から排出される遊技球とも集合されて遊技島内の所定位置へと誘導される。本実施例では、球排出通路50において集合されて排出される遊技球をカウントするための排出球検知スイッチSW21を備えている。
[3 制御装置]
[3.1 制御装置の構成]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図3に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW37、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18に備えられた入賞検知スイッチSW11~SW14からの検知信号、及び球排出通路50に備えられた排出球検知スイッチSW21の検知信号が入力される様になっている。
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、プッシュボタンPBからの押下信号、カーソルキーCSKからの操作信号が、演出制御基板320へと入力される構成となっている。
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、発光装置LED、スピーカーSP,SP、モータMT、ソレノイドSOLに対して制御信号を出力して発光演出、音声演出、可動体演出を実行すると共に、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力している。表示制御基板370は、演出制御基板320からの演出表示のための指令信号に基づいて、液晶表示装置LCDに対して制御信号を出力し、表示演出を実行する。
[3.2 主制御基板の記憶部の構成]
主制御基板310は、図4(A)に示す様に、特図1スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数を最大4個、特図2スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数を最大4個、それぞれ保留記憶しておくために、RAM内に、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312を備えている。これら特図1保留記憶部311,特図2保留記憶部312には、それぞれ乱数取得順に従って始動保留情報が記憶される。なお、本実施例では、始動保留情報の読み出しに当たっては、特図1保留記憶部311及び特図2保留記憶部312の全体の中で乱数記憶順の早いものから順番に読み出す構成としている。
特図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「当たり/はずれ判定用乱数(乱数1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3)」、及び「変動パターン振分用乱数(乱数4)」から構成される。乱数1は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得され、乱数2~4は、特図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
主制御基板310は、所定のタイミングで実行する判定処理において、乱数1が予め設定された「大当たり判定値」と一致するときに「大当たり」と判定し、一致しない場合は「はずれ」と判定する。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、例えば、「2R」「7R」「15R」など、遊技者に対する有利さの異なる複数種類の当たり種別のいずれかに振り分けられる。「2R」「7R」「15R」とは、特別遊技のラウンド数を意味する。なお、本実施例では、「2R」の場合は、短時間だけ大入賞口を開閉する動作となっていて実質的な出玉は期待できない遊技態様としている。
この他、乱数2による振り分けでは、「大当たり」のラウンド数が15回であっても、(1)30秒間に渡って特別入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは特別入賞口15を短時間(例えば、数秒あるいは1秒以下)だけ開放する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、のいずれかへと振り分ける構成とすることもできる。さらに、特別遊技終了後の「変短状態」の継続回数を40回、70回、100回などと複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「当たり種別判定」を行う構成を備えることもできる。
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。なお、本実施例では、乱数1が「当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。本実施例においては、この変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図4(B)に示す様に、通常状態用の変動パターンテーブル315と、変短状態用の変動パターンテーブル316が、主制御基板310のROMに記憶されている。ここで、通常状態用の変動パターンテーブル315における平均変動時間T0と変短状態用の変動パターンテーブル316における平均変動時間T1は、T0>T1の関係になる様に設定されている。
[3.3 演出制御基板の記憶部の構成]
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出のための演出データ記憶手段325が備えられている。この演出データ記憶手段325には、図5(A)に示す様に、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDHと、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMと、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZとが記憶されている。
変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに応じたDH1,DH2,…,DHn,…、大当たり中演出データDVは、大当たり種別に応じたDV1,DV2,…と、それぞれ複数パターンの演出データが備えられている。同様に、デモ中演出データDMは、デモ1用(DM1)、デモ2用(DM2)、…と複数パターンの演出データが備えられている。
変動ゲーム中演出データDH及び大当たり中演出データDVは、複数のモードに対応付けて記憶されている。これら複数のモードのいずれに対応するデータによって変動演出や大当たり演出を実行するかは、遊技者が任意に選択することができる様になっている。また、変動ゲーム中演出データDHとしては、スーパーリーチ演出における複数の告知演出モードに対応するデータも記憶されている。本実施例においては、モード選択演出データDMSとして、変動モード選択演出用データ(DMSh),大当たりモード選択演出用データ(DMSv),告知モード選択演出用データ(DMSk)も演出データ記憶手段325に記憶してある。これらモード選択演出データDMSは、所定の条件を満足したときに読み出されて実行される。
変動ゲーム中演出データDHnは、図5(B)に示す様に、複数の変動演出モード(モードA,B,C,…)に対応する様に、背景表示用データ(DHn1A,DHn1B,DHn1C,…)、キャラクタ表示用データ(DHn2A,DHn2B,DHn2C,…)、発光演出用データ(DHn3A,DHn3B,DHn3C,…)、音声演出用データ(DHn4A,DHn4B,DHn4C,…)、及び可動体演出用データ(DHn5A,DHn5B,DHn5C,…)の組み合わせとなっている。ここで、例えば、可動体演出を実行しない演出ならば、DHn5X(X=A,B,C,…。以下、同じ。)がブランクデータとなる。なお、大当たり中演出データDV、デモ中演出データDMも、変動ゲーム中演出データDHと同様に、背景表示用データ、キャラクタ表示用データ、発光演出用データ、音声演出用データ、及び可動体演出用データの一部又は複数の組み合わせ又は全部の組み合わせによって構成される。大当たり中演出データDVについても、変動ゲーム中演出データDHnと同様に、複数の大当たり演出モードに対応する演出データが記憶されている。
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、通常状態用変動パターンテーブル315に対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、変短状態用変動パターンテーブル316に対応する飾り図柄変動時間となる変短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶手段325に記憶されている。
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データDHn1Xに従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データDHn2Xが存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。
同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1と1対1の対応であるが、飾り図柄変動パターンについては、変動パターン1に対して飾図1a,飾図1b,…の様に、複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
また、この演出選択時の振り分け確率と同様に、選択されたモードに対応して同一の信頼度グループに含まれる演出データの中で選択し得るデータと選択し得ないデータとが存在する様にも設定されている。これにより、例えば、ノーマルモード選択時には抽出されないスーパーリーチ演出、プレミアムモード選択時には抽出され易いスーパーリーチ演出などモードに応じた振り分け設定もなされている。
[5 主制御基板の制御処理]
[5.1 賞球払出]
主制御基板310は、図6(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2、入賞検知センサSW7,SW11~SW14からの入賞検知信号が入力されると、各スイッチに対応する賞球払出個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御基板330に対して出力する賞球払出処理を実行している。これを受けて、払出制御基板330は、遊技球の入賞口に対応して予め定められた個数の賞球の払出動作を実行する。
この賞球払出制御は、図6(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、スイッチSW1等からの検知信号が入力されたか否かを判断し(S10)、「YES」と判定されたら、払出制御基板330に対してセンサを特定した賞球払出信号を出力する(S20)。
[5.2 特図入力]
また、主制御基板310は、図7(A)に示す制御系統により、特図スイッチSW1,SW2のいずれかからの検知信号が入力されると、特別図柄を決定するための乱数を取得し、その結果を始動保留情報としてRAMに記憶する特図入力処理を実行している。
本実施例においては、始動保留情報として特図1スイッチSW1による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特図1始動保留情報」という。)を最大4個、特図2スイッチSW2による検知信号に基づく始動保留情報(以下、「特図2始動保留情報」という。)を最大4個記憶することができ、通常遊技状態においては最大8個の始動保留情報を貯めることができる構成となっている。
本実施例における特図入力処理は、図7(B)に示す様な演算処理ルーチンとして実行され、まず、特図1スイッチSW1からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S110)。特図1スイッチSW1からの検知信号が入力された場合は(S110:YES)、特図1始動保留情報の記憶数N1(以下、「特図1保留数N1」という。)が4未満か否かを判定する(S120)。N1<4ならば(S120:YES)、特図1保留数N1をインクリメントし(S130)、上述の乱数1~乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S140)。
S110が「NO」の場合は、特図2スイッチSW2からの検知信号が入力されたか否かを判定する(S150)。S150が「YES」となった場合は、特図2始動保留情報の記憶数N2(以下、「特図2保留数N2」という。)が4未満か否かを判定する(S160)。N2<4ならば(S160:YES)、特図2保留数N2をインクリメントし(S170)、上述の乱数1~乱数4を取得し、RAMの始動保留情報記憶領域へと記憶する(S180)。
始動保留情報は、主制御基板310から演出制御基板320へと送信され、液晶表示装置LCDを介して実施される保留アイコン表示に反映される。なお、主制御基板310による制御処理として特図表示器TKZを介して実施されている保留表示にも反映される。この結果、遊技者は、保留個数が増加する様子を把握しながら遊技をすることができる。
[5.3 特図開始]
次に、特図開始処理について説明する。主制御基板310は、図8(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して表示演出(背景、キャラクタ等)、音声演出、発光演出、可動体演出等を実行させる。
主制御基板310は、図8(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始を演出制御基板320に対して指令する(S240)。
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特図1始動保留情報である場合は(S250:YES)、特図1記憶数N1をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1~乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器TKZや液晶表示装置LCDを介して実施されている保留表示も更新される。
こうして読み出した特図1始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。
大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグFVに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器TKZに確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特図1始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて「大当り演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S340)。
S310の大当り判定の判定結果が否定の場合には(S310:NO)、主制御基板310は、S270で読み出した特図1始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS350の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて「はずれリーチ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S345)。
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出が行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて「はずれ演出用の変動パターン」の中から1つの変動パターンを決定する(S348)。
こうして変動パターンおよび最終停止図柄を決定した主制御基板310は、演出制御基板320に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器350を制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
これに対し、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特図2始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特図2始動保留情報である場合は(S255:YES)、特図2記憶数N2をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特図2変動表示用処理(S400)を実行する。S400の特図2変動表示用処理は、S310~S360と同様に構成されている。なお、S330に対応するステップでの乱数2に基づく大当たり種別の振り分け確率は、特図1始動保留情報よりも遊技者に有利な設定となっている。この特図開始処理においては、記憶順の早いものから順番に記憶を消化していく。
ここで、普通図柄当選確率は通常状態はほぼ0%で変短状態ではほぼ100%となっている上に、通常状態における普通電動役物開閉パターンは実質的な入球が困難で、しかも変動時間が長いことにより、通常状態で右打ちをしても特図2始動保留情報を取得することが困難であることから、遊技者は左打ちで遊技を行い、特図1始動保留情報を蓄積しながら遊技を実行する。この結果、通常状態においては、特図1始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行する。
一方、特図判定が大当たりとなり、大当たりに伴う特別遊技終了後の遊技状態について変短が付与された場合は、ほぼ100%の普通図柄当選確率と短時間の普通図柄変動時間の設定、開放時間の長い開閉パターンの設定により、第2始動口27において入球容易状態が継続的に発生し易く、特図2始動保留情報を蓄積し易い状態となる。本実施例のパチンコ機Pは、大当たり中の特別遊技は右打ちすることによって特別入賞口15に入賞させ易い状態となり、液晶表示装置LCD等に右打ち示唆のナビゲーション表示を実行する。この右打ちナビゲーション表示に従って、特別遊技の実行中は、遊技者は右打ちで遊技する。そして、変短が付与された場合は、特別遊技終了後も右打ちを示唆するナビゲーション表示に従って、遊技者は右打ちを続行することにより特図2始動保留情報を蓄積しながら有利に遊技を実行することができる。この結果、変短が付与された遊技状態においては、特別遊技の実行直前に保留されていた特図1始動保留情報が最初に消化された後、特図2始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行することとなる。
なお、変短が付与された遊技状態を開始したときは、特図2始動保留情報を優先して消化する様に構成することもできる。この場合は、通常状態に戻ったとき、特図2始動保留情報が存在しなくなってから特図1始動保留情報が消化される態様で特図開始処理が進行することとなる。
[5.4 普通図柄入力・判定]
次に、普通図柄抽選について説明する。主制御基板310は、図9(A)に示す制御系統により、普図スイッチSW37からの検知信号が入力されると普通図柄抽選を実行し、第2始動入賞装置27のソレノイドSOL27に対して開閉指令を実行する。普通図柄も4個を限度に保留記憶可能に構成されている。
普図判定用乱数は、「当たり判定用乱数(乱数5)」と「開閉パターン振分判定用乱数(乱数6)」とから構成される。当たり判定用乱数(乱数5)は、当たりかはずれかを決定するための乱数であり、普図スイッチ検知信号の入力を契機としてハードウェアロジックによって取得される、開閉パターン振分判定用乱数(乱数6)は、「当たり」の場合に、開放時間、開閉回数を異ならせた複数の開閉パターンのいずれかを決定するための乱数であって、普図スイッチ検知信号の入力を契機としてソフトウェアロジックによって取得される。
乱数5と比較する「普図当たり判定値」は、主制御基板310のROMに記憶されている。この普図当り判定値は、通常状態、変短状態共に当り確率≒1に設定されている。乱数6によって振り分けられる「開閉パターン」も、通常状態と変短状態のそれぞれについて、主制御基板310のROMに記憶されている。「開閉パターン」は、変短状態の普図当たりで選択され得る開閉パターン1b,2bの方が、通常状態の普図当たりで選択され得る開閉パターン1a,2aよりも、開放時間が長く、開閉回数が多くなる設定とされている。また、通常状態の開閉パターン1a,2aの開放時間は極めて短時間となっていて、第2始動入賞口27への実質的な入球は困難な設定となっている。逆に、変短状態の開閉パターン1b,2bには、第2始動入賞口27への入球が容易となる程度に十分な長さの開放時間が設定されている。
この普通図柄抽選の契機は、遊技領域の右側に設置されたゲート37を遊技球が通過することによって与えられるが、上述の様に、通常状態においては開閉パターンが実質的な入賞が困難なものとなっているから、右打ちしたとしても第2始動入賞口27の普通電動役物の開閉によるサポートはほとんど得ることができない。一方、変短状態にあるときは、開放時間の長い開閉パターンによって入球容易状態とされるから、右打ちすれば相当に高い確率で、第2始動入賞口27の普通電動役物の開閉によるサポートを得ることができる。
また、普通図柄変動時間についても、本実施例においては、通常状態の10秒に対して変短状態は1秒と、変動時間短縮とする設定となっている。従って、変短状態においては普通図柄当選確率がほぼ100%であることに加えて、普通図柄変動ゲームにおける変動時間が短くなることにより、次々と普通図柄当選となり、第2始動入賞口27においては普通電動役物によるサポートがほぼ継続的に発生する状態となり得る。
普通図柄入力処理は、図9(B)のフローチャートに示す様に、普図スイッチSW37からの検知信号が入力されると起動され(S510)、普通図柄保留情報の記憶数N37(以下、「普通図柄保留記憶数N37」という。)が4未満か否かを判定する(S520)。N37<4ならば(S520:YES)、普通図柄保留憶数N37をインクリメントし(S530)、「NO」の場合は普通図柄判定用の乱数取得に進むことなく処理を終了する。乱数取得に進むと、「当たり/はずれ」を判定するための乱数5,乱数6を取得し(S540)、RAMの普通図柄保留記憶部315に記憶する(S550)。
普通図柄判定処理は、図9(C)のフローチャートに示す様に、RAM内に普通図柄保留情報の記憶があるか否かを判定し(S610)、普通図柄保留情報があるときは当該記憶内容を記憶順の早いものから一つ目の乱数5を読み出す(S620)。
続いて、「当たり/はずれ」の判定を実行する(S630)。「当たり」と判定されると(S630:YES)、乱数6に基づいて当たり図柄抽選を行い(S640)、当たり図柄と、これに対応する開閉パターンとを決定する。その後、変動時間が経過するのを待って(S650:YES)、S640で決定した当たり図柄を普通図柄変動ゲームにおいて確定する(S660)。なお、この普通図柄変動ゲームは、特図表示器TKZに設けた普通図柄変動表示部において実行する。こうして当たり図柄が確定したら、S650で決定した開閉パターンに対応するソレノイド駆動信号を出力する(S670)。また、S630の判定が「NO」の場合は、普通図柄変動ゲームにおいて、変動時間が経過するのを待って(S680:YES)、はずれ図柄の確定をする(S690)。
この普通図柄変動ゲームにおける普通図柄変動時間が、「通常状態」か「変短状態」かにより異なっている。例えば、「通常状態」は普通図柄変動時間を10秒とし、「変短状態」は普通図柄変動時間を1秒とする。
[5.5 大当たり用特別遊技実行]
次に、大当たり用の特別遊技を実行するための制御処理について説明する。主制御基板310は、図10(A)に示す制御系統により、特別入賞口15の扉開閉用ソレノイドSOL7を駆動する大当たり用の特別遊技を実行する。
大当たり用特別遊技実行処理では、図10(B)のフローチャートに示す様に、主制御基板310は、特図表示器TKZに対して大当たり図柄の確定停止の指令を出力するタイミングを待ち(S710:YES)、大当たり種別に対応する特別遊技の内容をセットした上で(S720)、演出制御基板320へとオープニング演出を指令することによって開始される(S725)。
特別遊技を開始する際には、ラウンド数RNをデクリメントすると共に(S730)、扉開閉用ソレノイドSOL7に対して扉を開かせるためのON信号を出力する(S740)。そして、入賞スイッチSW7からの検知信号を積算した値が規定カウント(例えば、9カウント)に達するか(S742:YES)、あるいは当該ラウンドに対する扉開放時間を特定する規定時間(例えば、長時間開放ラウンドに対する30秒)が経過したら(S744:YES)、扉開閉用ソレノイドSOL7に対して扉を閉じさせるためのOFF信号を出力する(S750)。
こうして一つのラウンドが終了したら、ラウンド数RNが「0」になっているか否かを判定する(S760)。ラウンド数RNが「0」ではないときは(S760:NO)、S730へと戻る。一方、ラウンド数RNが「0」となっているときは(S760:YES)、大当たり種別が変短付与に該当しているか否かを判定する(S770)。変短付与に該当している場合は(S770:YES)、変短継続回数Nhtを設定する(S780)。
こうして変短継続回数Nhtを設定した後、変短フラグFHをセットし(S790)、演算制御基板320に対してエンディング演出を指令し、大当たりフラグFVをリセットして処理を終了する(S795,S797)。なお、変短が付与されない場合は(S770:NO)、S780はパスし、変短フラグFHをセットすることなくエンディング指令を出力する(S795)。
[5.6 実働履歴累計値計測]
次に、実働履歴累計値を計測するための制御処理について説明する。主制御基板310は、図11(A)に示す制御系統により、排出球の累計値、特図変動回数の累計値、及び大当たり回数の累計値を計測し、実働履歴累計値記憶部317に記憶している。
排出球数累計値計測処理では、図11(B)のフローチャートに示す様に、球排出通路50に設置された排出球検知スイッチSW21から検知信号が入力されると(S810:YES)、排出球累計値Cexをインクリメントする処理が実行される(S820)。
特図変動累計値計測処理では、図11(C)のフローチャートに示す様に、特図開始処理においてS360が実行されるとS830がYESとなり、特図変動累計値Cstをインクリメントする処理が実行される(S840)。
大当たり累計値計測処理では、図11(D)のフローチャートに示す様に、特図開始処理においてS320で大当たりフラグがセットされるとS850がYESとなり、大当たり累計値Cvをインクリメントする処理が実行される(S860)。
これらの累計値計測処理によって計測された排出球累計値Cex、特図変動累計値Cst、及び大当たり累計値Cvが、実働履歴累計値記憶部317に記憶される。実働履歴累計値記憶部317は、EEPROM、バックアップRAM等によって構成され、電源が切断されても記憶内容を保持する。なお、これらの他に、実働履歴累計値記憶部317には、賞球払出個数の累計値や、エラー発生回数の累計値なども記憶される。累計値は、ホールコンピュータ400に送信されて管理データとして使用される他に、本実施例においては演出制御基板320にも送信される。
[6 演出制御基板の制御処理]
[6.1 変動モード別実働履歴累計値蓄積]
本実施例においては、主制御基板310から入力される累計値計測情報に基づいて、演出制御基板320側においては「変動モード毎の実働履歴累計値」の蓄積を実行している。「変動モード毎の実働履歴累計値」の蓄積結果は、後述のモード選択処理における「変動モードの選択肢」ごとの「遊技履歴に関する情報」の報知において、そのまま、あるいは所定の加工を施して用いられる。演出制御基板320における変動モード毎の実働履歴累計値は、図12(A)に示す制御系統により、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共に、演出制御基板320のモード選択時報知用データ記憶部327へと蓄積される。
演出制御基板320は変動モード毎の実働履歴累計値の蓄積に当たって、まず、図12(B)に示す蓄積カウンタ選定処理を実行する。この蓄積カウンタ設定処理は開店時に開始され、閉店時に終了する。演出制御基板320は、まず、開店時において初期設定された変動モードに対応する様に、排出球累計値蓄積カウンタCexX,特図変動累計値蓄積カウンタCstX,大当たり累計値蓄積カウンタCvXを設定する(S911)。そして、後述のモード選択処理において変動モードが変更された場合は(S912:YES)、変更後の変動モードに対応する様に累計値蓄積カウンタCexX,CstX,CvXの設定を変更する(S913)。以後、閉店時となるまで、遊技者が選択した変動モードに応じて累計値蓄積カウンタCexX,CstX,CvXの設定が最新状態に対応する様にカウンタの設定を実行する(S914:NO→S912)。そして、閉店時となったら(S914:YES)、累計値蓄積カウンタCexX,CstX,CvXの設定をリセットする(S915)。
演出制御基板320は、図12(C)に示す排出球累計値蓄積処理において、開店時には全ての変動モードの排出球累計値蓄積カウンタCexXを0にリセットする(S921)。そして、主制御基板310において排出球累計値Cexが更新される毎に(S922:YES)、その時点の変動モードに対応して設定されている排出球累計値蓄積カウンタCexXをインクリメントし、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S923)。この排出球累計値蓄積カウンタCexXによる変動モード毎の排出球累計値の蓄積を閉店時まで繰り返し実行する(S924:NO→S922)。そして、閉店時となったら(S924:YES)、当日累計値情報として、変動モード毎の排出球累計値カウンタCexXの値を日付情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S925)。
演出制御基板320は、図12(D)に示す特図変動累計値蓄積処理において、開店時には全ての変動モードの特図変動累計値蓄積カウンタCstXを0にリセットする(S931)。そして、主制御基板310において特図変動累計値Cstが更新される毎に(S932:YES)、その時点の変動モードに対応して設定されている特図変動累計値蓄積カウンタCstXをインクリメントし、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S933)。この特図変動累計値蓄積カウンタCstXによる変動モード毎の特図変動累計値の蓄積を閉店時まで繰り返し実行する(S934:NO→S932)。そして、閉店時となったら(S934:YES)、当日累計値情報として、変動モード毎の特図変動累計値カウンタCstXの値を日付情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S935)。
演出制御基板320は、図12(E)に示す大当たり累計値蓄積処理において、開店時には全ての変動モードの大当たり累計値蓄積カウンタCvXを0にリセットする(S941)。そして、主制御基板310において大当たり累計値Cvが更新される毎に(S942:YES)、その時点の変動モードに対応して設定されている大当たり累計値蓄積カウンタCvXをインクリメントし、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S943)。この大当たり累計値蓄積カウンタCvXによる変動モード毎の大当たり累計値の蓄積を閉店時まで繰り返し実行する(S944:NO→S942)。そして、閉店時となったら(S944:YES)、当日累計値情報として、変動モード毎の大当たり累計値カウンタCvXの値を日付情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S945)。
[6.2 告知モード別大当たり履歴累計値蓄積]
本実施例においては、主制御基板310から送信される大当たり累計値の計測情報に基づき、演出制御基板320側においては告知モード毎の大当たり履歴累計値の蓄積も実行している。告知モード毎の実働履歴累計値の蓄積結果は、後述のモード選択処理における「告知モードの選択肢」ごとの「遊技履歴に関する情報」の報知において、そのまま、あるいは所定の加工を施して用いられる。演出制御基板320における告知モード毎の大当たり履歴累計値は、図13(A)に示す制御系統により、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共に、演出制御基板320のモード選択時報知用データ記憶部327へと蓄積される。
演出制御基板320は告知モード毎の大当たり累計値の蓄積に当たって、まず、図13(B)に示す蓄積カウンタ選定処理を実行する。この蓄積カウンタ設定処理は開店時に開始され、閉店時に終了する。なお、告知モードは、確変大当たり後の変短状態に対して設定が可能なモードである。従って、開店時には告知モードに対応する大当たり累計値蓄積カウンタCvY(Yは、告知モードの種類に対応する。)は設定されていない。そこで、確変大当たりとなって告知モードの選択が可能な条件が整ったか否かを判定する(S951)。YESと判定された場合は、後述のモード選択処理において選択された告知モードに対応する様に大当たり累計値蓄積カウンタCvYを設定する(S952)。その後、確変大当たり後の変短状態が終了したか否かを判定する(S953)。変短状態が終了していない場合は(S953:YES)、告知モードの変更がなされたか否かを判定する(S954)。告知モードの変更がなされていない場合は(S954:NO)、S953へと戻り、変更がなされた場合は(S954:YES)、変更後の告知モードに対応する様に大当たり累計値蓄積カウンタCvYを設定してから(S955)、S953へと戻る。変短状態が終了したと判定された場合は(S953:YES)、大当たり累計値蓄積カウンタCvYの設定をリセットする(S956)。以後、閉店時となるまで、S951以下の処理を繰り返し実行する。そして、閉店時となったら(S957:YES)、大当たり累計値蓄積カウンタCvYの設定をリセットする(S958)。
演出制御基板320は、図13(C)に示す大当たり累計値蓄積処理において、開店時には全ての告知モードの大当たり累計値蓄積カウンタCvYを0にリセットする(S961)。次に、確変大当たり後の変短状態となったか否かを判定する(S962)。YESと判定された場合は、主制御基板310において大当たり累計値Cvが更新されたか否かを判定する(S963)。YESと判定された場合は、その時点の告知モードに対応して設定されている大当たり累計値蓄積カウンタCvYをインクリメントし、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S964)。この大当たり累計値蓄積カウンタCvYによる告知モード毎の大当たり累計値の蓄積を変短終了まで繰り返し実行する(S965:NO→S963)。この間、主制御基板310において大当たり累計値Cvが更新されていないと判定された場合は(S963:NO)、S964をパスしてS965へと進む。また、変短終了となった場合は(S965:YES)、閉店時となったか否かの判定へと進む(S966)。そして、閉店時となったら(S966:YES)、当日累計値情報として、告知モード毎の大当たり累計値カウンタCvYの値を日付情報と共にモード選択時報知用データ記憶部327へと記憶する(S967)。なお、S962においてNOと判定された場合は閉店時になったか否かの判定へと進む(S966)。この結果、一日中、確変大当たりが発生しなかった場合は、当該営業日の全ての告知モードの大当たり累計値蓄積カウンタCvYは0のままとなる。
[6.2 モード選択時報知情報生成1]
次に、上述の様にして蓄積された変動モード毎、告知モード毎の履歴蓄積結果を用いて、後述のモード選択処理において「選択肢ごとの遊技履歴に関する情報」の生成処理について説明する。
この処理では、図14(A)に示す様に、演出制御基板320においてモード選択時報知用データ記憶部327に蓄積した情報から生成した情報が、演出制御基板320の生成情報記憶部328へと記憶される。この際、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報も参照される。この処理においては、変動モード毎の選択回数NhX,大当たりモード毎の選択回数NvX,及び告知モード毎の選択回数NkXに関する情報が、モード選択順位に対応する割合の形で生成される。
そのため、演出制御基板320は、図14(B)に示す変動モード選択回数情報生成ルーチンを開店時から閉店時まで実行している。開店時には、演出制御基板320は、全ての変動モードについて、選択回数NhXを0にリセットする(S971)。そして、変動モードの設定がなされたか否かを判定する(S972)。変動モードは開店時においては初期設定がなされているから、初期設定された変動モードに対してS972がYESとなり、当該変動モードの選択回数NhXをインクリメントする(S973)。続いて、全ての変動モードの累積選択回数ΣNhXを算出し(S974)、各変動モード毎の選択割合NhX/ΣNhXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S975)。閉店時となるまでは、S972以下の処理を繰り返し実行する(S976:NO→S972)。そして、閉店時となったら(S976:YES)、各変動モードに対する選択回数,選択割合に日付情報を付与して記憶する(S977)。
また、演出制御基板320は、図14(C)に示す大当たりモード選択回数情報生成ルーチンも開店時から閉店時まで実行している。開店時には、演出制御基板320は、全ての大当たりモードについて、選択回数NvXを0にリセットする(S981)。そして、大当たりモードの設定がなされたか否かを判定する(S982)。大当たりが発生するまではS982はNOのままであり、閉店時まで一度も大当たりが発生しない場合は、いずれの大当たりモードにおいても選択回数NvXは0のままとなる。一方、大当たりが発生するとS982がYESとなり、大当たり演出の中で設定された大当たりモードNvXについてインクリメントを実行する(S983)。続いて、全ての大当たりモードの累積選択回数ΣNvXを算出し(S984)、各大当たりモード毎の選択割合NvX/ΣNvXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S985)。閉店時となるまでは、S982以下の処理を繰り返し実行する(S986:NO→S982)。そして、閉店時となったら(S986:YES)、各大当たりモードに対する選択回数,選択割合に日付情報を付与して記憶する(S987)。
さらに、演出制御基板320は、図14(D)に示す告知モード選択回数情報生成ルーチンも開店時から閉店時まで実行している。開店時には、演出制御基板320は、全ての告知モードについて、選択回数NkXを0にリセットする(S991)。そして、告知モードの設定がなされたか否かを判定する(S992)。告知モードは、確変大当たり後の変短状態に対して設定可能なものであるから、開店当初はS992はNOのままであり、閉店時まで一度も確変大当たりが発生しない場合は、いずれの告知モードにおいても選択回数NkXは0のままとなる。一方、確変大当たりが発生するとS992がYESとなり、大当たり演出の中で設定された告知モードNkXについてインクリメントを実行する(S993)。続いて、全ての告知モードの累積選択回数ΣNkXを算出し(S994)、各大当たりモード毎の選択割合NkX/ΣNkXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S995)。閉店時となるまでは、S992以下の処理を繰り返し実行する(S996:NO→S992)。そして、閉店時となったら(S996:YES)、各告知モードに対する選択回数,選択割合に日付情報を付与して記憶する(S997)。
[6.3 モード選択時報知情報生成2]
この処理では、図15(A)に示す様に、演出制御基板320においてモード選択時報知用データ記憶部327に蓄積した情報から生成した情報が、演出制御基板320の生成情報記憶部328へと記憶される。この際、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報も参照される。この処理においては、変動モード毎の累計値蓄積カウンタCexX,CstX,CvXに関する情報が、モード選択順位に対応する割合の形で生成される。
そのため、演出制御基板320は、図15(B)に示す選択継続情報生成ルーチンを開店時から閉店時まで実行している。この処理において、演出制御基板320は、生成条件が成立したか否かを判定する(S1001)。実際に遊技が開始されるまではS1001はNOのままとなる。一方、遊技が開始されてカウンタCexXが更新されることによってS1001はYESとなる。いずれかの変動モードについてカウンタCexXが更新されると(S1001:YES)、演出制御基板320は、各変動モード毎の排出球累計値蓄積カウンタCexXの値を読み出し(S1002)、当日の累積排出球数ΣCexXを算出し(S1003)、各変動モード毎の実質遊技続行割合CexX/ΣCexXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S1004)。閉店時となるまでは、S1001以下の処理を繰り返し実行する(S1005:NO→S1001)。そして、閉店時となったら(S1005:YES)、各変動モードに対する実質遊技続行割合CexX/ΣCexXに日付情報を付与して記憶する(S1006)。
また、演出制御基板320は、図15(C)に示す特図変動回数情報生成ルーチンを開店時から閉店時まで実行している。この処理において、演出制御基板320は、生成条件が成立したか否かを判定する(S1011)。実際に遊技が開始されるまではS1011はNOのままとなる。一方、遊技が開始されてカウンタCstXが更新されることによりS1011はYESとなる。いずれかの変動モードについてカウンタCstXが更新されると(S1011:YES)、演出制御基板320は、各変動モード毎の特図変動累計値蓄積カウンタCstXの値を読み出し(S1012)、当日の累積変動回数ΣCstXを算出し(S1013)、各変動モード毎の特図変動発生割合CstX/ΣCstXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S1014)。閉店時となるまでは、S1011以下の処理を繰り返し実行する(S1015:NO→S1011)。そして、閉店時となったら(S1015:YES)、各変動モードに対する特図変動発生割合CstX/ΣCstXに日付情報を付与して記憶する(S1016)。
さらに、演出制御基板320は、図15(D)に示す大当たり回数情報生成ルーチンも開店時から閉店時まで実行している。この処理において、演出制御基板320は、生成条件が成立したか否かを判定する(S1021)。初当たりが発生するまではS1021はNOのままとなる。一方、初当たりが発生してカウンタCvXが更新されることによりS1021はYESとなる。いずれかの変動モードについてカウンタCvXが更新されると(S1021:YES)、演出制御基板320は、各変動モード毎の大当たり累計値蓄積カウンタCvXの値を読み出し(S1022)、当日の累積大当たり回数ΣCvXを算出し(S1023)、各変動モード毎の大当たり発生割合CvX/ΣCvXを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S1024)。閉店時となるまでは、S1021以下の処理を繰り返し実行する(S1025:NO→S1021)。そして、閉店時となったら(S1025:YES)、各変動モードに対する大当たり発生割合CvX/ΣCvXに日付情報を付与して記憶する(S1026)。
[6.4 モード選択時報知情報生成3]
この処理では、図16(A)に示す様に、演出制御基板320においてモード選択時報知用データ記憶部327に蓄積した情報から生成した情報が、演出制御基板320の生成情報記憶部328へと記憶される。この際、リアルタイムクロックRTCからの時刻情報も参照される。この処理においては、告知モード毎の大当たり累計値蓄積カウンタCvXに関する情報が、割合の形で生成される。
そのため、演出制御基板320は、図16(B)に示す大当たり回数情報2生成ルーチンも開店時から閉店時まで実行している。この処理において、演出制御基板320は、生成条件が成立したか否かを判定する(S1031)。確変大当たり後の告知モード演出実行中に連チャン大当たりが発生するまではS1031はNOのままとなる。一方、確変大当たり後の告知モード演出実行中に連チャン大当たりが発生してカウンタCvYが更新されることによりS1031はYESとなる。いずれかの告知モードについてカウンタCvYが更新されると(S1031:YES)、演出制御基板320は、各告知モード毎の大当たり累計値蓄積カウンタCvYの値を読み出し(S1032)、当日の告知モード実行中の累積大当たり回数ΣCvYを算出し(S1033)、各告知モード毎の大当たり発生割合CvY/ΣCvYを算出し、生成情報記憶部328へと記憶する(S1034)。閉店時となるまでは、S1031以下の処理を繰り返し実行する(S1035:NO→S1031)。そして、閉店時となったら(S1035:YES)、各告知モードに対する大当たり発生割合CvY/ΣCvYに日付情報を付与して記憶する(S1036)。
[6.5 変動ゲーム中演出]
演出制御基板320は、図17(A)に示す様な制御系統により、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって変動演出を実行する。この際、本実施例では、所定のタイミングにおいて変動モード選択処理も実行される。
変動演出処理は、図17(B)のフローチャートに示す様に、特別遊技中でない場合に変動コマンドを受信することによって開始する(S1110:NO,S1120:YES)。
演出制御基板320は、変動コマンドを受信したら(S1120:YES)、当該変動コマンドに従って変動ゲーム中演出データDH及び飾り図柄変動演出用データDKZを読み出す(S1130)。そして、スピーカSPによる音声演出、液晶表示装置LCDによる表示演出、発光装置LEDによる発光演出、モータMT及びソレノイドSOLを介して可動体を動作させる可動体演出を実行する(S1140)。なお、変動ゲーム中演出データDHには、例えば可動体演出のためのデータがブランクとなっている場合等も含まれており、その場合は可動体演出は実行されない。なお、変動ゲーム中演出データDHは変動モードの選択状況も考慮して読み出される。
この変動ゲーム中演出データDHによる演出は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに(S1150:YES)、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する(S1160)。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器350への特別図柄確定のタイミングと同期している。
なお、演出制御基板320は、特別遊技中であるときは(S1110:YES)、大当たり中演出データDVに基づいて大当たり中演出処理を実行する(S1500)。また、デモ表示タイミングであるときは(S1170:YES)、デモ中演出データDMに基づいてデモ中演出処理を実行する(S1400)。
本実施例においては、変動コマンドを受信せず(S1120:NO)、S1170もNOとなっているときにプッシュボタンPBを所定時間だけ点灯したのち消灯する(S1180)。
演出制御基板320は、図17(C)に示す変動モード選択ルーチンを所定の割り込みタイミングにおいて実行しており、S1180によってプッシュボタンPBが点灯している間に押下されると所定条件が成立したと判定し(S1211:YES)、それ以降の変動モード選択処理を開始する。
演出制御基板320は、まず、演出データ記憶手段325から変動モード選択演出用データDMShを読み出す(S1212)。続いて、生成情報記憶部328から、各変動モード毎の選択割合NhX/ΣNhX,実質遊技続行割合CexX/ΣCexX,特図変動発生割合CstX/ΣCstX,大当たり発生割合CvX/ΣCvXを読み出す(S1213)。そして、後述の選択肢提示処理(S2100)を実行する。選択肢提示処理による選択肢の提示の後、プッシュボタンPB,カーソルキーCSKの操作による変動モードの選択入力がなされた場合は(S1215:YES)、当該選択入力に対応する変動モードを変動演出のモードとして決定し(S1216)、リアルタイムクロックRTCによる時刻情報と共に変動モードとして設定する(S1217)。なお、選択肢を提示した後、所定時間が経過してタイムアップするまで選択入力がなかった場合は(S1218:YES)、S1216の処理では、選択肢提示処理においてデフォルト選択状態として提示した変動モード、若しくは現在の変動モード、又はカーソルキーCSK操作によって選択準備状態とされた変動モードに決定する。なお、結果的に変動モードの変更がなかったときは、図14(B)のS972の判定をYESにしない。
[6.6 デモ演出]
演出制御基板320は、図18(A)に示す制御系統により、主制御基板310から客待ちデモ演出が指令されたとき、及び、デモ用特定演出を実行するタイミングになったときにデモ演出を実行する。
客待ちデモ演出指令は、主制御基板310側で出力される。具体的には、図18(B)のフローチャートに示す様に、発射停止状態となり(S1310:YES)、かつ、発射停止のままで所定時間が経過したとき(S1320:YES)、演出制御基板320に対する客待ちデモ演出指令として出力される(S1330)。
演出制御基板320は、主制御基板310からのデモ演出指令を受信したら、図18(C)に示すデモ演出ルーチンによる処理を開始し、まず、演出データ記憶手段325からデモ中演出データDMを読み出してデモ演出を開始する(S1410)。このデモ演出の最中は、プッシュボタンPBを点灯した状態としている。そして、プッシュボタンPBが押下されると所定条件が成立したと判定し(S1411:YES)、それ以降の変動モード選択のための処理を開始する。
演出制御基板320は、まず、演出データ記憶手段325から変動モード選択演出用データDMShを読み出す(S1412)。続いて、生成情報記憶部328から、各変動モード毎の選択割合NhX/ΣNhX,実質遊技続行割合CexX/ΣCexX,特図変動発生割合CstX/ΣCstX,大当たり発生割合CvX/ΣCvXを読み出す(S1413)。そして、後述の選択肢提示処理(S2100)を実行する。選択肢提示処理による選択肢の提示の後、プッシュボタンPB,カーソルキーCSKの操作による変動モードの選択入力がなされた場合は(S1415:YES)、当該選択入力に対応する変動モードを変動演出のモードとして決定し(S1416)、リアルタイムクロックRTCによる時刻情報と共に変動モードとして設定する(S1417)。なお、選択肢を提示した後、所定時間が経過してタイムアップするまで選択入力がなかった場合は(S1418:YES)、S1416の処理では、選択肢提示処理においてデフォルト選択状態として提示した変動モード、若しくは現在の変動モード、又はカーソルキーCSK操作によって選択準備状態とされた変動モードに決定する。ここでも、結果的に変動モードの変更がなかったときは、図14(B)のS972の判定をYESにしない。
[6.7 大当たり中演出]
演出制御基板320は、図19(A)に示す制御系統により、主制御基板310から大当たりラウンドの開始が指令されたとき、大当たり中演出を実行する。
大当たり演出においては、演出制御基板320は、図19(B)に示す様に、演出データ記憶手段325から大当たり中演出データDVを読み出し(S1510)、オープニング演出開始タイミングになるのを待って(S1520:YES)、オープニング演出を開始する(S1530)。その後、大当たりモード選択処理を実行し(S1540)、以下、エンディング演出開始タイミングになるまでラウンド演出を繰り返した後(S1550:NO)、エンディング開始タイミングになったら(S1550:YES)、エンディング演出を開始する(S1560)。続いて、今回の大当たりが確変であり大当たり後の状態が変短状態に設定されているか否かを判定する(S1570)。S1570の判定がYESの場合は、エンディング演出が終了する前に告知モード選択処理を実行する(S1580)。
演出制御基板320は、所定条件が成立して図19(B)に示す大当たりモード選択処理を開始すると、まず、演出データ記憶手段325から大当たりモード選択演出用データDMSvを読み出す(S1542)。続いて、生成情報記憶部328から、各大当たりモード毎の選択割合NvX/ΣNvXを読み出す(S1543)。そして、後述の選択肢提示処理(S2200)を実行する。選択肢提示処理による選択肢の提示の後、プッシュボタンPB,カーソルキーCSKの操作による大当たりモードの選択入力がなされた場合は(S1545:YES)、当該選択入力に対応する大当たりモードを大当たり演出のモードとして決定し(S1546)、リアルタイムクロックRTCによる時刻情報と共に大当たりモードとして設定する(S1547)。なお、選択肢を提示した後、所定時間が経過してタイムアップするまで選択入力がなかった場合は(S1548:YES)、S1546の処理では、選択肢提示処理においてデフォルト選択状態として提示した大当たりモード、若しくは現在の大当たりモード、又はカーソルキーCSK操作によって選択準備状態とされた大当たりモードに決定する。演出制御基板320は、大当たり演出処理ルーチンのその後の大当たり演出については、S1547で設定された大当たりモードに対応する演出を実行する。ここでも、結果的に現在の大当たりモードの変更がなかったときは、図14(C)のS982の判定をYESにしない。
演出制御基板320は、所定条件が成立して図19(C)に示す告知モード選択処理を開始すると、まず、演出データ記憶手段325から告知モード選択演出用データDMSkを読み出す(S1582)。続いて、生成情報記憶部328から、各告知モード毎の選択割合NkX/ΣNkXを読み出す(S1583)。そして、後述の選択肢提示処理(S2300)を実行する。選択肢提示処理による選択肢の提示の後、プッシュボタンPB,カーソルキーCSKの操作による告知モードの選択入力がなされた場合は(S1585:YES)、当該選択入力に対応する告知モードを変短状態における告知演出のモードとして決定し(S1586)、リアルタイムクロックRTCによる時刻情報と共に告知モードとして設定する(S1587)。なお、選択肢を提示した後、所定時間が経過してタイムアップするまで選択入力がなかった場合は(S1588:YES)、S1586の処理では、選択肢提示処理においてデフォルト選択状態として提示した告知モード、若しくは現在の告知モード、又はカーソルキーCSK操作によって選択準備状態とされた告知モードに決定する。この告知モードは、確変大当たり終了後の変短状態におけるスーパーリーチの際の演出モードとなる。ここでも、結果的に告知モードの変更がなかったときは、図14(C)のS982の判定をYESにしない。
[6.8 選択肢提示]
演出制御基板320は、図20(A)に示す制御系統により、変動モード、大当たりモード、告知モードの選択肢の提示演出を実行する。
変動モードの選択肢提示演出においては、演出制御基板320は、図20(B)に示す様に、演出データ記憶手段325から読み出した変動モード選択演出用データDMShのそれぞれの選択肢に対して生成情報記憶部328から読み出した選択割合NhX/ΣNhX,実質遊技続行割合CexX/ΣCexX,特図変動発生割合CstX/ΣCstX,大当たり発生割合CvX/ΣCvXを紐付けする(S2110)。次に、選択割合NhX/ΣNhXの値に従い、選択肢に順位付けを行い、順位の高いものからの順番になる様に選択肢のソート(並べ替え)を実行する(S2120)。そして、S2120のソート結果に基づき、最初に提示する複数個の選択肢を決定する(S2130)。その後、紐付けた選択割合NhX/ΣNhX,実質遊技続行割合CexX/ΣCexX,特図変動発生割合CstX/ΣCstX,大当たり発生割合CvX/ΣCvXが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2140)。この提示に当たっては、液晶表示装置LCDの全画面又は一部に生成したウインドウを利用する。例えば、図21(A)に示す様に、第1位,第2位,第3位という順位と共に、選択率,続行率,変動率,当選率といった数値情報を各変動モードA,B,Cに対応付けて見やすく並べた状態で表示する。単に順位だけでなく選択率の数値情報も併せて報知することにより、各変動パターンの順位の相違は僅差によるものか否かといった情報をも遊技者に提供することができる。また、各変動パターンにおける続行率の数値情報は、選択回数よりも人気のバロメーターとなり得る。さらに、各変動モードにおける変動率や当選率は遊技者の選択意欲に訴えるものとなる。
その後、カーソルキーCSKの操作により提示する選択肢の変更を要求する入力があったら(S2150:YES)、S2120のソート結果に基づき、次に提示する複数個の選択肢を決定し(S2160)、紐付けた選択割合NhX/ΣNhX,実質遊技続行割合CexX/ΣCexX,特図変動発生割合CstX/ΣCstX,大当たり発生割合CvX/ΣCvXが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2170)。
大当たりモードの選択肢提示演出においては、演出制御基板320は、図20(C)に示す様に、演出データ記憶手段325から読み出した大当たりモード選択演出用データDMSvのそれぞれの選択肢に対して生成情報記憶部328から読み出した選択割合NvX/ΣNvXを紐付けする(S2210)。次に、選択割合NvX/ΣNvXの値に従い、選択肢に順位付けを行い、順位の高いものからの順番になる様に選択肢のソート(並べ替え)を実行する(S2220)。そして、S2220のソート結果に基づき、最初に提示する複数個の選択肢を決定する(S2230)。その後、紐付けた選択割合NvX/ΣNvXが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2240)。この提示に当たっては、液晶表示装置LCDの一部に生成したウインドウを利用する。例えば、図21(B)に示す様に、第1位,第2位,第3位という順位と共に、選択率の数値情報を各大当たりモードA,B,Cに対応付けて見やすく並べた状態で表示する。順位の差が僅差か否かの情報を遊技者に報知することができる。
その後、カーソルキーCSKの操作により提示する選択肢の変更を要求する入力があったら(S2250:YES)、S2220のソート結果に基づき、次に提示する複数個の選択肢を決定し(S2260)、紐付けた選択割合NvX/ΣNvXが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2270)。
告知モードの選択肢提示演出においては、演出制御基板320は、図20(D)に示す様に、演出データ記憶手段325から読み出した告知モード選択演出用データDMSkのそれぞれの選択肢に対して生成情報記憶部328から読み出した選択割合NkX/ΣNkX,告知モードにおける大当たり発生割合CvY/ΣCvYを紐付けする(S2310)。次に、選択割合NkX/ΣNkXの値に従い、選択肢に順位付けを行い、順位の高いものからの順番になる様に選択肢のソート(並べ替え)を実行する(S2320)。そして、S2320のソート結果に基づき、最初に提示する複数個の選択肢を決定する(S2330)。その後、紐付けた選択割合NkX/ΣNkX,告知モードの大当たり発生割合CvY/ΣCvYが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2340)。この提示に当たっては、液晶表示装置LCDの一部に生成したウインドウを利用する。例えば、図21(C)に示す様に、第1位,第2位,第3位という順位と共に、選択率,当選率といった数値情報を各告知モードα,β,γに対応付けて見やすく並べた状態で表示する。選択率の数値情報も併せて報知することにより順位と人気の関係は僅差か否かを遊技者に報知することができる。また、各告知モードにおける当選率は遊技者の選択意欲に訴えるものとなる。
その後、カーソルキーCSKの操作により提示する選択肢の変更を要求する入力があったら(S2350:YES)、S2320のソート結果に基づき、次に提示する複数個の選択肢を決定し(S2360)、紐付けた選択割合NkX/ΣNkX,告知モードの大当たり発生割合CvY/ΣCvYが数値情報として対応する様に複数個の選択肢を提示する(S2370)。
[7 リセット]
本実施例では、演出制御基板320のモード選択時報知用データ記憶部327及び生成情報記憶部328におけるデータの保持期間を定めてある。これらの記憶部327,328に各種データを記憶する際、リアルタイムクロックRTCによる日付情報を付与している。そこで、保持期間を経過したデータであるか否かを容易に把握することができる。これにより、保持期間を経過したデータだけを消去することができる。なお、RAMクリアが実行された場合は、保持期間が経過していなくてもこれら記憶部327,328からデータを消去する。これら特定の条件が成立した場合に記憶部327,328のデータの全部又は一部を消去することにより、例えば、遊技機の設置コーナーを変更して「準新台」として復活させたいとき、客層の変化に合わせてそれまでの客層の好みを一掃したいとき、一定期間ごとに選択肢に関する選択状況に基づく報知内容をリセットしてより一掃バランスよく各選択肢が選択される様にしたいとき、などに効果が発揮される。